JP7306270B2 - 免疫グロブリン結合性タンパク質 - Google Patents
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Description
プロテインAのイムノグロブリン結合ドメインのアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、以下の(1)から(8)より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、免疫グロブリン結合性タンパク質:
(1)配列番号1の2番目のアスパラギン酸に相当するアミノ酸残基がグルタミン酸に置換
(2)配列番号1の49番目のリジンに相当するアミノ酸残基がメチオニンに置換
(3)配列番号1の21番目のアスパラギンに相当するアミノ酸残基がチロシンに置換
(4)配列番号1の58番目のリジンに相当するアミノ酸残基がグルタミン酸、バリン、グリシン、またはアスパラギン酸に置換
(5)配列番号1の3番目のアスパラギンに相当するアミノ酸残基がイソロイシンまたはスレオニンに置換
(6)配列番号1の11番目のアスパラギンに相当するアミノ酸残基がリジンまたはチロシンに置換
(7)配列番号1の15番目のグルタミン酸に相当するアミノ酸残基がアラニンに置換
(8)配列番号1の40番目のバリンに相当するアミノ酸残基がアラニンに置換。
[2]
以下の(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のタンパク質である、前記免疫グロブリン結合性タンパク質:
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、前記少なくとも1つのアミノ酸置換を有するタンパク質;
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、前記少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、さらに前記少なくとも1つのアミノ酸置換の位置以外の1若しくは数個の位置での1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を含み、かつ、免疫グロブリン結合活性を有するタンパク質;
(c)配列番号1に記載のアミノ酸配列において前記少なくとも1つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列全体に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列であって、前記少なくとも1つのアミノ酸置換が残存したアミノ酸配列を含み、かつ、免疫グロブリン結合活性を有するタンパク質;
(d)前記(a)、(b)、または(c)に記載のタンパク質のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、さらに、以下の(9)から(13)より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、タンパク質:
(9)配列番号1の29番目のグリシンに相当するアミノ酸残基がアラニンに置換
(10)配列番号1の4番目のリジンに相当するアミノ酸残基がアルギニンに置換
(11)配列番号1の7番目のリジンに相当するアミノ酸残基がグルタミン酸に置換
(12)配列番号1の6番目のアスパラギンに相当するアミノ酸残基がアスパラギン酸に置換
(13)配列番号1の42番目のリジンに相当するアミノ酸残基がアルギニンに置換。
[3]
配列番号1に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、以下の(3-1)および/または(4-1)に示すアミノ酸置換を少なくとも有する、前記免疫グロブリン結合性タンパク質:
(3-1)配列番号1の21番目のアスパラギンがチロシンに置換
(4-1)配列番号1の58番目のリジンがグルタミン酸に置換。
[4]
配列番号8、9、13、15、17、19、および21のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む、前記免疫グロブリン結合性タンパク質。
[5]
配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、以下の(I)から(V)より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、前記免疫グロブリン結合性タンパク質:
(I)配列番号17の3番目のアスパラギンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(II)配列番号17の11番目のアスパラギンがリジンまたはチロシンに置換
(III)配列番号17の58番目のグルタミン酸がバリン、グリシン、またはアスパラギン酸に置換
(IV)配列番号17の15番目のグルタミン酸がアラニンに置換
(V)配列番号17の40番目のバリンがアラニンに置換。
[6]
配列番号28から32、34、35、および37から40のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む、前記免疫グロブリン結合性タンパク質。
[7]
配列番号1に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、以下の(2-1)に示すアミノ酸置換を少なくとも有する、前記免疫グロブリン結合性タンパク質:
(2-1)配列番号1の49番目のリジンがメチオニンに置換。
[8]
配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む、前記免疫グロブリン結合性タンパク質。
[9]
前記免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
[10]
前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
[11]
前記ポリヌクレオチドまたは前記発現ベクターを有する形質転換体。
[12]
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)である、前記形質転換体。
[13]
前記形質転換体を培養することにより前記免疫グロブリン結合性タンパク質を発現させる工程と、発現した前記タンパク質を回収する工程とを含む、免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法。
[14]
不溶性担体と、該不溶性担体に固定化された前記免疫グロブリン結合性タンパク質とを備える、免疫グロブリン吸着剤。
[15]
前記吸着剤を充填したカラムに免疫グロブリンを含む溶液を添加して当該免疫グロブリンを前記吸着剤に吸着させる工程と、前記吸着剤に吸着した免疫グロブリンを溶出させる工程とを含む、免疫グロブリンの分離方法。
(I)Asn3IleまたはAsn3Thr
(II)Asn11LysまたはAsn11Tyr
(III)Lys58Val、Lys58Gly、またはLys58Asp
(IV)Glu15Ala
(V)Val40Ala。
(A1)Asn3IleまたはAsn3Thr
(A2)Asn11LysまたはAsn11Tyr
(A3)Lys58Val。
(B1)Glu15Ala
(B2)Lys58Gly。
(C1)Asn3Ile
(C2)Lys58ValまたはLys58Asp
(C3)Val40Ala。
(1)
配列番号1に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質のアミノ酸配列から、エシェリヒア・コリ型コドンを用いて変換することで、配列番号3に記載のヌクレオチド配列を設計した。
(1)で設計したヌクレオチド配列を合成した後、PCRを用いて配列番号3に記載のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを作製した。PCRは、前記合成したポリヌクレオチドを鋳型DNAとし、配列番号4(5’-TAGCCATGGGCGCGGATAACAAGTTC-3’)および配列番号5(5’-CTACTCGAGTTTCGGAGCTTGCGCATC-3’)に記載のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、表1に示す組成からなる反応液を調製後、当該反応液を98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で60秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。
得られたポリヌクレオチドを精製し、制限酵素NcoIとXhoIで消化後、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換した。
得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(QIAGEN社製)を用いて発現ベクターpET-SpAを抽出した。
得られた抽出物のうち、免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびその周辺領域について、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing ready Reaction kit(ライフサイエンス社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(ライフサイエンス社製)にてヌクレオチド配列を解析した。なお当該解析の際、配列番号6(5’-TAATACGACTCACTATAGGG-3’)または配列番号7(5’-TATGCTAGTTATTGCTCAG-3’)に記載のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドをシークエンス用プライマーとして使用した。
実施例1で作製した発現ベクターpET-SpAに挿入されている免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド部分(配列番号3)にエラープローンPCRによりランダムに変異を導入した。
実施例1で作製したpET-SpAを鋳型DNAとして用い、エラープローンPCRを行なった。エラープローンPCRは、表2に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、50℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。前記エラープローンPCRにより免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号3)に良好に変異が導入され、その平均変異導入率は1.15%から1.26%であった。
得られたPCR産物を精製後、制限酵素NcoIとXhoIで消化し、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションした。
ライゲーション反応終了後、反応液を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLBプレート培地で培養(37℃、16時間)した後、プレート上に形成したコロニーをランダム変異体ライブラリーとした。
(1)
実施例2で作製したランダム変異体ライブラリー(形質転換体)約1900株を50μg/mLのカナマイシンを含む2×YT液体培地(トリプトン 1.6%(w/v)、酵母エキス 1%(w/v)、塩化ナトリウム 0.5%(w/v))250μLに接種し、96ウェルディープウェルプレートを用いて37℃で終夜振とう培養した。
培養後、50μg/mLのカナマイシン、0.3%のグリシン、0.05mMのIPTG(Isopropyl-β-D-thiogalactopyranoside)を含む2×YT液体培地500μLに5μLの培養液を植え継ぎ、96ウェルディープウェルプレートを用いてさらに20℃で終夜振とう培養した。
培養後、遠心操作によって得られた培養上清を純水で40倍に希釈した。希釈した溶液を2M NaOHと等量混合し25℃で16時間アルカリ処理を行なった。その後、4倍量の1Mトリス緩衝液(pH7.0)で中和した。
アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を下記に示すELISA法にて測定し、アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を、アルカリ処理を行わなかったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで残存活性を算出した。
(4-1)Tris-Buffered Saline(TBS)を用いて10μg/mLに調製したヒト抗体であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)を96ウェルマイクロプレートのウェルに分注し固定化した(4℃、16時間)。固定化後、TBSを用いて1%(w/v)に調製したBovine Serum Albumin(Sigma-Aldrich社製)を用いてブロッキングした。
(4-2)洗浄緩衝液(0.05M Tris、0.15M NaCl、0.05%(w/v) Tween 20(商品名))で96ウェルマイクロプレートのウェルを洗浄後、抗体結合活性を評価する免疫グロブリン結合性タンパク質を含む溶液を添加し、免疫グロブリン結合性タンパク質と固定化ガンマグロブリンとを反応させた(30℃、1時間)。
(4-3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、100ng/mLに希釈したAnti-6-His Antibody(BETHYL LABORATORIES社製)を100μL/well添加し反応させた(30℃、1時間)。
(4-4)反応終了後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を50μL/wellで添加した。次に1M リン酸を50μL/well添加することで反応を停止し、マイクロプレートリーダー(テカン社製)にて450nmの吸光度を測定した。
(4)で算出した残存活性より、天然型(アミノ酸置換がない)免疫グロブリン結合性タンパク質(配列番号1)と比較してアルカリ安定性が向上した(残存活性が向上した)免疫グロブリン結合性タンパク質を発現する形質転換体を選択した。
選択した形質転換体を培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(QIAGEN社製)を用いて発現ベクターを調製した。
得られた発現ベクターに挿入された免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域のヌクレオチド配列を実施例1(5)に記載の方法により解析し、アミノ酸置換箇所を特定した。
(1)
天然型免疫グロブリン結合性タンパク質(配列番号1)に対し、構造安定化に寄与するGly29Alaのアミノ酸置換(Protein Engineering,1,107-113;非特許文献1)を導入したタンパク質(SpA’と命名)をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター(pET-SpA’と命名)を作製した。SpA’のアミノ酸配列を配列番号11に、SpA’をコードするヌクレオチド配列を配列番号12に、それぞれ示す。
実施例3で明らかになった、免疫グロブリン結合性タンパク質のアルカリ安定性向上に関与するアミノ酸置換をSpA’(配列番号11)に対し集積することで、更なる安定性の向上を図った。具体的には、以下の(a)から(e)に示す5種類の免疫グロブリン結合性タンパク質を設計し、作製した。
(a)SpA’に対し、さらにLys7GluおよびAsn21Tyrのアミノ酸置換を導入したタンパク質(SpA2と命名)
(b)SpA2に対し、さらにLys58Gluのアミノ酸置換を導入したタンパク質(SpA3aと命名)
(c)SpA3aに対し、さらにLys4Argのアミノ酸置換を導入したタンパク質(SpA4aと命名)
(d)SpA4aに対し、さらにLys49Metのアミノ酸置換を導入したタンパク質(SpA5aと命名)
(e)SpA’に対し、Lys4Arg、Lys7GluおよびLys58Gluのアミノ酸置換を導入したタンパク質(SpA3bと命名)
(a-1)
実施例3で明らかになった、アルカリ安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Lys7GluおよびAsn21Tyrを選択し、それらのアミノ酸置換をSpA’(配列番号11)に対し集積したタンパク質SpA2を設計した。
(a-1)で設計したSpA2をコードするヌクレオチド配列を合成した後、PCRを用いて前記ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを作製した。PCRは、前記合成したポリヌクレオチドを鋳型DNAとし、配列番号23(5’-TAGCCATGGGCGCGGACAACAAA-3’)および配列番号26(5’-CTACTCGAGTTTTGGCGCTTGTGCATC-3’)に記載のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、表1に示す組成からなる反応液を調製後、当該反応液を98℃で30秒間熱処理し、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で60秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で2分間熱処理することで行なった。
得られたポリヌクレオチドを精製し、制限酵素NcoIとXhoIで消化した後、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換した。
得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(QIAGEN社製)を用いて発現ベクター(pET-SpA2と命名)を抽出した。
pET-SpA2のヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。配列解析の結果、発現ベクターpET-SpA2にSpA2をコードするポリヌクレオチドが挿入されていることを確認した。SpA2のアミノ酸配列を配列番号13に、SpA2をコードするヌクレオチド配列を配列番号14に、それぞれ示す。
(b-1)
実施例3で明らかになった、アルカリ安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Lys7Glu、Asn21TyrおよびLys58Gluを選択し、それらのアミノ酸置換をSpA’(配列番号11)に対し集積したタンパク質SpA3aを設計した。
(b-1)で設計したSpA3aをコードするポリヌクレオチドを合成した後、PCRを用いて前記ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを作製した。PCRは、前記合成したポリヌクレオチドを鋳型DNAとし、配列番号23および配列番号27(5’-CTACTCGAGTTCTGGCGCTTGTGCATCGTTCAG-3’)に記載のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a-2)と同様の方法でPCRを行なった。
得られたポリヌクレオチドを精製し、制限酵素NcoIとXhoIで消化した後、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換した。
得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kitを用いて発現ベクター(pET-SpA3aと命名)を抽出した。
pET-SpA3aのヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。配列解析の結果、発現ベクターpET-SpA3aにSpA3aをコードするポリヌクレオチドが挿入されていることを確認した。SpA3aのアミノ酸配列を配列番号15に、SpA3aをコードするヌクレオチド配列を配列番号16に、それぞれ示す。
(c-1)
実施例3で明らかになった、アルカリ安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Lys4Arg、Lys7Glu、Asn21TyrおよびLys58Gluを選択し、それらのアミノ酸置換をSpA’(配列番号11)に対し集積したタンパク質SpA4aを設計した。
(c-1)で設計したSpA4aをコードするポリヌクレオチドを合成した後、PCRを用いて前記ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを作製した。PCRは、前記合成したポリヌクレオチドを鋳型DNAとし、配列番号24(5’-TAGCCATGGGCGCGGACAATCGATTC-3’)および配列番号27に記載のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a-2)と同様の方法でPCRを行なった。
得られたポリヌクレオチドを精製し、制限酵素NcoIとXhoIで消化した後、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換した。
得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kitを用いて発現ベクター(pET-SpA4aと命名)を抽出した。
pET-SpA4aのヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。配列解析の結果、発現ベクターpET-SpA4aにSpA4aをコードするポリヌクレオチドが挿入されていることを確認した。SpA4aのアミノ酸配列を配列番号17に、SpA4aをコードするヌクレオチド配列を配列番号18に、それぞれ示す。
(d-1)
実施例3で明らかになった、アルカリ安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Lys4Arg、Lys7Glu、Asn21Tyr、Lys49MetおよびLys58Gluを選択し、それらのアミノ酸置換をSpA’(配列番号11)に対し集積したタンパク質SpA5aを設計した。
(d-1)で設計したSpA5aをコードするポリヌクレオチドを合成した後、PCRを用いて前記ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを作製した。PCRは、前記合成したポリヌクレオチドを鋳型DNAとし、配列番号25(5’-TAGCCATGGGCGCGGACAACCGCTTCAACGAA-3’)および配列番号27に記載のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a-2)と同様の方法でPCRを行なった。
得られたポリヌクレオチドを精製し、制限酵素NcoIとXhoIで消化した後、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換した。
得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kitを用いて発現ベクター(pET-SpA5aと命名)を抽出した。
pET-SpA5aのヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。配列解析の結果、発現ベクターpET-SpA5aにSpA5aをコードするポリヌクレオチドが挿入されていることを確認した。SpA5aのアミノ酸配列を配列番号19に、SpA5aをコードするヌクレオチド配列を配列番号20に、それぞれ示す。
(e-1)
実施例3で明らかになった、アルカリ安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Lys4Arg、Lys7GluおよびLys58Gluを選択し、それらのアミノ酸置換をSpA’(配列番号11)に対し集積したタンパク質SpA3bを設計した。
(e-1)で設計したSpA3bをコードするポリヌクレオチドを合成した後、PCRを用いて前記ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを作製した。PCRは、前記合成したポリヌクレオチドを鋳型DNAとし、配列番号25および配列番号27に記載のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a-2)と同様の方法でPCRを行なった。
得られたポリヌクレオチドを精製し、制限酵素NcoIとXhoIで消化した後、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換した。
得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kitを用いて発現ベクター(pET-SpA3bと命名)を抽出した。
pET-SpA3bのヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。配列解析の結果、発現ベクターpET-SpA3bにSpA3bをコードするポリヌクレオチドが挿入されていることを確認した。SpA3bのアミノ酸配列を配列番号21に、前記SpA3bをコードするヌクレオチド配列を配列番号22に、それぞれ示す。
(1)
実施例1で作製した天然型免疫グロブリン結合性タンパク質(配列番号1)、および実施例4で作製した変異型(アミノ酸置換した)免疫グロブリン結合性タンパク質(SpA2(配列番号13)、SpA3a(配列番号15)、SpA4a(配列番号17)、SpA5a(配列番号19)、SpA3b(配列番号21))を発現する形質転換体を、それぞれ50μg/mLのカナマイシンを含む2mLの2×YT液体培地に接種し、37℃で終夜、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。
50μg/mLのカナマイシンを添加した20mLの2×YT液体培地に前培養液を200μL接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。
培養開始から3時間後、培養温度を20℃に変更し、終濃度0.1mMとなるようIPTGを添加し、20℃で終夜、好気的に振とう培養した。
培養終了後、遠心分離により集菌し、BugBuster Protein Extraction Reagent(メルク社製)を用いてタンパク質抽出液を調製した。
(4)で調製したタンパク質抽出液中の天然型免疫グロブリン結合性タンパク質(配列番号1)、および変異型免疫グロブリン結合性タンパク質(配列番号13、15、17、19および21)の抗体結合活性を、実施例3(4)に記載のELISA法を用いて測定した。
各タンパク質の濃度が等しくなるようTris-Buffered Saline(TBS)を用いて希釈し、得られたタンパク質溶液のうち、一方は1M NaOHと、もう一方はTBSと、それぞれ等量混合後、25℃で15時間静置した。
1Mトリス緩衝液(pH7.0)を4倍量加えた後、アルカリ処理(1M NaOHを混合)およびアルカリ未処理(TBSを混合)のタンパク質溶液の抗体結合活性を実施例3(4)に記載のELISA法によって測定した。アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を、アルカリ処理を行わなかったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで残存活性を算出し、アルカリ安定性を評価した。
実施例5で評価した変異型免疫グロブリン結合性タンパク質のうち、SpA4a(実施例4(c))を選択し、SpA4aをコードするポリヌクレオチド部分(配列番号18)にエラープローンPCRによりランダムに変異を導入した。
実施例4(c)で作製した発現ベクターpET-SpA4aを鋳型DNAとして用い、エラープローンPCRを行なった。エラープローンPCRは、表2に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、50℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。前記エラープローンPCRにより変異型の免疫グロブリン結合性タンパク質(SpA4a)をコードするポリヌクレオチド(配列番号18)に良好に変異が導入され、その平均変異導入率は1.09%であった。
得られたPCR産物を精製後、制限酵素NcoIとXhoIで消化し、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションした。
ライゲーション反応終了後、反応液を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLBプレート培地で培養(37℃、16時間)した後、プレート上に形成したコロニーをランダム変異体ライブラリーとした。
(1)
実施例6で作製したランダム変異体ライブラリー(形質転換体)約1000株を実施例3(1)から(2)に記載の方法で培養することで免疫グロブリン結合性タンパク質を発現させた。
培養後、遠心操作によって得られた免疫グロブリン結合性タンパク質を含む培養上清を純水で40倍に希釈した。希釈した溶液を2M NaOHと等量混合し、60℃で30分間アルカリ処理を行なった。アルカリ処理後は4倍量の1Mトリス緩衝液(pH7.0)で中和した。
アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性とアルカリ処理を行わなかったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を、実施例3(4)に記載のELISA法にてそれぞれ測定した。
アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を、アルカリ処理を行わなかったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで残存活性を算出し、SpA4aと比較してアルカリ安定性が向上した(残存活性が向上した)免疫グロブリン結合性タンパク質を発現する形質転換体を選択した。
選択した形質転換体を培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(QIAGEN社製)を用いて発現ベクターを調製した。
得られた発現ベクターに挿入された免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域のヌクレオチド配列を実施例1(5)に記載の方法により解析し、アミノ酸置換箇所を特定した。
実施例7で評価した変異型免疫グロブリン結合性タンパク質のうち、SpA5d(実施例6)を選択し、SpA5dをコードするポリヌクレオチド部分(配列番号33)にエラープローンPCRによりランダムに変異を導入した。
実施例6で作製したランダム変異体ライブラリーから得たSpA5dの発現ベクターを鋳型DNAとして用い、エラープローンPCRを行なった。エラープローンPCRは、表2に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、50℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。前記エラープローンPCRにより変異型の免疫グロブリン結合性タンパク質(SpA5d)をコードするポリヌクレオチド(配列番号33)に良好に変異が導入され、その平均変異導入率は0.92%であった。
得られたPCR産物を精製後、制限酵素NcoIとXhoIで消化し、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションした。
ライゲーション反応終了後、反応液を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLBプレート培地で培養(37℃、16時間)した後、プレート上に形成したコロニーをランダム変異体ライブラリーとした。
(1)
実施例8で作製したランダム変異体ライブラリー(形質転換体)約1000株を実施例3(1)から(2)に記載の方法で培養することで免疫グロブリン結合性タンパク質を発現させた。
培養後、遠心操作によって得られた免疫グロブリン結合性タンパク質を含む培養上清を純水で40倍に希釈した。希釈した溶液を2M NaOHと等量混合し、62℃で30分間アルカリ処理を行なった。アルカリ処理後は4倍量の1Mトリス緩衝液(pH7.0)で中和した。
アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性とアルカリ処理を行わなかったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を、実施例3(4)に記載のELISA法にてそれぞれ測定した。
アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を、アルカリ処理を行わなかったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで残存活性を算出し、SpA5dと比較してアルカリ安定性が向上した(残存活性が向上した)免疫グロブリン結合性タンパク質を発現する形質転換体を選択した。
選択した形質転換体を培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(QIAGEN社製)を用いて発現ベクターを調製した。
得られた発現ベクターに挿入された免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域のヌクレオチド配列を実施例1(5)に記載の方法により解析し、アミノ酸置換箇所を特定した。
実施例9で評価した変異型免疫グロブリン結合性タンパク質のうち、SpA6a(実施例8)を選択し、SpA6aをコードするポリヌクレオチド部分(配列番号36)にエラープローンPCRによりランダムに変異を導入した。
実施例8で作製したランダム変異体ライブラリーから得たSpA6aの発現ベクターを鋳型DNAとして用い、エラープローンPCRを行なった。エラープローンPCRは、表2、9、または10に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、50℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。前記エラープローンPCRにより変異型の免疫グロブリン結合性タンパク質(SpA6a)をコードするポリヌクレオチド(配列番号36)に良好に変異が導入され、その平均変異導入率は、表2の条件(組成)でPCRした場合が1.03%、表9の条件(組成)でPCRした場合が1.44%、表10の条件(組成)でPCRした場合が2.87%であった。
得られたPCR産物を精製後、制限酵素NcoIとXhoIで消化し、予め制限酵素NcoIとXhoIで消化した発現ベクターpET-28aにライゲーションした。
ライゲーション反応終了後、反応液を用いてエシェリヒア・コリBL21(DE3)株を形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLBプレート培地で培養(37℃、16時間)した後、プレート上に形成したコロニーをランダム変異体ライブラリーとした。
(1)
実施例10で作製したランダム変異体ライブラリー(形質転換体)約2500株(表2の条件で得たライブラリーから約1000株、表9の条件で得たライブラリーから約1000株、および表10の条件で得たライブラリーから約500株)を実施例3(1)から(2)に記載の方法で培養することで免疫グロブリン結合性タンパク質を発現させた。
培養後、遠心操作によって得られた免疫グロブリン結合性タンパク質を含む培養上清を純水で40倍に希釈した。希釈した溶液を2M NaOHと等量混合し、65~68℃で30分間アルカリ処理を行なった。アルカリ処理後は4倍量の1Mトリス緩衝液(pH7.0)で中和した。
アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性とアルカリ処理を行わなかったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を、実施例3(4)に記載のELISA法にてそれぞれ測定した。
アルカリ処理を行なったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性を、アルカリ処理を行わなかったときの免疫グロブリン結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで残存活性を算出し、SpA6aと比較してアルカリ安定性が向上した(残存活性が向上した)免疫グロブリン結合性タンパク質を発現する形質転換体を選択した。
選択した形質転換体を培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(QIAGEN社製)を用いて発現ベクターを調製した。
得られた発現ベクターに挿入された免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域のヌクレオチド配列を実施例1(5)に記載の方法により解析し、アミノ酸置換箇所を特定した。
Claims (13)
- 以下の(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のタンパク質である、免疫グロブリン結合性タンパク質:
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、以下の(3)のアミノ酸置換を有する、タンパク質:
(3)配列番号1の21番目のアスパラギンに相当するアミノ酸残基がチロシンに置換;(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、以下の(3)のアミノ酸置換を有し、さらに前記(3)のアミノ酸置換の位置以外の1から5個の位置での1から5個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を含み、かつ、免疫グロブリン結合活性を有し、アルカリに対する安定性が向上した、タンパク質:
(3)配列番号1の21番目のアスパラギンに相当するアミノ酸残基がチロシンに置換;(c)配列番号1に記載のアミノ酸配列において以下の(3)のアミノ酸置換を有するアミノ酸配列全体に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列であって、前記(3)のアミノ酸置換が残存したアミノ酸配列を含み、かつ、免疫グロブリン結合活性を有し、アルカリに対する安定性が向上した、タンパク質:
(3)配列番号1の21番目のアスパラギンに相当するアミノ酸残基がチロシンに置換;(d)前記(a)、(b)、または(c)に記載のタンパク質のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、さらに、以下の(4)、および(9)から(13)より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、タンパク質:
(4)配列番号1の58番目のリジンに相当するアミノ酸残基がグルタミン酸に置換
(9)配列番号1の29番目のグリシンに相当するアミノ酸残基がアラニンに置換
(10)配列番号1の4番目のリジンに相当するアミノ酸残基がアルギニンに置換
(11)配列番号1の7番目のリジンに相当するアミノ酸残基がグルタミン酸に置換
(12)配列番号1の6番目のアスパラギンに相当するアミノ酸残基がアスパラギン酸に置換
(13)配列番号1の42番目のリジンに相当するアミノ酸残基がアルギニンに置換。 - 配列番号8、13、15、17、および19のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質。
- 配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、以下の(I)から(V)より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、請求項1に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質:
(I)配列番号17の3番目のアスパラギンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(II)配列番号17の11番目のアスパラギンがリジンまたはチロシンに置換
(III)配列番号17の58番目のグルタミン酸がバリン、グリシン、またはアスパラギン酸に置換
(IV)配列番号17の15番目のグルタミン酸がアラニンに置換
(V)配列番号17の40番目のバリンがアラニンに置換。 - 配列番号28から32、34、35、および37から40のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質。
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列を含み、ただし当該アミノ酸配列において、以下の(2-1)に示すアミノ酸置換を少なくとも有する、請求項1に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質:
(2-1)配列番号1の49番目のリジンがメチオニンに置換。 - 配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
- 請求項7に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項7に記載のポリヌクレオチドまたは請求項8に記載の発現ベクターを有する形質転換体。
- エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)である、請求項9に記載の形質転換体。
- 請求項9または10に記載の形質転換体を培養することにより請求項1から6のいずれか1項に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質を発現させる工程と、発現した前記タンパク質を回収する工程とを含む、免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法。
- 不溶性担体と、該不溶性担体に固定化された請求項1から6のいずれか1項に記載の免疫グロブリン結合性タンパク質とを備える、免疫グロブリン吸着剤。
- 請求項12に記載の吸着剤を充填したカラムに免疫グロブリンを含む溶液を添加して当該免疫グロブリンを前記吸着剤に吸着させる工程と、前記吸着剤に吸着した免疫グロブリンを溶出させる工程とを含む、免疫グロブリンの分離方法。
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