JP6951867B2 - 増粘剤及び該増粘剤を含む飲食品 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、ガラクトマンナンとキサンタンガムやカラギナンを組み合わせることで加熱工程がなくても、既存食品に弱いゲル構造を付与し、咀嚼・嚥下に最適な物性にできることが開示されている。
特許文献3ではタラガム及びキサンタンガムを90:10〜75:25の含有割合(質量比)で含む多糖類製剤が開示されており、該剤が常温にて短時間の混合で水溶液に高い粘性を付与できることが開示されている。
そして、特許文献4でもタラガム25〜85重量%と、キサンタンガム75〜15重量%からなる混合物を含有し、さらにサイリウムシードガムを配合することを特徴とする易嚥下補助組成物が開示されている。
このように増粘多糖類を複数組み合わせることによって、食感改善等においてより望ましい効果を食品に施すことが可能となる。
例えば、特許文献5では、シロキクラゲ由来の粘質性物質を利用することが開示されており、茹そばの製造においてこれを添加したことにより、弾力性に富む、良質な麺質を有するそばが得られたことが開示されている。特許文献6では、乾燥白きくらげをハチミツに漬けてリンゴを加えて製造したジャムや乾燥白きくらげを水につけてレモン汁、卵黄等と混合して製造したマヨネーズについて、“粘性が保たれ、その粘性によって肉や野菜によく付着して食感の改善がなされる”ことが開示されている。また、特許文献7でもシロキクラゲを粉砕、攪拌等して得た増粘剤がアイスクリームの製造に適したものであったことが開示されている。
しかし、これらに開示されている効果はシロキクラゲ由来の多糖体単独での効果であり、これとその他の増粘多糖類とを組み合わせた効果については検討されてこなかった。
(1)シロキクラゲ多糖体と、その他の増粘多糖類からなる増粘剤。
(2)シロキクラゲ多糖体とその他の増粘多糖類の比率が5:95〜95:5である上記(1)に記載の増粘剤。
(3)シロキクラゲ多糖体が、平均分子量300万Mw以上のシロキクラゲ多糖体である上記(1)または(2)に記載の増粘剤。
(4)その他の増粘多糖類が、ガラクトマンナン類、グルコマンナン、タマリンドシードガムまたはサイリウムシードガムのいずれか一種以上である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の増粘剤。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の増粘剤を含む飲食品。
このような本発明の「増粘剤」は飲食品に粘性を感じつつもすっきりした食感を付与し得るのみならず、ベタつきの低下や濃厚感の向上等、食感改善にあたり有用な効果を有するものであることが好ましい。
このようなシロキクラゲ多糖体として、例えば平均分子量が480万MwのUT-WC(ユニテックフーズ社)、または平均分子量が300万MwのUT-WS(ユニテックフーズ社)等を挙げることができる。これらのシロキクラゲ多糖体は単独で使用してもよく、複数のものを混合して使用しても良い。
GPCによる分子量および分子量分布の測定
・装置:ビルドアップGPCシステム(東ソー製)
・カラム:TSKgel GMPWXL(7.8mmID×30cm)(東ソー製)
・検出器:RI検出器
・溶離液:0.05M-NaNO3水溶液
・流速:0.5ml/min
・濃度:0.5mg/mL
・注入量:100μl
・カラム温度:40℃
前処理として、試料を秤量し所定量の溶離液を加えて、100℃10分加熱・冷却後、0.45μmのセルロースアセテートカートリッジフィルターにて濾過を行った。
検量線は、標準プルラン(Shodex製)を用いて作成した。
このような「増粘多糖類」として、ガラクトマンナン類、キサンタンガム、ジェランガム、スクシノグリカン、ウェランガム、サイリウムシードガム、タマリンドシードガム、ペクチン、カラギナン、アルギン酸類、デンプン、加工デンプン、デンプン分解物、寒天、プルラン、カラヤガム、トラガントガム、ガティガム、発酵セルロース、微結晶セルロース、微小繊維状セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、キチン、又はキトサン等が挙げられる。これらの増粘多糖類を一種又は二種以上、シロキクラゲ多糖体と組み合わせてもよい。特にガラクトマンナン類、グルコマンナン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム等を組み合わせることが好ましい。
1.シロキクラゲ多糖体
シロキクラゲ多糖体はUT-WC(ユニテックフーズ社)を用いた。
2.増粘多糖類
1)ローカストビーンガムはVIDOGUM L175HQ(ユニペクチン社)を用いた。
2)タラガムはVIDOGUM SP175(ユニペクチン社)を用いた。
3)グァーガムはVIDOGUM GHK175(ユニペクチン社)を用いた。
4)タマリンドシードガムはグリロイド(登録商標)2A(DSP五協フード&ケミカル社)を用いた。
5)サイリウムシードガムはヘルシーガム(DSP五協フード&ケミカル社)を用いた。
6)グルコマンナンはレオレックス(登録商標)One(清水化学社)を用いた。
シロキクラゲ多糖体と各増粘多糖類の各粉体を表1〜表6に示す配合割合となるように組み合わせ増粘剤とした。
上記にて製造した増粘剤を次の工程により溶解し、水溶液の粘性を測定した。
1)シロキクラゲ多糖体および各増粘多糖類の粉体を1.5g計量した。
2)298.5gの水をマグネットスターラーにて攪拌しながら上記1)の粉体をそれぞれ添加し、5分間攪拌した。
3)上記2)の水溶液を電子レンジ(600W)にて沸騰するまで加熱した。
4)上記3)の加熱した水溶液をさらにマグネットスターラーにて5分間攪拌した。
5)上記4)の水溶液を常温まで冷却した後、次の条件により粘性を測定した。
測定機器:動的粘弾性測定装置 MCR300(アントンパール社)
測定冶具:CP50-1
せん断速度:0-100 1/s
測定温度:25℃
せん断速度 11/s時の測定値を粘度とした。
その結果、各図の実線で示されるようにシロキクラゲ多糖体と各増粘剤からなる増粘剤は、破線で示されるようなこれらを単純に足し合わせた粘度よりも高い増粘効果を示すことが確認できた。
シロキクラゲ多糖体と各増粘多糖類の各粉体を表7に示す配合割合となるように組み合わせ増粘剤とした。
表7に記載の各増粘剤を粘性評価と同様に溶解した水溶液を作成し、次の評価基準に従って官能評価した。5名のパネラーの評価の平均値を評価結果とした。評価結果も表7に示した。
4点:粘性をやや感じるが、すっきりとした食感である
3点:粘性を感じるが、ややすっきりとした食感である
2点:粘性を感じ、もったりとした食感である
1A点:粘性を強く感じ、もったりとした食感である
1B点:粘性を感じず、すっきりとした食感である
そして、ローカストビーンガムを単独で用いた場合(比較例7b)よりもシロキクラゲ多糖体と組み合わせることにより(実施例7A)、より望ましい食感となることも確認できた。
Claims (3)
- シロキクラゲ多糖体と、ガラクトマンナン類、グルコマンナン、タマリンドシードガムまたはサイリウムシードガムのいずれか一種以上である増粘多糖類からなる増粘剤を含む飲食品。
- シロキクラゲ多糖体と、ガラクトマンナン類、グルコマンナン、タマリンドシードガムまたはサイリウムシードガムのいずれか一種以上である増粘多糖類の比率が5:95〜95:5である請求項1に記載の増粘剤を含む飲食品。
- シロキクラゲ多糖体が、平均分子量300万Mw以上のシロキクラゲ多糖体である請求項1または2に記載の増粘剤を含む飲食品。
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