JP7309448B2 - アイシング材 - Google Patents
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まず、試作例1~8のアイシング材について、糖類として市販の上白糖、水分として水、水溶性デンプンとして(関東化学株式会社製:商品名『でんぷん(溶性)』)を使用し、後述の各材料の配合量において、金属製ボウルに水溶性デンプンと水を加えて泡立器でよく攪拌溶解させた後、攪拌を続けながら上白糖を加えて作製した。
試作例1は、糖類70g、水分27g、水溶性デンプン3gで配合した。試作例1の各材料の配合割合は、糖類70.0重量%、水分27.0重量%、水溶性デンプン3.0重量%である。
試作例2は、試作例1の糖類を90gとし、それ以外は同一の分量で配合した。試作例2の各材料の配合割合は、糖類75.0重量%、水分22.5重量%、水溶性デンプン2.5重量%である。
試作例3は、試作例1の糖類を120gとし、それ以外は同一の分量で配合した。試作例3の各材料の配合割合は、糖類80.0重量%、水分18.0重量%、水溶性デンプン2.0重量%である。
試作例4は、試作例1の糖類を200gとし、それ以外は同一の分量で配合した。試作例4の各材料の配合割合は、糖類87.0重量%、水分11.7重量%、水溶性デンプン1.3重量%である。
試作例5は、試作例1の糖類を220gとし、それ以外は同一の分量で配合した。試作例5の各材料の配合割合は、糖類88.0重量%、水分10.8重量%、水溶性デンプン1.2重量%である。
試作例6は、試作例1の糖類を280gとし、それ以外は同一の分量で配合した。試作例6の各材料の配合割合は、糖類90.3重量%、水分8.7重量%、水溶性デンプン1.0重量%である。
試作例7は、試作例1の糖類を300gとし、それ以外は同一の分量で配合した。試作例1の各材料の配合割合は、糖類90.9重量%、水分8.2重量%、水溶性デンプン0.9重量%である。
試作例8は、試作例1の糖類を330gとし、それ以外は同一の分量で配合した。試作例1の各材料の配合割合は、糖類91.7重量%、水分7.5重量%、水溶性デンプン0.8重量%である。
作製した試作例1~8のアイシング材について、外観と流動性の性状の評価を行った。アイシング材の性状の評価では、まず試作例1~8のアイシング材を市販クッキーの表面に塗布し、乾燥後の外観を確認した。また、試作例1~8のアイシング材を5ml容のシリンジに3mlを入れ、手で押し出して流動性を評価した。流動性の評価に際して、押し出し後に円筒状の形状を保てない程度のものを「軟らかい」、指の力だけの適切な力で押し出すことができて押し出し後に円筒状の形状を保つものを「良好」、押し出すために両手の力が必要なものを「硬い」とした。総合評価では、外観に異常がなく流動性が良好の場合は「良(○)」、それ以外の場合は「不可(×)」とした。その結果を表1,2に示した。
試作例9~18のアイシング材について、糖類として市販の上白糖90g、水分として水9gを使用するとともに、1gの水溶性デンプンを後述のように変更して使用し、金属製ボウルに水溶性デンプンと水を加えて泡立器でよく攪拌溶解させた後、攪拌を続けながら上白糖を加えて作製した。
試作例9のアイシング材は、水溶性デンプンを粉末卵白(株式会社冨澤商店製)に替えて作製した。
試作例10のアイシング材は、水溶性デンプンを加えずに作製した。
試作例11のアイシング材は、水溶性デンプンをコーンスターチ(株式会社扇カネ安食品本舗製)に替えて作製した。
試作例12のアイシング材は、水溶性デンプンとして可溶性でんぷんA(関東化学株式会社製:商品名『でんぷん(溶性)』)を用いて作製した。
試作例13のアイシング材は、水溶性デンプンとして可溶性デンプンB(ナカライテスク株式会社製:商品名『可溶性でんぷん』)を用いて作製した。
試作例14のアイシング材は、水溶性デンプンとして可溶性デンプンC(キシダ化学株式会社製:商品名『でんぷん(溶性)』)を用いて作製した。
試作例15のアイシング材は、水溶性デンプンとして可溶性デンプンD(富士フィルム和光純薬株式会社製:商品名『でんぷん(溶性)』)を用いて作製した。
試作例16のアイシング材は、水溶性デンプンとして、下記の方法で調整した可溶性デンプン(物理加工デンプン)を用いて作製した。物理加工デンプンは、まず天然デンプンであるワキシーコーンスターチ(日本食品化工株式会社製:ワキシスターチ)に水を加え、糊化装置(ノリタケエンジニアリング株式会社製:ミニクッカー)により10%濃度のデンプン糊化液を作製した。このデンプン糊化液に対し、約50℃の液温を維持しながら、超音波分散機(株式会社ギンセン製:GSD1200CVP)を用いて周波数20kHz、出力1200Wで超音波を照射して、粘度が約0.3Pa・sになるまで微分散化して微分散デンプンを作製した。この微分散デンプンを乾燥機内で100℃の熱風にさらして乾燥させて、乾燥粉末状の物理加工デンプンを得た。なお、粘度の測定は、日本薬局方の一般試験法における粘度測定法に準拠し、50℃における粘度を粘度分析装置で測定した。
試作例17のアイシング材は、水溶性デンプンとして、下記の方法で調整した可溶性デンプン(DE2.8可溶性デンプン)を用いて作製した。DE2.8可溶性デンプンは、まず天然デンプンである馬鈴薯デンプンに対し、耐熱性α-アミラーゼ(アマノエンザイム株式会社製:クライスターゼT-5)を添加し、糊化装置(ノリタケエンジニアリング株式会社製:ミニクッカー)を用いて酵素処理によりデキストロース当量(DE)を2.8に調製した液化物を作製した。この液化物をスプレードライヤにより噴霧乾燥してDE2.8可溶性デンプンを得た。なお、デキストロース当量は、還元糖の定量法として一般的なウイルシュテッターシューデル法に基づいて測定した。
試作例18のアイシング材は、水溶性デンプンとして、下記の方法で調整した可溶性デンプン(DE10.8可溶性デンプン)を用いて作製した。DE10.8可溶性デンプンは、まず天然デンプンであるタピオカスターチに対し、耐熱性α-アミラーゼ(アマノエンザイム株式会社製:クライスターゼT-5)を添加し、糊化装置(ノリタケエンジニアリング株式会社製:ミニクッカー)を用いて酵素処理によりデキストロース当量をDE10.8に調製した液化物を作製した。この液化物をスプレードライヤにより噴霧乾燥してDE10.8可溶性デンプンを得た。
作製した試作例9~18のアイシング材について、外観と流動性の性状の評価、離水と外観と流動性の経時変化の評価、水溶性デンプンの粘度(mPa・s)の測定を行った。アイシング材の性状の評価は、試作例1~8で行った手順と同様である。経時変化の評価では、試作例9~18のアイシング材を透明プラスチック袋に入れて密封し、1日後および3日後の離水、外観、流動性の状態を確認した。離水は目視による水分の確認であり、外観及び流動性は性状の評価と同様である。さらに、25℃における水溶性デンプンの10%溶液の粘度(A)及び30%溶液の粘度(B)をB型粘度計(アタゴ株式会社製:VISCOスピンドルA2 125rpm)にて測定し、(B/A)を求めた。全体の性状、物性が、粉末卵白を使用した試作例9と同程度であれば良好(◎)、水溶性デンプンを使用していない試作例10と同様であれば使用可能(〇)、いずれにも該当しなければ使用不可(×)とした。その結果を表3,4に示した。
試作例19~25のアイシング材について、試作例12の使用材料及び配合割合から糖類を後述のように変更し、それ以外は同一の条件として作製した。
試作例19は、糖類としてブドウ糖(兼松塩商株式会社製)を用いて作製した。
試作例20は、糖類として果糖(株式会社冨澤商店製)を用いて作製した。
試作例21は、糖類としてきび糖(株式会社冨澤商店製)を用いて作製した。
試作例22は、糖類としてトレハロース(株式会社冨澤商店製)を用いて作製した。
試作例23は、糖類として麦芽糖(ドルクスオーナーズショップ製)を用いて作製した。
試作例24は、糖類としてラフィノース(大東物産株式会社製)を用いて作製した。
試作例25は、糖類として粉飴(株式会社HプラスBライフサイエンス製)を用いて作製した。
作製した試作例19~25のアイシング材について、外観と流動性の性状の評価を行った。性状の評価は、試作例1~8で行った手順と同様であり、試作例12と同等の性状であれば良(○)、試作例12より劣った性状であれば不可(×)とした。その結果を表5に示した。
Claims (2)
- 80.0~90.9重量%の単糖類、二糖類、オリゴ糖のいずれかまたはその混合物から選択される糖類と、8.2~18.0重量%の水分と、0.9~2.0重量%の25℃における10%(W/V)溶液の粘度が10~60mPa・sである水溶性デンプンよりなることを特徴とするアイシング材。
- 前記水溶性デンプンは、25℃における10%(W/V)溶液の粘度(A)と30%(W/V)溶液の粘度(B)とが、2≦(B/A)≦200を満たす請求項1に記載のアイシング材。
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