JP7332446B2 - 金色装飾品及び金色装飾品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材上に乾式メッキ法によって成膜された硬質層を有する金色装飾品及びその製造方法に関する。
従来、時計ケース、時計バンド等の時計外装部品やメガネフレーム、指輪、ネックレス等の装飾品には高い装飾性が要求される。特に、ローズゴールド色系の金色は市場の需要が高く、乾式メッキ法によって基材上に金合金膜を成膜したものが用いられている。
さらに、近年では、製品の高付加価値化が進み、単に装飾性を有するというだけでなく、耐打痕性、耐傷性といった機能性を有する装飾被膜の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1に開示された装飾部品は、装飾被膜に多層積層構造の硬化層を形成することで、高硬度、高耐傷性であり、かつ高耐蝕性である金色色調の装飾部品が達成されると記載されている。
特許文献2に開示された時計用部品及び時計では、被膜を、その組成が傾斜的に変化する材料で構成することで、被膜と基材との密着性を優れたものとし、時計用部品及び時計の耐久性を向上させることができると記載されている。
特開2008-240061号公報(第4-19頁、図1) 特開2018-163086号公報(第10-17頁、図1)
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された方法では、ローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品を得ることができない。
本発明の目的は、ローズゴールド色系の金色の外観を有し、長期間使用しても美的外観を維持できる金色装飾品を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の金色装飾品は、基材上に乾式メッキ法によって成膜された金合金層を有する金色装飾品であって、 基材上に形成されたTiを含む密着層と、密着層上に形成されたTi、C及びNを含む硬質層と、硬質層上に形成されたAu及びPdを含む金合金層の発色層と、を有し、硬質層は、膜厚が0.50μm~1.20μmであり、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が密着層から離れるにしたがって増加する領域を備え、発色層は、膜厚が0.01μm~0.05μmであることを特徴とする。
金色装飾品は、L*a*b*表色系による色評価がL*≧80.0、2.0≦a*≦6.0、13.0≦b*≦20.0の範囲であることを特徴とする。
発色層は、Auが94.9原子%~97.7原子%、Pdが2.3原子%~5.1原子%の量を含有していることを特徴とする。
発色層は、硬質層上に形成されたAu、Pd、Ti、C及びNを含む第一の発色層と、記第一の発色層上に形成されたAu及びPdを含む第二の発色層と、を有することを特徴とする。
第一の発色層は、Auが23.1原子%~76.8原子%、Pdが1.6原子%~2.4原子%、Tiが11.5原子%~37.2原子%、Cが0.5原子%~10.5原子%、Nが9.5原子%~35.6原子%の量を含有し、第二の発色層は、Auが94.9原子%~97.7原子%、Pdが2.3原子%~5.1原子%の量を含有していることを特徴とする。
硬質層は、基材側とは反対側の表面において、Tiが43.0原子%~54.3原子%、Cが1.4原子%~13.6原子%、Nが40.1原子%~44.3原子%の量を含有していることを特徴とする。
硬質層は、基材側とは反対側の表面において、L*a*b*表色系による色評価が77.48≦L*≦79.58、0.12≦a*≦0.96、16.06≦b*≦20.27の範囲であることを特徴とする。
硬質層は、密着層上に形成されたTi及びNを含む第一の硬質層と、第一の硬質層上に形成されたTi、C及びNを含む第二の硬質層と、を有し、第一の硬質層は、Nの含有量が密着層から離れるにしたがって増加する領域を備え、第二の硬質層は、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が密着層から離れるにしたがって増加する領域を含むことを特徴とする。
第二の硬質層は、基材側とは反対側の表面において、Tiが43.0原子%~54.3原子%、Cが1.4原子%~13.6原子%、Nが40.1原子%~44.3原子%の量を含有していることを特徴とする。
第一の硬質層の基材側とは反対側の表面におけるNの含有量と、第二の硬質層の基材側の表面におけるNの含有量とが同じ値であることを特徴とする。
本発明の金色装飾品の製造方法は、基材上にTiを含む密着層を形成する密着層形成工程と、密着層上にTi、C及びNを含み、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が密着層から離れるにしたがって増加する領域を含み、膜厚が0.50μm~1.20μmである硬質層を形成する硬質層形成工程と、硬質層上にAu及びPdを含み、膜厚が0.01μm~0.05μmである発色層を形成する発色層形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ローズゴールド色系の金色の外観を有し、長期間使用しても美的外観を維持できる金色装飾品を提供することができる。
本発明の実施例1で得られる金色装飾品を示す断面図である。 本発明の実施例2で得られる金色装飾品を示す断面図である。 本発明の実施例3で得られる金色装飾品を示す断面図である。 本発明の実施例1における製造方法を示す工程図である。 実施例1で得られた金色装飾品の評価した結果を示す図である。 実施例1で得られた金色装飾品の評価した結果を示す図である。 実施例2で得られた金色装飾品の評価した結果を示す図である。 実施例2で得られた金色装飾品を評価した結果を示す図である。 本発明の金色装飾品を説明するための図である。 本発明の金色装飾品を説明するための図である。 実施例3で得られた金色装飾品の評価した結果を示す図である。 実施例3で得られた金色装飾品の評価した結果を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳述する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の思想を具体化するための金色装飾品を例示するものであって、本発明を以下の構成に限定しない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。以下の説明において、同一部品、同一構成要素には同一の名称、符号を付し詳細説明を適宜省略することがある。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における金色装飾品の構成を断面図で示したものである。
本実施例に係る金色装飾品10は、基材上に乾式メッキ法によって成膜された金合金層を有する金色装飾品であって、基材1表面に形成されたTiを含む密着層2と、密着層2上に形成されたTi、C及びNを含む硬質層3と、硬質層3上に形成されたAu及びPdを含む発色層4と、を備える構造となっている。
また、本実施例に係る金色装飾品10はローズゴールド色系の外観を有する。なお、金色装飾品10の表面におけるL*a*b*表色系による色評価が、L*≧80.0、2.0≦a*≦6.0、13.0≦b*≦20.0の範囲である場合には、より好ましいローズゴールド色系の金色の外観を得ることができる。
[基材]
基材1は、金属、セラミックスから形成される。金属として、具体的にはステンレス鋼、Ti、Ti合金、Cu、Cu合金、W又は硬質化処理したステンレス鋼、Ti、Ti合金などが挙げられ、これらの金属は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、上記基材1の形状については限定されない。
[密着層]
密着層2は、基材1上にTiを約0.05μm~1μmの膜厚で形成することにより形成される。これにより、基材1と硬質層3の密着性が向上し、硬質層3の剥離を防ぎ、Ti、C及びNを含むような硬質層が通常密着しにくい、例えばセラミックのような材料の上にも、硬質層を形成できるようになり、様々な材質の材料を基材1として使用することができるようになる。なお、基材1がTi又はTi合金から形成される場合には、密着層2を形成しなくても基材1と硬質層3とが密着するため、密着層2を形成しなくてもよい。
また、密着層2はTiを含んでいればよいが、Ti以外に少なくともC又はNのいずれか1つの元素を含んでいる場合には、基材1上に形成された被膜を簡便に除去することができる。すなわち、例えば硝酸、希硝酸又はフッ硝酸などの、基材1の表面を荒らさない溶液に金色装飾品10を所定の時間浸漬することで、密着層2が溶液に溶解し、密着層2上の被膜がリフトオフされるため、基材1の表面を荒らすことなく、基材1上に形成された被膜を除去することができる。
なお、膜厚は、蛍光X線膜厚計SFT9400(SII製)を用いて測定を行った。
[硬質層]
硬質層3は、密着層2上に形成されたTi、C及びNを含む層であり、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が、密着層2から離れるにしたがって増加する領域を含む。このようにすることで、密着層2と硬質層3の密着性が向上するとともに、硬質層3の膜中の残留応力が緩和し、膜の剥離やクラックの発生を防止することができる。
CやNの含有量を増加させる態様としては、例えば図9(A)ように直線的に増加させる態様や、図9(B)のように曲線的に増加させる態様や、図9(C)のように階段状に不連続して増加させる態様がある。また、基材から離れるにしたがってCやNの含有量が減少する領域を含んでいてもよい。
なお、硬質層3の、CやNの含有量が、密着層2から離れるにしたがって直線的又は曲線的に連続して増加する場合や、階段状に不連続して増加する場合には、後述の製造方法に従い硬質層3を形成する際に、CH4ガスやN2ガスの導入量を、連続的に又は不連続的に増加させることで硬質層3を形成する事ができるため、簡便な成膜工程で、本実施例に係る金色装飾品10を得ることができる。
また、硬質層3は、基材1側とは反対側の表面において、Tiが43.0原子%~54.3原子%、Cが1.4原子%~13.6原子%、Nが40.1原子%~44.3原子%の量を含有するため、優れた耐傷性及び耐摩耗性を備える。
図5に、本発明を適用して作成した実施例1-1~実施例1-4と、硬質層3の膜厚を変えて作成した比較例1-1~比較例1-2の、ビッカース硬さ、耐傷性及び耐摩耗性の評価結果を示す。
比較例1-1~1-2では、硬質層3の膜厚が薄いため、ビッカース硬さが1000未満であり、耐傷性が低く、傷が付きやすい。一方、実施例1-1~実施例1-4では、硬質層3の膜厚が0.50μm以上であるため、ビッカース硬さが1000以上であり、優れた耐傷性を有する金色装飾品10を得ることができる。また、硬質層3の膜厚が0.60μm以上である場合には、ビッカース硬さが1500以上であり、さらに優れた耐傷性を有する金色装飾品10を得ることができる。なお、硬質層3の厚みが過度に厚い場合には、Tiの使用量の増加、製造時間の増加、残有応力の増加によるクラックの発生などの問題が懸念されるため、硬質層3の厚みは1.2μm以下であることが好ましい。
なお、ビッカース硬さは、微小押込み硬さ試験機(FISCHER製、HM2000XYp)を使用し、試料表面に対してビッカース圧子を5mNで荷重し、10秒間保持した後に除荷を行い、挿入されたビッカース圧子の深さからビッカース硬さを算出することで測定を行った。
また、耐傷性は、日常生活で想定される比較的強い摩擦に対する、金色装飾品の傷付き難さを表す特性である。砂消しゴムの未使用面を、金色装飾品の表面に、所定の荷重で押し当て、当該未使用面を所定のストロークで所定の回数擦り付け、その後、当該の表面に形成された傷の程度を目視で観察し評価した。傷が目立つ場合は「×」で示し、傷が目立たない場合は「○」で示し、傷がさらに目立たない場合は「◎」で示した。
また、耐摩耗性は、日常生活で想定される比較的弱い摩擦に対する、金色装飾品の摩耗し難さを表す特性である。金色装飾品の表面を綿布で所定の回数擦り、その後、当該の表面に形成された傷の程度を目視で観察し評価した。傷が目立つ場合は「×」で示し、傷が目立たない場合は「〇」で示し、傷がさらに目立たない場合は「◎」で示し、ほぼ傷が付
かない場合は「◎*」で示した。
なお、各原子の含有量は原子百分率(原子%)で表し、X線光電子分光装置Nexsa(Thermo Fisher Scientific製)を用いて測定した。
硬質層3の基材1側とは反対側の表面におけるL*a*b*表色系による色評価が、77.48≦L*≦79.58、0.12≦a*≦0.96、16.06≦b*≦20.27の範囲である場合には、ローズゴールド色系の金色に近い色調の硬質層3を形成することができる。その場合、発色層4が仮に摩耗により欠損し、硬質層3の一部が露出しても、硬質層3の色調が発色層4の色調に近い金色であるため、欠損部分の判別が付かず、違和感が少なくなる。
色評価は、分光測色計(KONICA MINOLTA製、CM-2600d)を用い、L*a*b*色度図によるL*a*b*の値に基づき行った。測定ソフトウェアとしてSpectra Magic NXを用い、測定光源としてCIE標準光源D65を用い、視野角は2°とし、正反射光処理はSCI方式に設定した。
[発色層]
発色層4は、硬質層3の上に形成される金合金層であり、ローズゴールド色系の外観を有する。
発色層4が、Auが94.9原子%~97.7原子%、Pdが2.3原子%~5.1原子%の量を含有する場合には、長期間の使用による腐食又は変色を抑制することができる。
図6に、本発明を適用して作成した実施例1-5~実施例1-9のL*、ビッカース硬さ、耐傷性及び耐摩耗性の評価結果を示す。
発色層4の膜厚を増加させた場合、L*の値が増加し装飾性は高まるが、耐傷性及び耐摩耗性は低下する。逆に、発色層4の膜厚を減少させた場合には、耐傷性及び耐摩耗性は向上するが、L*の値は低下し装飾性が低下する。
なお、発色層4の厚みが0.01μm未満である場合には、発色層の外観がまだら状になる恐れがある。よって、発色層4の厚みは0.01μm以上であることが好ましい。また、発色層4の厚みが過度に厚い場合には、耐傷性及び耐摩耗性が低下するだけでなく、貴金属の使用量の増加、製造コストの増加などの様々な問題が懸念される。よって、発色層4の厚みは0.05μm以下であることが好ましい。
実施例1-5~実施例1-9に示すように、発色層4の膜厚が0.01μm~0.05μmである場合には、L*の値が83以上であるため、装飾性に優れ、かつ、耐傷性、耐摩耗性が好ましいローズ色系の金色装飾品10を得ることができる。
また、実施例1-6~実施例1-8に示すように、発色層4の膜厚が0.02μm~0.04μmである場合には、L*の値が84以上であるため、さらに装飾性に優れ、かつ、耐傷性、耐摩耗性がより好ましいローズ色系の金色装飾品10を得ることができる。
以上の説明の通り、本発明の金色装飾品10は、基材1上に形成されたTiを含む密着層2と、密着層2上に形成されたTi、C及びNを含む硬質層3と、硬質層3上に形成されたTi及びPdを含む発色層4とを有し、硬質層3は、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が膜厚方向に増加する領域を備え、基材1側とは反対側の表面において、T
iが43.0原子%~54.3原子%、Cが1.4原子%~13.6原子%、Nが40.1原子%~44.3原子%の量を含有しており、発色層4は、Auが94.9原子%~97.7原子%、Pdが2.3原子%~5.1原子%の量を含有しており、優れた耐打痕性及び耐傷性を備え、長期間使用しても腐食による変色がない、ローズゴールド色系の外観を有する、長期間使用しても美的外観を維持できる金色装飾品である。
また、本発明の金色装飾品10は、硬質層3の膜厚が0.50μm~1.20μmであり、発色層4の膜厚が0.01μm~0.05μmであり、優れた耐傷性及び耐摩耗性を備え、ローズゴールド色系の金色の外観を有する、長期間使用しても美的外観を維持できる金色装飾品である。
さらに、本発明の金色装飾品10は、硬質層3の基材1側とは反対側の表面におけるL*a*b*表色系による色評価が、77.48≦L*≦79.58、0.12≦a*≦0.96、16.06≦b*≦20.27の範囲であるため、ローズゴールド色系に近い外観を有し、仮に発色層4が摩耗により欠損し、硬質層3の一部が露出しても、硬質層3の色調が発色層4の色調に近いため目立ちにくく、長期間使用しても美的外観を維持できる金色装飾品である。
(実施例2)
図2は、本発明の実施例2における金色装飾品の構成を断面図で示したものである。
本実施例に係る金色装飾品20は、基材上に乾式メッキ法によって成膜された金合金層を有する金色装飾品であって、基材1表面に形成されたTiを含む密着層2と、密着層2上に形成されたTi、C及びNを含む硬質層3と、硬質層3上に形成されたAu、Pd、Ti、C及びNを含む第一の発色層5と、第一の発色層5の上に形成されたAu及びPdを含む第二の発色層6と、を有する構造となっている。なお、実施例1と同様の構成については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
また、本実施例に係る金色装飾品20はローズゴールド色系の外観を有する。なお、金色装飾品20の表面におけるL*a*b*表色系による色評価が、L*≧80.0、2.0≦a*≦6.0、13.0≦b*≦20.0の範囲である場合には、より好ましいローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品を得ることができる。
[第一の発色層]
第一の発色層5は、硬質層3上に形成されたAu、Pd、Ti、C及びNを含む金合金層である。
第一の発色層5を有することにより、硬質層3と第二の発色層6との間の密着性が向上し、また、第一の発色層5のAu、Pd、Ti、C及びNの含有比率を変えることで、金色装飾品20の色調を調整することができる。
なお、第一の発色層5が、Auが23.1原子%~76.8原子%、Pdが1.6原子%~2.4原子%、Tiが11.5原子%~37.2原子%、Cが0.5原子%~10.5原子%、Nが9.5原子%~35.6原子%、の量を含有する場合には、硬質層3と第二の発色層6との間の密着性を向上させるとともに、硬質層3から第二の発色層6にかけて、段階的に膜の色調が変化するため、好ましいローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品20を得ることができる。
[第二の発色層]
第二の発色層6は、第一の発色層5の上に形成されたAu及びPdを含む金合金層であ
り、ローズゴールド色系の外観を有する。
第二の発色層6が、Auが94.9原子%~97.7原子%、Pdが2.3原子%~5.1原子%の量を含有する場合には、長期間の使用による腐食や変色を抑制することができる。
第一の発色層5の膜厚と第二の発色層6の膜厚とを合計した値(合計値)が0.01μm未満である場合、まだら状の外観になるおそれがある。よって、当該合計値は0.01μm以上であることが好ましい。当該合計値が過度に厚い場合には、耐傷性及び耐摩耗性が低下するだけでなく、貴金属の使用量の増加、製造コストの増加などの様々な問題が懸念される。よって、当該合計値は0.05μm以下であることが好ましい。
図7に、本発明を適用して作成した実施例2-1~実施例2-5の、L*、ビッカース硬さ、耐傷性及び耐摩耗性の評価結果を示す。
第一の発色層5の膜厚の、第一の発色層5の膜厚と第二の発色層6の膜厚との合計値に対する割合を例えば30%にし、当該合計値を増加させた場合、L*の値が増加するため装飾性は高まるが、耐傷性及び耐摩耗性は低下する。また、当該合計値を減少させた場合には、耐傷性及び耐摩耗性は向上するが、L*の値が低下するため装飾性は低下する。
当該合計値が0.01μm~0.05μmである場合には、L*の値が83以上であるため、装飾性に優れ、かつ耐傷性及び耐摩耗性に優れた、ローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品20を得ることができる。
また、実施例2-3~実施例2-4に示すように、当該合計値が0.02μm~0.04μmである場合には、L*の値が84以上であるため、さらに装飾性に優れ、かつ、耐傷性及び耐摩耗性がさらに優れた、ローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品20を得ることができる。
図8に、本発明を適用して作成した実施例2-6~実施例2-10の、L*、ビッカース硬さ、耐傷性及び耐摩耗性の評価結果を示す。
第一の発色層5と第二の発色層6とを合わせた領域のうち第一の発色層5が占める割合を増加させた場合、耐摩耗性は向上するが、L*の値が低下するため装飾性は低下する。また、第一の発色層5が占める割合を減少させた場合には、L*の値が増加するため装飾性は高まるが、耐摩耗性は低下する。
なお、第一の発色層5が占める割合が17%~67%の場合には、L*の値が83以上であるため、装飾性に優れ、かつ、耐傷性、耐摩耗性に優れた、ローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品20を得ることができる。
また、第一の発色層5が占める割合が17%~50%の場合には、L*の値が84以上であるため、さらに装飾性に優れ、かつ、耐摩耗性に優れた、ローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品20を得ることができる。
なお、本実施例では、硬質層3上に第一の発色層5と第二の発色層6の合計2層を形成した例を記載したが、これらの層に加えて他の層を形成し、例えば、合計3層や合計4層と増やしてもよい。すなわち、発色層として少なくとも第一の発色層と第二の発色層とを有すればよい。
また、第一の発色層5から第二の発色層6にかけて、組成を傾斜的に変化させてもよい。そうすることで、さらに好ましい外観を有し、耐傷性、耐摩耗性に優れた金色装飾品20を得ることができる。しかし、成膜工程が複雑になってしまうため、発色層の膜構造は金色装飾品20の用途や使用する成膜装置に合わせ適宜決定するのがよい。
また、本実施例では、硬質層3上に第一の発色層5を形成した例を記載したが、後述する第二の硬質層8上に、第一の発色層5を形成してもよい。
以上の説明の通り、本実施例に係る金色装飾品20は、硬質層3上に形成された第一の発色層5と、第一の発色層5の上に形成された第二の発色層6と、を有するため、硬質層3と第二の発色層6との間の密着性に優れ、また、硬質層3から第二の発色層6にかけて、段階的に膜の色調が変化するため、長期間使用しても美的外観を維持できる、ローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品である。
(実施例3)
図3は、実施例3における金色装飾品30の構成を断面図で示したものである。
本実施例に係る金色装飾品30は、基材上に乾式メッキ法によって成膜された金合金層を有する金色装飾品であって、基材1表面に形成されたTiを含む密着層2と、密着層2上に形成されたTi及びNを含む第一の硬質層7と、第一の硬質層7上に形成されたTi、C及びNを含む第二の硬質層8と、第二の硬質層8上に形成されたAu、Pd、Ti、C及びNを含む金合金層である第一の発色層5と、第一の発色層5の上に形成されたAu及びPdを含む金合金層である第二の発色層6と、を有する構造となっている。なお、実施例1又は実施例2と同様の構成については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
また、本実施例に係る金色装飾品30はローズゴールド色系の外観を有する。なお、金色装飾品30の表面におけるL*a*b*表色系による色評価が、L*≧80.0、2.0≦a*≦6.0、13.0≦b*≦20.0の範囲である場合には、より好ましいローズゴールド色系の金色の外観を得ることができる。
[第一の硬質層]
第一の硬質層7は、密着層2上に形成されたTi及びNを含む層であり、Nの含有量が、密着層2から離れるにしたがって増加する領域を含む。このようにすることで、密着層2と第二の硬質層8との間の密着性が向上するとともに、膜の残留応力が緩和し、クラックの発生を防止することができる。
Nの含有量を増加させる態様には、例えば、図10(A)ように直線的に増加させる態様や、図10(B)のように曲線的に増加させる態様や、図10(C)のように階段状に不連続して増加させる態様がある。また、基材から離れるにしたがってNの含有量が減少する領域を含んでいてもよい。
なお、第一の硬質層7のNの含有量が、密着層2から離れるにしたがって直線的又は曲線的に連続して増加する場合や、階段状に不連続して増加する場合には、後述の製造方法に従い第一の硬質層7を形成する際に、N2ガスの導入量を、連続的に又は不連続的に増加させることで第一の硬質層7を形成する事ができるため、簡便な成膜工程で、本実施例に係る金色装飾品30を得ることができる。
[第二の硬質層]
第二の硬質層8は、第一の硬質層7上に形成されたTi、C及びNを含む層であり、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が第一の硬質層7から離れるにしたがって増加
する領域を含む。このようにすることで、膜の残留応力が緩和し、クラックの発生を防止するとともに、第二の硬質層8の基材1側とは反対側の表面を所望の色調にすることができる。
特に、第二の硬質層8の基材1側とは反対側の表面におけるL*a*b*表色系による色評価が、77.48≦L*≦79.58、0.12≦a*≦0.96、16.06≦b*≦20.27の範囲である場合には、ローズゴールド色系の金色に近い色調の第二の硬質層8を形成することができる。そうすることで、仮に第一の発色層5及び第二の発色層6が、摩耗により欠損し、第二の硬質層8の一部が露出しても、第二の硬質層8の色調が第二の発色層6の色調に近い金色であるため、欠損部分の判別が付かず、違和感が少なくなる。
第二の硬質層8が、基材1側とは反対側の表面において、Tiが43.0原子%~54.3原子%、Cが1.4原子%~13.6原子%、Nが40.1原子%~44.3原子%の量を含有する場合には、優れた耐傷性及び耐摩耗性を備える。
なお、第一の硬質層7の基材1側とは反対側の表面におけるNの含有量と、第二の硬質層8の基材1側の表面におけるNの含有量とが同じ値である場合は、さらに第一の硬質層7と第二の硬質層8との密着性が向上し、膜の剥離を防止することができる。
CやNの含有量を増加させる態様には、例えば図10(A)ように直線的に増加させる態様や、図10(B)のように曲線的に増加させる態様や、図10(C)のように階段状に不連続して増加させる態様がある。また、基材から離れるにしたがってCやNの含有量が減少する領域を含んでいてもよい。
なお、第二の硬質層8の、CやNの含有量が、密着層2から離れるにしたがって直線的又は曲線的に連続して増加する場合や、階段状に不連続して増加する場合には、後述の製造方法に従い第二の硬質層8を形成する際に、CH4やN2ガスの導入量を、連続的に又は不連続的に増加させることで第二の硬質層8を形成する事ができるため、簡便な成膜工程で、本実施例に係る金色装飾品30を得ることができる。
図11に、本発明を適用して作成した実施例3-1~実施例3-4と、第一の硬質層7の膜厚と第二の硬質層8の膜厚との合計値を変えて作成した比較例3-1~比較例3-2の、ビッカース硬さ、耐傷性及び耐摩耗性の評価結果を示す。
比較例3-1~3-2では、第一の硬質層7の膜厚と第二の硬質層8の膜厚との合計値が小さいため、ビッカース硬さが1000未満であり、耐傷性が低く、傷が付きやすい。一方、実施例3-1~実施例3-4では、当該合計値が0.50μm以上であるため、ビッカース硬さが1000以上であり、優れた耐傷性を有する金色装飾品30を得ることができる。また、当該合計値が0.60μm以上である場合には、ビッカース硬さが1500以上であり、さらに優れた耐傷性を有する金色装飾品30を得ることができる。なお、当該合計値が過度に大きい場合には、クラックの発生、面品質の低下といった様々な問題が懸念されるだけでなく、Tiの使用量の増加、製造時間の増加といった製造上の問題も生じる。よって、当該合計値は1.2μm以下であることが好ましい。
図12に、本発明を適用して作成した実施例3-5~実施例3-9の、ビッカース硬さ、耐傷性、耐摩耗性及び密着性の評価結果を示す。
第一の硬質層7と第二の硬質層8とを合わせた領域のうち第一の硬質層7が占める割合を増加させた場合、密着性は向上するが、耐傷性が低下する場合や、第二の硬化層8の基
材1側とは反対側の表面の色調が第一の硬化層7の色調に影響され、望む色調が得られない場合が有る。
第一の硬質層7が占める割合が20%~80%の場合には、密着性に優れ、かつ、耐傷性及び耐摩耗性に優れた金色装飾品30を得ることができる。また、第一の硬質層7が占める割合が40%~60%の場合には、さらに密着性に優れ、かつ、耐傷性がより優れた金色装飾品30を得ることができる。
なお、本実施例では、密着層2と第一の発色層5との間に、第一の硬質層7と第二の硬質層8を形成した例を記載したが、密着層2と、実施例1に記載した発色層3との間に形成してもよい。
また、密着層2と第一の発色層5との間に、第一の硬質層7と第二の硬質層8の合計2層を形成した例を記載したが、これらの層に加えて他の層を形成し、例えば、合計3層や合計4層としてもよい。すなわち、硬質層として少なくとも第一の硬質層と第二の硬質層とを有すればよい。但し、層数が増加すれば、成膜工程が複雑になってしまうため、発色層の膜構造は金色装飾品30の用途や使用する成膜装置に合わせ適宜決定するのがよい。
以上の説明の通り、本実施例に係る金色装飾品30は、基材1表面に形成されたTiを含む密着層2と、密着層2上に形成されたTi及びNを含む第一の硬質層7と、第一の硬質層7上に形成されたTi、C及びNを含む第二の硬質層8と、第二の硬質層8上に形成されたAu、Pd、Ti、C及びNを含む第一の発色層5と、第一の発色層5の上に形成されたAu及びPdを含む第二の発色層6を含む第二の発色層6と、を有する構造となっているため、密着層2と第二の硬質層8との間の密着性及び第一の硬質層7と第一の発色層5との間の密着性に優れ、また、第二の硬質層8から第二の発色層6にかけて段階的に色調が変化するため、長期間使用しても美的外観を維持できる、ローズゴールド色系の金色の外観を有する金色装飾品である。
(金色装飾品の製造方法)
次に、実施例1に基づいた金色装飾品の製造方法を、図4の工程図を用いて説明する。
実施例1の金色装飾品の製造方法は、準備工程S1と、密着層成膜工程S2と、硬質層成膜工程S3と、発色層成膜工程S4と、を有する。
[準備工程]
準備工程S1は、成膜の準備を行う工程である。
真空装置のチャンバ内へ蒸発材料として、Tiを主に含む蒸発材料(Tiソース)と、Au及びPdを主に含む合金蒸発材料(AuPdソース)と、をそれぞれ別の坩堝に入れ、基材1をホルダに取り付け、真空装置のチャンバ内の圧力が約3.0×10-3Pa~5.0×10-3Paになるまで排気する。
チャンバ内の圧力が約3.0×10-3Pa~5.0×10-3Paになるまで排気することにより、成膜工程での残留ガスによる色調への影響を少なくすることができる。さらに減圧すると、残留ガスは更に減少するが、それ以上減圧しても色調への影響はほぼ見られない。
[密着層成膜工程]
密着層成膜工程S2は、基材1上に密着層2を成膜する工程である。
Arガスを約25cc/minの流量で真空装置のチャンバ内へ導入し、基材1にカソード電圧を10V印加した後、Tiソースに電子ビームを照射して蒸発させて、圧力を約0.2Paに維持しながら、約5分間イオンプレーティングを行うことで、密着層2が形成される。
成膜中の圧力は、成膜中のプラズマ密度と蒸発材料の蒸発量を安定させるために、プラズマを十分維持できる約0.01~0.1Paの範囲で一定になるように制御することが好ましい。
また、成膜中のカソード電圧は、10Vより低く設定すると、十分な密着性、耐摩耗性、色調を得られなくなり、30Vより高く設定すると更に密着性を高めることはできるが、異常放電が発生しやすくなるため、十分な密着性を確保できる10V~30Vの範囲に設定しておくことが好ましい。
[硬質層成膜工程]
硬質層成膜工程S3は、密着層2上に硬質層3を成膜する工程である。
密着層成膜工程S2後に、Tiソースへの電子ビームの照射を維持したまま、真空装置のチャンバ内へ、Arガスを約50cc/min、CH4ガスを約5cc/minの流量で導入し、また、N2ガスを約80分で約85cc/minのまで到達するように、約10cc/minから85cc/minまで流量を増加させながら導入し、約80分間イオンプレーティングを行うことで、硬質膜3を形成する。
なお、実施例3のように、密着層2上に第一の硬質層7を形成し、第一の硬質層7上に第二の硬質層8を形成する場合には、硬質層成膜工程S3に代えて、次の工程に従い第一の硬質層7及び第二の硬質層8を形成する。
すなわち、密着層成膜工程S2の後、Tiソースへの電子ビームの照射を維持したまま、真空装置のチャンバ内へ、Arガスを約50cc/minの流量で導入し、また、N2ガスを約10cc/minから約60cc/minまで流量を増加させながら導入し、約50分間イオンプレーティングを行うことで、第一の硬質層7を形成する。
その後、Tiソースへの電子ビームの照射を維持したまま、真空装置のチャンバ内へ、Arガスを約50cc/minの流量で導入し、CH4ガスを約5cc/minの流量で導入し、また、N2ガスを約30分で約85cc/minのまで到達するように、約70cc/minの流量から増加させながら導入し、約30分間イオンプレーティングを行うことで、第二の硬質層8を形成する。
なお、上記の工程においては、成膜作業の単純化のため、CH4ガスの流量を一定にしたが、連続的に又は不連続的にCH4の流量を増加さることで、膜中の残留応力が緩和される。
なお、CH4ガス又はN2ガスの流量を増加させる際は、急激に増加させず、徐々に増加させるほうが、膜中の残留応力がさらに緩和される。
[発色層成膜工程]
発色層成膜工程S4は、硬質層3上に発色層4を成膜する工程である。
硬質層成膜工程S3後、Tiソースへの電子ビームの照射を停止し、AuPdソースに電子ビームを照射して蒸発させながら、Arガスを約280cc/minの流量で真空チ
ャンバ内へ導入し、約1分間イオンプレーティングを行うことで、発色層4を形成する。
なお、実施例2のように、硬質層3上に第一の発色層5を形成し、第一の発色層5上に第二の発色層6を形成する場合は、発色層成膜工程S4に代えて、次の工程に従い第一の発色層5及び第二の発色層6を形成する。
すなわち、硬質層成膜工程S3で硬質層3を成膜した後、Tiソースへの電子ビームの照射を維持し、さらにAuPdソースに電子ビームを照射して蒸発させながら、Arガスを約80cc/minの流量で、CH4ガスを約30cc/minの流量で、N2ガスを約250cc/minの流量で真空チャンバ内に導入し、約20秒間イオンプレーティングを行うことで、第一の発色層5を形成する。
その後、Tiソースへの電子ビーム照射を停止し、AuPdソースへの電子ビーム照射を維持したまま、Arガスを約280cc/minの流量で真空チャンバ内へ導入し、約40秒間イオンプレーティングを行うことで、第二の発色層6を形成する。
以上、本発明の工程によれば、簡便な成膜方法により、長期間使用しても美的外観を維持できるローズゴールド系の金色装飾品を得ることができる。
1 基材
2 密着層
3 硬質層
4 発色層
5 第一の発色層
6 第二の発色層
7 第一の硬質層
8 第二の硬質層
10、20、30 金色装飾品

Claims (9)

  1. 基材上に乾式メッキ法によって成膜された金合金層を有する金色装飾品であって、
    前記基材上に形成されたTiを含む密着層と、
    前記密着層上に形成されたTi、C及びNを含む硬質層と、
    前記硬質層上に形成されたAu及びPdを含む前記金合金層の発色層と、を有し、
    前記硬質層は、膜厚が0.50μm~1.20μmであり、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が前記密着層から離れるにしたがって増加する領域を備え、
    前記発色層は、膜厚が0.01μm~0.05μmであり、前記硬質層上に形成されたAu、Pd、Ti、C及びNを含む第一の発色層と、前記第一の発色層上に形成されたAu及びPdを含む第二の発色層と、を有する
    ことを特徴とする金色装飾品。
  2. 前記第一の発色層は、Auが23.1原子%~76.8原子%、Pdが1.6原子%~2.4原子%、Tiが11.5原子%~37.2原子%、Cが0.5原子%~10.5原子%、Nが9.5原子%~35.6原子%の量を含有し、
    前記第二の発色層は、Auが94.9原子%~97.7原子%、Pdが2.3原子%~5.1原子%の量を含有している
    ことを特徴とする請求項に記載の金色装飾品。
  3. 基材上に乾式メッキ法によって成膜された金合金層を有する金色装飾品であって、
    前記基材上に形成されたTiを含む密着層と、
    前記密着層上に形成されたTi、C及びNを含む硬質層と、
    前記硬質層上に形成されたAu及びPdを含む前記金合金層の発色層と、を有し、
    前記硬質層は、膜厚が0.50μm~1.20μmであり、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が前記密着層から離れるにしたがって増加する領域を備え、
    前記発色層は、膜厚が0.01μm~0.05μmであり、
    前記硬質層は、前記基材側とは反対側の表面において、Tiが43.0原子%~54.3原子%、Cが1.4原子%~13.6原子%、Nが40.1原子%~44.3原子%の量を含有している
    ことを特徴とする金色装飾品。
  4. 基材上に乾式メッキ法によって成膜された金合金層を有する金色装飾品であって、
    前記基材上に形成されたTiを含む密着層と、
    前記密着層上に形成されたTi、C及びNを含む硬質層と、
    前記硬質層上に形成されたAu及びPdを含む前記金合金層の発色層と、を有し、
    前記硬質層は、膜厚が0.50μm~1.20μmであり、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が前記密着層から離れるにしたがって増加する領域を備え、
    前記発色層は、膜厚が0.01μm~0.05μmであって、
    前記硬質層は、前記基材側とは反対側の表面において、L*a*b*表色系による色評価が77.48≦L*≦79.58、0.12≦a*≦0.96、16.06≦b*≦20.27の範囲である
    ことを特徴とする金色装飾品。
  5. 基材上に乾式メッキ法によって成膜された金合金層を有する金色装飾品であって、
    前記基材上に形成されたTiを含む密着層と、
    前記密着層上に形成されたTi、C及びNを含む硬質層と、
    前記硬質層上に形成されたAu及びPdを含む前記金合金層の発色層と、を有し、
    前記硬質層は、膜厚が0.50μm~1.20μmであり、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が前記密着層から離れるにしたがって増加する領域を備え、
    前記発色層は、膜厚が0.01μm~0.05μmであって、
    前記硬質層は、
    前記密着層上に形成されたTi及びNを含む第一の硬質層と、
    前記第一の硬質層上に形成されたTi、C及びNを含む第二の硬質層と、を有し、
    前記第一の硬質層は、Nの含有量が前記密着層から離れるにしたがって増加する領域を備え、
    前記第二の硬質層は、少なくともC又はNのいずれか一方の含有量が前記密着層から離れるにしたがって増加する領域を含む
    ことを特徴とする金色装飾品。
  6. 前記第二の硬質層は、前記基材側とは反対側の表面において、Tiが43.0原子%~54.3原子%、Cが1.4原子%~13.6原子%、Nが40.1原子%~44.3原子%の量を含有している
    ことを特徴とする請求項に記載の金色装飾品。
  7. 前記第一の硬質層の基材側とは反対側の表面におけるNの含有量と、前記第二の硬質層の基材側の表面におけるNの含有量とが同じ値である
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の金色装飾品。
  8. 前記金色装飾品は、L*a*b*表色系による色評価がL*≧80.0、2.0≦a*≦6.0、13.0≦b*≦20.0の範囲である
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の金色装飾品。
  9. 前記発色層は、Auが94.9原子%~97.7原子%、Pdが2.3原子%~5.1原子%の量を含有している
    ことを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の金色装飾品。
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