JP7327037B2 - 作業機械用吊り装置、保持装置及び構造部材の吊り上げ方法 - Google Patents

作業機械用吊り装置、保持装置及び構造部材の吊り上げ方法 Download PDF

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Description

本発明は、作業機械の組立分解作業などに用いられる作業機械用吊り装置、保持装置、及び前記作業機械を構成する構造部材の吊り上げ方法に関する。
従来、クレーンなどの作業機械の組立分解作業では、当該クレーンを構成するジブ、ブーム、ストラットなどの構造部材が、補助クレーン(相機)によって吊り上げられ、当該クレーンの他の部分に装着される。例えば、特許文献1は、クレーンのストラットをブームの先端部に装着するために当該ストラットを補助クレーンによって吊り上げる吊り上げ作業を開示している(特許文献1の図2、段落0024、0025)。
このような吊り上げ作業では、複数のスリングが吊り部材として使用される。前記複数のスリングのそれぞれは、幅広のテープ状のロープからなり、その両端に輪を備える。前記構造部材は、前記複数のスリングを装着するための複数の突起(吊環)を備える。前記複数のスリングのそれぞれは、次のような装着作業が行われることにより、前記複数の突起のうちの何れか一つの突起と前記補助クレーンのフックに装着される。まず、玉掛け作業を行う作業者は、前記スリングの両輪を前記補助クレーンのフックに掛ける。これにより、前記スリングがループを形成する。次に、前記作業者は、前記ループの下端付近の部分を前記構造部材の前記突起に引っ掛ける。これにより、前記スリングが前記フックと前記突起に装着される。前記作業者は、前記複数のスリングのそれぞれについて上記の装着作業を行う。
前記複数のスリングについて前記装着作業が完了した時点では、前記複数のスリングのそれぞれは、前記フックと前記突起との間で弛んだ状態である。このため、前記補助クレーンを操縦するオペレータは、前記複数のスリングが弛んだ状態(弛緩状態)からピンと張った状態(緊張状態)になるように、前記補助クレーンのフックを少しずつ上昇させるための操作(フック上昇操作)を行う。
特開2018-048014号公報
しかしながら、前記構造部材の前記突起に引っ掛けられた前記ループの下端付近の部分は、前記スリングが弛緩状態にあるため、前記フック上昇操作による前記フックの上昇過程において、前記突起から外れることがある。従って、前記玉掛け作業を行う前記作業者は、前記フックの上昇過程において、前記複数のスリングのそれぞれが前記突起から外れないように介助する介助作業を行う必要がある。また、前記補助クレーンを操縦する前記オペレータは、前記複数のスリングのそれぞれが前記突起から外れないように前記作業者と連携しながら前記フックが少しずつ上昇するように前記フック上昇操作を慎重に行う必要がある。以上のような前記介助作業や前記フック上昇操作を伴う吊り上げ作業は、前記玉掛け作業を行う前記作業者による多くの労力を必要とし、また、当該吊り上げ作業の完了までに長時間を要する。従って、前記吊り上げ作業において前記作業者の労力を軽減すること、及び前記吊り上げ作業に要する時間を短縮することが望まれる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、作業機械を構成する構造部材を吊り上げる吊り上げ作業において、作業者の労力を軽減することができ、前記吊り上げ作業に要する時間を短縮することができる作業機械用吊り装置、保持装置、及び構造部材の吊り上げ方法を提供することを目的とする。
提供されるのは、作業機械を構成する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うための作業機械用吊り装置であって、前記吊り上げ作業において前記吊り上げ機に取り付けられる取付部と、前記取付部に支持される複数の保持装置と、を備え、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記取付部に接続される基端部と、前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部が進入することを許容する位置であり、前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置である。
この作業機械用吊り装置では、前記複数の保持装置のそれぞれの前記支持部材が前記進入許容位置に配置された状態で、前記複数の保持装置のそれぞれを対応する前記被保持部に対して下方に相対移動させることにより、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に、対応する前記被保持部を進入させる。次に、前記複数の保持装置のそれぞれの前記支持部材を前記進入許容位置から前記保持位置に移動させる。これにより、前記支持部材は前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら当該支持部材の上に前記被保持部を保持することができるので、前記吊り上げ機により前記作業機械用吊り装置の前記取付部を吊り上げることにより前記構造部材を吊り上げることができる。従って、この作業機械用吊り装置は、前記フック上昇操作による前記フックの上昇過程において、前記作業者による前記介助作業を簡素化又は省略することを可能にし、前記オペレータが前記フック上昇操作を迅速に行うことも可能にする。よって、この作業機械用吊り装置は、前記吊り上げ作業において、作業者の労力を軽減することができ、前記吊り上げ作業に要する時間を短縮することができる。
ここで、前記取付部としては、例えば、前記複数の保持装置を支持する複数のワイヤーロープのみにより構成されるというシンプルな態様が挙げられる。この場合、前記複数のワイヤーロープのそれぞれの上端部は、前記吊り上げ機のフックに装着され、前記複数のワイヤーロープのそれぞれの下端部は、前記複数の保持装置のうち対応する保持装置に装着される。ただし、前記取付部が次のようなベース部材を含む場合には、前記取付部が前記複数のワイヤーロープのみにより構成される場合に比べて、前記吊り上げ作業において前記構造部材を吊り上げるときの安定性が向上する。
すなわち、前記作業機械用吊り装置において、前記取付部は、前記複数の保持装置を支持するベース部材を含み、前記複数の保持装置は、水平方向に互いに間隔をおいて前記ベース部材から垂下されることが可能なように前記ベース部材にそれぞれ固定されることが好ましい。
この態様では、前記ベース部材に固定された前記複数の保持装置は水平方向に互いに間隔をおいて前記ベース部材から垂下されるので、前記複数の保持装置同士の相対位置が維持されやすくなり、前記吊り上げ作業において前記構造部材を吊り上げるときの安定性が向上する。
ここで、前記支持部材が前記保持位置と前記進入許容位置との間で移動する動作は、玉掛け作業者などの作業者による手動で行われてもよい。ただし、次の態様は、前記作業者の労力をさらに軽減することを可能にする。
すなわち、前記作業機械用吊り装置において、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記支持部材を前記進入許容位置と前記保持位置との間で移動させるように作動する支持部材移動機構と、前記支持部材移動機構を駆動する駆動部と、をさらに備えることが好ましい。
この態様では、前記駆動部により駆動される前記支持部材移動機構により前記支持部材が前記保持位置と前記進入許容位置との間で移動するので、前記作業者が手動で前記支持部材を移動させる必要がなく、前記作業者の労力がさらに軽減される。
前記作業機械用吊り装置において、前記支持部材は、当該支持部材の上に保持される前記被保持部と接する接触面を有し、前記接触面は、前記被保持部の形状に対応する形状を有することが好ましい。
この態様では、上記のような前記接触面を有する前記支持部材は、前記吊り上げ作業において、前記被保持部をより安定して保持することができる。
前記作業機械用吊り装置において、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記支持部材が前記保持位置から移動することを規制する規制状態と、前記支持部材が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することを許容する許容状態との間で切り換わることができるように構成される規制部をさらに備えることが好ましい。
この態様では、前記吊り上げ作業において前記構造部材が吊り上げられるときに、前記作業者、前記オペレータなどの作業関係者の意図に反して前記支持部材が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することを確実に阻止することができる。
前記作業機械用吊り装置において、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記基端部と前記支持部材との間に介在して前記基端部、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の少なくとも一つに支持される上部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の上部に対向する対向面を有する上部押圧部材をさらに備えていてもよい。
この態様では、前記基端部と前記支持部材との上下方向の距離と前記被保持部の上下方向の寸法との差が比較的大きいことに起因して前記被保持部と前記基端部との間に比較的大きな隙間が形成される場合であっても、前記基端部と前記支持部材との間に介在する前記上部押圧部材により当該隙間が減少する。これにより、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記作業機械用吊り装置において、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記上部押圧部材を前記基端部に対して上下方向に相対移動させるように作動する上部押圧部材移動機構をさらに備えことが好ましい。
この態様では、前記被保持部の上下方向の寸法に応じて前記上部押圧部材の前記基端部に対する相対位置を変えることができる。これにより、前記被保持部の上下方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部の上下方向の寸法に適した位置に前記上部押圧部材の前記相対位置を調節し、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記作業機械用吊り装置において、前記上部押圧部材の前記対向面は、前記被保持部の前記上部の形状に対応する形状を有することが好ましい。
この態様では、上記のような前記対向面を有する前記上部押圧部材は、前記吊り上げ作業において、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることをさらに抑制できる。
前記作業機械用吊り装置において、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在して前記第1の脚部本体及び前記基端部の少なくとも一方に支持される第1の側部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の第1の側部に対向する第1の対向面を有する第1の側部押圧部材と、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在して前記第2の脚部本体及び前記基端部の少なくとも一方に支持される第2の側部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の第2の側部に対向する第2の対向面を有する第2の側部押圧部材と、をさらに備えていてもよい。
この態様では、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体の水平方向の距離と前記被保持部の水平方向の寸法との差が比較的大きいことに起因してこれらの脚部本体と前記被保持部との間に比較的大きな隙間が形成される場合であっても、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在する前記第1及び第2の側部押圧部材により前記隙間が減少する。これにより、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記作業機械用吊り装置において、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記第1の側部押圧部材を前記第1の脚部本体に対して相対移動させること及び前記第2の側部押圧部材を前記第2の脚部本体に対して相対移動させることの少なくとも一方を行うことにより前記第1の対向面と前記第2の対向面との水平方向の距離を変化させるように作動する側部押圧部材移動機構をさらに備えることが好ましい。
この態様では、前記被保持部の水平方向の寸法に応じて前記第1の対向面と前記第2の対向面との水平方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部の水平方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部の水平方向の寸法に適するように前記第1の対向面と前記第2の対向面との水平方向の距離を調節し、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記作業機械用吊り装置において、前記第1の対向面は、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の前記第1の側部の形状に対応する形状を有し、前記第2の対向面は、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の前記第2の側部の形状に対応する形状を有することが好ましい。
この態様では、上記のような前記第1の対向面を有する前記第1の側部押圧部材及び前記第2の対向面を有する前記第2の側部押圧部材は、前記吊り上げ作業において、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることをさらに抑制できる。
前記作業機械用吊り装置において、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体を前記基端部に対して上下方向に相対移動させるように作動する上下移動機構をさらに備えていてもよい。
この態様では、前記被保持部の上下方向の寸法に応じて前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体の前記基端部に対する上下方向の相対位置を変えることで、前記基端部と前記支持部材との上下方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部の上下方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部の上下方向の寸法に適した位置に前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体の前記基端部に対する前記相対位置を調節し、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記作業機械用吊り装置において、前記複数の保持装置のそれぞれは、前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体の少なくとも一方を前記基端部に対して相対移動させることにより前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との水平方向の距離を変化させるように作動する側方移動機構をさらに備えていてもよい。
この態様では、前記被保持部の水平方向の寸法に応じて前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との水平方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部の水平方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部の水平方向の寸法に適するように前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との水平方向の距離を調節し、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記作業機械用吊り装置において、前記第1の脚部の下端部及び前記第2の脚部の下端部のそれぞれは、これらの下端部同士の水平方向の距離が下方に向かうにつれて大きくなるような傾斜面を有することが好ましい。
この態様では、前記被保持部は、前記傾斜面に案内されながら、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に円滑に進入することができる。
提供される保持装置は、作業機械を構成する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うために前記構造部材に取り付けられる保持装置であって、基端部と、前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部が進入することを許容する位置であり、前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置である。
この保持装置は、前記吊り上げ作業において、作業者の労力を軽減することができ、前記吊り上げ作業に要する時間を短縮することができる。
前記保持装置は、前記支持部材を前記進入許容位置と前記保持位置との間で移動させるように作動する支持部材移動機構と、前記支持部材移動機構を駆動する駆動部と、をさらに備えることが好ましい。
この態様では、前記駆動部により駆動される前記支持部材移動機構により前記支持部材が前記保持位置と前記進入許容位置との間で移動するので、前記作業者が手動で前記支持部材を移動させる必要がなく、前記作業者の労力がさらに軽減される。
前記保持装置において、前記支持部材は、当該支持部材の上に保持される前記被保持部と接する接触面を有し、前記接触面は、前記被保持部の形状に対応する形状を有することが好ましい。
この態様では、上記のような前記接触面を有する前記支持部材は、前記吊り上げ作業において、前記被保持部をより安定して保持することができる。
前記保持装置は、前記支持部材が前記保持位置から移動することを規制する規制状態と、前記支持部材が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することを許容する許容状態との間で切り換わることができるように構成される規制部をさらに備えることが好ましい。
この態様では、前記吊り上げ作業において前記構造部材が吊り上げられるときに、前記作業者、前記オペレータなどの作業関係者の意図に反して前記支持部材が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することを確実に阻止することができる。
前記保持装置は、前記基端部と前記支持部材との間に介在して前記基端部、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の少なくとも一つに支持される上部押圧部材をさらに備え、前記上部押圧部材は、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の上部に対向する対向面を有していてもよい。
この態様では、前記基端部と前記支持部材との上下方向の距離と前記被保持部の上下方向の寸法との差が比較的大きいことに起因して前記被保持部と前記基端部との間に比較的大きな隙間が形成される場合であっても、前記基端部と前記支持部材との間に介在する前記上部押圧部材により当該隙間が減少する。これにより、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記保持装置は、前記上部押圧部材を前記基端部に対して上下方向に相対移動させるように作動する上部押圧部材移動機構をさらに備えることが好ましい。
この態様では、前記被保持部の上下方向の寸法に応じて前記上部押圧部材の前記基端部に対する相対位置を変えることができる。これにより、前記被保持部の上下方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部の上下方向の寸法に適した位置に前記上部押圧部材の前記相対位置を調節し、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記保持装置は、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在して前記第1の脚部本体及び前記基端部の少なくとも一方に支持される第1の側部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の第1の側部に対向する第1の対向面を有する第1の側部押圧部材と、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在して前記第2の脚部本体及び前記基端部の少なくとも一方に支持される第2の側部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の第2の側部に対向する第2の対向面を有する第2の側部押圧部材と、をさらに備えていてもよい。
この態様では、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体の水平方向の距離と前記被保持部の水平方向の寸法との差が比較的大きいことに起因してこれらの脚部本体と前記被保持部との間に比較的大きな隙間が形成される場合であっても、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在する前記第1及び第2の側部押圧部材により前記隙間が減少する。これにより、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記保持装置は、前記第1の側部押圧部材を前記第1の脚部本体に対して相対移動させること及び前記第2の側部押圧部材を前記第2の脚部本体に対して相対移動させることの少なくとも一方を行うことにより前記第1の対向面と前記第2の対向面との水平方向の距離を変化させるように作動する側部押圧部材移動機構をさらに備えることが好ましい。
この態様では、前記被保持部の水平方向の寸法に応じて前記第1の対向面と前記第2の対向面との水平方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部の水平方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部の水平方向の寸法に適するように前記第1の対向面と前記第2の対向面との水平方向の距離を調節し、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記保持装置は、前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体を前記基端部に対して上下方向に相対移動させるように作動する上下移動機構をさらに備えていてもよい。
この態様では、前記被保持部の上下方向の寸法に応じて前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体の前記基端部に対する上下方向の相対位置を変えることで、前記基端部と前記支持部材との上下方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部の上下方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部の上下方向の寸法に適した位置に前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体の前記基端部に対する前記相対位置を調節し、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
前記保持装置は、前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体の少なくとも一方を前記基端部に対して相対移動させることにより前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との水平方向の距離を変化させるように作動する側方移動機構をさらに備えていてもよい。
この態様では、前記被保持部の水平方向の寸法に応じて前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との水平方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部の水平方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部の水平方向の寸法に適するように前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との水平方向の距離を調節し、前記支持部材の上に保持される前記被保持部にがたつきが生じることを抑制できる。
提供される方法は、前記作業機械用吊り装置を用いて前記構造部材を吊り上げる構造部材の吊り上げ方法であって、前記複数の保持装置のそれぞれの前記支持部材を前記進入許容位置に配置する工程と、前記複数の保持装置のそれぞれを対応する前記被保持部に対して下方に相対移動させることにより、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に、対応する前記被保持部を進入させる工程と、前記複数の保持装置のそれぞれの前記支持部材を前記進入許容位置から前記保持位置に移動させる工程と、前記吊り上げ機により前記作業機械用吊り装置の前記取付部を吊り上げることにより前記構造部材を吊り上げる工程と、を備える。
この構造部材の吊り上げ方法は、前記フック上昇操作による前記フックの上昇過程において、前記作業者による前記介助作業を簡素化又は省略することを可能にし、前記オペレータが前記フック上昇操作を迅速に行うことも可能にする。よって、この吊り上げ方法は、前記吊り上げ作業において、作業者の労力を軽減することができ、前記吊り上げ作業に要する時間を短縮することができる。
本発明によれば、作業機械を構成する構造部材を吊り上げる吊り上げ作業において、作業者の労力を軽減することができ、前記吊り上げ作業に要する時間を短縮することができる。
実施形態に係る作業機械用吊り装置を用いて作業機械の構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す側面図である。 第1の実施形態に係る作業機械用吊り装置を示す斜視図である。 前記作業機械用吊り装置の保持装置を示す斜視図であり、当該保持装置の支持部材が保持位置に配置される状態を示す。 前記作業機械用吊り装置の保持装置を示す正面図であり、当該保持装置の支持部材の保持位置と進入許容位置を説明するための図である。 前記作業機械用吊り装置の保持装置の支持部材と被保持部との位置関係を示す断面図である。 前記作業機械用吊り装置の保持装置を示す斜視図であり、当該保持装置の支持部材が進入許容位置に配置される状態を示す。 前記作業機械用吊り装置の保持装置を示す斜視図である。 前記作業機械用吊り装置を用いて構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。 前記作業機械用吊り装置を用いて構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。 前記作業機械用吊り装置を用いて構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。 前記作業機械用吊り装置を用いて構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。 参考例に係る作業機械用吊り装置を用いて構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。 参考例に係る作業機械用吊り装置を用いて構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。 参考例に係る作業機械用吊り装置のスリングが構造部材の突起に装着された状態を示す拡大斜視図である。 参考例に係る作業機械用吊り装置のスリングが構造部材の突起に装着された状態を示す拡大側面図である。 参考例に係る作業機械用吊り装置のスリングが構造部材の突起から外れた状態を示す拡大側面図である。 第1の実施形態の変形例1に係る吊り装置の保持装置を示す斜視図である。 第1の実施形態の変形例2に係る吊り装置の保持装置を示す斜視図である。 前記変形例2に係る吊り装置の保持装置を前記構造部材の被保持部に取り付けた状態を示す斜視図である。 図19の正面図であり、前記保持装置の上部押圧部材の位置を移動させる前の状態を示す。 図19の正面図であり、前記保持装置の上部押圧部材の位置を移動させた後の状態を示す。 第1の実施形態の変形例3に係る吊り装置の保持装置を示す斜視図であり、前記保持装置の側部押圧部材の位置を移動させる前の状態を示す。 前記変形例3に係る吊り装置の保持装置を示す斜視図であり、前記保持装置の側部押圧部材の位置を移動させた後の状態を示す。 前記変形例3に係る吊り装置の保持装置により被保持部が保持された状態の概念図である。 第2の実施形態に係る作業機械用吊り装置の保持装置を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る作業機械用吊り装置の保持装置を示す斜視図である。 第3の実施形態に係る作業機械用吊り装置の保持装置を示す斜視図である。 変形例に係る支持部材と被保持部との位置関係を示す図である。 図28の変形例に係る前記支持部材を備える前記作業機械用吊り装置を用いて構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。 他の変形例に係る支持部材と被保持部との位置関係を示す図である。 前記変形例に係る前記支持部材と被保持部との位置関係の他の例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態に係る作業機械用吊り装置について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る作業機械用吊り装置1を用いてクレーン100を構成する構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す側面図である。図2は、前記作業機械用吊り装置1を示す斜視図である。図3は、作業機械用吊り装置1の保持装置20を示す斜視図であり、当該保持装置20の支持部材24が保持位置に配置される状態を示す。図4は、作業機械用吊り装置1の保持装置20を示す正面図であり、当該保持装置20の支持部材24の保持位置と進入許容位置を説明するための図である。図6は、前記作業機械用吊り装置1の保持装置20を示す斜視図であり、当該保持装置20の支持部材24が進入許容位置に配置される状態を示す。図7は、前記作業機械用吊り装置1の保持装置20を示す斜視図である。以下では、前記作業機械用吊り装置1を単に吊り装置1と呼ぶ。
図に示される「上」、「下」、「左」、「右」、「前」および「後」の方向は、複数の実施形態に係る吊り装置1の構造を説明するために便宜上示すものであり、吊り装置の構造や使用態様などを限定するものではない。また、図に示される「上」、「下」、「左」、「右」、「前」および「後」の方向は、クレーン100の運転席から見た各方向に相当するように示している。
図1に示すように、前記吊り装置1は、図略の補助クレーン(吊り上げ機)のフック200に取り付けられ、前記クレーン100を構成する構造部材を地面から吊り上げる吊り上げ作業を行うために使用される。前記補助クレーンは、図1に示すクレーン100とは別の作業機械である。
前記構造部材は、前記クレーン100(作業機械の一例)を構成する部材であればよく、特に限定されるものではない。前記構造部材は、例えば、ブーム、ジブ、ストラットなどの起伏部材であってもよいが、これらに限られない。前記起伏部材が複数の部材により構成される場合には、当該複数の部材のそれぞれが前記吊り装置1により吊り上げられる前記構造部材である。以下では、前記構造部材が前記ブームを構成するブーム部材(具体的には、後述の第2の中間ブーム部材106)である場合を例に挙げて説明する。
前記クレーン100は、下部走行体101と、下部走行体101上に旋回可能に支持された上部旋回体102と、ブーム103と、を備える。ブーム103は、上部旋回体102に起伏可能に支持される。ブーム103は、複数のブーム部材により構成される。当該複数のブーム部材は、下部ブーム部材104と、第1の中間ブーム部材105と、第2の中間ブーム部材106と、不図示の上部ブーム部材と、を含む。前記複数のブーム部材が地上で互いに連結されることにより、前記ブーム103が組み立てられる。
図1では、上部旋回体102に装着された下部ブーム部材104に前記第1の中間ブーム部材105が連結され、更に、前記第1の中間ブーム部材105に前記第2の中間ブーム部材106が連結される様子を示している。図1に示すように、補助クレーンのフック200に取り付けられた吊り装置1が、前記第2の中間ブーム部材106に接続され、前記第2の中間ブーム部材106が地面から吊り上げられる。なお、以下では、前記吊り装置1により吊り上げられる前記構造部材として例示する前記第2の中間ブーム部材106を、単に中間ブーム部材106と呼ぶ。
図2に示すように、前記吊り装置1は、取付部10と、4つの保持装置20と、を備える。前記取付部10は、前記吊り上げ作業において前記吊り上げ機のフック200に装着され、前記吊り上げ機によって吊り上げられる。前記取付部10は、ワイヤ吊り部11と、4本の吊りワイヤ12と、ベース部材13と、4つのシリンダ14と、を含む。
前記ワイヤ吊り部11は、前記補助クレーンの前記フック200に取り付けられる。前記4本の吊りワイヤ12の上端部は、前記ワイヤ吊り部11に接続され、前記4本の吊りワイヤ12の下端部は、前記ベース部材13に接続される。
前記ベース部材13は、前記4本の吊りワイヤ12の下方において水平方向に沿って延びており、本実施形態では、直方体形状を有している。一例として、吊り装置1によってブーム103の各部材を吊り上げる際には、ベース部材13の一辺が前後方向に沿って延びるとともに、ベース部材13のうち前記一辺と直交する他辺が左右方向に沿って延びるように、ベース部材13が配置される。ベース部材13は、前記ワイヤ吊り部11及び前記4本の吊りワイヤ12を介して前記補助クレーンのフック200に支持される。
前記4本の吊りワイヤ12の下端部は、前記ベース部材13の上面の4つの角部に設けられた部材にそれぞれ固定される。前記4本の吊りワイヤ12は、ワイヤ吊り部11が前記補助クレーンのフック200によって吊り上げられた状態で前記ベース部材13が水平な姿勢を維持するようにワイヤ吊り部11とベース部材13とを互いに接続する。なお、前記吊りワイヤ12の本数は4本に限定されるものではない。また、本実施形態では前記ベース部材13は平面視したときの形状が四角形である直方体形状を有するが、これに限られない。前記ベース部材13は、例えば平面視で4角形以外の多角形を有するもの、平面視で円形又は楕円形を有するもの、これらの形状を組み合わせたものなど、種々の形状を採用可能である。
前記4つのシリンダ14のそれぞれは、作動油の供給を受けて伸縮する油圧シリンダからなり、対応する保持装置20が昇降するように作動するアクチュエータである。前記4つのシリンダ14のそれぞれは、シリンダ本体141と、シリンダロッド142と、シリンダブラケット143と、を有する。前記4つのシリンダ14は、前記ベース部材13の下面部の4つの角部に設けられた部材にそれぞれ固定される。前記シリンダブラケット143は、前記シリンダ本体141の上部に固定されている。前記ベース部材13のベースブラケット131に対して回動可能に前記シリンダブラケット143が取り付けられる。これにより、前記4つのシリンダ14のそれぞれは、前記ベース部材13に対して回動可能に支持される。
図2に示す本実施形態では、前記吊り装置1は、切換弁1Aと、駆動源1Bと、ベース部供給路1Cと、4つのシリンダ用供給路1Dと、を備える。駆動源1Bは、不図示の油タンクを含む。切換弁1Aは、油圧ポンプなどの駆動源1Bから供給された作動油の4つのシリンダ14に対する供給と遮断とを切換える。ベース部供給路1Cは、切換弁1Aと駆動源1Bとをつなぐ油路である。シリンダ用供給路1Dは、切換弁1Aと各シリンダ14とをつなぐ油路である。このような構成によれば、各保持装置20を上下に移動させることができる。これにより、前記構造部材の形状、吊り上げ姿勢に応じて、前記4つの保持装置20の高さ位置を調整し、各保持装置20を前記構造部材に容易に接続することができる。この結果、前記吊り上げ作業の作業性を向上することができる。なお、シリンダ14は電動シリンダであってもよく、この場合、駆動源1Bは電源からなる。
図2に示すように、前記4つの保持装置20は、前記取付部10の前記4つのシリンダ14にそれぞれ支持される。前記4つの保持装置20は、前記中間ブーム部材106の4つの被保持部106Hにそれぞれ取り付けられる。前記4つの保持装置20は、互いに同じ構造を有する。従って、以下では前記4つの保持装置20のうちの一つについて説明する。
図3及び図4に示すように、前記保持装置20は、前記シリンダ14の前記シリンダロッド142の下端部に接続される基端部23と、第1の脚部21と、第2の脚部22と、支持部材24と、取付ブラケット25と、支持部材移動機構26と、駆動部27と、を備える。
本実施形態では、前記基端部23は、前記保持装置20の上部に位置し、略直方体形状を有するが、このような形状に限られない。前記取付ブラケット25は、前記基端部23の上面に固定され、前記シリンダロッド142の下端部に回動可能に取り付けられる。
前記第1の脚部21は、前記基端部23における水平方向の一方の端部から下方に延び、前記基端部23に支持される。前記第1の脚部21は、前記基端部23よりも下方に配置される第1の脚部本体21Aを含む。本実施形態では、前記第1の脚部21は、その全体が前記基端部23よりも下方に位置しているので、前記第1の脚部本体21Aのみからなる。なお、前記第1の脚部21は、例えば図27に示す後述の第3の実施形態のように、前記第1の脚部本体21Aだけでなく、他の部材を含んでいてもよい。
前記第2の脚部22は、前記基端部23における水平方向の他方の端部から下方に延び、前記基端部23に支持される。前記第2の脚部22は、前記第1の脚部21に対して水平方向に間隔をおいて配置される。前記第2の脚部22は、前記基端部23よりも下方に配置される第2の脚部本体22Aを含む。本実施形態では、前記第2の脚部22は、その全体が前記基端部23よりも下方に位置しているので、前記第2の脚部本体22Aのみからなる。なお、前記第2の脚部22は、例えば図27に示す後述の第3の実施形態のように、前記第2の脚部本体22Aだけでなく、他の部材を含んでいてもよい。
図3~図7に示すように、前記第1の脚部21の第1の下端部及び前記第2の脚部22の第2の下端部は、これらの下端部同士の距離が下方に向かうにつれて大きくなるような第1の傾斜面213及び第2の傾斜面223をそれぞれ有する。前記被保持部106Hを前記保持装置20に対して上下方向に相対移動させるときに、前記被保持部106Hは、前記第1の傾斜面213及び前記第2の傾斜面223の一方又は両方に案内されながら相対移動することができる。これにより、前記被保持部106Hは、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に円滑に進入することができる。
なお、前記第1の脚部21のうち、前記第1の下端部は、当該第1の下端部以外の部分と一体成形されたものであってもよく、当該第1の下端部以外の部分に対して着脱可能に構成されていてもよい。同様に、前記第2の脚部22のうち、前記第2の下端部は、当該第2の下端部以外の部分と一体成形されたものであってもよく、当該第2の下端部以外の部分に対して着脱可能に構成されていてもよい。
また、本実施形態では、前記基端部23、前記第1の脚部21及び前記第2の脚部22は、一体成形されたものであるが、これに限られない。前記基端部23、前記第1の脚部21及び前記第2の脚部22のそれぞれが個別に成形された後、これらの部材が互いに連結されてもよい。
図3及び図4に示すように、前記支持部材24は、進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体21Aに支持される。
前記進入許容位置は、図4の(A)に示すように、前記支持部材24が前記第2の脚部本体22Aから退避して前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に前記中間ブーム部材106の前記被保持部106Hが進入することを許容する位置である。具体的に、本実施形態では、前記支持部材24が前記進入許容位置に配置されると、前記複数の保持装置20を下方に移動させることにより、各保持装置20の前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に、対応する前記被保持部106Hを進入させる。
前記保持位置は、図3及び図4の(B)に示すように、前記支持部材24が前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aに支持されながら前記支持部材24の上に前記中間ブーム部材106の前記被保持部106Hを保持する位置である。
前記支持部材24は、前記保持位置において、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に跨って前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとを連結する。前記支持部材24が前記保持位置に配置されると、前記基端部23、前記第1の脚部本体21A、第2の脚部本体22A及び前記支持部材24は、前記被保持部106Hを収容する収容部A1を形成する。当該収容部A1は、前記基端部23、前記第1の脚部本体21A、第2の脚部本体22A及び前記支持部材24に囲まれる領域である。
前記支持部材24が前記保持位置に配置されると、当該支持部材24の上に保持される前記被保持部は、前記支持部材24に対して下方に相対移動することが阻止され、前記収容部A1に保持される。
前記支持部材24が前記第2の脚部本体22Aから離れて前記進入許容位置に配置されると、当該支持部材24と前記第2の脚部本体22Aとの間に、前記被保持部106Hが前記収容部A1に進入するための進入路A2が形成される。当該進入路A2は、前記支持部材24と前記第2の脚部本体22Aとの間の領域である。
本実施形態では、前記第1の脚部本体21Aは、当該第1の脚部本体21Aを水平方向に貫通する第1の貫通孔212を有し、前記第2の脚部本体22Aは、当該第2の脚部本体22Aを水平方向に貫通する第2の貫通孔222を有する。図4の(A)及び(B)に示すように、前記支持部材24は、前記進入許容位置及び前記保持位置の何れの位置においても、前記第1の貫通孔212に挿入された状態にあることにより前記第1の脚部本体21Aに支持される。前記支持部材24は、前記進入許容位置から前記保持位置に移動するときに、当該支持部材24の端部が前記第2の貫通孔222に挿入された状態となることにより、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aに支持される。
なお、本実施形態では、前記支持部材24の移動する方向は、水平方向であるが、これに限られず、前記水平方向に対して傾斜した方向であってもよい。
本実施形態では、前記支持部材24が前記進入許容位置に配置されるとき、前記支持部材24は、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間には配置されていない。これにより、前記第1の脚部本体21Aの下端211と前記第2の脚部本体22Aの下端221との間の開口から前記収容部A1に向かって、前記被保持部が前記保持装置20に対して相対移動するときに、前記支持部材24が前記被保持部の移動の邪魔にならない。ただし、前記支持部材24が前記進入許容位置に配置されるとき、前記支持部材24の端部(先端部)を含む部分が前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に配置されていてもよい。この場合、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に配置される前記支持部材24の前記先端部と、前記第2の脚部本体22Aとの間隔(水平方向の距離)は、前記被保持部が前記支持部材24の前記先端部と前記第2の脚部本体22Aとの間を上下方向に通過することができる大きさに設定される。また、この場合、前記支持部材24の前記先端部は、当該先端部と前記第2の脚部本体22Aとの間の水平方向の距離が下方に向かうにつれて大きくなるような傾斜面を有することが好ましい。これにより、前記被保持部は、前記支持部材24の前記傾斜面に案内されながら、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に円滑に進入することができる。
図1及び図5に示すように、前記保持装置20が装着される前記中間ブーム部材106の被保持部106Hは、前記中間ブーム部材106のメインパイプP1と一対の傾斜パイプP2,P2との接続部分である。本実施形態では、前記中間ブーム部材106は、ラチス構造を有する。具体的に、前記中間ブーム部材106は、4本のメインパイプP1と、複数の傾斜パイプP2とを含む。前記4本のメインパイプP1のそれぞれは、前記ブーム103の長手方向に沿って配置される。前記複数の傾斜パイプP2のそれぞれは、隣り合う2本のメインパイプP1同士を接続する。図5に示すように、前記複数の傾斜パイプP2のうち、隣り合う2本の傾斜パイプP2,P2の上端部は、互いに隣接するように一つのメインパイプP1に対して接続されている。前記2本の傾斜パイプP2,P2のうち前側の傾斜パイプP2は、その下端部が前記上端部よりも前方に位置するように傾斜し、後側の傾斜パイプP2は、その下端部が前記上端部よりも後方に位置するように傾斜している。
図5に示すように、前記支持部材24は、当該支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hの下部の形状に対応する形状を有する。具体的に、前記支持部材24は、前記被保持部106Hにおける前記2つの傾斜パイプP2,P2の表面に沿うように傾斜した一対の傾斜面243,244を有する(接触面の一例)。当該一対の傾斜面243,244は、前記支持部材24の上部に形成されている。図5に示すように前記支持部材24をその長手方向に見たときに、一方の傾斜面243(図5では左側の傾斜面)は、鉛直方向に対して一方の傾斜パイプP2(図5では左側の傾斜パイプ)の表面と同じ方向に傾斜し、他方の傾斜面244(図5では右側の傾斜面)は、鉛直方向に対して他方の傾斜パイプP2(図5では右側の傾斜パイプ)の表面と同じ方向に傾斜している。前記一対の傾斜面243,244は、前記被保持部106Hにおける前記2つの傾斜パイプP2,P2の表面に接する。なお、前記支持部材24は、前記被保持部106Hを保持することができればよいので、必ずしも図5に示すような前記一対の傾斜面243,244を有していなくてもよく、前記一対の傾斜面243,244の一方又は両方を省略することもできる。
前記支持部材24は、例えば鋼などの金属により構成された剛性を有する部材本体245と、当該部材本体245に取り付けられた一対の緩衝部材246,247と、を含む。前記一対の傾斜面243,244は、前記一対の緩衝部材246,247の表面をそれぞれ構成する。前記一対の緩衝部材246,247は、前記部材本体245よりも硬度の低い材料により構成される。これにより、前記中間ブーム部材106の前記被保持部106Hにキズがつくことが抑制される。前記一対の緩衝部材246,247は、クッション性を有することが好ましい。前記一対の緩衝部材246,247は、前記被保持部106Hの表面に対して滑りにくくなるような摩擦抵抗を有することが好ましい。なお、前記一対の緩衝部材246,247の一方又は両方を省略することもできる。
前記支持部材移動機構26は、前記支持部材24を前記進入許容位置と前記保持位置との間で移動させるように作動する。前記駆動部27は、前記支持部材移動機構26を駆動する。
図6及び図7に示すように、本実施形態では、前記駆動部27は、電気モータ27Mにより構成され、前記支持部材移動機構26は、前記電気モータ27Mにより回転する複数の歯車を有する機構により構成される。前記電気モータ27M及び前記複数の歯車は、ケース30に収容され、当該ケース30は、前記第1の脚部本体21Aの側面に取り付けられている。なお、前記駆動部27は、電気モータ27Mに限られず、例えば油圧モータなどの他の駆動機構により構成されていてもよい。
前記複数の歯車は、第1の歯車26Aと、第2の歯車26Bと、第3の歯車26Cと、を含む。前記第1の歯車26Aは、前記電気モータ27Mの回転軸に接続され、当該電気モータ27Mの回転に伴って回転する。前記第2の歯車26Bは、前記第1の歯車26Aに外接して前記第1の歯車26Aの回転に伴って回転する。前記第3の歯車26Cは、前記第2の歯車26Bに対してその回転軸の軸方向にずれた位置に配置され、前記第2の歯車26Bの回転軸に接続され、前記第2の歯車26Bの回転に伴って回転する。
前記支持部材24の表面(図7では前記支持部材24の下面)には、前記第3の歯車26Cにかみ合うラック部24Aが形成されている。当該ラック部24Aは、前記支持部材24の平面状の下面に複数の歯が形成された部分である。従って、前記電気モータ27Mの回転力は、前記第1の歯車26A、前記第2の歯車26B及び前記第3の歯車26Cの順に伝達され、前記ラック部24Aの直線的な動きに変換される。すなわち、前記支持部材24は、前記電気モータ27Mの回転方向に応じた方向に移動することができるので、前記保持位置と前記進入許容位置との間で移動することができる。
なお、前記支持部材移動機構26は、複数の歯車を有する機構に限られず、単一の歯車のみを有する機構により構成されていてもよい。この場合、例えば、前記電気モータ27Mなどの前記駆動部27が単一の歯車(例えば前記第3の歯車26C)を直接回転させ、当該単一の歯車の回転力が当該単一の歯車に噛み合う前記ラック部24Aの直線的な動きに変換される。
図8、図9、図10及び図11は、前記吊り装置1を用いて中間ブーム部材106を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。図12及び図13は、参考例に係る吊り装置301を用いて構造部材を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。
図14は、参考例に係る吊り装置301のスリング302が中間ブーム部材106Aの突起303に装着された状態を示す拡大斜視図であり、図15はその側面図である。図16は、参考例に係る吊り装置301のスリング302が中間ブーム部材106Aの突起303から外れた状態を示す拡大側面図である。
まず、参考例に係る前記吊り装置及びそれを用いた吊り上げ方法について簡単に説明する。図12及び図13に示すように、参考例に係る前記吊り装置301は、複数のスリング302により構成される。前記中間ブーム部材106Aは、前記複数のスリング302を装着するための複数の突起303(吊環)を備える。玉掛け作業を行う作業者は、前記スリング302の両輪を前記補助クレーンのフック200に掛ける。これにより、前記スリング302がループを形成する。次に、前記作業者は、前記ループの下端付近の部分を前記中間ブーム部材106Aの前記突起303に引っ掛ける。これにより、前記スリング302が前記フック200と前記突起303に装着される。前記作業者は、前記複数のスリング302のそれぞれについて上記の装着作業を行う。
図12に示すように、前記複数のスリング302について前記装着作業が完了した時点では、前記複数のスリング302のそれぞれは、前記フック200と前記突起303との間で弛んだ状態である。このため、前記補助クレーンを操縦するオペレータは、図12に示すように前記複数のスリング302が弛んだ状態(弛緩状態)から、図13に示すように前記複数のスリング302がピンと張った状態(緊張状態)になるように、前記補助クレーンのフック200を少しずつ上昇させるための操作(フック上昇操作)を行う。
図14及び図15に示すように、前記中間ブーム部材106Aの前記突起303に引っ掛けられた前記ループの下端付近の部分は、前記スリング302が弛緩状態にあるため、前記フック上昇操作による前記フック200の上昇過程において、図16に示すように前記突起303から外れることがある。従って、前記玉掛け作業を行う前記作業者は、前記フック200の上昇過程において、前記複数のスリング302のそれぞれが前記突起303から外れないように介助する介助作業を行う必要がある。また、前記補助クレーンを操縦する前記オペレータは、前記複数のスリング302のそれぞれが前記突起303から外れないように前記作業者と連携しながら前記フック200が少しずつ上昇するように前記フック上昇操作を慎重に行う必要がある。
一方、本実施形態に係る吊り上げ方法は、次の手順で行われる。
図8に示すように、まず、前記中間ブーム部材106が準備される。準備された前記中間ブーム部材106は、例えば複数の土台Hの上に配置される。
次に、前記玉掛け作業を行う作業者又は前記補助クレーンを操縦するオペレータが前記電気モータ27Mを作動させるための操作を行うことにより、前記複数の保持装置20のそれぞれの前記支持部材24が前記進入許容位置に配置される。
次に、図9に示すように、前記補助クレーンのオペレータは、当該補助クレーンのフック200を下降させる操作を行うことにより、前記吊り装置1を下方に移動させる。これにより、前記複数の保持装置20が下方に移動し、図10に示すように、各保持装置20の前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に、対応する前記被保持部106Hが進入する。
次に、前記玉掛け作業を行う作業者又は前記補助クレーンを操縦するオペレータが前記電気モータ27Mを作動させるための操作を行うことにより、前記複数の保持装置20のそれぞれの前記支持部材24が前記保持位置に配置される。前記保持装置20は、前記支持部材24が前記2つの傾斜パイプP2,P2の間に位置するように前記中間ブーム部材106に取り付けられる。これにより、前記保持装置20が前記中間ブーム部材106に対して前後方向に位置ずれすることが抑制される。
次に、図11に示すように、前記オペレータは、前記補助クレーンのフック200を上昇させる操作を行うことにより、前記吊り装置1を上方に移動させる。これにより、前記複数の保持装置20が上方に移動し、前記中間ブーム部材106が吊り上げられる。
以上のように、本実施形態では、前記支持部材24が前記進入許容位置に配置された状態で、前記複数の保持装置20のそれぞれが前記被保持部に対して下方に相対移動することにより、前記被保持部106Hが前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に進入する。そして、前記被保持部106Hが前記収容部A1に配置された状態で、前記複数の保持装置20のそれぞれの前記支持部材24が前記進入許容位置から前記保持位置に移動する。これにより、前記被保持部106Hが前記支持部材24の上に保持されて前記被保持部106Hが前記支持部材24に対して下方に相対移動することが阻止されるので、前記被保持部106Hが前記収容部A1に保持される。このように前記被保持部106Hが保持されることにより、前記フック上昇操作により前記フック200が上昇する過程において前記作業者による前記介助作業を簡素化又は省略することが可能になり、前記オペレータが前記フック上昇操作を迅速に行うことも可能になる。
[第1の実施形態の変形例]
図17は、第1の実施形態の変形例1に係る吊り装置1の保持装置を示す斜視図である。図17に示すように、この変形例1では、前記複数の保持装置20のそれぞれは、上部押圧部材28と、上部押圧部材移動機構29と、規制部と、をさらに備える。
前記上部押圧部材28は、前記基端部23と前記支持部材24との間に介在する。当該上部押圧部材28は、前記収容部A1に配置されて前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hの上部に対向する対向面28Sを有する。この対向面28Sは、前記上部押圧部材28の下面により構成される。変形例1では、前記対向面28Sは、平坦面により構成される。具体的には、当該対向面28Sは、水平面により構成される。
この変形例1では、前記基端部23と前記支持部材24との上下方向の距離と前記被保持部の上下方向の寸法との差が比較的大きいことに起因して前記被保持部と前記基端部23との間に比較的大きな隙間が形成される場合であっても、前記基端部23と前記支持部材24との間に介在する前記上部押圧部材28により当該隙間が減少する。これにより、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hにがたつきが生じることを抑制できる。
前記上部押圧部材28は、前記基端部23よりも硬度の低い材料により構成されることが好ましい。これにより、前記中間ブーム部材106の前記被保持部106Hにキズがつくことが抑制される。前記上部押圧部材28は、クッション性を有することがより好ましい。
本実施形態では、前記上部押圧部材28は、前記上部押圧部材移動機構29を介して前記基端部23に支持されている。
前記上部押圧部材移動機構29は、前記上部押圧部材28を前記基端部23に対して上下方向に相対移動させるように作動する一対のシリンダ29A,29Bにより構成される。前記一対のシリンダ29A,29Bのそれぞれは、シリンダ本体291と、シリンダロッド292と、を有する。前記シリンダ本体291は、基端部23に固定されている。前記シリンダロッド292は、前記シリンダ本体291に対して上下方向に相対移動可能に構成される。前記シリンダロッド292は、前記基端部23を上下方向に貫通する貫通孔に挿通され、前記シリンダロッド292の下端部は、前記基端部23よりも下方に位置し、前記上部押圧部材28に固定されている。
前記一対のシリンダ29A,29Bのそれぞれは、例えば、図2に示す駆動源1Bから図略の油路を介して供給される作動油により作動する。前記油路には図略の切換弁が配置されている。前記切換弁が中立位置に設定されると、前記駆動源1Bからの作動油は、前記一対のシリンダ29A,29Bに供給されない。前記切換弁が前記中立位置から第1の位置に切り換えられ、前記一対のシリンダ29A,29Bのそれぞれのヘッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド292が前記シリンダ本体291から下方に突出する寸法が大きくなる。これにより、前記上部押圧部材28が下降する。一方、前記切換弁が前記中立位置から第2の位置に切り換えられ、前記一対のシリンダ29A,29Bのそれぞれのロッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド292が前記シリンダ本体291から突出する寸法が小さくなる。これにより、前記上部押圧部材28が上昇する。なお、一対のシリンダ29A,29Bは電動シリンダであってもよく、この場合、駆動源1Bは電源により構成される。また、前記上部押圧部材移動機構29は、前記一対のシリンダ29A,29Bにより構成される態様に限られず、単一のシリンダにより構成されていてもよく、3つ以上のシリンダにより構成されていてもよい。
前記規制部は、前記支持部材24が前記保持位置から移動することを規制する規制状態と、前記支持部材24が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することを許容する許容状態との間で切り換わることができるように構成される。本実施形態では、前記規制部は、シリンダ33により構成される。前記シリンダ33は、シリンダ本体33と、シリンダロッド33と、を有する。
本実施形態では、前記シリンダ本体33は、前記第2の脚部22に固定されているが、例えば、前記第1の脚部21に固定されていてもよく、前記基端部23に固定されていてもよい。前記シリンダロッド33は、前記シリンダ本体33に対して上下方向に相対移動可能に構成される。
前記シリンダ33は、例えば、図2に示す駆動源1Bから図略の油路を介して供給される作動油により作動する。前記油路には図略の切換弁が配置されている。前記切換弁が中立位置に設定されると、前記駆動源1Bからの作動油は、前記シリンダ33に供給されない。
前記切換弁が前記中立位置から第1の位置に切り換えられ、前記シリンダ33のヘッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド33が前記シリンダ本体33から下方に突出する寸法が大きくなる。これにより、前記シリンダロッド33の下端部が、前記支持部材24の端部を上下方向に貫通する貫通孔24hに挿入される(前記規制状態)。前記シリンダ33が前記規制状態に切り換わると、前記吊り上げ作業において前記中間ブーム部材106が吊り上げられるときに、前記作業者、前記オペレータなどの作業関係者の意図に反して前記支持部材24が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することを確実に阻止することができる。なお、前記貫通孔24hは、前記支持部材24が前記保持位置に配置されるときに前記シリンダロッド33に対応する位置、すなわち、シリンダロッド33の真下に形成されている。
一方、前記切換弁が前記中立位置から第2の位置に切り換えられ、前記シリンダ33のロッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド33が前記シリンダ本体33から突出する寸法が小さくなる。これにより、前記シリンダロッド33の下端部が、前記支持部材24から退避する(前記許容状態)。前記シリンダ33が前記許容状態に切り換わると、前記支持部材24が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することが許容される。なお、シリンダ33は電動シリンダであってもよく、この場合、駆動源1Bは電源により構成される。
図18は、第1の実施形態の変形例2に係る吊り装置1の保持装置20を示す斜視図である。図19は、この変形例2に係る吊り装置1の保持装置20を前記中間ブーム部材106の被保持部106Hに取り付けた状態を示す斜視図である。図は、図19の正面図であり、前記保持装置20の上部押圧部材28の位置を移動させる前の状態を示す。図2は、図19の正面図であり、前記保持装置20の上部押圧部材28の位置を移動させた後の状態を示す。
図18に示すように、この変形例2は、前記上部押圧部材28の前記対向面28S(下面)の形状が前記変形例1とは異なる。また、この変形例2では、前記規制部は省略されている。
この変形例2では、前記上部押圧部材28の前記対向面28Sは、前記被保持部106Hの前記上部の形状に対応する形状を有する。具体的に、前記対向面28Sは、前記被保持部106Hにおける前記メインパイプP1の上面の湾曲形状(円弧形状)に沿う形状を有する。このような前記対向面28Sを有する前記上部押圧部材28は、前記吊り上げ作業において、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hにがたつきが生じることをさらに抑制できる。図18に示す具体例では、前記対向面28Sは、中央の水平面と、当該水平面の両側に位置する一対の傾斜した平面とからなるが、このような構成に限られない。例えば、前記対向面28Sは、前記メインパイプP1の上面の湾曲形状(円弧形状)に沿う湾曲形状を有していてもよい。
図19に示すように、前記保持装置20は、前記支持部材24が前記2つの傾斜パイプP2,P2の上端部の間に位置するとともに、前記上部押圧部材28と前記支持部材24との間に前記メインパイプP1が位置するように前記中間ブーム部材106に取り付けられる。
図2及び図2に示すように、前記被保持部106Hの上下方向の寸法に応じて前記上部押圧部材28の前記基端部23に対する上下方向の相対位置を、前記上部押圧部材移動機構29によって変えることができる。これにより、前記被保持部106Hの上下方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部106Hの上下方向の寸法に適した位置に前記上部押圧部材28の前記相対位置を調節し、前記被保持部106Hが前記収容部A1においてがたつくことを抑制できる。
図22は、第1の実施形態の変形例3に係る吊り装置1の保持装置20を示す斜視図であり、前記保持装置20の第1の側部押圧部材41及び第2の側部押圧部材42の位置を移動させる前の状態を示す。図23は、前記変形例3に係る吊り装置1の保持装置20を示す斜視図であり、前記保持装置20の第1の側部押圧部材41及び第2の側部押圧部材42の位置を移動させた後の状態を示す。
図22及び図23に示すように、変形例3に係る吊り装置1では、前記複数の保持装置20のそれぞれは、第1の側部押圧部材41と、第2の側部押圧部材42と、第1の側部押圧部材移動機構43と、第2の側部押圧部材移動機構44と、をさらに備える点で、上記の実施形態及び変形例と相違する。前記実施形態及び前記変形例と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
前記第1の側部押圧部材41は、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に介在する。前記第1の側部押圧部材41は、前記第1の側部押圧部材移動機構43を介して前記第1の脚部本体21Aに支持される。前記第1の側部押圧部材41は、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hの第1の側部に対向する第1の対向面41Sを有する。
前記第2の側部押圧部材42は、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に介在する。前記第2の側部押圧部材42は、前記第2の側部押圧部材移動機構44を介して前記第2の脚部本体22Aに支持される。前記第2の側部押圧部材42は、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hの第2の側部に対向する第2の対向面42Sを有する。
前記第1の側部押圧部材移動機構43は、前記第1の側部押圧部材41を前記第1の脚部本体21Aに対して相対移動させるように作動し、前記第2の側部押圧部材移動機構44は、前記第2の側部押圧部材42を前記第2の脚部本体22Aに対して相対移動させるように作動する。これにより、前記第1の対向面41Sと前記第2の対向面42Sとの水平方向の距離が変化する。
前記第1の側部押圧部材移動機構43は、複数の第1のシリンダ45(図例では4つのシリンダ)により構成される。前記複数の第1のシリンダ45のそれぞれは、シリンダ本体451と、シリンダロッド452と、を有する。前記シリンダ本体451は、対応する第1の脚部本体21Aに固定されている。前記シリンダロッド452は、前記シリンダ本体451に対して側方(例えば水平方向)に相対移動可能に構成される。前記シリンダロッド452は、前記第1の脚部本体21Aを水平方向に貫通する貫通孔に挿通され、前記シリンダロッド452の先端は、前記第1の側部押圧部材41に固定されている。
前記第2の側部押圧部材移動機構44は、複数の第2のシリンダ46(図例では4つのシリンダ)により構成される。前記複数の第2のシリンダ46のそれぞれは、シリンダ本体461と、シリンダロッド462と、を有する。前記シリンダ本体461は、対応する第2の脚部本体22Aに固定されている。前記シリンダロッド462は、前記シリンダ本体461に対して側方(例えば水平方向)に相対移動可能に構成される。前記シリンダロッド462は、前記第2の脚部本体22Aを水平方向に貫通する貫通孔に挿通され、前記シリンダロッド462の先端は、前記第2の側部押圧部材42に固定されている。
前記複数の第1のシリンダ45及び前記複数の第2のシリンダ46のそれぞれは、例えば、図2に示す駆動源1Bから図略の油路を介して供給される作動油により作動する。前記油路には図略の切換弁が配置されている。前記切換弁が中立位置に設定されると、前記駆動源1Bからの作動油は、前記シリンダ45,46に供給されない。前記切換弁が前記中立位置から第1の位置に切り換えられ、前記シリンダ45,46のそれぞれのヘッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド452,462が前記シリンダ本体451,461から側方に突出する寸法が大きくなる。これにより、前記第1の側部押圧部材41及び前記第2の側部押圧部材42が互いに近づく方向に移動する。
一方、前記切換弁が前記中立位置から第2の位置に切り換えられ、前記シリンダ45,46のそれぞれのロッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド452,462が前記シリンダ本体451,461から突出する寸法が小さくなる。これにより、前記第1の側部押圧部材41及び前記第2の側部押圧部材42が互いに遠ざかる方向に移動する。なお、前記シリンダ45,46は電動シリンダであってもよく、この場合、駆動源1Bは電源により構成される。また、前記第1の側部押圧部材移動機構43及び前記第2の側部押圧部材移動機構44のそれぞれは、前記4つのシリンダにより構成される態様に限られず、単一のシリンダにより構成されていてもよく、4つ以外の複数のシリンダにより構成されていてもよい。
この変形例3では、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aの水平方向の距離と前記被保持部106Hの水平方向の寸法との差が比較的大きいことに起因してこれらの脚部本体21A,22Aと前記被保持部106Hとの間に比較的大きな隙間が形成される場合であっても、前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの間に介在する前記第1及び第2の側部押圧部材41,42により前記隙間が減少する。これにより、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hにがたつきが生じることを抑制できる。
図24は、前記変形例3に係る吊り装置の保持装置により被保持部が保持された状態の概念図である。図24の(A),(B)に示すように、変形例3では、前記被保持部106Hの水平方向の寸法に応じて前記第1の対向面41Sと前記第2の対向面42Sとの水平方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部106Hの水平方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部106Hの水平方向の寸法に適するように前記第1の対向面41Sと前記第2の対向面42Sとの水平方向の距離を調節し、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hにがたつきが生じることを抑制できる。
また、変形例3では、図24の(C),(D)に示すように、前記保持装置20が変形例2と同様の前記上部押圧部材28及び前記上部押圧部材移動機構29をさらに備えることが好ましい。この態様では、前記被保持部106Hの上下方向の寸法に応じて前記上部押圧部材28の前記基端部23に対する相対位置を変えることができる。これにより、前記被保持部106Hの上下方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部106Hの上下方向の寸法に適した位置に前記上部押圧部材28の前記相対位置を調節し、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hにがたつきが生じることを抑制できる。
なお、前記変形例3の具体例を示す図22及び図23では、前記第1の対向面41S及び前記第2の対向面42Sのそれぞれは、平坦面により構成されるが、次のような面であってもよい。すなわち、前記第1の対向面41Sは、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hの前記第1の側部(第1の対向面41Sに対向する側部)の形状に対応する形状を有し、前記第2の対向面42Sは、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hの前記第2の側部(第2の対向面42Sに対向する側部)の形状に対応する形状を有することが好ましい。具体的に、前記第1の対向面41Sは、前記被保持部106Hにおける前記メインパイプP1の側面(前記第1の側部における表面)の湾曲形状(円弧形状)に沿う形状を有し、前記第2の対向面42Sは、前記被保持部106Hにおける前記メインパイプP1の側面(前記第2の側部における表面)の湾曲形状(円弧形状)に沿う形状を有することが好ましい。この態様では、上記のような前記第1の対向面41Sを有する前記第1の側部押圧部材41及び前記第2の対向面42Sを有する前記第2の側部押圧部材42は、前記吊り上げ作業において、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hにがたつきが生じることをさらに抑制できる。
[第2の実施形態]
図25及び図26は、第2の実施形態に係る吊り装置1の保持装置20を示す斜視図である。第2の実施形態に係る吊り装置1は、前記第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aが前記基端部23に対して上下方向に相対移動可能である点で、前記第1の実施形態とは相違している。以下、この相違点について説明し、その他の構成の説明は省略する。
この第2の実施形態では、前記被保持部106Hの上下方向の寸法に応じて前記第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aの前記基端部23に対する上下方向の相対位置を変えることで、前記基端部23と前記支持部材24との上下方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部106Hの上下方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部106Hの上下方向の寸法に適した位置に前記第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aの前記基端部23に対する前記相対位置を調節し、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hにがたつきが生じることを抑制できる。
以下、第2の実施形態について具体的に説明する。
図25に示すように、前記複数の保持装置20のそれぞれは、前記第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aを前記基端部23に対して上下方向に相対移動させるように作動する上下移動機構50を備える。前記上下移動機構50は、第1のシリンダ51と、第2のシリンダ52と、複数の第1の案内部材55と、複数の第2の案内部材56と、により構成される。
前記第1のシリンダ51は、シリンダ本体511と、シリンダロッド512と、を有する。前記シリンダ本体511は、基端部23に固定されている。前記シリンダロッド512は、前記シリンダ本体511に対して上下方向に相対移動可能に構成される。前記シリンダロッド512は、前記基端部23を上下方向に貫通する貫通孔に挿通され、前記シリンダロッド512の下端部は、前記基端部23よりも下方に位置し、前記第1の脚部本体21Aの上部に固定されている。
同様に、前記第2のシリンダ52は、シリンダ本体521と、シリンダロッド522と、を有する。前記シリンダ本体521は、基端部23に固定されている。前記シリンダロッド522は、前記シリンダ本体521に対して上下方向に相対移動可能に構成される。前記シリンダロッド522は、前記基端部23を上下方向に貫通する貫通孔に挿通され、前記シリンダロッド522の下端部は、前記基端部23よりも下方に位置し、前記第2の脚部本体22Aの上部に固定されている。
前記第1及び第2のシリンダ51,52のそれぞれは、例えば、図2に示す駆動源1Bから図略の油路を介して供給される作動油により作動する。前記油路には図略の切換弁が配置されている。前記切換弁が中立位置に設定されると、前記駆動源1Bからの作動油は、前記第1及び第2のシリンダ51,52に供給されない。前記切換弁が前記中立位置から第1の位置に切り換えられ、前記第1及び第2のシリンダ51,52のそれぞれのヘッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド512,522が前記シリンダ本体511,521から下方に突出する寸法が大きくなる。これにより、前記第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aが下降する。一方、前記切換弁が前記中立位置から第2の位置に切り換えられ、前記第1及び第2のシリンダ51,52のそれぞれのロッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド512,522が前記シリンダ本体511,521から突出する寸法が小さくなる。これにより、前記第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aが上昇する。なお、前記第1及び第2のシリンダ51,52は電動シリンダであってもよく、この場合、駆動源1Bは電源により構成される。
前記複数の第1の案内部材55のそれぞれは棒形状を有する。前記複数の第1の案内部材55のそれぞれの上端部は、前記基端部23に固定されている。前記複数の第1の案内部材55のそれぞれは、前記基端部23から下方に延び、前記第1の脚部本体21Aに形成された上下方向穴部に挿通されている。前記複数の第1の案内部材55は、前記第1の脚部本体21Aが上下方向に移動するのに伴って上下方向に移動し、これにより、前記第1の脚部本体21Aの上下方向の移動を安定させる。同様に、前記複数の第2の案内部材56は、前記複数の第1の案内部材55と同様の構成を有し、前記第2の脚部本体22Aの上下方向の移動を安定させる。
[第3の実施形態]
図27は、第3の実施形態に係る吊り装置1の保持装置20を示す斜視図である。この第3の実施形態に係る吊り装置1は、前記第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aが前記基端部23に対して水平方向に相対移動可能である構成をさらに備える点で、前記第2の実施形態とは相違している。以下、この相違点について説明し、その他の構成の説明は省略する。
この第3の実施形態では、前記被保持部106Hの水平方向の寸法に応じて前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの水平方向の距離を変えることができる。これにより、前記被保持部106Hの水平方向の寸法が前記吊り上げ作業ごとに異なる場合であっても、前記被保持部106Hの水平方向の寸法に適するように前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの水平方向の距離を調節し、前記支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hにがたつきが生じることを抑制できる。
以下、第3の実施形態について具体的に説明する。
図27に示すように、前記第1の脚部21は、前記第1の脚部本体21Aだけでなく、当該第1の脚部本体21Aの上方に配置される第1の上方部材21Bをさらに含む。前記第2の脚部22は、前記第2の脚部本体22Aだけでなく、当該第2の脚部本体22Aの上方に配置される第2の上方部材22Bをさらに含む。前記第1の上方部材21B及び前記第2の上方部材22Bは、前記基端部23の両サイドに配置されている。言い換えると、前記第1の上方部材21B、前記基端部23及び前記第2の上方部材22Bは、この順に水平方向に並んでいる。
前記第1の脚部本体21Aは、前記第2の実施形態における前記上下移動機構50と同様の構造を有する上下移動機構50の第1のシリンダ51により前記第1の上方部材21Bに支持され、当該第1の上方部材21Bに対して上下方向に相対移動可能に構成される。前記第2の脚部本体22Aは、前記第2の実施形態における前記上下移動機構50と同様の構造を有する上下移動機構50の第2のシリンダ52により前記第2の上方部材22Bに支持され、当該第2の上方部材22Bに対して上下方向に相対移動可能に構成される。これらの第1及び第2のシリンダ52の構成は、前記第2の実施形態と同様であるので、前記第2の実施形態と同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図27に示す第3の実施形態では、前記複数の保持装置20のそれぞれは、側方移動機構60をさらに備える。前記側方移動機構60は、前記第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aを前記基端部23に対して相対移動させることにより前記第1の脚部本体21Aと前記第2の脚部本体22Aとの水平方向の距離を変化させるように作動する。前記側方移動機構60は、複数の第1のシリンダ61(図例では一対のシリンダ)と、複数の第2のシリンダ62(図例では一対のシリンダ)と、複数の第1の案内部材65と、複数の第2の案内部材66と、により構成される。
前記複数の第1のシリンダ61のそれぞれは、シリンダ本体611と、シリンダロッド612と、を有する。前記シリンダ本体611は、前記第1の上方部材21Bに固定されている。前記シリンダロッド612は、前記シリンダ本体511に対して水平方向に相対移動可能に構成される。前記シリンダロッド612は、前記第1の上方部材21Bを水平方向に貫通する貫通孔に挿通され、前記シリンダロッド612の先端部は、前記基端部23の側部に固定されている。
同様に、前記複数の第2のシリンダ62のそれぞれは、シリンダ本体621と、シリンダロッド622と、を有する。前記シリンダ本体621は、前記第2の上方部材22Bに固定されている。前記シリンダロッド622は、前記シリンダ本体621に対して水平方向に相対移動可能に構成される。前記シリンダロッド622は、前記第2の上方部材22Bを水平方向に貫通する貫通孔に挿通され、前記シリンダロッド622の先端部は、前記基端部23の側部に固定されている。
前記第1及び第2のシリンダ61,62のそれぞれは、例えば、図2に示す駆動源1Bから図略の油路を介して供給される作動油により作動する。前記油路には図略の切換弁が配置されている。前記切換弁が中立位置に設定されると、前記駆動源1Bからの作動油は、前記第1及び第2のシリンダ61,62に供給されない。
前記切換弁が前記中立位置から第1の位置に切り換えられ、前記第1及び第2のシリンダ61,62のそれぞれのヘッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド612,622が前記シリンダ本体611,621から側方に突出する寸法が大きくなる。これにより、前記第1の上方部材21Bが前記基端部23から遠ざかる方向(水平方向)に移動し、前記第2の上方部材22Bが前記基端部23から遠ざかる方向(水平方向)に移動する。その結果、前記第1の脚部本体21A及び前記第1の上方部材21Bを含む前記第1の脚部21が前記基端部23から遠ざかる方向(水平方向)に移動する。
一方、前記切換弁が前記中立位置から第2の位置に切り換えられ、前記第1及び第2のシリンダ61,62のそれぞれのロッド側室に前記作動油が供給されると、前記シリンダロッド612,622が前記シリンダ本体611,621から突出する寸法が小さくなる。これにより、前記第の上方部材21Bが前記基端部23に近づく方向(水平方向)に移動し、前記第2の上方部材22Bが前記基端部23に近づく方向(水平方向)に移動する。その結果、前記第2の脚部本体22A及び前記第2の上方部材22Bを含む前記第2の脚部22が前記基端部23に近づく方向(水平方向)に移動する。なお、前記第1及び第2のシリンダ61,62は電動シリンダであってもよく、この場合、駆動源1Bは電源により構成される。
前記複数の第1の案内部材65のそれぞれは棒形状を有する。前記複数の第1の案内部材65のそれぞれの基端部は、前記第1の上方部材21Bに固定されている。前記複数の第1の案内部材65のそれぞれは、前記第1の上方部材21Bから水平方向に延び、前記基端部23に形成された水平方向穴部に挿通されている。前記複数の第1の案内部材65は、前記第1の上方部材21Bが水平方向に移動するのに伴って水平方向に移動し、これにより、前記第1の上方部材21Bの水平方向の移動を安定させる。同様に、前記複数の第2の案内部材66は、前記複数の第1の案内部材65と同様の構成を有し、前記第2の上方部材22Bの水平方向の移動を安定させる。
[その他の変形例]
前記実施形態において、第1の脚部本体21A及び前記第2の脚部本体22Aの傾斜面213,223は省略可能である。また、前記実施形態において、前記ベース部材13は省略可能である。前記実施形態において、前記支持部材移動機構26及び駆動部27は省略可能である。
前記実施形態では、前記吊り装置1は、4つの保持装置20を備えるが、4つ以外の複数の保持装置20を備えていてもよい。
前記実施形態では、図1及び図5に示すように、前記保持装置20が装着される前記中間ブーム部材106の被保持部106Hは、前記中間ブーム部材106のメインパイプP1と一対の傾斜パイプP2,P2との接続部分であり、前記保持装置20の前記支持部材24は、前記一対の傾斜パイプP2,P2の間に配置されているが、前記被保持部106Hは、図1及び図5に示す部位に限られず、前記支持部材24が配置される部位は、図1及び図5に示す部位に限られない。これらの部位の変形例として、次のような態様を挙げることができる。
図28は、変形例に係る前記保持装置20の支持部材24と、前記中間ブーム部材106の被保持部106Hとの位置関係を示す図であり、図29は、図28の変形例に係る前記支持部材24を備える前記吊り装置1を用いて前記中間ブーム部材106を吊り上げる吊り上げ作業を示す図である。なお、この変形例に係る前記吊り装置1は、例えば図2に示すように配置された4つの保持装置20を備えるが、図28及び図29の側面図では、前記4つの保持装置20のうちの2つの保持装置20のみが図示されている。また、図28では、前記支持部材24と、前記中間ブーム部材106のメインパイプP1及び一対の傾斜パイプP2,P2との位置関係を説明するために、各保持装置20を構成する部材のうちの前記支持部材24の断面のみが図示されている。
この変形例では、図28及び図29に示すように、前記保持装置20が装着される前記中間ブーム部材106の被保持部106Hは、前記中間ブーム部材106のメインパイプP1と一対の傾斜パイプP2,P2との接続部分Cに対して、前記メインパイプP1の長手方向の一方にずれた位置にある。また、図28に示すように、各保持装置20の前記支持部材24は、前記一対の傾斜パイプP2,P2の間の領域Mに配置されているのではなく、当該領域Mに対して、前記長手方向の一方にずれた位置に配置されている。
各支持部材24は、当該支持部材24の上に保持される前記被保持部106Hの下部の形状に対応する形状を有する。具体的に、各支持部材24は、前記被保持部106Hにおける前記メインパイプP1の下面に沿う上面248(接触面の一例)と、一方の傾斜パイプP2の側面(図28では左側の傾斜パイプP2の側面)に沿うように傾斜した傾斜面249(接触面の一例)とを有する。前記上面248は、前記メインパイプP1の下面に沿うような平面又は曲面により構成される。また、図28に示すように前記支持部材24をその長手方向に見たときに、前記傾斜面249は、鉛直方向に対して前記一方の傾斜パイプP2と同じ方向に傾斜している。
図28に示す変形例に係る支持部材24の断面形状は台形状であるが、前記支持部材24の断面形状は、これに限られず、例えば図30に示すような三角形状などの他の形状であってもよい。図30に示す三角形状を有する前記支持部材24は、図28に示す前記支持部材24と同様に、上面248及び傾斜面249を有する。
図1に示す前記第1の中間ブーム部材105に対して前記中間ブーム部材106(前記第2の中間ブーム部材106)を連結する際には、例えば図29に示すように、前記中間ブーム部材106を地面に対して傾斜した姿勢で配置する場合がある。このような傾斜姿勢となるように前記中間ブーム部材106を配置するには、前記取付部10の前記4つのシリンダ14のうち、図29に示す後側の2つのシリンダ14の長さが前側の2つのシリンダ14の長さよりも大きくなるように前記4つのシリンダ14の長さを調節すればよい。このような傾斜姿勢では、前記支持部材24の前記上面248及び前記傾斜面249は、前記被保持部106Hにおける前記メインパイプP1の前記下面及び前記一方の傾斜パイプP2の前記側面に接する。これにより、前記中間ブーム部材106は、4つの保持装置20によって前記傾斜姿勢に安定して保持される。
図31は、前記変形例に係る前記支持部材24と被保持部106Hとの位置関係の他の例を示す図である。この変形例では、図31に示すように、前記保持装置20が装着される前記中間ブーム部材106の4つの被保持部106Hのうち、後側の被保持部106Hは、前記中間ブーム部材106のメインパイプP1と一対の傾斜パイプP2,P2との接続部分Cに対して、前記メインパイプP1の長手方向の一方(図31では後側)にずれた位置にある。前記4つの被保持部106Hのうち、前側の被保持部106Hは、前記中間ブーム部材106の前記接続部分Cに対して、前記メインパイプP1の長手方向の他方(図31では前側)にずれた位置にある。
なお、図示は省略するが、図28~図31の変形例において、前記4つの被保持部106Hの一部は、前記中間ブーム部材106のメインパイプP1と一対の傾斜パイプP2,P2との接続部分Cであってもよく(例えば図5に示すような部分)、それに対応する支持部材24は、前記一対の傾斜パイプP2,P2の間の領域Mに配置されていてもよい(例えば図5に示すような配置)。
1 作業機械用吊り装置
10 取付部
13 ベース部材
20 保持装置
21 第1の脚部
21A 第1の脚部本体
21B 第1の上方部材
22 第2の脚部
22A 第2の脚部本体
22B 第2の上方部材
23 基端部
24 支持部材
26 支持部材移動機構
27 駆動部
27M 電気モータ(駆動部の一例)
28 上部押圧部材
28S 対向面
29 上部押圧部材移動機構
33 シリンダ(規制部の一例)
41 第1の側部押圧部材
41S 第1の対向面
42 第2の側部押圧部材
42S 第2の対向面
43 第1の側部押圧部材移動機構
44 第2の側部押圧部材移動機構
50 上下移動機構
60 側方移動機構
100 クレーン
103 ブーム
106 中間ブーム部材(構造部材の一例)
106H 被保持部
200 補助クレーンの(吊り上げ機の一例)のフック
213 傾斜面
223 傾斜面

Claims (25)

  1. 作業機械を構成する構造部材でありメインパイプと傾斜パイプとを含むラチス構造を有する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うための作業機械用吊り装置であって、
    前記吊り上げ作業において前記吊り上げ機に取り付けられる取付部と、
    前記取付部に支持される複数の保持装置と、を備え、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、
    前記取付部に接続される基端部と、
    前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、
    前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、
    進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、
    前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部であって前記メインパイプの一部分を含む被保持部が進入することを許容する位置であり、
    前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置であ
    前記複数の保持装置のそれぞれは、前記基端部と前記支持部材との間に介在して前記基端部、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の少なくとも一つに支持される上部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の上部に対向する対向面を有し、前記基端部に対して上下方向に相対移動可能な上部押圧部材をさらに備え、
    前記被保持部が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に進入し、前記支持部材が前記保持位置に配置されると、前記基端部、前記第1の脚部本体、前記第2の脚部本体及び前記支持部材に囲まれる領域である収容部に前記メインパイプが収容され、前記支持部材の上面が前記メインパイプの下面と上下方向に対向し、前記上部押圧部材の前記対向面が前記メインパイプの上面と上下方向に対向するように構成される作業機械用吊り装置。
  2. 作業機械を構成する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うための作業機械用吊り装置であって、
    前記吊り上げ作業において前記吊り上げ機に取り付けられる取付部と、
    前記取付部に支持される複数の保持装置と、を備え、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、
    前記取付部に接続される基端部と、
    前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、
    前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、
    進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、
    前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部が進入することを許容する位置であり、
    前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置であり、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、
    前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在して前記第1の脚部本体及び前記基端部の少なくとも一方に支持される第1の側部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の第1の側部に対向する第1の対向面を有する第1の側部押圧部材と、
    前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在して前記第2の脚部本体及び前記基端部の少なくとも一方に支持される第2の側部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の第2の側部に対向する第2の対向面を有する第2の側部押圧部材と、をさらに備える、作業機械用吊り装置。
  3. 作業機械を構成する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うための作業機械用吊り装置であって、
    前記吊り上げ作業において前記吊り上げ機に取り付けられる取付部と、
    前記取付部に支持される複数の保持装置と、を備え、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、
    前記取付部に接続される基端部と、
    前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、
    前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、
    進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、
    前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部が進入することを許容する位置であり、
    前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置であり、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体を前記基端部に対して上下方向に相対移動させるように作動する上下移動機構をさらに備える、作業機械用吊り装置。
  4. 作業機械を構成する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うための作業機械用吊り装置であって、
    前記吊り上げ作業において前記吊り上げ機に取り付けられる取付部と、
    前記取付部に支持される複数の保持装置と、を備え、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、
    前記取付部に接続される基端部と、
    前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、
    前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、
    進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、
    前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部が進入することを許容する位置であり、
    前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置であり、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体の少なくとも一方を前記基端部に対して相対移動させることにより前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との水平方向の距離を変化させるように作動する側方移動機構をさらに備える、作業機械用吊り装置。
  5. 請求項1~4の何れか1項に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記取付部は、前記複数の保持装置を支持するベース部材を含み、
    前記複数の保持装置は、水平方向に互いに間隔をおいて前記ベース部材から垂下されることが可能なように前記ベース部材にそれぞれ固定される、作業機械用吊り装置。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、
    前記支持部材を前記進入許容位置と前記保持位置との間で移動させるように作動する支持部材移動機構と、
    前記支持部材移動機構を駆動する駆動部と、をさらに備える、作業機械用吊り装置。
  7. 請求項1~の何れか1項に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記支持部材は、当該支持部材の上に保持される前記被保持部と接する接触面を有し、
    前記接触面は、前記被保持部の形状に対応する形状を有する、作業機械用吊り装置。
  8. 請求項1~の何れか1項に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、前記支持部材が前記保持位置から移動することを規制する規制状態と、前記支持部材が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することを許容する許容状態との間で切り換わることができるように構成される規制部をさらに備える作業機械用吊り装置。
  9. 請求項2~4の何れか1項に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、前記基端部と前記支持部材との間に介在して前記基端部、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の少なくとも一つに支持される上部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の上部に対向する対向面を有する上部押圧部材をさらに備える、作業機械用吊り装置。
  10. 請求項1又は9に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、前記上部押圧部材を前記基端部に対して上下方向に相対移動させるように作動する上部押圧部材移動機構をさらに備える、作業機械用吊り装置。
  11. 請求項1、9及び10の何れか1項に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記上部押圧部材の前記対向面は、前記被保持部の前記上部の形状に対応する形状を有する、作業機械用吊り装置。
  12. 請求項に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記複数の保持装置のそれぞれは、前記第1の側部押圧部材を前記第1の脚部本体に対して相対移動させること及び前記第2の側部押圧部材を前記第2の脚部本体に対して相対移動させることの少なくとも一方を行うことにより前記第1の対向面と前記第2の対向面との水平方向の距離を変化させるように作動する側部押圧部材移動機構をさらに備える、作業機械用吊り装置。
  13. 請求項又は12に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記第1の対向面は、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の前記第1の側部の形状に対応する形状を有し、
    前記第2の対向面は、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の前記第2の側部の形状に対応する形状を有する、作業機械用吊り装置。
  14. 請求項1~13の何れか1項に記載の作業機械用吊り装置であって、
    前記第1の脚部の下端部及び前記第2の脚部の下端部のそれぞれは、これらの下端部同士の水平方向の距離が下方に向かうにつれて大きくなるような傾斜面を有する、作業機械用吊り装置。
  15. 作業機械を構成する構造部材でありメインパイプと傾斜パイプとを含むラチス構造を有する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うために前記構造部材に取り付けられる保持装置であって、
    基端部と、
    前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、
    前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、
    進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、
    前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部であって前記メインパイプの一部を含む被保持部が進入することを許容する位置であり、
    前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置であ
    前記保持装置は、前記基端部と前記支持部材との間に介在して前記基端部、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の少なくとも一つに支持される上部押圧部材をさらに備え、
    前記上部押圧部材は、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の上部に対向する対向面を有し、前記基端部に対して上下方向に相対移動可能であり、
    前記被保持部が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に進入し、前記支持部材が前記保持位置に配置されると、前記基端部、前記第1の脚部本体、前記第2の脚部本体及び前記支持部材に囲まれる領域である収容部に前記メインパイプが収容され、前記支持部材の上面が前記メインパイプの下面と上下方向に対向し、前記上部押圧部材の前記対向面が前記メインパイプの上面と上下方向に対向するように構成される保持装置。
  16. 作業機械を構成する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うために前記構造部材に取り付けられる保持装置であって、
    基端部と、
    前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、
    前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、
    進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、
    前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部が進入することを許容する位置であり、
    前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置であり、
    前記保持装置は、
    前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在して前記第1の脚部本体及び前記基端部の少なくとも一方に支持される第1の側部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の第1の側部に対向する第1の対向面を有する第1の側部押圧部材と、
    前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に介在して前記第2の脚部本体及び前記基端部の少なくとも一方に支持される第2の側部押圧部材であって、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の第2の側部に対向する第2の対向面を有する第2の側部押圧部材と、をさらに備える、保持装置。
  17. 作業機械を構成する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うために前記構造部材に取り付けられる保持装置であって、
    基端部と、
    前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、
    前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、
    進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、
    前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部が進入することを許容する位置であり、
    前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置であり、
    前記保持装置は、前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体を前記基端部に対して上下方向に相対移動させるように作動する上下移動機構をさらに備える、保持装置。
  18. 作業機械を構成する構造部材を吊り上げ機により吊り上げる吊り上げ作業を行うために前記構造部材に取り付けられる保持装置であって、
    基端部と、
    前記基端部に支持される第1の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第1の脚部本体を含む第1の脚部と、
    前記基端部に支持される第2の脚部であって、前記基端部よりも下方に配置される第2の脚部本体を含むとともに当該第2の脚部本体が前記第1の脚部本体に対して水平方向に間隔をおいて配置される第2の脚部と、
    進入許容位置と保持位置との間で移動可能に前記第1の脚部本体に支持される支持部材と、を備え、
    前記進入許容位置は、前記支持部材が前記第2の脚部本体から退避して前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に前記構造部材の一部である被保持部が進入することを許容する位置であり、
    前記保持位置は、前記支持部材が前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体に支持されながら前記支持部材の上に前記被保持部を保持する位置であり、
    前記保持装置は、前記第1の脚部本体及び前記第2の脚部本体の少なくとも一方を前記基端部に対して相対移動させることにより前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との水平方向の距離を変化させるように作動する側方移動機構をさらに備える、保持装置。
  19. 請求項15~18の何れか1項に記載の保持装置であって、
    前記支持部材を前記進入許容位置と前記保持位置との間で移動させるように作動する支持部材移動機構と、
    前記支持部材移動機構を駆動する駆動部と、をさらに備える、保持装置。
  20. 請求項15~19の何れか1項に記載の保持装置であって、
    前記支持部材は、当該支持部材の上に保持される前記被保持部と接する接触面を有し、
    前記接触面は、前記被保持部の形状に対応する形状を有する、保持装置。
  21. 請求項15~20の何れか1項に記載の保持装置であって、
    前記支持部材が前記保持位置から移動することを規制する規制状態と、前記支持部材が前記保持位置から前記進入許容位置に移動することを許容する許容状態との間で切り換わることができるように構成される規制部をさらに備える保持装置。
  22. 請求項16~18の何れか1項に記載の保持装置であって、
    前記基端部と前記支持部材との間に介在して前記基端部、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の少なくとも一つに支持される上部押圧部材をさらに備え、
    前記上部押圧部材は、前記支持部材の上に保持される前記被保持部の上部に対向する対向面を有する、保持装置。
  23. 請求項15又は22に記載の保持装置であって、
    前記上部押圧部材を前記基端部に対して上下方向に相対移動させるように作動する上部押圧部材移動機構をさらに備える、保持装置。
  24. 請求項16に記載の保持装置であって、
    前記第1の側部押圧部材を前記第1の脚部本体に対して相対移動させること及び前記第2の側部押圧部材を前記第2の脚部本体に対して相対移動させることの少なくとも一方を行うことにより前記第1の対向面と前記第2の対向面との水平方向の距離を変化させるように作動する側部押圧部材移動機構をさらに備える、保持装置。
  25. 請求項1に記載の作業機械用吊り装置を用いて前記構造部材を吊り上げる構造部材の吊り上げ方法であって、
    前記複数の保持装置のそれぞれの前記支持部材を前記進入許容位置に配置する工程と、
    前記複数の保持装置のそれぞれを前記被保持部に含まれる前記メインパイプの一部に対して下方に相対移動させることにより、前記第1の脚部本体と前記第2の脚部本体との間に、対応する前記被保持部を進入させる工程と、
    前記複数の保持装置のそれぞれの前記支持部材を前記進入許容位置から前記保持位置に移動させることにより、前記基端部、前記第1の脚部本体、前記第2の脚部本体及び前記支持部材に囲まれる領域である収容部に前記メインパイプを収容して、前記支持部材の上面を前記メインパイプの下面と上下方向に対向させ、前記上部押圧部材の前記対向面を前記メインパイプの上面と上下方向に対向させる工程と、
    前記メインパイプの上下方向の寸法に適した位置に前記上部押圧部材の前記基端部に対する上下方向の相対位置を調節する工程と、
    前記吊り上げ機により前記作業機械用吊り装置の前記取付部を吊り上げることにより前記構造部材を吊り上げる工程と、を備える構造部材の吊り上げ方法。
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