JP2014091541A - タンクコンテナ - Google Patents

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昌武 松尾
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Abstract

【課題】コンテナ枠の振動をステーにより抑えつつコンテナ枠に負荷された外力によってコンテナ枠やタンクが損傷することを防止できると共に、ステーの寿命を向上できるタンクコンテナを提供すること。
【解決手段】塑性変形により湾曲して形成される湾曲部33を有するステー30により、タンク10とコンテナ枠20とが連結されるので、曲げモーメントを受ける半径を大きくでき、湾曲部33の内側の表面応力を小さくできる。また、当て板43は第1ブラケット41との間でステー30の中間固定部32を挟圧するので、座面の荷重を分散させることができる。湾曲部33及び中間固定部32の表面応力を小さくできるので、ステー30の寿命を向上できる。
【選択図】図2

Description

本発明はタンクコンテナに関し、特に、コンテナ枠の振動をステーにより抑えつつコンテナ枠に負荷された外力によってコンテナ枠やタンクが損傷することを防止できると共に、ステーの寿命を向上できるタンクコンテナに関するものである。
石油などの液体(液化ガス等の高圧ガスを含む)を運送するため、例えばタンクコンテナが使用されている(特許文献1)。特許文献1に開示されるタンクコンテナは、直方体状の枠組み構造をしたコンテナ枠内に、液体を収容するタンクが組み付けられて一体にされたものである。このタンクコンテナによって、輸送船から鉄道貨車、或いはトレーラなど、各種輸送手段の間で石油などの液体(液化ガス等の高圧ガスを含む)を積み替えて運搬することが可能となる。
タンクは、幅方向の寸法に比べて前後方向の寸法が長く形成されるので、コンテナ枠の全長、即ちコンテナ枠の前後方向の寸法も長くなる。コンテナ枠の全長が長くなると、輸送時等においてコンテナ枠に外力が負荷されることにより、コンテナ枠がタンクの幅方向に大きく振動する。その振動を抑えるため、特許文献1に開示されるタンクコンテナは、タンクとコンテナ枠とがステーにより連結されている。
ステーは、板状部材をく字状に屈曲して曲部を形成したものであり、タンク側のブラケット及びコンテナ枠側のブラケットにボルト及びナットにより固定される。そのボルトが挿通されるボルト孔がステーの曲部間に形成されている。曲部は、タンク及びコンテナ枠にステーが固定された状態において、コンテナ枠の長手方向と交差する方向に対して屈曲されると共に、コンテナ枠の長手方向と交差する方向の外力に対して脆弱に形成されている。
このタンクコンテナによれば、ステーの曲部が弾性変形することによりコンテナ枠の振動を減衰させることができる。また、コンテナ枠の長手方向と交差する方向の所定以上の外力がコンテナ枠に負荷された場合には、屈曲した曲部が折れ曲がり、ステーが破損する。ステーを破損させることにより、タンクやコンテナ枠が破損することを防止できる。
特開2009−179337号公報
しかしながら上記従来の技術では、コンテナ枠に所定以上の外力が負荷されなくても、ボルト孔の周囲や曲部でステーが早期に破断してしまうことがあった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、コンテナ枠の振動をステーにより抑えつつコンテナ枠に負荷された外力によってコンテナ枠やタンクが損傷することを防止できると共に、ステーの寿命を向上できるタンクコンテナを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために、請求項1記載のタンクコンテナによれば、タンクの上側に配置されタンクの長手方向に延設される一対の上ケタ、タンクの下側に配設されタンクの長手方向に延設されると共にタンクに固定される一対の下ケタ、並びに、一対の上ケタ及び一対の下ケタの両端に固定される枠状の端部枠で直方体状に構成されたコンテナ枠により、液体を収容する円筒状のタンクの外周が取り囲まれている。これによりコンテナ枠でタンクを保護できると共に、下ケタがタンクに固定されることにより、コンテナ枠とタンクとが一体化されている。
一対の上ケタが横ケタにより連結され、その横ケタ又はタンクの一方に第1ブラケットが設けられる。また、横ケタ又はタンクの他方に第2ブラケットが設けられ、その第2ブラケットは、横ケタの長手方向に沿って第1ブラケットと間隔をあけて第1ブラケットの両側に配置される。第2ブラケットのそれぞれに、板状に形成されたステーの一方側の端部および他方側の端部が着脱可能に固定され、それら端部間の中間固定部が第1ブラケットに着脱可能に固定される。ステーは、一方側の端部と中間固定部との間および他方側の端部と中間固定部との間に、それぞれ塑性変形により湾曲して湾曲部が形成されているので、湾曲部が弾性変形することによりコンテナ枠(特に上ケタ)の振動を減衰させることができる。
ここで、湾曲部は、コンテナ枠に負荷される外力に対して脆弱に構成されているので、コンテナ枠に大きな外力が負荷された場合には、ステーが破損する。ステーを破損させることにより、タンクやコンテナ枠が破損することを防止できる効果がある。
また、湾曲部は、板状部材が塑性変形により湾曲して形成されているので、板状部材をく字状に屈曲して曲部を形成した従来のステーと比較して、曲げモーメントを受ける半径を大きくできる。その結果、湾曲部の内側の表面応力を小さくできる。よって、ステーの早期の破損を防止することができ、ステーの寿命(疲労寿命)を向上できる効果がある。
また、当て板がステーの中間固定部に宛がわれることにより、当て板と第1ブラケットとの間に中間固定部が挟まれる。中間固定部の複数箇所に、板厚方向に挿通部が貫通形成され、その挿通部に軸状部材が挿通されることにより、当て板およびステーの中間固定部と第1ブラケットとが複数の軸状部材により連結される。軸状部材に締結されるめねじ部品または軸状部材と頭部とが一体に形成されるおねじ部品の座面の荷重により、当て板は第1ブラケットとの間で中間固定部を挟圧する。従って、めねじ部品やおねじ部品の座面の荷重を、当て板や第1ブラケットにより分散させることができる。その結果、座面の荷重がステーの中間固定部(挿通部の周囲)に集中することを防止できるので、座面の荷重によりステーの中間固定部(挿通部の周囲)が破損することを防止できる。よって、ステーの早期の破損を防止することができ、ステーの寿命(疲労寿命)を向上できる効果がある。
さらに、複数の軸状部材により中間固定部に対する当て板の回動が規制されるので、タンクコンテナの振動等により軸状部材の回りに当て板が回動することを防止できる。その結果、締結されためねじ部品やおねじ部品が、タンクコンテナの振動等により、当て板の回動に伴って緩んでしまうことを抑制できる効果がある。
請求項2記載のタンクコンテナによれば、当て板の複数箇所に複数の貫通孔が板厚方向に貫通形成され、その貫通孔に軸状部材が挿通部と共に挿通される。軸状部材に締結されためねじ部品、又は、軸状部材と頭部とが一体に形成されたおねじ部品の座面の荷重を、受け面により当て板が受ける。めねじ部品やおねじ部品の頭部を当て板の受け面側に露呈させ、露呈しためねじ部品や頭部に締付けトルクを与えることにより締結できるので、請求項1の効果に加え、めねじ部品や頭部の締付け作業性を向上できる効果がある。
請求項3記載のタンクコンテナによれば、挿通部に挿通される軸状部材が当て板に立設され、その軸状部材にめねじ部品が締結される。当て板に立設された軸状部材を挿通部に挿通しつつ、ステーの中間固定部に当て板を宛がい、軸状部材にめねじ部品を締付けることにより、めねじ部品の座面の荷重が第1ブラケットに付与される。当て板に軸状部材が立設されているので、請求項1の効果に加え、おねじ部品を別途用いる場合と比較して、部品点数を削減できると共に第1ブラケットにステーを取着するときの作業性を向上できる効果がある。
請求項4記載のタンクコンテナによれば、ステーは、タンクに固定された状態において、軸状部材の中心から湾曲部の頂部までの距離に対する中間固定部の外側面と湾曲部の頂部との高低差の比率が0.1〜0.2であり、且つ、湾曲部の内側曲げ半径が30〜80mmである。これにより請求項1から3のいずれかの効果に加え、コンテナ枠の振動を湾曲部の弾性変形により確実に抑えられる効果がある。また、板状部材をく字状に屈曲して曲部を形成した従来のステーと比較して、最大応力を小さくできる。よって湾曲部の疲労寿命を向上できる効果がある。
請求項5記載のタンクコンテナによれば、当て板は、湾曲部を臨む縁部が、板厚方向において、第1ブラケットに近づくにつれて湾曲部から離間するように形成されているので、タンクコンテナの振動等により湾曲部が弾性的に撓曲する場合に、当て板の第1ブラケット側の縁部とステーが干渉することを防止できる。縁部によって当て板とステーとの干渉を防止することで、請求項1から4のいずれかの効果に加え、疲労によるステーの破損を抑制できる効果がある。
第1実施の形態におけるタンクコンテナの斜視図である。 図1のIIで示す部分を拡大して示すタンクコンテナの分解立体図である。 図1のIIIで示す部分を拡大して示すタンクコンテナの分解立体図である。 図1のIIで示す部分のタンクコンテナの拡大平面図である。 第2実施の形態におけるタンクコンテナのステー近傍を拡大して示す分解立体図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、第1実施の形態におけるタンクコンテナ1の概略構造について説明する。図1は本発明の第1実施の形態におけるタンクコンテナ1の斜視図である。図1に示すように、タンクコンテナ1は、石油などの液体(液化ガス等の高圧ガスを含む)を運送するためのものであって、タンク10と、そのタンク10を取り囲むコンテナ枠20とを主に備えて構成されている。
タンク10は、液体(液化ガス等の高圧ガスを含む)を収容するための容器であって、円筒形状をした胴板部の両端に鏡板部が溶接されたカプセル型に構成されている。本実施の形態では、タンク10は二重殻真空断熱式構造とされており、タンク10(外側タンク)の内側に所定間隔をあけて内側タンク(図示せず)が配置されている。内側タンクは液体を収容するためのタンクであり、内側タンクと外側タンクとの間が真空排気されることによりタンク10(外側タンク)の内側に真空断熱層が形成されている。これにより外部からの熱侵入を低減することができる。タンク10は、トレーラの荷台等に固定される受け台(図示せず)に固定されると共に、サドル11によってコンテナ枠20と連結されている。
コンテナ枠20は、タンク10の下側に配設されタンク10の長手方向に延設されると共に、サドル11を介してタンク10に固定される一対の下ケタ21と、タンク10の上側に配置されタンク10の長手方向に延設される一対の上ケタ22と、一対の下ケタ21及び一対の上ケタ22の両端に固定される枠状の端部枠23と、下ケタ21及び上ケタ22を連結する補強ケタ24と、一対の上ケタ22を連結する横ケタ25とを有している。これら下ケタ21、上ケタ22、端部枠23、補強ケタ24及び横ケタ25により、コンテナ枠20は下ケタ21及び上ケタ22の長手方向に長尺な直方体状に構成され、タンク10の外周を取り囲むことにより、タンク10を外部の衝撃等から保護している。
補強ケタ24は、下ケタ21及び上ケタ22の間に下ケタ21及び上ケタ22に対して傾斜させた状態で設けられるケタであって、この補強ケタ24は、複数設けられることにより、連続する山型に配置されている。これにより、コンテナ枠20を上下方向に補強することができる。よって、コンテナ枠20が、タンク10の長手方向、即ちコンテナ枠20の長手方向に大きく変形することを防止できる。
横ケタ25は、タンク10の長手方向と直交する方向に延設されるケタであって、一対の上ケタ22を、補強ケタ24が連結される部位で連結している。本実施の形態では、横ケタ25は2本のケタにより構成されている。これにより、一対の上ケタ22を一体化して剛性を向上させることができる。2本の横ケタ25は、ステー30を介してそれぞれタンク10と連結されている。
次に図2及び図3を参照して、ステー30について説明する。図2は図1のIIで示す部分を拡大して示すタンクコンテナ1の分解立体図であり、図3は図1のIIIで示す部分を拡大して示すタンクコンテナ1の分解立体図である。なお、ステー30は横ケタ25の長手方向中央に配設されているので、図2及び図3では、横ケタ25の長手方向両側の図示を省略している。
図2及び図3に示すように、ステー30は細長い板状に形成される部材であって、横ケタ25の側面に対向して配置されている。ステー30は、横ケタ25の側面に固定される第1ブラケット41と、タンク10の上面に固定される一対の第2ブラケット42とに取り付けられることにより横ケタ25とタンク10とを連結している。
第1ブラケット41は、横ケタ25の側面の長手方向中央に溶接される固定部41aと、その固定部41aからコンテナ枠20の長手方向(タンク10の軸方向)に延設されると共に互いに対向して配置される腕部41bと、その腕部41bの先端に固定されると共に固定部41aと対向して配置される取付部41cと、を有して構成されている。取付部41cには、厚さ方向に貫通する取付孔41d(図3参照)が横ケタ25の長手方向に沿って2箇所に形成されている。
第2ブラケット42は、横ケタ25の長手方向に沿って第1ブラケット41と間隔をあけて第1ブラケット41の両側に配置される部材である。第2ブラケット42は、それぞれ、タンク10の上面に配置されタンク10の上面に溶接される固定部42aと、その固定部42aからタンク10の径方向外側に突設される突設片42bとを備えて構成されている。突設片42bには、厚さ方向に貫通する取付孔42c(図2参照)が形成されている。
ステー30は、第1ブラケット41及び第2ブラケット42に着脱可能に固定される部材であり、第2ブラケット42に固定される平板状の一方側および他方側の端部31と、第1ブラケット41に固定される平板状の中間固定部32とを備えている。中間固定部32は、端部31間に位置しステー30の長手方向の略中央に位置する部位であり、各端部31と中間固定部32との間に、塑性変形により湾曲して形成される湾曲部33を備えている。湾曲部33は、塑性曲げにより所定の曲げ半径となるように形成されており、コンテナ枠20に負荷される外力に対して脆弱に構成されている。
端部31(ステー30)は、第2ブラケット42に取り付けられる部位であり、板厚方向に貫通して挿通部31a(図3参照)が形成されている。挿通部31aはステー30の長手方向に沿って長孔状(長円状)に形成されている。ステー30の端部31は、第2ブラケット42の取付孔42cにステー30の挿通部31aの位置を合わせて、ボルト45及びナット45cにより第2ブラケット42に固定される。
中間固定部32(ステー30)は、当て板43と共に第1ブラケット41に取り付けられる部位であり、板厚方向に貫通して挿通部32a(図2参照)が形成されている。挿通部32aは、横ケタ25の長手方向に沿って2箇所に形成されている。ステー30の中間固定部32は、第1ブラケット41の取付孔41d(図3参照)に挿通部32aの位置を合わせて、ボルト44及びナット44cにより第1ブラケット41に固定される。
なお、ステー30の端部31に貫通形成された挿通部31a(図3参照)はステー30の長手方向に沿って長孔状(長円状)に形成されているので、ボルト44及びナット44cにより第1ブラケット41に中間固定部32を固定した後、第2ブラケット42の取付孔42cにステー30の挿通部31aの位置を合わせる作業を容易にできる。その結果、ボルト45及びナット45cによりステー30の端部31を第2ブラケット42に固定する作業を容易にできる。
当て板43は、中間固定部32に宛がわれる平板状の部材であり、第1ブラケット41の取付部41cに形成された取付孔41d(図3参照)と対応する複数位置に、板厚方向に貫通する貫通孔43aが形成されている。当て板43は、中間固定部32に形成された挿通部32aに貫通孔43aの位置を合わせて、ボルト44及びナット44cにより第1ブラケット41に固定され、第1ブラケット41との間で中間固定部32が挟装される。
ボルト44は、外周に雄ねじが螺刻された軸状部材44a(軸部)と、頭部44bとが一体に形成される部材(おねじ部品)である。ナット44cは、内周に雌ねじが螺刻された部材(めねじ部品)である。貫通孔43a(図2参照)、挿通部32a及び取付孔41d(図3参照)に軸状部材44aを挿通し、その軸状部材44aにナット44cを締結することにより、貫通孔43aの周囲の受け面43b(当て板43)が頭部44bの座面の荷重を受ける。これにより当て板43及び取付部41c(第1ブラケット41)に中間固定部32が挟圧される。
ボルト45は、外周に雄ねじが螺刻された軸状部材45a(軸部)と、軸状部材45a側にフランジが一体に張出形成された頭部45bとが一体に形成されるフランジボルト(おねじ部品)である。ナット45cは、内周に雌ねじが螺刻された部材(めねじ部品)である。取付孔42c(図2参照)及び挿通部31a(図3参照)に軸状部材45aを挿通し、その軸状部材45aにナット45cを締結することにより、端部31が突設片42b(第2ブラケット42)に固定される。なお、フランジボルトを用いているので、フランジの分だけ広い面積で突設片42bを押さえることができ、突設片42bの座面陥没を防止しボルト45の軸力低下(緩み)を防止できる。また、フランジボルトの代わりにボルト及び平座金を用いる場合と比較して、ボルト及び平座金の接合面の摩耗に起因する軸力低下(緩み)の発生を防止できる。
以上のようにステー30は、中間固定部32が第1ブラケット41に固定され、2つの端部31が第2ブラケット42に固定される。ステー30が2つの端部31及び中間固定部32の3箇所で固定されるので、ステー30の端部31及び中間固定部32の各部に負荷される荷重を分散できる。これによりステー30が破損し難くなり、ステー30の耐久性を向上させることができる。
また、ステー30は、中間固定部32が第1ブラケット41に固定され、2つの端部31が第2ブラケット42に固定される結果、横ケタ25に対し離反する方向に湾曲部33が湾出するように横ケタ25に沿って配置される。ここで、輸送時等においてコンテナ枠20に外力が負荷されることにより、コンテナ枠20はタンク10の幅方向(横ケタ25の長手方向)に大きく振動する。その場合に湾曲部33は弾性的に曲げ変形するので、コンテナ枠20(特に上ケタ22)の振動を減衰させることができる。
また、湾曲部33は、コンテナ枠20に負荷される外力に対して脆弱に構成されているので、コンテナ枠20に大きな外力が負荷された場合には、ステー30が湾曲部33で破損する。ステー30を破損させることにより、タンク10やコンテナ枠20が破損することを防止できる。
また、湾曲部33は、板状部材が塑性変形により湾曲して形成されているので、板状部材をく字状に屈曲して曲部を形成した従来のステーと比較して、曲げモーメントを受ける半径を大きくできる。その結果、湾曲部33の内側の表面応力を小さくできる。よって、ステー30の早期の破損を防止することができ、ステー30の寿命(疲労寿命)を向上できる。
ここで、湾曲部33は、ステー30の端部31と中間固定部32との間のそれぞれに設けられている。即ち、ステー30が固定された第1ブラケット41の両側にそれぞれ湾曲部33が設けられている。その結果、コンテナ枠20の長手方向と直交する方向(横ケタ25の長手方向)にコンテナ枠20が振動する場合には、2つの湾曲部33が横ケタ25の長手方向に対して交互に収縮と伸長とを繰り返す。即ち、一方の湾曲部33が横ケタ25の長手方向に対して収縮する場合に他方の湾曲部33が伸長し、一方の湾曲部33が横ケタ25の長手方向に対して伸長する場合に他方の湾曲部33が収縮する。横ケタ25の長手方向に対して2つの湾曲部33が直列に接続されているので、湾曲部33が1つしか設けられていない場合と比較して、湾曲部33のばね定数を小さくでき、コンテナ枠20の振動の減衰性能を向上できる。
また、ステー30の端部31に形成された挿通部31a(図3参照)は、ステー30の外縁に向けて開口していない(閉じている)ので、挿通部31aがステー30の外縁に開口する場合(挿通部が切れ込み状に形成されている場合)と比較して、挿通部31aからボルト45を外れ難くできる。従って、コンテナ枠20に外力が負荷された場合に、ステー30の端部31が第2ブラケット42(ボルト45)から外れてステー30と第2ブラケット42との連結が解除されてしまうことを防止できる。
また、挿通部31aはステー30の長手方向に沿って長孔状(長円状)に形成されているので、外力が負荷された場合に、挿通部31aに締結されたボルト45により長孔状の挿通部31aに沿ってステー30を移動可能にできる。これに対し、挿通部31aが長孔状に形成されていない場合は、外力が負荷された場合にステー30が移動できないので、締結されたボルト45により挿通部31aを起点としてステー30に亀裂が生じることがある。挿通部31aによりステー30を長手方向に移動可能にすることで、この問題を解消することができ、ステー30の損壊を防止できる。
図2及び図3に示すように、ステー30の中間固定部32は、当て板43が宛がわれることにより当て板43と第1ブラケット41との間に挟まれる。中間固定部32の2箇所に、板厚方向に挿通部32aが貫通形成され、その挿通部32aに軸状部材44aが挿通されることにより、当て板43、中間固定部32及び第1ブラケット41が複数の軸状部材44aにより連結される。軸状部材44aに締結されるナット44c(めねじ部品)及び軸状部材44aと頭部44bとが一体に形成されるボルト44(おねじ部品)の座面の荷重により、当て板43は第1ブラケット41(取付部41c)との間で中間固定部32を挟圧する。
従って、頭部44bの座面の荷重を、当て板43の貫通孔43aの周囲の受け面43bにより分散させることができる。また、ナット44cの座面の荷重を第1ブラケット41(取付部41c)により分散させることができる。その結果、座面の荷重がステー30の挿通部32aの周囲(中間固定部32)に集中することを防止できるので、座面の荷重によりステー30の挿通部32aの周囲(中間固定部32)が陥没したり破損したりすることを防止できる。さらに、挿通部32aの周囲(中間固定部32)の表面応力を小さくできる。よって、ボルト44の緩みやステー30の早期の破損を防止することができ、ボルト44及びナット44cを緩み難くできると共に、ステー30の寿命(疲労寿命)を向上できる。
さらに、複数の軸状部材44aにより中間固定部32に対する当て板43の回動が規制されるので、タンクコンテナ1の振動等により軸状部材44aの回りに当て板43が回動することを防止できる。その結果、締結されたボルト44及びナット44cが、タンクコンテナ1の振動等により当て板43の回動に伴って緩んでしまうことを防止できる。
ここで、当て板43を用いずに、ボルト44の頭部44bを中間固定部32に押し付ける場合には、挿通部32aの周囲に頭部44bがめり込み易くなる。そうすると頭部44bがめり込んだ部分に荷重が集中するので、コンテナ枠20の振動等により、その部分が起点となって挿通部32aの周囲に亀裂が生じ易くなる。その結果、ステー30が中間固定部32から早期に破損することがある。また、頭部44bが押し付けられた挿通部32aの周囲に荷重が集中するので、座面陥没が生じて軸力が低下し、ボルト44及びナット44cが緩み易くなる。その場合にはボルト44が外れて、ステー30と第2ブラケット42との連結が解除されてしまう。
これを防ぐため、当て板43に代えて、軸状部材44a毎に、頭部44bと中間固定部32との間に平座金やスプリングワッシャを挿入することが考えられる。平座金やスプリングワッシャを用いることで、挿通部32aの周囲に頭部44bがめり込むことや座面陥没を防止できる。
しかし、平座金はボルト44毎に設けられるので、コンテナ枠20の振動等により軸状部材44a(軸部)を中心に振動(回動)する。そうすると頭部44bと平座金の接合面が摩耗し、ボルト44の軸力が低下することがある。また、軸状部材44a(軸部)を中心に平座金が振動すると、締結されたボルト44及びナット44cが、平座金の振動(回動)に伴って緩んでしまう。さらに、ボルト44毎に平座金を挿入した後にボルト44の締付け作業を行う必要があるので、ボルト44の締付け作業が煩雑化する。
平座金に代えてスプリングワッシャを用いる場合、軸状部材44a毎に頭部44bと中間固定部32との間にスプリングワッシャを挿入し、ボルト44に締付けトルクを与えると、スプリングワッシャはボルト44の軸方向に圧縮される。その結果、スプリングワッシャはボルト44の頭部44bに軸方向の反力を付与する。しかし、この反力よりネジの摩擦の方が大きいので、スプリングワッシャに緩み止め効果は期待できない。そのため、スプリングワッシャを用いた場合も、平座金を用いた場合と同様の問題が生じる。
これに対し、平座金やスプリングワッシャを軸状部材44a毎に用いるのではなく、複数の軸状部材44aが挿通される当て板43を用いることで、当て板43が中間固定部32に対して回動することを規制できる。その結果、締結されたボルト44及びナット44cが、タンクコンテナ1の振動等により当て板43の回動に伴って緩んでしまうことを防止できる。さらに、当て板43により座面陥没を防止できるので、ボルト44及びナット44cの耐緩み性能を向上できると共に、挿通部32aの周囲に頭部44bの荷重が集中することを防ぎ、挿通部32aの周囲を起点としてステー30が破断することを防止できる。
なお、当て板43は、2箇所に貫通孔43aが板厚方向に貫通形成され、その貫通孔43a(当て板43)及び挿通部32a(ステー30)に軸状部材44aが挿通される。軸状部材44aと頭部44bとが一体に形成されたボルト44の座面の荷重を、受け面43bにより当て板43が受ける。ボルト44の頭部44bを、横ケタ25から離れて位置する当て板43の受け面43b側に露呈させ、露呈した頭部44bに締付けトルクを与えることによりボルト44及びナット44cを締結できる。頭部44bに締付けトルクを与える際に、横ケタ25や第1ブラケット41が邪魔になることを防止できるので、ボルト44及びナット44cの締付け作業性を向上できる。
次に図4を参照して、ステー30の湾曲部33について説明する。図4は図1のIIで示す部分のタンクコンテナ1の拡大平面図である。図4に示すようにステー30は、端部31及び中間固定部32に対して横ケタ25と離反する方向に湾曲部33を湾出させて、取付部41c及び突設片42bに固定されている。
ステー30の長さや板厚Tにもよるが、中間固定部32の外側面と湾曲部33の頂部との高低差H(湾曲部33の高さ)は、10〜15mm好ましくは10〜12mmに設定される。これにより、コンテナ枠20の振動をステー30により抑えつつコンテナ枠20に負荷された外力によってコンテナ枠20やタンク10が損傷することを防止できると共に、ステー30の寿命を向上できる。
湾曲部33は、高低差Hが10mmより小さくなるにつれ、湾曲部33の長手方向(図4左右方向)の剛性が大きくなり、コンテナ枠20(第1ブラケット41)や第2ブラケット42(タンク10)が破損し易くなる傾向がみられる。また、高低差Hが12mmより大きくなるにつれ、湾曲部33の内側曲げ半径Rにもよるが、湾曲部33の応力が大きくなりステー30の寿命が低下する(湾曲部33が早期に破断する)傾向がみられる。特に高低差Hが15mmより大きくなると、その傾向が著しくなる。
ここで、ステー30は、取付部41c(第1ブラケット41)及び軸状部材44a(図2参照)、突設片42b(第2ブラケット42)及び軸状部材45a(図2参照)により、横ケタ25の長手方向(図4左右方向)の移動が規制される。図4に示すように、距離L1は、軸状部材44aの中心から湾曲部33の頂部までの平面視における距離であり、距離L2は軸状部材44aの中心から軸状部材45aの中心までの平面視における距離である。
なお、距離L1,L2の起点となる軸状部材44aは、取付部41cに中間固定部32を固定する2本の軸状部材44aの内、湾曲部33に近い方の軸状部材44aをいう。その軸状部材44aの中心から湾曲部33の頂部までの距離L1に対する中間固定部32の外側面と湾曲部33の頂部との高低差Hの比率(H/L1)は、0.1〜0.2に設定されている。比率(H/L1)を設定するのは、ステー30の長さ等の要因を排除して、ステー30等と湾曲部33との関係を一般化するためである。
タンクコンテナ1は、その比率(H/L1)が0.1より小さくなるにつれ、湾曲部33の長手方向(図4左右方向)の剛性が大きくなり、コンテナ枠20(第1ブラケット41)や第2ブラケット42(タンク10)が破損し易くなる傾向がみられる。また、比率(H/L1)が0.2より大きくなるにつれ、湾曲部33の応力が大きくなりステー30の寿命が低下する(湾曲部33が早期に破断する)傾向がみられる。比率(H/L1)を0.1〜0.2に設定することにより、コンテナ枠20に負荷された外力によってコンテナ枠20やタンク10が損傷することを防止できると共に、ステー30の寿命を向上できる。
また、湾曲部33の内側曲げ半径Rは、ステー30の長さや板厚Tにもよるが、30〜80mm好ましくは40〜80mmに設定される。湾曲部33の内側曲げ半径Rが80mmより大きくなるにつれ、湾曲部33の長手方向(図4左右方向)の剛性が大きくなり、コンテナ枠20(第1ブラケット41)や第2ブラケット42(タンク10)が破損し易くなる傾向がみられる。また、湾曲部33の内側曲げ半径Rが40mmより小さくなるにつれ、湾曲部33の応力が大きくなりステー30の寿命が低下する(湾曲部33が早期に破断する)傾向がみられる。特に内側曲げ半径Rが30mmより小さくなると、その傾向が著しくなる。
なお、上記の比率(H/L1)を0.1〜0.2、且つ、湾曲部33の内側曲げ半径Rを30〜80mmに設定することにより、湾曲部33の弾性変形によりコンテナ枠20の振動を確実に抑えることができる。また、板状部材をく字状に屈曲して曲部を形成した従来のステーと比較して、曲げに対して中立面を移動し難くできるので、最大応力を小さくすることができ、湾曲部33の疲労寿命を向上できる。
また、図4に示すように、当て板43の長さ(図4左右方向)は取付部41cの長さ(図4左右方向)に対して短めに設定されている。これにより、コンテナ枠20に負荷された外力により距離L2が短くなるようにタンク10とコンテナ枠20とが相対移動し、湾曲部33でステー30が弾性的に撓曲する場合に、ステー30が当て板43の左右の縁部43cと干渉することを防止できる。その結果、湾曲部33の弾性変形が妨げられることを防止し、コンテナ枠20の振動を減衰させることができる。
また、湾曲部33を臨む当て板43の左右の縁部43cは、ステー30に固定された状態において、板厚方向(図4上下方向)に沿って取付部41c(第1ブラケット41)側に向かうにつれ、平面視において取付部41cの中心に向かって傾斜するように形成されている。即ち、当て板43の縁部43cは、板厚方向において、第1ブラケット41に近づくにつれ湾曲部33から離間するような平面状に形成されている。縁部43cは、第1ブラケット41側が湾曲部33に対して後退しているので、湾曲部33でステー30が弾性的に撓曲する場合に、ステー30が当て板43の左右の縁部43cと干渉することを防止できる。縁部43cによって当て板43とステー30との干渉を防止することで、ステー30に繰返打撃が加わることを防止でき、疲労によるステー30の破損を抑制できる。
次に、図5を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態におけるタンクコンテナ1では、第1ブラケット41を介してステー30の中間固定部32を横ケタ25に固定し、第2ブラケット42を介してステー30の端部31をタンク10に固定する場合について説明した。また、当て板43に貫通孔43aを形成し、その貫通孔43aにボルト44を挿通して第1ブラケット41に締結する場合について説明した。
これに対し第2実施の形態におけるタンクコンテナ101では、第1ブラケット141を介してステー30の中間固定部32をタンク10に固定し、第2ブラケット142を介してステー30の端部31を横ケタ25に固定する場合について説明する。また、当て板143に軸状部材144を立設し、その軸状部材144(軸部)を用いて第1ブラケット141に締結する場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図5は第2実施の形態におけるタンクコンテナ101のステー30近傍を拡大して示す分解立体図である。なお、ステー30は横ケタ25の長手方向中央に配設されているので、図5では、横ケタ25の長手方向両側の図示を省略している。また、第2実施の形態におけるタンクコンテナ101は、第1実施の形態と同様に2本のステー30を有し、ステー30が横ケタ25に2箇所で連結されているが、2箇所の連結構造は同様なので、2箇所の内の一方の構造について説明し、他方は説明を省略する。
図5に示すようにタンクコンテナ101は、タンク10の上面に固定される第1ブラケット141と、横ケタ25の側面に固定される一対の第2ブラケット142との間にステー30が取り付けられることにより、横ケタ25とタンク10とが連結されている。
第1ブラケット141は、タンク10の上面に配置されタンク10の上面に溶接される固定部141aと、その固定部141aからタンク10の径方向外側に突設される突設片141bとを備えて構成されている。突設片141bには、厚さ方向に貫通する取付孔141cが横ケタ25の長手方向に沿って2箇所に形成されている。ステー30の中間固定部32(図2参照)は、第1ブラケット141の取付孔141cに挿通部32aの位置を合わせて、軸状部材144及びナット145により第1ブラケット141に固定される。
第2ブラケット142は、横ケタ25の長手方向に沿って第1ブラケット141と間隔をあけて第1ブラケット141の両側に配置される部材である。第2ブラケット142は、それぞれ、横ケタ25の側面に溶接される固定部142aと、その固定部142aからタンク10の軸方向に延設されると共に互いに対向して配置される腕部142bと、その腕部142bの先端に固定されると共に固定部142aと対向して配置される取付部142cと、を有して構成されている。取付部142cには、厚さ方向に貫通する取付孔142dが形成されている。ステー30の端部31は、第2ブラケット142の取付孔142dにステー30の挿通部31a(図3参照)の位置を合わせて、ボルト45及びナット45cにより第2ブラケット142に固定される。
当て板143は、ステー30の中間固定部32に宛がわれる平板状の部材であり、第1ブラケット141の突設片141bに形成された取付孔141cと対応する複数位置に、外周が螺刻された軸状部材144が板厚方向に突設されている。中間固定部32に形成された挿通部32aに軸状部材144の位置を合わせ、挿通部32a及び取付孔141cに軸状部材144を挿通した後、軸状部材144にナット145を締付ける。これにより当て板143は、第1ブラケット141に固定され、第1ブラケット141(取付部142c)との間でステー30の中間固定部32を挟圧する。
以上のタンクコンテナ101によれば、ステー30(中間固定部32)の挿通部32a(図2参照)に挿通される軸状部材144が当て板143に立設され、その軸状部材144にナット145(めねじ部品)が締結される。当て板143に立設された軸状部材144を挿通部32aに挿通しつつ、ステー30の中間固定部32に当て板143を宛がい、軸状部材144にナット145を締付けることによりナット145の座面の荷重が第1ブラケット141(突設片141b)に付与される。当て板143に軸状部材144が立設されているので、おねじ部品(ボルト)を別途用いる場合と比較して、部品点数を削減できると共に第1ブラケット141にステー30を取着するときの作業性を向上できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例および比較例では、第1実施の形態におけるタンクコンテナ1について、コンテナ枠20の長手方向と直交する方向に1Gの外力を負荷したときのFEM解析結果を説明する。なお、比較例は特開2009−179337号公報(特許文献1)に開示されるタンクコンテナであって、板状部材をく字状に屈曲して曲部を形成したステーにより、当て板43(図2参照)を用いることなくタンク及びコンテナ枠を連結したものである。
実施例および比較例において、コンテナ枠20とタンク10とを連結するステー30は板厚T(図4参照)が3mmであり、幅(図4紙面垂直方向)が38mmである。また、軸状部材44aの中心から湾曲部33の頂部までの距離L1(図4参照)は80mmであり、軸状部材44aの中心から軸状部材45aの中心までの平面視における距離L2は175mmである。
表1は、実施例および比較例におけるタンクコンテナ1のFEM解析結果である。表1において、σmaxは湾曲部33の曲げ内側最大応力であり、σminは湾曲部33の曲げ外側最小応力である。変位は、上ケタ22(図1参照)中央の変位(コンテナ枠20の長手方向と直交する方向)である。なお、コンテナ枠20とタンク10とをステー30で連結しないタンクコンテナでは、コンテナ枠20の長手方向と直交する方向に1Gの外力を負荷したときの変位は3.3mmであり、コンテナ枠20の固有振動数は約8Hzであった。
Figure 2014091541
表1に示すように、中間固定部32の外側面と湾曲部33(比較例では曲部)の頂部との高低差Hが同一の場合、湾曲部33の内側曲げ半径Rが大きくなるにつれ、曲げ内側最大応力σmaxは小さくなる一方、変位は大きくなる(剛性が低下する)傾向がみられる。また、湾曲部33の内側曲げ半径Rが同一(実施例3,7及び9)の場合、高低差Hが小さくなるにつれ、曲げ内側最大応力σmaxは小さくなる一方、変位は小さくなる(剛性が向上する)傾向がみられる。
表1に示すように、実施例1〜10は、比較例と比べて変位を小さくできる(剛性を向上できる)一方、曲げ内側最大応力σmaxを比較例に対して約48〜60%に低減できることが明らかとなった。また、実施例1〜10は、比較例で約40Hzであったコンテナ枠の固有振動数を、約60Hzに上げることができた。実施例におけるタンクコンテナは、コンテナ枠の振動を抑えられることが明らかとなった。
ここで、JSSC(社団法人日本鋼構造協会)疲労設計指針で規定される設計S−N曲線によれば、垂直応力に対して(Δσa)N=Caの関係がある。但し、Δσaは垂直応力に対する許容応力範囲であり、Caは許容疲労抵抗である。これにより、比較例におけるステーの応力をσ1(MPa)、寿命をN1(回)、実施例におけるステーの応力をσ2(MPa)、寿命をN2(回)とすれば、(σ1/σ2)=N2/N1が導かれる。比較例におけるステーの曲げ内側最大応力σmax(=σ1)は77.0Mpaであるから、寿命を5倍にするためのステーの応力σ2=45.03MPaである。よって、ステー(湾曲部33)の最大応力を45MPa以下まで低減すれば、ステーの寿命は比較例の5倍以上に延びると考えられる。
従って、表1より、高低差H=10mm(H/L1=0.13)の場合には、内側曲げ半径Rを40〜80mmとすれば、湾曲部33の最大応力を45MPa以下にすることができ、湾曲部33の疲労寿命を比較例の5倍以上に延ばすことができると考えられる。また、高低差11mm(H/L1=0.13)の場合に内側曲げ半径Rを50〜70mm、高低差12mm(H/L1=0.15)の場合に内側曲げ半径Rを70mmとすれば、湾曲部33の最大応力を45MPa以下にすることができ、湾曲部33の疲労寿命を比較例の5倍以上に延ばすことができると考えられる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態では、タンク10は内側タンクと外側タンクとを備える二重殻真空断熱式構造とされるが、必ずしもこれに限られるものではなく、内側タンクだけで構成されていても良い。この場合、ステー30は内側タンクの上面に取り付けられる。
上記各実施の形態では、2本のステー30でタンク10と横ケタ25とを連結する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、コンテナ枠20の長手方向の寸法が大きい場合には、3本以上のステー30でタンク10と横ケタ25とを連結することは可能である。また、コンテナ枠20の長手方向の寸法が小さい場合には、1本のステー30でタンク10と横ケタ25とを連結することは当然可能である。
上記各実施の形態では、ステー30の長手方向をコンテナ枠20の長手方向と直交する方向と一致させることにより、湾曲部33は、横ケタ25の長手方向と平行な方向の外力に対して脆弱に形成されている場合について説明した。しかし、どの方向から外力が負荷されても、コンテナ枠20に所定以上の外力が負荷される場合には、その外力がステー30を介してタンク10に伝播されるのを防止することが望ましい。
従って、ステー30の長手方向を横ケタ25の長手方向と交差するように配置することは当然可能である。この場合、本発明の各実施の形態に比べて、補強ケタ24の数が少なく、コンテナ枠20が横ケタ25の長手方向に大きく振動する場合に有効であり、コンテナ枠20の長手方向の振動を抑えつつ、ステー30によって所定以上の外力がタンク10に伝播してタンク10を損傷することを防止できる。
また、上記実施の形態では、ステー30は、湾曲部33がコンテナ枠20の長手方向に湾出するようにタンク10に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。タンク10及びコンテナ枠20にステー30を固定する第1ブラケット41,141及び第2ブラケット42,142の形状を変更して、コンテナ枠20の上下方向に湾曲部33が湾出するようにステー30をタンク10に配置することは当然可能である。
上記第1実施の形態では、当て板43の縁部43cが、板厚方向において、第1ブラケット41に近づくにつれ湾曲部33から離間するような平面状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部33から離間するように縁部43cを曲面状に形成することは当然可能である。この場合も、ステー30と当て板43との干渉を抑制できる。
上記第1実施の形態では、当て板43側からボルト44をステー30に挿通し、取付部41cと横ケタ25との間にナット44cを配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、取付部41c側からボルト44をステー30に挿通し、当て板43側にナット44cを配置することは当然可能である。また、突設片42b側からボルト45をステー30に挿通し、ステー30と横ケタ25との間にナット45cを配置する場合について説明したが、これに限られるものではなく、横ケタ25側からボルト45をステー30に挿通し、突設片42b側にナット45cを配置することは当然可能である。
上記第2実施の形態では、当て板143に軸状部材144を立設し、その軸状部材144をステー30に挿通して横ケタ25側にナット145を配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設片141bに軸状部材144を立設し、その軸状部材144をステー30に挿通して当て板143側にナット145を配置することは当然可能である。また、ステー30側からボルト45を挿通し、取付部142cと横ケタ25との間にナット45cを配置する場合について説明したが、これに限られるものではなく、横ケタ25側からボルト45を挿通し、ステー30側にナット45cを配置することは当然可能である。
1,101 タンクコンテナ
10 タンク
20 コンテナ枠
21 下ケタ
22 上ケタ
23 端部枠
25 横ケタ
30 ステー
31 端部
32 中間固定部
32a 挿通部
33 湾曲部
41,141 第1ブラケット
42,142 第2ブラケット
43,143 当て板
43a 貫通孔
43b 受け面
44 ボルト(おねじ部品)
44a,144 軸状部材
44b 頭部
44c,145 ナット(めねじ部品)

Claims (5)

  1. 液体を収容する円筒状のタンクと、そのタンクの上側に配置され前記タンクの長手方向に延設される一対の上ケタ、前記タンクの下側に配設され前記タンクの長手方向に延設されると共に前記タンクに固定される一対の下ケタ、並びに、前記一対の上ケタ及び前記一対の下ケタの両端に固定される枠状の端部枠で直方体状に構成され、前記タンクの外周を取り囲むコンテナ枠とを備えるタンクコンテナにおいて、
    前記一対の上ケタを連結する横ケタと、
    その横ケタ又は前記タンクの一方に設けられる第1ブラケットと、
    前記横ケタ又は前記タンクの他方に設けられると共に、前記横ケタの長手方向に沿って前記第1ブラケットと間隔をあけて前記第1ブラケットの両側に配置される第2ブラケットと、
    その第2ブラケットのそれぞれに一方側の端部および他方側の端部が着脱可能に固定され、それら端部間の中間固定部が前記第1ブラケットに着脱可能に固定されると共に、板状に形成されるステーと、
    そのステーの前記中間固定部に宛がわれると共に前記第1ブラケットとの間で前記中間固定部を挟む当て板と、
    その当て板および前記ステーの前記中間固定部と前記第1ブラケットとを連結する複数の軸状部材とを備え、
    前記ステーは、
    前記一方側の端部と前記中間固定部との間および前記他方側の端部と前記中間固定部との間がそれぞれ塑性変形により湾曲して形成されると共に、前記コンテナ枠に負荷される外力に対して脆弱に構成される湾曲部と、
    前記中間固定部の複数箇所に板厚方向に貫通形成されると共に前記軸状部材が挿通される複数の挿通部とを備え、
    前記当て板は、前記複数の軸状部材により前記中間固定部に対する回動が規制されるものであり、前記軸状部材に締結されるめねじ部品または前記軸状部材と頭部とが一体に形成されるおねじ部品の座面の荷重により前記第1ブラケットとの間で前記中間固定部を挟圧することを特徴とするタンクコンテナ。
  2. 前記当て板は、複数箇所に板厚方向に貫通形成されると共に、前記軸状部材が前記挿通部と共に挿通される複数の貫通孔と、
    その貫通孔に挿通される前記軸状部材に締結される前記めねじ部品または前記軸状部材と前記頭部とが一体に形成される前記おねじ部品の座面の荷重を受ける受け面とを備えていることを特徴とする請求項1記載のタンクコンテナ。
  3. 前記当て板は、前記挿通部に挿通される前記軸状部材が立設され、その軸状部材に前記めねじ部品が締結されることにより、そのめねじ部品の座面の荷重が前記第1ブラケットに付与されることを特徴とする請求項1記載のタンクコンテナ。
  4. 前記ステーは、前記タンクに固定された状態において、前記軸状部材の中心から前記湾曲部の頂部までの距離に対する前記中間固定部の外側面と前記湾曲部の頂部との高低差の比率が0.1〜0.2であり、前記湾曲部の内側曲げ半径が30〜80mmであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のタンクコンテナ。
  5. 前記当て板は、前記湾曲部を臨む縁部が、板厚方向において、前記第1ブラケットに近づくにつれて前記湾曲部から離間するように形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のタンクコンテナ。
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