JP7301287B2 - 複層型下敷きテープ - Google Patents

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Description

本発明は、壁紙(クロス)の重ね合わせ部を切断する際に、下地材を保護するために、下地材と壁紙重ね合わせ部との間に一時的に設置して使用される下敷きテープに関し、更に詳しくは、耐切創性に極めて優れる複層型の下敷きテープに関する。
建築物の室内の壁面や天井面の内装工事において、石膏ボード等の下地材の表面に壁紙を貼り付ける工法が一般的となっている。壁紙は、所定の幅で製造された、例えば95cm幅の定尺品等が使用される。その定尺品を広い壁面や天井面となる下地材に貼る場合、壁紙を繋ぎ合わせながら下地材に貼り付けていく。その際、繋ぎ合わせ部は壁紙の側部と該壁紙に隣接する他の壁紙の側部とを重ね合わせ(オーバーラッピング)、その状態で重ね合わせ部をカッターナイフ等の刃物で連続的に切断し、下地材に貼り付ける壁紙以外の不要な壁紙は除去することになる。
壁紙を刃物で切断して除去する際には、刃物の刃先は壁紙を貫通することになるため、下地材を傷付けないために、下地材と壁紙との間に下地材を保護する下敷きテープを一時的に設置するのが一般的である。下敷きテープは、壁紙の切断後に、拡開された壁紙の側部から除去される。
図4に、下敷きテープを使用した壁紙の切断の例を示す。隣接する壁紙11と壁紙11の壁紙重ね合わせ部11Aは、カッターナイフ等の刃物により切断される(図4(a)において、切断部11Bを点線で示した)。この際に、壁紙重ね合わせ部11Aをそのまま切断してしまうと、下地材10を傷つけてしまうため、下敷きテープ1を壁紙重ね合わせ部11Aと下地材10との間に挟んだ状態で切断を行う。
壁紙11は、下地材10との貼り付け面(壁紙の裏面)に接着剤(糊)を付与し、下地材10に容易に貼り付けることができる構成となっており、切断後、壁紙11の切れ端や下敷きテープ1を除去し、壁紙11の側部を相互に突き合わせる。
この際、施工が良好な場合は、仕上面となる表面は平滑な面となり、突合わせ部12が判別しにくい綺麗な仕上げとなる(図4(b))。
下敷きテープには、刃物の刃先を劣化させないために、また、除去した際に壁紙の接着剤(糊)を掻き取らないために、十分な柔軟性が要求される。
また、下敷きテープの耐切創性が不十分な場合、壁紙を切断する際、刃物の刃先が下敷きテープを貫通して下地材に傷が生じ、この傷がクロスの貼着終了後にクロスの表面に凹部となって現われて美観を損ねるとともに、深い傷の場合には、その部分が空隙となるため壁紙の接着が不十分となり、当該箇所から壁紙が剥がれるという問題点が生じる場合があるため、下敷きテープには十分な耐切創性が要求される。
下敷きテープに十分な耐切創性を付与するために、下敷きテープの素材や形状等に関して、種々の検討がなされている。
特許文献1には、2つの樹脂フィルム層の間に破断伝達阻止層を積層することによって切断の際に壁紙に接する樹脂フィルム層において刃先で破断が生じても該破断を下地に接する樹脂フィルム層へ伝達されるのを阻止する下敷きテープが記載されている。
特許文献2には、合成樹脂製の平糸からなる経糸と、この経糸よりも厚みが大きい合成樹脂製の平糸からなる緯糸とを平織した織物によって形成された下敷きテープが記載されている。
特許文献3には、経糸がフラットヤーン、緯糸がモノフィラメントである平織りした織物の少なくとも片面にプラスチックフィルムをラミネートしたシートを、縦方向に所定幅でスリットした下敷きテープが記載されている。
特許文献4には、合成樹脂からなる複数本の経糸と合成樹脂製フラットヤーンからなる複数本の緯糸とが交差することによって形成された布状体と、該布状体の少なくとも片面に積層された熱可塑性樹脂製フィルムとによって形成されたテープ基材において、布状体の緯糸を経糸よりも厚くし、経糸や緯糸の空間率を特定の範囲とした下敷きテープが記載されている。
特許文献5には、横縦のそれぞれの合成樹脂繊維の糸の交差部を接着固定して成る網状の編物を合成樹脂フィルムに貼着した下敷きテープが記載されている。
特許文献6には、下地ボードに貼られるクロスのジョイント部の切断に際し、該ジョイント部の下側に配置して下地ボードを保護するためのテープであって、柔軟な合成繊維又は天然繊維で形成した網状シートの表裏両面側に合成樹脂フィルムを被せ、前記網状シートと表裏の合成樹脂フィルムの両側縁部のみを互いに接着させた下敷きテープが記載されている。
特許文献6において、網状シートを構成する合成糸の材質として、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、天然繊維が挙げられており、ナイロンが好ましいとされている。
上記した先行技術の下敷きテープを使用して作業を行う場合、施工者の熟練度によっては、切断の際に力を入れ過ぎてしまうことにより、下地材10に傷がついてしまう場合や、下地材10に傷をつけないよう慎重になり過ぎて、作業効率が低下する場合があった。
このため、耐切創性がより一層優れており、熟練度の浅い作業者にとっても使用しやすい下敷きテープの開発が望まれている。
特開2004-197396号公報 特開2008-121249号公報 特開2009-248250号公報 特開2015-036486号公報 実用新案登録第3192127号公報 特開2004-019411号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、耐切創性に極めて優れた下敷きテープを提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2つのフィルムの間に、ネット状シートを挟み、両端部のみを接着した複層型の下敷きテープにおいて、それぞれの部材や接着剤等を適切に選択することによって、下敷きテープの耐切創性を極めて優れたものとすることができることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下地材の表面に壁紙を貼付するに当たり、隣接する壁紙の端部同士を重ね合わせた状態で、壁紙重ね合わせ部を切断する際に、該下地材と該壁紙重ね合わせ部との間に一時的に設置し、下地材を保護するための複層型下敷きテープであって、
設置の際に該壁紙重ね合わせ部の側に位置する上層フィルムと、設置の際に該下地材の側に位置する下層フィルムとの間に、ネット状シートが挟まれた状態で、該上層フィルムと該下層フィルムとが両端部のみにおいて該ネット状シートとともに接着固定されており、
該ネット状シートが、該複層型下敷きテープの長手方向に略平行な経糸と、該経糸と略直交し該複層型下敷きテープを幅方向に横断する緯糸とで構成されており、
被切創体を基板に水平に固定する被切創体固定手段と、該被切創体を切断するための刃物を保持するための刃物保持体と、該刃物保持体を略鉛直方向に下降させるように動かすことにより、該刃物の刃先を該被切創体に突き刺すように接触加重させる刃先突刺手段と、該刃物の刃先を該被切創体に接触加重させながら該刃物保持体を水平方向に移動させる刃物保持体移動手段とを有する耐切創性測定装置を使用して、下記測定条件Aで耐切創性測定試験を実施した場合に、貫通率が75%未満であることを特徴とする複層型下敷きテープを提供するものである。
<測定条件A>
複層型下敷きテープを、上層フィルムが上になるようにして被切創体固定手段に固定し、刃物の刃先を、該複層型下敷きテープに、角度30°で突き刺し、刃先に629gfの荷重を与えた状態で、刃物保持体を3m/minの速度で14cm水平移動させた後、被切創体固定手段から取り外し、初期の4cmを除いた10cmの部分を測定対象領域として貫通の有無を観測し、貫通部分(但し、緯糸の間隔以下の長さの貫通部分は除く。)の合計値をL[cm]とし、(L/10)×100を、貫通率[%]とする。
本発明の複層型下敷きテープは、耐切創性に極めて優れており、壁紙重ね合わせ部の切断作業を行なった際に、下地に傷がつくのを十分に防止することができ、その結果、施工不良や施工後に壁紙が剥離する、といった問題が生じにくい。
本発明の複層型下敷きテープを構成する各部材を示す図である。 本発明の複層型下敷きテープを示す図である。 本発明の複層型下敷きテープをロール状に巻いた状態を示す図である。 本発明の複層型下敷きテープの使用方法を示す図である。 耐切創性の測定に使用される耐切創性測定装置を示す模式図である。 (a)刃物の刃先を被切創体(複層型下敷きテープ)に突き刺していない状態 (b)刃物の刃先を被切創体(複層型下敷きテープ)に突き刺し被切創体の切断を開始する前の状態 (c)被切創体(複層型下敷きテープ)の切断を完了した後の状態
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
図4に本発明の複層型下敷きテープの使用方法を示す。本発明の複層型下敷きテープ1は、下地材10の表面に壁紙11を貼付するに当たり、隣接する壁紙11の端部同士を重ね合わせた状態で、壁紙重ね合わせ部11Aを切断する際に、下地材10と壁紙重ね合わせ部11Aとの間に一時的に設置し、下地材10を保護するために使用されるものである(図4(a))。切断作業完了後、複層型下敷きテープ1は、除去される。
上記のように、壁紙11の貼付作業の際に、壁紙重ね合わせ部11Aを刃物で切断する作業を行う際に、下地材10(石膏ボード等)まで切断してしまうおそれがあるが、本発明の複層型下敷きテープ1を使用することで、下地材10に連続した傷がつきにくくなる。
本発明の複層型下敷きテープ1は、図1に示した、上層フィルム2、下層フィルム3及びネット状シート4という3つの部材から構成されている。本発明の複層型下敷きテープ1は、図2に示すように、上層フィルム2と下層フィルム3との間に、ネット状シート4が挟まれた状態で、上層フィルム2と下層フィルム3とが、両端の接着部1Aのみにおいて、ネット状シート4とともに接着固定されている。
本発明の複層型下敷きテープ1の中央部は、接着固定されていない非固定部分となっており、壁紙を切断する際には、中央部に刃物が接触することになる。中央部においては、ネット状シート4は、両側のフィルム(上層フィルム2と下層フィルム3)に固定されていないため、緯糸4Aは、自由に動ける状態となっている。このため、緯糸4Aは、刃物が接触した際に、刃先の移動方向に引っ張られることになり、施工者にその感触が伝わり、力を入れ過ぎて下地材10まで傷をつけることを防止することができる。また、仮に下地材10に傷がついたとしても、その傷は、連続した線状の傷ではなく、点状の傷であり、壁紙11が剥がれるといった問題を生じにくい。
本発明の複層型下敷きテープ1は、特定の耐切創性測定装置を使用して、特定の測定条件下で耐切創性測定試験を実施した場合に、貫通部分の割合を示す貫通率が75%未満となるものである。
該「特定の耐切創性測定装置」とは、図5に示す、被切創体Sを基板T10に水平に固定する被切創体固定手段T11と、該被切創体Sを切断するための刃物Bを保持するための刃物保持体T12と、該刃物保持体T12を略鉛直方向に下降させるように動かすことにより、該刃物Bの刃先B1を該被切創体Sに突き刺すように接触加重させる刃先突刺手段と、該刃物Bの刃先B1を該被切創体Sに接触加重させながら該刃物保持体T12を水平方向に移動させる刃物保持体移動手段T15とを有する耐切創性測定装置T1である。
この耐切創性測定装置T1は、特開2018-185152号公報において、「態様2」として開示されている耐切創性測定装置である。
図5に示す耐切創性測定装置T1は、シート状物である被切創体Sを、基板T10に水平に固定する被切創体固定手段T11を有する。被切創体固定手段T11により、基板T10に水平に固定された被切創体Sに刃物Bが当てられた状態で、刃物Bを水平方向に移動させることにより、被切創体Sの耐切創性を試験する。
耐切創性測定装置T1は、被切創体Sを切断するための刃物Bを保持する刃物保持体12を有する。刃物保持体T12は、刃物Bを保持するための保持部T16を具える。
耐切創性測定装置T1は、刃物Bの刃先B1を被切創体Sに接触させながら刃物保持体T12を水平方向に移動させる刃物保持体移動手段T15を有する。刃物Bの刃先B1が被切創体Sと接触した状態で、刃物保持体T12(刃先B1)を水平方向に移動させることにより、被切創体Sの耐切創性を試験する。
耐切創性測定装置T1は、ホルダー部T14aを有する棒状の錘保持手段T14を有しており、錘の数を変更することで刃物Bの刃先B1が被切創体Sに与える荷重の調整を行うことができる(なお、図5には錘を図示していない)。
図5(a)は、耐切創性の測定を開始する前の状態を示す。水平に配置された基板T10の上に、シート状物である被切創体Sが、被切創体固定手段T11によって固定された状態となっている。
刃物Bの刃先B1は被切創体Sの上方に位置するような状態で刃物保持体T12に保持されている。
測定を開始する際には、刃物保持体移動手段T15により、刃物保持体T12を、鉛直方向に降下させる。これにより、図5(b)に示すように、刃物Bの刃先B1が、被切創体Sに突き刺さった状態となる。
次いで、刃物保持体移動手段T15により、刃物保持体T12を、右方向に水平移動させる。これにより、刃物Bは、刃物保持体T12とともに、水平移動する(水平移動後の状態を図5(c)に示す)。
この動作により、被切創体Sは、刃先B1から一定の荷重を受けることにより、刃先B1と接触した部分が切断される。
前記「特定の測定条件」とは、下記の測定条件Aをいう。
<測定条件A>
複層型下敷きテープ1を、上層フィルム2が上になるようにして被切創体固定手段T11に固定し、刃物Bの刃先B1を、該複層型下敷きテープ1に、角度30°で突き刺し、刃先B1に629gfの荷重を与えた状態で、刃物保持体T12を3m/minの速度で14cm水平移動させた後、被切創体固定手段T11から取り外し、初期の4cmを除いた10cmの部分を測定対象領域として貫通の有無を観測し、貫通部分(但し、緯糸4Aの間隔以下の長さの貫通部分は除く。)の合計値をL[cm]とし、(L/10)×100を、貫通率[%]とする。
水平移動開始直後は、装置のがたつき等による影響を受けやすいため、上記測定条件Aでは、初期の4cmを評価の対象外とする。また、点状の傷は、施工の際に問題とならないため、緯糸4Aの間隔以下の長さの貫通部分が複層型下敷きテープ1に見られても、複層型下敷きテープ1の性能として問題にならないため、緯糸4Aの間隔以下の長さの貫通部分は、貫通部分の合計値(L)の算出に当たり、除外する。
本発明の複層型下敷きテープ1は、上記のようにして算出した貫通率が75%未満であることを特徴とする。
貫通率は、50%未満であることが好ましく、25%未満であることがより好ましく、0%である(すなわち、上記測定条件Aで耐切創性測定試験を実施した場合に、測定対象領域に貫通が全く生じない)ことが特に好ましい。
なお、「貫通が全く生じない」とは、緯糸4Aの間隔を超える長さの連続した貫通部分が存在しないことをいう(前記のように、緯糸4Aの間隔以下の長さの貫通部分があっても、複層型下敷きテープ1の性能として問題とはならない)。
本発明の複層型下敷きテープ1は、上層フィルム2、下層フィルム3及びネット状シート4という3つの部材を接着固定したものであるところ、それぞれの部材や接着剤等を適切に選択することによって、上記の貫通率の要件を満たした複層型下敷きテープ1とすることができる。
本発明の複層型下敷きテープ1のテープ幅は、20mm以上であることが好ましく、25mm以上であることがより好ましく、30mm以上であることが特に好ましい。また、100mm以下であることが好ましく、80mm以下であることがより好ましく、50mm以下であることが特に好ましい。
テープ幅が上記下限以上であると、複層型下敷きテープの設置に際し、壁紙10同士の縦方向の位置が横にずれた場合も突合わせ部12が複層型下敷きテープの幅内に収まる余裕があることはもちろん、中央部(非固定部分)の幅を十分に確保することができ緯糸4Aが引っ張られやすくなり、上記効果を奏しやすい。幅が上記上限以下であると、コスト的に有利である;壁紙10の糊の掻取量を少なくできる;突合わせ部12の付近が歪みにくくなる;等のメリットがある。
複層型下敷きテープ1の中央部(非固定部分)の厚さは、100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることが特に好ましい。また、500μm以下であることが好ましく、350μm以下であることが特に好ましい。
厚さが上記上限以下であると、突合わせ部12に歪みが生じにくくなり、施工不良(突合わせ部12付近の盛り上がり)が発生しにくくなる。また、厚さが上記下限以上であると、前記貫通率を十分に小さくすることができる。
複層型下敷きテープ1の両端の接着部1Aにおいては、接着剤によって、上層フィルム2と下層フィルム3とが、ネット状シート4とともに接着固定されている。両端の接着部1Aの接着固定に使用される接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フッ素系接着剤、シリコーン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤等が例示できる。
複層型下敷きテープ1の両端の接着部1Aの接着に使用されている両端接着剤の接着力(粘着力)を、ある程度小さくすることにより、ネット状シート4の緯糸4Aが両端部に強く拘束され過ぎず、刃物の刃先が当たった際に動きやすくなる。
このため、複層型下敷きテープ1の耐切創性が向上し、前記貫通率が十分に小さくなる。
具体的には、両端接着剤として、下記試験片Xに対して、JIS Z 0237:2009に規定される傾斜式ボールタック試験を、傾斜角度を30°、温度23℃、相対湿度65%の条件下で実施した場合に、該試験片Xのボールナンバーが13以下となるような接着剤を使用するのが好ましい(なお、本明細書において、単に「ボールナンバー」といった場合、この条件下で測定されたボールナンバーをいう)。
[試験片X]
厚さ20μmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムYを、幅15mm、長さ300mmに切断し、その片面全体に該両端接着剤を15g/m塗布し、該両端接着剤が塗布された試験片。
より耐切創性を向上させる(前記貫通率を小さくする)ために、ボールナンバーは、12以下であることが好ましく、11以下であることが特に好ましい。
また、両端の接着部の接着力が弱すぎると、作業後に複層型下敷きテープ1を抜き取る際に、複層型下敷きテープ1を構成する各部材(上層フィルム2、下層フィルム3、ネット状シート4)が分離することによって、上層フィルム2の断片が壁紙11の糊が付いた裏面に残ってしまう場合がある。
このため、ボールナンバーの下限は、7以上であることが好ましく、9以上であることが特に好ましい。
両端の接着部1Aを接着固定するために使用される接着剤の乾燥状態での量は、「複層型下敷きテープ1」1mあたり、5g以上が好ましく、10g以上が特に好ましい。また、30g以下が好ましく、25g以下が特に好ましい。
上記下限以上であると、複層型下敷きテープ1が各部材に分離しにくいため、壁紙切断作業完了後に断片が壁紙11の裏面に残りにくくなり、作業効率の低下が発生しにくい。上記上限以下であると、コスト的に有利であり、また、耐切創性が向上し、前記貫通率が十分に小さくなる。
複層型下敷きテープ1の両端の接着部1Aの幅は、それぞれ2mm以上10mm以下である。
更に、両端の接着部1Aの幅は、2.5mm以上であることが好ましく、3mm以上であることが特に好ましい。また、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましく、7mm以下であることが特に好ましい。
上記範囲内であると、両端の接着部1Aの接着力が適度になりやすく、複層型下敷きテープ1が各部材に分離しにくい。また、中央部の幅を十分に確保することができるので、緯糸4Aの動きを施工者が感じやすくなり、下地材10に傷(特に、連続した線状の傷)がつきにくくなる。
本発明の複層型下敷きテープ1は、図3に示すように、長尺品をロール状に巻き、コンパクトな状態で保存し、施工現場で必要な長さに切り出して使用するようにするのが望ましい。
上層フィルム2は、複層型下敷きテープ1の使用の際に、壁紙重ね合わせ部11Aの側に位置するフィルムである。すなわち、上層フィルム2は、壁紙重ね合わせ部11Aの下側の壁紙11の裏面(すなわち、糊が付いた面)と接触するフィルムであるため、上層フィルム2は、糊が移行しにくい(糊を掻き取りにくい)ように構成するのが望ましい。
本発明の複層型下敷きテープ1において、上層フィルム2の素材としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル系合成樹脂等が例示できる。
このうち、後述のように、柔軟性と加工のしやすさの兼ね合いから、無延伸ポリプロピレン(CPP)を上層フィルム2として使用するのが最適である。
上層フィルム2は、糊が移行しにくいようにするために、凹凸構造を有しているのが好ましい。凹凸構造を有していることにより、壁紙11の裏面の糊の掻取量を低減することができる。
上層フィルム2に凹凸構造を設ける方法には特に限定は無く、例えば、公知のエンボス加工技術により凹凸構造を設けることができる。
無延伸ポリプロピレン(CPP)は、エンボス加工により凹凸を形成しやすく、上層フィルム2を無延伸ポリプロピレン(CPP)で形成することにより、壁紙11の糊が上層フィルム2に付着しにくくなる。上層フィルム2の素材として無延伸ポリプロピレン(CPP)を使用し、エンボス加工を施すことにより、糊の掻取量を最も低減することができ、この結果、作業性が良好となり、作業後の施工状態も良好となる。
上層フィルム2の平均厚さ(エンボス加工を施していない状態の平均厚さ)は、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることが特に好ましい。また、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。
厚さが上記下限以上であると、エンボス加工を施しやすい。厚さが上記上限以下であると、複層型下敷きテープ1を十分薄くでき、突合わせ部12に歪みが生じにくくなり、また、糊の掻取量が少なくなる。なお、上記上限を超えて上層フィルム2を厚くしても、エンボス加工の施しやすさは変わらない。
エンボス加工後の上層フィルム2の平均見掛け厚さは、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることが特に好ましい。また、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることが特に好ましい。
エンボス加工後の見掛け厚さが上記下限以上であると、エンボス部2Aを設けたことによる糊掻取量の低減効果が発揮されやすい。上記上限以下であると、複層型下敷きテープ1を十分薄くでき、突合わせ部12に歪みが生じにくくなり、また、複層型下敷きテープ1を長尺巻しやすくなる。
下層フィルム3は、設置の際に下地材10の側に位置するフィルムである。下層フィルム3は、壁紙11の裏面とは接触しないので、糊の付着しやすさを考慮して下層フィルム3を選択する必要は無い。また、下層フィルム3は、壁紙の裏面とは接触しないので、特に加工のなされていない平坦なフィルムであるのが望ましい。
下層フィルム3の素材としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル系合成樹脂等が例示できる。
このうち、柔軟なことから、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)が好ましく、低密度ポリエチレン(LDPE)が特に好ましい。
下層フィルム3には、糊が付着しないが、下層フィルム3の素材として柔軟な素材を使用することにより、複層型下敷きテープ1に柔軟性が付与され、切断後に複層型下敷きテープ1を除去しやすくなる。すなわち、複層型下敷きテープ1の柔軟性が高くなる結果、壁紙の糊の掻取量を低減しやすくなる。
また、下層フィルム3が薄い場合、一般に、耐切創性が低下しやすく(前記貫通率が大きく)なりやすいが、下層フィルム3として低密度ポリエチレン(LDPE)を使用した場合、引張弾性率が低く柔軟であるため刃先が当たった場合変形しやすく、耐切創性を比較的高く保つことができる。
下層フィルム3を薄くすることにより、複層型下敷きテープ1の柔軟性を高くすることができる。
下層フィルム3の素材は、上層フィルム2の素材と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記のように、上層フィルム2は、糊の付着し難さ(柔軟性と、エンボス加工の施しやすさの両方)の観点から選択されるのに対し、下層フィルム3は、フィルム自体の柔軟性の観点から選択される結果、両フィルムの素材は異なっている方が好ましい。
下層フィルム3の平均厚さは、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることが特に好ましい。また、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。
厚さが上記上限以下であると、突合わせ部12に歪みが生じにくくなり、施工不良(突合わせ部12付近の盛り上がり)が発生しにくくなる。また、十分な強度のフィルムを得るためには、厚さは上記下限以下となる場合が多い。
ネット状シート4は、複層型下敷きテープ1の長手方向に略平行な経糸4Bと、経糸4Bと略直交し複層型下敷きテープ1を幅方向に横断する緯糸4Aとで構成されている。
複層型下敷きテープ1を敷いた状態で、壁紙11を切断すると、刃物の刃先は、複層型下敷きテープ1の中央部(非固定部分)の緯糸4Aに接触し、中央部において、緯糸4Aは両側のフィルムには拘束されていないので、刃先の移動方向に引っ張られ、施工者に抵抗感を伝える。
ネット状シート4は、経糸4Bと緯糸4Aとから構成されていれば、特に限定は無い。例えば、平織やからみ織の織物であってもよいし、経糸4Bと緯糸4Aとを織ることなく接着したものであってもよい。
ネット状シート4が織物の場合、経糸4Bと緯糸4Aの交点4Cは、目止め加工されていなくてもよいし、目止め加工されていてもよい。
目止め加工の方法に特に限定は無く、例えば、目止め剤を付与することによる接着でもよいし、熱融着でもよい。
目止め加工に使用される目止め剤(接着剤)としては、(メタ)アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系接着剤、ポリビニルアルコール接着剤等が例示できる。
なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
目止め剤を付与して目止め加工を行う場合、ネット状シート4における目止め剤の乾燥状態での質量比率が、ネット状シート4全体に対して8質量%以下となるようにするのが好ましく、4質量%以下となるようにするのがより好ましく、3質量%以下となるようにするのが特に好ましい。
目止め剤の使用量を上記上限以下とすることで、切断の際に、刃物の刃先に引っ掛かった状態で緯糸4Aが動きやすくなることから、作業者に抵抗感が伝わりやすくなり、下地材10に傷がつくのを防止しやすくなる。また、上記上限を超えて目止め剤を使用すると、コストがかかるだけでなく、複層型下敷きテープ1の柔軟性が低下し、上層フィルム2による壁紙裏面の糊の掻取量が増加しやすくなり、更に、緯糸4Aが動きにくくなり、耐切創性が低下しやすい。
ネット状シートを構成する糸(経糸4Bと緯糸4A)の素材としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、アラミド、ポリアリレート、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール等が例示できる。経糸4Bと緯糸4Aの素材は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
緯糸4Aは、刃物に引っ張られるので、強度が要求され、また、施工者に抵抗感を伝えやすくするために、その素材としては、上記したもののうち、高強度ビニロン、超高分子量ポリエチレン、パラアラミド、ポリアリレート、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾールが特に好ましい。
また、緯糸4Aを構成する素材の引張初期弾性率290cN/dtex以上であることが好ましく、700cN/dtex以上であることが特に好ましい。
緯糸4Aを構成する素材の引張初期弾性率が上記上限以上であると、刃物の刃先と接触した状態で緯糸4Aが動く距離が長くなり、刃先の荷重に対しての抵抗が大きくなるため、耐切創性が向上しやすいと推察される。
ネット状シートを構成する糸は、紡績糸、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸の何れでもよい。
強度が要求される緯糸4Aが紡績糸の場合は、強度の大きい牽切紡績糸であるのが特に好ましい。
ネット状シートを構成する糸の太さは、フィラメント糸の場合、50デニール以上が好ましく、150デニール以上が特に好ましい。また、700デニール以下が好ましく、500デニール以下が特に好ましい。
紡績糸の場合、綿番手で7番手以上が好ましく、10番手以上が特に好ましい。また、100番手以下が好ましく、50番手以下が特に好ましい。
上記範囲内であると、耐切創性が十分となりやすい。また、複層型下敷きテープ1の厚さを十分に薄くすることができ、良好に施工しやすくなる。更に、切断の際に施工者に抵抗感が伝わりやすくなる。
ネット状シート4において、隣接する糸同士の間隔(経糸4B同士の間隔、緯糸4A同士の間隔)は、1mm以上が好ましく、2mm以上が特に好ましい。また、10mm以下が好ましく、7mm以下が特に好ましい。
隣接する緯糸4Aと緯糸4Aの間隔が、上記範囲内であると、緯糸4Aの動きを施工者が感じやすくなり、下地材10に傷(特に、連続した線状の傷)がつきにくくなり耐切創性が向上しやすい。
また、経糸4B、緯糸4Aに関わらず、隣接する糸同士の間隔が上記範囲内であると、複層型下敷きテープ1の厚さが十分に薄くなる。更に、材料コストを抑えることができ経済的である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
[複層型下敷きテープの作製]
以下に示すようにして、複層型下敷きテープ(以下、単に「テープ」という場合がある。)を作製した。
<例1>
経糸としてポリエステル紡績糸(Ne30/1)、緯糸としてパワロン((株)クラレ製、高強力ビニロン)のパーロック式牽切紡績糸(Ne10/1)を使用して、ネット状シートを作製した。経糸は3mm間隔(8本/インチ)、緯糸は3mm間隔(8本/インチ)で設置し、経糸と緯糸の交点は、アクリル系目止め剤を、乾燥状態で2g/mとなるように含浸することで接着した。
上層フィルムとして、厚さ20μm・幅35mmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムをエンボス加工したもの、下層フィルムとして、厚さ20μm・幅35mmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム(エンボス加工なし)をそれぞれ使用し、前記ネット状シートを、上層フィルムと下層フィルムで挟んだ状態で、両フィルムの両端のそれぞれ4mmの部分に、ボールナンバーが3であるアクリル系接着剤Aを、乾燥状態で15g/mとなるように塗布して接着することにより、テープT1を作製した。
<例2>
例1において、アクリル系接着剤Aに代えて、ボールナンバーが10であるアクリル系接着剤Cを使用した以外は、例1と同様にしてテープT2を作製した。
<例3>
例1において、アクリル系接着剤Aに代えて、ボールナンバーが14であるアクリル系接着剤Dを使用した以外は、例1と同様にしてテープT3を作製した。
<例4>
例2において、アクリル系目止め剤の含浸量を、乾燥状態で10g/mとなるように変更した以外は、例2と同様にしてテープT4を作製した。
<例5>
例2において、緯糸としてパワロンのパーロック式牽切紡績糸(Ne10/1)に代えて、ナイロンの紡績糸(Ne22/2)を使用した以外は、例2と同様にしてテープT5を作製した。
<例6>
例2において、緯糸としてパワロンのパーロック式牽切紡績糸(Ne10/1)に代えて、ケブラーの紡績糸(Ne20/2)を使用した以外は、例2と同様にしてテープT6を作製した。
<例7>
例2において、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを、同じ厚さ・幅の二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムに変更した以外は、例2と同様にして、テープT7を作製した。
<例8>
例2において、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを、同じ厚さ・幅の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムに変更した以外は、例2と同様にして、テープT8を作製した。
[耐切創性の測定]
図5に示す耐切創性測定装置を使用して、前記測定条件Aで耐切創性測定試験を実施し、貫通率を算出し、以下の基準で評価した。
5点:貫通率が0%
4点:貫通率が0%を超え25%未満
3点:貫通率が25%以上50%未満
2点:貫通率が50%以上75%未満
1点:貫通率が75%以上100%未満
0点:貫通率が100%
各テープ(テープT1~T8)を使用した場合について、同一の刃物で10回測定して平均値を算出した。10回測定後、刃物を新品に交換して同様に10回測定し平均値を算出した。これを計5回繰り返して測定し、最大値と最小値を除いた3回分の平均値を算出し、表1に示す評点とした。
Figure 0007301287000001
両端接着剤の接着力が強すぎる(大きすぎる)場合(テープT3)や、目止め剤を多量に使用した場合(テープT4)は、耐切創性が低下した。これは、緯糸4Aが強く拘束されることにより、動きにくくなることによると考えられる。
緯糸を構成する素材の引張初期弾性率が小さい場合(テープT5)も、耐切創性が低下した。これは、刃物の刃先と接触した状態で緯糸が動く距離が短くなり、刃先の荷重に対しての抵抗が小さくなるためと考えられる。
下層フィルムが二軸延伸ポリプロピレン(OPP)や無延伸ポリプロピレン(CPP)の場合(テープT7、T8)も、耐切創性が低下した。これは、LDPEより引張弾性率が高く柔軟性が低いためフィルムが変形しにくいためと考えられる。
一方、複層型下敷きテープを構成するそれぞれの部材や接着剤等を、前記のような欠点が生じないように適切に選択した場合(テープT1、T2、T6)、耐切創性の高い複層型下敷きテープが得られた。
本発明の複層型下敷きテープは、耐切創性に極めて優れて、また、切断の際の力の入れ過ぎに起因する施工不良を防止できるので、内装工事等に利用されるものである。
1 複層型下敷きテープ
1A 両端の接着部
2 上層フィルム
2A エンボス部
3 下層フィルム
4 ネット状シート
4A 緯糸
4B 経糸
4C 交点
10 下地材
11 壁紙(クロス)
11A 壁紙重ね合わせ部
11B 切断部
12 突合わせ部
T1 耐切創性測定装置
T10 基板
T11 被切創体固定手段
T12 刃物保持体
T14 錘保持手段
T14a ホルダー部
T15 刃物保持体移動手段
T16 保持部
B 刃物
B1 刃先
S 被切創体

Claims (5)

  1. 下地材の表面に壁紙を貼付するに当たり、隣接する壁紙の端部同士を重ね合わせた状態で、壁紙重ね合わせ部を切断する際に、該下地材と該壁紙重ね合わせ部との間に一時的に設置し、下地材を保護するための複層型下敷きテープであって、
    設置の際に該壁紙重ね合わせ部の側に位置する上層フィルムと、設置の際に該下地材の側に位置する下層フィルムとの間に、ネット状シートが挟まれた状態で、該上層フィルムと該下層フィルムとが、両端部のみにおいて該ネット状シートとともに接着固定されており、
    該ネット状シートが、該複層型下敷きテープの長手方向に略平行な経糸と、該経糸と略直交し該複層型下敷きテープを幅方向に横断する緯糸とで構成されており、
    被切創体を基板に水平に固定する被切創体固定手段と、該被切創体を切断するための刃物を保持するための刃物保持体と、該刃物保持体を略鉛直方向に下降させるように動かすことにより、該刃物の刃先を該被切創体に突き刺すように接触加重させる刃先突刺手段と、該刃物の刃先を該被切創体に接触加重させながら該刃物保持体を水平方向に移動させる刃物保持体移動手段とを有する耐切創性測定装置を使用して、下記測定条件Aで耐切創性測定試験を実施した場合に、貫通率が75%未満であることを特徴とする複層型下敷きテープ。
    <測定条件A>
    複層型下敷きテープを、上層フィルムが上になるようにして被切創体固定手段に固定し、刃物の刃先を、該複層型下敷きテープに、角度30°で突き刺し、刃先に629gfの荷重を与えた状態で、刃物保持体を3m/minの速度で14cm水平移動させた後、被切創体固定手段から取り外し、初期の4cmを除いた10cmの部分を測定対象領域として貫通の有無を観測し、貫通部分(但し、緯糸の間隔以下の長さの貫通部分は除く。)の合計値をL[cm]とし、(L/10)×100を、貫通率[%]とする。
  2. 上記測定条件Aで耐切創性測定試験を実施した場合に、貫通率が0%である請求項1に記載の複層型下敷きテープ。
  3. 上記上層フィルムと上記下層フィルムとが接着固定されていない非固定部分の厚さが、100μm以上500μm以下である請求項1又は請求項2に記載の複層型下敷きテープ
  4. テープ幅が20mm以上100mm以下である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の複層型下敷きテープ
  5. 上記ネット状シートにおいて、隣接する経糸同士の間隔が1mm以上10mm以下であり、かつ、隣接する緯糸同士の間隔が1mm以上10mm以下である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の複層型下敷きテープ
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