JP7297228B2 - 抗菌性爪化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、抗菌性、防カビ性爪化粧料及びそれから得られるネイル、ジェルネイル、ネイルシートとネイルチップに関する。
ネイル(爪)に小さな人工宝石を飾ったり、模様を描いたり、シールを貼ったり、付け爪をしたりするネイルアートの人気が高まっていくにつれて、爪化粧料及びそれを用いるネイルアート技術が急速に発展してきた。近年、ジェルネイルの普及とともに気軽にセルフネイルを楽しむ人も増えましたが、その一方でジェルネイルなどを取ったら爪が緑色に変色してしまった(グレーンネイル)などのトラブルが頻発する問題も取り上げられている(特許文献1)。
このような爪のトラブルは、緑膿菌などの細菌が感染することが起因であり、爪が傷ついた状態や湿っていて軟らかい状態の場合に起こりやすく、特につけ爪やジェルネイルの間に隙間があり、水がたまりやすく湿りやすいので、爪の病気がかかりやすくなると報告されている。そこで、特許文献1にはグリーンネイルの原因となる爪のカビや菌の繁殖を防止するため、ニトリル系、ピリジン系、チアゾール系など多種の抗菌成分を配合された抗菌剤を含有する爪化粧料を提案した。しかし、これらの抗菌成分の多くは、毒性も皮膚刺激性も強く、使用者の皮膚から吸収することによる健康被害を起こす恐れがあった。また、これらの抗菌成分は非重合性であって、着色している場合が多く、光硬化性ジェルネイル用抗菌剤として用いた場合に、ネイル色や光沢などの品質を損なうことがあると伴に、ジェイルネイルの硬化性が低下させる問題もあった。
特開2011-190193号公報
本発明は、抗菌性、防カビ性を有する爪化粧料、光硬化型爪化粧料及びそれらから得られるネイル、ジェルネイル、ネイルシートとネイルチップを提供することを課題とする。また、本発明は、前記抗菌性爪化粧料や抗菌性を有する光硬化型爪化粧料を塗布、積層或いは硬化して得られる柔軟性と強靭性を兼ね備え、容易に補修、除去できるネイル、ジェルネイル、ネイルシールとネイルチップを提供することを課題とする。さらに、本発明は、抗菌性、防カビ性、塗布性、硬化性、安全性及び保存安定性に優れ、下地層、中間層、トップ層あるいは1液タイプのいずれのネイル液又はジェルとしても使用できる爪化粧料、光硬化型爪化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーを必須成分として含有することにより抗菌性、防カビ性を有する爪化粧料、光硬化型爪化粧料、およびこれらの爪化粧料を塗布、硬化して得られる抗菌性ネイル、ジェルネイル、抗菌性ネイルシールと抗菌性ネイルチップを見いたし、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は
(1)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーを含有する抗菌性爪化粧料、
(2)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を含有する光硬化型抗菌性爪化粧料、
(3)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、一般式(1)に示される化合物であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の抗菌性爪化粧料、
Figure 0007297228000001
(式中、R、RとRは互いに同一であっても異なっていてもよく、各々独立に炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルキル基、炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルケニル基、或いはベンジル基を表し、Lは不飽和結合を表し、Yは炭素数1~6のアルキレン基を表し、X-はアニオンを表す。)
(4)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、不飽和基として(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上の不飽和結合を有する官能基であることを特徴とする前記(1)~(3)のいずれか一項に記載の抗菌性爪化粧料、
(5)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を構成単位として0.1質量%以上含有することを特徴とする前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の抗菌性爪化粧料、
(6)エチレン性不飽和基を有する化合物(B)((A)を除く)を5~99質量%含有することを特徴とする前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の抗菌性爪化粧料、
(7)エチレン性不飽和基を有する化合物(B)は、不飽和基としてメタクリレート基、アクリレート基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基、ビニル基を、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミドからなる群より選択される1種以上の化合物であることを特徴とする前記(6)に記載の抗菌性爪化粧料、
(8)更に光重合開始剤(C)を0.1~10質量%含有することを特徴とする前記(1)~(7)のいずれか一項に記載の光硬化型抗菌性爪化粧料、
(9)前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の爪化粧料から得られることを特徴とする抗菌性ネイル、
(10)前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の爪化粧料から得られることを特徴とする抗菌性ジェルネイル、
(11)基材上に前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の爪化粧料を塗装して形成されることを特徴とする抗菌性ネイルシール、
(12)基材上に前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の爪化粧料を塗装した後、光により硬化して形成されることを特徴とする抗菌性ジェルネイルシール、
(13)基材上に前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の爪化粧料を塗装して形成されることを特徴とする抗菌性ネイルチップ、
(14)基材上に前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の爪化粧料を塗装した後、光により硬化して形成されることを特徴とする抗菌性ジェルネイルチップ
を提供するものである。
本発明によれば、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーを含有することにより、抗菌性、防カビ性が良好で、塗布性、硬化性、安全性及び保存安定性に優れる爪化粧料及び光硬化型爪化粧料を取得することができ、また、これらの爪化粧料を塗布、積層、光硬化させることにより、良好な抗菌性、防カビ性、硬度、耐傷性、耐久性を有する、容易に補修、除去できるネイル、ジェルネイル、ネイルシール、ジュルネイルシール、ネイルチップ、ジェルネイルチップを取得できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、一般式(1)で表わされる化合物である(式中、R、RとRは互いに同一であっても異なっていてもよく、各々独立に炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルキル基、炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルケニル基、或いはベンジル基を表し、Lは不飽和結合を表し、Yは炭素数1~6のアルキレン基を表し、X-はアニオンを表す。)。具体的には、不飽和基を有するアンモニウムカチオンと、その対イオンであるアニオンから構成される第四級塩である。
Figure 0007297228000002
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーは広範囲の抗菌スペクトルを示し、大腸菌、緑膿菌、ブドウ状球菌、MRSA、セレウス菌、白癬菌、肝炎桿菌、黒カビ、カンジタなど多種のバクテリアや細菌に対して優れる抗菌力を有する。その理由は明確ではないが、アンモニウム塩の親水性とN-置換アルキル基の疎水性とのバランス、アンモニウム塩の高い電子密度、及び不飽和結合を有する官能基の大きさなどの相互作用によるものと本発明者らが推測している。また、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)をモノマーとして配合しても、オリゴマー化やポリマー化してから配合しても、同等の抗菌性や防カビ性を示し、非光硬化型のネイル材料としても、光硬化型シェルネイル材料としても、好適に用いられる。さらに、第四級アンモニウム塩が優れた細胞適合性と生体適合性を有し、使用者の自爪や皮膚に刺激しないだけではなく、爪や皮膚に対する保護効果も認められ、爪化粧料など化粧用品に好適に配合することができる。
一般式(1)で表される不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のカチオンとして、具体的には、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)アルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)トリベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)アルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)トリベンジルアンモニウム等が挙げられる。また、これらの不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)の不飽和基として、メタクリレート基、アクリレート基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、メタリルエーテル基、アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上の不飽和結合を有する官能基であって、これらの不飽和基を1種類有しても、2種類以上を有してもよい。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)中の不飽和基の個数は、1分子に当たり、前記各種不飽和基の数の合計(官能基数)が1~10であることが好ましく、また、2~6であることがより好ましい。官能基数が1未満であれば、非重合性化合物の存在による光硬化型爪化粧料に用いた場合、光硬化性、硬化膜の表面硬度や強度が低下する問題がある。一方、官能基数が10を超えると、光硬化型爪化粧料に用いた場合、光硬化速度が著しく速くなって、自爪に直接塗布してジェルネイルを形成する際に重合熱の大量発生による火傷を負う恐れがある。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のアニオン(X-)としては、塩素イオン、ブロモイオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸イオン、直鎖状のスルホンイミドアニオン、環状のイミドアニオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオンなどカルボン酸イオン、グリコール酸イオン、乳酸イオン、ヒドロキシアクリル酸イオン、オキシ酪酸イオン、グリセリン酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオンなどのヒドロキシカルボン酸イオン、サリチル酸イオンと安息香酸イオンなど芳香族カルボン酸イオン、サッカリン酸イオン、アクリル酸イオン、メタクリル酸イオンなどの不飽和酸イオンから選ばれる少なくとも1種以上のイオンである。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、前記のカチオンの中から1種又は2種以上のイオンを任意に選択し、さらに前記のアニオンの中から1種又は2種以上のイオンを任意に選択し、カチオンとアニオンを組み合わせることで構成されるオニウム塩である。これらの不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は単独で使用されてもよいし、また2種類以上併用されてもよい。
また、抗菌性に優れる点及び工業原料を入手しやすい点から、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を構成するカチオンとして、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウムであることが好ましい。
同様に、抗菌性に優れる点及び工業原料を入手しやすい点から、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を構成するアニオンとして、塩素イオン、ブロモイオン、過塩素酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、サッカリン酸イオンであることが好ましい。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は高い抗菌効果を有するため、抗菌剤としてモノマーのまま爪化粧料に配合することができる。また、熱重合や光重合(光硬化)により、ポリマーやオリゴマー化して、抗菌性の第四級アンモニウム塩構造を側鎖として有する半永久的高分子タイプ若しくはオリゴマータイプの抗菌剤として爪化粧料に配合することができる。さらに、高分子タイプ抗菌剤、オリゴマータイプ抗菌剤として爪化粧料に配合する場合、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のブリードアウトを生じる可能性がなくなり、長期間にわたって安定的に抗菌性を付与することができる。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)の熱重合によるオリゴマー化とポリマー化は、単独重合又は汎用のビニル系化合物と共重合する方法が挙げられる。重合方法は、特に限定されるものではなく、公知のラジカル重合法により行うことができる。例えば、塊状重合法、有機溶媒中や水中の溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられる。有機溶媒中の溶液重合法を採用する場合、重合溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコールなどを単独もしくは混合で用いることができる。また、重合開始剤としては、アゾ系、有機過酸化物系、無機過酸化物系、レドックス系など一般的に知られているラジカル重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量としては、通常重合性成分総量に対して0.001~10重量%程度である。さらに、連鎖移動剤による分子量の調整など通常のラジカル重合技術が適用される。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマーとは、第四級アンモニウム塩(A)の構造がユニットとして1つ以上を含有し、且つ200以上、10,000未満の重量平均分子量を有する化合物である。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のポリマーとは、第四級アンモニウム塩(A)の構造がユニットとして1つ以上を含有し、且つ10,000以上の重量平均分子量を有する化合物である。
第四級アンモニウム塩(A)、そのオリゴマーとそのポリマーは、分子構造や分子量などによって、室温における状態(液体や固体)、粘度、水や汎用有機溶剤、汎用アクリルモノマーとアクリル樹脂などに対する溶解性、相溶性及び光硬化性が異なり、それらの使用方法、配合量などについて、特に限定することはなく、非光硬化型のネイル材料としても、光硬化型シェルネイル材料としても、好適に用いることができ、抗菌性爪化粧料の要求物性に合わせて、第四級アンモニウム塩(A)、オリゴマーとポリマーから選べる1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマー又はポリマーを使用する場合、オリゴマー又はポリマー中の第四級アンモニウム塩(A)ユニートの含有量は0.1~100質量%であり、好ましくは1~95質量%である。含有量が0.1質量%未満の場合、爪化粧料に配合されるオリゴマーやポリマーの量にもよるが、十分な抗菌性が得られない可能性がある。含有量が1~95質量%である場合、抗菌効果が十分に得られると共に、顔料やプライマーなどの添加剤との相溶性が容易に調整することが可能であって、より光沢性や爪に対する密着性のよい爪化粧料を得ることができ、より好ましい。
本発明に用いられる第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマー又はポリマーを非光硬化型爪化粧料(ネイル液)に組み込む場合、通常は有機溶媒中に溶解させ、得られる低粘度の溶液を爪や基材上に塗布した後、有機溶剤を蒸発させ、薄い塗膜(ネイル)が形成される。薄膜ネイルに十分な抗菌効果を付与するため、第四級アンモニウム塩のオリゴマー又はポリマーを0.5質量%以上含有することが好ましく、1質量%以上含有することがより好ましい。一方、第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマー又はポリマーを光硬化型爪化粧料(ジェル)に組み込む場合、有機溶媒の一部又は全部がアクリルモノマー、オリゴマーなどの光硬化性成分により代替されることが可能である。その場合、得られるやや高粘度の塗布液を爪や基材上に塗布した後、有機溶剤を蒸発させ(有機溶剤が配合される場合)、光照射によるやや厚めの硬化塗膜(ジェルネイル)が形成される。ジェルネイルに十分な抗菌効果を付与するため、第四級アンモニウム塩のオリゴマー又はポリマーを0.1質量%以上含有することが好ましく、0.5質量%以上含有することがより好ましい。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、非光硬化型爪化粧料にも、光硬化型爪化粧料にも組み込むことができる。また、ブリードアウトによる抗菌性の経時的低減を防止するため、光硬化型爪化粧料に組み込むことが好ましい。光硬化型爪化粧料中の不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)の含有量は0.1質量%以上であると抗菌性や防カビ性が示され、また、持続的な抗菌性、防カビ性を確保する観点から、0.5質量%以上を含有することが好ましい。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)、そのオリゴマー、そのポリマーが、それらからなる群より任意に選択される1種単独又は2種以上を併用することができる。爪化粧料中の第四級アンモニウム塩のユニット含有量の合計が0.1質量%以上であれば、抗菌効果を付与することができる。また、0.5以上であれば、長期間にわたって安定且つ十分な抗菌効果が維持でき、より好ましい。
本発明の光硬化型抗菌性爪化粧料は、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)を含有することができる。エチレン性不飽和基を有する化合物(B)とは、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を除いたエチレン性不飽和基を有する化合物であって、その含有量は特に限定されるものではないが、好適には、光硬化型爪化粧料全体に対して5~99質量%を含有することが好ましい。この範囲内であれば、十分な抗菌性を有するとともに、光硬化性、爪や基材に対する密着性、得られるジェルネイルの表面硬度、強度、柔軟性、耐久性、除去性などの特性がバラスよく調整することができる。
エチレン性不飽和基を有する化合物(B)の不飽和基として(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上の不飽和結合を有する官能基である。また、単官能のエチレン性不飽和基を有する化合物(単官能不飽和化合物)(b1)と2官能以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(多官能不飽和化合物)(b2)から構成される。不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)とそのオリゴマー及びそのポリマーの品種、構造、分子量などにより、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)として(b1)或いは(b2)のみを用いても良いが、(b1)と(b2)を併用することにより、得られる硬化膜(ジェルネイルなど)の硬度と耐久性がより向上させることができる。
前記単官能不飽和化合物(b1)は、分子内にエチレン性不飽和基1つを有するモノマーであれば、特に限定することはない。また、エチレン性不飽和基はラジカル重合性を有すれば特に限定されず、具体的には(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基、マレイミド基等が挙げられる。(b1)の含有量は、光硬化型爪化粧料全体に対して5~99質量%であることが好ましい。また、10~90質量%である場合、光硬化膜の強度と柔軟性が良好であり、形成されるジェルネイルやネイルシート、ネイルチップの耐久性と除去性が共に向上することができ、より好ましい。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、(メタ)アクリレート基を含む化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したアルキル(メタ)アクリレート類、炭素数が1~18の直鎖、分岐、環状のヒドロキシアルキル基を導入したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸とヒドロキシアルキルカルボン酸類からなる(メタ)アクリル酸エチルカルボン酸、(メタ)アクリル酸エチルコハク酸、(メタ)アクリル酸エチルフタル酸、(メタ)アクリル酸エチルヘキサヒドロフタル酸等の(メタ)アクリル酸アルキルカルボン酸類、炭素数が1~18の直鎖、分岐、環状のアルキルスルホン酸基を導入した(メタ)アクリル酸アルキルスルホン酸類、炭素数が1~18の直鎖、分岐、環状のアルキルリン酸基を導入した(メタ)アクリル酸アルキルリン酸類、炭素数が1~18のアルキル基と炭素数1~4のアルキレングリコール基からなる官能基を導入したアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルコキシジアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルコキシトリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類や、フェノキシ基と炭素数1~4のアルキレングリコール基からなる官能基を導入したフェノキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、フェノキシジアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、フェノキシトリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、フェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートや、炭素数が1~6のアミノアルキル基を導入したN-アルキルアミノ(メタ)アクリレート類や、炭素数が1~6のアミノアルキル基と炭素数1~6のアルキル基からなるN-アルキルアミノアルキル基を導入したN-アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類や、炭素数が1~6のアミノアルキル基と炭素数1~6のアルキル基からなるN,N-ジアルキルアミノアルキル基を導入したN,N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類や、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等の環状構造を導入した(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基を導入した(メタ)アクリレート類が挙げられる。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、(メタ)アクリルアミド基を含む化合物としては、(メタ)アクリルアミド、モノ又はジ置換(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクロイルモルホリン、(メタ) ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられ、また、モノ又はジ置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、炭素数1から18の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したN-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のヒドロキシアルキル基を導入したN-ヒロドキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(ヒロドキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシアルキル-N-(4-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のヒドロキシアルキル基および炭素数1~6のアルキル基を導入したN-アルキル-N-ヒロドキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N-アルキル-N-(4-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミドや、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(4-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアルコキシ基と炭素数1~6のアルキレン基からなるアルコキシアルキル基を導入したN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(アルコキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアルコキシ基と炭素数1~6のアルキレン基からなるアルコキシアルキル基、炭素数が1~6のアルキル基を導入したN-アルキル-N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアルキルスルホン酸基を導入したN-スルホアルキルアクリルアミド、炭素数が1~6のアミノアルキル基を導入したN-アルキルアミノ(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアミノアルキル基と炭素数1~6のアルキル基からなるN-アルキルアミノアルキル基を導入したN-アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアミノアルキル基と炭素数1~6のアルキル基からなるN,N-ジアルキルアミノアルキル基を導入したN,N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、ビニル基を含む化合物としては、炭素数が1~22のカルボン酸を導入したカルボン酸ビニルエステル、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したアルキルビニルエーテル、ビニルクロライド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルオキサゾリン、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したマレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルアミド、マレイン酸ジアルキルアミド、マレイン酸アルキルイミド、フマル酸モノアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、フマル酸モノアルキルアミド、フマル酸ジアルキルアミド、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルアミド、イタコン酸ジアルキルアミド、イタコン酸アルキルイミド、ビニルカルボン酸、ビニルスルホン酸、ビニルリン酸等が挙げられる。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、アリル基を含む化合物としては、炭素数が1~22のカルボン酸を導入したカルボン酸アリルエステル、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したアルキルアリルエーテル類、フェニルアリルエーテル、アルキルフェニルアリルエーテル、アリルアミン、分岐、環状のアルキル基を導入したモノまたはジアルキルアリルアミン等が挙げられる。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、マレイミド基を含む化合物としては、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したN-アルキルマレイミド、N-アルキル-α-メチルマレイミド、N-アルキル-α-エチルマレイミド、N-アルキル-α,β-ジメチルマレイミド、N-アルキル-α-フェニルマレイミド、炭素数が1~12の直鎖、分岐、環状のヒドロキシアルキル基を導入したN-ヒドロキシアルキルマレイミド、N-ヒドロキシアルキル-α-メチルマレイミド、N-ヒドロキシアルキル-α-エチルマレイミド、N-ヒドロキシアルキル-α,β-ジメチルマレイミド、N-ヒドロキシアルキル-α-フェニルマレイミド、マレイミド基を有するアルコキシシラン化合物、マレイミド基を有するカルボン酸化合物等が挙げられる。
これらの単官能性不飽和化合物(b1)は1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
前記多官能性不飽和化合物(b2)としては、分子内にエチレン性不飽和基2つ以上を有するモノマーやオリゴマーであれば、特に限定することはない。また、エチレン性不飽和基はラジカル重合性を有すれば特に限定されず、具体的には(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基、マレイミド基等が挙げられる。また、分子内にこれらのエチレン性不飽和基は、同一の官能基2つ以上を有するものもよいし、異なる官能基を任意に選べる2種以上を組み合わせたものもよい。(b2)の含有量は、光硬化性型爪化粧料全体に対して5~99質量%であることが好ましい。また、(b2)の含有量は5~80質量%である場合、調製される光硬化型爪化粧料の粘度が調整しやすく、塗布性や爪表面に対する密着性が共に満足でき、得られる光硬化膜の柔軟性に優れ、形成されるジェルネイルやネイルシート、ネイルチップのひび割れが起こりにくく、耐久性も十分のため、より好ましい。
多官能性不飽和化合物(b2)のうち、例えば、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(トリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(炭素数1~4)グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3(又は1,4)-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アクリレートエステル(ジオキサングリコールジアクリレート)、アルコキシ化(シクロ)ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エポキシジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリウレタンジ(メタ)アクリルアミド、アリル(メタ)アクリルアミド、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性不飽和化合物(b2)は1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
本発明に用いられるエチレン性不飽和基を有する化合物(B)において、皮膚刺激性や臭気など安全性の観点及び不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)との相溶性の観点から単官能性不飽和化合物(b1)は、メタクリレート系モノマー、メタクリルアミド系モノマー及びアクリルアミド系モノマーが好ましく、また硬化性の観点からアクリルアミド系モノマーがより好ましい。更に、硬化時の発熱量を制御するため、アクリルアミド系モノマーとメタクリレート系モノマーを併用することが最も好ましい。
本発明の抗菌性爪化粧料は、可視光線や紫外線照射により十分に硬化することができる。不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はエチレン性不飽和基を有する化合物(B)の不飽和基がマレイミド基、α置換マレイミド基とα,β置換マレイミド基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基からなる群より選択される1種以上の官能基である場合、これらの不飽和基が光照射により活性ラジカルを生じるため、光硬化型爪化粧料には光重合開始剤を含有させなくてもよい。
本発明の抗菌性爪化粧料は、光重合開始剤(C)を含有することができる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、αアミノケトン系、キサントン系、アントラキノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、高分子光重合開始剤系等の通常のものから適宜選択すればよい。例えば、アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1、ベンゾイン類としては、ベンゾイン、α-メチルベンゾイン、α-フェニルベンゾイン、α-アリルベンゾイン、α-ベンゾイルベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、αアミノケトン類としては、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-(4-モルホリニル)-1-プロパノン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-(4-モルホリニル)フェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-(4-メチルフェニル)メチル-1-(4-(4-モルホリニル)フェニル)-1-ブタノン、キサントン類としては、キサントン、チオキサントン、アントラキノン類としては、アントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、アシルフォスフィンオキサイド類としては、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、高分子光重合開始剤としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパン-1-オンのポリマーなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(C)の含有量は、光硬化型爪化粧料全体に対して0.1~10質量%が好ましい。0.1質量%以上である場合には、薄塗りでも十分な硬化性を有し、得られる硬化膜の強度も耐久性も良好である。10質量%以下である場合、光硬化型爪化粧料のポットライフが十分に長く、保管中のゲル化などのトラブルが発生しないものである。さらに、0.5~5質量%がより好ましい。
本発明の光硬化型爪化粧料は、溶剤を含有しないまま用いることができる。また、より高精度な模様、形状、光沢、硬度などが要求される特殊品を得るため、必要に応じて、水や有機溶媒を含有してもよい。有機溶媒としては、常圧における沸点が50~120℃であることが好ましく、また、沸点が55~100℃であることがより好ましい。さらに、安全性の観点から、通常のマニキュア、エナメルなどに用いられる溶剤として水やアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エタノール、イソプロパノール等が特に好ましい。これらの溶剤は、1種単独でも、2種以上含有してもよい。溶剤を含有する場合の含有量は、光硬化型爪化粧料全体に対して、1.0~50質量%であることが好ましく、5~30質量%であることがより好ましい。この範囲内であれば、光硬化型爪化粧料を製造しやすく、且つ、硬化膜の期待特性には悪影響を与える恐れがない。
本発明の抗菌性爪化粧料(非光硬化型と光硬化型を含む)には、必要に応じて、各種の添加剤を配合することができる。具体的には、添加剤としては、熱重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線増感剤、防腐剤、リン酸エステル系およびその他の難燃剤、界面活性剤、帯電防止剤、顔料、染料などの着色剤、香料、消泡剤、充填剤、シランカップロング剤、表面張力調整剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、有機フィラー、無機フィラー等を添加することができる。これらその他成分の添加量は、本発明による抗菌性爪化粧料が発現する特性に悪影響を与えない程度であれば特に限定されず、爪化粧料全体に対して5質量%以下の範囲が好ましい。
本発明の抗菌性爪化粧料は、使用者の自爪(地爪)や、自爪に貼り付けるまたは練りつける人工爪などを対象物として用いることができる。具体的には、抗菌性爪化粧料をこれらの対象物の表面に塗布し、乾燥により固化させ又は光照射により硬化させ、固化膜又は硬化膜としてネイルやジェルネイル、ネイルシート、ネイルチップが得られる。本発明の抗菌性爪化粧料は自爪に対しても、人工爪の材料であるアクリル樹脂に対しても優れる密着性を有するため、ベースコード剤として用いることができる。この場合、爪の表面研磨、アルコール拭きなどの前処理を実施したら、耐久性がより向上されるが、前処理を実施しなくても、十分満足できる密着性、耐久性などが得られる。また、抗菌性爪化粧料の固化膜又は硬化膜は柔軟性と強靭性を併せ備えるため、アセトンなどの溶剤によるオフの回数が少なく、さらに溶剤を使用せず、爪の甘皮の方のジェルを爪先でおこし、指先に向かって剥がすこともできる。本発明の抗菌性爪化粧料が低臭気、かつ、低又は無皮膚刺激性の成分から構成されているため、安全性が高く、爪の保護剤としても使用することができる。
本発明の抗菌性爪化粧料は第四級アンモニウム塩を含有し、抗菌性に優れると共に汎用な顔料、光輝剤、染料などの有機系又は無機系の着色料とは均一に混ざりやすい。また、第四級アンモニウム塩のオリゴマーやポリマーが多種多様な構造、分子量などを要求物性に合わせて設計することが可能であり、ベースコード、カラーコード、トップコード及びこの3つの効果を果たす一液爪化粧料として、自爪や人工爪などの表面に直接塗布することができる。厚膜の一層塗りでもよく、薄膜の積層塗りでもよい。
本発明の光硬化型抗菌性爪化粧料の硬化性が高く、厚膜の深部硬化も薄膜の極表面硬化も短時間で完了でき、着色剤などを添加することによりカラージェルとして用いることができる。この場合、硬化後のベースコードの上に重ねて塗布して硬化させてもよく、ベースコードとカラーコードの2つの効果を果たす爪化粧料として自爪や人工爪などの表面に直接塗布して硬化することができる。また、構成成分の配合比により硬化膜の硬度を調整することができ、トップコード剤としても好適に用いることができる。特に、極表面には未硬化物が残存しないため、エタノールや水による拭き取り作業が省略しても、十分な光沢性が得られる。本発明の光硬化型爪化粧料の硬化膜は柔軟性と強靭性を併せ備えるため、形成されるジェルネイルの表面に十分な硬度を有しながら、耐傷性や耐久性にも優れている。透明なジェルネイルを求める場合、硬化後のベースコードの上に重ねて塗布して硬化させてもよく、ベースコードとトップコードの2つの効果を果たす爪化粧料として自爪や人工爪などの表面に直接塗布して硬化することができる。色や模様など修飾したジェルネイルを求める場合、ベースコードとカラーコードの積層硬化膜あるいはベースコードとカラーコードの2役の単層硬化膜の上に重ねて塗布して硬化させてもよい。更に、ベースコードとカラーコード及びトップコードの3つの効果を果たす一液爪化粧料として自爪や人工爪などの表面に直接塗布して硬化することができる。厚膜の一層塗りでもよく、薄膜の積層塗りでもよい。
本発明の抗菌性爪化粧料を自爪や人工爪のアクリル樹脂製チップ、フィルム、シートなどの基材に塗布する方法として、特に制限することがなく、公知の方法により行うことができる。例えば、小さな筆(刷毛)で塗る方法、スポンジなどで型押す方法、スプレー塗布法、インクジェット塗布法、バーコーター塗布法、回転塗布法、エアーナイフ塗布法、ロール塗布法などが挙げられる。
本発明の抗菌性爪化粧料に水や有機溶媒を含有する場合、前記各種基材上に塗布し、溶媒などを蒸発させて固化膜が得られる。また、光硬化性の場合、前記各種基材上に塗布し、溶媒などを蒸発させてから光硬化を行い、硬化膜が得られる。固化膜と硬化膜の厚みはベースコート、カラーコード、トップコード又はこれらの2役や3役の1液タイプなど用途の違い、自爪やフィルム、シート、チップなど塗布基材の違いによって異なるが、膜厚は1nm~1mmの範囲が好ましく、10nm~0.7mmがより好ましく、100nm~0.5mmが特に好ましい。膜厚が1nm~1mmの範囲であれば、基材に対する密着性、ネイルやジェルネイルの耐久性、トップ層としての耐傷性が共に良好である。
本発明の光硬化型爪化粧料の光硬化に用いられる光源として、光を照射できものであれば、特に制限することはない。例えば、公知の光源として、太陽光、蛍光灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、紫外線(UV)ランプ、発光ダイオート(LED)ランプ、紫外線発光ダイオート(UV-LED)ランプ、紫外線レーザーダイオート(UV-LD)ランプなどが挙げられる。また、小型、長寿命、高効率、低コストと安全性の観点から、365nmの蛍光管を用いる紫外線照射タイプと405nmのLED光源を持つ可視光照射タイプが主流となりつつである。
本発明の光硬化型爪化粧料の光硬化に必要な照射エネルギーは、用途や光源によって多少異なるが、照射エネルギー(積算光量)は5~1000mJ/cmの範囲が好ましく、10~500mJ/cmがより好ましい。この範囲であれば、爪化粧料が十分に硬化でき、かつ、健康障害が生じないためである。具体的な照射条件は使用者の好みに依存するが、UVによる爪化粧料を硬化される場合、光源として市販のジェルネイル専用UVランプ(ビューティーネイラー製、36W)を用いて、1~2分間を照射すること、また、可視光線による化粧料を硬化される場合、光源として市販のジェルネイル専用LEDランプ(ビューティーネイラー製、40W)を用いて、0.5~1分間を照射することが特に好ましい。
本発明の抗菌性爪化粧料から形成されたネイル、ジェルネイルを爪から除去する(オフ)方法は、品種や用途によって異なる。非光硬化型である場合、通常の除光液による容易に拭き取ることができる。光硬化型である場合、アセトンなどの溶媒を含有する剥離液を染み込ませた布やコットンを硬化膜上に数分間覆うことによって硬化膜が膨潤させて剥がす方法や、爪の甘皮の方のジェルを爪先でおこし、指先に向かって剥がす方法も適用する。また、剥離液で膨潤させてから、棒状やスティック状のもので軽くこすりながら落とす方法や、スティック状のもので少しこすって、全面的に剥がす方法も用いられる。また、ベースコードとして用いた場合、トップ層とカラー層のみを膨潤やこすりなどの方法でオフさせて、残りのベースコードの伸びってきた根元部分を補修して、硬化させてから、新たにカラー層、トップ層或いは2役1液の爪化粧料を塗布、硬化させることができる。さらに、ジェルネイルが積層で形成された場合、順番に一層ずつ剥がして、補修により伸びた部分との整合性など調整してから再度積層塗布、固化や硬化する方法が挙げられる。剥離液を使用せず、ジェルを爪先でおこして剥がす方法が、自爪を傷めないため、好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下において「部」及び「%」は特記しない限りすべて質量基準である。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩とそのオリゴマー及びポリマー(A-1)~(A-10)を表1に示す。
Figure 0007297228000003
実施例及び比較例に用いられる単官能性不飽和化合物(b1)は、以下に示す。
b1-1:イソボルニルアクリレート(IBOA)
b1-2:2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
b1-3:N-(2-ヒドロキシエチル)マレイミド(HEMI)
b1-4:2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(2HPMA)
b1-5:4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)
b1-6:エトキシジエチレングリコールアクリレート(ECA)
b1-7:2‐ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)
b1-8:アクリロイルモルフォリン(KJケミカルズ株式会社の登録商標「ACMO」)
b1-9:ジメチルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「DMAA」)
b1-10:ジエチルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「DEAA」)
b1-11:N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「HEAA」)
b1-12:イソプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「NIPAM」)
b1-13:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「DMAPAA」)
b1-14:ダイアセトンアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「Kohshylmer」DAAM)
b1-15:4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレート((KJケミカルズ株式会社の登録商標「Kohshylmer」TBCHA)
b1-16:N-ビニルピロリドン(NVP)
b1-17:N-ビニルカプロラクタム(NVC)
実施例及び比較例に用いられる多官能性不飽和化合物(b2)は、以下に示す。
b2-1:トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)
b2-2:トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)
b2-3:トリメチロールプロハントリアクリレート(TMPTA)
b2-4:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A-DCP、新中村化学工業株式会社製)
b2-5:ウレタンジアクリレート(UA、二官能、ポリエステル骨格、分子量5000)
b2-6:ウレタンジアクリルアミド(UAm、二官能、ポリカーボネート骨格、分子量8000)
実施例及び比較例に用いられる光重合開始剤(C)は、以下に示す。
C-1:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、BASFジャパン株式会社製)
C-2:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(IRGACURE-TPO、BASFジャパン株式会社製)
C-3:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/ベンゾフェノン=1/1混合物(IRGACURE-500、BASFジャパン株式会社製)
実施例1 光硬化型抗菌性爪化粧料(D-1)の調製
(A)としてアクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(A-1)0.1質量部、(B)として「ACMO」(b1-8)50.0質量部、「HEAA」(b1-11)21.9質量部、TEGDA(b2-1)20.0質量部、UAm(b2-6)5.0質量部、(C)として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(C-1、IRGACURE184)3.0質量部をそれぞれ容器に加え、40℃で1時間攪拌することにより、均一透明な実施例1の光硬化型抗菌性爪化粧料(D-1)を得た。
実施例2~10 光硬化型抗菌性爪化粧料(D-2)~(D-10)の調製
表2に示す組成で、実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例2~10に相当する光硬化型抗菌性爪化粧料(D-2)~(D-10)を得た。なお、実施例7と9は参考例である。
比較例1~3 光硬化性樹脂組成物(E-1)~(E-3)の調製
表2に示す組成で、実施例1と同様の操作を行うことにより、比較例1~3に相当する光硬化性樹脂組成物(E-1)~(E-3)を得た。
Figure 0007297228000004
実施例1~10で得られた光硬化型抗菌性爪化粧料および比較例1~3で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、以下の方法により評価を実施し、結果を表3に示す。
実施例1~10で得られた光硬化型抗菌性爪化粧料および比較例1~3で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、自爪上にフラットブラシを用いて均一に塗布し、塗布性を目視により下記基準によって評価を行い、結果を表3に示す。
1.塗布性
◎:塗布時に糸引きがなく、塗布後筆跡がなく、平滑な塗膜を形成していた。
〇:塗布時に僅かに糸引き又は塗布後僅かに筆跡が確認されたが、30秒静置後筆跡がなくなり、平滑な塗膜を形成していた。
△:塗布時に若干の糸引き又は塗布後若干の筆跡が確認され、30秒静置後も筆跡の残存が確認された。
×:塗布時に糸引き又は塗布後筆跡が確認され、均一な塗膜が得られなかった。
2.硬化性
実施例1~10で得られた光硬化型抗菌性爪化粧料および比較例1~3で得られた光硬化性樹脂組成物を自爪上にフラットブラシを用いて均一に塗布し、ジェルネイル専用UVランプ(36W)を用いて、1分間UV照射した後、硬化膜の表面を指で触り、べたつき具合を評価し、未硬化成分の有無を確認した。
◎:べたつきが全くない(完全硬化)。
○:若干のべたつきがあるが、表面に指の跡が残らない(ほぼ完全硬化、未硬化成分の拭き取りは不要である)。
△:べとつきがあり、表面に指の跡が残る(不完全硬化、未硬化成分の拭き取りが必要である)。
×:べとつきがひどく、表面に指が貼りつく(未硬化成分が多く残存し、硬化膜として使用できない)。
3.光沢性
前記硬化性評価で得られた硬化膜(ジェルネイル)を目視にて観察し、光沢性を確認した。
◎:表面光沢がある。
○:光の反射は確認できるが、うっすらと曇りがみられる。
△:表面が全体的に若干曇る。
×:表面が曇る。
4.密着性(表面硬度)
前記硬化性評価で得られた硬化膜をF硬度の鉛筆で一定の荷重をかけて引き、剥離の発生有無と引っかき傷の有無とを下記評価基準により評価した。
◎:傷も剥離も発生しなかった。表面硬度は鉛筆硬度F以上を有する。
○:剥離は発生しなかったが、傷が発生したが、時間経過により自然に修復した。
△:剥離は発生しなかったが、傷が発生し修復しなかった。
×:剥離が発生した。
5.耐久性
前記硬化性評価で得られた硬化膜において、2週間の日常生活後、膜の外観変化を目視にて確認した。
◎:外観に変化なし。
○:僅かに損傷があったが、爪に密着したままである。
△:損傷している部分又は爪から僅かに剥離している部分があった。
×:顕著な損傷又は剥離があった。
6.除去性(膨潤剥離)
前記硬化性評価で得られた硬化膜を覆うようにアセトンを含んだコットンを載せた。次にアルミホイルで爪全体を覆い、サニメント手袋をした後10分間温水につけて放置する。アルミホイルとコットンを取り除き、布を用いて軽く擦った。
◎:布を用いずとも、容易に爪装飾を剥離することができた。
○:布を用いて軽く擦ると、容易に爪装飾を剥離することができた。
△:布を用いて1分ほど擦り続けると、爪装飾を剥離することができた。
×:アセトンにより膨潤せず、布で擦っても剥離できない。
7.保存安定性
実施例1~10で得られた光硬化型抗菌性爪化粧料および比較例1~3で得られた光硬化性樹脂組成物を遮光性スクリュー管に入れ、蓋を閉め、40℃で1ヶ月及び80℃で2週間の二条件で保管した。保管後の液粘度の増加の有無を確認し、保存安定性を評価した。
○:40℃で1ヶ月及び80℃で2週間の二条件は共に保管後の粘度増加がなかった。
△:40℃で1ヶ月又は80℃で2週間の何れか一条件において保管後の粘度増加が確認された。
×:40℃で1ヶ月及び80℃で2週間の二条件は共に保管後の粘度増加が確認された。
8.抗菌性
実施例1~10で得られた光硬化型抗菌性爪化粧料および比較例1~3で得られた光硬化型樹脂組成物を離型フィルム上に固定した厚さ200μm、内部が40mm×60mmのスペーサーに流し込み、溶媒のある場合は、溶媒を完全に除去(80℃、1分)し、紫外線を照射(積算光量1000mJ/cm2)により硬化させた後、離型フィルムを剥離し、抗菌性試験用硬化膜を得た。
内径90mmのガラス製のシャーレ内に寒天培地流し込み、黄色ぶどう球菌、大腸菌、緑膿菌、黒カビ、青カビ、緑藻のうちの1種の菌を接種した後、その上に硬化膜1枚を置き、蓋を閉じ、温度30±5℃、湿度85±5%RHの恒温恒湿機内に7日間培養した。菌類の発育状況を4段階により評価を実施し、結果を表4に示す。
◎:菌の発育が全くみられない。
○:僅かに菌の発育がみられる。
△:少し菌の発育がみられる。
×:激しい菌の発育が見られる。
Figure 0007297228000005
実施例11と比較例4
(A)として(A-2)1.0質量部と市販の光硬化性ジェル(irogelベースジェル)99.0質量部を容器に加え、均一に混合し、抗菌性の爪化粧料(F-1)を得た。実施例11としてF-1と比較例4としてirogelベースジェル(G-1)を用いて、実施例1と同様な方法で抗菌性試験用硬化膜を作製し、抗菌性評価を行い、結果を表4に示す。
実施例12と比較例5
(A)として(A-9)1.0質量部と市販の光硬化性ジェル(ジェルミーワン(Gel Me 1)14クリア)99.0質量部を容器に加え、均一に混合し、抗菌性の爪化粧料(F-2)を得た。実施例12としてF-2と比較例5としてGel Me 1(G-2)を用いて、実施例1と同様な方法で抗菌性試験用硬化膜を作製し、抗菌性評価を行い、結果を表4に示す。
実施例13と比較例6
(A)として(A-10)1.0質量部と市販の非光硬化性ジェル(SHAREYDVA ネイルカラーのクリアベースコート)99.0質量部を容器に加え、均一に混合し、実施例13の抗菌性の爪化粧料(F-3)を得た。実施例13としてF-3と比較例6としてSHAREYDVA ネイルカラーのクリアベースコート(G-3)を用いて、易剥離タイプPETフィルム上に厚さ100μm、面積40mm×60mmになるように塗布し、溶媒を完全に除去(80℃、1分)した後、PETフィルム上から剥離し、抗菌性試験用ネイルシートを得た。ネイルシートを菌の接種した寒天培地の上に置き、抗菌性評価を行い、結果を表4に示す。
Figure 0007297228000006
実施例と比較例の結果に示されたとおり、本発明の不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーを含有する場合、抗菌性に優れ、かつ、塗布性、光硬化型の硬化性及び保存安定性が全て満足できる爪化粧料を取得することができる。また、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーを市販の光硬化型爪化粧料や非光硬化型爪化粧料には容易に添加することが可能であり、添加による抗菌性の向上効果が確認された。本発明の抗菌性爪化粧料は下地層、中間層、トップ層あるいは1液タイプのいずれのジェルとしても好適に用いることができる。
以上説明してきたように、本発明の抗菌性爪化粧料は優れる抗菌性を有し、衛生的な爪化粧料としても、爪の保護液、爪の疾病の治療剤としても好適に用いることができる。また、安全性、塗布性、光硬化型の硬化性及び保存安定性が良好で、薄塗りでも、厚塗りでも十分な強度や硬化性を有し、光硬化型爪化粧料として好適に用いることができる。爪に対する密着性、顔料との相溶性及び得られる硬化膜の光沢性、耐久性が良好であり、下地層、中間層、トップ層あるいは1液タイプのいずれのジェルとしても使用できる。本発明の抗菌性爪化粧料は、同一又は異なる組成の液を単層或いは積層で塗布や硬化させることができ、形成されたネイルとジェルネイルは、容易に補修、除去ができるため、ネイル、ジェルネイル、ネイルシール、ネイルチップとして幅広く利用することができる。

Claims (6)

  1. 不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーを0.1~45質量%
    エチレン性不飽和基を有する化合物(B)((A)を除く)として単官能不飽和化合物(b1)を5~71.9質量%、多官能不飽和化合物(b2)を25~80質量%含有する光硬化型抗菌性爪化粧料。
  2. 不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、一般式(1)に示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化型抗菌性爪化粧料。
    Figure 0007297228000007
    (式中、R、RとRは互いに同一であっても異なっていてもよく、各々独立に炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルキル基、炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルケニル基、或いはベンジル基を表し、Lは不飽和結合を表し、Yは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Xはアニオンを表す。)
  3. 不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)の不飽和基及びエチレン性不飽和基を有する化合物(B)の不飽和基は、メタクリレート基、アクリレート基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、メタクリルエーテル基、アクリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上の不飽和結合を有する官能基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化型抗菌性爪化粧料。
  4. 更に光重合開始剤(C)0.1~10質量%を有することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の光硬化型抗菌性爪化粧料。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の光硬化型抗菌性爪化粧料を自爪又は人工爪に塗装、光により硬化してなることを特徴とする抗菌性ネイルチップ。
  6. 請求項1~4のいずれか一項に記載の光硬化型抗菌性爪化粧料を基材に塗装、光により硬化してなることを特徴とする抗菌性ネイルシール。
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