以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、カード、冊子又はパスポート等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、測距センサ111、ピックアーム112、接触センサ113、給送ローラ114a、114b、ブレーキローラ115a、115b、第1センターセンサ116、第1サイドセンサ117、第2サイドセンサ118、第1搬送ローラ119a、119b、第2搬送ローラ120a、120b、第2センターセンサ121、第1撮像装置122a、第2撮像装置122b、第3搬送ローラ123a、123b及び第4搬送ローラ124a、124b等を有している。なお、各ローラの数は二つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ一つ又は三つ以上の所定数でもよい。
以下では、給送ローラ114a及び114bを総じて給送ローラ114と称する場合がある。また、ブレーキローラ115a及び115bを総じてブレーキローラ115と称する場合がある。また、第1搬送ローラ119a及び119bを総じて第1搬送ローラ119と称する場合がある。また、第2搬送ローラ120a及び120bを総じて第2搬送ローラ120と称する場合がある。また、第1撮像装置122a及び第2撮像装置122bを総じて撮像装置122と称する場合がある。また、第3搬送ローラ123a及び123bを総じて第3搬送ローラ123と称する場合がある。また、第4搬送ローラ124a及び124bを総じて第4搬送ローラ124と称する場合がある。
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド107bを形成する。図2において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
測距センサ111は、上側筐体102に、即ち媒体の搬送路に対して上側に設けられ、ピックアーム112より上流側に配置される。測距センサ111は、載置台103に載置された媒体の媒体量(例えば高さ)を検出するためのセンサである。測距センサ111は、赤外線近接距離センサであり、赤外線の照射から反射までの時間差から、対向する位置に存在する物体までの距離を測定する。測距センサ111は、発光器及び受光器を含む。発光器は、載置台103又は下側筐体101に向けて光(赤外光)を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され、載置台103に載置された媒体により反射された光を受光し、受光した光に応じた電気信号である光信号を生成して出力する。光信号は、発光器が光を照射してから受光器が光を受光するまでの時間を示す。発光器が光を照射してから受光器が光を受光するまでの時間は、載置台103に載置された媒体の媒体量に応じて変化するため、光信号は載置台103に載置された媒体の媒体量に応じて変化する。したがって、媒体搬送装置100は、光信号に基づいて載置台103に載置された媒体の媒体量を検出することができる。測距センサ111の数は一つに限定されず、複数の測距センサ111が、媒体搬送方向A1と直交する幅方向に間隔をあけて並べて設けられてもよい。また、測距センサ111は、省略されてもよい。
ピックアーム112は、上側筐体102に設けられ、測距センサ111より下流側且つ給送ローラ114及びブレーキローラ115のニップ位置より上流側、特に媒体搬送路を挟んで給送ローラ114と対向する位置に配置される。ピックアーム112は、載置台103に載置された媒体を上方から付勢(押圧)する。
接触センサ113は、給送ローラ114及びブレーキローラ115の上流側に配置される。接触センサ113は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。接触センサ113は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。
給送ローラ114は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。ブレーキローラ115は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ114と対向して配置される。給送ローラ114は、ブレーキローラ115とともに、媒体を分離して給送する。
第1搬送ローラ119は、下側筐体101に設けられる。第2搬送ローラ120は、上側筐体102に設けられ、第1搬送ローラ119と対向して配置される。第1、第2搬送ローラ119、120は、搬送ローラの一例であり、給送ローラ114及びブレーキローラ115に対して媒体搬送方向A1の下流側に配置され、給送ローラ114及びブレーキローラ115によって給送された媒体を撮像装置122へ搬送する。
第1撮像装置122aは、撮像部の一例であり、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置122aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置122aは、一定間隔毎に、搬送されている媒体の表面のラインセンサと対向する領域を撮像してライン画像を順次生成し、出力する。即ち、ライン画像の垂直方向(副走査方向)の画素数は1であり、水平方向(主走査方向)の画素数は複数である。
同様に、第2撮像装置122bは、撮像部の一例であり、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置122bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置122bは、一定間隔毎に、搬送されている媒体の裏面のラインセンサと対向する領域を撮像してライン画像を順次生成し、出力する。
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置122a及び第2撮像装置122bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
第3搬送ローラ123は、下側筐体101に設けられる。第4搬送ローラ124は、上側筐体102に設けられ、第3搬送ローラ123と対向して配置される。第3、第4搬送ローラ123、124は、第1、第2搬送ローラ119、120に対して媒体搬送方向A1の下流側に配置され、第1、第2搬送ローラ119、120により搬送された媒体を下流側に搬送する。
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ114が図2の矢印A2の方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ115は、媒体搬送時、矢印A3の方向に回転する。給送ローラ114及びブレーキローラ115の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ114と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。
媒体は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ119と第2搬送ローラ120の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ119及び第2搬送ローラ120がそれぞれ矢印A4及び矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置122aと第2撮像装置122bの間に送り込まれる。撮像装置122により読み取られた媒体は、第3搬送ローラ123及び第4搬送ローラ124がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
図3は、第1センターセンサ116、第1サイドセンサ117、第2サイドセンサ118及び第2センターセンサ121について説明するための模式図である。図3は、上側筐体102を取り外した状態で下側筐体101を上方から見た模式図である。
第1センターセンサ116は、第1媒体センサの一例である。第1センターセンサ116は、媒体搬送方向A1において給送ローラ114及びブレーキローラ115と、第1搬送ローラ119及び第2搬送ローラ120の間に、媒体搬送方向と直交する方向A8において略中央部に配置される。第1センターセンサ116は、媒体搬送路に対して一方の側(下側筐体101)に設けられた第1センター発光器116a及び第1センター受光器116bを含む。また、第1センターセンサ116は、媒体搬送路を挟んで第1センター発光器116a及び第1センター受光器116bと対向する位置(上側筐体102)に設けられたミラー等の第1センター反射部材(不図示)とを含む。第1センター発光器116aは、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、第1センター受光器116bは、第1センター発光器116aにより照射され、第1センター反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第1センター信号を生成して出力する。
第1サイドセンサ117及び第2サイドセンサ118は、媒体搬送方向A1において第1センターセンサ116と略同一位置に、媒体搬送方向と直交する方向A8において第1センターセンサ116の外側に配置される。第1、第2サイドセンサ117、118は、それぞれ媒体搬送路に対して一方の側(下側筐体101)に設けられた第1、第2サイド発光器117a、118a及び第1、第2サイド受光器117b、118bを含む。また、第1、第2サイドセンサ117、118は、それぞれ媒体搬送路を挟んで各サイド発光器及び各サイド受光器と対向する位置(上側筐体102)に設けられたミラー等の第1、第2サイド反射部材(不図示)を含む。第1、第2サイド発光器117a、118aは、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、第1、第2サイド受光器117b、118bは、第1、第2サイド発光器117a、118aにより照射され、第1、第2サイド反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第1、第2サイド信号を生成して出力する。
第2センターセンサ121は、第2媒体センサの一例である。第2センターセンサ121は、媒体搬送方向A1において第1搬送ローラ119及び第2搬送ローラ120と、撮像装置122の間に、媒体搬送方向と直交する方向A8において略中央部に配置される。第2センターセンサ121は、媒体搬送路に対して一方の側(下側筐体101)に設けられた第2センター発光器121a及び第2センター受光器121bを含む。また、第2センターセンサ121は、媒体搬送路を挟んで第2センター発光器121a及び第2センター受光器121bと対向する位置(上側筐体102)に設けられたミラー等の第2センター反射部材(不図示)とを含む。第2センター発光器121aは、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、第2センター受光器121bは、第2センター発光器121aにより照射され、第2センター反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第2センター信号を生成して出力する。
第1センターセンサ116、第1サイドセンサ117、第2サイドセンサ118及び第2センターセンサ121の各位置に媒体が存在する場合、各センサの発光器により照射された光はその媒体により遮光される。そのため、各センサの位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで各センサにより生成される信号の信号値は変化する。これにより、第1センターセンサ116、第1サイドセンサ117、第2サイドセンサ118及び第2センターセンサ121は、その位置に媒体が存在するか否かを検出する。なお、各センサの発光器及び受光器は、搬送路を挟んで相互に対向する位置に設けられ、反射部材は省略されてもよい。
図4は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ131、インタフェース装置132、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
モータ131は、一又は複数のモータを含み、処理回路150からの制御信号(パルス信号)によって、給送ローラ114、ブレーキローラ115及び第1~第4搬送ローラ119、120、123、124を駆動して回転させ、媒体を給送及び搬送させる。
インタフェース装置132は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置132の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。また、記憶装置140には、データとしてスリップ度テーブルが記憶される。スリップ度テーブルの詳細については後述する。
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
処理回路150は、操作装置105、表示装置106、測距センサ111、接触センサ113、第1センターセンサ116、第1サイドセンサ117、第2サイドセンサ118、第2センターセンサ121、撮像装置122、モータ131、インタフェース装置132及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、モータ131の駆動制御、撮像装置122の撮像制御等を行い、媒体の搬送を制御して、入力画像を生成し、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信する。
図5は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
図5に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141、媒体量検出プログラム142、判定プログラム143、算出プログラム144、画像取得プログラム145、サイズ検出プログラム146及びスキュー検出プログラム147等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路150は、制御部151、媒体量検出部152、判定部153、算出部154、画像取得部155、サイズ検出部156及びスキュー検出部157として機能する。
図6は、スリップ度テーブルのデータ構造の一例を示す模式図である。
図6に示すように、スリップ度テーブルには、搬送される媒体毎に、各媒体の識別番号と、スリップ度と、搬送時刻と、スキューフラグと、サイズとが関連付けて記憶される。識別番号は、搬送される媒体を識別するための番号であり、媒体毎に一意に割り当てられる。スリップ度は、媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでに媒体と給送ローラ114の間で発生したスリップの度合いである。搬送時刻は、その媒体が搬送された時刻である。スキューフラグは、媒体のスキューが検出された場合にONに設定され、媒体のスキューが検出されていない場合にOFFに設定される。サイズは、A3サイズ、A4サイズ等の媒体のサイズである。
図7~図9は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図7~図9に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。図7~図9に示す動作のフローは、定期的に実行される。
最初に、制御部151は、利用者により操作装置105を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105から受信するまで待機する(ステップS101)。
次に、制御部151は、接触センサ113から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。
載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、ステップS101へ処理を戻し、操作装置105から新たに操作信号を受信するまで待機する。
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、媒体量検出部152は、測距センサ111から光信号を取得し、取得した光信号に基づいて、載置台103に載置された媒体の媒体量を検出する(ステップS103)。記憶装置140には、載置台103に載置される媒体の媒体量を変えながら光信号を取得する事前の実験に基づいて、光信号の信号値と、載置台103に載置された媒体の媒体量との関係が示されたテーブルが事前に記憶される。媒体量検出部152は、記憶装置140に記憶されたテーブルにおいて、取得した光信号の信号値に対応する媒体量を、載置台103に載置された媒体の媒体量として特定する。
次に、判定部153は、変更処理を実行する(ステップS104)。判定部153は、変更処理において、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定するためのパラメータを変更する。変更処理の詳細については後述する。
次に、スキュー検出部157は、スキューフラグをOFFに設定する(ステップS105)。スキューフラグは、後述するスキュー検出処理において、媒体のスキューが検出された場合にONに設定される。
次に、制御部151は、モータ131を駆動し、給送ローラ114、ブレーキローラ115及び第1~第4搬送ローラ119、120、123、124を回転させる(ステップS106)。制御部151は、モータ131の内の給送ローラ114を駆動するモータを第1駆動量だけ駆動し、給送ローラ114に媒体を給送させる。第1駆動量の初期値は、先端が給送ローラ114とブレーキローラ115のニップ位置に配置された媒体を、先端が第1センターセンサ116の位置に到達するまで搬送させるパルス数に設定される。第1駆動量は、変更処理で変更される場合がある。
次に、判定部153は、第1センターセンサ116が媒体の先端を検出したか否か、即ち媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過したか否かを判定する(ステップS107)。判定部153は、第1センターセンサ116から定期的に第1センター信号を取得し、取得した第1センター信号に基づいて、第1センターセンサ116の位置に媒体が存在するか否かを判定する。判定部153は、第1センター信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、第1センターセンサ116が媒体の先端を検出したと判定し、媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過したと判定する。
第1センターセンサ116がまだ媒体の先端を検出していない場合、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第1駆動量だけ駆動した第1回数が第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS108)。第1閾値の初期値は、媒体搬送装置100で許容されるリトライ回数(例えば3回)に設定される。第1閾値は、変更処理で変更される場合がある。第1回数が第1閾値未満である場合、判定部153は、処理をステップS106へ戻し、ステップS106~S108の処理を繰り返す。
一方、第1回数が第1閾値以上である場合、判定部153は、給送ローラ114及びブレーキローラ115の周辺で媒体のジャム(紙詰まり)又はスリップによる搬送停止等の搬送異常が発生したと判定し(ステップS109)、一連のステップを終了する。即ち、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第1所定量駆動したときに第1センターセンサ116が媒体を検出しなかった場合、媒体の搬送異常が発生したと判定する。第1所定量は、第1駆動量に第1閾値を乗算した量である。この場合、制御部151は、媒体の給送及び搬送を停止する。
一方、ステップS107において、第1センターセンサ116が媒体の先端を検出した場合、判定部153は、給送ローラ114及びブレーキローラ115の周辺で媒体の搬送異常が発生していないと判定する(ステップS110)。即ち、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第1所定量駆動するまでに第1センターセンサ116が媒体を検出した場合、現時点で媒体の搬送異常が発生していないと判定する。
なお、給送ローラ114を駆動するモータを第1所定量駆動するための第1所定時間は、第1駆動量及び第1閾値によって一意に定まる。即ち、判定部153は、媒体の給送を開始してから第1センターセンサ116が媒体を検出するまでの時間が第1所定時間以上である場合、媒体の搬送異常が発生したと判定する。一方、判定部153は、媒体の給送を開始してから第1センターセンサ116が媒体を検出するまでの時間が第1所定時間未満である場合、現時点で媒体の搬送異常が発生していないと判定する。このように、判定部153は、媒体の給送を開始してから第1センターセンサ116が媒体を検出するまでの時間と閾値(第1所定時間)との比較に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。
次に、制御部151は、モータ131を駆動し、給送ローラ114、ブレーキローラ115及び第1~第4搬送ローラ119、120、123、124を回転させる(ステップS201)。制御部151は、モータ131の内の給送ローラ114を駆動するモータを第2駆動量だけ駆動し、給送ローラ114に媒体を給送させる。第2駆動量の初期値は、先端が第1センターセンサ116の位置に配置された媒体を、先端が第2センターセンサ121の位置に到達するまで搬送させるパルス数に設定される。第2駆動量は、変更処理で変更される場合がある。
次に、判定部153は、第2センターセンサ121が媒体の先端を検出したか否か、即ち媒体の先端が第2センターセンサ121の位置を通過したか否かを判定する(ステップS202)。判定部153は、第2センターセンサ121から定期的に第2センター信号を取得し、取得した第2センター信号に基づいて、第2センターセンサ121の位置に媒体が存在するか否かを判定する。判定部153は、第2センター信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、第2センターセンサ121が媒体の先端を検出し、媒体の先端が第2センターセンサ121の位置を通過したと判定する。
第2センターセンサ121がまだ媒体の先端を検出していない場合、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第2駆動量だけ駆動した第2回数が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS203)。第2閾値の初期値は、媒体搬送装置100で許容されるリトライ回数(例えば3回)に設定される。第2閾値は、変更処理で変更される場合がある。第2回数が第2閾値未満である場合、判定部153は、処理をステップS201へ戻し、ステップS201~S203の処理を繰り返す。
一方、第2回数が第2閾値以上である場合、判定部153は、第1センターセンサ116と第2センターセンサ121の間で媒体の搬送異常が発生したと判定し(ステップS204)、一連のステップを終了する。即ち、判定部153は、第1センターセンサ116が媒体を検出してから、給送ローラ114を駆動するモータを第2所定量駆動したときに第2センターセンサ121が媒体を検出しなかった場合、媒体の搬送異常が発生したと判定する。第2所定量は、第2駆動量に第2閾値を乗算した量である。この場合、制御部151は、媒体の給送及び搬送を停止する。
一方、ステップS202において、第2センターセンサ121が媒体の先端を検出した場合、判定部153は、第1センターセンサ116と第2センターセンサ121の間で媒体の搬送異常が発生していないと判定する(ステップS205)。即ち、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第2所定量駆動するまでに第2センターセンサ121が媒体を検出した場合、現時点で媒体の搬送異常が発生していないと判定する。
なお、給送ローラ114を駆動するモータを第2所定量駆動するための第2所定時間は、第2駆動量及び第2閾値によって一意に定まる。即ち、判定部153は、第1センターセンサ116が媒体を検出してから第2センターセンサ121が媒体を検出するまでの時間が第2所定時間以上である場合、媒体の搬送異常が発生したと判定する。一方、判定部153は、第1センターセンサ116が媒体を検出してから第2センターセンサ121が媒体を検出するまでの時間が第2所定時間未満である場合、現時点で媒体の搬送異常が発生していないと判定する。このように、判定部153は、第1センターセンサ116が媒体を検出してから第2センターセンサ121が媒体を検出するまでの時間と閾値(第2所定時間)との比較に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。
次に、算出部154は、媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでの、給送ローラ114を駆動するモータの駆動量を取得する(ステップS206)。算出部154は、第1センターセンサ116及び第2センターセンサ121から定期的に第1センター信号及び第2センター信号を取得し、媒体の先端が第1センターセンサ116及び第2センターセンサ121の位置を通過したタイミングを検出する。算出部154は、媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでに、給送ローラ114を回転させるために制御部151がモータ131に供給したパルス信号のパルス数を駆動量として取得する。
次に、算出部154は、媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでに媒体と給送ローラ114の間で発生したスリップの度合いをスリップ度として算出する(ステップS207)。算出部154は、例えば以下の式(1)に従って、スリップ度Sを算出する。
S=(T1/T2-1)×100 (1)
ここで、T1は、媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでの、給送ローラ114による媒体の搬送距離である。T1は、ステップS206で取得した駆動量に、1パルスあたりの給送ローラ114による搬送距離を乗算することにより算出される。T2は、第1センターセンサ116の位置と第2センターセンサ121の位置との間の距離である。即ち、給送ローラ114が媒体をスリップさせた量が大きいほどスリップ度は大きくなる。
このように、算出部154は、媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでの、給送ローラ114を駆動するモータの駆動量に基づいて、スリップ度を算出する。これにより、算出部154は、媒体と給送ローラ114の間で発生したスリップの度合いを精度良く算出することができる。
次に、算出部154は、媒体量検出部152が検出した、載置台103に載置された媒体の媒体量に基づいて、スリップ度を補正する(ステップS208)。スリップ度は、変更処理において、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定するためのパラメータを変更するために使用される。載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する、いわゆる下取り給送式の媒体搬送装置100では、載置台103に載置された媒体の量が大きいほど、給送される媒体と、その上に載置された媒体との間の摩擦力が大きくなる。即ち、載置台103に載置された媒体の量が大きいほど、媒体はスリップしやすくなる。そのため、載置台103に載置された媒体の量が大きい状態で算出されたスリップ度は、載置台103に載置された媒体の量が小さい状態で算出されたスリップ度より大きくなる。したがって、算出部154は、載置台103に載置された媒体の媒体量が大きいほど小さくなるように、算出したスリップ度を補正する。これにより、媒体搬送装置100は、載置台103に載置された媒体の媒体量に関わらず、媒体の搬送異常が発生しているか否かを精度良く判定することが可能となる。
次に、算出部154は、算出したスリップ度をスリップ度テーブルに記憶する(ステップS209)。算出部154は、搬送された媒体に識別番号を割り当て、スリップ度テーブルにおいて、識別番号、スリップ度及び搬送時刻(現在時刻)を関連付けて記憶する。
次に、制御部151は、モータ131を駆動し、給送ローラ114、ブレーキローラ115及び第1~第4搬送ローラ119、120、123、124を回転させる(ステップS210)。制御部151は、モータ131の内の給送ローラ114を駆動するモータを第3駆動量だけ駆動し、給送ローラ114に媒体を給送させる。第3駆動量の初期値は、先端が第2センターセンサ121の位置に配置された媒体を、先端が撮像装置122の位置に到達するまで搬送させるパルス数に設定される。第3駆動量は、変更処理で変更される場合がある。
次に、画像取得部155は、撮像装置122からライン画像を取得する(ステップS211)。
次に、判定部153は、ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定する(ステップS212)。判定部153は、ライン画像内の画素の階調値に基づいて、ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定する。判定部153は、最新のライン画像と、直前に取得したライン画像のそれぞれについて、所定領域内の各画素の階調値の平均値を算出する。判定部153は、最新のライン画像から算出した平均値と、直前のライン画像から算出した平均値との差の絶対値が階調閾値以上である場合、最新のライン画像に媒体が含まれると判定する。一方、判定部153は、その差の絶対値が階調閾値未満である場合、最新のライン画像に媒体が含まれないと判定する。階調値は、輝度値又は色値(R値、G値又はB値)である。階調閾値は、例えば、人が画像上の輝度又は色の違いを目視により判別可能な階調値の差(例えば20)に設定される。
なお、判定部153は、ライン画像から算出した平均値と基準値との差の絶対値が階調閾値以上である場合、ライン画像に媒体が含まれると判定し、その絶対値が階調閾値未満である場合、ライン画像に媒体が含まれないと判定してもよい。基準値は、事前の実験により、媒体が搬送されていない状態で撮像した画素の階調値に設定される。
また、判定部153は、ライン画像からエッジ画素を抽出してもよい。その場合、判定部153は、ライン画像内の各画素の水平方向の両隣の画素の輝度値の差の絶対値(以下、隣接差分値と称する)を算出し、隣接差分値が階調閾値を越える場合、その画素をエッジ画素として抽出する。なお、判定部153は、ライン画像内の各画素から所定距離だけ離れた二つの画素の輝度値の差の絶対値を隣接差分値として算出してもよい。また、判定部153は、ライン画像の階調値を閾値と比較することによりエッジ画素を抽出してもよい。例えば、判定部153は、特定の画素の階調値が閾値未満であり、その特定の画素に隣接する画素又はその特定の画素から所定距離だけ離れた画素の階調値が閾値以上である場合、その特定の画素をエッジ画素とする。判定部153は、ライン画像から抽出したエッジ画素の内、最も左端側に位置するエッジ画素と、最も右端側に位置するエッジ画素とを特定し、特定したエッジ画素の間の距離(画素数)が所定距離以上である場合、ライン画像に媒体が含まれると判定する。
ライン画像に媒体が含まれていない場合、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第3駆動量だけ駆動した第3回数が第3閾値以上であるか否かを判定する(ステップS213)。第3閾値の初期値は、媒体搬送装置100で許容されるリトライ回数(例えば3回)に設定される。第3閾値は、変更処理で変更される場合がある。第3回数が第3閾値未満である場合、判定部153は、処理をステップS210へ戻し、ステップS210~S213の処理を繰り返す。
一方、第3回数が第3閾値以上である場合、判定部153は、第2センターセンサ121と撮像装置122の間で媒体の搬送異常が発生したと判定し(ステップS214)、一連のステップを終了する。即ち、判定部153は、第2センターセンサ121が媒体を検出してから、給送ローラ114を駆動するモータを第3所定量駆動したときに撮像装置122の撮像位置に媒体が到達しなかった場合、媒体の搬送異常が発生したと判定する。第3所定量は、第3駆動量に第3閾値を乗算した量である。この場合、制御部151は、媒体の給送及び搬送を停止する。
一方、ステップS212において、ライン画像に媒体が含まれていた場合、判定部153は、第2センターセンサ121と撮像装置122の間で媒体の搬送異常が発生していないと判定する(ステップS215)。即ち、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第3所定量駆動するまでに撮像装置122の撮像位置に媒体が到達した場合、現時点で媒体の搬送異常が発生していないと判定する。
なお、給送ローラ114を駆動するモータを第3所定量駆動するための第3所定時間は、第3駆動量及び第3閾値によって一意に定まる。即ち、判定部153は、第2センターセンサ121が媒体を検出してから撮像装置122の撮像位置に媒体が到達するまでの時間が第3所定時間以上である場合、媒体の搬送異常が発生したと判定する。一方、判定部153は、第2センターセンサ121が媒体を検出してから撮像装置122の撮像位置に媒体が到達するまでの時間が第3所定時間未満である場合、現時点で媒体の搬送異常が発生していないと判定する。このように、判定部153は、第2センターセンサ121が媒体を検出してから撮像装置122の撮像位置に媒体が到達するまでの時間と閾値(第3所定時間)との比較に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。
次に、制御部151は、モータ131を駆動し、給送ローラ114、ブレーキローラ115及び第1~第4搬送ローラ119、120、123、124を回転させる(ステップS301)。制御部151は、モータ131の内の給送ローラ114を駆動するモータを第4駆動量だけ駆動し、給送ローラ114に媒体を給送させる。第4駆動量の初期値は、先端が撮像装置122の位置に配置された、媒体搬送装置100がサポートする最大サイズの媒体を、後端が第2センターセンサ121の位置に到達するまで搬送させるパルス数に設定される。第4駆動量は、変更処理で変更される場合がある。
次に、判定部153は、第2センターセンサ121が媒体の後端を検出したか否か、即ち媒体の後端が第2センターセンサ121の位置を通過したか否かを判定する(ステップS302)。判定部153は、第2センター信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、第2センターセンサ121が媒体の後端を検出し、媒体の後端が第2センターセンサ121の位置を通過したと判定する。
第2センターセンサ121がまだ媒体の後端を検出していない場合、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第4駆動量だけ駆動した第4回数が第4閾値以上であるか否かを判定する(ステップS303)。第4閾値の初期値は、媒体搬送装置100で許容されるリトライ回数(例えば3回)に設定される。第4閾値は、変更処理で変更される場合がある。第4回数が第4閾値未満である場合、判定部153は、処理をステップS301へ戻し、ステップS301~S303の処理を繰り返す。
一方、第4回数が第4閾値以上である場合、判定部153は、撮像装置122より下流側で媒体の搬送異常が発生したと判定し(ステップS304)、一連のステップを終了する。即ち、判定部153は、媒体の先端が撮像装置122の位置を通過してから、給送ローラ114を駆動するモータを第4所定量駆動したときに第2センターセンサ121が媒体の後端を検出しなかった場合、媒体の搬送異常が発生したと判定する。第4所定量は、第4駆動量に第4閾値を乗算した量である。この場合、制御部151は、媒体の給送及び搬送を停止する。
一方、ステップS302において、第2センターセンサ121が媒体の後端を検出した場合、判定部153は、媒体の搬送異常が発生しなかったと判定する(ステップS305)。即ち、判定部153は、給送ローラ114を駆動するモータを第4所定量駆動するまでに第2センターセンサ121が媒体の後端を検出した場合、媒体の搬送異常が発生しなかったと判定する。
なお、給送ローラ114を駆動するモータを第4所定量駆動するための第4所定時間は、第4駆動量及び第4閾値によって一意に定まる。即ち、判定部153は、撮像装置122の撮像位置に媒体が到達してから第2センターセンサ121が媒体の後端を検出するまでの時間が第4所定時間以上である場合、媒体の搬送異常が発生したと判定する。一方、判定部153は、撮像装置122の撮像位置に媒体が到達してから第2センターセンサ121が媒体の後端を検出するまでの時間が第4所定時間未満である場合、媒体の搬送異常が発生していないと判定する。このように、判定部153は、撮像装置122の撮像位置に媒体が到達してから第2センターセンサ121が媒体の後端を検出するまでの時間と閾値(第4所定時間)との比較に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。
次に、画像取得部155は、撮像装置122から媒体搬送中に生成された各ライン画像を取得し、取得した全てのライン画像を合成して入力画像を生成する(ステップS306)。
次に、画像取得部155は、入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置へ送信する(ステップS307)。なお、情報処理装置と接続されていない場合、画像取得部155は、入力画像を記憶装置140に記憶しておく。
次に、サイズ検出部156は、入力画像から、給送ローラ114によって給送される媒体のサイズを検出し、スリップ度テーブルに記憶する(ステップS308)。サイズ検出部156は、ステップS212の処理と同様にして、入力画像から水平方向(主走査方向)、垂直方向(副走査方向)のそれぞれについてエッジ画素を抽出し、水平方向、垂直方向のそれぞれについてエッジ画素からなるエッジ画像を生成する。次に、サイズ検出部156は、水平方向、垂直方向の各エッジ画像から複数の直線を抽出する。サイズ検出部156は、ハフ変換を用いて直線を検出する。なお、サイズ検出部156は、最小二乗法を用いて直線を検出してもよい。また、サイズ検出部156は、各エッジ画像内で相互に隣接するエッジ画素をラベリングにより一つのグループとしてまとめ、各グループの水平方向又は垂直方向における両端に位置する二つのエッジ画素を結んだ近似直線を直線として検出してもよい。
次に、サイズ検出部156は、検出した複数の直線から矩形を検出する。サイズ検出部156は、検出した複数の直線のうち二本ずつが略直交する四本の直線から構成される複数の矩形候補を抽出する。サイズ検出部156は、まず水平方向の直線(以下、第1の水平線と称する)を一つ選択し、選択した直線と略平行(例えば±3°以内)かつ第1距離以上離れた水平方向の直線(以下、第2の水平線と称する)を抽出する。次に、サイズ検出部156は、第1の水平線と略直交する(例えば90°に対して±3°以内)垂直方向の直線(以下、第1の垂直線と称する)を抽出する。次に、サイズ検出部156は、第1の水平線と略直交し、かつ第1の垂直線と第2距離以上離れた垂直方向の直線(以下、第2の垂直線と称する)を抽出する。なお、第1距離及び第2距離は、媒体搬送装置100の読取りの対象となる媒体のサイズに応じて予め定められ、同じ値としてもよい。
サイズ検出部156は、抽出した全ての直線について、上記の条件を満たす第1の水平線、第2の水平線、第1の垂直線及び第2の垂直線の全ての組合せを抽出し、抽出した各組合せから構成される矩形候補の中で最も面積が大きい矩形候補を矩形として検出する。サイズ検出部156は、検出した矩形の画像サイズに対応するサイズを、給送された媒体のサイズとして検出する。サイズ検出部156は、スリップ度テーブルにおいて、搬送された媒体の識別番号と関連付けて、検出したサイズを記憶する。
次に、スキュー検出部157は、給送ローラ114によって給送される媒体について設定されたスキューフラグをスリップ度テーブルに記憶する(ステップS309)。スキュー検出部157は、スリップ度テーブルにおいて、給送された媒体の識別番号と関連付けて、設定されたスキューフラグを記憶する。
次に、制御部151は、接触センサ113から取得する第1媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS310)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、ステップS103へ処理を戻し、ステップS103~S310の処理を繰り返す。一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、一連のステップを終了する。
なお、媒体搬送装置100は、ステップS107~S110、ステップS202~S205、ステップS211~S215及びステップS302~S305の処理の内、少なくとも一つの処理を実行すればよく、他の処理の実行を省略してもよい。また、媒体搬送装置100は、ステップS208、ステップS308又はステップS309の処理を省略してもよい。
また、ステップS103において、媒体量検出部152は、載置台103に載置された媒体を押圧するピックアーム112が配置された位置により、媒体の高さを検出してもよい。また、媒体量検出部152は、載置台103に載置された媒体を撮像した画像から媒体の高さを検出してもよい。その場合、媒体搬送装置100は、載置台103に載置された媒体を撮像する撮像センサを配置し、媒体量検出部152は、撮像センサにより撮像された画像から、公知の画像処理技術を用いて、媒体の高さを検出する。また、媒体量検出部152は、媒体量として、載置台103に載置された媒体の重量を検出してもよい。その場合、媒体搬送装置100は、載置台103の載置面に重量センサを配置し、媒体量検出部152は、重量センサが測定した重量に基づいて媒体の重量を検出する。
図10は、変更処理の動作の例を示すフローチャートである。図10に示す動作のフローは、図7に示すフローチャートのステップS104において実行される。
最初に、判定部153は、過去に給送された媒体のスリップ度の中から、第1~第4所定量を変更するために使用されるスリップ度(以下、対象スリップ度と称する場合がある)を抽出する(ステップS401)。判定部153は、スリップ度テーブルにおいて、直近の所定数(例えば20)の媒体について算出されたスリップ度を対象スリップ度として抽出する。なお、判定部153は、直近の所定時間(例えば1時間)内に搬送された媒体について算出されたスリップ度を対象スリップ度として抽出してもよい。また、判定部153は、直近の所定時間内に搬送された媒体の内、直近の所定数の媒体について算出されたスリップ度を対象スリップ度として抽出してもよい。
次に、判定部153は、抽出した対象スリップ度に基づいて、第1~第4所定量を変更する(ステップS402)。例えば、判定部153は、第1~第4駆動量を初期値から変更せずに、第1~第4閾値のみを変更することにより、第1~第4所定量を変更する。その場合、判定部153は、対象スリップ度が大きいほど第1~第4閾値が大きくなるように、第1~第4閾値を変更する。なお、判定部153は、第1~第4閾値を初期値から変更せずに、第1~第4駆動量のみを変更することにより、第1~第4所定量を変更してもよい。その場合、判定部153は、対象スリップ度が大きいほど第1~第4駆動量が大きくなるように、第1~第4駆動量を変更する。対象スリップ度と各閾値又は各駆動量との関係は、例えば摩耗度合いがそれぞれ異なる様々な給送ローラ114及びブレーキローラ115を用いて、スリップ度と、媒体を搬送させるためにモータを駆動させた量とを測定する事前の実験に基づいて設定される。
上記したように、給送ローラ114を駆動するモータを第1~第4所定量駆動するための第1~第4所定時間は、第1~第4駆動量及び第1~第4閾値によって一意に定まる。したがって、判定部153は、第1~第4駆動量又は第1~第4閾値を変更することにより、第1~第4所定量とともに、第1~第4所定時間を変更する。
また、判定部153は、スキュー検出部157によってスキューが検出された媒体のスリップ度を、第1~第4所定量を変更するために使用しなくてもよい。その場合、ステップS401で、判定部153は、スリップ度テーブルにおいてスキューフラグがONに設定されている媒体について算出されたスリップ度を対象スリップ度として抽出せずに、対象スリップ度から除外する。媒体のスキューが発生している場合、媒体は回転しながら搬送されており、スリップ度が正しく算出されない可能性がある。判定部153は、スキューが検出された媒体のスリップ度を対象スリップ度から除外することにより、第1~第4所定量を適切に変更することができる。
また、判定部153は、サイズ検出部156によって検出されたサイズが所定サイズ以下である媒体のスリップ度を、第1~第4所定量を変更するために使用しなくてもよい。その場合、ステップS401で、判定部153は、スリップ度テーブルに記憶されているサイズが所定サイズ(例えばA6)以下である媒体について算出されたスリップ度を対象スリップ度として抽出せずに、対象スリップ度から除外する。一般に、搬送される媒体のサイズが小さいほど、その媒体について算出されるスリップ度は小さくなる傾向にある。判定部153は、小型媒体について算出されたスリップ度を対象スリップ度から除外することにより、通常サイズの媒体が搬送された際に媒体の搬送異常が発生したと誤って判定されることを抑制できる。特に、判定部153は、小型媒体と通常サイズの媒体とが混載されて搬送される場合に、媒体の搬送異常が発生したと誤って判定されることを抑制できる。
次に、判定部153は、直前に給送された媒体の給送中に媒体量検出部152により検出された媒体量に対する、現在給送されている媒体の給送中に媒体量検出部152により検出された媒体量の変化量が変化閾値を超えるか否かを判定する(ステップS403)。変化閾値は、例えば、スリップ度に影響を及ぼす程度の媒体量に予め設定される。媒体量の変化量が変化閾値以下である場合、判定部153は、特に処理を実行せずに、一連のステップを終了する。
一方、媒体量の変化量が変化閾値を超えた場合、判定部153は、媒体量に基づいて、ステップS402で変更した第1~第4所定量を補正し(ステップS404)、一連のステップを終了する。判定部153は、第1~第4閾値又は第1~第4駆動量を補正することにより、第1~第4所定量(及び第1~第4所定時間)を補正する。上述したように、下取り給送式の媒体搬送装置100では、載置台103に載置された媒体の量が大きいほど、給送される媒体と、その上に載置された媒体との間の摩擦力が大きくなる。即ち、載置台103に載置された媒体の量が大きいほど、媒体はスリップしやすくなる。したがって、判定部153は、現在給送されている媒体の給送中に検出された媒体量が大きいほど第1~第4閾値又は第1~第4駆動量が大きくなるように第1~第4閾値又は第1~第4駆動量を補正する。これにより、媒体搬送装置100は、載置台103に載置された媒体の媒体量が大きい場合に、媒体の搬送異常が発生していると誤って判定することを抑制できる。
また、下取り給送式の媒体搬送装置100では、媒体の給送中に、利用者により新たな媒体が継ぎ足され、給送される媒体と、その上に載置された媒体との間の摩擦力が大きくなる場合がある。媒体搬送装置100は、媒体量の変化量が変化閾値を超えた場合に第1~第4所定量を補正することにより、利用者により新たな媒体が継ぎ足された場合に、媒体の搬送異常が発生していると誤って判定することを抑制できる。
なお、ステップS402において、判定部153は、第1~第4所定量の内、少なくとも一つの所定量を変更すればよく、他の所定量の変更を省略してもよい。また、ステップS404において、判定部153は、第1~第4所定量の内、少なくとも一つの所定量を補正すればよく、他の所定量の補正を省略してもよい。また、判定部153は、ステップS403~S404の処理自体を省略してもよい。また、判定部153は、ステップS403の処理を省略し、媒体量の変化量が変化閾値を超えたか否かに関わらず、ステップS404において、媒体量に基づいて第1~第4所定量を補正してもよい。
図11は、媒体搬送装置100のスキュー検出処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図11に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100のスキュー検出処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。図11に示す動作のフローは、媒体が給送されるたびに実行される。
最初に、スキュー検出部157は、第1センターセンサ116、第1サイドセンサ117及び第2サイドセンサ118から、それぞれ第1センター信号、第1サイド信号及び第2サイド信号を取得する(ステップS501)。
次に、スキュー検出部157は、第1センター信号、第1サイド信号及び第2サイド信号に基づいて、媒体の先端が第1センターセンサ116、第1サイドセンサ117及び第2サイドセンサ118をそれぞれ通過した通過時刻を検出する(ステップS502)。
スキュー検出部157は、現在までに取得した各第1センター信号において、信号値が媒体が存在しない状態を示す値から媒体が存在する状態を示す値に変化した時刻を第1センターセンサ116の通過時刻として検出する。同様に、スキュー検出部157は、現在までに取得した各第1サイド信号において、信号値が媒体が存在しない状態を示す値から媒体が存在する状態を示す値に変化した時刻を第1サイドセンサ117の通過時刻として検出する。同様に、スキュー検出部157は、現在までに取得した各第2サイド信号において、信号値が媒体が存在しない状態を示す値から媒体が存在する状態を示す値に変化した時刻を第2サイドセンサ118の通過時刻として検出する。
次に、スキュー検出部157は、検出した各通過時刻に基づいて、媒体のスキューが発生しているか否かを判定する(ステップS503)。スキュー検出部157は、第1サイドセンサ117の通過時刻又は第2サイドセンサ118の通過時刻の内の早い方の時刻から所定時間が経過するまでに媒体の先端が第1センターセンサ116を通過しなかった場合、スキューが発生していると判定する。所定時間は、例えば、スリップ度に影響を及ぼす程度の第1サイドセンサ117又は第2サイドセンサ118の通過時刻と第1センターセンサ116の通過時刻の差(例えば1秒間)に予め設定される。なお、所定時間は0に設定されてもよい。
スキュー検出部157は、媒体のスキューが発生していると判定した場合、スリップ度テーブルにおいて、搬送された媒体の識別番号と関連付けて記憶されたスキューフラグをONに設定し(ステップS504)、一連のステップを終了する。このように、スキュー検出部157は、給送ローラ114によって給送される媒体のスキューを検出する。なお、スキュー検出部157は、媒体のスキューが発生していると判定した場合、モータ131を停止し、媒体の給送及び搬送を停止してもよい。
一方、スキュー検出部157は、媒体のスキューが発生していないと判定した場合、検出した各通過時刻に基づいて、媒体が正常に搬送されているか否かを判定する(ステップS505)。スキュー検出部157は、第1サイドセンサ117の通過時刻又は第2サイドセンサ118の通過時刻の内の早い方の時刻から所定時間が経過するまでに媒体の先端が第1センターセンサ116を通過した場合、媒体が正常に搬送されていると判定する。この場合、スキュー検出部157は、一連のステップを終了する。一方、スキュー検出部157は、第1サイドセンサ117の通過時刻又は第2サイドセンサ118の通過時刻の内の早い方の時刻から所定時間が経過しておらず且つ媒体の先端が第1センターセンサ116を通過していない場合、処理をステップS501へ戻す。即ち、この場合、スキュー検出部157は、まだ、スキューが発生している又は媒体が正常に搬送されていると判定しない。
なお、スキュー検出部157は、入力画像に基づいて、公知の画像処理技術を用いて、媒体のスキューを検出してもよい。
以下、媒体の先端が第1センターセンサ116の位置を通過してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでに媒体と給送ローラ114の間で発生したスリップの度合いに基づいて、第1~第4所定量を変更することの技術的意義について説明する。
給送ローラ114及びブレーキローラ115の摩耗度合いが大きいほど、給送ローラ114及びブレーキローラ115によって媒体が給送される速度(媒体の移動速度)は低くなり、媒体が所定位置に到達するまでの時間は長くなる。仮に、媒体搬送装置が、媒体が所定位置まで移動する時間(モータの駆動量)を固定の閾値と比較して媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する場合、各ローラの摩耗度合いが大きくなった時に、媒体の搬送異常が発生したと判定しやすくなる。その結果、媒体搬送装置は、媒体の搬送異常が発生していないにも関わらず、媒体の搬送異常が発生したと誤って判定する可能性がある。一方、媒体搬送装置100は、過去に給送された媒体のスリップ度に基づいて第1~第4所定量を変更することにより、第1~第4所定量を、現在の給送ローラ114及びブレーキローラ115の摩耗度合いに応じた適切な量に設定することができる。その結果、媒体搬送装置100は、媒体の搬送異常が発生したか否かを適切に判定することができる。
図12は、各ローラと各センサの位置関係について説明するための模式図である。
図12に示すように、載置台103に載置されている媒体Mは、給送ローラ114及びブレーキローラ115によって給送される。但し、給送開始時の媒体Mの先端の位置、特に給送ローラ114及びブレーキローラ115のニップ位置に対する媒体Mの先端の位置は、利用者が媒体Mを載置した位置又は手順によって異なる。例えば、各媒体Mの先端が少しずつ斜めにずらされて、最も下側の媒体M1の先端がニップ位置の近傍に配置される場合と、各媒体Mの先端が同じ位置に揃えられて、媒体M1の先端がニップ位置から離れた位置に配置される場合とがある。また、媒体M1が給送される際に、ブレーキローラ115が媒体給送方向の反対方向A3に回転することにより、媒体M1の上側に載置された媒体M2及びM3が上流側に押し戻される場合がある。ブレーキローラ115によって押し戻される量により、媒体M2、M3が給送される時の媒体M2、M3の先端の位置も変化する。
給送ローラ114及びブレーキローラ115が媒体の給送を開始してから、媒体が給送ローラ114及びブレーキローラ115のニップ位置を通過するまでの時間は、給送開始時の媒体の先端の位置によって変化する(ばらつく)。したがって、仮に、スリップ度が、媒体の給送を開始してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでの時間(モータの駆動量)に基づいて算出される場合、給送開始時の媒体の先端の位置によって、算出されるスリップ度にばらつきが発生する。特に、スキャナのように小型の媒体搬送装置では、給送ローラ114及びブレーキローラ115と、撮像装置122との間の距離が小さいため、給送開始時の媒体の先端の位置のばらつきにより、算出されるスリップ度に与える影響の度合いが大きい。
一方、媒体搬送装置100は、媒体の先端が、給送ローラ114及びブレーキローラ115の下流側に載置された第1センターセンサ116の位置を通過してから第2センターセンサ121の位置を通過するまでのモータの駆動量に基づいてスリップ度を算出する。そのため、媒体搬送装置100は、給送開始時の媒体の先端の位置によらず、安定してスリップ度を算出することができる。これにより、媒体搬送装置100は、安定して算出されたスリップ度に基づいて、第1~第4所定量を適切に変更することができ、その結果、媒体の搬送異常が発生したか否かを適切に判定することができる。
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、媒体が第1センターセンサ116と第2センターセンサ121の間を通過する間に、媒体と給送ローラ114の間で発生したスリップの度合いに基づいて、媒体の搬送異常の判定に用いるパラメータを変更する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体の搬送異常が発生したか否かをより精度良く判定することが可能となった。また、媒体搬送装置100は、媒体の搬送異常が発生した場合に、媒体の搬送を停止させることが可能となり、媒体のジャムにより媒体が損傷することを抑制することが可能となった。
図13は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路250の概略構成を示す図である。処理回路250は、媒体搬送装置100の処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理及び変更処理を実行する。処理回路250は、制御回路251、媒体量検出回路252、判定回路253、算出回路254、画像取得回路255、サイズ検出回路256及びスキュー検出回路257等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
制御回路251は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路251は、操作装置105から操作信号を、接触センサ113から第1媒体信号を、記憶装置140から媒体の搬送異常の判定結果を受信する。制御回路251は、受信した各信号に応じてモータ131を駆動して、各ローラによる媒体の給送及び搬送を制御するとともに、モータ131の駆動量を記憶装置140に記憶する。
媒体量検出回路252は、媒体量検出部の一例であり、媒体量検出部152と同様の機能を有する。媒体量検出回路252は、測距センサ111から光信号を受信し、受信した光信号に基づいて媒体量を検出し、検出結果を記憶装置140に記憶する。
判定回路253は、判定部の一例であり、判定部153と同様の機能を有する。判定回路253は、第1センターセンサ116から第1センター信号を、第2センターセンサ121から第2センター信号を、記憶装置140からモータ131の駆動量、スリップ度、媒体量、媒体のサイズ及びスキューの検出結果を受信する。判定回路253は、受信した各情報に基づいて媒体の搬送異常が発生したか否かを判定し、判定結果を記憶装置140に記憶する。
算出回路254は、算出部の一例であり、算出部154と同様の機能を有する。算出回路254は、記憶装置140からモータ131の駆動量を受信し、受信した各情報に基づいてスリップ度を算出して記憶装置140に記憶する。
画像取得回路255は、画像取得部の一例であり、画像取得部155と同様の機能を有する。画像取得回路255は、撮像装置122からライン画像を受信して入力画像を生成し、インタフェース装置132を介して情報処理装置へ送信し、記憶装置140に記憶する。
サイズ検出回路256は、サイズ検出部の一例であり、サイズ検出部156と同様の機能を有する。サイズ検出回路256は、記憶装置140から入力画像を受信し、受信した入力画像に基づいて媒体のサイズを検出して記憶装置140に記憶する。
スキュー検出回路257は、スキュー検出部の一例であり、スキュー検出部157と同様の機能を有する。スキュー検出回路257は、第1センターセンサ116から第1センター信号を、第1サイドセンサ117から第1サイド信号を、第2サイドセンサ118から第2サイド信号を受信する。スキュー検出回路257は、受信した各信号に基づいて媒体のスキューを検出し、検出結果を記憶装置140に記憶する。
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路250を用いる場合においても、媒体の搬送異常が発生したか否かをより精度良く判定することが可能となった。