JP7351527B2 - 止水板の固定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の目地部に用いられる止水板の固定方法に関する。
従来より、地下に埋設されるコンクリート構造物の目地部には止水板が用いられることがある。止水板は、地下水がコンクリート構造物の目地部からコンクリート構造物の内部に浸入すること、あるいは、コンクリート構造物の内部の水が外部に漏水することを止めるための部材であり、地盤の沈下や地震による変位に追従しながら止水性を確保する必要があることから、一般的に粘弾性材で構成されている場合が多い。
このような止水板の固定構造としては、例えば特許文献1~7に記載されているものが知られている。特許文献1では、コンクリート構造物に固定されたボルトを止水板の孔に挿通させることによって止水板を所定位置に配置し、その止水板の上に押さえ金具を配置してからナットをボルトに螺合させることによって押さえ金具を止水板に押し付けて止水性を確保するようにしている。
特許文献2では、特許文献1と同様なボルト、押さえ金具、ナットを用いて止水板を固定する構造を前提とし、止水板と押さえ金具との間の摩擦係数を高くして水圧に対する抵抗力を高めている。
特許文献3では、特許文献1と同様なボルト、押さえ金具、ナットを用いて止水板を固定する構造を前提とし、コンクリート構造物と止水板との間に膨張係数の異なる2本の水膨張ゴムを配設している。
特許文献4では、特許文献1と同様なボルト、押さえ金具、ナットを用いて止水板を固定する構造を前提とし、止水板に弾性体及び応力材を積層して設けている。
特許文献5では、止水板に孔を開けずに押さえ金具によって固定する場合に、止水板における押さえ金具と接する部分を突状に形成し、この突状部分の内部に硬質ゴムと補強帆布を設けている。
特許文献6では、止水板に孔を開けず押さえ金具によって固定する場合に、止水板における押さえ金具によって押さえられる部分を圧縮変形させてセルフシール効果を得るようにしている。
特許文献7では、止水板に孔を開けず押さえ金具によって固定する場合に、アーム形状部材を利用して押さえ荷重分散させて止水板を押さえるようにしている。
特開2002-70189号公報 特開2019-112914号公報 特開2004-169327号公報 特開2000-64446号公報 特開2015-101868号公報 特開2014-234652号公報 特開2010-150807号公報
ところで、特許文献1~7は、押さえ金具をボルト及びナットの締結力で止水板に押し付け、その結果、止水板をコンクリート構造物に押し付けることによって止水性を確保している点で共通している。
しかしながら、止水板の材料である粘弾性材は、一方に一定の力を加え続けると、図11に示すように、時間の経過に従ってその力が低下する応力緩和現象を示す。したがって、特許文献1~7のようにボルト及びナットの締結力で止水板に押し付けた初期の段階で止水板をコンクリート構造物に押し付ける力を十分に確保できていたとしても、時間が経過するとその押し付け力が次第に低下していくことは避けられない。
この点、例えば、特許文献2では止水板と押さえ金具との間の摩擦係数を高くして水圧に対する抵抗力を高めようとしているが、止水板を押さえ付ける力が上述した応力緩和現象によって低下してしまうと、いくら摩擦係数を高くしても、水圧に対する抵抗力は低下してしまうおそれがある。
また、特許文献3では、コンクリート構造物と止水板との間に膨張係数の異なる2本の水膨張ゴムを配設しているが、止水板を押さえ付ける力が上述した応力緩和現象によって低下してしまうと、水膨張ゴムをもってしても止水性が低下してしまうおそれがある。
また、特許文献4では、止水板に弾性体及び応力材を積層して設けることで反発力を確保するようにしているが、止水板のベースは粘弾性材であることから、上述した応力緩和現象による止水性の低下は避けられないと考えられる。
また、特許文献5では、止水板における押さえ金具と接する部分の内部に硬質ゴムと補強帆布を設けているが、特許文献4と同様に止水板のベースは粘弾性材であることから、上述した応力緩和現象による止水性の低下は避けられないと考えられる。
また、特許文献6では、止水板における押さえ金具によって押さえられる部分を圧縮変形させてセルフシールしようとしているが、やはり、止水板が粘弾性材である以上、応力緩和現象による止水性の低下は避けられないと考えられる。
さらに、特許文献7では、アンカーボルトからアーム形状部材を介して止水板を押さえるようにしているが、このものも止水板が粘弾性材である以上、応力緩和現象による止水性の低下は避けられないと考えられる。
つまり、地盤の沈下や地震による変位に追従しながら止水性を確保するために止水板の材料を粘弾性材とした場合、応力緩和現象が問題となって止水性の悪化が懸念される。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、経時的な応力緩和を抑制して長期間に亘って止水性を確保できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、コンクリート構造物から突出したボルトを、粘弾性材を材料として含む止水板に形成された固定孔に挿通させ、前記ボルトに螺合したナットの締め込み力によって前記止水板をコンクリート構造物に重ねた状態で固定する止水板の固定構造において、前記止水板における前記コンクリート構造物と反対側に重なるように配置され、前記ボルトが挿通するボルト挿通孔が形成された剛体からなる押さえ板と、前記押さえ板における前記止水板と反対側に重なるように配置され、前記ボルトが挿通する座金とを備え、前記ナットは、前記座金を前記押さえ板との間で挟むように配置され、前記座金は、径方向外側が内側に比べて当該座金の厚み方向一方側に位置するテーパ状に成形されており、前記ナットの締め込み力によって径方向外側が厚み方向他方側に変位するように弾性変形することを特徴とする。
この構成によれば、例えばコンクリート構造物の目地部を止水板によって止水する場合に、コンクリート構造物から突出したボルトを止水板の固定孔に挿通させると止水板をコンクリート構造物に対して位置決めすることが可能になる。そして、押さえ板のボルト挿通孔にボルトを挿通させて当該押さえ板を止水板に重ねてから座金を押さえ板に重ね、ナットをボルトに螺合させて締め付けると、ナットの締め込み力によって座金が押さえ板に押し付けられ、その押さえ板によって止水板がコンクリート構造物に押し付けられる。これにより、止水板がコンクリート構造物に密着する。この状態で、止水板がその材料として粘弾性材を含んでいるので、例えば地盤の沈下や地震が起こった場合に生じる変位に追従して変形し、止水性が確保される。
ところが、止水板が粘弾性材を含んでいることで上述した応力緩和の問題が生じ得る。この問題に対し、本構成では特徴的な形状及び変形特性を持った座金で解決を図っている。すなわち、座金は、その径方向外側が内側に比べて当該座金の厚み方向一方側に位置するテーパ状に成形されているとともに、弾性変形可能になっている。ナットを締め込んでいくと、座金に対して厚み方向の圧縮力が作用することになるが、ナットの締め込み力を高めていくと、座金は、その径方向外側が厚み方向他方側に変位して平たい形状に近くなるまで変形する。この変形は弾性域における変形であるため、座金は反発力を持つ。座金の反発力は押さえ板を止水板に押し付ける方向に作用する。止水板が粘弾性材の影響によって多少変形したとしても、座金の反発力によって押さえ板を継続して強い力で止水板に押し付けることが可能になり、応力緩和の問題が解決される。
第2の発明は、前記座金は、径方向外側が前記押さえ板における前記ボルト挿通孔の周りに接するように配置されていることを特徴とする。
すなわち、押さえ板のボルト挿通孔の径は作業性を考慮して大きめに設定されるケースが多い。このため、仮に、座金のボルトが挿通する孔の周縁部が押さえ板に接していると、ナットの締め込み力によって座金の孔の周縁部が押さえ板のボルト挿通孔に食い込むといった現象が想定される。
これに対し、本構成では、座金の径方向外側、即ち押さえ板のボルト挿通孔よりも十分に大径である側を押さえ板に接触させることができるので、座金が押さえ板のボルト挿通孔に食い込むことはない。
第3の発明は、前記押さえ板の前記ボルト挿通孔は、長孔であることを特徴とする。
この構成によれば、ボルトの取り付け誤差や押さえ板の製造誤差を許容しながら、ボルトを押さえ板のボルト挿通孔に挿通させることができる。この場合、座金の径方向外側を押さえ板に接触させることで、ボルト挿通孔が長孔であっても、座金が押さえ板のボルト挿通孔に食い込むことはない。
第4の発明は、前記座金は、前記押さえ板側に配置される座金と、前記ナット側に配置される座金とを含んでおり、これら座金が厚み方向に並んでいることを特徴とする。
第5の発明は、前記押さえ板側に配置される座金と前記ナット側に配置される座金とは、厚み方向について同じ向きで重なっていることを特徴とする。
この構成によれば、押さえ板側に配置される座金とナット側に配置される座金とが同じ方向を向いて重なっているので、反発力を強くすることができる。座金の数は3以上であってもよい。
第6の発明は、前記座金は、厚み方向について反対向きで重なる複数の座金を含んでいることを特徴とする。
この構成によれば、複数の座金が互いに反対方向を向いて重なっているので、トータルでの弾性変形量を大きく確保できる。したがって、応力緩和率が高い止水板に対して使用することで、その応力緩和を抑制することができる。
第7の発明は、止水板におけるコンクリート構造物と接する面には、形状が設けられているものである。この構成によれば、止水性をより一層高めることができる。
本発明によれば、径方向外側が内側に比べて厚み方向一方側に位置するテーパ状の座金の反発力によって押さえ板を止水板に押し付けることができるので、経時的な応力緩和を抑制して長期間に亘って止水性を確保できる。
本発明の実施形態に係る止水板の固定構造が適用されたコンクリート構造物の目地部及びその近傍を示す断面図である。 座金及びナットを取り外した状態の図1相当図である。 押さえ板の平面図である。 座金及びナットを取り外した固定構造の平面図である。 座金の平面図である。 図5AのA-A線断面図である。 固定構造の平面図である。 実施形態の変形例1に係る断面図である。 実施形態の変形例2に係る断面図である。 比較例、実施例1及び実施例2を示す断面図である。 比較例、実施例1及び実施例2の軸力の変化を示すグラフである。 粘弾性体の応力緩和現象を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る止水板の固定構造1を示すものである。止水板の固定構造1は、例えば第1コンクリート構造物100と第2コンクリート構造物200との間形成された目地部300を止水する止水板10を当該第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200に固定するためのものである。具体的には、止水板の固定構造1によれば、第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200からそれぞれ突出した第1及び第2ボルト20、21を、止水板10に形成された第1及び第2固定孔11a、12aに挿通させ、第1及び第2ボルト20、21に螺合した第1及び第2ナット40、41の締め込み力によって止水板10をコンクリート構造物100、200に重ねた状態で固定することができる。
第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200は、例えば地下に埋設されており、外部には地下水が存在している場合があり、この場合、地下水が目地部300を通って第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200の内部に浸入するのを止水板10によって止めることができる。また、第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200によって水路が形成されている場合のように、第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200の内部に水が流れているときには、当該水路内の水が第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200の外部に漏れるのを止水板10によって止めることができる。
本実施形態において、第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200の形状や大きさは特に問わない。第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200は、例えば、地下水路を構成する部材であってもよいし、建築物を構成する部材であってもよいし、建築物の基礎となる部材であってもよい。建築物は、例えば商業施設等であってもよい。また、第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200は、ボックスカルバートであってもよい。
図2にも示すように、第1コンクリート構造物100における目地部300側には、第1ボルト20が突出するように設けられている。この第1ボルト20は、いわゆるアンカーボルトであり、根元部分が第1コンクリート構造物100に埋め込まれた状態で固定されている。第1ボルト20は複数あり、目地部300の長手方向に互いに間隔をあけて配置されている。また、第1コンクリート構造物100における目地部300側にも第1ボルト20と同様な第2ボルト21が設けられている。
止水板10は、粘弾性材を材料として含む板材で構成されている。止水板10の全体が粘弾性材で構成されていてもよいし、一部のみが粘弾性材で構成されていてもよいが、少なくとも第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200に固定される部分(後述する第1固定板部11及び第2固定板部12)は粘弾性材で構成されている。また、止水板10には補強材や水膨張材が設けられていてもよい、また、止水板10は厚み方向に複数の部材が積層された複層構造であってもよい。止水板10を構成する粘弾性材としては、例えば引っ張り、せん断強度、並びに伸長率が高く、低温においても柔軟性のある天然ゴム等を挙げることができる。
止水板10は、第1コンクリート構造物100に固定される第1固定板部11と、第2コンクリート構造物200に固定される第2固定板部12と、第1中間板部13と、第2中間板部14と、屈曲部15とを備えている。第1固定板部11は、第1コンクリート構造物100の表面に接するように配置されて後述する第1押さえ板30によって押さえ付けられて固定される部分である。また、第2固定板部12は、第2コンクリート構造物200の表面に接するように配置されて後述する第2押さえ板31によって押さえ付けられて固定される部分である。止水板10の幅方向は図1及び図2の左右方向である。また、止水板10は、目地部300の延びる方向に長い形状とされており、止水板10の長手方向は図1及び図2の紙面表裏方向である。
第1固定板部11には、複数の第1固定孔11aが止水板10の長手方向に互いに間隔をあけて形成されている。第1固定孔11aは、第1ボルト20が挿通可能な径を有している。また、第1固定孔11aの間隔は、第1ボルト20の間隔と略同じである。また、第2固定板部12には、第1固定板部11と同様に、複数の第2固定孔12aが止水板10の長手方向に互いに間隔をあけて形成されている。第2固定孔12aは、第2ボルト21が挿通可能な径を有している。また、第2固定孔12aの間隔は、第2ボルト21の間隔と略同じである。
上述したように第1固定板部11及び第2固定板部12は粘弾性材で構成されている。また、第1固定板部11及び第2固定板部12には、コンクリート構造物100、200側に水膨張材等が設けられていてもよい。あるいは、コンクリート構造物100、200の表面に凹凸があって固定部11、12の面と接触が良くない場合は、非加硫ブチルゴムを入れて密着性を向上させてもよい。
また、第1固定板部11及び第2固定板部12におけるコンクリート構造物100、200側の面には、突条部11b、12bのようなシール性を高める形状が付与されていてもよい。
第1中間板部13は、第1固定板部11から止水板10の幅方向中央部へ向けて延びている。また、第2中間板部14は、第2固定板部12から止水板10の幅方向中央部へ向けて延びている。第1中間板部13及び第2中間板部14は、傾斜してもよいし、湾曲していてもよい。
屈曲部15は、第1中間板部13と第2中間板部14とを連続するように設けられており、止水板10の幅方向中央部近傍を厚み方向に膨出させてなる部分である。屈曲部15の屈曲方向は特に限定されるものではないが、例えば水路の内側へ向けて屈曲していてもよいし、水路の外側へ向けて屈曲していてもよい。また、屈曲部15は、2つ以上設けられていてもよい。第1コンクリート構造物100と第2コンクリート構造物200との相対的な位置関係が地震や地盤沈下等で変化した場合には、屈曲部15が変形することで追従させることができる。
第1押さえ板30は、第1固定板部11をその長手方向全体に亘って第1コンクリート構造物100の表面に押さえ付けるための部材であり、第1固定板部11における第1コンクリート構造物100と反対側に重なるように配置されている。第1押さえ板30は、例えばステンレス鋼等の腐食しにくい金属材で構成することができる。第1押さえ板30の幅は、第1固定板部11の幅と同程度であってもよいし、第1固定板部11よりも狭くてもよい。第1押さえ板30の厚みは締め付けたとき上記粘弾性体の反力で当該押さえ板30が反らない厚み、例えば9mm以上に設定することができるが、これに限られるものではない。
また、ボルト20、20(図6に示す)間においても、ボルト20が存在している部分と同様な押し付け力を発揮することができる。第1押さえ板30の剛性は、例えばSUS821のような曲げ強度の高い材料の選定、断面形状、断面積の設定によりさらに高めることが可能になる。
図3に示すように、第1押さえ板30には、第1ボルト20が挿通する複数のボルト挿通孔30aが長手方向に互いに間隔をあけて形成されている。ボルト挿通孔30aの間隔は、第1ボルト20の間隔と略等しくなる。図4に示すように、ボルト挿通孔30aの径は、現場での第1ボルト20の挿通作業を容易にするため、大きめに設定されており、ボルト挿通孔30aの内周面と第1ボルト20の外周面との間に所定の隙間ができる。ボルト挿通孔30aは、円形であってもよいが、例えば図3に示すように第1押さえ板30の長手方向に長い長孔であってもよい。長孔は、楕円形であってもよいし、長円形であってもよい。ボルト挿通孔30aを長孔にすることで、第1ボルト20の間隔やボルト挿通孔30aの間隔に誤差が生じていても、第1ボルト20をボルト挿通孔30aに容易に挿通させることができる。尚、第2押さえ板31は第1押さえ板30と同様に構成されており、複数のボルト挿通孔31a(図1に示す)を有している。
第1ナット40は第1ボルト20に螺合し、また、第2ナット41は第2ボルト21に螺合する。これらナット40、41は従来から用いられている汎用品(材質SUS304)であるが、汎用品とは異なる専用品であってもよい。
第1座金50は、第1押さえ板30における第1固定板部11と反対側に重なるように配置されており、従って、第1ナット40は、第1座金50を第1押さえ板30との間で挟むように配置されることになる。図5Aに示すように、第1座金50は、平面視で円形をなす板状の部材(材質SUS304)で構成されており、その中心部に第1ボルト20が挿通する孔50aが形成されている。孔50aは、第1ボルト20の径よりも若干大きめの円形である。第1座金50の外縁部50bの形状は、孔50aと相似な円形である。第1座金50の外径は、第1押さえ板30のボルト挿通孔30aの径(長径)よりも大きく設定されている。これにより、第1座金50を第1押さえ板30に置いた時に、第1座金50の径方向外側が第1押さえ板30におけるボルト挿通孔30aの周縁部から離れ、ボルト挿通孔30aの周りに接するように配置されることになる。
第1座金50は、径方向外側が径方向内側に比べて当該第1座金50の厚み方向一方側に位置するテーパ状に成形されている。すなわち、図5Bに示すように、第1座金50の外縁部50bは、孔50aの周縁部よりも同図の下側(厚み方向一方側)に位置するように当該第1座金50が形成されており、第1座金50における孔50aの周縁部と外縁部50bとの間の中間部分50cは、傾斜しながら延びている。
第1座金50の形状は、図示した例に限られるものではなく、中間部分50cの中心線Xに対する傾斜角度を大きくてもよいし、小さくしてもよい。中心線Xは、第1ボルト20の中心線と一致する線である。第1座金50をテーパ形状としていることで、孔50aの周縁部と、外縁部50bとは、中心線X方向に所定距離だけ離れることになる。この所定距離は、例えば0.5mm以上に設定することができ、上限は例えば3.0mm以下に設定することができる。また、中間部分50cが中心線Xの周方向に連続しており、このため、第1座金50を厚み方向に押圧して弾性変形させたときの反発力が大きくなる。
第1座金50は弾性を有する材料で構成されており、この材料としては、例えばステンレス鋼等の金属材(材質SUS304)を挙げることができる。第1座金50を金属材で構成する場合、例えば板材を打ち抜き加工(プレス加工)することによって上述した形状に打ち抜くとともに、テーパ形状に成形することができる。尚、打ち抜き加工と、テーパ形状の成形加工とは別工程であってもよい。第1座金50が弾性材であることから、第1ナット40の締め込み力によって第1座金50は、その径方向外側が厚み方向他方側に変位するように弾性変形する。言い換えると、第1座金50は第1ナット40の締め込み力によって平らな形状に近づくことになる。また、第2座金51は第1座金50と同じものである。
次に、上記のように構成された止水板の固定構造1を用いて止水板10を固定する要領について説明する。まず、第1ボルト20及び第2ボルト21を第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200にそれぞれ固定する。その後、止水板10の第1固定板部11の第1固定孔11aに第1ボルト20を挿通させ、第2固定板部12の第2固定孔12aに第2ボルト21を挿通させる。これにより、止水板10の両側が第1コンクリート構造物100及び第2コンクリート構造物200にそれぞれ位置決めされる。
次いで、第1押さえ板30のボルト挿通孔30aに第1ボルト20を挿通させて第1押さえ板30を第1固定板部11に重ねる。また、第2押さえ板31のボルト挿通孔31aに第2ボルト21を挿通させて第2押さえ板31を第2固定板部12に重ねる。
その後、第1座金50の孔50aに第1ボルト20を挿通させて第1座金50を第1押さえ板30に重ねる。このとき、第1座金50の外縁部50bが第1押さえ板30に接するように第1座金50の姿勢を設定しておく。同様に、第2座金51を第2押さえ板31に重ねる。
次いで、第1ナット40を第1ボルト20に螺合させて締め込んでいく。第1ナット40の締め込み力によって第1座金50が第1押さえ板30に押し付けられると、その第1押さえ板30によって第1固定板部11が第1コンクリート構造物100に押し付けられる。これにより、第1固定板部11が第1コンクリート構造物100に密着する。この状態で、第1固定板部11がその材料として粘弾性材を含んでいるので、例えば地盤の沈下や地震が起こった場合に生じる変位に追従して変形し、止水性が確保される。
また、第1ナット40を締め込んでいくと、第1座金50に対して厚み方向の圧縮力が作用することになるが、第1座金50がテーパ形状でかつ弾性変形可能になっているので、第1ナット40の締め込み力を高めていくと、第1座金50は平たい形状に近くなるまで弾性変形する。これにより、第1座金50は反発力を持つ。第1座金50の反発力は第1押さえ板30を第1固定板部11に押し付ける方向に作用する。したがって、第1固定板部11が粘弾性材の影響によって多少変形したとしても、第1座金50の反発力によって第1押さえ板30を継続して強い力で第1固定板部11に押し付けることが可能になり、応力緩和の問題が解決される。第1座金50は、外縁部50bが第1押さえ板30に接しているので、外縁部50bがボルト挿通孔30aに食い込むように変形することはない。尚、第2座金51も同様である。
(変形例)
上述した例では第1座金50が1枚である場合について説明したが、これに限らず、第1座金50が複数枚設けられていてもよい。例えば図7に示す変形例1のように、3枚の座金50A、50B、50Cを重ねて設けることができる。変形例1では、第1押さえ板30側に配置される座金50Aと、第1ナット40側に配置される座金50Cと、これら座金50A、50Cの間に配置される中間座金50Bとが含まれており、座金50A、50B、50Cは、厚み方向に並んでいる。第1押さえ板30側に配置される座金50Aは、上記実施形態と同じ姿勢で配置される。中間座金50Bは、第1押さえ板30側に配置される座金50Aとは反対に向いており、中間座金50Bの外縁部と、第1押さえ板30側に配置される座金50Aの外縁部とは互いに離れる一方、中間座金50Bの内縁部と、第1押さえ板30側に配置される座金50Aの内縁部とは接している。また、第1ナット40側に配置される座金50Cの向きは、第1押さえ板30側に配置される座金50Aの向きと同じであり、第1ナット40側に配置される座金50Cの外縁部と、中間座金50Bの外縁部とが接する一方、第1ナット40側に配置される座金50Cの内縁部と、中間座金50Bの内縁部とは互いに離れている。つまり、この変形例1では、厚み方向について反対向きで重なる座金50A、50Bを含んでいる。座金50B、50Cも厚み方向について反対向きで重なっている。
変形例1では、座金50A、50B、50Cのトータルでの弾性変形量を大きく確保できるので、応力緩和率が高い止水板に対して使用することで、その応力緩和を抑制することができる。尚、座金の枚数は4以上であってもよい。
図8は変形例2を示すものである。この変形例2では、2枚の座金50A、50Bが含まれており、座金50A、50Bは、厚み方向に並んでいる。第1押さえ板30側に配置される座金50Aは、上記実施形態と同じ姿勢で配置される。第1ナット40側に配置される座金50Bも、第1押さえ板30側に配置される座金50Aと同じ向きで配置されており、座金50A、50Bは厚み方向に積層されている。つまり、第1押さえ板30側に配置される座金50Aと第1ナット40側に配置される座金50Bとは、厚み方向について同じ向きで重なっている。変形例2では、複数の座金50A、50Bが同じ方向を向いて重なっているので、反発力を強くすることができる。座金の数は3以上であってもよい。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、径方向外側が内側に比べて厚み方向一方側に位置するテーパ状の座金50、51を弾性材で構成し、その座金50、51の反発力によって押さえ板30、31を止水板10に押し付けることができるので、経時的な応力緩和を抑制して長期間に亘って止水性を確保できる。
また、外気温度変化による各構成部材の熱膨張、収縮による止水性の低下を抑制することもできる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
まず、図9に基づいて比較例、実施例1、2について説明する。比較例は、上述した本発明の座金50の代わりに一般的なステンレス製SUS304の平座金60を用いた例である。実施例1は、上記実施形態の構成に相当する例である。実施例2は、上記変形例1(図7に示す)の構成に相当する例である。
比較例、実施例1、2の全てで、コンクリート構造物100、止水板の第1固定板部11、第1押さえ板30、第1ボルト20及び第1ナット40は共通である。第1固定板部11の材料は、粘弾性体(天然ゴム、CR、EPMA等)であり、厚みは11mmである。第1押さえ板30の材料はステンレス鋼SUS304であり、厚みは12mmである。第1ボルト20は、M12である。実施例1、2で用いている座金50は、SUS304製であり、板厚3.5mm、全高4.4mmである。座金50の外径は50mmである。
第1ナット40の締め付けトルクはトルクレンチで管理し、40N・mとする。
第1ボルト20に作用する軸力をひずみゲージで測定した。測定結果を図10のグラフに示す。グラフの縦軸は第1ボルト20に作用する軸力であり、横軸は経過時間(h)である。第1ナット40の締め付けが完了した時点を0(h)とする。
実施例1では、24時間経過時点での応力緩和率が85%であり、比較例に比べて13%の応力緩和抑制効果が見られた。また、実施例2では、比較例に比べて26%の応力緩和抑制効果が見られた。したがって、実施例1、2によれば、応力緩和による漏水を抑制することができるので、止水板11の固定後に、ナット20を定期的に増し締めする間隔を長くすることができ、構造物のメンテナンス作業の負担を低減する効果がある。
上述した実施形態、変形例、実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。例えば、押さえ板の形状、止水板の形状は現場に応じて任意に設定することができる。ボルトの長さや径も同様である。
以上説明したように、本発明に係る止水板の固定構造は、例えば地下水路を構成するコンクリート構造物の目地部に配設される止水板を固定する場合等に利用することができる。
1 止水板の固定構造
10 止水板
11a 固定孔
11b 突条部(突起形状)
20 ボルト
30 押さえ板
30a ボルト挿通孔
40 ナット
50、50A、50B、50C 座金

Claims (7)

  1. コンクリート構造物から突出したボルトを、粘弾性材を材料として含む止水板に形成された固定孔に挿通させ、前記ボルトに螺合したナットの締め込み力によって前記止水板をコンクリート構造物に重ねた状態で固定する止水板の固定方法において、
    記ボルトが挿通するボルト挿通孔が形成された剛体からなる押さえ板を、前記止水板における前記コンクリート構造物と反対側に重なるように配置し
    記ボルトが挿通する座金を、径方向外側が内側に比べて当該座金の厚み方向一方側に位置するテーパ状に成形しておき、当該座金を、前記押さえ板における前記止水板と反対側に重なるように配置し
    前記ナット、前記座金を前記押さえ板との間で挟むように配置
    記ナットの締め込み力によって前記座金を径方向外側が厚み方向他方側に変位するように弾性変形させて平らな形状に近づけることを特徴とする止水板の固定方法
  2. 請求項1に記載の止水板の固定方法において、
    前記座金は、径方向外側が前記押さえ板における前記ボルト挿通孔の周りに接するように配置されていることを特徴とする止水板の固定方法
  3. 請求項2に記載の止水板の固定方法において、
    前記押さえ板の前記ボルト挿通孔は、長孔であることを特徴とする止水板の固定方法
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の止水板の固定方法において、
    前記座金は、前記押さえ板側に配置される座金と、前記ナット側に配置される座金とを含んでおり、これら座金が厚み方向に並んでいることを特徴とする止水板の固定方法
  5. 請求項4に記載の止水板の固定方法において、
    前記押さえ板側に配置される座金と前記ナット側に配置される座金とは、厚み方向について同じ向きで重なっていることを特徴とする止水板の固定方法
  6. 請求項1から3のいずれか1つに記載の止水板の固定方法において、
    前記座金は、厚み方向について反対向きで重なる複数の座金を含んでいることを特徴とする止水板の固定方法
  7. 請求項1から3のいずれか1つに記載の止水板の固定方法において、
    前記止水板における前記コンクリート構造物と接する面には、突起形状が設けられていることを特徴とする止水板の固定方法
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