JP7335479B1

JP7335479B1 - 感圧式修正構造

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Publication number: JP7335479B1
Application number: JP2022181820A
Authority: JP
Inventors: 明華嚴
Original assignee: 台生企業股▲分▼有限公司
Priority date: 2022-07-27
Filing date: 2022-11-14
Publication date: 2023-08-30
Anticipated expiration: 2042-11-14
Also published as: TW202404824A; CN117511427A; TWI812367B; JP2024018851A

Abstract

【課題】様々な種類の色を有し、後続の適用の際に優れた接着性を有し、修正テープ構造のクラック又は剥離を避けられる修正テープ構造を開発すること。【解決手段】薄膜層、隠蔽層、感圧接着層、第一の離型層、及び第二の離型層を含む感圧式修正構造であって、前記隠蔽層は、感圧接着層と第一の離型層との間に位置し、前記第一の離型層は、前記隠蔽層と薄膜層との間に位置し、かつ、前記薄膜層は、前記第一の離型層と第二の離型層との間に位置し、前記隠蔽層は、二酸化チタン及びゴム状樹脂を含み、前記隠蔽層の全重量に対して、前記二酸化チタンの含有量は、４５重量％～８０重量％であり、前記感圧接着層は、染料及びポリエステルを含み、前記染料は、エステル類、ケトン類、アルコール類、水、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤に溶解でき、前記ポリエステルは、ポリメチルメタクリレート又はポリカルバミン酸エチルである、感圧式修正構造。【選択図】図１

Description

本発明は、感圧式修正構造に関し、特に、異なる色を有する感圧式修正構造に関する。

従来の修正テープは、白色のものが多いが、たとえ同じ白色の紙を使用するとしても、紙の材質の違い又は印刷の要求によって、各種の白色の紙に異なる色度、彩度及び明度を有する可能性があるので、従来の修正テープで被覆した後の色が紙自身の色とは合わず、美観が劣るという問題がある。

現在のカラー修正テープは、顔料を二酸化チタン含有隠蔽層に添加するが、隠蔽層の厚さが厚いため、所望の色や隠蔽効果を得るためには、顔料又はカーボンブラック等の材料を多く添加する必要があるので、コストが高くなりすぎる。また、各色のカラー修正テープを製造するには、様々な種類の色の顔料を用意する必要があり、隠蔽層の半製品及び各色の修正テープの在庫が膨大になるという問題がある。なお、顔料やカーボンブラックが顆粒構造であるため、修正テープの組成における感圧接着層に添加する時、顔料又はカーボンブラック顆粒の二次凝集及び集合作用が発生しやすいので、カラー修正テープを使用する時、感圧接着層の表面均一性が劣るため、剥離及びクラックが生じやすく、また、厳重な時にはカラー修正テープが正常に紙に転写できず、カラー修正テープを使用できない等の問題を引き起こす。

国際公開第２０１８／０１２１１９号には、隠蔽層及び感圧粘着層に、それぞれ、白色顔料及びカーボンブラックを含み、かつ、前記白色顔料及びカーボンブラックの含有量が特定の範囲の重量比を有することで、感圧粘着層と隠蔽層の表面との色差を減少する、感圧修正テープが開示されている。しかしながら、カーボンブラックが平均粒径約０．１～５μｍの粒子であるため、二次凝集及び集合作用が発生する可能性があるので、前記感圧修正テープの紙への転写に、表面均一性が劣ることにより剥離及びクラックが生じるという問題を引き起こす。

国際公開第２０１８／０１２１１９号

上記事情に鑑みて、様々な種類の色を有し、後続の適用の際に優れた接着性を有し、修正テープ構造のクラック又は剥離を避けられる修正テープ構造の開発は、当業界が早急に解決しようとする課題である。

上記問題を解決するために、本発明は、薄膜層、隠蔽層、感圧接着層、第一の離型層、及び第二の離型層を含む感圧式修正構造であって、前記隠蔽層は、感圧接着層と第一の離型層との間に位置し、前記第一の離型層は、前記隠蔽層と薄膜層との間に位置し、かつ、前記薄膜層は、前記第一の離型層と第二の離型層との間に位置し、前記隠蔽層は、二酸化チタン及びゴム状樹脂を含み、前記隠蔽層の全重量に対して、前記二酸化チタンの含有量は、４５重量％～８０重量％であり、前記感圧接着層は、染料及びポリエステルを含み、前記染料は、エステル類、ケトン類、アルコール類、水、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤に溶解でき、前記ポリエステルは、ポリメチルメタクリレート又はポリカルバミン酸エチルである、感圧式修正構造を提供する。

一つの具体的な実施態様において、前記染料は、塩基性染料、分散性染料、又は酸性染料である。

一つの具体的な実施態様において、前記分散性染料は、アゾ型染料、アントラキノン型染料、又は複素環型染料である。

一つの具体的な実施態様において、前記感圧接着層の全重量に対して、前記染料の含有量は、１重量％～８重量％である。

一つの具体的な実施態様において、前記感圧接着層は、固化の前では、前記溶剤を含み、前記染料と溶剤とは、１：８．５～１９の重量比を有する。

一つの具体的な実施態様において、前記溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、ブタノン、エタノール、イソプロパノール、ｎ－ブタノール、イソブタノール、酢酸エチル、又は酢酸ブチルである。

一つの具体的な実施態様において、前記感圧接着層の全重量に対して、前記ポリエステルの含有量は、８０重量％～９９重量％である。

一つの具体的な実施態様において、固化前の感圧接着層に含まれる染料及びポリエステルは、均質溶液である。

一つの具体的な実施態様において、前記隠蔽層の全重量に対して、前記ゴム状樹脂の含有量は、８重量％～２０重量％である。

一つの具体的な実施態様において、前記薄膜層は、ポリエチレンテレフタレート又は紙である。

本発明の感圧式修正構造は、前記感圧接着層で、被覆しようとする表面に接触し、前記感圧接着層に含まれる染料で、異なる材質の表面が有する色に応じて前記感圧式修正構造の全体的な色を調整でき、前記感圧式修正構造を被覆しようとする表面の色に符合させ、美観向上効果を有すると共に、従来の修正テープが白色の単一色のみを有することにより、被覆表面で異様に見えるという問題を改善する。

また、本発明の感圧式修正構造に使用する染料は、エステル類、ケトン類、アルコール類、又は水等の溶剤に溶解でき、製造過程でポリエステル溶液と均一に混合できるため、前記感圧式修正構造には、顔料顆粒の集合による修正テープ全体構造の欠陥の発生という問題がない。

例示的な参考図面で本発明の実施形態を説明する。

図１は本発明の感圧式修正構造の構造概略図である。

以下、特定の具体的な実施態様により本発明の実施形態を説明するが、当業者は、本明細書の記載内容により本発明の利点及び効果を容易に理解できる。

予め知っておくべきことについて、本明細書に添付の図面に示す構造、比例、サイズ等は、いずれも、明細書の記載内容に合わせて、当業者に理解や閲覧させるためのものであり、本発明の実施可能の限定条件を限定するためのものではなく、技術上では実質的な意味を有せず、任意の構造の修飾、比例関係の変更又はサイズの調整は、本発明が奏する効果及び達成できる目的に影響を与えない限り、本発明に開示された技術内容でカバーできる範囲内に入る。また、本明細書に使用の「一つ」、「第一」、「第二」、「下」及び「上」は、記載を明確にするためのものであり、本発明の実施可能の範囲を限定するためのものではなく、その相対的関係の変更又は調整は、技術内容を実質的に変更しない限り、本発明の実施可能の範囲と見なされる。なお、本明細書のすべての範囲と値は、包括的で組み合わせ可能である。本明細書に列挙された範囲内に入る任意の値または点は、例えば、整数のどれでも、下位範囲などを導き出すための最小値または最大値として使用できる。

図１を参照して、本発明の感圧式修正構造１の一つの具体的な実施態様は、感圧接着層１１、隠蔽層１２、第一の離型層１３、薄膜層１４及び第二の離型層１５を含むことを示す。前記第一の離型層１３及び第二の離型層１５は、それぞれ、前記薄膜層１４における第一の表面１４ａ及び第二の表面１４ｂ上に位置し、前記隠蔽層１２は、感圧接着層１１と第一の離型層１３との間に位置し、前記第一の離型層１３は、前記隠蔽層１２と薄膜層１４との間に位置し、かつ、前記薄膜層１４は、前記第一の離型層１３と第二の離型層１５との間に位置する。

具体的には、図１に示す感圧式修正構造１の層構成は、感圧接着層１１、隠蔽層１２、第一の離型層１３、薄膜層１４、及び第二の離型層１５の順に構成される。

一つの具体的な実施態様において、前記感圧接着層１１の厚さは、０．５～３μｍ、例えば、０．５、１、１．５、２、２．５、又は３μｍであり、隠蔽層１２の厚さは、１０～５０μｍ、例えば、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、又は５０μｍであり、前記第一の離型層１３及び第二の離型層１５の厚さは、それぞれ独立して、０．５～３μｍ、例えば、０．５、１、１．５、２、２．５、又は３μｍであり、前記薄膜層１４の厚さは、６～５０μｍ、例えば、６、７、８、９、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、又は５０μｍである。

一つの具体的な実施態様において、前記隠蔽層１２は、二酸化チタン及びゴム状樹脂を含み、前記二酸化チタンの含有量は、前記隠蔽層１２の全重量の４５重量％～８０重量％、例えば、４５重量％、５０重量％、５５重量％、６０重量％、６５重量％、７０重量％、７５重量％、又は８０重量％を占める。好ましくは、前記二酸化チタンの含有量は、前記隠蔽層１２の全重量の６０重量％～７５重量％を占める。一つの具体的な実施態様において、前記ゴム状樹脂の含有量は、前記隠蔽層１２の全重量の２０重量％～４０重量％、例えば、２０重量％、２５重量％、３０重量％、３５重量％、又は４０重量％を占める。しかしながら、前記ゴム状樹脂の含有量は、実際の要求に応じて調整でき、これらに限定されるものではない。

本明細書において、前記ゴム状樹脂は、本発明の技術分野における既知の任意のゴム状樹脂を使用でき、脂肪族石油樹脂（Ｃ５石油樹脂）、芳香族炭化水素石油樹脂（Ｃ９石油樹脂）、Ｃ５及びＣ９石油樹脂の共重合体、ポリウレタンゴム、フッ素ゴム、スチレン－ブタジエンゴム、スチレン－ブタジエン－スチレンゴム、スチレン－エチレン－ブテン－ポリスチレンゴム、スチレン－イソプレン－スチレンゴム、スチレン－エチレン／プロピレンゴム、エチレン／醋酸ビニル共重合体、アクリロニトリル－ブタジエンゴム、又はエチレン／アクリル酸エチル共重合体を含むが、これらに限定されるものではない。具体的には、前記ゴム状樹脂の特性は、乾燥した後に弾性を有し、例えば、前記ゴム状樹脂は、５０％より大きい伸び率、３００ｐｓｉより大きい引張強度を有することが挙げられるが、これに限定されるものではない。

本明細書において、前記二酸化チタンは、アナターゼ（ａｎａｔａｓｅ）、ルチル（ｒｕｔｉｌｅ）又はブルカイト（ｂｒｏｏｋｉｔｅ）結晶相の二酸化チタンを使用できるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、本発明は、アナターゼ又はルチル結晶相二酸化チタンを使用する。一つの具体的な実施態様において、前記二酸化チタンは、約０．２～０．５μｍの平均粒径を有する。もう一つの具体的な実施態様において、前記二酸化チタンは、約３．６～４．２ｇ／ｃｍ^３の密度を有する。

一つの具体的な実施態様において、前記隠蔽層１２は、さらに、有機溶剤、添加剤、又はこれらの組み合わせを含む。もう一つの具体的な実施態様において、前記有機溶剤は、ヘキサン、シクロヘキサン、キシレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものを含む。さらにもう一つの具体的な実施態様において、前記添加剤は、油性レベリング剤、顔料及び沈降防止剤等を含む。

一つの具体的な実施態様において、前記感圧接着層１１は、染料及びポリエステルを含む。本具体的な実施態様において、前記染料は、エステル類、ケトン類、アルコール類、水及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤に溶解でき、前記ポリエステルは、ポリメチルメタクリレート又はポリカルバミン酸エチルである。もう一つの具体的な実施態様において、固化前の感圧接着層に含まれる染料及びポリエステルは、均質溶液である。具体的には、前記感圧接着層が固化する前に、前記染料とポリエステルとの混合物は、均質（ｈｏｍｏｇｅｎｏｕｓ）溶液であり、後続の塗布及び乾燥等の工程後に、表面が平滑で均一の感圧接着層が得られる。

一つの具体的な実施態様において、前記染料は、塩基性染料、分散性染料、又は酸性染料である。もう一つの具体的な実施態様において、前記分散性染料は、アゾ型染料、アントラキノン型染料、又は複素環型染料である。

一方、前記染料は、溶剤型染料、アルコール染料、又は水溶性染料である。具体的には、本明細書に使用される溶剤型染料は、水に溶解しない染料、例えば、油又は溶剤に溶解できる染料である。例えば、溶剤型染料における溶剤としては、キシレン、酢酸エチル又は酢酸ブチルを含むことが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記溶剤型染料は、アゾ染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾフェノン染料、キノンイミン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属錯体染料、又は金属フタロシアニン染料を含むが、これらに限定されるものではない。

また、本明細書に使用されるアルコール染料とは、アルコール（ａｌｃｏｈｏｌ）又はケトン（ｋｅｔｏｎｅ）等の極性溶剤に溶解できる染料であり、アルコール性含金染料を含むが、これに限定されるものではない。好ましくは、前記アルコール染料は、エタノール、又はエタノールと純水との混合物に溶解できるものである。前記アルコール染料は、優れた溶解力及び良好な湿潤性を有する極性溶剤を使用するため、前記アルコール染料を迅速に乾燥させられる。また、本明細書に使用される水溶性染料とは、水に溶解できる染料である。

溶剤型染料、アルコール染料、又は水溶性染料を使用することにより、本発明の染料は、溶剤、アルコール、又は水に完全に溶解するので、前記感圧接着層１１を製造する時、前記染料は、ポリエステル液中に均一に混合でき、かつ、前記感圧接着層１１が固化した後、溶解できない顆粒がなく、顆粒の集合作用を避けられるので、着色剤として顔料を使用することによる感圧式修正構造に発生する欠陥を改善できる。

具体的には、本願に使用される染料は、染料粉末（すなわち、カラーマスターバッチ）と前記溶剤とを混合して調製される。アルコール染料を例として挙げるが、これに限定されるものではなく、本願に使用される染料処方は、約５～１０重量％の染料カラーマスターバッチ、約９０～９４重量％の脱イオン水、及び０～４重量％のアルコールを使用して調製でき、必要に応じて感圧接着層又は染料処方に適する助剤を添加でき、また、実際の要求に応じて染料処方における各組成及び割合を調整する。

一つの具体的な実施態様において、前記ポリエステルは、任意の感圧接着層を形成するのに適する樹脂であってもよい。もう一つの具体的な実施態様において、前記ポリエステルは、アクリレート系重合体、例えば、ポリメチルメタクリレートであり、さらにもう一つの具体的な実施態様において、前記ポリエステルは、ポリウレタン、例えば、ポリカルバミン酸エチルである。好ましくは、前記ポリエステルは、ポリメチルメタクリレートである。より好ましくは、前記ポリエステルは、水性ポリメチルメタクリレートエマルションである。

一つの具体的な実施態様において、前記ポリエステルは、１０，０００～３０，０００の重量分子量、例えば、１０，０００、１１，０００、１２，０００、１３，０００、１４，０００、１５，０００、１６，０００、１７，０００、１８，０００、１９，０００、２０，０００、２１，０００、２２，０００、２３，０００、２４，０００、２５，０００、２６，０００、２７，０００、２８，０００、２９，０００、又は３０，０００の重量分子量を有する。もう一つの具体的な実施態様において、前記ポリエステルは、５０～１５０Ｐ（ｐｏｉｓｅ）の粘度、例えば、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８５、９０、９５、１００、１０５、１１０、１１５、１２０、１２５、１３０、１３５、１４０、１４５、又は１５０Ｐの粘度を有する。

一つの具体的な実施態様において、前記染料の含有量は、前記感圧接着層１１の全重量の１重量％～８重量％、例えば、１重量％、１．５重量％、２重量％、２．５重量％、３重量％、３．５重量％、４重量％、４．５重量％、５重量％、５．５重量％、６重量％、６．５重量％、７重量％、７．５重量％、又は８重量％を占め、前記ポリエステルは、前記感圧接着層１１の全重量の８０重量％～９９重量％、例えば、８０重量％、８１重量％、８２重量％、８３重量％、８４重量％、８５重量％、８６重量％、８７重量％、８８重量％、８９重量％、９０重量％、９１重量％、９２重量％、９３重量％、９４重量％、９５重量％、９６重量％、９７重量％、９８重量％、又は９９重量％を占める。

一つの具体的な実施態様において、前記染料と溶剤とは、１：８．５～１９の重量比、例えば、１：８．５、１：９、１：１０、１：１１、１：１２、１：１３、１：１４、１：１５、１：１６、１：１７、１：１８、又は１：１９の重量比を有する。

もう一つの具体的な実施態様において、前記感圧接着層１１は、さらに、添加剤、例えば、増粘剤、増稠剤、難燃剤、加工助剤、又はこれらの組み合わせ等を含む。本具体的な実施態様において、前記感圧接着層１１の全重量に対して、前記添加剤の含有量は、０重量％より大きく、かつ１重量％未満の範囲内、例えば、０．１重量％、０．２重量％、０．３重量％、０．４重量％、０．５重量％、０．６重量％、０．７重量％、０．８重量％、０．９重量％、又は０．９９重量％である。具体的には、前記感圧接着層１１は、レオペクシー剤を含有することで、前記感圧接着層１１が均一の粘度を有し、かつ、染料の沈殿を防止でき、色の不均一という現象を避けられる。

一つの具体的な実施態様において、前記薄膜層は、ポリエチレンテレフタレート又は紙である。もう一つの具体的な実施態様において、前記紙は、離型紙である。

一つの具体的な実施態様において、前記第一の離型層及び第二の離型層の組成は、同一又は異なっていてもよい。前記離型層は、１５重量％～５５重量％のシリコーン樹脂、０．５重量％～３重量％の白金触媒、及び４２重量％～８４．５重量％の溶剤を含む。もう一つの具体的な実施態様において、前記溶剤は、ヘキサン、シクロヘキサン、キシレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものを含む。好ましくは、前記シリコーン樹脂は、約５００ｃｐｓを有するが、これに限定されるものではない。具体的には、前記離型層は、本分野で既知の溶剤型離型剤、例えば、信越化学のＫＳ－８４７又はＫＳ－３６０１等の離型剤を使用できるが、これらに限定されるものではない。一方、本発明の感圧式修正構造１の製造方法は、第一の離型層１３及び第二の離型層１５を、それぞれ、薄膜層１４の二つの表面に塗布し、前記薄膜層１４を前記第一の離型層１３と第二の離型層１５との間に位置させ、１００℃～１５０℃の温度で前記第一の離型層１３及び第二の離型層１５を固化させ、固化した離型層における溶剤は前記離型層から揮発したことと、前記第一の離型層１３上に隠蔽層１２を塗布し、前記第一の離型層１３を隠蔽層１２と薄膜層１４との間に位置させ、１００℃～１５０℃の温度で前記隠蔽層１２を固化させることと、感圧接着層１１を前記隠蔽層１２上に塗布し、前記隠蔽層１２を前記感圧接着層１１と第一の離型層１３との間に位置させ、１００℃～１５０℃の温度で前記感圧接着層１１を固化させることとを含む。

以下、実施例及び比較例により、本発明の感圧式修正構造の性能を説明する。

表１は、実施例１及び２並びに比較例１の感圧接着層の組成を示す。

実施例１及び２並びに比較例１における感圧接着層の厚さは０．５μｍであり、薄膜層の厚さは９μｍであり、第一の離型層及び第二の離型層の厚さは、それぞれ、０．５μｍであり、実施例２及び比較例１における隠蔽層の厚さは１５μｍであり、実施例１における隠蔽層の厚さは１３μｍである。

実施例１及び２並びに比較例１におけるサンプルは、ＫＨＣ手動塗布機を使用し、ＡＳＴＭＤ８２３－５３に基づいて塗布した。第一の離型層及び第二の離型層をそれぞれ上面及び下面に有する薄膜層上に、隠蔽層を塗布し、１００℃～１５０℃で２～５分間乾燥した後、隠蔽層上に感圧接着層を塗布し、１２０℃で４分間乾燥し、実施例１及び２並びに比較例１のサンプルを得た。

実施例１及び２並びに比較例１における薄膜層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。また、実施例１及び２並びに比較例１における隠蔽層は、二酸化チタンと、ゴム状樹脂としてのスチレン－エチレン－ブテン－ポリスチレン共重合体及び脂肪族石油樹脂とを含有し、前記二酸化チタンの含有量は、前記隠蔽層の全重量の６５重量％を占め、前記スチレン－エチレン－ブテン－ポリスチレン共重合体の含有量は、前記隠蔽層の全重量の１０重量％を占め、前記脂肪族石油樹脂の含有量は、前記隠蔽層の全重量の８重量％を占める。また、実施例１及び２並びに比較例１における隠蔽層には、前記隠蔽層の全重量に対して、１．０重量％の分散剤、５．０重量％の軽質炭酸カルシウム（沈降炭酸カルシウムとも称する）、１．０重量％の沈降防止チキソトロピー助剤、及び１５．０重量％の混合溶剤を含有し、前記混合溶剤は、キシレン、酢酸ブチル、及びメチルシクロヘキサンを含有する。また、前記混合溶剤の組成及び含有量は隠蔽層及び感圧式修正構造の全体的な性質に顕著に影響しないので、当業者は、実際の要求に応じて前記隠蔽層に添加される混合溶剤における組成割合を調整できる。

表１の感圧接着層の組成に記載される染料の含有量とは、調製が完成した染料処方である。具体的には、染料処方の全重量に対して、実施例１及び２は、１０重量％の黒色水性染料粉末（それぞれ、ＢｌａｃｋＶＳＦ－３２０及びＢｌａｃｋＶＳＦ－６６０、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、８９重量％の脱イオン水、及び１重量％の水性助剤を含有し、前記水性助剤は、消泡剤、レベリング剤、及び増粘剤の混合物であり、比較例１における染料は、１０重量％の染料カラーマスターバッチを含有する市販の黒色染料スラリー（ＯｒｉｅｎｔａｌＧｉａｎｔＤｙｅｓ＆ＣｈｅｍｉｃａｌＩｎｄ．Ｃｏｒｐ．）を使用する。

表２は、実施例１及び２並びに比較例１で染料による感圧式修正構造の性質に対する影響を示す。

表３は、実施例３～７及び比較例２～６の感圧接着層の組成を示す。

実施例３～７及び比較例２～６における隠蔽層の厚さは１３μｍであり、感圧接着層の厚さは０．５μｍであり、薄膜層の厚さは９μｍであり、第一の離型層及び第二の離型層の厚さは、それぞれ、０．５μｍである。

実施例３～７及び比較例２～６のサンプルは、前記実施例１及び２と同じ方法で製造された。また、実施例３～７及び比較例２～６に使用の薄膜層及び隠蔽層は、いずれも、実施例１及び２と同じ材料及び割合を使用しているため、その説明を省略する。

表３の感圧接着層の組成に記載された染料の含有量とは、調製が完成した染料処方である。具体的には、実施例３の染料組成は、前記染料処方の全重量に対して、５重量％の黄色水性染料粉末（ＹｅｌｌｏｗＡＤ－３ＧＳＴ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、９４重量％の脱イオン水、及び１重量％の水性助剤を含有し、実施例４の染料組成は、前記染料の全重量に対して、５重量％の橙色水性染料粉末（ＧｏｌｄｅｎＹｅｌｌｏｗＡＤ－ＧＬＴ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、９４重量％の脱イオン水、及び１重量％の水性助剤を含有し、実施例５の染料組成は、前記染料の全重量に対して、５重量％の赤色水性染料粉末（ＲｅｄＡＤ－２ＧＬＴ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、９４重量％の脱イオン水、及び１重量％の水性助剤を含有し、実施例６の染料組成は、前記染料の全重量に対して、５重量％の緑色水性染料粉末（ＭａｌａｃｈｉｔｅＧｒｅｅｎ－Ｔ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、９４重量％の脱イオン水、及び１重量％の水性助剤を含有し、実施例７の染料組成は、前記染料の全重量に対して、５重量％の青色水性染料粉末（ＢｌｕｅＡＤ－ＧＳＬＴ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、９４重量％の脱イオン水、及び１重量％の水性助剤を含有する。また、前記水性助剤は、消泡剤、レベリング剤、及び増粘剤の混合物である。比較例２～６の染料には、それぞれ、市販の染料である、１０％黄色染料スラリー（ＴａｉａｃｉｄＴａｉｔｉｌｏｎＹｅｌｌｏｗ４Ｒ－Ｔ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、１０％橙色染料スラリー（ＴａｉａｃｉｄＯｒａｎｇｅＳＬＦ－Ｔ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、１０％赤色染料スラリー（ＴａｉａｃｉｄＲｅｄＦＧＳ－Ｔ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、１０％緑色染料スラリー（ＴａｉａｃｉｄＧｒｅｅｎＧＳ－Ｔ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）、及び１０％青色染料スラリー（ＴａｉａｃｉｄＴｕｒｑＢｌｕｅ３Ｇ－Ｔ、Ｔ＆ＴＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）を使用し、比較例２～６の染料は、処理せずに、そのまま感圧接着層におけるポリエステル組成に添加した。

表４は、実施例３～７及び比較例２～６で染料による感圧式修正構造の性質に対する影響を示す。

感圧式修正構造の厚さ、並びに表２及び４に示す各項目の性能のデータは、下記の方法又は標準で測定した。
隠蔽力：ＡＳＴＭＤ３４４－９７に基づいて、隠蔽率測定計（反射率計とも称する）ＭＥＴ－ＲＭ２０６を使用して測定し、測定した隠蔽率が９０％より大きい場合、表２及び表４において、「〇」と記載され、６０％より小さい場合、「×」と記載された。
厚さ：ＡＳＴＭＤ３６５２に基づいて、測定した。
均一性：表１及び表３の感圧接着層の組成で調製した混合溶液を、１０００メッシュのフィルターで濾過し、フィルターに顆粒が残留した場合、表２及び表４において、「×」と記載され、フィルターに何の顆粒も残留していない場合、表２及び表４において、「〇」と記載された。さらに、フィルターに顆粒が残留する（粒径が約２μｍより大きい）ことは、感圧接着層には溶解していない染料カラーマスターバッチが含有され、塗布及び固化が完成した感圧接着層又は感圧修正テープの全体構造に不均一、及びクラック・剥離が生じやすい問題を引き起こすことを示した。
ブリード現象：感圧式修正構造のサンプルを、Ａ４サイズの紙（８０ＧＳＭ、ＰＡＰＥＲＬＩＮＥ、ＡｓｉａＰｕｌｐａｎｄＰａｐｅｒから購入）上に転写し、室温で３０分間静置し、続いて７０℃の温度でサンプルを６時間ベークし、紙上でのサンプルにブリード現象があるかどうかを観察した。染料が紙に現れる場合、サンプルにおける染料が移行現象を発生していることを示し、「ＮＧ」と記載され、ブリード現象があることを示し、逆に、染料が紙に現れていない場合、「Ｐａｓｓ」と記載され、ブリード現象がないことを示した。
剥離力：ＡＳＴＭＤ３３３０に基づいて、Ａ４サイズの紙（８０ＧＳＭ、ＰＡＰＥＲＬＩＮＥ、ＡｓｉａＰｕｌｐａｎｄＰａｐｅｒから購入）及び剥離試験機（ＳＰ－２０００、Ｉｍａｓｓ，Ｉｎｃ．）を使用して測定し、約１５～１８ｇ／ｍｍの離型力を有することは、感圧接着式修正構造に適する剥離力を示し、２６～３５ｇ／ｍｍの離型力を有することは、剥離が容易ではないことを示し、３５ｇ／ｍｍより大きい離型力は、紙に転写できないことを示した。
初期接着力（Ｔａｃｋ）：ＡＳＴＭＤ３３３０に基づいて、Ａ４サイズの紙（８０ＧＳＭ、ＰＡＰＥＲＬＩＮＥ、ＡｓｉａＰｕｌｐａｎｄＰａｐｅｒから購入）及び剥離試験機（ＳＰ－２０００、Ｉｍａｓｓ，Ｉｎｃ．）を使用して測定した。
総括：各項目の性能の総合的な評価であり、評価した前記サンプルは後続の適用に使用できる場合、「〇」と記載され、逆の場合、「×」と記載された。

また、本発明の感圧式修正構造に使用する染料は、エステル類、アルコール類、ケトン類、又は水といった溶剤に溶解し、製造過程でポリエステル溶液と均一に混合できるため、前記感圧式修正構造には、顔料顆粒の集合による修正テープ全体構造の欠陥の発生という問題がない。

一方、本発明の染料は、感圧接着層に添加され、感圧接着層の厚さが隠蔽層よりも薄いため、より少ない染料で所望の色を得られる。また、本発明の隠蔽層が有する色に合わせることで、前記感圧接着層の色及び濃度を調整して、本発明の色調整の方式をより便利にさせ、工程の複雑さを低減させ、製品の利用性を向上させる。

１感圧式修正構造
１１感圧接着層
１２隠蔽層
１３第一の離型層
１４薄膜層
１４ａ第一の表面
１４ｂ第二の表面
１５第二の離型層

Claims

薄膜層、隠蔽層、感圧接着層、第一の離型層、及び第二の離型層を含む感圧式修正構造であって、
前記隠蔽層は、感圧接着層と第一の離型層との間に位置し、前記第一の離型層は、前記隠蔽層と薄膜層との間に位置し、かつ、前記薄膜層は、前記第一の離型層と第二の離型層との間に位置し、
前記隠蔽層は、二酸化チタン及びゴム状樹脂を含み、前記隠蔽層の全重量に対して、前記二酸化チタンの含有量は、４５重量％～８０重量％であり、
前記感圧接着層は、染料及びポリエステルを含み、前記染料は、エステル類、ケトン類、アルコール類、水、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤に溶解でき、前記ポリエステルは、ポリメチルメタクリレート又はポリカルバミン酸エチルである、感圧式修正構造。
前記染料は、塩基性染料、分散性染料、又は酸性染料である、請求項１に記載の感圧式修正構造。
前記分散性染料は、アゾ型染料、アントラキノン型染料、又は複素環型染料である、請求項２に記載の感圧式修正構造。
前記感圧接着層の全重量に対して、前記染料の含有量は、１重量％～８重量％である、請求項１に記載の感圧式修正構造。
前記感圧接着層の全重量に対して、前記ポリエステルの含有量は、８０重量％～９９重量％である、請求項１に記載の感圧式修正構造。
前記隠蔽層の全重量に対して、前記ゴム状樹脂の含有量は、８重量％～２０重量％である、請求項１に記載の感圧式修正構造。
前記薄膜層の材質は、ポリエチレンテレフタレート又は紙である、請求項１に記載の感圧式修正構造。