JP3773992B2 - 感圧転写媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、対象物に転写後、自由に除去可能な感圧転写媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、感圧転写媒体としては、本等に印を付ける蛍光着色テープや、ノートや書類の誤字等を修正する修正テープ、写真のネガ等を修正する修正テープ、くじ等に使用されるスクラッチカード等各種のものがある。
これらのテープ状の感圧転写媒体にあっては、ペン状の液体塗布具に比べて、テープ状であることから転写面を濡らすことがなく、インクが乾燥するまで待つ必要もない。本等に下線をひいたり、文字部分を覆ったりして印を付ける液体のアンダーラインペンの場合、印を付ける面に、アンダーラインペンの溶媒の液体に溶ける染料や同溶媒に溶けるバインダー等が含まれたインクで印刷あるいはプリントアウトされたものに使用するとアンダーラインペンの溶媒により印刷あるいはプリントアウトされた字が滲むと言った現象が現れる。
従って、液体塗布具に比べて、テープ状である感圧転写媒体の方が、使用において便利であることが多い。
そして現在は、単に文字や紙上にテープを転写するだけでなく、転写後、必要に応じて、転写したものを取り除くことまで可能となってきている。
【0003】
そして、例えば、アンダーラインペンにおいては、時間が経過することにより消えるものも有るが、使用者が積極的に、除去したい時に除去できる商品として以下の(ア)(イ)の2商品が市販されている。また出願されているものとして(ウ)の色彩マーカー方法とマーカー具がある。
(ア)特開昭56−131679に記載の「環境温度において乾いた筆記表面上に凝集性フイルムを急速に形成する能力及び紙に対し低付着力を有し、通常の鉛筆消しゴムによって紙からの除去を可能にするアンダーラインペン」、あるいは「酸・アルカリ反応等を利用したアンダーラインペン」。
(イ)薄用紙に蛍光インキを含浸し、かつ、文字が見えるように半透明化させ、その下面に粘着剤を塗布したテープを紙面に貼りつける蛍光テープ。
(ウ)特開平3−106687に記載の「フイルム状基材の片面に転写性透明着色層を設け、転写性透明着色層を紙面に転写する色彩マーカー方法とマーカー具」
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(ア)の特開昭56−131679に記載されるような「アンダーラインペン」は、消しゴムで除去可能であり、酸・アルカリ反応等を利用する除去ペンタイプの「アンダーラインペン」は、除去ペンで除去可能である。(イ)の「蛍光テープ(紙に蛍光処理タイプ)」は、紙面からテープ(基材)を剥がすことで除去は可能である。(ウ)の「色彩マーカー方法とマーカー具」は、カートリッジに入っており、皺なく、破れなく綺麗に転写させる事のみ記載されており、転写性透明着色転写テープを除去させることに付いての記載は無い。
【0005】
しかしながら、(ア)の特開昭56−131679に記載されるような「アンダーラインペン」、酸・アルカリ反応等を利用する除去ペンタイプの「アンダーラインペン」を含めてペンタイプは、必要でなくなった所のみを除去する事は簡単にできるが、巧く綺麗に直線が引くことができず、インキが乾燥するまでには時間がかかり、使用するものによりインキがはじかれて使用できない場合も有り、少なくとも除去するためにはインキの乾燥する時間が必要である。(イ)の「蛍光テープ(紙に蛍光処理タイプ)」は、巧く綺麗に直線がひけるが、本等に印を付けたテープは、初めの所から終わりまでが、一枚のテープ状になっており、そのため必要で無くなった所のみ、例えば10文字有れば、中の文字4文字の部分のみを除去する事、すなわち取除く事が容易に出来ない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の感圧転写媒体は、基材上に保護層、粘着層を順次設けた感圧転写媒体に於いて、塗剤の粘着力がJIS Z0237に定める測定方法で200g/cm以下で有ると共に、40℃での保持力が60分で0〜5mmとされた粘着層又は、該粘着層及び前記保護層の両方に、蛍光染料を含む染料や顔料、無機・有機の微粉末、金属粉の少なくとも1つ以上を含有させたこと及び基材の片側に背面層を設け、残る一方の基材上に離型層、保護層、粘着層を設けたこと及び基材上に設けた保護層と粘着層の合計厚さが、5〜30ミクロンで有ることを要旨とする。
【0007】
基材は、グラシン紙・セロハンフィルム・アセテートフィルム・ポリエステルフィルム・ポリプロピレンフィルム・ポリエチレンフィルム・ポリイミドフィルム・ナイロンフィルム等のフィルムが使用出来、またこれらのフィルムに片面又は両面にシリコン等の離型層を設けたフィルム等も使用出来る。
保護層に使用できる高分子素材としては、エポキシ系樹脂・アクリル系樹脂・ポリエステル系樹脂・セルロース系樹脂・ポリアミド系樹脂等の樹脂が使用出来る。
【0008】
保護層に使用できる着色材としては、通常使用される染料(蛍光染料も含む)や顔料(蛍光顔料も含む)を目的に応じて使用すればよく、修正又はスクラッチの場合は、酸化チタン、カーボンブラック、鉄黒、ベンガラ等の無機系不透明顔料や金属粉が使用できるが、隠蔽性の上から0.1〜10ミクロンの燐片状アルミ粉末を使用するのが好ましい。
保護層の厚みは、アンダーラインタイプは0.1〜15ミクロン、暗記テープタイプのものは0.1〜15ミクロン、修正テープタイプのものは5〜25ミクロン、スクラッチタイプのものは1〜10ミクロンのものが好ましい。
【0009】
粘着層に使用できる高分子素材としては、天然ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体、ブタジエン重合体、クロロプレン共重合体等のジェン系や、アクリル酸エステル共重合体、ビニルエーテル共重合体、EVA等のエチレニック系や、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の縮合系の高分子を溶剤に溶解したり、エマルジョンの形で使用する。その中でも、アクリル系のエマルジョンを使用すれば好ましい結果が得られる。
粘着層に使用できる着色材としては、通常使用される染料(蛍光染料も含む)や顔料(蛍光顔料も含む)を目的に応じて使用すればよく、修正又はスクラッチの場合は、酸化チタン、カーボンブラック、鉄黒、ベンガラ等の無機系不透明顔料や金属粉が使用できるが、隠蔽性の上から0.1〜10ミクロンの燐片状アルミ粉末を使用するのが好ましい。
粘着層に使用できる凝集力の調節素材としては、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒド供与体、酸無水化物、カルボン酸他一般的な架橋剤を必要に応じて使用すれば好ましい結果が得られる。
粘着層の厚みは、アンダーラインタイプは3〜15ミクロン、暗記タイプは1〜15ミクロン、修正テープタイプのものは5〜25ミクロン、スクラッチタイプのものは1〜10ミクロンが好ましい。
【0010】
なお保護層にも粘着層にも無機や有機の微細粉末を混入することができる。
使用される無機や有機の微細粉末としては、シリカに見られる無機系の微粉体のものからアクリルやポリスチレン等の有機系の微細粉体が使用できる。転写層のキレ等を考えれば、体質顔料の粒径のバラツキの少ないものを用いればより良い結果が得られる。
【0011】
粘着層に使用する塗剤の粘着力はJIS Z0237に基づく測定方法で200g/cm以下が良い。粘着力が上限を越えると紙ムケ等転写不良を起こす。粘着力が100〜200g/cmの時、最良の結果が得られる。保護層と粘着層の合計厚さは5〜30ミクロンが好ましい。保護層と粘着層の合計厚さが5ミクロン未満であると、製造が難しく又使用の際に着色力、隠蔽力や転写の際の作業性が劣り、30ミクロンを越えると転写の際の作業性が悪くなる。
また、40℃での保持力はJIS Z0237に基づく測定方法で、60分持てば良い結果を得ることが出来るが、40℃での保持力が60分で5mmの時、最良の結果が得られる。保持力が弱いと、キレが悪く転写不良が生じる。また保持力が弱いと、粘着力の安定性を欠き、特定の場所の除去に支障が出る。
【0012】
背面層に使用できる高分子素材としては、シリコーン樹脂等の縮合系の高分子やフッ素樹脂等があげられる。
離型層に使用できる素材としては、接着性を低下させるもの、例えばワックス類、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等があげられる。
【0013】
【作用】
本発明では、基材上に保護層・粘着層からなる転写層を形成しているため、狙い通り直線的に転写させる事が容易である。さらに基材上に離型層・保護層・粘着層を設けた場合は、さらに離型層が保護層・粘着層の基材に対する接着力を弱めるため、紙側に美しく転写させる事が出来る。
しかも、基材から離れて受け紙側に転写するため、任意の場所を即座に除去する事が可能である。
本発明の感圧転写媒体が良好な除去したい時に除去可能な特性を有する理由は、粘着層に使用する塗剤の粘着力がJIS Z0237に基づいた測定方法で200g/cm以下、好ましくは40℃での保持力が60分で0〜5mmという特性を持つ事により、転写層が容易に破壊できる為と考えられる。
そして、有機、無機微粉末を粘着層に混入しているため、転写テープの粘着性のキレが良くなり、良好な背面への転写防止の効果を得る意味で、有効である。
また、基材の片側に背面層を設けた場合は、感圧転写媒体をロール状に巻いた場合に置いても、背面層が粘着層の粘着を防御するため、テープ同士が互いにくっつくことがない
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
参考例
図1に示すように、基材として厚さ16ミクロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に下記の成分よりなる保護層塗剤を塗布、乾燥して、厚さ22ミクロンの保護層2を設けた。
保護層塗剤
エポキシ樹脂 18重量部
硬化剤 2重量部
シリカ 6重量部
金属セッケン 4重量部
蛍光顔料 18重量部
トルエン 26重量部
MEK(メチルエチルケトン) 26重量部
さらに、上記保護層上に、下記の成分よりなる粘着層塗剤を塗布、乾燥して厚さ4ミクロンの粘着層3を設けた。
粘着層塗剤
アクリル樹脂エマルジョン(固形分50%)65重量部
架橋剤 2重量部
水 33重量部
【0015】
これをカセットにセットして転写テスト(以後のテストも同様に行った)した所、意図するように線がひけると共に、消しゴムや指頭で擦っても綺麗に除去することが出来た。 また、感圧転写媒体の上に文字も書くことが出来、書いたものも消しゴムや指頭で擦って綺麗に除去することが出来た。
尚、この参考例における感圧転写媒体の粘着力は、20〜80g/cm、40℃での保持力は、60分で5mmであった。
【0016】
<比較例1>
参考例における粘着層に用いる高分子材料として粘着力のより高いアクリル系樹脂を用いた以外は、全く参考例と同様にして感圧転写媒体を製造した。
この感圧転写媒体の転写テストした所、意図するように線は引けるが、消しゴムや指頭で擦っても一部残って綺麗に取れなかった。
尚、この感圧転写媒体の粘着力は、約250g/cm、40℃での保持力は、60分で0mmであった。
【0017】
<比較例2>
参考例に於いて、保護層の塗布厚を35ミクロンにし、粘着層の塗布厚を5ミクロンにした以外は、参考例と同様の感圧転写媒体を作成したところ、着色力は有るが、ボロボロこぼれる状態の転写状況となった。
従ってこのことから、保護層と粘着層の合計厚さが30ミクロンを越えると、かえってきれいに線を引けないことが判明した。
【0018】
<比較例3>
参考例に於いて、保護層を2ミクロンにし、粘着層を2ミクロンにした以外は参考例と同様の感圧転写媒体を作ったところ、着色力が無く、粘着層が表面に出てきた。従って、保護層と粘着層の合計厚さは最低でも5ミクロン以上必要なことがわかる。
【0019】
<比較例4>
参考例における保護層の塗布厚を20ミクロンとし、粘着層において架橋剤を用いず、塗布厚を5ミクロンとした以外は参考例と同様にして感圧転写媒体を製造した。これを転写テストした所、意図するように線は引けるが、転写が完全でなかった。
尚、この感圧転写媒体の粘着力は、100g/cm、40℃での保持力は、60分で20mmであった。
従って、保持力が小さいと好ましい結果が得られないことが判明した
【0020】
実施例1>
基材として厚さ25ミクロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに下記成分よりなる保護層塗剤を塗布、乾燥して、厚さ1.5ミクロンの保護層を設けた。
保護層塗剤
セルロース系樹脂 28重量部
メチルアルコール 36重量部
MEK(メチルエチルケトン) 36重量部
さらに、上記保護層上に、下記の成分よりなる粘着層塗剤を塗布、乾燥して厚さ8ミクロンの粘着層を設けた。
粘着層塗剤
アクリル樹脂エマルジョン(固形分20%)18重量部
架橋剤 3重量部
水 74重量部
蛍光顔料 5重量部
【0021】
この感圧転写媒体を転写テストした所、意図するように転写出来ると共に、消しゴムや指頭で擦っても綺麗に除去することが出来た。
また、感圧転写媒体の上に字を書くことも出来、書いたものも消しゴムや指頭で擦って綺麗に除去することが出来た。
【0022】
実施例2>
基材として厚さ40ミクロンのPP(ポリプロピレン)フィルムの上に下記成分よりなる保護層塗剤を塗布、乾燥して厚さ1.5ミクロンの保護層を設けた。
保護層塗剤
アクリル系樹脂 28重量部
メチルアルコール 36重量部
MEK(メチルエチルケトン) 36重量部
さらに、上記保護層上に、下記の成分よりなる粘着層塗剤を塗布、乾燥して厚さ8ミクロンの粘着層を設けた。
粘着層塗剤
アクリル樹脂エマルジョン(固形分50%)31重量部
架橋剤 2重量部
水 63重量部
蛍光顔料 4重量部
【0023】
この感圧転写媒体の転写テストした所、意図するように線が引けると共に、消しゴムや指頭で擦って綺麗に除去することが出来た。
また、感圧転写媒体の上に字を書くことも出来、書いたものも消しゴムや指頭で擦って綺麗に除去することが出来た。
【0024】
実施例3>
基材として厚さ25ミクロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの上に下記成分よりなる保護層塗剤を塗布、乾燥して、厚さ5ミクロンの保護層を設けた。
保護層塗剤
アクリル系樹脂(固形分50%) 12重量部
有機顔料 15重量部
IPA/トルエン(1:1) 73重量部
さらに、上記保護層上に下記成分よりなる粘着層塗剤を塗布、乾燥して、厚さ3ミクロンの粘着層を設けた。
粘着層塗剤
アクリル樹脂エマルジョン(固形分50%)62重量部
架橋剤 3重量部
有機微細粉末 3重量部
水 32重量部
【0025】
このアンダーラインタイプの感圧転写媒体の転写テストした所、意図するように線が引けると共に、消しゴムや指頭で擦って綺麗に除去することが出来た。特に粘着層のキレが良かった。また、感圧転写媒体の上に字を書くことも出来、書いたものも消しゴムや指頭で擦って綺麗に除去することが出来た。
【0026】
実施例4>
基材として厚さ16ミクロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの上に下記成分よりなる保護層塗剤を塗布、乾燥して、厚さ3ミクロンの保護層を設けた。
保護層塗剤
アクリル系樹脂(固形分50%) 12重量部
有機顔料 8重量部
有機微細粉末 8重量部
IPA/トルエン(1:1) 72重量部
さらに、上記保護層上に、下記の成分よりなる粘着層塗剤を塗布、乾燥して、厚さ3ミクロンの粘着層を設けた。
粘着層塗剤
アクリル樹脂エマルジョン(固形分50%)62重量部
架橋剤 3重量部
有機微細粉末 3重量部
蛍光顔料 4重量部
水 32重量部
【0027】
このアンダーラインタイプの感圧転写媒体の転写テストした所、この実施例においても、綺麗に線が引けると共に、消しゴムや指頭で擦って綺麗に除去することが出来た。
また、感圧転写媒体の上に字を書くことも出来、書いたものも消しゴムや指頭で擦って綺麗に除去することが出来た。
0028
実施例5
図2に示すように、基材1として厚さ25ミクロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの上に下記成分よりなる背面層塗剤を塗布、乾燥して、塗布量が0.1g/m2 の背面層を設けた。
背面層塗剤
シリコン樹脂 100重量部
触媒 1重量部
密着向上剤 1重量部
上記総合計で、2重量部
トルエン・ヘキサン混合溶媒 98重量部
0029
上記背面層を設けた基材の反対側に下記の成分より成る離型層塗剤を塗布、乾燥して、塗布量0.5g/m2 の離型層を設けた。
離型層塗剤
特殊変性ワックス 1重量部
ブタノール・MEK(メチルエチルケトン)
・キシレン・トルエン混合溶媒 99重量部
さらに、上記離型層上に、下記成分よりなる保護層塗剤を塗布、乾燥して、塗布量が0.5g/m2 の保護層を設けた。
保護層塗剤
セルロース系樹脂 2重量部
ジアセトアルコール 49重量部
MEK(メチルエチルケトン) 49重量部
0030
上記保護層上に下記成分よりなる粘着層塗剤を塗布、乾燥して、厚さ7ミクロンの粘着層を設けた。
粘着層塗剤
アクリル樹脂エマルジョン(固形分52%)59重量部
架橋剤 2重量部
水 29重量部
蛍光顔料 10重量部
0031
この感圧転写媒体を転写テストした所、基材の一方に背面層が設けられているため、この感圧転写媒体をロール状に巻いても粘着層の粘着をうまく背面層で防御してくれるため、テープ同士がくっつくことがない。また、基材と保護層の間に離型層5を設けて、その離型層には接着力を減少させる素材を使用しているため、基材から保護層、粘着層が効率よく転写した。
0032
実施例6
基材として厚み10ミクロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの上に下記成分よりなる保護層塗剤を塗布、乾燥して厚さ5ミクロンの保護層を設けた。
保護層塗剤
ポリアミド樹脂 10重量部
有機顔料 15重量部
IPA/トルエン(1:1) 75重量部
さらに、上記保護層上に、下記の成分よりなる粘着層塗剤を塗布、乾燥して厚さ5ミクロンの粘着層を設けた。
粘着層塗剤
アクリル樹脂エマルジョン(固形分50%)63重量部
架橋剤 2重量部
無機微細粉末 2重量部
水 33重量部
0033
この暗記タイプの感圧転写媒体を転写テストした所、着色力が有り意図する所に巧く転写が出来ると共に、消しゴムや指頭で擦っても綺麗に除去することが出来る暗記用の感圧転写媒体を製造することが出来た。
0034
実施例7
基材として厚み25ミクロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの上に下記成分よりなる保護層塗剤を塗布、乾燥して厚さ5ミクロンの保護層を設けた。
保護層塗剤
ポリアミド樹脂 8重量部
有機顔料 17重量部
IPA/トルエン(1:1) 75重量部
さらに、上記保護層上に、下記の成分よりなる粘着層を塗布、乾燥して厚さ5ミクロンの粘着層を設けた。
粘着層塗剤
アクリル樹脂エマルジョン(固形分50%)62重量部
架橋剤 3重量部
有機微細粉末 3重量部
水 32重量部
0035
このアンダーラインタイプの感圧転写媒体を転写テストした所、着色力が有り意図する所に巧く転写が出来ると共に、消しゴムや指頭で擦っても綺麗に除去することが出来るアンダーライン用の感圧転写媒体を製造することが出来た。
【0036
以上説明したように、本発明にかかる感圧転写媒体は、蛍光用、暗記用、修正用、スクラッチ用を問わず、粘着層のキレが良く、綺麗に線が引けるとともに、指やコイン、消しゴム等で簡単に除去することが可能であることが判明した。
【0037
【発明の効果】
本発明に係る感圧転写媒体は、紙転写性、特に直線のラインが美しくしかも各テープが容易に除去可能であるため、使用範囲が飛躍的に拡大する。テープ使用後除去することで、容易に以前の状態が復元できるため、非常に使いやすい感圧転写媒体である。
又、感圧転写媒体の上に字を書くことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例を示す断面図である。
【図2】 本発明の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 保護層
3 粘着層
4 背面層
5 離型層

Claims (4)

  1. 基材上に保護層、粘着層を順次設けた感圧転写媒体に於いて、塗剤の粘着力がJIS Z0237に定める測定方法で200g/cm以下で有ると共に、40℃での保持力が60分で0〜5mmとされた前記粘着層に、蛍光染料を含む染料や顔料、無機・有機の微粉末、金属粉の少なくとも1つ以上を含有させたことを特徴とする感圧転写媒体。
  2. 保護層に蛍光顔料を含む染料や顔料、無機・有機の微粉末、金属粉の少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載の感圧転写媒体。
  3. 基材の片側に背面層を設け、残る一方の基材上に離型層、保護層、粘着層を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の感圧転写媒体。
  4. 基材上に設けた保護層と粘着層の合計厚さが、5〜30ミクロンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感圧転写媒体。
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