JP7296511B1 - 食品素材を製造する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
改質増粘多糖類を含む食品素材を製造する方法であって、
剪断力を付与することなく、増粘多糖類を密封状態で100℃以上の条件で加熱することによって、前記増粘多糖類を改質して前記改質増粘多糖類を含む前記食品素材を得る工程を含む、方法。
[2]
前記増粘多糖類が粉末状である、[1]に記載の方法。
[3]
前記改質増粘多糖類が粉末状である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
前記増粘多糖類を5分間以上加熱する、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記増粘多糖類を110℃以上で40分間以上加熱する、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記増粘多糖類が、寒天、カラギーナン及びグルコマンナン(こんにゃく粉を含む)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
前記工程における加熱が、下記式(1)で表されるF値が50以上である条件で行われる、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[式(1)中、Tは加熱温度(単位:℃)を示し、tはT℃での加熱時間(単位:分)を示し、Zは12を示す。]
(A)1.5質量%濃度のゲル体の破断強度が250g/cm2以下である。
(B)1.5質量%濃度のゲル体の破断強度残存率が95%以下である。
(C)1.0質量%濃度のゾル体の粘度変化率は、90%以下又は110%以上である。
(実施例1-1)
粉末状の寒天(水分量14.0%)を市販のレトルトパウチに入れて密封し、レトルト殺菌器内に載置して、120℃で60分間加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質寒天を得た。得られた改質寒天の性状は「粉末」であった。
表1に示す水分量の粉末状の寒天を用いるとともに、表1に示す温度及び時間で加熱処理したこと以外は、前述の実施例1-1と同様にして、改質寒天を得た。得られた改質寒天の性状を表1に示す。
粉末状の寒天を市販のレトルトパウチにそれぞれ入れて密封し、レトルト殺菌器内に載置して、105℃で250分間加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質寒天を得た。得られた改質寒天の性状は「粉末」であった。
前述の実施例1-22と同条件で加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封せず、再度同条件で加熱処理をした。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質寒天を得た。得られた改質寒天の性状は「粉末」であった。
粉末状の寒天(水分量14.0%)をアルミトレイに静置し、コンベクションオーブン内に載置して、密封していない状態で、180℃で60分間加熱処理した。アルミトレイを放冷後、改質寒天を得た。得られた改質寒天の性状は「粉末」であった。
粉末状の寒天(水分量14.0%)をアルミトレイに静置し、コンベクションオーブン内に載置して、密封していない状態で、160℃で90分間加熱処理した。アルミトレイを放冷後、改質寒天を得た。得られた改質寒天の性状は「粉末」であった。
粉末状の寒天を市販のレトルトパウチにそれぞれ入れて密封し、レトルト殺菌器内に載置して、90℃で250分間加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質寒天を得た。得られた改質寒天の性状は「粉末」であった。
(実施例2-1)
粉末状のカラギーナンを市販のレトルトパウチに入れて密封し、レトルト殺菌器内に載置して、115℃で60分間加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質カラギーナンを得た。
表2に示す温度及び時間で加熱処理したこと以外は、前述の実施例2-1と同様にして、改質カラギーナンを得た。
粉末状のカラギーナンをアルミトレイに静置し、コンベクションオーブン内に載置して、密封していない状態で、比較例1と同じ180℃で60分間加熱処理した。アルミトレイを放冷後、改質カラギーナンを得た。得られた改質カラギーナンの性状は「膨化した固形物」であった。
(実施例3-1)
粉末状のローカストビーンガムを市販のレトルトパウチに入れて密封し、レトルト殺菌器内に載置して、120℃で60分間加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質ローカストビーンガムを得た。
表3に示す温度及び時間で加熱処理したこと以外は、前述の実施例3-1と同様にして、改質ローカストビーンガムを得た。
粉末状のローカストビーンガムをアルミトレイに静置し、コンベクションオーブン内に載置して、密封していない状態で、比較例1と同じ180℃で60分間加熱処理した。アルミトレイを放冷後、改質ローカストビーンガムを得た。得られた改質ローカストビーンガムの性状は「粉末」であった。
(実施例4-1)
粉末状のグルコマンナンを市販のレトルトパウチに入れて密封し、レトルト殺菌器内に載置して、120℃で60分間加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質グルコマンナンを得た。
表4に示す温度及び時間で加熱処理したこと以外は、前述の実施例4-1と同様にして、改質グルコマンナンを得た。
粉末状のグルコマンナンをアルミトレイに静置し、コンベクションオーブン内に載置して、密封していない状態で、比較例1と同じ180℃で60分間加熱処理した。アルミトレイを放冷後、改質グルコマンナンを得た。得られた改質グルコマンナンの性状は「粉末」であった。
(実施例5-1)
粉末状のキサンタンガムを市販のレトルトパウチに入れて密封し、レトルト殺菌器内に載置して、120℃で60分間加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質キサンタンガムを得た。
表5に示す温度及び時間で加熱処理したこと以外は、前述の実施例5-1と同様にして、改質キサンタンガムを得た。
(実施例6-1)
粉末状のカラギーナン及びグルコマンナンを市販のレトルトパウチにそれぞれ入れて密封し、レトルト殺菌器内に載置して、120℃で60分間加熱処理した。レトルトパウチを放冷後に開封して、改質カラギーナン及び改質グルコマンナンをそれぞれ得た。
表6に示す温度及び時間で加熱処理したこと以外は、前述の実施例6-1と同様にして、改質カラギーナン及び改質グルコマンナンをそれぞれ得た。
(ゲル体の破断強度)
[改質寒天]
粘弾性測定装置(レオメーター)を使用して、得られた改質寒天を用いて調製したゲル体の破断強度を測定した。具体的には、まず、改質寒天の1.5質量%水溶液を20℃で15時間放置して凝固させ、ゲル体を得た。次いで、粘弾性測定装置を使用し、得られたゲル体の表面1cm2当たり直径1cmの円型形の治具で「1mm/秒」の速度で押した場合にかかる力(g)を、ゲル体の「破断強度」として測定した。結果を表1に示す。
粘弾性測定装置(レオメーター)を使用して、得られた改質カラギーナンを用いて調製したゲル体の破断強度を測定した。具体的には、まず、以下の(i)及び(ii)の配合となるように各成分を混合し、沸騰して改質カラギーナンを溶解させて水溶液を調製した。調製した水溶液を20℃で1晩放置して凝固させ、ゲル体(水ゲル及びKゲル)を得た。次いで、粘弾性測定装置を使用し、得られた各ゲル体の表面1cm2当たり直径1cmの円型形の治具で「1mm/秒」の速度で押した場合にかかる力(g)を、各ゲル体の「破断強度」として測定した。結果を表2に示す。
(i)水ゲル:低強度カラギーナン4.5g+イオン交換水300mL
(ii)K(カリウム)ゲル:低強度カラギーナン4.5g+イオン交換水300mL+塩化カリウム0.6g
500mLのビーカーに、改質カラギーナン0.6g、改質グルコマンナン0.6g、塩化カリウム0.3g、グラニュ糖60g、及び水240mLを入れ、分散及び撹拌した後、30分間静置した。沸騰するまで加熱して固形分を溶解させた後、一晩冷却してゲル体を得た。レオメーターを用いてゲル強度を測定した。粘弾性測定装置(レオメーター)を使用し、得られたゲル体の表面1cm2当たり直径1cmの円型形の治具で「1mm/秒」の速度で押した場合にかかる力(g)を、ゲル体の「破断強度」として測定した。結果を表6に示す。
[改質寒天]
加熱していない未処理の寒天(参考例1)を用いて形成したゲル体の「破断強度」に対する、改質寒天を用いて形成したゲル体の「破断強度」の比率を「破断強度残存率(%)」として算出した。結果を表1及び表2に示す。
加熱していない未処理のカラギーナン(参考例2)を用いて形成したゲル体の「破断強度」に対する、改質カラギーナンを用いて形成したゲル体の「破断強度」の比率を「破断強度残存率(%)」として算出した。結果を表3に示す。
加熱していない未処理のカラギーナン及びグルコマンナン(参考例6)を用いて形成したゲル体の「破断強度」に対する、改質カラギーナンを用いて形成したゲル体の「破断強度」の比率を「破断強度残存率(%)」として算出した。結果を表7に示す。
[改質ローカストビーンガム]
500mLビーカーに水200mL及び改質ローカストビーンガム2gを入れ、撹拌及び加熱して改質ローカストビーンガムを溶解させた後に冷却して、75℃及び25℃の試料を調製した。B型粘度計(商品名「TVB-10M」、東機産業社製)を使用して、各温度の試料の粘度を30rpm及び6rpmの条件で測定した。結果を表4に示す。
500mLビーカーに水200mL及び改質グルコマンナン2gを入れ、撹拌及び加熱して改質グルコマンナンを溶解させた後に冷却して、75℃及び25℃の試料を調製した。B型粘度計(商品名「TVB-10M」、東機産業社製)を使用して、各温度の試料の粘度を6rpm及び1.5rpmの条件で測定した。結果を表5に示す。
500mLビーカーに水200mL及び改質キサンタンガム2gを入れ、撹拌及び加熱して改質キサンタンガムを溶解させた後に冷却して、75℃及び25℃の試料を調製した。B型粘度計(商品名「TVB-10M」、東機産業社製)を使用して、各温度の試料の粘度を12rpmの条件で測定した。結果を表6に示す。
[改質ローカストビーンガム]
加熱していない未処理のローカストビーンガム(参考例3)を用いて調製したゾル体の「粘度」に対する、改質ローカストビーンガムを用いて調製したゾル体の「粘度」の比率を「粘度変化率(%)」として算出した。結果を表4に示す。
加熱していない未処理のグルコマンナン(参考例4)を用いて調製したゾル体の「粘度」に対する、改質グルコマンナンを用いて調製したゾル体の「粘度」の比率を「粘度変化率(%)」として算出した。結果を表5に示す。
加熱していない未処理のキサンタンガム(参考例5)を用いて調製したゾル体の「粘度」に対する、改質キサンタンガムを用いて調製したゾル体の「粘度」の比率を「粘度変化率(%)」として算出した。結果を表6に示す。
改質キサンタンガムをスパーテルですくい上げた後、スパーテルを傾けて落下させた際に生ずる糸の状態を目視で確認し、曳糸性(あり/なし)を評価した。結果を表6に示す。
外観評価は、次に示す基準に基づき実施した。次に記載の順に黒く変色していることを示す。
(白系)乳白色>淡黄色>淡褐色>黄褐色>褐色>茶褐色>黒褐色>黒色(黒系)
Claims (5)
- 改質増粘多糖類を含む食品素材を製造する方法であって、
剪断力を付与することなく、増粘多糖類を密封状態で100℃以上の条件で加熱することによって、前記増粘多糖類を改質して前記改質増粘多糖類を含む前記食品素材を得る工程を含み、
前記増粘多糖類が粉末状であり、
前記増粘多糖類が、寒天、及びグルコマンナン(こんにゃく粉を含む)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、方法。 - 前記改質増粘多糖類が粉末状である、請求項1に記載の方法。
- 前記増粘多糖類を5分間以上加熱する、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記増粘多糖類を110℃以上で40分間以上加熱する、請求項1又は2に記載の方法。
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JP2005261430A (ja) | 2004-02-19 | 2005-09-29 | Sanei Gen Ffi Inc | ペクチンの改質方法及びその応用 |
JP2006213867A (ja) | 2005-02-04 | 2006-08-17 | Sanei Gen Ffi Inc | キサンタンガムの改質方法及びその応用 |
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