JP7356814B2 - 揚げ物用衣材 - Google Patents

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Description

本発明は、打ち粉と、バッター用ミックス粉と、ブレダー用ミックス粉とを有する揚げ物用衣材に関する。
揚げ物用衣材としては、打ち粉、バッター、ブレダーなどが用いられている。揚げ物の種類によって、打ち粉だけ付けるものや、打ち粉とバッターとを付けるものや、打ち粉とバッターとブレダーとを付けるものがある。
このような揚げ物用衣材として、下記特許文献1には、小麦粉と、酵素分解糖質量が15%以下の玄米粉とを含む揚げ物用ミックス粉が開示されている。また、下記特許文献2には、平均粒径が25~70μmであり、かつ損傷でん粉の含有量が6質量%以下である粳米粉を含有する天ぷら用バッターミックスが開示されている。更に、下記特許文献3には、米粉を5~95質量%含有する揚げ物用衣材を用いた揚げ物が開示されている。
特開2018-000096号公報 特許第6255214号 特許第5877638号
一般に揚げ物の衣は、油ちょうする際に含有された油を含んでおり、また、肉や魚等の種物には、水分や油が含まれている。このため、油ちょう後において、衣や種物から水分や油をはじめとする液体、いわゆるドリップが滲み出ることが多く、このドリップが、揚げ物を包んだ包装材などに染み出して、商品の外観を損ねることが1つの問題となっていた。
具体的には、油ちょう済みの揚げ物は、紙容器や紙袋に入れて顧客に提供することが行われている。例えば、コンビニエンスストアにおいては、揚げ物は、紙容器や紙袋に入れられた状態でホットショーケース(ホットベンダー)等に保管され、紙容器や紙袋と共にホットショーケースから取り出されて顧客に提供されたり、直接、ホットショーケース(ホットベンダー)等に保管された後、紙容器や紙袋に入れて顧客に提供される。
また、例えば、スーパーマーケットや惣菜店などにおいては、揚げ物は、常温で保管された後、紙容器や紙袋に入れて顧客に提供されている。
しかし、揚げ物から水分や油を含むドリップが紙容器や紙袋に染み出して、商品の外観が損ねるという問題があった。
上記従来技術に鑑み、本発明は、揚げ物から滲出するドリップを長時間に亘って抑制することが可能な揚げ物用衣材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の揚げ物用衣材は、打ち粉と、バッター用ミックス粉と、ブレダー用ミックス粉とを有する揚げ物用衣材において、前記打ち粉は、パン粉を含み、前記バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方は、平均粒径70μm以下のうるち米粉を含むことを特徴とする。
上記発明によれば、打ち粉に含まれているパン粉が種物から滲出したドリップ(水分及び油分等の液体)を吸収する。またバッター用ミックス粉及び/又はブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉によって、衣材の吸油量を減少させることができる。その結果、油調理(油ちょう)後、長時間に亘って揚げ物用衣材からドリップが滲出することを抑制することが可能となる。
前記バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方は、大豆又は鶏卵由来のタンパク質を50質量%以上含む食用タンパク素材を1~10質量%含有することが好ましい。
上記態様によれば、衣材の吸油量を更に減少させることができ、かつ揚げ物用衣材の食感(歯切れ)を改善することが可能となる。
前記打ち粉は、パン粉を0.5~30質量%含むことが好ましい。
上記態様によれば、種物から滲出するドリップを効率的にパン粉に吸収させることが可能となる。これにより、油ちょう後、更に長時間に亘って揚げ物用衣材からドリップが滲出することを防止することが可能となる。
前記バッター用ミックス粉及び前記ブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方は、うるち米粉を3~50質量%含むことが好ましい。
上記態様によれば、バッター用ミックス粉又はブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉が衣材の吸油量をより効果的に減少させることが可能となる。これにより、油ちょう後、更に長時間に亘って揚げ物用衣材からドリップが滲出することを抑制することが可能となる。
揚げ物用衣材は、調味液に浸漬した種物に用いられるとよい。上記態様によれば、調味液に浸漬した種物は、味付けが良好になされるものの、調味液が衣材にしみ込むため、衣材から滲出するドリップが多い傾向がある。しかしながら、本発明によれば、そのような種物を用いた揚げ物であっても、油ちょう後、長時間に亘って揚げ物用衣材からドリップが滲出することを抑制することができる。
揚げ物用衣材は、唐揚げ粉として用いられるとよい。上記態様によれば、唐揚げの種物から滲出するドリップを吸収し、かつ唐揚げの衣材の吸油量を減少させることが可能となる。その結果、油ちょう後、長時間に亘って唐揚げの衣材からドリップが滲出することを抑制することができる。
本発明によれば、打ち粉に含まれているパン粉が種物から滲出したドリップ(水分及び油分等の液体)を吸収する。またバッター用ミックス粉及び/又はブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉が衣材の吸油量を減少させることが可能となる。その結果、油調理(油ちょう)後、長時間に亘って揚げ物用衣材からドリップが滲出することを抑制することが可能となる。その結果、食感が良く、かつ外観が良い揚げ物用衣材を提供することが可能となる。
本発明の揚げ物用衣材は、打ち粉と、バッター用ミックス粉と、ブレダー用ミックス粉とを有し、種物に打ち粉とバッターとブレダーとを付けて油ちょうするタイプの揚げ物に適用されるものである。このような揚げ物としては、例えば、唐揚げ、フライ、フライドチキンなどが挙げられる。
<打ち粉>
本発明で用いる打ち粉としては、パン粉を含むものが用いられる。パン粉の平均粒径は、特に限定されないが、300~3000μmが好ましく、1000~2000μmがより好ましい。パン粉の平均粒径が300μmよりも小さいとドリップ吸収能力が弱くなる傾向があり、3000μmよりも大きいと付着性が悪化する傾向がある。
なお、本発明において、平均粒径は、例えば、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置を用いて乾式で測定された体積平均値(Mean V)として求めることができる。レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置としては、例えばマイクロトラック粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社)等を用いることができる。以下の記載におけるパン粉以外の平均粒径においても同様である。
打ち粉としては、パン粉以外に、小麦粉、澱粉、小麦粉以外の穀粉、油脂等を用いることができる。小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉等のいずれもよいが、特に薄力粉が好ましく用いられる。澱粉としては、例えば、コーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉などの生澱粉だけでなく、それらをα化、エステル化、エーテル化、架橋など処理を施した加工澱粉を用いることもできる。また、澱粉に油脂を添加して熟成処理を施した油脂加工澱粉を用いることもできる。
打ち粉中のパン粉の含有量は、0.5~30質量%が好ましく、5~25質量%がより好ましく、10~20質量%が最も好ましい。打ち粉中のパン粉な含有量が0.5質量%未満では、ドリップ抑制効果が低下し、30質量%を超えると、作業性が悪化する傾向がある。
パン粉を含有する打ち粉を種物に付与することより、種物から滲出するドリップを効率的にパン粉に吸収させることができ、油ちょう後、時間が経過しても、揚げ物用衣材からドリップが滲出することを抑制することが可能となる。
<バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉>
本発明では、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉として、少なくとも一方が、平均粒径70μm以下のうるち米粉を含むものを用いる。
バッター用ミックス粉及び/又はブレダー用ミックス粉に上記うるち米粉が含まれていることにより、うるち米粉が衣材の吸油量をより効果的に減少させることが可能となる。これにより、油ちょう後、更に長時間に亘って揚げ物用衣材からドリップが滲出することを抑制することが可能となる。
上記うるち米粉は、平均粒径70μm以下であることが必要であり、好ましくは、30~60μmであり、より好ましくは、35~50μmである。うるち米粉の平均粒径が70μmを超えると、揚げ物のドリップを抑制する効果が十分に得られなくなる。
バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉の少なくとも一方における、平均粒径70μm以下のうるち米粉の含有量は、3~50質量%が好ましく、10~20質量%がより好ましい。
また、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉の合計量に対する、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉に含まれるうるち米粉の合計含有量は、1.5~50質量%が好ましく、10~20質量%がより好ましい。うるち米粉の合計含有量が質量1.5%未満では、吸油防止効果が十分得られない傾向があり、50質量%を超えると、食感が硬くなる傾向がある。
また、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方は、大豆又は鶏卵由来のタンパク質を50質量%以上含む食用タンパク素材を、1~10質量%含有することが好ましく、2~5質量%含有することがより好ましい。なお、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉の合計量に対する、上記食用タンパク素材の合計含有量は、0.5~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。
大豆由来のタンパク質を50質量%以上含む食用タンパク素材としては、例えば濃縮大豆タンパク、分離大豆タンパクなどを用いることができる。また、鶏卵由来のタンパク質を50質量%以上含む食用タンパク素材としては、例えば全卵粉末、卵白粉末、卵黄粉末どが挙げられる。
バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方が、大豆又は鶏卵由来のタンパク質を50質量%以上含む食用タンパク素材を上記配合量で含有することにより、衣材の吸油量を更に減少させることができ、かつ揚げ物用衣材の食感(歯切れ)を改善することが可能となる。
バッター用ミックス粉は、上記うるち米粉や、上記食用タンパク素材の他に、小麦粉、小麦粉以外の穀粉、澱粉、増粘剤、油脂等を用いることができる。小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉等のいずれもよいが、特に薄力粉が好ましく用いられる。澱粉としては、例えば、コーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉などの生澱粉だけでなく、それらをα化、エステル化、エーテル化、架橋など処理を施した加工澱粉を用いることもできる。また、澱粉に油脂を添加して熟成処理を施した油脂加工澱粉を用いることもできる。増粘剤としては、キサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコール、グアガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グルコマンナン、ガラクトマンナン、カードラン、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギナン、カルボキシメチルセルロースタトリウム、カロブビーンガム、及びカロブビーンガムなどから選ばれた一種又は二種以上を用いることができる。
また、ブレダー用ミックス粉は、上記うるち米粉や、上記食用タンパク素材の他に、小麦粉、小麦粉以外の穀粉、澱粉、油脂等を用いることができる。小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉等のいずれもよいが、特に薄力粉が好ましく用いられる。澱粉としては、例えば、コーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉などの生澱粉だけでなく、それらをα化、エステル化、エーテル化、架橋など処理を施した加工澱粉を用いることもできる。また、澱粉に油脂を添加して熟成処理を施した油脂加工澱粉を用いることもできる。
<揚げ物>
本発明の揚げ物用衣材を用いた揚げ物は、種物に、上記打ち粉をまぶし、上述のバッター用ミックス粉に加水して得られたバッター液を付着させた後、更に上述のブレダーミックス粉を付着させて油ちょうすることにより得ることができる。
種物としては、特に限定されるものではなく、例えば、エビ、イカ、アジ、イワシ等の魚介類、豚肉、鶏肉、牛肉等の畜肉類、サツマイモ、ジャガイモ、カボチャ、玉ねぎ、ゴボウ等の野菜類、シイタケ、マイタケ、シメジ等のキノコ類が挙げられる。
また、本発明の揚げ物用衣材は、種物として、調味液に浸漬したもの、いわゆるマリネーションを行ったものを用いる揚げ物に、特に好適である。マリネーションを行った種物は、水分をより多く含んでいるため、油ちょう後にドリップを生じやすいが、本発明の揚げ物用衣材を用いることにより、ドリップを効果的に減少させることができる。
このようにして製造された揚げ物は、打ち粉に含まれているパン粉が種物から滲出したドリップ(水分及び油分等の液体)を吸収する。またバッター用ミックス粉又はブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉が衣材の吸油量を減少させる。その結果、油調理(油ちょう)後、長時間に亘って揚げ物用衣材からドリップが滲出することを抑制することが可能となる。
特に、揚げ物が紙等の容器に包まれた状態で、ホットショーケース等に入れられて保管され、消費者に温かい状態で揚げ物を提供するような場合であっても、揚げ物からドリップが出て、紙等の容器に染み込むことを防ぐことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験例1>(うるち米粉の粒径試験)
種物に打ち粉をまぶす打ち粉工程、打ち粉をまぶした種物にバッター液をつけるバッター工程、バッター液が付けられた種物にブレダーをまぶすブレダー工程を経て、比較例1乃至4のフライドチキンを製造した。
種物としての具材は、鶏もも肉を用いた。鶏もも肉には、漬け汁に漬け込む、いわゆるマリネーションを行った。マリネーションは、鶏もも肉80gに対して、リン酸塩0.4質量%、卵白粉末1.0質量%、でん粉1.2質量%、食塩、香辛料計3.4質量%、水19質量%を含有する漬け汁を用いて行い、ピックアップ量(種物にマリネーションの漬け汁の液体成分が浸潤される量)が25質量%となるように行った。
打ち粉工程に用いた打ち粉は、油脂加工でん粉100%の打ち粉を用いた。打ち粉工程においては、上記のマリネーションを施した種物1個につき打ち粉4gを目安に付着させた。
バッター工程に用いたバッター用ミックス粉は、薄力粉(日東富士製粉式会社製ホワイトフェザー)に下記の表1に示す割合でうるち米粉を添加したものを用いた。また、バッター用ミックス粉には、増粘剤としてグアガム0.2質量%とキサンタンガム0.24質量%が含有されている。
バッター液の調製は、バッター用ミックス粉100質量部に対して、水260質量部を添加し、ホイッパーを用いて混合することによって行った。バッター工程においては、このように調製したバッター液を上記の打ち粉をまぶした種物1個につき11gを目安として付着させた。
ブレダー工程に用いたブレダー用ミックス粉は、薄力粉(日東富士製粉式会社製ホワイトフェザー)に下記の表1に示す割合でうるち米粉を添加したものを用いた。ブレダー工程においては、ブレダー用ミックス粉を上記のバッター液を付着させた種物1個につき15gを目安として付着させた。表1中の米粉配合率は、バッター用ミックス粉中又はブレダー用ミックス粉中の質量%である。
Figure 0007356814000001
上記のブレダー工程が終了した種物、すなわち衣付けした種物を170℃の油温で1分間、フライ(油ちょう)した(以後、この工程を1次フライと称する)。
その後、スチームコンベクションオーブン(製品名:SelfCookingCenter RATIONAL社)を用いて、120℃、湿度85%設定にて1次フライ後の種物を10分間加熱した。
その後、マイナス40℃にて1時間急速冷凍を行った。その後、マイナス18℃にて1晩冷凍保管し、170℃で6分間、衣付けした種物をフライ(油ちょう)した(以後、この工程を2次フライと称する)。
2次フライの後、室温にて試験品を1分間放冷した後、耐油コーティングされた紙袋に入れた。その後、80℃に保温されたホットショーケースに試験品を6時間保管し、紙袋内に滲出した試験品1個当たりのドリップ質量を測定し、かつその試験品の食感を評価した。
ここで、ドリップとは、揚げ物から滲出した、水や油等を含む液体である。また、ドリップ質量は、試験前後の個々の紙袋の質量の差に基づいて求めた。更に、上記表1に記載の1個当たりの平均ドリップ質量は、比較例1乃至比較例4をそれぞれ10点ずつ用意し、それらのドリップ質量の平均値を算出することにより求めた。以降の試験も、打ち粉、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉の配合を変更する以外は、本試験と同様に実施した。
表1に示すように、比較例1のバッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉には、うるち米粉が含有されていない。当該比較例1の1個当たりの平均ドリップ質量は、1.29gであった。
比較例2乃至比較例4においては、いずれもバッター用ミックス粉には10%のうるち米粉が含有され、ブレダー用ミックス粉には20%のうるち米粉が含有されている。比較例2に用いられたうるち米粉の平均粒径は、78.8μmであった。当該比較例2の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.91gであった。
比較例3に用いられたうるち米粉の平均粒径は、52.2μmであった。当該比較例3の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.27gであった。
比較例4に用いられたうるち米粉の平均粒径は、41.7μmであった。当該比較例4の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.18gであった。
このように、うるち米粉がバッター用ミックス粉又はブレダー用ミックス粉に含有されることにより1個当たりの平均ドリップ質量が減少することになった。また、うるち米粉の粒径が小さくなるにつれて1個当たりの平均ドリップ質量が少なくなった。この1個当たりの平均ドリップ質量の減少に伴って、食感評価も向上した。
<試験例2>(うるち米粉添加量試験)
上記のうるち米粉粒径試験で用いたバッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉の平均粒径41.7μmとし、その他は、試験例1と同様にして、当該うるち米粉の含有量が異なる比較例5乃至比較例10のフライドチキンを作成した。比較例5乃至比較例10のフライドチキンを製造し、うるち米粉粒径試験と同様に評価試験を実施した。各比較例におけるうるち米粉の含有量及び評価試験の結果を表2に示す。表2中の米粉配合率は、バッター用ミックス粉中又はブレダー用ミックス粉中の質量%である。
Figure 0007356814000002
表2に示すように、比較例5の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.28gであった。比較例6の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.22gであった。比較例7の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.21gであった。比較例8の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.19gであった。比較例9の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.18gであった。比較例10の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.18gであった。このように、バッター用ミックス粉又はブレダー用ミックス粉におけるうるち米粉の含有量が増加するに従って1個当たりの平均ドリップ質量が減少する傾向にあった。
<試験例3>(パン粉添加量試験)
うるち米粉粒径試験で用いた打ち粉の油脂加工でん粉の一部を平均粒径約1.2mmのパン粉に置き換えて、当該パン粉の含有量が異なる実施例1乃至実施例3のフライドチキンを作成した。実施例1乃至実施例3のフライドチキンを製造し、うるち米粉粒径試験と同様に評価試験を実施した。
各実施例におけるパン粉の含有量及び評価試験の結果を表3に示す。尚、比較例1及び4並びに実施例1乃至3は、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉の平均粒径は41.7μmとした。また、バッター用ミックス粉に含まれているうるち米粉を10質量%とし、ブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉を20質量%とした。なお、表3中のパン粉配合率は、打ち粉中の質量%である。
Figure 0007356814000003
表3に示すように、実施例1の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.11gであった。実施例2の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.13gであった。実施例3の1個当たりの平均ドリップ質量は、0.15gであった。
このように、実施例1のフライドチキンの1個当たりの平均ドリップ質量は、比較例1のフライドチキンの1個当たりの平均ドリップ質量の約9%となっている。パン粉の含有量が上がるにつれて、フライドチキンから滲出するドリップ量も少なくなり、実施例3のフライドチキンでは、比較例1の約7%となっている。
<試験例4>(食用タンパク質添加量試験)
うるち米粉粒径試験で用いたバッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉の一部を食用タンパク粉に置き換えて、当該食用タンパク質粉の含有量が異なる実施例4乃至実施例10のフライドチキンを製造し、うるち米粉粒径試験と同様に評価試験を実施した。各実施例におけるパン粉の含有量及び評価試験の結果を表4に示す。なお、大豆タンパクとしては、高ゲル化タイプ大豆タンパクを用いた。
なお、比較例1及び4並びに実施例1乃至3は、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉の平均粒径41.7μmとした。また、バッター用ミックス粉に含まれているうるち米粉を10質量%とし、ブレダー用ミックス粉に含まれているうるち米粉を20質量%とした。更に、打ち粉の油脂加工でん粉の15%を粒径約1.2mmのパン粉に置き換えた。
Figure 0007356814000004
表4は、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉に添加したタンパク質の量に伴う食感の変化を示している。実施例4及び6並びに実施例5及び7に示すように、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉のうち、いずれに食用タンパク質を添加しても歯切れの良い食感を得ることができる。また、実施例8及び9に示すように、バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉の両方に食用タンパク質を添加しても歯切れの良い食感を得ることができる。更に、実施例10に示すように、添加するタンパク質は、大豆タンパクに限られず、卵白粉末であっても大豆タンパクと同様の歯切れの良い食感を得ることが可能となる。
<試験例5>(食肉以外の種物試験)
種物に打ち粉をまぶす打ち粉工程、打ち粉をまぶした種物にバッター液をつけるバッター工程、バッター液が付けられた種物にブレダーをまぶすブレダー工程を経て、比較例11及び実施例11のエビ唐揚げを製造した。
種物としての具材は、比較例11及び実施例11ともに、1尾あたり約15gのブラックタイガー(ウシエビ)を用いた。当該ブラックタイガーの加水率は、15質量%であった。
打ち粉工程に用いた打ち粉は、実施例11においては、油脂加工でん粉85質量%、粒径約1.2mmのパン粉15質量%の打ち粉を用いた。比較例11の打ち粉は、油脂加工でん粉のみのものを用いた。打ち粉工程においては、上記の種物1個につき2gを目安に打ち粉を付着させた。
バッター工程に用いた実施例11のバッター用ミックス粉は、薄力粉(日東富士製粉式会社製ホワイトフェザー)に86.56質量%に平均粒径41.7μmのうるち米粉を10質量%、大豆タンパク3質量%添加したものを用いた。また、バッター用ミックス粉には、増粘剤としてグアガム0.2質量%とキサンタンガム0.24質量%が含有されている。
比較例11のバッター用ミックス粉は、薄力粉(日東富士製粉式会社製ホワイトフェザー)に99.56質量%に、増粘剤としてグアガム0.2質量%とキサンタンガム質量0.24%が含有されているものを用いた。
バッター液の調製は、バッター用ミックス粉100質量部に対して、水260質量部を添加し、ホイッパーを用いてこれらを混ぜることによって行った。バッター工程においては、このように調製したバッター液を上記の打ち粉をまぶした種物に対して8gを目安として付着させた。
ブレダー工程に用いた実施例11のブレダー用ミックス粉は、薄力粉(日東富士製粉式会社製ホワイトフェザー)77質量%に、平均粒径41.7μmのうるち米粉を20質量%、大豆タンパク3質量%添加したものを用いた。大豆タンパクとしては、高ゲル化タイプ大豆タンパクを用いた。
比較例11のブレダー用ミックス粉は、薄力粉(日東富士製粉式会社製ホワイトフェザー)97質量%に、大豆タンパク3質量%添加したものを用いた
ブレダー工程においては、ブレダー用ミックス粉を上記のバッター液を付着させた種物に対して4gを目安として付着させた。
上記のブレダー工程が終了した種物、すなわち衣付けした種物を170℃の油温で45秒分間、フライ(油ちょう)した(以後、この工程を1次フライと称する)。
その後、マイナス40℃にて1時間急速冷凍を行った。その後、マイナス18℃にて1晩冷凍保管し、170℃で3分間、衣付けした種物をフライ(油ちょう)した(以後、この工程を2次フライと称する)。
2次フライの後、室温にて試験品を1分間放冷した後、耐油コーティングされた紙袋に入れた。その後、80℃に保温されたホットケースに試験品を6時間保管し、紙袋内に滲出した試験品1個当たりのドリップ質量を測定し、かつその試験品の食感を評価した。
比較例11及び実施例11の代表的な成分含有量並びに評価試験の結果を表5に示す。
Figure 0007356814000005
表5に示すように、比較例11の1個当たりの平均ドリップ質量は0.31gであった。実施例11の1個当たりの平均ドリップ質量は0.07gであった。従って、実施例11の1個当たりの平均ドリップ質量は、比較例11の22%であった。
また、比較例11の食感評価が「普通」であったのに対し、実施例11の食感評価は「さくみ、歯切れ共に良好」であった。このように、実施例11のエビ唐揚げは、実施例11のエビ唐揚げと比較し、滲出するドリップ量が減少すると共に、食感が向上した。

Claims (5)

  1. 打ち粉と、バッター用ミックス粉と、ブレダー用ミックス粉とを有する揚げ物用衣材において、
    前記打ち粉は、パン粉を含み、
    前記バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方は、平均粒径70μm以下のうるち米粉を含み、
    調味液に浸漬した種物に用いられることを特徴とする揚げ物用衣材。
  2. 打ち粉と、バッター用ミックス粉と、ブレダー用ミックス粉とを有する揚げ物用衣材において、
    前記打ち粉は、パン粉を含み、
    前記バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方は、平均粒径70μm以下のうるち米粉を含み、
    唐揚げ粉として用いられることを特徴とする揚げ物用衣材。
  3. 前記バッター用ミックス粉及びブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方は、大豆又は鶏卵由来のタンパク質を50質量%以上含む食用タンパク素材を1~10質量%含有する、請求項1又は2に記載の揚げ物用衣材。
  4. 前記打ち粉は、パン粉を0.5~30質量%含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の揚げ物用衣材。
  5. 前記バッター用ミックス粉及び前記ブレダー用ミックス粉のうち少なくとも一方は、うるち米粉を3~50質量%含む、請求項1乃至のいずれかに記載の揚げ物用衣材。
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