JPH10295372A - β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途 - Google Patents

β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途

Info

Publication number
JPH10295372A
JPH10295372A JP9122809A JP12280997A JPH10295372A JP H10295372 A JPH10295372 A JP H10295372A JP 9122809 A JP9122809 A JP 9122809A JP 12280997 A JP12280997 A JP 12280997A JP H10295372 A JPH10295372 A JP H10295372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
xylanase
xylan
producing
xylobiose
alcaligenes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9122809A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyoshi Araki
利芳 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
Priority to JP9122809A priority Critical patent/JPH10295372A/ja
Publication of JPH10295372A publication Critical patent/JPH10295372A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 β−1,3−キシランに対する分解活性を有
する新規なβ−1,3−キシラナーゼを得る。 【解決手段】 β−1,3−キシランを分解し、主にキ
シロビオース(2糖類)、キシロトリオース(3糖
類)、キシロテトラオース(4糖類)、キシロペンタオ
ース(5糖類)ならびにキシロヘキサオース(6糖類)
まで低分子化する反応を触媒するβ−1,3−キシラナ
ーゼ。このβ−1,3−キシラナーゼはアルカリゲネス
属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)から産生され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−1,3−キシ
ラナーゼ活性を有する新規酵素、この酵素を産生する新
規微生物、この酵素の製造方法、及びこの酵素を用いた
オリゴ糖、プロトプラストの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】キシランには、イネ科植物やトウモロコ
シ穂軸のヘミセルロースの主要部分を占めるβ−1,4
−キシランと、紅藻や緑藻の細胞壁に含まれるβ−1,
3−キシランとがある。β−1,4−キシランについて
は、β−1,4−キシラナーゼ(エンド−1,4−β−
キシラナーゼ)が、パルプの漂白に用いる塩素の消費量
を減らすパルプ漂白用酵素として実用化が始まってい
る。
【0003】また、食品分野では広葉樹キシランからの
β−1,4−キシロオリゴ糖の生産が行われている。こ
のβ−1,4−キシロオリゴ糖は、甘さは砂糖の30%
ほどで、不凍効果、ビフィズス菌増殖活性、保水性向
上、食品の腐敗防止等の機能がある食品素材として利用
されている。
【0004】一方、ある種の紅藻や緑藻の細胞壁に含ま
れる海藻特有の多糖類であるβ−1,3−キシランやそ
の分解物であるβ−1,3−キシロオリゴ糖について
は、セルロースやデンプンなどの多糖や前述のβ−1,
4−キシラン及びその分解物であるβ−1,4−キシロ
オリゴ糖と比べて、非常に研究が立ち後れており、今だ
市販されておらず、海藻細胞壁の構造研究ならびにβ−
1,3−キシラナーゼの酵素学的研究に大きな支障をき
たしている。
【0005】図1はβ−1,3−キシランの化学構造を
示す説明図である。図に示す通り、β−1,3−キシラ
ンは、不溶性の中性多糖類であり、D-キシロースがβ−
1,3−結合( 即ち、3−0−β−D-xylopyranosyl-D-
xylose) で、直線状に繋がって形成されている。
【0006】近年、海洋生物資源としての海藻類の有効
利用の観点から、また、新規素材物質としてのβ−1,
3−キシロオリゴ糖の製造方法の観点から、強力な分解
力を有するβ−1,3−キシラン分解酵素やβ−1,3
−キシラナーゼ産生能を有する新規な微生物の探索が行
われているが、本酵素についての知見は非常に乏しいの
が現状である。
【0007】以上のように、海藻特有の多糖類であるβ
−1,3−キシランやその分解物であるβ−1,3−キ
シロオリゴ糖の有効な調製法の確立が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み、鋭意研究の結果、海底泥中より分離した海洋
性細菌が海藻多糖の成分であるβ−1,3−キシランを
効率よく分解し、β−1,3−キシランから大量のキシ
ロオリゴ糖を調製する上で優れた酵素を生産する細菌で
あることを見出し、更に、本細菌からβ−1,3−キシ
ラナーゼを単離精製することにより、本発明を完成する
にいたった。
【0009】即ち、本発明は、β−1,3−キシランに
対する分解活性を有する新規なβ−1,3−キシラナー
ゼを得ることを目的とする。また、このβ−1,3−キ
シラナーゼを産生する新規な微生物を得ることを別の目
的とする。更に、このβ−1,3−キシラナーゼを産生
する微生物を用いたβ−1,3−キシラナーゼの製造方
法を得ることを別の目的とする。また、このβ−1,3
−キシラナーゼを用いる用途として、キシロオリゴ糖の
製造方法及び海藻細胞のプロトプラストの製造方法を得
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本請求項1に記載された
発明に係るβ−1,3−キシラナーゼは、β−1,3−
キシランを分解し、主にキシロビオース(2糖類)、キ
シロトリオース(3糖類)、キシロテトラオース(4糖
類)、キシロペンタオース(5糖類)ならびにキシロヘ
キサオース(6糖類)まで低分子化する反応を触媒する
酵素である。具体的な理化学的性質は後に詳述する。
【0011】また、本請求項2に記載された発明に係る
β−1,3−キシラナーゼ産生微生物は、請求項1に記
載されたβ−1,3−キシラナーゼを産生する新規な海
洋性細菌としてアルカリゲネス属菌株XY-234(Alcalige
nes sp. XY-234)を開示するものである。
【0012】更に、本請求項3に記載された発明に係る
β−1,3−キシラナーゼの製造方法は、請求項1に記
載されたβ−1,3−キシラナーゼを製造する方法であ
って、β−1,3−キシラナーゼを産生する微生物をβ
−1,3−キシランを炭素源として培養し、その培養上
清液から分離して精製するものである。
【0013】また、本請求項4に記載された発明に係る
キシロオリゴ糖の製造方法は、請求項1に記載されたβ
−1,3−キシラナーゼで、β−1,3−キシランを基
質として作用させるものである。
【0014】更に、本請求項5に記載された発明に係る
海藻細胞のプロトプラストの製造方法では、請求項1に
記載されたβ−1,3−キシラナーゼを海藻に作用させ
るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明におけるβ−1,3−キシ
ラナーゼは、主にキシロビオース(2糖類)、キシロト
リオース(3糖類)、キシロテトラオース(4糖類)、
キシロペンタオース(5糖類)ならびにキシロヘキサオ
ース(6糖類)にまで低分子化する反応を触媒する特徴
を有する酵素であって、下記理化学的性質を有する。
【0016】(a)分子量 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)による
測定の結果は、 分子量59,000である。 (b) 等電点 等電点電気泳動の結果は、4.0 である。 (c) 溶解性 水溶性である。 (d) 作用 D-キシロースがβ−1,3−結合したβ−1,3−キシ
ランにのみ特異的に作用する。キシロビオース,パラニ
トロフェニルβ−キシロピラノシド,β−1,4−キシ
ラン,β−1,4−グルカン,β−1,3−グルカン,
β−1,4−マンナン,寒天,並びにポルフィランには
作用しない。 (e) 至適温度 40℃ (f)至適pH pH7.5 (g) pH安定性 pH 6.0〜11.0 (h) 熱安定性 40℃まで安定
【0017】本発明のβ−1,3−キシラナーゼは微生
物を用いて生産される。このβ−1,3−キシラナーゼ
は、この酵素を生産する微生物を培養して、微生物の内
部又は培養上清から分離することができる。この酵素を
生産する微生物としては、例えば、本発明では新たに海
底泥中から分離されたアルカリゲネス属菌株XY-234(Al
caligenes sp. XY-234)を用いることができる。このア
ルカリゲネス属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)
は生工研菌寄第16184号(平成9年4月7日寄託)
として既に寄託されている。
【0018】尚、本発明のβ−1,3−キシラナーゼを
製造する方法及びその用途に用いる微生物としては、前
記アルカリゲネス属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-2
34)とその変種、変異株に限定されるものではなく、前
記β−1,3−キシラナーゼ生産能を有するものであれ
ば良い。
【0019】具体的なβ−1,3−キシラナーゼの製造
方法としては、このβ−1,3−キシラナーゼを産生す
る微生物をβ−1,3−キシランを炭素源として培養
し、その培養上清液から分離して精製するものである。
この培地は、炭素源としてβ−1,3−キシランを含む
他に、窒素源、無機化合物等栄養素を適当量含有するも
のであれば、天然培地、合成培地の何れも使用する事が
できる。
【0020】具体的なβ−1,3−キシランを含む炭素
源としては、緑藻イワヅタ属や紅藻アマノリ属から分離
したβ−1,3−キシランを用いることもできる。
【0021】また、窒素源としては、通常の培地の組成
で用いるものが使用できる。例えば、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、乾燥酵母、カザミノ酸、各種アミノ
酸、尿素等の動植物等の加水分解物や各種無機アンモニ
ウム塩、硝酸塩等の有機又は無機窒素源を、1種又は2
種以上を用いることができる。
【0022】更に、無機化合物としては、培養される微
生物の必須無機塩として、ナトリウム,マグネシウム,
カルシウム,鉄,マンガン等のリン酸,塩酸塩,硫酸
塩,炭酸塩,酢酸塩等を1種以上用いることができる。
【0023】培養は、目的のβ−1,3−キシラナーゼ
を産生する微生物の培養に応じた培養方法及び条件が選
択される。例えば、好気性微生物であれば、振盪培養,
通気攪拌培養等により大量に培養することができ、良好
である。
【0024】微生物の培養によって産生されたβ−1,
3−キシラナーゼは、通常の方法によって、分離・ 精製
される。例えば、菌体中に酵素を保有する場合には、菌
体を通常用いられている手段によって破砕してβ−1,
3−キシラナーゼを抽出して精製される。また、培養液
中に産生されたβ−1,3−キシラナーゼは、微生物を
濾過・ 遠心分離等の方法で除去して精製される。
【0025】精製方法としては、通常用いられる精製方
法を利用することができる。例えば、塩析,溶媒沈殿に
より、β−1,3−キシラナーゼを沈殿させて溶媒中か
ら分離して、精製することができる。また、沈殿させた
ものを更にイオン交換クロマトグラフィ,ゲルクロマト
グラフィ,等電点電気泳動等により、更に精製すること
もできる。
【0026】得られたβ−1,3−キシラナーゼの用途
としては、オリゴ糖の生産や研究試薬として利用するこ
とができる。例えば、β−1,3−キシランを基質とし
て作用させることにより、キシロオリゴ糖を製造するこ
とができる。このβ−1,3−キシランから得られるキ
シロオリゴ糖は、海藻細胞壁の構造研究やβ−1,3−
キシラナーゼの酵素学的性質を解明する上での研究用試
薬として利用できるのは前述の通りである。
【0027】また、得られたβ−1,3−キシラナーゼ
の研究試薬の用途としては、例えば、アマノリ等の海藻
にβ−1,3−キシラナーゼを作用させることにより、
容易にプロトプラストを単離することができる。
【0028】
【実施例】
1.海底泥中よりのアルカリゲネス(Alcaligenes) 菌の
採取 海底泥中に生息する微生物からβ−1,3−キシラナー
ゼ活性の高い微生物を分離選択した。具体的には、海底
泥に生息する海洋性微生物を単離し、個々の微生物をβ
−1,3−キシランを炭素源とする培地中で培養し、β
−1,3−キシラナーゼ活性を測定したところ、β−
1,3−キシラナーゼ活性の最も高い微生物(Strain n
o.XY-234)を得た。
【0029】尚、本実施例におけるβ−1,3−キシラ
ナーゼ活性の測定は次のように行われた。1%のβ−
1,3−キシランを含む100mM MES緩衝液(pH 7.
5)の0.5mlに酵素液0.5mlを加え、38℃で10mim
反応させ、生じた還元糖の増加をソモジ・ ネルソン(S
omogyi-Nelson)法で測定した。酵素活性の1unitは上
記反応条件で、1分間に1μmol のD-キシロースに相当
する還元力を生ずる酵素量と定義した。
【0030】2.菌学的性質 このβ−1,3−キシラナーゼ活性の最も高い微生物
は、Bergeys' Manual Systematic Bacteriology の記載
に準拠して同定を行ったところ、次に示す結果からアル
カリゲネス(Alcaligenes) に属していることが判明し
た。この微生物の形態は、 次の表1に示すものである。
また、表2に生理学的試験結果を示す。この表1及び表
2の結果より、本微生物は海洋性細菌アルカリゲネス(A
lcaligenes)sp.であることが確認された。尚、本細菌
をアルカリゲネス(Alcaligenes) sp.XY-234と命名し
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】即ち、グラム陰性で側毛を有し、OFテス
トでは発酵性がなく、カタラーゼならびにオキシダーゼ
テスト陽性、グルコース培地から酸、ならびにガス非産
生で、GC含量61.5%であった。
【0034】アルカリゲネス(Alcaligenes) sp. XY-234
の酵素生成と炭素源としての糖やアミノ酸の利用性等を
調べた。結果を次の表3と表4に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】3.培養 本細菌(Alcaligenes sp.XY-234) は、酵素産生のための
誘導物質として、β−1,3−キシランを必要とし、そ
の濃度を0.3%とし、その他、0.3%ポリペプトン、0.
1%酵母エキス、3%塩化ナトリウム、0.5%硫酸マグネシウ
ム、0.2%リン酸水素二カリウム、0.04%リン酸水素一カ
リウムの組成からなる培地を用いて、25℃、4日間、
振盪培養した場合、1,000ml の培地から65units のβ−
1,3−キシラナーゼを得ることができた。
【0038】4.β−1,3−キシラナーゼの精製 産生されたβ−1,3−キシラナーゼを精製した。即
ち、本細菌を上記の条件で大量培養し、遠心分離して得
られた培養上清液に75%飽和になるように固形硫酸ア
ンモニウムを加えた。4℃で1日放置後、遠心分離し、
生じた沈殿を少量の 50mM MES緩衝液pH 7.5に溶解
し、同緩衝液で透析後、透析内液を塩析酵素液として用
いた。
【0039】塩析酵素液を陰イオン交換クロマトグラフ
ィー(Q-Sepharose FF), ゲル濾過クロマトグラフィー(T
oyopearl HW-55) ,疎水クロマトグラフィー(Ether-Toy
opearl 650s),陰イオン交換クロマトグラフィー(Mono
Q HR 5/5) で分画したところ、ポリアクリルアミドディ
スク電気泳動とSDS−ポリアクリルアミド電気泳動と
で均一に精製されていることが判明した。
【0040】5.β−1,3−キシラナーゼの酵素学的
性質 得られたβ−1,3−キシラナーゼの分子量、等電点、
溶解性、至適pH、pH安定性、至適温度を測定した。
結果を次の表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】また、精製β−1,3−キシラナーゼのβ
−1,3−キシラン、キシロビオース、キシロトリオー
ス、キシロテトラオース、キシロペンタオースに対する
作用様式を調べた。その結果を表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】6.β−1,3−キシランからのキシロオ
リゴ糖の製造 β−1,3−キシランからオリゴ糖を調製する方法とし
て酸による加水分解がある。しかしながら、酸加水分解
法は100 ℃での加熱を要し、また、反応時間が長いと、
オリゴ糖が更に単糖に分解されてしまうため、効率よく
オリゴ糖を調製することが困難である。それに対して、
前記β−1,3−キシラナーゼを用いる方法では室温で
効率よくオリゴ糖を調製することが可能である。
【0045】すなわち、100ml 容三角フラスコに1%β−
1,3−キシランを含む20mM酢酸緩衝液を20ml注入し、
アルカリゲネス(Alcaligenes) sp. XY-234のβ−1,3
−キシラナーゼ溶液(0.65unit/ml) を1.5ml 加え、37
℃、24時間反応させた。反応フラスコを沸騰水浴中に15
分間浸漬して反応を停止し、冷却後遠心分離した。得ら
れた上澄液を蒸留水で平衡化した活性炭カラム(2×4
0cm)に通した。最初蒸留水で溶出し、次いで、9,1
4,29,50及び75%のエタノールで段階的にオリ
ゴ糖を溶出した。
【0046】7.アマノリからのプロトプラストの製造 7.1 アマノリからのプロトプラストの調製 わが国で広く食用に供されているアマノリの優良産業品
種の開発を行う上で、細胞融合や遺伝子操作によるバイ
オテクノロジーは優れた手法である。バイオテクノロジ
ーを行うためには酵素で細胞壁を溶解し、プロトプラス
トを作出する方法の開発が必要とされている。前記、β
−1,3−キシラナーゼと我々が別に開発したβ−マン
ナナーゼならびにβ−アガラーゼ(特開平8−2943
89号公報、及び、Arakiら,J.Gen.Appl.Microbiol.,3
8,343(1992)、Arakiら,Appliedand Environmental Mic
robiology,61,4454(1995)参照)を用いることにより、
アマノリから多量のプロトプラストを作出することが可
能である。
【0047】具体的にはアマノリ1gを5%パパインと、
0.5Mマンニトール含有 20mM MES緩衝液(pH 7.5)
30mlを入れた100ml 容ビーカーに加え、22℃、15分間振
盪した。葉状体を0.5Mマンニトール、2%NaClを含む20mM
MES緩衝液(pH7.5) で5回洗浄後、メスで数mm片に切断
した。次いで、20ml容三角フラスコに分注した8.0mlの
細胞壁溶解酵素液( β−1,4−マンナナーゼ、β−
1,3−キシラナーゼ、β−アガラーゼの各1.0unit )
に葉状体断片を投入し、22℃で振とうした。未分解の葉
状体断片を取り除くために40μm のナイロンネットで濾
別し、ネットを通過したプロトプラストを遠心分離(TOM
Y LC−121 、70×g 5 分間) して集め、次いで、0.5M、
および0.2Mのマンニトールを含む各ASP12(NTA )培地で
順次遠心洗浄した。
【0048】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、β−1,3
−キシラナーゼは、β−1,3−キシランを分解してキ
シロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオー
ス、キシロペンタオース、キシロヘキサオースなどへの
低分子化反応を触媒する等の特徴を有する新規な酵素で
あり、本発明ではこのβ−1,3−キシラナーゼを得る
ことができる。
【0049】また、本発明では、このβ−1,3−キシ
ラナーゼを産生する新規な微生物アルカリゲネス属菌株
XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)を得ることができ
る。
【0050】更に、このβ−1,3−キシラナーゼを産
生する微生物をβ−1,3−キシランを炭素源にして培
養し、その培養上清液から分離して精製することによ
り、製造することができる。
【0051】また、このβ−1,3−キシラナーゼを用
いる用途として、本発明のβ−1,3−キシラナーゼ
は、β−1,3−キシランを基質として作用させること
により、キシロオリゴ糖を製造することができる。この
β−1,3−キシランから得られるオリゴ糖は海藻細胞
壁多糖の研究用試薬として有用である。
【0052】更に、本発明のβ−1,3−キシラナーゼ
は、アマノリに作用させることにより、容易にアマノリ
細胞壁を溶解し、プロトプラストを単離することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】β−1,3−キシランの化学構造を示す説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 1/20 C12R 1:05)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−1,3−キシランを分解し、主にキ
    シロビオース(2糖類)、キシロトリオース(3糖
    類)、キシロテトラオース(4糖類)、キシロペンタオ
    ース(5糖類)並びにキシロヘキサオース(6糖類)に
    まで低分子化する反応を触媒する酵素であって、下記理
    化学的性質を有するβ−1,3−キシラナーゼ。 (a) 分子量;59,000 (b) 等電点;4.0 (c) 溶解性;水溶性 (d) 作用;D-キシロースがβ−1,3−結合したβ−
    1,3−キシランにのみ特異的に作用し、キシロビオー
    スやパラニトロフェニルβ- キシロピラノシドならびに
    β−1,4−キシラン、β−1,4−グルカン、β−
    1,3−グルカン、β−1,4−マンナン、寒天、ポル
    フィランには作用しない。 (e) 至適温度;40℃ (f) 至適pH;pH 7.5 (g) pH安定性;pH6.0〜11.0 (h) 熱安定性;40℃まで安定
  2. 【請求項2】 新規な海洋性細菌であるアルカリゲネス
    属菌株XY-234(Alcaligenes sp. XY-234)。
  3. 【請求項3】 β−1,3−キシラナーゼを産生する能
    力を有するアルカリゲネス属に属する微生物をβ−1,
    3−キシランを炭素源として培養し、その培養上清液か
    ら分離・採取することを特徴とするβ−1,3−キシラ
    ナーゼの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたβ−1,3−キシ
    ラナーゼで、β−1,3−キシランを基質として作用さ
    せることを特徴とするキシロオリゴ糖の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載されたβ−1,3−キシ
    ラナーゼを海藻に作用させることを特徴とする海藻細胞
    のプロトプラストの製造方法。
JP9122809A 1997-04-28 1997-04-28 β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途 Pending JPH10295372A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9122809A JPH10295372A (ja) 1997-04-28 1997-04-28 β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9122809A JPH10295372A (ja) 1997-04-28 1997-04-28 β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10295372A true JPH10295372A (ja) 1998-11-10

Family

ID=14845183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9122809A Pending JPH10295372A (ja) 1997-04-28 1997-04-28 β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10295372A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004509626A (ja) * 2000-09-21 2004-04-02 デーエスエム・ナムローゼ・フェンノートシャップ タラロマイセスのキシラナーゼ
JP2013063051A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Meiji Univ オリゴ糖の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004509626A (ja) * 2000-09-21 2004-04-02 デーエスエム・ナムローゼ・フェンノートシャップ タラロマイセスのキシラナーゼ
JP4878428B2 (ja) * 2000-09-21 2012-02-15 ベーアーエスエフ・アクチエンゲゼルシャフト タラロマイセスのキシラナーゼ
JP2013063051A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Meiji Univ オリゴ糖の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5998173A (en) Process for producing N-acetyl-D-glucosamine
CN100575483C (zh) 制备耐热木聚糖酶、耐热β-木糖苷酶或耐热β-葡萄糖苷酶的方法
CN105431534A (zh) β-1,3-葡聚糖酶、多核苷酸、重组载体、转化体、β-1,3-葡聚糖酶的制造方法、酶制剂及低分子化裸藻淀粉的制造方法
JP2807612B2 (ja) 新規キシラナーゼ、その製造法、該キシラナーゼによるパルプ処理方法及びキシロオリゴ糖の製造法
US4742005A (en) Method for production of cellulolytic enzymes and method for saccharification of cellulosic materials therewith
CN101415722B (zh) 制备κ-角叉菜聚糖酶的方法
JPH09163980A (ja) セルラーゼの製造方法
JP3865801B2 (ja) 新規なβ−アガラーゼ,その製造方法及びその用途
CN107058135A (zh) 一种产木聚糖酶的菌株及其应用
JP2000116376A (ja) 新規なκ−カラゲナーゼ、その産生微生物、その製造方法及びその用途
JPH10295372A (ja) β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途
JP2000157262A (ja) β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途
JPH0523183A (ja) 新規なα−ガラクトシダーゼ及びそれを用いた糖類の製造法
JPS61162181A (ja) 耐熱性キシラナ−ゼの製造法
Katohda et al. Purification and some properties of α-mannosidase
JPH09168385A (ja) 新規なβ−グルコシダーゼ、その製造法および用途
JP2785323B2 (ja) β―グルコシダーゼ及びその製造法
JPH01104158A (ja) 甲殻類の殻の処理方法
JPH0269183A (ja) β‐1,3‐グルカナーゼおよびその製法
JPH05227958A (ja) セルラーゼの精製方法およびセロビオースの製造方法
WO2009119252A1 (ja) セルロース分解活性を示す糸状菌培養物混合物またはその乾燥物、及びそれらを用いるグルコースの製造方法
JP3022962B2 (ja) 新規キシラナーゼ、その製造法、該キシラナーゼによるパルプ処理方法及びキシロオリゴ糖の製造法
JPH0515388A (ja) アマノリ属海藻からのガラクタンの製造方法
JP3070290B2 (ja) 耐熱性アルカリキシラナーゼを生産する微生物及びその利用法
JPH0265789A (ja) 寒天オリゴ糖の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060712

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061101