JP2016023676A - Uボルトユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】配管と接する配管緩衝材が環境変動による温度差で生じる配管の伸縮運動やその他の衝撃等に対しても離脱することがないUボルトユニットを提供する。
【解決手段】本発明に係るUボルトユニットは、両下端部に雄ネジ部を形成したUボルトとUボルトの両下端部に架設したベースプレートとの間で配管周面を囲繞して取付基盤に固定するUボルトユニットであって、下方開口で断面略コ字状に形成した配管緩衝材の両側縁をベースプレートに重設して前記両側縁を折曲して折り込んで構成したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、配管を取付基盤に固定するために配管緩衝材を介して取付けるUボルトユニットに関する。
従来、UボルトユニットはUボルトとUボルトの両下端部に架設したベースプレートとの間で配管周面を囲繞し、取付基盤を介して配管を任意の場所に固定する。Uボルトユニットは陸上用としてガス管や水道管、プラント配管等、船舶用として蒸気ラインや燃料油ライン等の配管を床面や橋下等に取付基盤を介して保持するために用いられる。多くの場合、これら配管は温度等の環境変動が激しい過酷な環境下に設置されると共に、地震による振動や衝撃、船舶の揺れや傾き等により、位置や伸縮による変動の影響を受ける。
すなわち、配管は温度に依存して膨張と収縮の伸縮動作をしたり、振動や衝撃等により動くことで、Uボルトユニットによって囲繞された配管周壁部分にキズが生じて破損の原因となっていた。
このような状況を改善する技術が、例えば特許文献1に開示されている。本技術によれば、配管と接するベースプレート上面にフッ素樹脂板(配管緩衝材)を貼着したり、ベースプレート自体をフッ素樹脂板で形成することで、配管が伸縮動作等をしてもフッ素樹脂の優れた滑り特性や耐摩耗性等によって配管の損傷を防止できる。
実用新案登録第3145795号公報
確かに、特許文献1に開示された技術によれば、配管とベースプレートとの当接面にはフッ素樹脂板が介在するので、配管の伸縮運動や衝撃等に対する配管周壁部分の損傷を防止できる点で有利である。しかしながら、金属製であるベースプレートの表面にフッ素樹脂板を貼着するに当たっては金属材料に樹脂材料を接着剤により接着する必要がある。このような接着は温度変化等の環境の変化に対応できないため劣化し、経年的にフッ素樹脂板がベースプレートから剥離してしまうという可能性を有していた。
また、ベースプレートそのものをフッ素樹脂板とした場合、高温の環境下や、配管内に高温の媒体を通すとフッ素樹脂板が変形してUボルトとしての配管の締結固定という効果が半減したり、変形によりUボルトとベースプレートを固定していたナットが緩んでしまうという問題を有していた。
更に、フッ素樹脂は高価であり、再利用が困難な材料であることからコスト的に不利であると共に、Uボルトユニットとしての役目を終えた後は廃棄せざるを得ず、地球環境に対しても不利であるという問題を有していた。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、配管と接する配管緩衝材が環境変動による温度差で生じる配管の伸縮運動やその他の衝撃等に対しても離脱することがないUボルトユニットを提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
請求項1に係る発明では、両下端部に雄ネジ部を形成したUボルトとUボルトの両下端部に架設したベースプレートとの間で配管周面を囲繞して取付基盤に固定するUボルトユニットであって、下方開口で断面略コ字状に形成した配管緩衝材の両側縁をベースプレートに重設して前記両側縁を折曲して折り込んで構成したことを特徴とするUボルトユニットを提供せんとする。
請求項2に係る発明では、前記ベースプレートは矩形板状に形成し、前記配管緩衝材は前記ベースプレートの幅員方向で係合するように略偏平状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のUボルトユニットを提供せんとする。
請求項3に係る発明では、前記配管緩衝材の前記両側縁は前記ベースプレートに重設した断面半円弧状の湾曲支持板の両側縁に折曲して折り込んで構成したことを特徴とする請求項1に記載のUボルトユニットを提供せんとする。
請求項4に係る発明では、前記湾曲支持板は上側に凹状の湾曲形状に形成し、前記配管緩衝材は前記湾曲支持板の幅員方向で係合するように前記湾曲支持板と同一曲率の湾曲形状に形成したことを特徴とする請求項3に記載のUボルトユニットを提供せんとする。
請求項5に係る発明では、前記配管緩衝材は樹脂材料で形成していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のUボルトユニットを提供せんとする。
請求項6に係る発明では、前記配管緩衝材は超高分子量ポリエチレン樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のUボルトユニットを提供せんとする。
請求項7に係る発明では、前記配管緩衝材は接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のUボルトユニットを提供せんとする。
請求項1記載の発明によれば、下方開口で断面略コ字状に形成した配管緩衝材の両側縁をベースプレートに重設して両側縁を折曲して折り込んで構成したことで、配管緩衝材が環境変動による温度差で生じる配管の伸縮運動やその他の衝撃等に対しても離脱することなく配管を常に配管緩衝材と当接させることができる。
また、ベースプレートと配管緩衝材との接続に接着剤を用いた際に配管緩衝材とベースプレートとの接着が外れても、配管緩衝材はベースプレートの幅員方向で係合しているのでベースプレートから配管緩衝材が離脱することなく配管を常に配管緩衝材と当接させることができる。
請求項2記載の発明によれば、ベースプレートは矩形板状に形成し、配管緩衝材はベースプレートの幅員方向で係合するように略偏平状に形成しているので、ベースプレートと配管緩衝材の形状がシンプルとなり部品点数も少なくて済むため作業性が向上し、製造コストも低廉に抑えることができる。
請求項3記載の発明によれば、配管緩衝材の両側縁はベースプレートに重設した断面半円弧状の湾曲支持板の両側縁に折曲して折り込んで構成したことで、配管緩衝材が環境変動による温度差で生じる配管の伸縮運動やその他の衝撃等に対しても離脱することなく配管を常に配管緩衝材と当接させることができる。
また、湾曲支持板と配管緩衝材との接続に接着剤を用いた際に配管緩衝材と湾曲支持板との接着が外れても、配管緩衝材は湾曲支持板の幅員方向で係合しているので湾曲支持板から配管緩衝材が離脱することなく配管を常に配管緩衝材と当接させることができる。
請求項4記載の発明によれば、湾曲支持板は上側に凹状の湾曲形状に形成し、配管緩衝材は湾曲支持板の幅員方向で係合するように湾曲支持板と同一曲率の湾曲形状に形成しているので、配管の曲率に合致した配管緩衝材を用いることで、配管と配管緩衝材の上面との接触面積を広範にして囲繞でき、配管を強固に固定することができる。
請求項5記載の発明によれば、配管緩衝材は樹脂材料で形成されていることで、配管の伸縮運動や衝撃等に対する配管周壁部分の損傷を防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、配管緩衝材は超高分子量ポリエチレン樹脂で形成されているので、フッ素樹脂よりも廉価であると共に、フッ素樹脂に劣らず優れた滑り特性や耐摩耗性等を備えており、コスト的に有利である。
また、超高分子量ポリエチレン樹脂は再利用が可能な材料であることからUボルトユニットとしての役目を終えた後でも廃棄することなく再利用でき、コスト的に有利であると共に、地球環境に対しても有利である。
請求項7記載の発明によれば、配管緩衝材は接着剤によって接着されているため、簡易な構造で配管緩衝材をベースプレート又は湾曲支持板に接着固定させることができ、設計的に有利である。
本発明の第一実施形態に係るUボルトユニットと配管を示した斜視図である。 (a)は本発明の第一実施形態に係るUボルトユニットの正面図で、(b)は(a)のA−A線断面図で、(c)は底面図である。 (a)は本発明の第一実施形態に係るUボルトユニットの配管緩衝材等を示した斜視図で、(b)は配管緩衝材の変形例を示した斜視図である。 本発明の第二実施形態に係るUボルトユニットと配管を示した斜視図である。 (a)は本発明の第二実施形態に係るUボルトユニットの正面図で、(b)は(a)のB−B線断面図で、(c)は(a)のC−C線断面図である。 (a)本発明の第二実施形態に係るUボルトユニットの配管緩衝材等を示した斜視図で、(b)は配管緩衝材の変形例を示した斜視図である。 本発明の第一実施形態に係るUボルトユニットの設置例を示した図である。
本発明に係るUボルトユニットの要旨は、両下端部に雄ネジ部を形成したUボルトとUボルトの両下端部に架設したベースプレートとの間で配管周面を囲繞して取付基盤に固定するUボルトユニットであって、下方開口で断面略コ字状に形成した配管緩衝材の両側縁をベースプレートに重設して両側縁を折曲して折り込んで構成したことを特徴とする。すなわち、配管緩衝材が環境変動による温度差で生じる配管の伸縮運動やその他の衝撃等に対してもベースプレート(又は湾曲支持板)から外れることがないUボルトユニットの提供を図ろうとするものである。
また、本発明に係るUボルトユニットは、陸上用としてガス管や水道管、プラント配管等、船舶用として蒸気ラインや燃料油ライン等の配管を床面や橋下等に取付基盤を介して保持するために用いられる。
以下、本発明に係るUボルトユニットの第一実施形態と第二実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部材等については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
[第一実施形態]
本発明に係る第一実施形態のUボルトユニット1は、図1、図2、図7に示すように、両下端部に雄ネジ部3,3を形成したUボルト2とUボルト2の両下端部に架設したベースプレート12との間で配管K周面を囲繞して取付基盤200に固定するUボルトユニット1であって、下方開口で断面略コ字状に形成した配管緩衝材(以下、偏平配管緩衝材とする)14の両側縁をベースプレート12に重設して両側縁を折曲して折り込んで構成
している。
すなわち、ベースプレート12は矩形板状に形成し、偏平配管緩衝材14はベースプレート12の幅員方向で係合するように略偏平状に形成している。
Uボルト2は金属製で丸棒状の基材を正面視略逆U字状に形成し、両下端部周面の所定領域には雄ネジ部3,3を形成している。また、U字状の底部となるボルト湾曲部4の内側面には、管周面当接緩衝部5を形成している。
ベースプレート12は矩形板状で長手方向の両側端縁近傍に雄ネジ部3,3を挿通可能な挿通孔13,13を形成している。
偏平配管緩衝材14は下方開口で断面略コ字状に形成し、両側縁をベースプレート12に折曲して折り込むことでベースプレート12の幅員方向で係合し、ベースプレート12と一体となる。
また、Uボルト2の雄ネジ部3,3に螺入した上ナット50,50と下ナット51,51との間に偏平配管緩衝材14と一体となったベースプレート12を挿通することで、これら全体としてUボルトユニット1を構成する。
このように構成することで、図7に示すように、Uボルト2の管周面当接緩衝部5とベースプレート12の偏平配管緩衝材14との間で配管Kを囲繞しつつ床面Gに固定した取付基盤200の上部に雄ネジ部3,3を挿通し、下方から取付ナット52,52で螺着することで、配管Kが所定の箇所に固定される。
以下、本実施形態に係るUボルトユニット1の各部の構造について具体的に詳述する。
Uボルト2を形成するボルト湾曲部4は配管Kの曲率と略同一の曲率で半円状に形成している。また、管周面当接緩衝部5は、ボルト湾曲部4の内側面をボルト湾曲部4の曲率に沿って凹状に切削した凹溝6と、凹溝6に嵌合する矩形棒状のライナー7とで構成している。ライナー7は凹溝6の溝長さと略同長さの超高分子量ポリエチレン樹脂で形成され、ライナー7の下半部が凹溝6から突出するように上半部を凹溝6に圧入している。
すなわち、ライナー7はボルト湾曲部4の内側面において長手方向の側面の略半分が全長に渡りUボルト2の外周面から突出しているため、Uボルト2が直に配管Kと接することなくライナー7を介して配管Kの周面と当接する。
また、ボルト湾曲部4は配管Kの曲率と略同一の曲率の半円状に形成しているため、本Uボルトユニット1によって配管Kを固定すると、ボルト湾曲部4の半円を形成する中心は配管Kの軸線上に位置することになる。すなわち、凹溝6に湾曲状に圧入され円弧の一部をなすライナー7の中心も配管Kの軸線上に位置する。
また、環境変動による温度差で生じる配管Kの伸縮運動は、配管Kの軸線方向に発生するため、ライナー7の長手方向と直交する向きにライナー7を揺動する力が働く。しかしながらライナー7は凹溝6の長手方向の側壁がストッパとして機能すると共に、後述するベースプレート12を伴ってライナー7が配管Kを押圧付勢するため、ライナー7がUボルト2から脱落することはない。
また、ライナー7は超高分子量ポリエチレン樹脂で形成しているため優れた耐衝撃性を備え、Uボルトユニット1に振動や衝撃が加わっても配管に影響を及ぼすことがほとんどない。
なお、ライナー7の材質は超高分子量ポリエチレン樹脂に限定されるものではなく、フッ素樹脂等の可撓性を有する材料であれば適宜用いることができる。
次に、本発明の要旨である偏平配管緩衝材14について詳述する。
偏平配管緩衝材14と係合するベースプレート12は、図3(a)に示すように矩形板状で長手方向の両側端縁近傍に挿通孔13,13を穿設している。各挿通孔13,13にはUボルト2の両下端部が挿通され、ベースプレート12を挿通した偏平配管緩衝材14を介して配管Kを囲繞する。
偏平配管緩衝材14は矩形板状の超高分子量ポリエチレン樹脂を下方開口で断面略コ字状に形成している。具体的には、コ字状の中央部をベースプレート12の幅員よりも若干だけ広い平坦部15とし、平坦部15の1対の両側縁を同一方向に内側に折曲して折曲部16を形成し、偏平配管緩衝材14全体として略偏平状に形成している。すなわち、ベースプレート12の両側縁に折曲して折り込まれている。
折曲部16は、平坦部15の端縁からから垂直に伸延する垂直片17と垂直片17の下端を内側に若干だけ折曲して伸延した水平片18とで形成している。すなわち折曲部16は断面略L字状に形成している。また、垂直片17の内側壁の高さXはベースプレート12の厚さWと略同高さ、もしくは若干だけ高く形成している。
また、対向する折曲部16,16の垂直片17,17の内側壁間の距離は、ベースプレート12の幅員と略同幅、もしくは若干だけ広く形成している。
従って、平坦部15と2つの折曲部16,16とで略囲繞された空間Sにはベースプレート12を挿通することができる。
このように形成された偏平配管緩衝材14は、図2、図3(a)に示すようにベースプレート12の中央部に配設される。具体的には、ベースプレート12の短辺側を偏平配管緩衝材14の空間Sに挿通して偏平配管緩衝材14をベースプレート12の中央部に配設する。
偏平配管緩衝材14は、折曲部16の水平片18がベースプレート12との係合片として作用するため、ベースプレート12に一旦挿通された偏平配管緩衝材14は、ベースプレート12の短辺側から抜去しない限りベースプレート12から離脱することはない。
また、ベースプレート12は偏平配管緩衝材14にベースプレート12を挿通して上下ナット50,51によりUボルト2に螺設する。
具体的には、Uボルト2の両下端部に形成された雄ネジ部3,3に上ナット50,50を螺合し、偏平配管緩衝材14の平坦部15の外側面をUボルト2側に向けた状態で雄ネジ部3,3を挿通孔13,13に挿通する。更に、雄ネジ部3,3には下ナット51,51を螺合させ締付けてベースプレート12を螺着固定する。
この場合、上下ナット50,51の緩み防止のために各ナット50,51に対応させてワッシャ20を配設することが望ましい。なお、雄ネジ部3における上ナット50の位置は、ベースプレート12に係合する偏平配管緩衝材14の上下位置を規定するものとなる。
このようにして構成されたUボルトユニット1は、図1に示すようにベースプレート12をUボルト2に螺設する際に配管Kを囲繞するように配置してもよく、螺設後にベースプレート12とUボルト2によって囲繞された管配置空間Hに配管Kを挿通配置してもよい。
偏平配管緩衝材14と一体になったベースプレート12とUボルト2との間に配置された配管Kを固定するには、管周面当接緩衝部5のライナー7の下端面全体が略均一に配管Kの上半部周面に当接すると共に、偏平配管緩衝材14の上面19が配管Kの下端部と当接するようにする。
上ナット50,50の位置が決まった後、下ナット51,51をベースプレート12側に螺合させ締付けることでUボルトユニット1に配管Kが固定される。従って、配管Kと当接しているのは、共に超高分子量ポリエチレン樹脂で形成されたライナー7と偏平配管緩衝材14である。
なお、偏平配管緩衝材14の材質は超高分子量ポリエチレン樹脂に限定されるものではなく、フッ素樹脂等の可撓性を有する材料であれば適宜用いることができる。
また、Uボルトユニット1と取付基盤200とは、Uボルト2の雄ネジ部3,3を用いて図7に示すような方法や、任意の方法で固定される。
以上、説明したように本実施形態に係るUボルトユニット1は、下方開口で断面略コ字状に形成した偏平配管緩衝材14の両側縁をベースプレート12に重設して両側縁を折曲して折り込んで構成したことで、偏平配管緩衝材14が環境変動による温度差で生じる配管Kの伸縮運動やその他の衝撃等に対しても離脱することなく配管Kを常に偏平配管緩衝材14と当接させることができる。
この場合、偏平配管緩衝材14はベースプレート12に係合しているものの接着固定されていないが、偏平配管緩衝材14は配管Kと当接し配管Kを押圧付勢した状態で使用されると共に、環境変動による温度差で生じる配管Kの伸縮運動は折曲部16と直交方向に働くため、この伸縮運動によって偏平配管緩衝材14がベースプレート12から離脱することや、左右方向に移動して配管Kとの当接が解除されることもない。
ここで、偏平配管緩衝材14をベースプレート12に接着剤を用いて接着固定する場合には、弾性力を有する2液混合のエポキシ変性シリコーン樹脂の使用が好適である。本樹脂は硬化後の被膜がゴム状となって弾性力を有し、更に剥離強度にも優れているため、本来であれば接着力に劣る樹脂製の偏平配管緩衝材14と金属製のベースプレート12とを強固に接着することができる。
また、接着剤を用いる場合は、偏平配管緩衝材14とベースプレート12との間に若干の隙間を設けてその隙間に適量の接着剤を介在させるべく、少なくとも垂直片17の内側壁の高さXをベースプレート12の厚さWよりも1〜2mm程度高く形成することが望ましい。
また、偏平配管緩衝材14を接着剤によって接着することで、簡易な構造で偏平配管緩衝材14をベースプレート12に接着固定することができ、設計的に有利である。
なお、ベースプレート12と偏平配管緩衝材14との接着に接着剤を用いた際に、万一経年劣化で偏平配管緩衝材14とベースプレート12との接着が外れても、偏平配管緩衝材14はベースプレート12の幅員方向で係合しているのでベースプレート12から偏平配管緩衝材14が離脱することなく配管を常に偏平配管緩衝材14と当接させることができる。
また、ベースプレート12を矩形板状に形成し、偏平配管緩衝材14はベースプレート12の幅員方向で係合するように略偏平状に形成しているので、ベースプレート12と偏平配管緩衝材14の形状がシンプルとなり部品点数も少なくて済むため作業性が向上し、製造コストも低廉に抑えることができる。
また、偏平配管緩衝材14は樹脂材料で形成していることで、配管Kの伸縮運動や衝撃等に対する配管周壁部分の損傷を防止することができる。
更に、偏平配管緩衝材14は超高分子量ポリエチレン樹脂で形成されているので、フッ素樹脂よりも廉価であると共に、フッ素樹脂に劣らず優れた滑り特性や耐摩耗性等を備えており、コスト的に有利である。
また、超高分子量ポリエチレン樹脂は再利用が可能な材料であることからUボルトユニット1としての役目を終えた後でも廃棄することなく再利用でき、コスト的に有利であると共に、地球環境に対しても有利である。
また、絶縁材料である超高分子量ポリエチレン樹脂は、金属製の配管Kとの絶縁性を良好に保つことが出来ると共に、カーボンを添加することで導電性として機能させることも容易に可能となる。
ここで、偏平配管緩衝材14は変形例として図3(b)に示すように形成してもよい。すなわち、変形例に係る偏平配管緩衝材14aは、両側縁の中間部を所定幅切欠した矩形板状の超高分子量ポリエチレン樹脂を、切欠してない両側縁が下方開口で断面略コ字状となるように形成し、切欠してない両側縁をベースプレート12の両側縁に折曲して折り込んでいる。
具体的には、平坦部15の両側縁の中間部を所定幅切欠し、中間部の左右に残った切欠してない両側縁が対向するように内側に折曲して折曲部16を形成し、ベースプレート12の幅員方向で係合するように偏平配管緩衝材14a全体として略偏平状に形成している。
このように矩形板状の超高分子量ポリエチレン樹脂の両側縁の中間部を所定幅切欠して形成することで、偏平配管緩衝材14aの部材コストを抑えることが出来ると共に、平坦部15と折曲部16とで略囲繞された空間Sへのベースプレート12の挿通作業が容易となり組立作業性を向上させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態のUボルトユニット1aについて説明する。なお、第二実施形態に係るUボルトユニット1aは、第一実施形態に係るUボルトユニット1の偏平配管緩衝材14と偏平配管緩衝材14の取付部材の形状のみが異なるため、他の共通する部分については同一の符号を付すと共に重複する部分の説明は適宜省略する。
本発明に係る第二実施形態のUボルトユニット1は、図4、図5に示すように、下方開口で断面略コ字状に形成した配管緩衝材(以下、湾曲配管緩衝材とする)22の両側縁を、ベースプレート12に重設した断面半円弧状の湾曲支持板25の両側縁に折曲して折り込み湾曲支持板25の幅員方向で係合するように構成している。
すなわち、第二実施形態に係るUボルトユニット1aは配管Kと当接する湾曲配管緩衝材22の形状を上側に凹状の湾曲形状とし、湾曲配管緩衝材22は湾曲支持板25の幅員方向で係合するようにベースプレート12の上部に重設した湾曲支持部23によって支持している。
このように構成することで、Uボルト2の管周面当接緩衝部5と湾曲配管緩衝材22との間で配管Kを確実に囲繞すると共に、雄ネジ部3,3を用いて取付基盤200と連結した状態で配管Kを所定の箇所に固定可能となる。
以下、本第二実施形態に係るUボルトユニット1aの湾曲配管緩衝材22とその取付部材の構造について具体的に詳述する。
図6(a)に示すように、湾曲支持部23はベースプレート12上に重設し、2つの支持壁24,24と湾曲支持板25と中間補強板26とで構成している。湾曲配管緩衝材22は湾曲支持部23に形成した湾曲支持板25に係合している。ベースプレート12は上述した第一実施形態に係るベースプレート12と同構造であり、矩形板状の長手方向の両側端縁近傍に挿通孔13,13を穿設し、この2つの挿通孔13,13間の上面中央部において湾曲支持部23を重設している。
支持壁24,24は各挿通孔13,13の近傍からベースプレート12の短辺側に壁面を向けて垂直に伸延し、湾曲支持板25は上側に凹状の湾曲形状に形成され、2つの支持壁24,24の上端部に跨って連設している。また、支持壁24,24と湾曲支持板25とベースプレート12とで囲繞された空間には中間補強板26を形成し、これらは全て溶接によって接続されている。
また、湾曲支持部23の基端部となる支持壁24の幅員はベースプレート12の短辺よりも短く形成し、支持壁24の上端部において連設する湾曲支持板25の幅員は後述する湾曲配管緩衝材22を湾曲支持板25に挿通可能なように支持壁24の幅員よりも長く形成している。なお、湾曲支持板25の幅員はベースプレート12の幅員と同幅、もしくは若干だけ短く形成している。
また、中間補強板26はベースプレート12の上面から垂直に立設した板状に形成し、2つの支持壁24,24の各幅員の中央部に渡って介設している。中間補強板26の下部はベースプレート12の上面と連設し、中間補強板26の上部は上側に凹状の湾曲形状に形成し、湾曲支持板25の下側面と接続している。
湾曲配管緩衝材22は、上述した第一実施形態に係る偏平配管緩衝材14を上側に凹状の湾曲形状に形成したものである。また、湾曲配管緩衝材22の全長は湾曲支持板25の全長と略同長さ、もしくは若干だけ長く形成している。
また、対向する折曲部16,16の垂直片17,17の内側壁間の距離は、湾曲支持板25の幅員と略同幅、もしくは若干だけ広く形成している。また、垂直片17の内側壁の高さXは湾曲支持板25の厚さWと略同高さ、もしくは若干だけ高く形成している。
従って、平坦部15と2つの折曲部16,16とで略囲繞された空間Sにはベースプレート12を挿通することができる。
このように形成された湾曲配管緩衝材22は、湾曲支持板25の上面及び長辺の側面を被覆するように配設される。
湾曲配管緩衝材22は、折曲部16の水平片18が湾曲支持板25との係合片として作用するため、湾曲支持板25に一旦挿通された湾曲配管緩衝材22は、湾曲支持板25の短辺側から抜去しない限りベースプレート12から離脱することはない。
ここで、湾曲配管緩衝材22aは変形例として図6(b)に示すように形成してもよい。すなわち、変形例に係る湾曲配管緩衝材22aは、両側縁の中間部を所定幅切欠した上側に凹状の湾曲形状の超高分子量ポリエチレン樹脂を、切欠してない両側縁が下方開口で断面略コ字状となるように形成し、切欠してない両側縁を湾曲支持板25の両側縁に折曲して折り込んでいる。
具体的には、平坦部15の両側縁の中間部を所定幅切欠し、中間部の左右に残った切欠してない両側縁が対向するように内側に折曲して折曲部16を形成し、湾曲支持板25の幅員方向で係合するように湾曲支持板25と同一曲率の湾曲形状に形成し、湾曲配管緩衝材22a全体として湾曲形状に形成している。
すなわち、本変形例に係る湾曲配管緩衝材22aは、上述した第一実施形態の変形例に係る偏平配管緩衝材14aを上側に凹状の湾曲形状に形成したものである。また、湾曲配管緩衝材22aの全長は湾曲支持板25の全長と略同長さ、もしくは若干だけ長く形成している。
このように湾曲形状の超高分子量ポリエチレン樹脂の両側縁の中間部を所定幅切欠して形成することで、湾曲配管緩衝材22aの部材コストを抑えることが出来ると共に、平坦部15と折曲部16とで略囲繞された空間Sへのベースプレート12の挿通作業が容易となり組立作業性を向上させることができる。
以上、説明したように本第二実施形態に係るUボルトユニット1aは、ベースプレート12を矩形板状とし、ベースプレート12の上部には上側に凹状の湾曲形状に形成した湾曲支持板25を備えた湾曲支持部23を構成し、湾曲配管緩衝材22は湾曲支持板25を挿通可能な湾曲形状に形成しているので、配管Kの曲率に合致した湾曲配管緩衝材22を用いることで、配管Kと湾曲配管緩衝材22の上面19との接触面積を広範にして囲繞でき、配管Kを強固に固定することができる。
また、湾曲配管緩衝材22を接着剤によって接着することで、簡易な構造で湾曲配管緩衝材22を湾曲支持板25に接着固定することができ、設計的に有利である。
なお、その他の効果についても上述した第一実施形態に係るUボルトユニット1と同様であることは言うまでもない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
K 配管
1 Uボルトユニット(第一実施形態)
1a Uボルトユニット(第二実施形態)
2 Uボルト
3 雄ネジ部
12 ベースプレート
14 偏平配管緩衝材
22 湾曲配管緩衝材
25 湾曲支持板
200 取付基盤
請求項1に係る発明では、両下端部に雄ネジ部を形成したUボルトとUボルトの両下端部に架設したベースプレートとの間で配管周面を囲繞して取付基盤に固定するUボルトユニットであって、両側縁の中間部を所定幅切欠し、切欠してない両側縁が下方開口で断面略コ字状となるように形成した配管緩衝材をベースプレートに重設し、切欠してない前記両側縁を折曲して折り込んで構成したことを特徴とするUボルトユニットを提供せんとする。
請求項3に係る発明では、前記配管緩衝材の切欠してない前記両側縁は前記ベースプレートに重設した断面半円弧状の湾曲支持板の両側縁に折曲して折り込んで構成したことを特徴とする請求項1に記載のUボルトユニットを提供せんとする。
このように湾曲形状の超高分子量ポリエチレン樹脂の両側縁の中間部を所定幅切欠して形成することで、湾曲配管緩衝材22aの部材コストを抑えることが出来ると共に、平坦部15と折曲部16とで略囲繞された空間Sへの湾曲支持板25の挿通作業が容易となり組立作業性を向上させることができる。

Claims (7)

  1. 両下端部に雄ネジ部を形成したUボルトとUボルトの両下端部に架設したベースプレートとの間で配管周面を囲繞して取付基盤に固定するUボルトユニットであって、
    下方開口で断面略コ字状に形成した配管緩衝材の両側縁をベースプレートに重設して前記両側縁を折曲して折り込んで構成したことを特徴とするUボルトユニット。
  2. 前記ベースプレートは矩形板状に形成し、前記配管緩衝材は前記ベースプレートの幅員方向で係合するように略偏平状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のUボルトユニット。
  3. 前記配管緩衝材の前記両側縁は前記ベースプレートに重設した断面半円弧状の湾曲支持板の両側縁に折曲して折り込んで構成したことを特徴とする請求項1に記載のUボルトユニット。
  4. 前記湾曲支持板は上側に凹状の湾曲形状に形成し、前記配管緩衝材は前記湾曲支持板の幅員方向で係合するように前記湾曲支持板と同一曲率の湾曲形状に形成したことを特徴とする請求項3に記載のUボルトユニット。
  5. 前記配管緩衝材は樹脂材料で形成していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のUボルトユニット。
  6. 前記配管緩衝材は超高分子量ポリエチレン樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のUボルトユニット。
  7. 前記配管緩衝材は接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のUボルトユニット。
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