JP2010012177A - 創傷被覆材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリウレタン樹脂と気泡形成材とを含む分散液の成形体から、前記気泡形成材を溶媒に溶解させて抽出除去して得られる3次元連続網状構造を備えた創傷被覆材を提供する。この創傷被覆材は、より具体的には、ポリウレタン樹脂と気泡形成材とを含む分散液の成形体から、前記気泡形成材を溶媒に溶解させて抽出除去して得られる3次元連続網状構造を有する中間層に、対傷面層と外層とが積層されたものである。
【選択図】なし
Description
この創傷被覆材は、より具体的には、ポリウレタン樹脂と気泡形成材とを含む分散液の成形体から、前記気泡形成材を溶媒に溶解させて抽出除去して得られる3次元連続網状構造を有する中間層に、対傷面層と外層とが積層されたものとすることができる。
この創傷被覆材において、前記3次元連続網状構造を構成する気泡同士を連通する連通孔の数は、500個/mm2以上であることが望ましい。また、前記3次元連続網状構造を構成する気泡のうち50%以上の気泡が、孔径50μm以下であることが好適となる。
さらに、この創傷被覆材では、吸水された液体の拡散率が、150%以上であることが望ましい。また、生理食塩水500μlの吸水時間が、20秒以内であることが好適となる。
本発明者は、創傷部からの滲出液等を迅速に吸収し得る吸水性と、創傷部に当接した部分で吸収した滲出液等を創傷被覆材全体に拡散させ得る拡散性を備えた創傷被覆材を得ることを目的として、種々の検討を行った。
本発明に係る創傷被覆材に用いられる樹脂は、ポリウレタン樹脂が好適である。ポリウレタン樹脂は、供給量及びコストの面から原材料としての入手が容易である。また、従来、乾式法を用いた創傷被覆材として、ポリウレタン樹脂からなる多孔質体が好適に用いられてきている。
本発明に係る創傷被覆材に用いられるポリウレタン樹脂の溶媒には、ポリウレタン樹脂を溶解させる良溶媒が用いられる。この良溶媒は、以下に説明する気泡形成材の抽出除去のために使用される溶媒(ポリウレタン樹脂の貧溶媒)と相溶性を有することが必要となる。
本発明に係る創傷被覆材に用いられる気泡形成材は、ポリウレタン樹脂の溶媒(良溶媒)に溶解せず、均一混和できる材料が用いられる。この気泡形成材は、以下に説明する成形体からの抽出除去のために使用される溶媒(ポリウレタン樹脂の貧溶媒)に溶解することが必要である。
発泡法により多孔質体を形成する場合、一般に、発生する気泡径を均一に制御することが難しく、また数十μmといった微小径の気泡形成が困難である。これに対して、本発明では、湿式法により多孔質体を形成するため、使用する気泡形成材の粒子径を調整することによって、3次元連続網状構造を形成する気泡の孔径を任意に設定することができ、発泡法に比べて微小な気泡を形成することができる。
本発明に係る創傷被覆材に用いられるフィルムは、湿式法により得られた3次元連続網状構造の創傷と接する側の面(対傷面層)と、創傷とは接しない反対側の面(外層)と、にそれぞれ積層される。対傷面層に用いられるフィルムとしては、エラストマーからなる孔あきフィルムが、外層に用いられるフィルムとしては、透湿性の連続フィルムが、それぞれ好適に用いられる。
本発明に係る創傷被覆材は、湿式法により得られる3次元連続網状構造に基づく毛細管現象及び構造特性によって、優れた吸水性と拡散性を発揮するものと考えられる。
本発明に係る創傷被覆材は、湿式法によって3次元連続網状構造を形成し得られるものである。より詳細には、ポリウレタン樹脂を良溶媒に溶解させ、気泡形成材を混合・混練して分散液を得る工程と、この分散液を成形して成形体を得る工程と、上記気泡形成材をポリウレタン樹脂の貧溶媒を用いて溶解させ、成形体から抽出除去する工程と、を含む製造工程によって得られるものである。
まず、ポリウレタン樹脂をその良溶媒に溶解させ、水溶解性無機粒子混合物を混合・混錬して分散液を調製する。この際、分散液には、必要に応じて着色剤や界面活性剤、劣化防止剤、抗菌剤等を添加することができる。
次に、調製した分散液の脱泡を行う。脱泡の具体的方法としては、分散液中の気泡を取り除ける方法であれば制限はなく、例えば、減圧条件下に放置する方法、遠心分離機などを使用して気泡を強制的に取り除く方法などが挙げられる。
脱泡された分散液を公知の成形方法によって成形し、ポリウレタン樹脂成形体を製造する。成形の具体的方法としては、押出機を使用し、その成形ダイスより押し出し成形する方法、型を使用して所定の形状に成形する方法等がある。型としては、例えば5〜100mm程度の所定の深さの有底の金型や、分散液中のポリウレタン樹脂などが付着しないように表面処理された有底の多孔質のプラスチック型(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが好ましい)を使用できる。
その後、このポリウレタン樹脂成形体から水溶解性無機粒子を、ポリウレタン樹脂の貧溶媒(ここでは、水)を用いて、抽出除去することにより、3次元網目構造を備えたポリウレタン樹脂成形体を製造することができる。
得られた3次元網目構造を備えたポリウレタン樹脂成形体を、所定の大きさにカットする。カットされたポリウレタン樹脂成形体は、これを中間層として、対傷面層となるエラストマーからなる孔あきフィルムと、外層となる透湿性の連続フィルムを積層して創傷被覆材とする。また、エラストマーからなる孔あきフィルムと、透湿性の連続フィルムを積層した後に、所定の大きさにカットしてもよい。
従来公知のいわゆる湿式法(例えば、公開特許公報2005-312798号記載の方法)に従い、ポリウレタン樹脂成形体を製造した。ポリウレタン樹脂には、ポリオール成分として、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとポリエチレングリコールとの共重合体を含むポリエーテル型ポリウレタン樹脂を用いた。また、気泡形成材には、無水硫酸ナトリウムを用いた。
なお、穴開きフィルムには、平均孔径が350μmであり、孔の個数が62個/cm2のものを使用した。
実施例2及び実施例3では、気泡形成材の粒径と割合を変えた以外は実施例1と同様にして創傷被覆材を製造した。
対照のため、比較例1として、市販の創傷被覆材(ハイロドサイト、スミスアンドネフュー社)を用い、同様の評価を行った。また、比較例2〜4として、発泡法で作成された市販のウレタンフォーム(『COSMION(登録商標)MI−1,NL−1,HSS−1』、イノアック社)に対傷面層と外層を貼り合せたものを使用した。
試験片(4 cm×4 cm)の対傷面層の中央に直径15mm(面積1.77cm2)の円を描き、円の中心に生理食塩水(0.9%NaCl)を500μl滴下し、吸水されるまでの時間を測定した。
メチレンブルーを添加した生理食塩水(0.9%NaCl)を用いて、上記吸水性試験と同様の試験方法を行った。そして、円の内部及び外部に広がってメチレンブルーで染色された領域の面積(cm2)を測定した。円の面積に対する染色領域の面積の比を「拡散率(%)」として求めた。
電子顕微鏡により撮影し、試験片の気泡の孔径(セルサイズ)を画像解析ソフト(『Win ROOF』、三谷商事株式会社)で測定した。孔径は、図1中符号Lで示したように、各気泡における最も長い部分の距離とした。また、撮影画像を目視で確認し、試験片の各気泡中に開口する連通孔(図3参照)の単位面積当たりの数を求めた。
対傷面層に貼り合わせた孔開きフィルムの開口面積率が、吸水性及び拡散性に与える影響について検討を行った。
孔の孔径が300μmで、1cm2あたり平均16個(1cm2あたりの開口面積率が1.1%)または36個(2.5%)の孔開きフィルムと、孔の孔径が350μmで、1cm2あたり平均62個(6.0%)の孔開きフィルムを作成し、実施例1の3次元連続網状構造にラミネート加工し、前記した拡散性の評価を行った。
Claims (6)
- ポリウレタン樹脂と気泡形成材とを含む分散液の成形体から、前記気泡形成材を溶媒に溶解させて抽出除去して得られる3次元連続網状構造を備えた創傷被覆材。
- ポリウレタン樹脂と気泡形成材とを含む分散液の成形体から、前記気泡形成材を溶媒に溶解させて抽出除去して得られる3次元連続網状構造を有する中間層に、対傷面層と外層とが積層された請求項1記載の創傷被覆材。
- 前記3次元連続網状構造を構成する気泡同士を連通する連通孔の数が、500個/mm2以上である請求項1又は2に記載の創傷被覆材。
- 前記3次元連続網状構造を構成する気泡のうち50%以上の気泡が、孔径50μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
- 吸水された液体の拡散率が、150%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
- 生理食塩水500μlの吸水時間が、20秒以内である請求項1〜5のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05285208A (ja) * | 1992-04-08 | 1993-11-02 | Terumo Corp | 外科用ドレッシング |
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JPH0780020A (ja) * | 1993-09-17 | 1995-03-28 | Nippon Zeon Co Ltd | 創傷被覆材 |
JP2002513828A (ja) * | 1998-04-20 | 2002-05-14 | リーシュークス アクチボラゲット | 菌細胞壁を有する多孔質構造 |
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2008
- 2008-07-07 JP JP2008177260A patent/JP2010012177A/ja active Pending
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