JP4824328B2 - 白色被膜を有する装飾品 - Google Patents

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本発明は、白色被膜を有する装飾品およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、特に、長期間使用しても基材となるステンレス鋼からニッケルの溶出が今以上に起こりにくい硬質でステンレス鋼色調の白色被膜を有する装飾品およびその製造方法に関する。
従来、装飾品である時計、ネックレス、ペンダント、ブローチ等は、加工性、材料価格等により銅合金が多く使用されている。しかしながら、この銅合金を素材として製造された装飾品は、耐食性が悪いため基材表面に湿式メッキ法によりメッキ被膜が施されているのが現状である。このメッキ被膜は、通常、下地メッキ被膜として湿式メッキ法により形成されるニッケルメッキ被膜と、その被膜表面に湿式メッキ法により形成される最外層メッキ被膜とからなっている。この最外層メッキ被膜は、最外層を金色にする場合、ニッケルメッキ被膜表面に金メッキ被膜が湿式メッキ法により形成され、また最外層を白色にする場合、ニッケルメッキ被膜表面にパラジウムメッキ被膜、パラジウム合金メッキ被膜またはロジウムメッキ被膜などが湿式メッキ法により形成されている。また、これらのメッキ被膜の厚みは、1〜5μmの範囲で形成されるのが一般的である。
しかしながら、上記のような装飾品においては、耐食性を得るため高価な貴金属を含むメッキ被膜を最外層メッキ被膜として形成しているため、装飾品の価格が高くなるという、コスト面での問題がある。したがって、低価格品の装飾品では、最外層メッキ被膜が薄くなり、長期間における耐食性が問題となる。しかも、低価格品の装飾品の製造に際し、安定した薄い最外層メッキ被膜を得るため、貴金属メッキ浴の維持管理が作業上の大きな問題となっている。さらには、安定した色調の最外層メッキ被膜を得るためには、作業者の熟練度も問題となっている。また、ステンレス鋼特有の白色色調の最外層メッキ被膜を有する安価な装飾品は得られていない。
そこで、本願出願人は、白色装飾品として、特開2003−253473号公報(特許文献1)において、金属基材表面に、チタンメッキ被膜(下地層)と、炭化チタンメッキ被膜(耐摩耗層)と、プラチナ被膜またはプラチナ合金被膜(最外層)を乾式メッキ法でそれぞれ積層した白色装飾品を開示した。このような装飾品に形成された白色硬質被膜は、高級感が得られ、キズがつきにくく、その上、市場で要望されているステンレス鋼特有の白色色調が得られた。
特開2003−253473号公報
しかしながら、この白色装飾品の基材がステンレス鋼の場合、長期間の使用において、人間の汗と、最外層のプラチナ被膜またはプラチナ合金被膜が触媒と考えられる作用により、基材のステンレス鋼から僅かなニッケルの溶出が見られた。(ドイツの規格範囲内:携帯上問題なし)この僅かなニッケル溶出により、基材の耐食性低下と、ニッケルに対して非常に過敏な人に金属アレルギーを起こす恐れがあった。この原因は、乾式メッキ法で成膜した時に起こる超微細なピンホールから汗等が基材のステンレス鋼に接触するためであると考えられる。また、このピンホールの発生を防ぐ方法として、それぞれの被膜厚を厚く成膜することで解決できるが、硬質被膜である炭化チタンメッキ被膜(耐摩耗層)を厚く被覆すると、被膜の内部応力で被膜が剥がれる問題が発生する。(密着力不良)その上、被膜形成に長時間必要となり、作業性にも問題があった。
本発明は、上記問題を解決しようとするものであって、基材となるステンレス鋼からニッケルの溶出が起こりにくく、基材の耐食性とニッケルアレルギーの問題がなく、その上、傷等による外観品質の劣化が起きにくく、しかも、ステンレス鋼被膜に近い、高級感のある白色被膜を有する装飾品およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、ステンレス鋼からなる装飾品用基材と、該基材表面に湿式メッキ法で形成されたロジウム(Rh)、金(Au)クロム(Cr)からなる層から選ばれるバリアー層と、該バリアー層の表面に乾式メッキ法により形成されたチタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)タンタル(Ta)からなる層から選ばれる下地層と、該下地層の表面に乾式メッキ法により形成された炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)炭化タンタル(TaC)からなる層から選ばれる耐摩耗層と、該耐摩耗層の表面に乾式メッキ法により形成されたプラチナ(Pt)プラチナ合金からなる層から選ばれる最外層から構成されたことを特徴とする。
また、ステンレス鋼からなる前記基材表面とバリアー層との間に、湿式メッキ法により形成された、金または金合金からなる層から選ばれるストライクメッキ被膜層を有している。また、このストライクメッキ被膜層が、湿式メッキ法により形成された厚み0.05
〜 0.3μmであるが、好ましくは0.05〜0.15μm、もっとも好ましくは0.05〜0.1μmであることを特徴とする。
また、前記基材表面に形成されるバリアー層は、厚み0.3〜3μmの被膜であることを特徴とする。
また、バリアー層表面に形成される下地層は、乾式メッキ法により形成された、炭素原子含有量が5〜15原子%の炭化チタン、炭化クロム、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タングステンまたは炭化タンタルからなる金属化合物被膜であっても良い。この下地層の厚みは、0.02〜0.2μmの被膜であることが好ましい。
また最外層の厚みは、0.002〜0.1μmであるが、好ましくは0.005〜0.1μm、更に好ましくは0.01〜0.08μmの被膜である。また、厚み0.2〜1.5μmの耐摩耗層と厚み0.002〜0.1μmの最外層とから発色層が構成されていることを特徴とする。
また、耐摩耗層と前記最外層との間に、該耐摩耗層を形成する金属化合物と、該最外層
を形成する金属または合金とからなる混合層を有していることを特徴とする。この混合層の厚みは、0.005〜0.1μmであることを特徴とする。
また、耐摩耗層と最外層とからなる発色層のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、70<L*<91、−0.1<a*<3.0、1.0<b*<5.5であることを特徴とする。
また、下地層、耐摩耗層、混合層および最外層の各層は、スパッタ法、イオンプレーティング法およびアーク法の中の少なくとも1つの方式で形成されていることを特徴とする。
また、発色層からなるステンレス鋼色調を有する白色被膜表面の一部に、乾式メッキ法または湿式メッキ法により形成された、前記発色層の色調と異なる少なくとも1つの被膜を有していることを特徴とする。また、発色層の色調と異なる被膜が、金、金合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなっている。また、発色層と異なる被膜が、窒化チタン、窒化ジルコニウムまたは窒化ハフニウムからなる下層と、金または金合金からなる上層との二層構造になっていてもよい。更に、発色層と、該発色層と異なる被膜であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜との間に、チタン被膜と該チタン被膜表面に形成されたシリコン被膜とを有していることが好ましい。
また、最外層は、前記耐摩耗層を形成する金属化合物と、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)またはロジウム(Rh)からなる混合層であることを特徴とする。また、最外層が、前記耐摩耗層を形成する金属化合物と、プラチナ合金、パラジウム合金またはロジウム合金からなる混合層であってもよい。
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、発色層の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重)が、通常700〜2000、好ましくは1000〜2000であることを特徴とする。また、装飾品が時計外装部品であることを特徴とする。
本発明によれば、長期の使用においても装飾品の基材となるステンレス鋼からニッケルの溶出がごくごく微量で、よって、基材の耐食性が向上されると共に、ニッケルアレルギーの発生がなくなる。その上、高級感があり、硬質で耐傷付き性に優れ、傷等による外観品質の劣化が起きにくく、しかも、ステンレス鋼被膜に近い、高級感のある白色被膜を有する装飾品およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る白色被膜を有する装飾品およびその製造方法について具体的に説明する。
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、ステンレス鋼からなる装飾品用基材と、該基材表面に湿式メッキ法で形成されたバリアー層と、該バリアー層の表面に乾式メッキ法により形成された下地層と、該下地層の表面に乾式メッキ法により形成された発色層とから構成されている。この発色層は、耐摩耗層と最外層、または耐摩耗層と混合層と最外層とから構成されている。
また、本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記発色層からなるステンレス鋼色調を有する白色被膜表面の一部に、この発色層の色調と異なる少なくとも1つの被膜を有していてもよい。
〔装飾品用基材〕
ステンレス鋼からなる装飾品用基材は、上記の金属から従来公知の機械加工により製造される。また、装飾品用基材には、必要に応じて各種手段により、鏡面、梨地、ヘアライン模様、ホーニング模様、型打ち模様、エッチング模様の中の少なくとも1つの表面仕上げが施されている。
本発明における装飾品(装身具)(部品も含む)としては、たとえば腕時計ケース、腕時計バンド、腕時計のリューズ、腕時計の裏蓋等の時計外装部品、さらにはベルトのバックル、指輪、ネックレス、ブレスレット、イヤリング、ペンダント、ブローチ、カフスボタン、ネクタイ止め、バッジ、メダル、眼鏡のフレーム、カメラのボディ、ドアノブなどが挙げられる。
本発明においては、装飾品用基材の表面にストライクメッキ被膜層及びバリアー層を形成する前に、予め装飾品用基材表面を従来公知の有機溶剤等で洗浄・脱脂しておくことが好ましい。
〔バリアー層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成しているバリアー層は、湿式メッ
キ法により形成される少なくとも1つのメッキ被膜からなる。このメッキ被膜と
して、ロジウム(Rh)、金(Au)またはクロム(Cr)などがある。また、装
飾品用基材表面とバリアー層との密着をより強固なものとするには、装飾品用基
材表面とバリアー層との間にストライクメッキ被膜層を設ける。このストライク
メッキ被膜層として、金または金合金などがある。
〔下地層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成している下地層は、乾式メッキ法
により形成される少なくと1つのメッキ被膜からなる。このメッキ被膜として、
チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バ
ナジウム(V)、ニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)などがある。
下地層表面に、耐摩耗層として炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr32)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)または炭化タンタル(TaC)からなる金属化合物被膜を形成する場合には、基材と耐摩耗層との密着性を更に高めるという観点から、下地層は、乾式メッキ法により形成された、炭素原子含有量が5〜15原子%の炭化チタン、炭化クロム、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タングステンまたは炭化タンタルからなる金属化合物被膜であることが特に好ましい。この金属化合物被膜において、装飾品用基材表面に近づくに従って、上記金属化合物の炭素原子含有量が徐々に少なくなっており、この金属化合物被膜は、いわゆる傾斜膜と呼ばれる。
〔発色層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成している発色層は、耐摩耗層と最外層、または耐摩耗層と混合層と最外層とから構成されている。これらの層は乾式メッキ法により形成される。乾式メッキ法としては、具体的には、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法、イオンビーム等の物理的蒸着法(PVD)、CVDなどが挙げられる。中でも、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法が特に好ましく用いられる。
(耐摩耗層)
上記耐摩耗層は、下地層表面に乾式メッキ法により形成される金属化合物被膜からなる。このような金属化合物被膜としては、炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr32)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)または炭化タンタル(TaC)からなる金属化合物被膜が望ましい。
この耐摩耗層の厚みは、0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmである。
(最外層)
上記最外層は、上記耐摩耗層または後述の混合層の表面に、乾式メッキ法により形成される貴金属(合金を含む)の被膜からなる。
このような貴金属からなる被膜としては、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、プラチナ合金、パラジウム合金またはロジウム合金からなる貴金属被膜が望ましい。また、本発明においては、後述する混合層を最外層とすることができる。最外層の厚みは、0.002〜0.1μm、好ましくは0.005〜0.1μm、さらに好ましくは0.01〜0.08μmである。ただし、最外層としてプラチナ被膜またはプラチナ合金被膜を形成する場合には、その被膜の厚みは、0.002〜0.01μm、好ましくは0.005〜0.08μmである。
(混合層)
本発明において必要に応じて耐摩耗層と最外層との間に形成されることがある混合層は、乾式メッキ法により形成される被膜である。この被膜は、耐摩耗層を形成する金属化合物(たとえば炭化チタン)と、最外層を形成する金属または合金(たとえばプラチナ、プラチナ合金)とからなる。この混合層の厚みは、通常、0.005〜0.1μm、好ましくは0.01〜0.08μmであることが望ましい。このような混合層を設けることにより、耐摩耗層と最外層との密着性をより強固にすることができる。
上記のような耐摩耗層と最外層、または耐摩耗層と混合層と最外層とからなる発色層のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、70<L*<91、−0.1<a*<3.0、1.0<b*<5.5であることが望ましい。中でも、75<L*<85、0<a*<2.0、3.5<b*<5.0であることが好ましい。
なお、鏡面仕上げが施された装飾品用基材に形成された発色層と、ヘアライン仕上げ(微細な線の模様)が施された装飾品用基材に形成された発色層のそれぞれのL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、85<L*<90、0<a*<2.0、3.5<b*<5.0と、75<L*<85、0<a*<2.0、3.5<b*<5.0とであった。また、色々な表面仕上げが施された装飾品用基材に形成された発色層のL*、a*、b*のΔ値は、ΔL*=±6.0、Δa*=±1.55、Δb*=±2.25であった。
また、前記発色層の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、通常700〜2000、好ましくは1000〜2000である。本発明においては、少なくとも厚みが0.2〜1.5μmの耐摩耗層と厚み0.002〜0.1μmの貴金属からなる最外層を前記下地層表面に形成することにより、高級感があり、傷等による外観品質の劣化が起きにくく、しかも、ステンレス鋼被膜に近い、高級感のある白色被膜を有する装飾品が得られる。
〔発色層と異なる被膜〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記発色層からなるステンレス鋼色調を有する白色被膜表面の一部に、発色層の色調と異なる少なくとも1つの被膜が乾式メッキ法または湿式メッキ法により形成されていてもよい。発色層の色調と異なる被膜としては、金、金合金(好ましくはニッケルを含まない金合金)、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる被膜が望ましい。この被膜は、発色層を形成する最外層とともに装飾品の外観に現れる。したがって、本発明に係る装飾品には、いわゆるツートーンの装飾品等も含まれる。
発色層と色調の異なるメッキ被膜の厚みは、通常0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.5μmである。また、この発色層と色調の異なる被膜は、窒化チタン、窒化ジルコニウムまたは窒化ハフニウムからなる下層と、金または金合金(たとえば金−鉄合金)からなる上層との二層構造になっていてもよい。この場合、下層の厚みは、通常0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmであり、上層の厚みは、通常0.03〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmである。
さらに、発色層と色調の異なる被膜は、チタンからなる下層と、窒化チタン、窒化ジルコニウム、または窒化ハフニウムからなる中間層と、金または金合金からなる上層との三層構造になっていてもよい。この場合、下層の厚みは、通常0.02〜0.1μm、好ましくは0.03〜0.08μmであり、中間層の厚みは、通常0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmであり、上層の厚みは、通常0.03〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmである。
さらにまた、この発色層と色調の異なる被膜は、発色層表面の一部に、チタン被膜とシリコン被膜とダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜とがこの順で形成されていてもよい。この場合、下層の厚みは、通常0.05〜0.3μm、好ましくは0.08〜0.2μmであり、中間層の厚みは、通常0.05〜0.3μm、好ましくは0.08〜0.2μmであり、上層の厚みは、通常0.5〜3.0μm、好ましくは0.8〜1.5μmである。
上記の単層構造、二層構造、三層構造を構成する各層は、通常、乾式メッキ法により形成される。乾式メッキ法としては、具体的には、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法、イオンビーム等の物理的蒸着法(PVD)、CVDなどが挙げられる。中でも、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法が特に好ましく用いられる。
また、この発色層と色調の異なる被膜は、湿式メッキ法により形成される金ストライクメッキ被膜等からなる下層と、湿式メッキ法により形成される金または金合金メッキ被膜等からなる上層との二層構造であってもよい。この場合、下層の厚みは、通常0.05〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmであり、上層の厚みは、通常1.0〜10μm、好ましくは1.0〜3.0μmである。
このような発色層と色調の異なる被膜を発色層表面の一部に有する装飾品は、たとえば以下のような方法により製造することができる。まず、装飾品用基材表面にバリアー層及び下地層を形成し、この下地層表面に、前記発色層を形成した後、この発色層表面の一部にマスキング処理を施し、この発色層およびマスク表面に発色層と色調の異なるメッキ被膜を乾式メッキ法または湿式メッキ法で形成し、その後、このマスクおよびマスクの上のメッキ被膜を除去する工程を少なくとも1回行なうことにより、ステンレス鋼色調を有する白色被膜と、この白色被膜と色調の異なる少なくとも1つのメッキ被膜とからなる、2以上の色調を有する最外層被膜を得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
まず、ステンレス鋼(SUS316L)を機械加工して得られた腕時計ケース用基材および腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工によりヘアライン仕上げとした。次いで、この基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み(0.1μm)の金(または金合金)ストライクメッキ被膜層を基材表面に形成し、水洗した。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み1.5μmのロジウムのバリアー層を金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《ロジウムメッキ》
<メッキ液の組成>
硫酸 60g/l
ロジウム 5〜6g/l
<メッキ条件>
pH 0.3〜1未満
液温 45℃
電流密度(Dk) 1〜2A/dm2
時間 15分
光沢剤 適量
次いで、これら基材をイオンプレーティング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
次いで、これらのバリアー層表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜(下地層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
次いで、これらの基材表面に形成されたチタンメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(耐摩耗層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.05μmの白色色調を有する炭化チタンとプラチナとの混合メッキ被膜(混合層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン、プラチナ
電子銃:10kV、300mA(蒸発源:チタン)、
10kV、500mA(蒸発源:プラチナ)
ガス:メタンガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンとプラチナとの混合メッキ被膜表面に、厚み0.005μmの白色色調を有するプラチナ被膜(最外層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成し、ステンレス鋼色の腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガス:アルゴンガス成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層+混合層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1400であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
また、発色層のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、82<L*<85、0<a*<2.0、4.0<b*<5.0であった。
まず、ステンレス鋼(SUS316L)を機械加工して得られた腕時計ケース用基材および腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工によりヘアライン仕上げとした。次いで、この基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み(0.1μm)の金(または金合金)ストライクメッキ被膜層を基材表面に形成し、水洗した。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み1.5μmのロジウムのバリアー層を金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《ロジウムメッキ》
<メッキ液の組成>
硫酸 60g/l
ロジウム 5〜6g/l
<メッキ条件>
pH 0.3〜1未満
液温 45℃
電流密度(Dk) 1〜2A/dm2
時間 15分
光沢剤 適量
次いで、これら基材をイオンプレーティング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
次いで、これらのバリアー層表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜(下地層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
次いで、これらの基材表面に形成されたチタンメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(耐摩耗層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.005μmの白色色調を有するプラチナ被膜(最外層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成し、ステンレス鋼色の腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
また、発色層のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、82<L*<85、0<a*<2.0、4.0<b*<5.0であった。
実施例2と同様にして得たステンレス鋼色の硬質被膜(プラチナ被膜)表面の一部に、この硬質被膜の色調と異なるメッキ被膜を乾式メッキ法により形成した。
すなわち、この硬質被膜表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:40〜50V
フィラメント電圧:7V
次いで、このチタンメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの金色を呈する窒化チ
タンメッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件
で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガスと窒素ガスとの混合ガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:40〜50V
フィラメント電圧:7V
次いで、この窒化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.1μmの金色を呈する金
−鉄合金メッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条
件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:金−鉄合金
電子銃:8kV、500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.26Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:10〜30V
フィラメント電圧:7V
次いで、この金−鉄合金メッキ被膜表面の一部にマスキング処理(マスク材と
してエポキシ系レジストを使用)を施し、金−鉄合金メッキ被膜、窒化チタンメッキ被膜およびチタンメッキ被膜を順次エッチング液で除去し、最後にマスクを除去することにより、ステンレス鋼色の硬質被膜と金色の金−鉄合金メッキ被膜とからなる、2つの色調の異なる最外層被膜を有する腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
なお、金−鉄合金メッキ被膜用剥離液として、シアンを主成分に酸化剤が含有された剥離液を用い、窒化チタンメッキ被膜およびチタンメッキ被膜用剥離液として、硝酸を主成分にフッ化アンモンが含有された剥離液を用い、マスク剥離液として塩化メチレンを用いた。
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であり、金−鉄合金メッキ被膜(窒化チタンメッキ被膜を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1000であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
また、発色層を構成している最外層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、82<L*<85、0<a*<2.0、4.0<b*<5.0であった。
実施例3と同様にして得たステンレス鋼色の硬質被膜(プラチナ被膜)表面の一部に、この硬質被膜の色調と異なるメッキ被膜を湿式メッキ法により形成した。
すなわち、この硬質被膜が形成された基材を、前処理として電解脱脂、中和、水洗を行な
いクリーニングを行なった。
次いで、この硬質被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み0.1μmの金ストライクメッキ被膜を、硬質被膜表面に形成し、水洗した。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み3.0μmの金−鉄合金メッキ被膜を、金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《金−鉄合金メッキ》
<メッキ液の組成>
金 4.6g/l
鉄 0.6g/l
インジウム 3.5g/l
光沢剤 適量
<メッキ条件>
pH 3.5〜3.7
浴温 37〜40℃
電流密度(Dk) 1.0〜1.5A/dm2
時間 30分
次いで、この金−鉄合金メッキ被膜表面の一部にマスキング処理を施し、金−鉄合金メッキ被膜および金ストライクメッキ被膜を順次エッチング液で除去し、最後にマスクを除去することにより、ステンレス鋼色の硬質被膜と金色の金−鉄合金メッキ被膜とからなる、2つの色調の異なる最外層被膜を有する腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
なお、金−鉄合金メッキ被膜および金ストライクメッキ被膜用剥離液として、シアンを主成分に酸化剤が含有された剥離液を用い、マスク剥離液として塩化メチレンを用いた。上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は1100であり、金−鉄合金メッキ被膜の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、120であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
また、発色層を構成している最外層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、82<L*<85、0<a*<2.0、4.0<b*<5.0であった。
実施例3と同様にして得たステンレス鋼色の硬質被膜(プラチナ被膜)表面の一部に、
この硬質被膜の色調と異なるメッキ被膜を乾式メッキ法により形成した。すなわち、この硬質被膜表面の一部にマスク材(エポキシ系レジスト)を塗布し乾燥させた後、硬質被膜表面およびマスク材表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:チタン
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.02Pa
ターゲット印加電力:0.3〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50〜−100V
次いで、このチタンメッキ被膜表面に、厚み0.1μmのシリコンメッキ被膜をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:シリコン
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.05Pa
ターゲット印加電力:0.3〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50〜−100V
次いで、このシリコンメッキ被膜表面に、厚み0.1μmの黒色のダイヤモンドライクカーボン(DLC)メッキ被膜をプラズマCVD(Chemical Vaper Deposition)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ガ ス :ベンゼン
成膜圧力:0.2Pa
フィラメント電流:20A
アノード電流:2.0A
カソード電圧(加速電圧):−1.0〜−5.0kV
次いで、塩化メチレンでマスキング材を剥離し、マスキング材直上に形成されているチタンメッキ被膜、シリコンメッキ被膜およびDLC被膜をリフトオフすることにより、ステンレス鋼色の硬質被膜と黒色のDLCメッキ被膜とからなる、2つの色調の異なる最外層被膜を有する腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であり、DLCメッキ被膜の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1800であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
また、発色層を構成している最外層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、82<L*<85、0<a*<2.0、4.0<b*<5.0であった。
まず、ステンレス鋼を機械加工して得られた腕時計ケース用基材および腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工によりヘアライン仕上げとした。次いで、この基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条
件で電気メッキして、厚み0.1μmの金(または金合金)ストライクメッキ被膜層を基材表面に形成し、水洗した。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で2回にわけ電気メッキして、総厚が1.5μm(第1回のメッキを厚み1.0μm形成し、水洗後、第2回のメッキを厚み0.5μm形成する。)のロジウムのバリアー層を金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。なお、バリアー層の形成を2回にわけた理由は、バリアー層の微細なピンホールをできるだけ少なくするため行ったものである。
《ロジウムメッキ》
<メッキ液の組成>
硫酸 60g/l
ロジウム 5〜6g/l
光沢剤 適量
<メッキ条件>
pH 0.3〜1未満
液温 45℃
電流密度(Dk) 1〜2A/dm2
時間 第1回:10分、第2回:5分
次いで、これら基材をスパッタリング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
次いで、これらの基材表面に、厚み0.05μmのジルコニウム被膜(下地層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:ジルコニウムスパッタ
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.5Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
次いで、これらの基材表面に形成されたジルコニウムメッキ被膜表面に、厚み
0.6μmの白色色調を有する炭化ジルコニウムメッキ被膜(耐摩耗層)をスパ
ッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成
した。
<成膜条件>
ターゲット:ジルコニウムスパッタ
スパッタガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.665Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
次いで、これらの基材表面に形成された炭化ジルコニウムメッキ被膜表面に、
厚み0.005μmの白色色調を有するプラチナ被膜(最外層)をスパッタリン
グ法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成し、ステ
ンレス鋼色の腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
ターゲット:プラチナ
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1300であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
また、発色層のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、82<L*<85、0<a*<2.0、4.0<b*<5.0であった。
まず、ステンレス鋼(SUS316L)を機械加工して得られた腕時計ケース用基材および腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工によりヘアライン仕上げとした。次いで、この基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み0.1μmの金(または金合金)ストライクメッキ被膜層を基材表面に形成し、水洗した。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み1.5μmの金−鉄合金のバリアー層を金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《金−鉄メッキ》
<メッキ液の組成>
金 4.6g/l
鉄 0.6g/l
インジウム 3.5g/l
光沢剤 適量
<メッキ条件>
pH 4.7
液温 50℃
電流密度(Dk 1.0A/dm2
時間 15分
次いで、これら基材をスパッタリング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で
基材表面をボンバードクリーニングした。
次いで、これらの基材のバリアー層表面に、厚み0.05μmの炭素原子含有量5〜15原子%の傾斜構造からなる炭化チタンメッキ被膜(下地層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガスとメタンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
次いで、これらの基材表面に下地層として形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.6μm、炭素原子含有量40±10原子%の白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(耐摩耗層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.005μmの白色色調を有するプラチナ被膜(最外層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成し、ステンレス鋼色の腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガ ス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(HV;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
また、発色層のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、82<L*<85、0<a*<2.0、4.0<b*<5.0であった。さらに、上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドと実施例2で得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドについて、それぞれ、引っ掻き試験を行ない、基材に対する被膜の密着力の比較を行なった。引っ掻き試験に使用した測定機は、HEIDON−14型の表面性測定機であ
る。
以下、チタンメッキ被膜からなる下地層と炭素原子含有量40±10原子%の白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(耐摩耗層)を有する実施例2の装飾部品試料と、炭素原子含有量5〜15原子%の炭化チタンメッキ被膜からなる下地層と炭素原子含有量40±10原子%の白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(耐摩耗層)を有する実施例7の装飾部品試料を作製して被膜の密着力(後述の臨界荷重)を測定した。
この測定条件は、先端角度が90°で先端曲率半径が50μmのダイヤモンド圧子を使用し、引っ掻き速度は30mm/分とし、引っ掻き荷重は50gfから300gfまで、50gfおきに変化させた。この測定結果は、引っ掻き荷重と引っ掻き後の抵抗値により、引っ掻き荷重がある値以上になると、抵抗値が急激に変化する。これは、荷重の増加とともに直線的に引っ掻き抵抗値が増加していくが、臨界荷重以上になると、基材上に形成した被膜に亀裂が発生し、チッピング剥がれが発生しているためと考えられる。そして、発生した亀裂、チッピング剥がれのために、引っ掻き抵抗値は急激な増加を示し、摩擦係数が増大する。この臨界荷重の値によって、基材に対する被膜の密着力を評価することができる。ここでは、急激に変化した引っ掻き荷重の点を光学顕微鏡で観察し、被膜の密着強度を評価した。
実施例2では、引っ掻き荷重を200gfにしたときにチッピング剥がれが発生した。一方、実施例7では、引っ掻き荷重を250gfにしたときにチッピング剥がれが発生した。すなわち、実施例2における臨界荷重は200gfであり、実施例7における臨界荷重は250gfであった。このことから、実施例7の装飾部品は、実施例2の装飾部品よりも、被膜の密着力が25%もアップしていることが理解される。
次に、ステンレス鋼(SUS316L・寸法(mm):20(直径)×1(厚))の試験片に、上記実施例1〜7と同じ被膜をそれぞれ形成し、各試験片を小型のデシケータ(下記組成の人工汗が入っている。)に入れ、下記条件で試験を行った。
なお、比較サンプルとして、実施例1のサンプルからバリアー層を除いた試験片を作り(バリアー層がないところが実施例1と異なる。)、同時に試験を行った。
《試験方法》
<人工汗組成>
塩化ナトリウム 0.5%(m/m)
乳酸 0.1%(m/m)
尿素 0.1%(m/m)
アンモニウム pHを6.5にするのに必要な量
・ 単位面積当たりの人工汗量はml/cmとする。
<試験条件>
小型デシケータを恒温槽に入れ30±2℃、168時間維持する。
Figure 0004824328
上記ニッケルの溶出量の分析は、試験が終わった各デシケータ内の液中に含まれるニッケル濃度を、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)で測定し、その後、試験片の表面積で換算したものである。
上記試験結果(表1)より、比較例に比べ本発明によれば、ニッケルの溶出量が一桁少なく、更に、実施例6においては二桁少なくなっており、非常に大きな効果が得られた。また、ドイツの規格として、ニッケルの溶出量が0.5μg/cm/weekを基準値とし、この基準値を超えたものは不合格となり、下まわったものは合格となっている。
なお、上記実施例1〜7において、バリアー層としてロジウム合金、パラジウム合金、プラチナ合金、銅合金または金合金からなるメッキ被膜、下地層としてクロム、ハフニウム、バナジウム、またはニオブからなるメッキ被膜、耐摩耗層として炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、または炭化タングステンからなるメッキ被膜、最外層としてロジウム被膜、ロジウム合金被膜、パラジウム合金被膜またはプラチナ合金被膜を形成できることは云うまでもない。また、実施例1〜7では、腕時計ケースおよび腕時計バンドを製造しているが、実施例1〜7に記載の技術は、ネックレス、ペンダント、ブローチ等の装飾品にも適用できることは云うまでもない。




Claims (4)

  1. ステンレス鋼からなる装飾品用基材と、該基材表面に湿式メッキ法で形成されたロジウム(Rh)、金(Au)クロム(Cr)からなる層から選ばれるバリアー層と、該バリアー層の表面に乾式メッキ法により形成されたチタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)タンタル(Ta)からなる層から選ばれる下地層と、該下地層の表面に乾式メッキ法により形成された炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)炭化タンタル(TaC)からなる層から選ばれる耐摩耗層と、該耐摩耗層の表面に乾式メッキ法により形成されたプラチナ(Pt)プラチナ合金からなる層から選ばれる最外層から構成されたことを特徴とする白色被膜を有する装飾品。
  2. 前記基材表面と前記バリアー層との間に、湿式メッキ法により形成された、金または金合金からなる層から選ばれるストライクメッキ被膜層を有していることを特徴とする請求項1記載の白色被膜を有する装飾品。
  3. 前記ストライクメッキ被膜層が、湿式メッキ法により形成された厚み0.05〜0.3μmの被膜であることを特徴とする請求項2記載の白色被膜を有する装飾品。
  4. 前記バリアー層の厚みが0.3〜3μmであることを特徴とする請求項1記載の白色被膜を有する装飾品。
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