JPH10295372A - β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途 - Google Patents
β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途Info
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- JPH10295372A JPH10295372A JP9122809A JP12280997A JPH10295372A JP H10295372 A JPH10295372 A JP H10295372A JP 9122809 A JP9122809 A JP 9122809A JP 12280997 A JP12280997 A JP 12280997A JP H10295372 A JPH10295372 A JP H10295372A
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- xylan
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 β−1,3−キシランに対する分解活性を有
する新規なβ−1,3−キシラナーゼを得る。 【解決手段】 β−1,3−キシランを分解し、主にキ
シロビオース(2糖類)、キシロトリオース(3糖
類)、キシロテトラオース(4糖類)、キシロペンタオ
ース(5糖類)ならびにキシロヘキサオース(6糖類)
まで低分子化する反応を触媒するβ−1,3−キシラナ
ーゼ。このβ−1,3−キシラナーゼはアルカリゲネス
属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)から産生され
る。
する新規なβ−1,3−キシラナーゼを得る。 【解決手段】 β−1,3−キシランを分解し、主にキ
シロビオース(2糖類)、キシロトリオース(3糖
類)、キシロテトラオース(4糖類)、キシロペンタオ
ース(5糖類)ならびにキシロヘキサオース(6糖類)
まで低分子化する反応を触媒するβ−1,3−キシラナ
ーゼ。このβ−1,3−キシラナーゼはアルカリゲネス
属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)から産生され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−1,3−キシ
ラナーゼ活性を有する新規酵素、この酵素を産生する新
規微生物、この酵素の製造方法、及びこの酵素を用いた
オリゴ糖、プロトプラストの製造方法に関するものであ
る。
ラナーゼ活性を有する新規酵素、この酵素を産生する新
規微生物、この酵素の製造方法、及びこの酵素を用いた
オリゴ糖、プロトプラストの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】キシランには、イネ科植物やトウモロコ
シ穂軸のヘミセルロースの主要部分を占めるβ−1,4
−キシランと、紅藻や緑藻の細胞壁に含まれるβ−1,
3−キシランとがある。β−1,4−キシランについて
は、β−1,4−キシラナーゼ(エンド−1,4−β−
キシラナーゼ)が、パルプの漂白に用いる塩素の消費量
を減らすパルプ漂白用酵素として実用化が始まってい
る。
シ穂軸のヘミセルロースの主要部分を占めるβ−1,4
−キシランと、紅藻や緑藻の細胞壁に含まれるβ−1,
3−キシランとがある。β−1,4−キシランについて
は、β−1,4−キシラナーゼ(エンド−1,4−β−
キシラナーゼ)が、パルプの漂白に用いる塩素の消費量
を減らすパルプ漂白用酵素として実用化が始まってい
る。
【0003】また、食品分野では広葉樹キシランからの
β−1,4−キシロオリゴ糖の生産が行われている。こ
のβ−1,4−キシロオリゴ糖は、甘さは砂糖の30%
ほどで、不凍効果、ビフィズス菌増殖活性、保水性向
上、食品の腐敗防止等の機能がある食品素材として利用
されている。
β−1,4−キシロオリゴ糖の生産が行われている。こ
のβ−1,4−キシロオリゴ糖は、甘さは砂糖の30%
ほどで、不凍効果、ビフィズス菌増殖活性、保水性向
上、食品の腐敗防止等の機能がある食品素材として利用
されている。
【0004】一方、ある種の紅藻や緑藻の細胞壁に含ま
れる海藻特有の多糖類であるβ−1,3−キシランやそ
の分解物であるβ−1,3−キシロオリゴ糖について
は、セルロースやデンプンなどの多糖や前述のβ−1,
4−キシラン及びその分解物であるβ−1,4−キシロ
オリゴ糖と比べて、非常に研究が立ち後れており、今だ
市販されておらず、海藻細胞壁の構造研究ならびにβ−
1,3−キシラナーゼの酵素学的研究に大きな支障をき
たしている。
れる海藻特有の多糖類であるβ−1,3−キシランやそ
の分解物であるβ−1,3−キシロオリゴ糖について
は、セルロースやデンプンなどの多糖や前述のβ−1,
4−キシラン及びその分解物であるβ−1,4−キシロ
オリゴ糖と比べて、非常に研究が立ち後れており、今だ
市販されておらず、海藻細胞壁の構造研究ならびにβ−
1,3−キシラナーゼの酵素学的研究に大きな支障をき
たしている。
【0005】図1はβ−1,3−キシランの化学構造を
示す説明図である。図に示す通り、β−1,3−キシラ
ンは、不溶性の中性多糖類であり、D-キシロースがβ−
1,3−結合( 即ち、3−0−β−D-xylopyranosyl-D-
xylose) で、直線状に繋がって形成されている。
示す説明図である。図に示す通り、β−1,3−キシラ
ンは、不溶性の中性多糖類であり、D-キシロースがβ−
1,3−結合( 即ち、3−0−β−D-xylopyranosyl-D-
xylose) で、直線状に繋がって形成されている。
【0006】近年、海洋生物資源としての海藻類の有効
利用の観点から、また、新規素材物質としてのβ−1,
3−キシロオリゴ糖の製造方法の観点から、強力な分解
力を有するβ−1,3−キシラン分解酵素やβ−1,3
−キシラナーゼ産生能を有する新規な微生物の探索が行
われているが、本酵素についての知見は非常に乏しいの
が現状である。
利用の観点から、また、新規素材物質としてのβ−1,
3−キシロオリゴ糖の製造方法の観点から、強力な分解
力を有するβ−1,3−キシラン分解酵素やβ−1,3
−キシラナーゼ産生能を有する新規な微生物の探索が行
われているが、本酵素についての知見は非常に乏しいの
が現状である。
【0007】以上のように、海藻特有の多糖類であるβ
−1,3−キシランやその分解物であるβ−1,3−キ
シロオリゴ糖の有効な調製法の確立が望まれている。
−1,3−キシランやその分解物であるβ−1,3−キ
シロオリゴ糖の有効な調製法の確立が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み、鋭意研究の結果、海底泥中より分離した海洋
性細菌が海藻多糖の成分であるβ−1,3−キシランを
効率よく分解し、β−1,3−キシランから大量のキシ
ロオリゴ糖を調製する上で優れた酵素を生産する細菌で
あることを見出し、更に、本細菌からβ−1,3−キシ
ラナーゼを単離精製することにより、本発明を完成する
にいたった。
情に鑑み、鋭意研究の結果、海底泥中より分離した海洋
性細菌が海藻多糖の成分であるβ−1,3−キシランを
効率よく分解し、β−1,3−キシランから大量のキシ
ロオリゴ糖を調製する上で優れた酵素を生産する細菌で
あることを見出し、更に、本細菌からβ−1,3−キシ
ラナーゼを単離精製することにより、本発明を完成する
にいたった。
【0009】即ち、本発明は、β−1,3−キシランに
対する分解活性を有する新規なβ−1,3−キシラナー
ゼを得ることを目的とする。また、このβ−1,3−キ
シラナーゼを産生する新規な微生物を得ることを別の目
的とする。更に、このβ−1,3−キシラナーゼを産生
する微生物を用いたβ−1,3−キシラナーゼの製造方
法を得ることを別の目的とする。また、このβ−1,3
−キシラナーゼを用いる用途として、キシロオリゴ糖の
製造方法及び海藻細胞のプロトプラストの製造方法を得
ることを目的とする。
対する分解活性を有する新規なβ−1,3−キシラナー
ゼを得ることを目的とする。また、このβ−1,3−キ
シラナーゼを産生する新規な微生物を得ることを別の目
的とする。更に、このβ−1,3−キシラナーゼを産生
する微生物を用いたβ−1,3−キシラナーゼの製造方
法を得ることを別の目的とする。また、このβ−1,3
−キシラナーゼを用いる用途として、キシロオリゴ糖の
製造方法及び海藻細胞のプロトプラストの製造方法を得
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本請求項1に記載された
発明に係るβ−1,3−キシラナーゼは、β−1,3−
キシランを分解し、主にキシロビオース(2糖類)、キ
シロトリオース(3糖類)、キシロテトラオース(4糖
類)、キシロペンタオース(5糖類)ならびにキシロヘ
キサオース(6糖類)まで低分子化する反応を触媒する
酵素である。具体的な理化学的性質は後に詳述する。
発明に係るβ−1,3−キシラナーゼは、β−1,3−
キシランを分解し、主にキシロビオース(2糖類)、キ
シロトリオース(3糖類)、キシロテトラオース(4糖
類)、キシロペンタオース(5糖類)ならびにキシロヘ
キサオース(6糖類)まで低分子化する反応を触媒する
酵素である。具体的な理化学的性質は後に詳述する。
【0011】また、本請求項2に記載された発明に係る
β−1,3−キシラナーゼ産生微生物は、請求項1に記
載されたβ−1,3−キシラナーゼを産生する新規な海
洋性細菌としてアルカリゲネス属菌株XY-234(Alcalige
nes sp. XY-234)を開示するものである。
β−1,3−キシラナーゼ産生微生物は、請求項1に記
載されたβ−1,3−キシラナーゼを産生する新規な海
洋性細菌としてアルカリゲネス属菌株XY-234(Alcalige
nes sp. XY-234)を開示するものである。
【0012】更に、本請求項3に記載された発明に係る
β−1,3−キシラナーゼの製造方法は、請求項1に記
載されたβ−1,3−キシラナーゼを製造する方法であ
って、β−1,3−キシラナーゼを産生する微生物をβ
−1,3−キシランを炭素源として培養し、その培養上
清液から分離して精製するものである。
β−1,3−キシラナーゼの製造方法は、請求項1に記
載されたβ−1,3−キシラナーゼを製造する方法であ
って、β−1,3−キシラナーゼを産生する微生物をβ
−1,3−キシランを炭素源として培養し、その培養上
清液から分離して精製するものである。
【0013】また、本請求項4に記載された発明に係る
キシロオリゴ糖の製造方法は、請求項1に記載されたβ
−1,3−キシラナーゼで、β−1,3−キシランを基
質として作用させるものである。
キシロオリゴ糖の製造方法は、請求項1に記載されたβ
−1,3−キシラナーゼで、β−1,3−キシランを基
質として作用させるものである。
【0014】更に、本請求項5に記載された発明に係る
海藻細胞のプロトプラストの製造方法では、請求項1に
記載されたβ−1,3−キシラナーゼを海藻に作用させ
るものである。
海藻細胞のプロトプラストの製造方法では、請求項1に
記載されたβ−1,3−キシラナーゼを海藻に作用させ
るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明におけるβ−1,3−キシ
ラナーゼは、主にキシロビオース(2糖類)、キシロト
リオース(3糖類)、キシロテトラオース(4糖類)、
キシロペンタオース(5糖類)ならびにキシロヘキサオ
ース(6糖類)にまで低分子化する反応を触媒する特徴
を有する酵素であって、下記理化学的性質を有する。
ラナーゼは、主にキシロビオース(2糖類)、キシロト
リオース(3糖類)、キシロテトラオース(4糖類)、
キシロペンタオース(5糖類)ならびにキシロヘキサオ
ース(6糖類)にまで低分子化する反応を触媒する特徴
を有する酵素であって、下記理化学的性質を有する。
【0016】(a)分子量 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)による
測定の結果は、 分子量59,000である。 (b) 等電点 等電点電気泳動の結果は、4.0 である。 (c) 溶解性 水溶性である。 (d) 作用 D-キシロースがβ−1,3−結合したβ−1,3−キシ
ランにのみ特異的に作用する。キシロビオース,パラニ
トロフェニルβ−キシロピラノシド,β−1,4−キシ
ラン,β−1,4−グルカン,β−1,3−グルカン,
β−1,4−マンナン,寒天,並びにポルフィランには
作用しない。 (e) 至適温度 40℃ (f)至適pH pH7.5 (g) pH安定性 pH 6.0〜11.0 (h) 熱安定性 40℃まで安定
測定の結果は、 分子量59,000である。 (b) 等電点 等電点電気泳動の結果は、4.0 である。 (c) 溶解性 水溶性である。 (d) 作用 D-キシロースがβ−1,3−結合したβ−1,3−キシ
ランにのみ特異的に作用する。キシロビオース,パラニ
トロフェニルβ−キシロピラノシド,β−1,4−キシ
ラン,β−1,4−グルカン,β−1,3−グルカン,
β−1,4−マンナン,寒天,並びにポルフィランには
作用しない。 (e) 至適温度 40℃ (f)至適pH pH7.5 (g) pH安定性 pH 6.0〜11.0 (h) 熱安定性 40℃まで安定
【0017】本発明のβ−1,3−キシラナーゼは微生
物を用いて生産される。このβ−1,3−キシラナーゼ
は、この酵素を生産する微生物を培養して、微生物の内
部又は培養上清から分離することができる。この酵素を
生産する微生物としては、例えば、本発明では新たに海
底泥中から分離されたアルカリゲネス属菌株XY-234(Al
caligenes sp. XY-234)を用いることができる。このア
ルカリゲネス属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)
は生工研菌寄第16184号(平成9年4月7日寄託)
として既に寄託されている。
物を用いて生産される。このβ−1,3−キシラナーゼ
は、この酵素を生産する微生物を培養して、微生物の内
部又は培養上清から分離することができる。この酵素を
生産する微生物としては、例えば、本発明では新たに海
底泥中から分離されたアルカリゲネス属菌株XY-234(Al
caligenes sp. XY-234)を用いることができる。このア
ルカリゲネス属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)
は生工研菌寄第16184号(平成9年4月7日寄託)
として既に寄託されている。
【0018】尚、本発明のβ−1,3−キシラナーゼを
製造する方法及びその用途に用いる微生物としては、前
記アルカリゲネス属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-2
34)とその変種、変異株に限定されるものではなく、前
記β−1,3−キシラナーゼ生産能を有するものであれ
ば良い。
製造する方法及びその用途に用いる微生物としては、前
記アルカリゲネス属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-2
34)とその変種、変異株に限定されるものではなく、前
記β−1,3−キシラナーゼ生産能を有するものであれ
ば良い。
【0019】具体的なβ−1,3−キシラナーゼの製造
方法としては、このβ−1,3−キシラナーゼを産生す
る微生物をβ−1,3−キシランを炭素源として培養
し、その培養上清液から分離して精製するものである。
この培地は、炭素源としてβ−1,3−キシランを含む
他に、窒素源、無機化合物等栄養素を適当量含有するも
のであれば、天然培地、合成培地の何れも使用する事が
できる。
方法としては、このβ−1,3−キシラナーゼを産生す
る微生物をβ−1,3−キシランを炭素源として培養
し、その培養上清液から分離して精製するものである。
この培地は、炭素源としてβ−1,3−キシランを含む
他に、窒素源、無機化合物等栄養素を適当量含有するも
のであれば、天然培地、合成培地の何れも使用する事が
できる。
【0020】具体的なβ−1,3−キシランを含む炭素
源としては、緑藻イワヅタ属や紅藻アマノリ属から分離
したβ−1,3−キシランを用いることもできる。
源としては、緑藻イワヅタ属や紅藻アマノリ属から分離
したβ−1,3−キシランを用いることもできる。
【0021】また、窒素源としては、通常の培地の組成
で用いるものが使用できる。例えば、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、乾燥酵母、カザミノ酸、各種アミノ
酸、尿素等の動植物等の加水分解物や各種無機アンモニ
ウム塩、硝酸塩等の有機又は無機窒素源を、1種又は2
種以上を用いることができる。
で用いるものが使用できる。例えば、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、乾燥酵母、カザミノ酸、各種アミノ
酸、尿素等の動植物等の加水分解物や各種無機アンモニ
ウム塩、硝酸塩等の有機又は無機窒素源を、1種又は2
種以上を用いることができる。
【0022】更に、無機化合物としては、培養される微
生物の必須無機塩として、ナトリウム,マグネシウム,
カルシウム,鉄,マンガン等のリン酸,塩酸塩,硫酸
塩,炭酸塩,酢酸塩等を1種以上用いることができる。
生物の必須無機塩として、ナトリウム,マグネシウム,
カルシウム,鉄,マンガン等のリン酸,塩酸塩,硫酸
塩,炭酸塩,酢酸塩等を1種以上用いることができる。
【0023】培養は、目的のβ−1,3−キシラナーゼ
を産生する微生物の培養に応じた培養方法及び条件が選
択される。例えば、好気性微生物であれば、振盪培養,
通気攪拌培養等により大量に培養することができ、良好
である。
を産生する微生物の培養に応じた培養方法及び条件が選
択される。例えば、好気性微生物であれば、振盪培養,
通気攪拌培養等により大量に培養することができ、良好
である。
【0024】微生物の培養によって産生されたβ−1,
3−キシラナーゼは、通常の方法によって、分離・ 精製
される。例えば、菌体中に酵素を保有する場合には、菌
体を通常用いられている手段によって破砕してβ−1,
3−キシラナーゼを抽出して精製される。また、培養液
中に産生されたβ−1,3−キシラナーゼは、微生物を
濾過・ 遠心分離等の方法で除去して精製される。
3−キシラナーゼは、通常の方法によって、分離・ 精製
される。例えば、菌体中に酵素を保有する場合には、菌
体を通常用いられている手段によって破砕してβ−1,
3−キシラナーゼを抽出して精製される。また、培養液
中に産生されたβ−1,3−キシラナーゼは、微生物を
濾過・ 遠心分離等の方法で除去して精製される。
【0025】精製方法としては、通常用いられる精製方
法を利用することができる。例えば、塩析,溶媒沈殿に
より、β−1,3−キシラナーゼを沈殿させて溶媒中か
ら分離して、精製することができる。また、沈殿させた
ものを更にイオン交換クロマトグラフィ,ゲルクロマト
グラフィ,等電点電気泳動等により、更に精製すること
もできる。
法を利用することができる。例えば、塩析,溶媒沈殿に
より、β−1,3−キシラナーゼを沈殿させて溶媒中か
ら分離して、精製することができる。また、沈殿させた
ものを更にイオン交換クロマトグラフィ,ゲルクロマト
グラフィ,等電点電気泳動等により、更に精製すること
もできる。
【0026】得られたβ−1,3−キシラナーゼの用途
としては、オリゴ糖の生産や研究試薬として利用するこ
とができる。例えば、β−1,3−キシランを基質とし
て作用させることにより、キシロオリゴ糖を製造するこ
とができる。このβ−1,3−キシランから得られるキ
シロオリゴ糖は、海藻細胞壁の構造研究やβ−1,3−
キシラナーゼの酵素学的性質を解明する上での研究用試
薬として利用できるのは前述の通りである。
としては、オリゴ糖の生産や研究試薬として利用するこ
とができる。例えば、β−1,3−キシランを基質とし
て作用させることにより、キシロオリゴ糖を製造するこ
とができる。このβ−1,3−キシランから得られるキ
シロオリゴ糖は、海藻細胞壁の構造研究やβ−1,3−
キシラナーゼの酵素学的性質を解明する上での研究用試
薬として利用できるのは前述の通りである。
【0027】また、得られたβ−1,3−キシラナーゼ
の研究試薬の用途としては、例えば、アマノリ等の海藻
にβ−1,3−キシラナーゼを作用させることにより、
容易にプロトプラストを単離することができる。
の研究試薬の用途としては、例えば、アマノリ等の海藻
にβ−1,3−キシラナーゼを作用させることにより、
容易にプロトプラストを単離することができる。
【0028】
1.海底泥中よりのアルカリゲネス(Alcaligenes) 菌の
採取 海底泥中に生息する微生物からβ−1,3−キシラナー
ゼ活性の高い微生物を分離選択した。具体的には、海底
泥に生息する海洋性微生物を単離し、個々の微生物をβ
−1,3−キシランを炭素源とする培地中で培養し、β
−1,3−キシラナーゼ活性を測定したところ、β−
1,3−キシラナーゼ活性の最も高い微生物(Strain n
o.XY-234)を得た。
採取 海底泥中に生息する微生物からβ−1,3−キシラナー
ゼ活性の高い微生物を分離選択した。具体的には、海底
泥に生息する海洋性微生物を単離し、個々の微生物をβ
−1,3−キシランを炭素源とする培地中で培養し、β
−1,3−キシラナーゼ活性を測定したところ、β−
1,3−キシラナーゼ活性の最も高い微生物(Strain n
o.XY-234)を得た。
【0029】尚、本実施例におけるβ−1,3−キシラ
ナーゼ活性の測定は次のように行われた。1%のβ−
1,3−キシランを含む100mM MES緩衝液(pH 7.
5)の0.5mlに酵素液0.5mlを加え、38℃で10mim
反応させ、生じた還元糖の増加をソモジ・ ネルソン(S
omogyi-Nelson)法で測定した。酵素活性の1unitは上
記反応条件で、1分間に1μmol のD-キシロースに相当
する還元力を生ずる酵素量と定義した。
ナーゼ活性の測定は次のように行われた。1%のβ−
1,3−キシランを含む100mM MES緩衝液(pH 7.
5)の0.5mlに酵素液0.5mlを加え、38℃で10mim
反応させ、生じた還元糖の増加をソモジ・ ネルソン(S
omogyi-Nelson)法で測定した。酵素活性の1unitは上
記反応条件で、1分間に1μmol のD-キシロースに相当
する還元力を生ずる酵素量と定義した。
【0030】2.菌学的性質 このβ−1,3−キシラナーゼ活性の最も高い微生物
は、Bergeys' Manual Systematic Bacteriology の記載
に準拠して同定を行ったところ、次に示す結果からアル
カリゲネス(Alcaligenes) に属していることが判明し
た。この微生物の形態は、 次の表1に示すものである。
また、表2に生理学的試験結果を示す。この表1及び表
2の結果より、本微生物は海洋性細菌アルカリゲネス(A
lcaligenes)sp.であることが確認された。尚、本細菌
をアルカリゲネス(Alcaligenes) sp.XY-234と命名し
た。
は、Bergeys' Manual Systematic Bacteriology の記載
に準拠して同定を行ったところ、次に示す結果からアル
カリゲネス(Alcaligenes) に属していることが判明し
た。この微生物の形態は、 次の表1に示すものである。
また、表2に生理学的試験結果を示す。この表1及び表
2の結果より、本微生物は海洋性細菌アルカリゲネス(A
lcaligenes)sp.であることが確認された。尚、本細菌
をアルカリゲネス(Alcaligenes) sp.XY-234と命名し
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】即ち、グラム陰性で側毛を有し、OFテス
トでは発酵性がなく、カタラーゼならびにオキシダーゼ
テスト陽性、グルコース培地から酸、ならびにガス非産
生で、GC含量61.5%であった。
トでは発酵性がなく、カタラーゼならびにオキシダーゼ
テスト陽性、グルコース培地から酸、ならびにガス非産
生で、GC含量61.5%であった。
【0034】アルカリゲネス(Alcaligenes) sp. XY-234
の酵素生成と炭素源としての糖やアミノ酸の利用性等を
調べた。結果を次の表3と表4に示す。
の酵素生成と炭素源としての糖やアミノ酸の利用性等を
調べた。結果を次の表3と表4に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】3.培養 本細菌(Alcaligenes sp.XY-234) は、酵素産生のための
誘導物質として、β−1,3−キシランを必要とし、そ
の濃度を0.3%とし、その他、0.3%ポリペプトン、0.
1%酵母エキス、3%塩化ナトリウム、0.5%硫酸マグネシウ
ム、0.2%リン酸水素二カリウム、0.04%リン酸水素一カ
リウムの組成からなる培地を用いて、25℃、4日間、
振盪培養した場合、1,000ml の培地から65units のβ−
1,3−キシラナーゼを得ることができた。
誘導物質として、β−1,3−キシランを必要とし、そ
の濃度を0.3%とし、その他、0.3%ポリペプトン、0.
1%酵母エキス、3%塩化ナトリウム、0.5%硫酸マグネシウ
ム、0.2%リン酸水素二カリウム、0.04%リン酸水素一カ
リウムの組成からなる培地を用いて、25℃、4日間、
振盪培養した場合、1,000ml の培地から65units のβ−
1,3−キシラナーゼを得ることができた。
【0038】4.β−1,3−キシラナーゼの精製 産生されたβ−1,3−キシラナーゼを精製した。即
ち、本細菌を上記の条件で大量培養し、遠心分離して得
られた培養上清液に75%飽和になるように固形硫酸ア
ンモニウムを加えた。4℃で1日放置後、遠心分離し、
生じた沈殿を少量の 50mM MES緩衝液pH 7.5に溶解
し、同緩衝液で透析後、透析内液を塩析酵素液として用
いた。
ち、本細菌を上記の条件で大量培養し、遠心分離して得
られた培養上清液に75%飽和になるように固形硫酸ア
ンモニウムを加えた。4℃で1日放置後、遠心分離し、
生じた沈殿を少量の 50mM MES緩衝液pH 7.5に溶解
し、同緩衝液で透析後、透析内液を塩析酵素液として用
いた。
【0039】塩析酵素液を陰イオン交換クロマトグラフ
ィー(Q-Sepharose FF), ゲル濾過クロマトグラフィー(T
oyopearl HW-55) ,疎水クロマトグラフィー(Ether-Toy
opearl 650s),陰イオン交換クロマトグラフィー(Mono
Q HR 5/5) で分画したところ、ポリアクリルアミドディ
スク電気泳動とSDS−ポリアクリルアミド電気泳動と
で均一に精製されていることが判明した。
ィー(Q-Sepharose FF), ゲル濾過クロマトグラフィー(T
oyopearl HW-55) ,疎水クロマトグラフィー(Ether-Toy
opearl 650s),陰イオン交換クロマトグラフィー(Mono
Q HR 5/5) で分画したところ、ポリアクリルアミドディ
スク電気泳動とSDS−ポリアクリルアミド電気泳動と
で均一に精製されていることが判明した。
【0040】5.β−1,3−キシラナーゼの酵素学的
性質 得られたβ−1,3−キシラナーゼの分子量、等電点、
溶解性、至適pH、pH安定性、至適温度を測定した。
結果を次の表5に示す。
性質 得られたβ−1,3−キシラナーゼの分子量、等電点、
溶解性、至適pH、pH安定性、至適温度を測定した。
結果を次の表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】また、精製β−1,3−キシラナーゼのβ
−1,3−キシラン、キシロビオース、キシロトリオー
ス、キシロテトラオース、キシロペンタオースに対する
作用様式を調べた。その結果を表6に示す。
−1,3−キシラン、キシロビオース、キシロトリオー
ス、キシロテトラオース、キシロペンタオースに対する
作用様式を調べた。その結果を表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】6.β−1,3−キシランからのキシロオ
リゴ糖の製造 β−1,3−キシランからオリゴ糖を調製する方法とし
て酸による加水分解がある。しかしながら、酸加水分解
法は100 ℃での加熱を要し、また、反応時間が長いと、
オリゴ糖が更に単糖に分解されてしまうため、効率よく
オリゴ糖を調製することが困難である。それに対して、
前記β−1,3−キシラナーゼを用いる方法では室温で
効率よくオリゴ糖を調製することが可能である。
リゴ糖の製造 β−1,3−キシランからオリゴ糖を調製する方法とし
て酸による加水分解がある。しかしながら、酸加水分解
法は100 ℃での加熱を要し、また、反応時間が長いと、
オリゴ糖が更に単糖に分解されてしまうため、効率よく
オリゴ糖を調製することが困難である。それに対して、
前記β−1,3−キシラナーゼを用いる方法では室温で
効率よくオリゴ糖を調製することが可能である。
【0045】すなわち、100ml 容三角フラスコに1%β−
1,3−キシランを含む20mM酢酸緩衝液を20ml注入し、
アルカリゲネス(Alcaligenes) sp. XY-234のβ−1,3
−キシラナーゼ溶液(0.65unit/ml) を1.5ml 加え、37
℃、24時間反応させた。反応フラスコを沸騰水浴中に15
分間浸漬して反応を停止し、冷却後遠心分離した。得ら
れた上澄液を蒸留水で平衡化した活性炭カラム(2×4
0cm)に通した。最初蒸留水で溶出し、次いで、9,1
4,29,50及び75%のエタノールで段階的にオリ
ゴ糖を溶出した。
1,3−キシランを含む20mM酢酸緩衝液を20ml注入し、
アルカリゲネス(Alcaligenes) sp. XY-234のβ−1,3
−キシラナーゼ溶液(0.65unit/ml) を1.5ml 加え、37
℃、24時間反応させた。反応フラスコを沸騰水浴中に15
分間浸漬して反応を停止し、冷却後遠心分離した。得ら
れた上澄液を蒸留水で平衡化した活性炭カラム(2×4
0cm)に通した。最初蒸留水で溶出し、次いで、9,1
4,29,50及び75%のエタノールで段階的にオリ
ゴ糖を溶出した。
【0046】7.アマノリからのプロトプラストの製造 7.1 アマノリからのプロトプラストの調製 わが国で広く食用に供されているアマノリの優良産業品
種の開発を行う上で、細胞融合や遺伝子操作によるバイ
オテクノロジーは優れた手法である。バイオテクノロジ
ーを行うためには酵素で細胞壁を溶解し、プロトプラス
トを作出する方法の開発が必要とされている。前記、β
−1,3−キシラナーゼと我々が別に開発したβ−マン
ナナーゼならびにβ−アガラーゼ(特開平8−2943
89号公報、及び、Arakiら,J.Gen.Appl.Microbiol.,3
8,343(1992)、Arakiら,Appliedand Environmental Mic
robiology,61,4454(1995)参照)を用いることにより、
アマノリから多量のプロトプラストを作出することが可
能である。
種の開発を行う上で、細胞融合や遺伝子操作によるバイ
オテクノロジーは優れた手法である。バイオテクノロジ
ーを行うためには酵素で細胞壁を溶解し、プロトプラス
トを作出する方法の開発が必要とされている。前記、β
−1,3−キシラナーゼと我々が別に開発したβ−マン
ナナーゼならびにβ−アガラーゼ(特開平8−2943
89号公報、及び、Arakiら,J.Gen.Appl.Microbiol.,3
8,343(1992)、Arakiら,Appliedand Environmental Mic
robiology,61,4454(1995)参照)を用いることにより、
アマノリから多量のプロトプラストを作出することが可
能である。
【0047】具体的にはアマノリ1gを5%パパインと、
0.5Mマンニトール含有 20mM MES緩衝液(pH 7.5)
30mlを入れた100ml 容ビーカーに加え、22℃、15分間振
盪した。葉状体を0.5Mマンニトール、2%NaClを含む20mM
MES緩衝液(pH7.5) で5回洗浄後、メスで数mm片に切断
した。次いで、20ml容三角フラスコに分注した8.0mlの
細胞壁溶解酵素液( β−1,4−マンナナーゼ、β−
1,3−キシラナーゼ、β−アガラーゼの各1.0unit )
に葉状体断片を投入し、22℃で振とうした。未分解の葉
状体断片を取り除くために40μm のナイロンネットで濾
別し、ネットを通過したプロトプラストを遠心分離(TOM
Y LC−121 、70×g 5 分間) して集め、次いで、0.5M、
および0.2Mのマンニトールを含む各ASP12(NTA )培地で
順次遠心洗浄した。
0.5Mマンニトール含有 20mM MES緩衝液(pH 7.5)
30mlを入れた100ml 容ビーカーに加え、22℃、15分間振
盪した。葉状体を0.5Mマンニトール、2%NaClを含む20mM
MES緩衝液(pH7.5) で5回洗浄後、メスで数mm片に切断
した。次いで、20ml容三角フラスコに分注した8.0mlの
細胞壁溶解酵素液( β−1,4−マンナナーゼ、β−
1,3−キシラナーゼ、β−アガラーゼの各1.0unit )
に葉状体断片を投入し、22℃で振とうした。未分解の葉
状体断片を取り除くために40μm のナイロンネットで濾
別し、ネットを通過したプロトプラストを遠心分離(TOM
Y LC−121 、70×g 5 分間) して集め、次いで、0.5M、
および0.2Mのマンニトールを含む各ASP12(NTA )培地で
順次遠心洗浄した。
【0048】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、β−1,3
−キシラナーゼは、β−1,3−キシランを分解してキ
シロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオー
ス、キシロペンタオース、キシロヘキサオースなどへの
低分子化反応を触媒する等の特徴を有する新規な酵素で
あり、本発明ではこのβ−1,3−キシラナーゼを得る
ことができる。
−キシラナーゼは、β−1,3−キシランを分解してキ
シロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオー
ス、キシロペンタオース、キシロヘキサオースなどへの
低分子化反応を触媒する等の特徴を有する新規な酵素で
あり、本発明ではこのβ−1,3−キシラナーゼを得る
ことができる。
【0049】また、本発明では、このβ−1,3−キシ
ラナーゼを産生する新規な微生物アルカリゲネス属菌株
XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)を得ることができ
る。
ラナーゼを産生する新規な微生物アルカリゲネス属菌株
XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)を得ることができ
る。
【0050】更に、このβ−1,3−キシラナーゼを産
生する微生物をβ−1,3−キシランを炭素源にして培
養し、その培養上清液から分離して精製することによ
り、製造することができる。
生する微生物をβ−1,3−キシランを炭素源にして培
養し、その培養上清液から分離して精製することによ
り、製造することができる。
【0051】また、このβ−1,3−キシラナーゼを用
いる用途として、本発明のβ−1,3−キシラナーゼ
は、β−1,3−キシランを基質として作用させること
により、キシロオリゴ糖を製造することができる。この
β−1,3−キシランから得られるオリゴ糖は海藻細胞
壁多糖の研究用試薬として有用である。
いる用途として、本発明のβ−1,3−キシラナーゼ
は、β−1,3−キシランを基質として作用させること
により、キシロオリゴ糖を製造することができる。この
β−1,3−キシランから得られるオリゴ糖は海藻細胞
壁多糖の研究用試薬として有用である。
【0052】更に、本発明のβ−1,3−キシラナーゼ
は、アマノリに作用させることにより、容易にアマノリ
細胞壁を溶解し、プロトプラストを単離することができ
るという効果がある。
は、アマノリに作用させることにより、容易にアマノリ
細胞壁を溶解し、プロトプラストを単離することができ
るという効果がある。
【図1】β−1,3−キシランの化学構造を示す説明図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 1/20 C12R 1:05)
Claims (5)
- 【請求項1】 β−1,3−キシランを分解し、主にキ
シロビオース(2糖類)、キシロトリオース(3糖
類)、キシロテトラオース(4糖類)、キシロペンタオ
ース(5糖類)並びにキシロヘキサオース(6糖類)に
まで低分子化する反応を触媒する酵素であって、下記理
化学的性質を有するβ−1,3−キシラナーゼ。 (a) 分子量;59,000 (b) 等電点;4.0 (c) 溶解性;水溶性 (d) 作用;D-キシロースがβ−1,3−結合したβ−
1,3−キシランにのみ特異的に作用し、キシロビオー
スやパラニトロフェニルβ- キシロピラノシドならびに
β−1,4−キシラン、β−1,4−グルカン、β−
1,3−グルカン、β−1,4−マンナン、寒天、ポル
フィランには作用しない。 (e) 至適温度;40℃ (f) 至適pH;pH 7.5 (g) pH安定性;pH6.0〜11.0 (h) 熱安定性;40℃まで安定 - 【請求項2】 新規な海洋性細菌であるアルカリゲネス
属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)。 - 【請求項3】 β−1,3−キシラナーゼを産生する能
力を有するアルカリゲネス属に属する微生物をβ−1,
3−キシランを炭素源として培養し、その培養上清液か
ら分離・採取することを特徴とするβ−1,3−キシラ
ナーゼの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載されたβ−1,3−キシ
ラナーゼで、β−1,3−キシランを基質として作用さ
せることを特徴とするキシロオリゴ糖の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載されたβ−1,3−キシ
ラナーゼを海藻に作用させることを特徴とする海藻細胞
のプロトプラストの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9122809A JPH10295372A (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9122809A JPH10295372A (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10295372A true JPH10295372A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14845183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9122809A Pending JPH10295372A (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10295372A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004509626A (ja) * | 2000-09-21 | 2004-04-02 | デーエスエム・ナムローゼ・フェンノートシャップ | タラロマイセスのキシラナーゼ |
JP2013063051A (ja) * | 2011-09-20 | 2013-04-11 | Meiji Univ | オリゴ糖の製造方法 |
-
1997
- 1997-04-28 JP JP9122809A patent/JPH10295372A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004509626A (ja) * | 2000-09-21 | 2004-04-02 | デーエスエム・ナムローゼ・フェンノートシャップ | タラロマイセスのキシラナーゼ |
JP4878428B2 (ja) * | 2000-09-21 | 2012-02-15 | ベーアーエスエフ・アクチエンゲゼルシャフト | タラロマイセスのキシラナーゼ |
JP2013063051A (ja) * | 2011-09-20 | 2013-04-11 | Meiji Univ | オリゴ糖の製造方法 |
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Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040415 |
|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060712 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061101 |