JP2013063051A - オリゴ糖の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アガロース、キシランおよびグルコマンナンから選ばれる少なくとも一種の中性多糖類を加水分解してオリゴ糖を製造するオリゴ糖の製造方法であって、中性多糖類に加水分解剤の水溶液を供給する工程と、前記中性多糖類を加水分解する工程と、前記中性多糖類の加水分解物からオリゴ糖を回収する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
また、オリゴ糖は、坑腫瘍作用、免疫活性化、コレステロール低減、美白効果などの種々の生理活性を有することから、特定保険用食品、化粧品、医薬品などの素材としても注目されている。
多糖類の酵素分解法としては、例えば、市販の酵素を用いたグルコマンナンの加水分解法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、酸を用いた多糖類の加水分解法としては、例えば、原料のコーヒー滓を、160〜260℃の温度にて、pH0.5〜4で加熱した後、中和することにより、重合度1〜10のマンナンオリゴ糖を製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、加圧熱水法でマンナンオリゴ糖を製造する場合、200℃以上の反応温度を必要とするので、生成したオリゴ糖の過分解反応が進行し、メイラード反応などによる着色や有害物質が生成し、精製工程が複雑になるという問題があった。
塩基性多糖類は、天然物としてはキチンやキトサンなどの他にはあまり例がなく、天然物として入手可能な多糖類は、酸性多糖類または中性多糖類がほとんどである。
中性多糖類を加水分解して得られるオリゴ糖は、酸性多糖類由来のオリゴ糖とは異なる生理活性や機能性が期待される。
100℃を超える温度範囲で加水分解反応を行なう場合、温度調整が難しくなることから、市販のハイパーグラスター(株式会社耐圧ガラス工業製)を使用するとよい。この装置は、耐圧構造に設計され、内部設定温度がコントロール可能となっているので便利である。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をよりよく理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のオリゴ糖の製造方法は、中性多糖類のアガロースを加水分解してオリゴ糖を製造するオリゴ糖の製造方法であって、アガロースに加水分解剤の水溶液を供給する工程と、アガロースを加水分解する工程と、アガロースの加水分解物からオリゴ糖を回収する工程と、を有する方法である。
アガロオリゴ糖は、アガロースのα−1,3結合を切断して得られるオリゴ糖であり、その重合度は偶数である。また、アガロオリゴ糖の還元末端は、3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースである。アガロオリゴ糖は、下記の化学式(2)で表される。
酸加水分解法では、主としてアガロースのα−1,3結合が切断されるため、アガロオリゴ糖が生成される。
酸加水分解法で用いられる酸としては、塩酸、硫酸などの無機酸、クエン酸、乳酸などの有機酸が挙げられる。
酸加水分解法の問題点としては、生成されるオリゴ糖の大きさ(分子量)を制御することが難しく、特に、重合度の低い低分子オリゴ糖を選択的に生成することが極めて難しいことなどが挙げられる。
α−アガラーゼを用いることにより、α−1,3結合が切断されるため、アガロビオースを構成成分とするアガロオリゴ糖が生成される。
公知のα−アガラーゼとしては、海洋性のグラム陰性細菌GJ1B株やビブリオ属細菌の生産する酵素が挙げられる。
しかしながら、アルテロモナス・アガリリティクスGJ1B株由来のα−アガラーゼは、六糖以下のオリゴ糖を分解することができないため、生理活性が顕著なアガロビオースを生成することは不可能である。さらに、ビブリオ属細菌由来のα−アガラーゼは、六糖以下のオリゴ糖にのみ活性を示す酵素であり、アガロースに対してはまったく作用しないため、アガロースを原料とするアガロオリゴ糖の製造に使用することはできない。
本実施形態のオリゴ糖の製造方法を詳細に説明する。
塩化鉄(III)は、無水物および六水和物のいずれでもよく、鉄粉および塩酸を用いて調製したものでもよい。
硫酸鉄(III)は、無水物または七水和物のいずれでもよく、鉄粉および濃硫酸を用いて調製したものでもよい。
加水分解剤は、塩化鉄(III)または硫酸鉄(III)を単独で用いてもよいし、塩化鉄(III)と硫酸鉄(III)を併用してもよい。塩化鉄(III)と硫酸鉄(III)を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に選択できる。
加水分解剤の濃度を下限値以上とすることにより、一層速やかにアガロースを加水分解できる。一方、加水分解剤の濃度を上限値以下とすることにより、オリゴ糖の生成が一層容易となる。なお、本明細書において、単位「M」は「mol/L」を表す。
加熱時の温度は、80℃以上であることが好ましく、90〜160℃であることがより好ましく、100〜140℃であることがさらに好ましく、110〜120℃であることが特に好ましい。
加熱時の温度を上限値以下とすることで、アガロースの過分解を一層抑制できる。
例えば、上記のように加熱する場合、反応時間は0.2〜10時間であることが好ましく、1〜2時間であることがより好ましい。
加水分解物は、目的物であるアガロオリゴ糖以外にその他の分解物や、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)などを含んでいる。そこで、加水分解物は、抽出、濃縮、活性炭処理、脱塩処理、ゲル濾過、カラムクロマトグラフィーなどの公知の精製操作を一種以上行い、さらに、濃縮や凍結乾燥などを行うことにより、アガロオリゴ糖を取り出すことが好ましい。
また、アガロースを高い効率で加水分解する加水分解剤として、塩化鉄(III)または硫酸鉄(III)を用いることによって、一層高収率でアガロオリゴ糖が得られる。そして、反応時間、反応温度、加水分解剤の水溶液の量などを調節することにより、アガロオリゴ糖の収率を一層向上させることができる。
本発明に使用する原料はすべて安全面および入手性に優れており、反応条件が穏やかで、特殊な製造条件が不要であるなど、工程が簡便で低コストでアガロオリゴ糖を製造できる。
このように本実施形態は、汎用性が高く、工業レベルでの実用化が容易である。
本実施形態のオリゴ糖の製造方法は、中性多糖類のキシラン(ヘミセルロース)を加水分解してオリゴ糖を製造するオリゴ糖の製造方法であって、キシランに加水分解剤の水溶液を供給する工程と、キシランを加水分解する工程と、キシランの加水分解物からオリゴ糖を回収する工程と、を有する方法である。
天然のヘミセルロースには、キシランの他にも、キシランからなる直鎖状の主鎖に、L−アラビノフラノース残基、D−グルクロン酸残基、4−o−メチル−D−グルクロン酸残基などの側鎖を結合させた、アラビノキシラン、グルクロノキシラン、アラビノグルクロノキシラン、メチルグルクロノキシランなどのキシラン誘導体が存在する。
木材に含まれるヘミセルロースの主な成分としては、キシランおよびその誘導体からなる多糖が挙げられる。
キシロオリゴ糖は、木材成分のキシランから得ることが可能である。現在、日本では年間5000万トンもの大量の木質廃材が排出されているため、環境問題や廃棄物問題の解決に向けて、このような廃材の工業的な有効利用に大きな期待がかけられている。
本実施形態のオリゴ糖の製造方法を詳細に説明する。
加水分解剤の濃度を下限値以上とすることにより、一層速やかにキシランを加水分解できる。一方、加水分解剤の濃度を上限値以下とすることにより、オリゴ糖の生成が一層容易となる。
加熱時の温度は、110℃以上であることが好ましく、120〜160℃であることがより好ましく、130〜140℃であることがさらに好ましい。
加熱時の温度を上限値以下とすることで、キシランの過分解を一層抑制できる。
例えば、上記のように加熱する場合、反応時間は0.2〜10時間であることが好ましく、2〜4時間であることがより好ましい。
加水分解物は、目的物であるキシロオリゴ糖以外にその他の分解物や、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)などを含んでいる。そこで、加水分解物は、抽出、濃縮、活性炭処理、脱塩処理、ゲル濾過、カラムクロマトグラフィーなどの公知の精製操作を一種以上行い、さらに、濃縮や凍結乾燥などを行うことにより、キシロオリゴ糖を取り出すことが好ましい。
また、キシランを高い効率で加水分解する加水分解剤として、塩化鉄(III)または硫酸鉄(III)を用いることによって、一層高収率でキシロオリゴ糖が得られる。そして、反応時間、反応温度、加水分解剤の水溶液の量などを調節することにより、キシロオリゴ糖の収率を一層向上させることができる。
本発明に使用する原料はすべて安全面および入手性に優れており、反応条件が穏やかで、特殊な製造条件が不要であるなど、工程が簡便で低コストでキシロオリゴ糖を製造できる。
このように本実施形態は、汎用性が高く、工業レベルでの実用化が容易である。
本実施形態のオリゴ糖の製造方法は、中性多糖類のグルコマンナンを加水分解してオリゴ糖を製造するオリゴ糖の製造方法であって、グルコマンナンに加水分解剤の水溶液を供給する工程と、グルコマンナンを加水分解する工程と、グルコマンナンの加水分解物からオリゴ糖を回収する工程と、を有する方法である。
グルコマンナンは、植物分類上、サトイモ科に属するAmorphophallus Konjac, K Kochの塊茎(芋)に含まれるグルコマンナン(貯蔵性多糖類)から分離して得られる多糖類である。そして、グルコマンナンは、D−グルコース(G)とD−マンノース(M)がほぼ1:1.6の割合で、β−1,4結合した複合多糖類である。一般に、グルコマンナンの分子量は、約100万以上(重合度:約6200)で、分子の長さはRG=1300Å程度である。グルコマンナンは、下記の化学式(5)で表される。
酸加水分解法としては、例えば、原料であるコーヒー抽出残渣材料を、温度160〜260℃の温度にて、pH0.5〜4で加熱して、中和することにより、重合度1〜10のマンナンオリゴ糖を製造する方法が挙げられる。
また、多糖類の側鎖が主鎖よりも早く分解されてしまうため、主鎖の分解度を調整するためには、酵素加水分解法が好適に用いられている。この酵素加水分解法に用いられる酵素としては、グルコマンナンを加水分解する機能を有する市販の酵素が挙げられる。酵素加水分解法は、温和な条件で加水分解を行うことができ、環境汚染も少ないが、コストがかかるため、工業化には不向きである。
そこで、後処理を必要としない方法としては、炭酸ガスを添加する方法や、熱水処理する方法が挙げられる。前記熱水処理の方法としては、例えば、コーヒー抽出残渣材料を160〜260℃で熱水処理する方法が挙げられる。しかしながら、この方法では、得られるマンナンオリゴ糖の収率が14%と低い。
本実施形態のオリゴ糖の製造方法を詳細に説明する。
加水分解剤の濃度を下限値以上とすることにより、一層速やかにグルコマンナンを加水分解できる。一方、加水分解剤の濃度を上限値以下とすることにより、オリゴ糖の生成が一層容易となる。
加熱時の温度は、120℃以上であることが好ましく、130〜160℃であることがより好ましく、130〜140℃であることがさらに好ましい。
加熱時の温度を上限値以下とすることで、グルコマンナンの過分解を一層抑制できる。
例えば、上記のように加熱する場合、反応時間は0.2〜10時間であることが好ましく、10分〜2時間であることがより好ましい。
加水分解物は、目的物であるマンナンオリゴ糖以外にその他の分解物や、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)などを含んでいる。そこで、加水分解物は、抽出、濃縮、活性炭処理、脱塩処理、ゲル濾過、カラムクロマトグラフィーなどの公知の精製操作を一種以上行い、さらに、濃縮や凍結乾燥などを行うことにより、マンナンオリゴ糖を取り出すことが好ましい。
また、グルコマンナンを高い効率で加水分解する加水分解剤として、塩化鉄(III)または硫酸鉄(III)を用いることによって、一層高収率でマンナンオリゴ糖が得られる。そして、反応時間、反応温度、加水分解剤の水溶液の量などを調節することにより、マンナンオリゴ糖の収率を一層向上させることができる。
本発明に使用する原料はすべて安全面および入手性に優れており、反応条件が穏やかで、特殊な製造条件が不要であるなど、工程が簡便で低コストでマンナンオリゴ糖を製造できる。
このように本実施形態は、汎用性が高く、工業レベルでの実用化が容易である。
なお、以下に示す「オリゴ糖収率(%)」は、全て単離収率である。
10gのアガロース(関東化学社製、粉末寒天)を、ハイパーグラスター(耐圧ガラス工業社製、TEM−V−1000N型)の容量が1Lの反応容器に入れ、次いで、濃度が1.0mMの塩化鉄(III)水溶液700mLを前記反応容器に加えて密閉した。
次いで、ハイパーグラスターの設定内部温度(反応温度)を100℃とし、当該温度まで昇温安定化してから1時間(反応時間)、アガロースの加水分解反応を行った。
反応後、加水分解物を遠心分離により可溶分と不溶分に分け、可溶分についてはイオン交換樹脂を用いて脱塩処理を行った。
このとき、加水分解物の可溶分については、電気伝導度が5.00[μs/cm]〜3.00[μs/cm]に下がるまで脱塩処理を行い、脱塩後は、糖の全量が溶出するまで洗浄を行った。
可溶分を一定程度まで濃縮した後、凍結乾燥して、可溶分(アガロオリゴ糖)を4.9g(収率49%)得た。
(HPLC分析条件)
カラム:Shodex SB−G + SB−802HQ + SB−802.5HQ
流速:0.70mL/分
温度:70℃
移動相:0.1M NaNO3水溶液
反応温度を110℃に設定したこと以外は実験例1と同様にして、アガロースの加水分解、並びに、アガロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、アガロオリゴ糖を6.7g(収率67%)得た。
また、得られたアガロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図1および図2に示す。
反応温度を120℃に設定したこと以外は実験例1と同様にして、アガロースの加水分解、並びに、アガロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、アガロオリゴ糖を6.9g(収率69%)得た。
また、得られたアガロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図1に示す。
反応温度を130℃に設定したこと以外は実験例1と同様にして、アガロースの加水分解、並びに、アガロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、アガロオリゴ糖を7.5g(収率75%)得た。
また、得られたアガロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図1に示す。
反応温度を110℃、反応時間を2時間に設定したこと以外は実験例1と同様にして、アガロースの加水分解、並びに、アガロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、アガロオリゴ糖を7.3g(収率73%)得た。
また、得られたアガロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図2に示す。
反応温度を110℃、反応時間を3時間に設定したこと以外は実験例1と同様にして、アガロースの加水分解、並びに、アガロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、アガロオリゴ糖を6.8g(収率68%)得た。
また、得られたアガロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図2に示す。
以上の結果から、反応温度を120〜130℃に設定し、反応時間を1時間とすることによって、所望の高純度なアガロオリゴ糖が得られることが確認できた。また、反応温度を110℃に設定した場合は、反応時間を2〜3時間に設定することによって、所望の高純度なアガロオリゴ糖が得られることが確認できた。
5.0gのキシラン(シグマ社製、ブナ由来)を、ハイパーグラスター(耐圧ガラス工業社製、TEM−V−1000N型)の容量が1Lの反応容器に入れ、次いで、濃度が1.0mMの硫酸鉄(III)水溶液300mLを前記反応容器に加えて密閉した。
次いで、ハイパーグラスターの設定内部温度(反応温度)を140℃とし、当該温度まで昇温安定化してから2時間(反応時間)、キシランの加水分解反応を行った。
反応後、加水分解物を遠心分離により可溶分と不溶分に分け、可溶分についてはイオン交換樹脂を用いて脱塩処理を行った。
このとき、加水分解物の可溶分については、電気伝導度が5.00[μs/cm]〜3.00[μs/cm]に下がるまで脱塩処理を行い、脱塩後は、糖の全量が溶出するまで洗浄を行った。
可溶分を一定程度まで濃縮した後、凍結乾燥して、可溶分(キシロオリゴ糖)を3.1g(収率62%)得た。
加水分解剤の水溶液として、濃度が1.0mMの塩化鉄(III)水溶液を用いたこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を3.4g(収率68%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図3に示す。
反応温度を160℃に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を2.95g(収率59%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図3に示す。
加水分解剤の水溶液として、濃度が1.0mMの塩化鉄(III)水溶液を用い、反応温度を160℃に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を3.15g(収率63%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図3に示す。
反応時間を3時間に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を3.4g(収率68%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図4に示す。
加水分解剤の水溶液として、濃度が1.0mMの塩化鉄(III)水溶液を用い、反応時間を3時間に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を3.6g(収率72%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図4に示す。
反応温度を160℃、反応時間を3時間に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を3.2g(収率64%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図4に示す。
反応時間を4時間に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を3.3g(収率66%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図5に示す。
加水分解剤の水溶液として、濃度が1.0mMの塩化鉄(III)水溶液を用い、反応時間を4時間に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を3.65g(収率73%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図5に示す。
反応温度を160℃、反応時間を4時間に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を2.75g(収率55%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図5に示す。
加水分解剤の水溶液として、濃度が1.0mMの塩化鉄(III)水溶液を用い、反応温度を160℃、反応時間を4時間に設定したこと以外は実験例7と同様にして、キシランの加水分解、並びに、キシロオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、キシロオリゴ糖を2.9g(収率58%)得た。
また、得られたキシロオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図5に示す。
一方、加水分解剤として硫酸鉄(III)を使用し、反応温度を160℃、反応時間を3〜4時間とした場合(実験例13、16)、および、加水分解剤として塩化鉄(III)を使用し、反応温度を160℃、反応時間を2〜4時間とした場合(実験例10、17)、加水分解がより進行し、オリゴ糖のピークが少し確認されたものの、大部分が単糖にまで加水分解されていた。
また、同じ反応温度、反応時間では、加水分解剤として硫酸鉄(III)に比べ、塩化鉄(III)を用いた方がより加水分解反応が進行していた。
以上の結果から、反応温度を140℃に設定し、反応時間を2〜4時間とすることによって、所望の高純度なキシロオリゴ糖が得られることが確認できた。
また、反応温度を160℃に設定し、加水分解剤として硫酸鉄(III)を用いて反応時間を2時間とすることによっても、所望の高純度なキシロオリゴ糖が得られることが確認できた。
また、塩化鉄(III)水溶液を用いた場合、硫酸鉄(III)水溶液を用いた場合よりも短い反応時間で、所望の高純度なキシロオリゴ糖が得られることが確認できた。
5.0gのグルコマンナン(清水化学社製、プロポールA)を、ハイパーグラスター(耐圧ガラス工業社製、TEM−U−1000N型)の容量が1Lの反応容器に入れ、次いで、濃度が1.0mMの塩化鉄(III)水溶液300mLを前記反応容器に加えて密閉した。
次いで、ハイパーグラスターの設定内部温度(反応温度)を130℃とし、当該温度まで昇温安定化してから1時間(反応時間)、グルコマンナンの加水分解反応を行った。
反応後、加水分解物を遠心分離により可溶分と不溶分に分け、可溶分についてはイオン交換樹脂を用いて脱塩処理を行った。
このとき、加水分解物の可溶分については、電気伝導度が5.00[μs/cm]〜3.00[μs/cm]に下がるまで脱塩処理を行い、脱塩後は、糖の全量が溶出するまで洗浄を行った。
可溶分を一定程度まで濃縮した後、凍結乾燥して、可溶分(マンナンオリゴ糖)を1.1g(収率73%)得た。
反応時間を1.5時間としたこと以外は実験例18と同様にして、グルコマンナンの加水分解、並びに、マンナンオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、マンナンオリゴ糖を1.03g(収率69%)得た。
また、得られたマンナンオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図6および図7に示す。
反応温度を140℃に設定したこと以外は実験例18と同様にして、グルコマンナンの加水分解、並びに、マンナンオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、マンナンオリゴ糖を0.92g(収率62%)得た。
得られたマンナンオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図6および図7に示す。
反応温度を140℃、反応時間を2時間に設定したこと以外は実験例18と同様にして、グルコマンナンの加水分解、並びに、マンナンオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、マンナンオリゴ糖を0.88g(収率58%)得た。
また、得られたマンナンオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図6および図8に示す。
反応温度を140℃、反応時間を10分に設定したこと以外は実験例18と同様にして、グルコマンナンの加水分解、並びに、マンナンオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、マンナンオリゴ糖を1.1g(収率75%)得た。
また、得られたマンナンオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図7に示す。
反応温度を140℃、反応時間を30分に設定したこと以外は実験例18と同様にして、グルコマンナンの加水分解、並びに、マンナンオリゴ糖の分離および精製を行った。
その結果、マンナンオリゴ糖を1.1g(収率74%)得た。
また、得られたマンナンオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図7に示す。
反応温度を120℃、反応時間を2時間に設定したこと以外は実験例18と同様にして、グルコマンナンの加水分解、並びに、マンナンオリゴ糖の分離および精製を行った。
得られたマンナンオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図7に示す。
反応温度を130℃、反応時間を2時間に設定したこと以外は実験例18と同様にして、グルコマンナンの加水分解、並びに、マンナンオリゴ糖の分離および精製を行った。
得られたマンナンオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図8に示す。
反応温度を160℃、反応時間を2時間に設定したこと以外は実験例18と同様にして、グルコマンナンの加水分解、並びに、マンナンオリゴ糖の分離および精製を行った。
得られたマンナンオリゴ糖の分析結果(HPLCチャート)を図8に示す。
図7より、反応温度を140℃、反応時間を10分とした場合(実験例22)、オリゴ糖のピークが僅かに確認された。一方、反応温度を140℃、反応時間を30分とした場合(実験例23)、加水分解反応が進行し、オリゴ糖のピークが明確に確認された。
図8より、反応温度を120℃、反応時間を2時間とした場合(実験例24)、オリゴ糖のピークが僅かに確認された。一方、反応温度を130℃、反応時間を2時間とした場合(実験例25)、加水分解反応が進行し、オリゴ糖のピークが明確に確認された。また、反応温度を160℃、反応時間を2時間とした場合(実験例26)、加水分解がより進行し、オリゴ糖のピークが少し確認されたものの、大部分が単糖にまで加水分解されていた。
以上の結果から、反応温度を140℃に設定し、反応時間を30分〜2時間に設定することによって、所望の高純度なマンナンオリゴ糖が得られることが確認できた。また、反応温度を130℃に設定し、反応時間を1〜2時間に設定することによっても、所望の高純度なマンナンオリゴ糖が得られることが確認できた。
Claims (3)
- アガロース、キシランおよびグルコマンナンから選ばれる少なくとも一種の中性多糖類を加水分解してオリゴ糖を製造するオリゴ糖の製造方法であって、
中性多糖類に加水分解剤の水溶液を供給する工程と、前記中性多糖類を加水分解する工程と、前記中性多糖類の加水分解物からオリゴ糖を回収する工程と、を有することを特徴とするオリゴ糖の製造方法。 - 前記加水分解剤は、塩化鉄(III)または硫酸鉄(III)であることを特徴とする請求項1に記載のオリゴ糖の製造方法。
- 前記中性多糖類を加水分解する工程において、90〜160℃で加熱しながら前記中性多糖類を加水分解することを特徴とする請求項1または2に記載のオリゴ糖の製造方法。
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JP2011204617A JP5946032B2 (ja) | 2011-09-20 | 2011-09-20 | オリゴ糖の製造方法 |
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