JP2015116370A - 化粧用スポンジ、ポリウレタン弾性体の製造方法、及び化粧料塗布具 - Google Patents

化粧用スポンジ、ポリウレタン弾性体の製造方法、及び化粧料塗布具 Download PDF

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Abstract

【課題】チクソ性と粘度が低い化粧料の塗布に使用する場合でも、内奥部まで化粧料が浸透しにくく、化粧料の含みが適度であり、さらに大きな伸び面積が得られる化粧用スポンジ、この化粧用スポンジを形成するポリウレタン弾性体の製造方法、及びこの化粧用スポンジを使用する化粧料塗布具を提供する。
【解決手段】エタノール透過時間が10秒以上、400秒未満の範囲であり、その断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に、最大径が15〜150μmの気孔を150個以上、10μmを超える気孔を10個以下含み、最大径が15〜75μmの気孔数が、15〜150μmの気孔数の80%以上であり、かつ見掛密度が120〜200kg/mである3次元膜構造のポリウレタン弾性体よりなる化粧用スポンジ、特定の粒度分布を有する無機塩の粉粒体を用いる水凝固法によるポリウレタン弾性体の製造方法、前記化粧用スポンジを使用する化粧料塗布具。
【選択図】図2

Description

本発明は、ファウンデーション用パフ、特にリキッド状ファウンデーション用のパフとして好適に用いられる化粧用スポンジ、その化粧用スポンジを形成するポリウレタン弾性体の製造方法、及びこの化粧用スポンジを用いる化粧料塗布具に関する。
近年、化粧方法において、ファウンデーション等をできるだけ薄く滑らかに肌に塗布する仕上がり、すなわち「薄づき」と「伸び」のある仕上がりが求められている。このため低粘度のリキッド状化粧料、特に低粘度化が容易であり見た目も薄づきや伸びに信頼感のあるリキッド状ファウンデーションが好まれる傾向にある。そして、最近の傾向として、より薄付きで毛穴をカバーする隠蔽力のあるチクソ性(揺変性)のより小さいリキッド状ファウンデーションが販売され始めている。
このような低粘度の化粧料の塗布具として従来の化粧用スポンジを使用すると、化粧料が塗布具の内奥部にまで吸収され、内部に残留した化粧料の腐敗等の衛生面での問題が生じやすい。そこで、内奥部までの吸収の抑制が望まれる。一方、吸収を抑制し過ぎると、化粧料の含みが少なくなり、滑らかに大きな伸び面積を得ることが困難になる。そこで、適度な吸収深度(化粧料の含み)が望まれる。
低粘度の化粧料用の塗布具としては、ポリウレタンフォームからなる化粧料塗布具が、種々提案されている。例えば、特許文献1には、スキン層を有する軟質発泡体をコア材とし、これをミクロポーラスな湿式ポリウレタンの外皮材により包覆したパフが開示されている。このパフによれば化粧料の過度の吸収を抑えることができる。しかし、このパフは、製造工程が複雑なため製造コストが著しく高くなる。
特許文献2には、ポリウレタン樹脂のジメチルホルムアミド溶液に、ポリビニルアルコール等の気孔生成剤を添加し、水中凝固させた後、気孔生成剤を洗い流すことによって得られるポリウレタン樹脂の多孔質体が記載されている。しかし、この多孔質体は、気孔が複雑で不定形なものであり、化粧用スポンジとして用いると巨大な気孔の存在により化粧料の塗布むらや筋が生じるとの問題がある。
また、特許文献3には、シリコーン系撥水撥油剤が混練された原料よりなる連続気孔構造を有する発泡ポリウレタンが開示されている。この発泡ポリウレタンを化粧用スポンジとして用いると、スポンジ骨格は撥水撥油性であるので、使用初期は化粧料の吸収を防ぐ効果が認められるが、繰り返し使用するうちに化粧料が連続気孔構造の空孔部に押し込まれスポンジ内奥部に吸収されていくとの問題がある。
さらに、特許文献4には、径が異なる2種類の網目(孔)を有し、3次元網目構造を有するポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジが開示されている。そして、3次元網目構造であるので、肌触り、柔軟性、化粧ノリが良好な優れた化粧用スポンジが得られると述べられている(段落0042)。しかしながら、特許文献4に記載されているような3次元網目構造の化粧用スポンジは、繰り返しの使用により、化粧料が網目(孔)の空孔部に押し込まれスポンジ内奥部に吸収されていき、スポンジを貫通して指に付着する問題を生じ、化粧用具としては満足できるものではない。又、吸収深度及び伸び面積とも満足できるレベルではない。
さらに、特許文献5には、リキッド状ファウンデーション等の粘度の低い化粧料の塗布に使用される化粧用スポンジとして、3次元膜構造の連続気孔弾性体であって、エタノール透過時間が10秒以上、200秒未満の範囲であり、かつその断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に、最大径が50μm以上、300μm以下の気孔を20個以上含むポリウレタン弾性体よりなる化粧用スポンジが開示されている。そして、この化粧用スポンジを使用すれば、スポンジの内奥部まで化粧料が浸透しにくいため、吸収深度(化粧料の含み)が適度であり、かつ、大きな伸び面積が得られると記載されている。
特開昭56−95012号公報 特開昭58−189242号公報 特開平6−284923号公報 特開2004−267277号公報 特許第5148140号公報
しかし、近年、リキッド状ファウンデーションとしては、従来品よりさらに低粘度化されたものが望まれており又使用されている。従来のリキッド状ファウンデーションは、低粘度とはいうもののチクソ性が大きいので、後述の方法にて測定される垂れ長さがほとんど認められないものが多数であった。しかし、近年のリキッド状ファウンデーションは、垂れ長さが20〜30mm程度のものが多く、垂れ長さが70mm程度のものもある。
本発明者は、化粧料の含みを後述する吸収深度により定量的に評価し、かつ肌上で伸びる性能を後述する伸び面積にて定量的に評価した。その結果、特許文献5に記載されている化粧用スポンジは、前記の優れた効果を奏するものの、近年望まれているより低粘度のチクソ性の低いリキッド状ファウンデーションに使用する場合には、吸収深度及び伸び面積が、充分に満足できるレベルとは言えないことが見出された。例えば、低粘度のチクソ性の低い化粧料の場合は、スポンジ表面の気孔に満たされた化粧料が容易に内奥部まで浸入し、肌上に伸ばす時に吐き出される量が不足し、化粧効果が不十分になる場合が生じる。
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決し、最近のリキッド状ファウンデーションのようなチクソ性が小さく粘度の低い化粧料の塗布に使用する場合でも、スポンジの内奥部まで化粧料が浸透しにくく化粧料の含み(吸収深度)が適度であり、かつ、大きな伸び面積が得られ、近年の要請を充分満たす化粧用スポンジを提供することを課題とする。
本発明は、又、近年の要請を充分満たす吸収深度及び伸び面積が得られる化粧用スポンジを構成するポリウレタン弾性体の製造方法、及び、この化粧用スポンジを用いる化粧料塗布具を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、3次元膜構造のポリウレタン連続気孔弾性体(ポリウレタンフォーム)であって、エタノール透過時間が所定の範囲内にあるとともに、気孔径(最大径)が15μm以上、75μm以下の気孔を多量に含み、密度が所定範囲内にあるポリウレタン弾性体が、チクソ性の小さい低粘度のリキッド状ファウンデーションに使用する場合でも、近年の要請を充分満たす吸収深度及び伸び面積が得られる化粧用スポンジとなることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
3次元膜構造の連続気孔弾性体であって、
エタノール透過時間が10秒以上、400秒未満の範囲であり、
その断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔を150個以上含み、最大径が150μmを超える気孔を10個以下含み、最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数が最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数の80%以上であり、かつ見掛密度が120〜200kg/mであるポリウレタン弾性体よりなることを特徴とする化粧用スポンジ(請求項1)である。
本発明は、又、前記ポリウレタン弾性体の気孔が略円形又は楕円形の断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧用スポンジ(請求項2)を提供する。
本発明は、又、
水凝固性ポリウレタン、溶剤、水溶性の無機塩の粉粒体、及びHLB8.6未満の界面活性剤を主成分とする配合物を混練し、混練物を得る工程、
前記混練物を脱泡して脱泡混練物を得る工程、
前記脱泡混練物を成形して成形物を得る工程、
前記成形物を、水中又は水溶液中に投入して凝固させ凝固物を形成する工程、
前記凝固物から前記無機塩を水に溶出させて除去する工程、及び
前記溶出、除去の後、乾燥する工程を有し、
前記水溶性の無機塩の粉粒体が、粒径が15μm未満の粒子群を10質量%以下、粒径が15μm以上で75μm未満の粒子群を35〜85質量%、粒径が75μm以上、150μm以下の粒子群を50質量%以下、粒径が150μmを越える粒子群が10質量%以下の粒度分布を有することを特徴とするポリウレタン弾性体の製造方法(請求項3)を提供する。
本発明は、さらに、請求項1又は請求項2に記載の化粧用スポンジを用いることを特徴とする化粧料塗布具(請求項4)を提供する。
本発明の化粧用スポンジは、径と数がコントロールされた気孔を有するとともに、隣接する気孔間に樹脂膜及び開口部を有し、しかも樹脂膜の面積と開口部の面積比が適度な範囲内にある3次元膜構造であるので、
通気性と液透過性が得られ、チクソ性や粘度の低い化粧料の含み(化粧用スポンジへの付着量)が適度であり、
粘度の低い化粧料でもスポンジの内奥部まで浸透しにくく、従って化粧料が網目を貫通しやすいという欠点もない。又、本発明の化粧用スポンジを塗布具として使用すると滑らかに大きな伸び面積が得られる。更に、反発弾性が強くなく、柔軟でしっとりした肌触りの風合いを有するとの優れた性質を併せて備える。すなわち、本発明の化粧用スポンジによれば、近年望まれているようなチクソ性や粘度の低いリキッド状ファウンデーション用のパフ等として使用する場合でも、近年の要請を充分満たす吸収深度及び伸び面積を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、複雑な製造工程を必要とせずに、3次元膜構造であって、径と数がコントロールされた気孔を有するポリウレタン樹脂の連続気孔弾性体(ポリウレタン弾性体)が得られ、このポリウレタン弾性体は、チクソ性や粘度の低い化粧料用として優れた特徴を有する前記の本発明の化粧用スポンジとなる。
そして本発明の化粧用スポンジは、ファウンデーション用パフやアイシャドー用チップ等の化粧料塗布具として好適に用いられ、特に低粘度の化粧料、例えば低粘度のリキッド状ファウンデーション用の塗布具として好適に用いられる。
実施例と比較例に用いた芒硝の粒度分布図である。 実施例1で得られた化粧用スポンジの断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた化粧用スポンジの断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた化粧用スポンジの断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2で得られた化粧用スポンジの断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例3で得られた化粧用スポンジの断面の走査型電子顕微鏡写真である。 エタノール透過時間の測定器具を示す図である。 連続気孔弾性体の気孔を説明するための模式図である。
次に本発明を実施するための形態をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこの形態により限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で、種々の変更を加えることが可能である。
[化粧用スポンジの構成]
本発明の化粧用スポンジを構成する連続気孔弾性体は、ポリウレタンの弾性体である。 ポリウレタンは、高分子量ポリオールと鎖伸長剤からなるポリオール成分とポリイソシアネート化合物を反応させて得られるものである。高分子量ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリマーポリオール等のポリエーテル系ポリオール、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステル系ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等があり、望ましい分子量は500〜10000である。また、鎖伸長剤としては、エチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,5ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,3プロパンジオール等がある。ポリイソシアネート化合物としては、メチレンジフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の芳香族系イシシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環系イソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネン・ジイソシアネート等の脂肪族系イソシアネート等がある。
本発明の化粧用スポンジは、3次元膜構造の連続気孔弾性体からなることを特徴とする。3次元膜構造とは、多孔質体を構成する気孔間が3次元方向に均等に分布しかつ互いに連続しているが、気孔間の一部が膜である構造を言う。すなわち、気孔同士の接触部分(気孔の表面、隣接する気孔との境界)が、樹脂の膜及び気孔間を連結する孔(開口部)により形成されているものを言う。
3次元膜構造は、多孔質体を構成する気孔間が3次元方向に互いに連続しているが、多孔質体の気孔同士の接触部分に膜がほとんど観測されない3次元網目構造とは異なる構造である。又、完全な独立気泡からなる独立気泡ポリウレタンフォームでは、気泡(気孔)の表面は、ポリウレタン樹脂の膜で覆われ開口部を有しない。3次元膜構造は、気孔の表面がポリウレタン樹脂の膜で覆われてはいるが、開口部を有する点で完全な独立気泡のポリウレタンフォームとは異なる。
本発明者は、隣接する気孔の間が膜で仕切られており、気孔間が独立しているスポンジ構造のポリウレタンフォーム(独立気泡ポリウレタンフォーム)では、反発弾性が強く、柔軟でしっとりした肌触りの風合いが得られず、かつ化粧料の含み(ケーキング)が乏しく肌上の伸びが小さいこと、一方、特許文献4に記載されているような3次元網目構造のポリウレタン化粧用スポンジでは、隣接する気孔間に膜がないので、化粧料が網目を貫通しやすく、また肌上の伸びが小さい欠点があることに着目した。そして、隣接する気孔間が膜で仕切られているとともに、この膜に開口部を有し気孔が一部連続している3次元膜構造とするとともに、膜と開口部の面積比を適度な範囲とすることにより、化粧料が貫通し易いという欠点を解決するとともに、反発弾性が強くなく柔軟でしっとりした肌触りであって、化粧料の含みが適度でかつ肌上の伸びが大きな化粧用スポンジが得られることを見出した。さらに以下に示す特徴を有することにより、リキッド状ファウンデーション等のチクソ性や粘度の低い化粧料に好適に適用できる化粧用スポンジが得られることを見出したのである。
本発明の化粧用スポンジは、エタノール透過時間が10秒以上、400秒未満の範囲であることを特徴とする。エタノール透過時間は、平均気孔径、気孔径の分布と気孔同士の接触部分を占める樹脂膜の面積比、すなわち気孔間にある膜と開口部の比率の大きさにより変動する。
前記のように、3次元膜構造と3次元網目構造は、多孔質体の気孔同士の接触部分を占める膜部と開口部の面積比の大きさにより区別されるが、3次元網目構造ではエタノール透過時間が短く、3次元膜構造となり膜の面積比が大きくなるとエタノール透過時間が長くなる。エタノール透過時間が10秒以上であることは、3次元膜構造であり、膜の面積比が所定以上であることを示している。本発明者は、膜部と開口部の面積比は、エタノール透過時間と強く相関することを見出した。膜部と開口部の面積を、顕微鏡写真等を用いて測定することは、実際には困難であり、面積比の適度な範囲をその数値により直接定めることは困難であるが、エタノール透過時間の測定値に基づき、膜と開口部の面積比が適度な範囲のスポンジが得られることを見出したのである。
3次元膜構造の化粧用スポンジは、気孔が膜により形成され気孔間に膜を有するので、チクソ性や粘度の低い化粧料でもスポンジの内奥部まで浸透しにくい。同時に、3次元膜構造の気孔は開口部も有するので、適度な化粧料の含みを得られやすく、また大きな伸び面積が得られやすい。そして、この膜部と開口部の面積比が適度な範囲内にあるので、適度な吸収深度と大きな伸び面積を有する優れた化粧用スポンジが得られる。エタノール透過時間が10秒より短い場合は、スポンジ構造がより3次元網目構造に近くなり伸び面積が小さくなり好ましくない。又、化粧料の貫通が速すぎスポンジ内奥部に吸収されていき、特にリキッド状ファウンデーション等のチクソ性や粘度の低い化粧料ではスポンジを貫通して指に付着する問題を生じやすくなる。
一方、エタノール透過時間が400秒より長い場合は、気孔が小さすぎる膜構造に見られるものであり、化粧料の吸収深度が小さくなるので好ましくない。又、化粧料の含みが不十分になり、化粧料の伸びも不十分になる。
本発明におけるエタノール透過時間とは、所定の厚さ、面積のポリウレタン弾性体(スポンジ:試験片)を、一定体積のエタノールが、透過するために要する時間であり、具体的には次のようにして測定される。すなわち、
「長さが300mm、内径が17.4mmのガラス管を縦置きにしておき、これの底部にΦ6.8mmの穴が開いた栓をし、この穴を4.0mm厚みにスライスしたポリウレタン弾性体(スポンジ:試験片)で塞ぐ。さらに、この弾性体の外側からポリエチレンフィルムを当てて指で押さえて密封する。ガラス管内の底部から高さ30mmの位置を下目盛りとし、130mmの位置を上目盛りとする。この上目盛り以上までエチルアルコールを注入した後、上記ポリエチレンフィルムを取り外して、エチルアルコールを流し落とす。エチルアルコールの上端が、上目盛りを通過してから下目盛りを通過するまでの時間をエタノール透過時間とする。測定温度は22〜28℃である。」
エタノール透過時間は、好ましくは、20秒以上、350秒未満である、
本発明の化粧用スポンジを構成するポリウレタン連続気孔弾性体は、その断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に、最大径が15μm以上で150μm以下の気孔を150個以上含み、最大径が150μmを超える気孔を10個以下含み、最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数が、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数の80%以上であることを特徴とする。
気孔数を上記の範囲内とすることにより、優れた伸び面積及び吸収深度を有する化粧用スポンジを得ることができる。最大径が15μm以上、150μm以下の気孔の数が、その断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に150個未満の場合は、伸び面積が小さくなるので化粧用スポンジとして適さない。好ましくは、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔の数が、その断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に200個以上の場合である。
又、最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数が、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数の80%より少ない場合、すなわち75μm以上、150μm以下の気孔が多い場合は、吸収深度が大きすぎ、伸び面積が小さくなるので、化粧用スポンジとしては適さなくなる。さらに、最大径が150μmを超える気孔数が10個を超える場合も、吸収深度が大きすぎ、伸び面積が小さくなるので、化粧用スポンジとしては適さなくなる。
気孔数は、ポリウレタン連続気孔弾性体の断面の電子顕微鏡写真により測定した値である。すなわち、ポリウレタン弾性体の断面1.0mm×1.0mmの範囲について顕微鏡写真をとり、顕微鏡写真上での気孔径(最大径)が15μm以上、75μm以下の範囲内にある気孔、75μmより大きくて150μm以下の気孔、及び150μmを超える気孔を数えて行う。測定範囲の内部及び外部にまたがる気孔は、0.5個として計算する。
ここで、気孔径とは、顕微鏡写真上で目視される気孔の外周上の2点を結ぶ距離の中で最大の距離を言う。図8は、連続気孔弾性体の気孔を説明するための図であり、切断面の顕微鏡写真の模式図であるが、図8中の気孔外周上の2点A、Bを結ぶ距離の中で最大の距離(図8中のL)を最大径と言う。
なお、気孔の断面形状は、略円形又は楕円形の形状を有するものが多い(請求項2)。気孔が、略円形又は楕円形より大きく異なる形状を有する場合は、その形状を略円形又は楕円形に分割し、その略円形又は楕円形の数を、気孔の数とする。例えば中央部に突起物を有するものは、略円形又は楕円形の形状を有する2以上の気孔に分割して気孔数を数える。図8の例では、孔aは、a1,a2及びa3の3つの孔に、孔bは、b1、b2、b3及びb4の4つの孔に分類される。顕微鏡写真を撮る顕微鏡としては、光学顕微鏡や電子顕微鏡が用いられる。
本発明の化粧用スポンジを構成するポリウレタン連続気孔弾性体は、見掛密度が120〜200kg/mであることを特徴とする。最大径が15μm以上、150μm以下の気孔が前記の条件を満たしていても、最大径が15μm未満の気孔が多すぎる場合は、見掛密度が200kg/mを超えることがある。見掛密度が120kg/m未満の場合は、得られたスポンジの機械的強度が極端に低下するため使用に耐えられないものとなりやすい。見掛密度が200kg/mを超える場合は、スポンジ硬度が硬くなりすぎるため、化粧用には適さないものになる。
前記の特徴を有する本発明の化粧用スポンジは、前記の本発明のポリウレタン弾性体の製造方法により製造することができる。次にこの製造方法について説明する。
本発明のポリウレタン弾性体の製造方法では、先ず、水凝固性ポリウレタン、溶剤、水溶性の無機塩の粉粒体、及びHLB8.6未満の界面活性剤を主成分とする配合物を混練し、混練物を得る工程が行われる。
水中又は水溶液中で、溶剤が水に置換されてポリウレタンが析出することを水凝固と言い、水凝固性ポリウレタンとは、水凝固させることができるポリウレタンを言う。本発明の化粧用スポンジを構成するポリウレタンの弾性体は、水凝固性ポリウレタンから形成されることが好ましい。水凝固により、ウレタンフォームの好ましい柔軟性が得られやすい。
水凝固は、必ずしも水中で行う必要はなく、水溶液中で行うこともできる。例えば、無機塩や溶剤等が溶けた水溶液中で凝固させることにより、ポリウレタンが凝固する速度を緩やかにし、巨大ボイド(気孔生成剤の粒径をはるかに超えた空孔)の発生を防ぐこともある。
水凝固性ポリウレタンとしては、高分子量ポリオールと鎖伸長剤からなるポリオール成分とポリイソシアネート化合物を溶媒中で重合反応させて得られるものを挙げることができるが、他にも無溶媒で重合されたポリウレタンを溶剤に溶解したものも挙げることができる。本発明の製造方法で使用される水凝固性ポリウレタンとしては、通常、固形分が30±5質量%であって、粘度が30〜300Pa・s(25℃、BH型粘度計の6号ロータで測定した値)の溶液が好ましく使用される。粘度30Pa・s未満の水凝固性ポリウレタンを使用すると、得られる化粧用スポンジの強度が不足する場合がある。また、粘度が300Pa・sを越える場合には、混練物が流動しづらく成形に長時間かかる場合がある。
なお、反発弾性が強くなく柔軟でしっとりした肌触りは、一般的には硬度で表現される。化粧用スポンジに適する硬度は、アスカーF型硬度計での測定で30°〜70°の範囲内である。硬度が低すぎる場合は、例えば、化粧用パフの製造において、その周辺部分に研磨加工を施す工程が、柔らかすぎるため困難になるとの問題が生じる。一方、高い場合は肌に強く当たるため感触が悪くなる等の問題がある。
ポリウレタン連続気孔弾性体(化粧用スポンジ)の硬度は、通常、ポリウレタンの合成に用いられるポリオール成分とポリイソシアネート化合物の組合せと配合比率の選択により、自由にコントロールすることが出来る。本発明の製造方法においても、ポリオール成分とポリイソシアネート化合物を適宜選択することにより、この好ましい範囲内の化粧用スポンジを得ることができる。
本発明の製造方法に用いられる溶剤とは、ポリウレタンの良溶媒を意味し、通常ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤やこれらの配合物が挙げられる。中でも、後工程において容易に水で溶出できること、作業環境としての溶剤臭、引火性等を考慮するとジメチルホルムアミドが好ましい。溶剤は、混練物の流動性を調整するためにも使用されることがある。
溶剤の量は、例えば、固形分30質量%のポリウレタン溶液(水凝固性ポリウレタン)の場合、その100質量部に対して2〜50質量部の範囲で添加することが好ましい。添加量が2質量部未満の場合、混練物が流動しづらくて成形に長時間がかかる場合があり、添加量が50質量部を越えると、得られた化粧用スポンジの強度が不足する場合がある。
本発明の製造方法では、水溶性の無機塩の粉粒体が、水凝固性ポリウレタン及び溶剤と混練され混練物が得られる。水溶性の無機塩の粉粒体としては、ナトリウム、カリウム等の塩化物、硫酸塩等が単独でも2種以上混ぜても使用できる。
本発明の製造方法は、水凝固性ポリウレタン及び溶剤と混練される水溶性の無機塩の粉粒体が、粒径15μm未満の粒子群を10質量%以下、粒径が15μm以上で75μm未満の粒子群を35〜85質量%、粒径が75μm以上で150μm以下の粒子群を50質量%以下、粒径が150μmを越える粒子群が10質量%以下の粒度分布を有することを特徴とする。無機塩の粉粒体として前記の粒度分布を有するものを用いることにより、製造されるポリウレタン弾性体の断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔を150個以上、最大径が150μmを超える気孔を10個以下含み、最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数が、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数の80%以上であるポリウレタン弾性体を得ることができる。
水溶性の無機塩の粉粒体は、ポリウレタン100質量部(固形分に換算した値)に対して、100〜2000質量部、好ましくは、500〜1500質量部の範囲で添加する。この範囲の添加量で前記の粒度分布を有する無機塩の粉粒体を配合することにより、見掛密度が120〜200kg/mのポリウレタン弾性体を得ることができる。又、添加量が、100質量部以下では配合物中で無機塩が繋がり無く分散するために、不均一なスポンジ骨格構造となる。一方、2000質量部を超えると、得られたスポンジの機械的強度が極端に低下するために使用に耐えられないものになりやすい。
本発明の製造方法は、水凝固性ポリウレタン、溶剤、及び水溶性の無機塩の粉粒体を主成分とする配合物を混練し混練物を得る工程において、3次元膜構造形成剤としてHLB8.6未満の界面活性剤を共存させることを特徴とする。HLB8.6未満の界面活性剤を共存させることにより、得られるポリウレタン弾性体が3次元膜構造になる傾向がある。
界面活性剤としてHLB値が8.6以上のもののみを用いる等、HLB8.6未満の界面活性剤を用いない場合は、化粧用スポンジは3次元網目構造となりやすい。好ましくは、HLB8.2以下の界面活性剤が使用され、この場合はさらに3次元膜構造となりやすくなる。ここでHLB値とは、界面活性剤の親水性と疎水性とのバランスを示す公知の指標であり、大木道則他編集、東京化学同人発行の化学辞典、第178頁等にその求め方が記載されている。例えば界面活性剤が脂肪酸エステルの場合は、次の式にしたがって計算される。
HLB=20×{1−(SV/NV)}
ここで、SVはエステルのケン化価、NVは脂肪酸の中和価である。
HLB値が8.6未満の範囲にある界面活性剤の添加量は、ポリウレタン100質量部(固形分に換算した値)に対して5〜45質量部の範囲が望ましい。添加量が5質量部未満では、化粧用スポンジは3次元網目構造となりやすい。添加量が45質量部を超える場合もポリウレタン弾性体は3次元膜構造となるが、添加量が多すぎるために、指で触れた時にベトつきを感じるようになるので好ましくない。
HLB値が8.6未満の範囲にある界面活性剤としては、
ソルビタン脂肪酸エステルとして、例えばソルビタンセスキオレエート(3.7)、ソルビタンモノオレエート(4.3)、ソルビタンモノステアレート(4.7)等、
牛脂グリセライドエチレンオキサイド付加物として、例えば旭電化工業(株)製のNK−3(6.6)等、
ポリグリセリン脂肪酸エステルとして、例えばジグリセリンモノラウリン酸エステル(8.5)、ジグリセリンモノパルミチン酸エステル(7.3)、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(6.9)、テトラグリセリントリステアリン酸エステル(4.7)、テトラグリセリンペンタステアリン酸エステル(2.7)、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル(6.5)、ヘキサグリセリンペンタステアリン酸エステル(4.2)、デカグリセリンペンタステアリン酸エステル(6.4)、デカグリセリンヘプタステアリン酸エステル(4.3)、デカグリセリンオクタステアリン酸エステル(4.3)、デカグリセリンデカステアリン酸エステル(3.4)、デカグリセリンヘプタベヘニン酸エステル(4.2)、デカグリセリンデカベヘニン酸エステル(2.3)、ジグリセリンモノオレイン酸エステル(6.9)、ジグリセリンセスキオレイン酸エステル(4.9)、ジグリセリンジオレイン酸エステル(3.7)、ジグリセリンテトラオレイン酸エステル(1.5)、テトラグリセリンペンタオレイン酸エステル(2.7)、ヘキサグリセリンペンタオレイン酸エステル(4.2)、デカグリセリンテトラオレイン酸エステル(7.6)、デカグリセリンペンタオレイン酸エステル(6.4)、デカグリセリンヘキサオレイン酸エステル(5.6)、デカグリセリンヘプタオレイン酸エステル(4.9)、デカグリセリンオクタオレイン酸エステル(4.3)、デカグリセリンデカオレイン酸エステル(3.4)、デカグリセリンノナエルカ酸エステル(3.2)、ジグリセリンモノイソパルミチン酸エステル(7.3)、ジグリセリンモノイソステアリン酸エステル(6.9)、ジグリセリンジイソステアリン酸エステル(3.7)、ジグリセリントリイソステアリン酸エステル(2.3)、ジグリセリンテトライソステアリン酸エステル(1.5)、トリグリセリンジイソステアリン酸エステル(5.3)等、
ポリエチレングリコールオレエートとして、例えば旭電化工業社製OEG−102(7.9)等、特殊フェノールエトキシレートとして、例えば旭電化工業社製PC−1(4.2)等を挙げることができる。ここで括弧内の数値は、HLB値を表す。
水凝固性ポリウレタン、溶剤、水溶性の無機塩の粉粒体、及びHLB8.6未満の界面活性剤を主成分とする配合物には、必要に応じて他の成分を添加してもよい。例えば、混練物をより流動化するために水溶性高分子を添加することができる。この水溶性高分子としては、溶剤にも溶けるものが好ましく、例えばポリビニルアルコール等の合成品、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成品、及び高分子多糖類等の天然品等が挙げられる。さらに、上記のHLB8.6未満の界面活性剤に加えて、得られるポリウレタン弾性体を親水化するために、HLB8.6以上の界面活性剤も添加してもよい。他に、必要に応じて着色剤や酸化防止剤、防黴剤、抗菌剤、各種の滑剤機能を発現する材料、難燃剤及びカーボンブラック等の導電材等の機能性材料を添加してもよい。
前記配合物の混練には、ニーダー、オーガ混練機、バンバリーミキサー、スクリュー押出機等を使用する。
本発明の製造方法においては、前記のようにして混練物を得た後、出来た混練物を脱泡、成形する。脱泡の目的は組成物中の空気の泡を除去することであり、脱泡、成形の方法は特に制限されないが、より具体的には、例えば、ベント式押出機を使用して減圧脱泡を行なう方法が挙げられ、上記押出機に成形口金(Tダイ)を接続して所望の形状に賦型する方法が好ましく例示される。
成形後、成形体を水又は水溶液に投入することにより、溶剤を水に置換してポリウレタンを析出させ、水凝固を行う。成形体を投入するまでの態様は特に限定されないが、例えば、成形工程において、ステンレス304等からなるパンチングメタルを用いて上面が開いた箱状にしたものに混練物を押し出して充填し、成形を行い、これを、水又は水溶液に投入することにより行うことができる。
水凝固後、水に可溶な無機塩を水抽出して除去する。このための具体的な方法としては、例えば、容器に入った混練物の成形体を温水中に放置して水に可溶な無機塩の大半を抽出した後、一般的な洗濯機等にこの成形体を投入し、20〜80℃の水で15分〜90分程洗浄し、その洗浄中に、数回の水交換を行う方法を挙げることができる。
このようにして得られた成形体を乾燥する。ポリウレタン樹脂の熱による劣化を防ぐため、乾燥は好ましくは110℃以下で行う。乾燥は、箱型乾燥機、タンブラー型乾燥機等を使用して行うことができる。このようにして3次元膜構造のポリウレタン弾性体が得られる。
このようにして得られる本発明のポリウレタン弾性体から得られた化粧用スポンジの表面に、リキッド状ファウンデーション等の低粘度化粧料を付着させた場合、該化粧料は低粘度であるので気孔内に瞬時に蓄えられる。スポンジが連続気孔弾性体であって気孔間に膜が形成されていない構造(3次元網目構造)の場合、ファウンデーションは隣接する気孔に容易に移行するため、スポンジの内奥部まで吸収され続けることになり、スポンジを貫通して指に付着する等の問題を生じやすいが、3次元膜構造からなる化粧用スポンジの場合は、隣接する気孔との間に膜があるために、ファウンデーションがスポンジの表面近くに蓄えられた後、隣接する内奥部の気孔に移行することが妨げられ、スポンジの表層部で留まり、前記の問題は抑制されている。本発明の化粧用スポンジは、従来の化粧用スポンジよりも、この効果がさらに大きく、より低粘度でチクソ性の小さい化粧料、リキッド状ファウンデーションにおいてもこの効果を充分に発揮する。また、水凝固により製造された化粧用スポンジでは、化粧用スポンジとしての柔軟性を満足するものである。
本発明の化粧用スポンジは、反発弾性が強くなく、柔軟でしっとりした肌触りの風合いを備え、化粧料が貫通するという欠点がなく、適度な化粧料の含み(吸収深度)があり、かつ大きな伸び面積を有する。そこで、この化粧用スポンジは、ファウンデーション用パフやアイシャドー用チップ等の化粧料塗布具に用いられる。本発明は、前記の化粧用スポンジ、及びその形成に用いられるポリウレタン弾性体の製造方法に加えて、この化粧用スポンジ(ポリウレタン弾性体)を用いることを特徴とする化粧料塗布具も提供する(請求項4)ものである。
評価方法
[顕微鏡写真:最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数]
化粧用スポンジを切断し、その切断面の顕微鏡写真を、日本電子社製の走査型電子顕微鏡JSM5500LVを用いて撮影した。50倍ないし400倍の顕微鏡写真上で、最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数、最大径が75μmより大きく150μm以下の気孔数を測定し、1.0mm×1.0mmの切断面当たりの数に換算した。
[見掛け密度] JIS K 7222に準拠して測定した。
[引張強度及び伸長率] JIS K 6400−5に準拠して測定した。
[硬度] 高分子計器社製のアスカーゴム硬度計F型を用いて測定した。
[ファウンデーションの(チクソ性と)粘度:垂れ長さ]
シリンジを使ってファウンデーションを、水平に置いた透明フィルム(KOKUYO再生OHPフィルムVF−1300N)上に0.11〜0.13g乗せ、そのフィルムを垂直に立てる。すると、チクソ性と粘度の低いファウンデーションは、下に垂れ始めるが、垂れが乾燥して固まるまで放置する(約24時間、22〜28℃)。その後、ノギスで垂れた長さを測定し、垂れ長さとする。
[吸収深度]
垂れ長さが23mmのファウンデーションを使用した。水平な透明フィルム(KOKUYO再生OHPフィルムVF−1300N)の上に、10mm角の切り抜きをした同フィルムを両面テープで接着する。この切抜き部分(10×10×0.2mm)に、シリンジを使って、上記のファウンデーションを入れ、薄い金属板(直定規:KOKUYO PRO TZ―RS15)でファウンデーションをかき取って表面を平らにし、周辺に付着した余剰のファウンデーションを綿棒で拭取る。その後、その上に厚み8mmで2cm角の試料(スポンジ)を置く。この上に500gの分銅を乗せてから1秒以内に取り除く。この操作を10回繰り返した後、鋭利な鋏でスポンジを縦に裁断して、スポンジ内部に吸収された化粧料の深さを直定規で測定する。測定温度は22〜28℃である。
[伸び面積]
厚み8mmで2cm角の試料(スポンジ)に、厚み0.75mmで2cm角のSUS304の板を両面テープで接着する。その後、試料(スポンジ)に、上記の吸収深度の測定の場合と同様にしてファウンデーションを付着させる。ファウンデーション付着後の試料を方眼紙上(コクヨ ホ−14N B4・1mm方眼(240×340))に置き、SUS面上に指を乗せてスポンジ厚みが略4mmになるよう均等に押さえて、化粧料を押し広げ、化粧料の広がり面積(cm)を測定した。測定温度は22〜28℃である。
[エタノール透過時間]
長さが300mm、内径が17.4mmのガラス管を縦置きにしておき、これの底部にΦ6.8mmの穴が開いた栓をする。なお、このガラス管の栓がされた様子の断面図を図9(a)に示す。この穴を、図9(b)に示すように、4.0mm厚みにスライスした弾性体(スポンジ:試験片)で、固定具(図9(b)にその断面図及び平面図を示す)を使用して塞ぐ。弾性体で穴を塞いだ後の様子を図9(c)に示す。さらに、この弾性体の外側からポリエチレンフィルムを当てて指で押さえて密封する。ガラス管内の底部から高さ30mmの位置を下目盛りとし、130mmの位置を上目盛りとする。高さ200mmまでエチルアルコールを注入した後、上記ポリエチレンフィルムを取り外して、エチルアルコールを流し落とす。エチルアルコールの上端が、上目盛りを通過してから下目盛りを通過するまでの時間をエタノール透過時間とする。測定温度は22〜28℃である。
実施例1
ポリウレタン弾性体(化粧用スポンジ)の製造に使用した原料を、以下に示す。
・F−151(伏見製薬所社製ポリエステル系ポリウレタン、固形分30%)
50質量部
・T−191(伏見製薬所社製ポリエーテル系ポリウレタン、固形分30%)
50質量部
・ジメチルホルムアミド 15質量部
・ソルゲン30(第一工業製薬社製ソルビタンセスキオレエートHLB値3.7)
4質量部
・中性無水芒硝B(伏見製薬所社販売) 400質量部
なお、中性無水芒硝Bは、表1と図1に記載の粒度分布を有する。他の実施例や比較例で使用した中性無水芒硝の粒度分布も表1と図1に示されている。以降の記述では、中性無水芒硝を略して芒硝と表す。
上記の各原料(総量で約20kg)を、40℃に温度調節した容量が30Lのニーダー内に投入し、15rpmの回転数で30分間混練した。これを、内寸300×20mmのTダイを取り付けたベント式押出機から減圧脱泡しながら、設定温度40℃で押し出した。押し出された成形物を、SUS304パンチングメタル製で内寸幅300×長さ600×高さ30mmの上面が開口している箱型容器に充填した。これを50℃の水中に24時間浸漬してジメチルホルムアミドを水で置換して、所謂水凝固を行った。凝固が完了し、無機塩(芒硝)の大半を抽出した後、成形物を容器から取り出し、家庭用洗濯機に投入し、50℃の水で洗浄した。その後、箱型乾燥機を用いて100℃で8時間かけて乾燥した。
このようにして得られたスポンジを、漉割り機にて上下の部分を除去して、8mmと4mm厚みの化粧用スポンジを得た。このスポンジから一部を切り取り、その断面(切り取り面)の走査型電子顕微鏡写真を撮り、前記の評価方法により、気孔径(最大径)が15μm以上、75μm以下の気孔数、75μmより大きく、150μm以下の気孔数、及び150μmを超える気孔数を測定した。又、前記の評価方法により、見掛密度、引張強度及び伸長率、硬度、吸収深度、伸び面積、及びエタノール透過時間を測定した。走査型電子顕微鏡写真を図2に、各測定結果を表2に記載した。図2に示されるように、得られた化粧用スポンジは3次元膜構造を有する。
実施例2
芒硝Bを、表1、図1に記載の粒度分布の芒硝C(伏見製薬所社販売)に代えて使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン弾性体を得、実施例1と同様にして、気孔径(最大径)が15μm以上、75μm以下の気孔数と、75μmより大きく、150μm以下の気孔数、及び150μmを超える気孔数を測定し、見掛密度、引張強度及び伸長率、硬度、吸収深度、伸び面積、及びエタノール透過時間を測定した。走査型電子顕微鏡写真を図3に、各測定結果を表2に記載した。図3に示されるように、得られた化粧用スポンジは3次元膜構造を有する。
比較例1
芒硝Bを、表1、図1に記載の粒度分布の芒硝A(伏見製薬所社販売)に代えて使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン弾性体を得、実施例1と同様にして、気孔径(最大径)が15μm以上、75μm以下の気孔数と、75μmより大きく、150μm以下の気孔数、及び150μmを超える気孔数を測定し、見掛密度、引張強度及び伸長率、硬度、吸収深度、伸び面積、及びエタノール透過時間を測定した。走査型電子顕微鏡写真を図4に、各測定結果を表2に記載した。
比較例2
芒硝C(伏見製薬所社販売)を、下記の粉砕分級機を使用して粉砕分級し、作製し表1、図1に記載の粒度分布のR−15と呼ぶ芒硝を作製した。なお、R−15の粒度分布は、下記の粒度分布測定機を用いて測定した。実施例、比較例で使用した他の芒硝も同じである。
・粉砕分級機:ホソカワミクロン社製ACMパルペライザH型 型式:ACM−30H
・粒度分布測定機:Honewell社製 Microtrac HRA 型式9320−x100
芒硝Bを、上記の芒硝R‐15に代えて使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン弾性体を得ようとした。しかしながら、乾燥後のスポンジには明らかな収縮が見られ、通常得られる寸法に比較して、長さが69%であり、F型硬度が上限値の100となり、化粧用スポンジとしては使えないものであった。
そこで、R‐15の添加量を実施例に記載の半分量に減らして、再度、実施例1と同様にして通常サイズに近いポリウレタン弾性体を得ることができた。しかしながら、表2に示したとおり、硬度が大き過ぎ、化粧用スポンジとして使用することは困難なものであった。
実施例1と同様にして気孔径が15μm以上、75μm以下の範囲内にある気孔数、75μmより大きく150μm以下の気孔数、及び150μmを超える気孔数を測定し、見掛密度、引張強度及び伸長率、硬度、吸収深度、伸び面積、及びエタノール透過時間を測定した。走査型電子顕微鏡写真を図5に、各測定結果を表2に記載した。
比較例3
芒硝Bを原料として、75μm以下を、篩でカットして得た芒硝RXを使用した。芒硝Bを、芒硝RXに代え使用したこと以外は、実施例1と全く同じ工程でポリウレタン弾性体を得、実施例1と同様にして気孔径が15μm以上、75μm以下の範囲内にある気孔数、75μmより大きく150μm以下の気孔数、及び150μmを超える気孔数を測定し、見掛密度、引張強度及び伸長率、硬度、吸収深度、伸び面積、及びエタノール透過時間を測定した。走査型電子顕微鏡写真を図6に、各測定結果を表2に記載した。
表1及び表2に示されているように、粒径15μm未満の粒子群が10質量%をはるかに超える量(約80質量%)含み、75μmを超える粒子群を含まない芒硝R−15を無機塩の粉粒体として用いた比較例2では、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数は150個よりはるかに小さく、見掛密度も200kg/mよりはるかに大きな化粧用スポンジが得られている。この化粧用スポンジは、3次元膜構造ではある(SEM写真より)が、エタノール透過時間は400秒を超えている。そして、吸収深度は小さく化粧料の含みが不十分であるとともに、伸び面積も小さく、化粧用スポンジには不向きな性能であり、近年の要請を充たすものではない。この結果より、粒径15μm未満の粒子群を10質量%を超える量含む芒硝を使用した場合は、化粧用に適した多孔体は得られないことがわかる。
粒径15〜75μmの粒子群の割合が35質量%未満であって、粒径150μmを越える粒子群の割合が10質量%をはるかに超える芒硝Aを無機塩の粉粒体として用いた比較例1では、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数は150個より小さく、又最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数は、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数の50%以下の化粧用スポンジが得られている。この化粧用スポンジは、ファウンデーションの吸収深度が大きすぎて化粧料が網目(孔)の空孔部に押し込まれスポンジ内奥部に吸収されていき、スポンジを貫通して指に付着する問題を生じやすく、又、伸び面積が小さい、すなわち、化粧用スポンジには不向きな性能であり、近年の要請を充たすものではない。
芒硝Bの粒径75μm以下を(篩で)カットして得た芒硝RXを用い、他は実施例1と同様に行った比較例3では、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数は150個より小さく、又最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数は、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数の50%以下の化粧用スポンジが得られている。この化粧用スポンジのエタノール透過時間は10秒未満である。この化粧用スポンジは、吸収深度が大きく、又伸び面積は小さく化粧料の含みが不十分であり、化粧用スポンジには不向きな性能で、近年の要請を充たすものではない。
さらに、上記の篩でカットする際の篩透過分(すなわち、粒径75μm以下の芒硝であって、表1の芒硝Bの粒度分布に基づき計算すれば15μm以上、75μm以下の粒子の含まれる量が85%を超える)を用い他は実施例1と同様に行ってポリウレタン弾性体を得ようとしたが、乾燥後のスポンジには、収縮現象が見られ、F型硬度が100となり、化粧用に適したソフトな多孔体は得られなかった。
一方、粒径15μm未満の粒子群を10質量%以下、粒径15μm以上、75μm以下μmの粒子群を35〜85質量%、粒径75μmを超え、150μm以下の粒子群を50質量%以下、粒径150μmを越える粒子群が10質量%以下の粒度分布を有する無機塩の粉粒体を使用した実施例1、2では、エタノール透過時間が10秒以上、400秒未満の範囲であり、その断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔を150個以上含み、最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数が、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数の80%以上であり、かつ見掛密度が120〜200kg/mである3次元膜構造のポリウレタン弾性体が得られている。このポリウレタン弾性体からなる化粧用スポンジは、適度な範囲の吸収深度を有し、伸び面積も大きく、低粘度でチクソ性の小さいリキッドファウンデーションの塗布に好適に用いることができ、近年の要請を充分充たすものであった。
実施例3
実施例1で得られたポリウレタン弾性体の表側、裏側の表皮層を漉割り機により除去して、厚さ8mmのスポンジ体を得た。このスポンジ体をトムソン刃で裁断し、裁断面を回転する砥石で研磨して厚さ8mmで直径60mmの化粧料塗布具(化粧用パフ)を得た。
本発明の化粧用スポンジは、近年のリキッド状ファウンデーション等の低粘度化粧料の塗布具として好適に用いられる。そして、本発明の方法により製造されるポリウレタン弾性体は、本発明の化粧用スポンジの形成に好適に用いられる。
さらに、このポリウレタン弾性体に、アセチレンブラック(電気化学工業社製)やケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製)などのカーボンブラック類、金属粉、金属酸化物、カーボン繊維、金属繊維、金属コート繊維、黒鉛、金属フレーク等を、混練物を得る工程にて配合すれば、ESD安全性のために求められる中〜高導電性(例えば、表面抵抗率が10〜1010Ω/sq)を付与することができ、この導電性を付与されたポリウレタン弾性体は、磁気ヘッド、磁気記録媒体、プリント配線基板、液晶用基板等の静電気除去を使用目的とするロール、ワイパー、スワブ等にも好適である。
更に、高HLBの界面活性剤を、混練物を得る工程で配合すれば、優れた吸水性を付与することができ、この吸水性を付与されたポリウレタン弾性体は、精密機器や電子部品の薬品処理工程後の水洗浄での吸水スポンジ、スクラブ洗浄用などにも好適である。

Claims (4)

  1. 3次元膜構造の連続気孔弾性体であって、
    エタノール透過時間が10秒以上、400秒未満の範囲であり、
    その断面の1.0mm×1.0mmの範囲内に、最大径が15μm以上、150μm以下の気孔を150個以上含み、最大径が150μmを超える気孔を10個以下含み、最大径が15μm以上、75μm以下の気孔数が最大径が15μm以上、150μm以下の気孔数の80%以上であり、かつ見掛密度が120〜200kg/mであるポリウレタン弾性体よりなることを特徴とする化粧用スポンジ。
  2. 前記ポリウレタン弾性体の気孔が略円形又は楕円形の断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧用スポンジ。
  3. 水凝固性ポリウレタン、溶剤、水溶性の無機塩の粉粒体、及びHLB8.6未満の界面活性剤を主成分とする配合物を混練し、混練物を得る工程、
    前記混練物を脱泡して脱泡混練物を得る工程、
    前記脱泡混練物を成形して成形物を得る工程、
    前記成形物を、水中又は水溶液中に投入して凝固させ、凝固物を形成する工程、
    前記凝固物から前記無機塩を水に溶出させて除去する工程、及び
    前記溶出、除去の後、乾燥する工程を有し、
    前記水溶性の無機塩の粉粒体が、粒径が15μm未満の粒子群を10質量%以下、粒径が15μm以上で75μm未満の粒子群を35〜85質量%、粒径が75μm以上で150μm以下の粒子群を50質量%以下、粒径が150μmを越える粒子群が10質量%以下の粒度分布を有することを特徴とするポリウレタン弾性体の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の化粧用スポンジを用いることを特徴とする化粧料塗布具。
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