JP7296293B2 - ナノファイバシート - Google Patents

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Description

本発明はナノファイバシートに関する。また本発明は、該ナノファイバシートの使用方法に関する。
ナノファイバシートは、その構成繊維の微細さを活かして様々な分野、例えば医療分野や化粧料の分野で用いられている。化粧料分野における応用としては、ナノファイバからなる網目構造体に化粧料を保持させた化粧用シート(特許文献1)、ナノファイバシートに着色顔料を含有させた化粧用シート(特許文献2)、及びナノファイバシートの付着方法(特許文献3)が知られている。更に、油剤を含有するシート透明化剤を皮膚に施した後に、水不溶性ポリマーを主成分とする白色のナノファイバシートを皮膚に転写することで、ナノファイバシートの被膜を皮膚表面に形成する方法も知られている(特許文献4)。
特開2008-179629号公報 特開2010-167780号公報 特開2012-12339号公報 特開2018-177804号公報
ナノファイバシートを皮膚に貼付することで、皮膚の見た目の外観を向上させることができるので、ナノファイバシートは美容のための化粧用品としての幅広い用途が検討されている。しかし、ナノファイバシートを例えば顔に貼付する場合、特に通常の表情では皺が存在しない部位にナノファイバシートを貼付する場合、表情の変化によって、例えば笑うことによって皺が発生すると、ナノファイバシートが皺に追従して、ナノファイバシート自体に皺が発生したり、ヨレが発生したりすることがある。その結果、ナノファイバシートを貼付しない場合よりも皺の存在が目立ったり、不自然に老け顔になったりすることがある。したがって本発明は、表情の変化などに起因して皮膚に皺が発生した場合であっても、当該皺の隠蔽性が高いナノファイバシートに関する。
前記の課題を解決すべく本発明者は鋭意検討した結果、ナノファイバシートの剛性及び皮膚に対する滑り性を制御することで、表情の変化などに起因して発生する皺の隠蔽性をナノファイバシートに付与し得ることを知見した。本発明はこの知見に基づきなされたものであり、ナノファイバの堆積物を含むナノファイバシートであって、
CAS番号68937-10-0の水添ポリイソブテンで2500質量%に湿潤させた状態での剛性が0.1N/mm以上であり、
以下の式(1)に示す関係を満たすナノファイバシートによって前記の課題を解決したものである。
A≧0.0947B (1)
式中、Aは、不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を保持させた状態での前記ナノファイバシートの剛性(N/mm)を表し、
Bは、不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を保持させた状態での前記ナノファイバシートの摩擦エネルギー(N・s)を表す。
また本発明は、ナノファイバの堆積物を含むナノファイバシートであって、
CAS番号68937-10-0の水添ポリイソブテンで2500質量%に湿潤させた状態での剛性が0.1N/mm以上であり、
不揮発成分を10質量%以上100質量%以下含む化粧料を保持させた状態での剛性が0.2N/mm以上3.0N/mm以下であり、
前記化粧料は、25℃における蒸気圧が100Pa未満である炭化水素油、シリコーン油、高級アルコール、エステル油、界面活性剤及びポリオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分を10質量%以上100質量%以下含有し、
前記ナノファイバが水不溶性ポリマーを主成分とするものであり、
前記ナノファイバの円相当直径が10nm以上3000nm以下であり、
前記ナノファイバシートの厚みが5.1μm以上500μm以下であるナノファイバシートに関する。
また本発明は、不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料が300質量%以上5000質量%以下保持されており、剛性が0.1N/mm以上10.0N/mm以下である、皺又はシミを隠蔽するための化粧料保持ナノファイバシートに関する。
更に本発明は、ナノファイバシートの使用方法であって、
不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を300質量%以上5000質量%以下保持させた前記ナノファイバシートを美容の目的で皮膚に貼り付ける工程を有する、ナノファイバシートの使用方法に関する。
更に本発明は、前記ナノファイバシートの使用方法であって、
不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を施した皮膚に、乾燥状態の前記ナノファイバシートを美容の目的で貼り付ける工程を有し、
前記工程において、前記化粧料が前記ナノファイバシートに300質量%以上5000質量%以下保持されるように前記化粧料を皮膚に施す、ナノファイバシートの使用方法に関する。
更に本発明は、ナノファイバシートのナノファイバを構成するポリマーの種類、ナノファイバの繊維径、又はナノファイバシートの厚さを調整するとともに、ナノファイバシートに保持させる化粧料の成分と湿潤率を調整することによって、ナノファイバシートの剛性を0.1N/mm以上10.0N/mm以下とし且つ前記剛性と摩擦エネルギー(N・s)とが以下の式(1)に示す関係を満たすようにする、ナノファイバシートの製造方法に関する。
A≧0.0947B
本発明のナノファイバシートは、これを皮膚に貼付した場合に、表情の変化などに起因して発生する皺の凹凸に追従しにくいものである。したがって、ナノファイバシートを貼付した部位の表面を、表情の変化に影響されずに平滑にすることができる。しかも平滑な状態を長時間にわたり維持することができる。
図1(a)は、本発明のナノファイバシートを、皮膚に貼付した状態を模式的に示す断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す状態で皮膚に皺が発生した状態を模式的に示す断面図である。 図2(a)及び(b)は、従来のナノファイバシートを、皮膚に貼付した後に皮膚に皺が発生した状態を模式的に示す断面図である。 図3は、ナノファイバシートの摩擦エネルギーを測定する方法を示す模式図である。 図4は、摩擦力の測定結果の一例を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明においてナノファイバシートとは、ナノファイバがランダムに堆積してなる繊維シートのことである。ナノファイバとは、その太さを円相当直径で表した場合、一般に10nm以上3000nm以下の繊維である。ナノファイバの太さは、例えば走査型電子顕微鏡観察によって、繊維を10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(例えば、繊維の塊、繊維の交差部分及びポリマー液滴)を除いた繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き繊維径を直接読み取ることで測定することができる。ナノファイバシートは、ナノファイバのみから構成されていることが望ましいが、ナノファイバよりも太い繊維が不可避的にナノファイバシートに微量含まれることは許容される。また、ナノファイバシートは、ナノファイバから構成される単一層の繊維シートであってもよく、あるいはナノファイバから構成される1又は2以上のナノファイバ層と、ナノファイバ以外の繊維から構成される1又は2以上の非ナノファイバ層又は樹脂シート等の非繊維層とが積層されてなる多層繊維シートであってもよい。ナノファイバシートが多層繊維シートである場合、少なくとも一方の面がナノファイバ層であることが、本発明の効果を一層顕著なものにする観点から好ましい。
本発明のナノファイバシートは、その剛性及び滑り性が制御されている点に特徴の一つを有する。具体的には、本発明のナノファイバシートは、湿潤状態での剛性が、これまでに知られているナノファイバシートよりも高くなっている。また、本発明のナノファイバシートは、湿潤状態での滑り性が、これまでに知られているナノファイバシートよりも高くなっている。このことに起因して、本発明のナノファイバシートは、これを皮膚に貼付した場合、特に図1(a)に示すとおり、通常の表情では皺が存在しない部位に貼付した場合、表情の変化によって、例えば笑うことによって皺が発生したとしても、当該皺の凹凸にナノファイバシートが追従しにくい。その結果、図1(b)に示すとおり、発生した皺上に位置するナノファイバシートの表面に、皺の凹凸形状が反映されづらく、該表面はナノファイバシートが本来有する平滑性が維持されやすい。したがって、本発明のナノファイバシートを貼付した部位では皺が隠蔽されやすくなり、見た目にきれいな皮膚となる。
ここで、ナノファイバシートの剛性は、ナノファイバを構成するポリマーの種類、及びナノファイバの繊維径、又はナノファイバシートの厚さを調整するとともに、ナノファイバシートに保持させる化粧料の成分と化粧料の保持率を調整することで調整可能である。ナノファイバシートの剛性の観点、特にナノファイバシートの剛性を0.1N/mm以上10.0N/mm以下に調整する観点から、例えば、ナノファイバを構成するポリマーの重量平均分子量が100,000以上であることが好ましく、その場合、ナノファイバシートの厚みが10μm以上であることが好ましく、ナノファイバの繊維径が1μm以上であることが好ましい。
また、ナノファイバシートの滑り性は、ナノファイバシートに保持させる化粧料とナノファイバシート、及び皮膚との親和性、並びにナノファイバシートに保持させる化粧料の保持率により調整することが可能である。前記剛性と摩擦エネルギー(N・s)とが、後述する式(1)に示す関係を満たすようにする観点から、例えば、ナノファイバシートに化粧料を300質量%以上5000質量%以下保持させることが好ましい。
このこととは対照的に、剛性及び滑り性が制御されていないナノファイバを皮膚に貼付した場合、図2(a)に示すとおり、表情の変化に起因して発生した皺の凹凸にナノファイバシートが入り込んで凹凸に追従しやすい。その結果、皺上に位置するナノファイバシートの表面に、皺の凹凸形状が反映されやすい。したがってナノファイバシートを皮膚に貼付することで、発生した皺の存在が却って目立ってしまうことがある。また、表情の変化によって発生した皺に起因して、図2(b)に示すとおり、ナノファイバシートにヨレが生じ不自然な老け顔になったりすることがある。なお、以下の説明においては、通常の状態の皮膚に皺が存在しない場合であって、表情の変化によって、例えば笑うことによって発生する皺のことを便宜的に「笑い皺」という。
本発明者の検討の結果、ナノファイバシートの剛性は、これを湿潤させるか、又は後述する化粧料を保持させた状態で評価することが有利であることが判明した。この理由は、例えば先に述べた特許文献3及び4に記載されているとおり、ナノファイバシートを皮膚に貼付する場合には、それに先立ち皮膚又はナノファイバシートを湿潤させるか、又は皮膚上若しくは該シートに後述する化粧料を保持させた状態にしておくことが、皮膚とナノファイバシートとの密着性を高める観点から望ましく、そのような実際の使用形態に合わせた状態でナノファイバシートの剛性を評価することが、笑い皺の隠蔽性との相関が高いことを本発明者が見出だしたことによるものである。
ナノファイバシートを湿潤させるには種々の液体を用いることが可能であるが、本発明者の検討の結果、液体として流動イソパラフィンの一種である水添ポリイソブテンを用いると、ナノファイバシートの剛性と笑い皺の隠蔽性との相関が一層高くなることが判明した。この水添ポリイソブテンは、CAS番号68937-10-0で特定されるものである。CAS番号とは、アメリカ化学会が発行するケミカル・アブストラクツ誌で使用される化合物番号のことであり、CAS番号によって化合物が一意に特定される。CAS番号68937-10-0で特定される水添ポリイソブテンは、日油株式会社から「パームリーム(登録商標)EX」の商品名で入手可能である。
ナノファイバシートの剛性を測定するときの該ナノファイバシートの湿潤の程度、すなわち湿潤率は2500質量%とする。湿潤率は、水添ポリイソブテンの質量/乾燥状態でのナノファイバシートの質量×100で定義される。湿潤率を2500質量%に設定した理由は、この湿潤率でナノファイバシートの剛性を評価することが、笑い皺の隠蔽性との相関が高いことを、本発明者が見出だしたことによるものである。
ナノファイバシートの剛性(N/mm)は、ナノファイバシートの弾性率(N/mm)×ナノファイバシートの厚み(mm)で定義される。ナノファイバシートの弾性率(N/mm)は、引張試験機を用いて測定する。詳細には、引張試験機を用いてナノファイバシートを伸長させて、応力-歪み曲線を得る。弾性率は〔応力/歪み〕で定義される値なので、応力-歪み曲線の傾きを求めることで弾性率が得られる。応力-歪み曲線の傾きは、応力及び歪みが0である位置を原点として算出する。詳細な測定方法は実施例において詳述する。
湿潤状態で測定された本発明のナノファイバシートの剛性は0.1N/mm以上であることが好ましく、0.15N/mm以上であることが更に好ましく、0.25N/mm以上であることが一層好ましい。ナノファイバシートの剛性がこの値以上であることによって、ナノファイバシートを皮膚に貼付した場合に、ナノファイバシートが笑い皺の凹凸に追従しづらくなり、ナノファイバシートの表面が、発生した笑い皺の凹凸を反映しづらくなる。剛性の上限値に関しては、5N/mm以下であることが好ましく、3.5N/mm以下であることが更に好ましく、3.0N/mm以下であることが一層好ましい。ナノファイバシートの剛性がこの値以下であることによって、ナノファイバシートと皮膚との密着性を十分に高めることができ、長時間にわたって貼付状態が安定的に維持される。ナノファイバシートの剛性は0.1N/mm以上5N/mm以下であることが好ましく、0.15N/mm以上3.5N/mm以下であることが更に好ましく、0.25N/mm以上3N/mm以下であることが一層好ましい。
本発明のナノファイバシートは、上述した水添ポリイソブテンで湿潤させた状態での剛性が上述のとおりであることに加えて、又はそれに代えて、特定の組成を有する化粧料を保持させた状態での剛性が特定の範囲であることも好ましい。この理由は、ナノファイバシートを皮膚に貼付する実際の場面では、化粧料をナノファイバシートに保持させることが通例であることによるものである。化粧料の組成は、具体的な用途や使用場面に応じて様々であるところ、本発明においては、不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料をナノファイバシートに保持させた状態下に、該ナノファイバシートの剛性を測定することで、ナノファイバシートの剛性と、笑い皺の隠蔽性との相関を高めることが可能となる。
化粧料を保持させた状態でのナノファイバシートの具体的な剛性の値は、0.1N/mm以上10.0N/mm以下であることが好ましく、0.15N/mm以上6.0N/mm以下であることが更に好ましく、0.2N/mm以上3.0N/mm以下であることが一層好ましい。
本発明において「化粧料」とは美容の目的で皮膚に塗布する製剤のことである。化粧料は液体状、ゲル状、クリーム状、ペースト状等の流動体、並びに半固体状、又は固体状から選ばれる性状を有している。化粧料に含まれる「不揮発成分」とは、25℃における蒸気圧が100Pa未満である物質のことである。なお固体は不揮発成分に包含される。
前記の化粧料に含まれる不揮発成分としては、炭化水素油、シリコーン油、高級アルコール、エステル油から選ばれる油剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤から選ばれる界面活性剤、増粘ポリマー及びポリオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。これらの不揮発性成分の化粧料における含有量は、5質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
前記の炭化水素油としては、例えば流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、n-オクタン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、軽質イソパラフィン、及び流動イソパラフィン等の20℃で液状の炭化水素油、ワセリン、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、水添ポリイソブテン、ポリエチレンワックス、及びポリオレフィンワックス等の20℃で固体あるいは半固体の炭化水素油などが挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を化粧料に含有することができる。
前記のシリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられ、本発明の化粧料はこれらから選ばれる1種又は2種以上を含有することができる。
前記の高級アルコールとしては、例えば炭素数12~20の高級アルコールが挙げられ、具体的にはセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
前記のエステル油としては、例えば直鎖又は分岐鎖の脂肪酸と、直鎖又は分岐鎖のアルコール又は多価アルコールからなるエステル、トリグリセリン脂肪酸エステル(トリグリセライド)が挙げられる。具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、ナフタレンジカルボン酸ジエチルヘキシル、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、セテアリルイソノナノエート、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、(ジカプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール、トリラウリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリヤシ油脂肪酸グリセリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール等が挙げられる。
前記のノニオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド及びアルキルグルコシドから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム等の炭素数8以上の脂肪酸を由来とする脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン塩;N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム等のN-アシルメチルタウリン塩;N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ラウロイルミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等のN-アシル脂肪酸グルタミン酸塩;ジ―2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
前記の増粘ポリマーとしては、例えばキサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
前記のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール等のアルキレングリコール類;重量平均分子量が2000以下のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類等が挙げられる。これらのうち、ナノファイバシートの剛性を確保する観点から、重量平均分子量が2000以下のポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリンが好ましい。
ナノファイバシートの剛性と、笑い皺の隠蔽性との相関を一層高める観点から、前記の化粧料は、上述の各種の不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含むことが好ましく、15質量%以上100質量%以下含むことが更に好ましい。
前記の化粧料に不揮発成分以外の成分、すなわち揮発成分が含まれている場合、該揮発成分としては、25℃における蒸気圧が100Pa超である物質、例えば水、エタノール、軽質イソパラフィン、環状シリコーン、ジメチコンなどが挙げられる。揮発成分は、化粧料中に95質量%以下含まれていてもよく、特に85質量%以下、とりわけ81質量%以下含まれていてもよい。
本発明のナノファイバシートに前記の化粧料を保持させた状態下に剛性を測定する場合、保持率に特に制限はなく、いかなる保持率であっても、上述の剛性を満たすことが好ましい。この理由は、ナノファイバシートの実際の使用場面においては、化粧料の使用量は使用者によってまちまちだからである。尤も、本発明者の検討の結果、ナノファイバシートに前記の化粧料を300質量%以上5000質量%以下、特に400質量%以上4900質量%以下、とりわけ500質量%以上4800質量%以下保持させた状態で剛性を測定することが、ナノファイバシートの剛性と、笑い皺の隠蔽性との相関が高まることが判明した。したがって、この保持率でナノファイバシートに化粧料を保持させることが好ましい。そして、この保持率で保持させた状態のナノファイバシートの剛性が上述した範囲内であることが好ましい。
上述した水添ポリイソブテンで湿潤した状態、又は化粧料を保持させた状態において、ナノファイバシートの剛性を上述の範囲内とするためには、例えばナノファイバシートのナノファイバを構成するポリマーの種類、ナノファイバの繊維径、又はナノファイバシートの厚さなどを制御することが有利であることが本発明者の検討の結果判明した。
ナノファイバの繊維径に関しては、ナノファイバの材質が同じで且つ坪量が同じである場合、一般的に言って繊維径が大きい繊維を用いるほど、ナノファイバシートの剛性は高くなる傾向にある。この観点から、ナノファイバの繊維径は、10nm以上であることが好ましく、500nm以上であることが更に好ましく、1000nm(1μm)以上であることが一層好ましい。また、ナノファイバの繊維径は、3000nm以下であることが好ましく、2500nm以下であることが更に好ましく、2000nm以下であることが一層好ましい。ナノファイバの繊維径は、10nm以上3000nm以下であることが好ましく、500nm以上2500nm以下であることが更に好ましく、1000nm以上2000nm以下であることが一層好ましい。この範囲の繊維径を有するナノファイバは、例えば電界紡糸法によってナノファイバを製造するときの条件を適切に選択することによって得ることができる。ナノファイバの繊維径の測定方法は上述したとおりである。
ナノファイバの材質を利用してナノファイバシートの剛性を制御するには、例えばナノファイバを構成するポリマーとして適切な分子量を有するものを選択することが挙げられる。ナノファイバの繊維径が同じで且つ坪量が同じである場合、一般的に言って分子量が大きいポリマーを用いるほど、ナノファイバシートの剛性は高くなる傾向にある。この観点から、ナノファイバを構成するポリマーの分子量は、重量平均分子量で表して、20000以上であることが好ましく、90000以上であることが更に好ましく、110000以上であることが一層好ましい。また、ナノファイバを構成するポリマーの分子量は、重量平均分子量で表して、200000以下であることが好ましく、180000以下であることが更に好ましく、150000以下であることが一層好ましい。ナノファイバを構成する高分子物質の分子量は、重量平均分子量で表して、20000以上200000以下であることが好ましく、90000以上180000以下であることが更に好ましく、110000以上150000以下であることが一層好ましい。用いられるポリマーの分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量として、以下の条件に従って測定できる。ポリスチレン標準試料としては、重量平均分子量が既知であり且つ重量平均分子量がそれぞれ異なるポリスチレン試料(例えば、東ソー株式会社製の単分散ポリスチレン(型番:F450、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000、A500及びA300))を用いて分子量較正曲線を予め作成し、該較正曲線と測定試料の結果とを比較することによって測定できる。
ナノファイバを構成するポリマーを適切に選択することによってもナノファイバシートの剛性を制御することができる。ポリマーは、ナノファイバシートの具体的な用途に応じて適切なものが用いられる。具体的には、ポリマーは水不溶性ポリマーと水溶性ポリマーとに大別される。本明細書において「水不溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g未満が水に溶解する性質を有するものを言う。一方、本明細書において「水溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1gを秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が水に溶解する性質を有するものを言う。
水不溶性ポリマーとしては、例えば繊維形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで繊維形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン及びカゼイン等のポリペプチド、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、水溶性ポリマーとしては、例えばプルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ-γ-グルタミン酸、変性コーンスターチ、β-グルカン、グルコオリゴ糖、ヘパリン、ケラト硫酸等のムコ多糖、セルロース、ペクチン、キシラン、リグニン、グルコマンナン、ガラクツロン、サイリウムシードガム、タマリンド種子ガム、アラビアガム、トラガントガム、大豆水溶性多糖、アルギン酸、カラギーナン、ラミナラン、寒天(アガロース)、フコイダン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の天然高分子、部分鹸化ポリビニルアルコール(架橋剤と併用しない場合)、低鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子などが挙げられる。これらの水溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した各種のポリマーのうち、ナノファイバシートの剛性を適切なものとする観点から、水不溶性ポリマーとしては、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ乳酸、オレフィン樹脂などを用いることが好ましい。一方、水溶性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、プルランなどを用いることが好ましい。特にナノファイバは、水不溶性ポリマーを主成分とするものであることが、剛性の制御が一層容易になる観点から好ましい。「水不溶性ポリマーを主成分とする」とは、ナノファイバを構成するポリマーに占める水不溶性ポリマーの割合が50質量%を超えていることを言う。ナノファイバを構成するポリマーに占める水不溶性ポリマーの割合は好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上である。
ナノファイバシートの厚みを制御することによってその剛性を制御することに関しては、ナノファイバの材質及び繊維径が同じ場合、一般的に言って厚みが大きいほど、ナノファイバシートの剛性は高くなる傾向にある。この観点から、乾燥状態でのナノファイバシートの厚みは、5.1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることが更に好ましく、15μm以上であることが一層好ましい。また、乾燥状態でのナノファイバシートの厚みは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることが更に好ましく、100μm以下であることが一層好ましい。乾燥状態でのナノファイバシートの厚みは、5.1μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上400μm以下であることが更に好ましく、15μm以上100μm以下であることが一層好ましい。
ナノファイバシートの厚みは、接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL-50A(R5mm超硬球面測定子)を使用して測定できる。測定時にシートに加える荷重は0.01Nとする。
ナノファイバシートの厚みは、該シートの全域にわたってほぼ同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。ナノファイバシートを皮膚に貼付する場合には、ナノファイバシートと皮膚との境界を目立たなくするようにする観点から、ナノファイバシートは、その周縁域から中央域に向かうに連れて厚みが漸次大きくなっていることが好ましい。この場合、最厚部での厚みは5.1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることが更に好ましく、15μm以上であることが一層好ましい。また、最厚部での厚みは500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることが更に好ましく、100μm以下であることが一層好ましい。最厚部での厚みは5.1μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上400μm以下であることが更に好ましく、15μm以上100μm以下であることが一層好ましい。
これまで説明したとおり、本発明のナノファイバシートは、その剛性が制御されたものである。これに加えて本発明のナノファイバシートは、その滑り性が制御されたものでもある。ナノファイバシートの滑り性は、摩擦エネルギーの大小を尺度として評価できる。本発明者の検討の結果、ナノファイバシートの摩擦エネルギーは、先に述べた剛性と同様に、ナノファイバシートに化粧料を保持させた状態で評価することが有利であることが判明した。この理由は、剛性の測定を化粧料の保持状態で行うことと同様である。
保持状態でのナノファイバシートの摩擦エネルギーを測定する場合には、剛性の測定と同様に、上述した化粧料、すなわち不揮発成分を5%以上100%以下含む化粧料を用いることが好ましい。本発明のナノファイバシートに化粧料を保持させた状態下に摩擦エネルギーを測定する場合、保持率に特に制限はない。この理由は、ナノファイバシートの実際の使用場面においては、化粧料の使用量は使用者によってまちまちだからである。尤も、本発明者の検討の結果、ナノファイバシートに化粧料を300質量%以上5000質量%以下、特に400質量%以上4900質量%以下、とりわけ500質量%以上4800質量%以下保持させた状態で摩擦エネルギーを測定することが、ナノファイバシートの滑り性と、笑い皺の隠蔽性との相関が高まることが判明した。したがって、この保持率でナノファイバシートに化粧料を保持させることが好ましい。
ナノファイバシートの摩擦エネルギー(N・s)は、図3に示す方法で測定される。同図に示すとおり、保持状態のナノファイバシート1を人工皮革2の内に載置する。そしてナノファイバシート1上に錘3を載置した状態下に、ナノファイバシート1を引っ張り、そのときの引張力を測定する。この引張力(N)が摩擦力に相当する。測定結果は例えば図4に示すとおりとなる。ナノファイバシート1の引っ張りを6秒間行い、引張力の積分値、すなわち図4に示すグラフの面積を算出し、その値を摩擦エネルギーと定義する。
図3に示す摩擦エネルギーの測定方法において、錘3によってナノファイバシート1に荷重が加わる領域は、引張方向に沿って3.0cm、それに直交する方向に沿って2.5cmの矩形の領域とする。この矩形の領域の全域が人工皮革2と接触する。錘3によってナノファイバシート1に加わる荷重は3.7g/cm(=28g/3.0cm/2.5cm)とする。引張速度は300mm/minとする。
上述の方法で測定された摩擦エネルギーは、保持率が300質量%以上5000質量%以下の範囲内において0.1N・s以上であることが好ましく、0.3N・s以上であることが更に好ましく、0.5N・s以上であることが一層好ましい。また摩擦エネルギーは、5.5N・s以下であることが好ましく、5.0N・s以下であることが更に好ましく、4.5N・s以下であることが一層好ましい。摩擦エネルギーは、0.1N・s以上5.5N・s以下であることが好ましく、0.3N・s以上5.0N・s以下であることが更に好ましく、0.5N・s以上4.5N・s以下であることが一層好ましい。
本発明のナノファイバシートにおいては、不揮発成分を5%以上100%以下含む化粧料を保持させた状態でのナノファイバシートの剛性A(N/mm)と、剛性Aの測定に用いたのと同じ化粧料を、剛性Aの測定に用いたのと同じ保持率で保持させた状態でのナノファイバシートの摩擦エネルギーB(N・s)とが特定の関係を満たすことも、笑い皺の隠蔽性の向上の点から好ましい。具体的には、本発明のナノファイバシートは、AとBとが式(1)に示す関係を満たすことが好ましい。
A≧0.0947B (1)
本発明のナノファイバシートが、上述した摩擦エネルギーBを有するようにするためには、及び摩擦エネルギーBと剛性Aとが上述した関係を満たすようにするためには、例えば上述のように、ナノファイバシートを構成するナノファイバの繊維径や材質、ナノファイバシートの厚みなどを制御することが有利であることが本発明者の検討の結果判明した。
本発明のナノファイバシートは、好適には電界紡糸法によって製造される。電界紡糸法を用いたナノファイバシートの製造方法は、例えば上述した特許文献3や特許文献4に記載されている。電界紡糸法によって製造されたナノファイバは、製造の原理上は無限長の連続繊維となるが、少なくとも繊維の太さの100倍以上の長さを有することが好ましい。本明細書においては、繊維の太さの100倍以上の長さを有する繊維のことを「連続繊維」と定義する。そして、電界紡糸法によって製造されるナノファイバシートは、連続繊維の堆積物からなる多孔性の不連続シートであることが好ましい。このような形態のシートは、1枚のシートとして扱えるだけでなく、非常に柔らかい特徴を持っている。更に、剪断力が加わってもばらばらになりにくいので、皮膚に貼付した状態で身体の動きへ追従しやすいという利点がある。また、皮膚に貼付した場合、シートの完全除去が容易であるという利点もある。これに対して、細孔を有さない連続シートは剥離が容易でなく、また汗の放散性が低いので、皮膚に蒸れが生じる虞がある。また、粒子の集合体からなる多孔性の不連続シートは、シートを完全に除去するために、シート全体に摩擦をかける等の動作が必要となるなど、皮膚へのダメージなく完全除去することは困難である。
ナノファイバシートは、剥離可能な基材上に電界紡糸して作製するか、又は電界紡糸法で他の基材上に形成した後、剥離可能な基材上に積層しておくことが好ましい。基材としては、ポリオレフィン系の樹脂やポリエステル系の樹脂を始めとする合成樹脂製のフィルムを用いることができる。
本発明のナノファイバシートは、好適には美容の目的でヒトの皮膚に貼付されることが好ましく、より好適には皺やシミなどを有する皮膚の部位に、それらの領域よりも広げて貼付され、より好適には皺を有する皮膚の部位にその領域よりも広げて貼付される。このような使用方法によって、皮膚に存在する皺やシミなどを隠蔽することが可能となり、皮膚を見た目に美しくすることができる。皮膚へ貼付する工程に際しては、ナノファイバシートに流動体又は固体を保持させた状態にしておくことが好ましい。このような使用方法によってナノファイバシートと皮膚との密着性を高めることができ、且つ密着状態を長時間にわたって維持できる。ナノファイバシートに流動体又は固体を保持させた状態にするには、例えば、上述した化粧料、すなわち不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を用いることが好ましい。ナノファイバシートにおける化粧料の保持率は、上述したとおり、300質量%以上5000質量%以下であることが好ましい。このような保持状態のナノファイバシート、すなわち化粧料保持ナノファイバシートを皮膚に貼付することで、皮膚に存在する皺又はシミを首尾よく隠蔽することができ、且つ隠蔽状態を長時間にわたって維持することができる。つまり化粧料保持ナノファイバシートを皺又はシミの隠蔽用のシートとして用いることができる。
ナノファイバシートを保持状態にするときには、上述した基材にナノファイバシートを支持した状態で行うことが好ましい。そして、化粧料を保持させたナノファイバシートを皮膚に当接させた後、基材をナノファイバシートから剥離することで、ナノファイバシートを皮膚に転写することが好ましい。このような方法でナノファイバシートを皮膚に貼付することで、ナノファイバシートに皺が寄りづらくなり、ナノファイバシートの貼付部位の見た目をきれいにすることができる。
また上述の方法に代えて、化粧料を皮膚上に施した部位に、基材に支持され且つ乾燥状態のナノファイバシートを当接させ、その後、基材をナノファイバシートから剥離することによって、化粧料を保持した状態のナノファイバシートを皮膚上に転写させることができる。この場合、皮膚上に化粧料を施す量は、皮膚に貼付した後のナノファイバシートに、化粧料が好ましくは300質量%以上5000質量%保持される量とすることが好ましい。このような方法でナノファイバシートを皮膚に貼付することで、ナノファイバシートに皺が寄りづらくなり、ナノファイバシートの貼付部位の見た目をきれいにすることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
積水化学が製造するポリビニルブチラール樹脂(商品名エスレックB)のBX-5(以
下「BX-5」ともいう。)をエタノール(99.5%)に溶解して、11%の溶液を得
た。この溶液を用い、特許文献4の図1に示す電界紡糸法の装置によって、基材層となる
べきフィルムの表面にナノファイバ層を形成した。ナノファイバの製造条件は次のとおり
である。
・印加電圧:30kV
・キャピラリ-コレクタ間距離:220mm
・溶液吐出量:3mL/h
・環境:23℃
基材層となるべきフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:25μm)の一面に、シリコーン剥離処理を施したものであった。ナノファイバ層は、剥離処理面に形成した。形成されたナノファイバ層の厚み及びナノファイバの繊維径を上述の方法で測定した。測定結果を以下の表1に示す。
ナノファイバ層をCAS番号68937-10-0の水添ポリイソブテンを用いて湿潤率2500%に湿潤させた。この操作とは別に、ナノファイバ層に、表3に示す化粧料を保持させた。湿潤率及び保持率は表1及び表2に示すとおりである。湿潤後及び保持後のナノファイバ層の剛性及び摩擦エネルギーを、以下に述べる方法で測定した。その結果を表1に示す。化粧料の組成は表3に示すとおりである。
〔剛性の測定方法〕
ナノファイバシートから幅50mm、長さ80mmの矩形の測定片を切り出す。測定片を湿潤させるか、又は化粧料を保持させた後、株式会社島津製作所製の精密万能試験機AG-Xplusを用いて引張試験を行う。チャック間距離は50mmとし、引張速度は5mm/minとする。引張試験によって得られた応力-歪み曲線の弾性領域の傾きから弾性率を算出する。剛性は、以下の式から算出する。
剛性(N/mm)=弾性率(N/mm)×厚み(mm)
式中、厚みは、湿潤又は化粧料を保持させた状態でのナノファイバシートの厚みのことである。
〔摩擦エネルギーの測定方法〕
ナノファイバシートから幅25mm、長さ50mmの矩形の測定片を切り出す。測定片に化粧料を保持させた後、図3に示すように人工皮革2と錘3との間に配置した。錘3の重さは28gとした。株式会社イマダ製の180°剥離試験機を用いて引張試験を行った。図3において、化粧料を保持させた状態のナノファイバシート1が、人工皮革2と錘3とによって挟まれている領域は、引張方向に沿って30mm、それに直交する方向に沿って25mmの矩形の領域とした。人工皮革2としては、出光テクノファイン株式会社製のサプラーレ(登録商標)PBZ13001BKを用いた。引張速度は300mm/minとした。
〔実施例2ないし12及び比較例1ないし5〕
ナノファイバを構成するポリマーの種類や電界紡糸法の条件を変更して、表1及び表2に示す繊維径のナノファイバからなり、同表に示す厚みのナノファイバシートを製造した。得られたナノファイバシートを実施例1と同様に湿潤及び保持させ、湿潤状態及び保持状態でのナノファイバシートの剛性を測定した。その結果を表1及び表2に示す。なお表2において「BAYCUSAN C2000」で表されるポリマーは、ポリウレタン樹脂(ポリウレタンエタノール溶液:商品名 BAYCUSAN(登録商標) C2000:コベストロジャパン株式会社製)を意味する。
実施例及び比較例で得られたナノファイバシートを、該シートに化粧料を保持させた状態でパネラーの目元に貼付した。貼付状態でのナノファイバシートの笑い皺の隠蔽性、及び視認性を以下の方法で評価した。また、以下の方法で総合評価を行った。それらの結果を表1及び表2に示す。
〔笑い皺の隠蔽性〕
笑い皺の隠蔽性を以下の基準で目視にて評価した。
○:笑うときにシートの不自然なヨレがなく、笑い皺が素肌状態より目立たず、隠蔽性が良好である。
×:笑うときにシートの不自然なヨレがあり、笑い皺は素肌状態より目立ってしまい、隠蔽性が悪い。
〔視認性〕
皮膚に貼付したナノファイバシートの視認性を以下の基準で目視にて評価した。
○:貼付したシートは透明であり、皮膚との色差が目立たず、視認性が良好である。
×:貼付したシートに白みが残っていており、皮膚との色差が不自然に目立ち、視認性が悪い。
〔総合評価〕
前記の隠蔽性及び視認性の各評価に基づいて、以下の基準で総合評価を行った。
○:隠蔽性の評価及び視認性の評価がともに良好であり、笑い皺の隠蔽性に優れる。
△:視認性の評価は悪いが、隠蔽性の評価は良好であり、笑い皺の隠蔽性を有する。
×:隠蔽性の評価が悪く、笑い皺の隠蔽性が悪い。
Figure 0007296293000001
Figure 0007296293000002
Figure 0007296293000003
表1及び表2に示すとおり、湿潤状態において剛性が特定の範囲内であり、且つ剛性と摩擦エネルギーとが特定の関係を有する各実施例のナノファイバシートは、比較例のナノファイバシートに比べて、笑い皺の隠蔽性に優れることが判る。

Claims (9)

  1. ナノファイバの堆積物を含むナノファイバシートであって、
    CAS番号68937-10-0の水添ポリイソブテンで2500質量%に湿潤させたときに、その状態での剛性が0.1N/mm以上であり、
    周縁域から中央域に向かうに連れて厚みが漸次大きくなっており、最厚部での厚みが5.1μm以上であり、
    前記ナノファイバがポリビニルブチラール樹脂を含み、
    以下の式(1)に示す関係を満たすナノファイバシート。
    A≧0.0947B (1)
    式中、Aは、不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を保持させたときに、その状態での前記ナノファイバシートの剛性(N/mm)を表し、
    Bは、不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を保持させたときに、その状態での前記ナノファイバシートの摩擦エネルギー(N・s)を表す。
  2. 不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む前記化粧料を保持させたときに、その状態での剛性が0.1N/mm以上10.0N/mm以下である請求項1に記載のナノファイバシート。
  3. 前記ナノファイバがポリビニルブチラール樹脂を主成分とするものであり、
    前記ナノファイバの円相当直径が10nm以上3000nm以下であり、
    前記ナノファイバシートの厚みが5.1μm以上500μm以下である請求項1又は2に記載のナノファイバシート。
  4. 揮発成分を10質量%以上100質量%以下含む化粧料を保持させたときに、その状態での剛性が0.2N/mm以上3.0N/mm以下であり、
    前記化粧料は、25℃における蒸気圧が100Pa未満である炭化水素油、シリコーン油、高級アルコール、エステル油、界面活性剤及びポリオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分を10質量%以上100質量%以下含有する、請求項3に記載のナノファイバシート。
  5. 前記化粧料をナノファイバシートに対して300質量%以上5000質量%以下保持させたときに、その状態での剛性が0.1N/mm以上10.0N/mm以下である請求項1ないしのいずれか一項に記載のナノファイバシート。
  6. ナノファイバの堆積物を含む、皺又はシミを隠蔽するための化粧料保持ナノファイバシートであって、
    前記ナノファイバがポリビニルブチラール樹脂を含み、
    不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料が300質量%以上5000質量%以下保持されており、
    CAS番号68937-10-0の水添ポリイソブテンで2500質量%に湿潤させたとき、その状態での剛性が0.1N/mm以上であり、
    以下の式(1)に示す関係を満たす化粧料保持ナノファイバシート。
    A≧0.0947B (1)
    式中、Aは、前記化粧料保持ナノファイバシートの剛性(N/mm)を表し、
    Bは、前記化粧料保持ナノファイバシートの摩擦エネルギー(N・s)を表す。
  7. 請求項1ないしのいずれか一項に記載のナノファイバシートの使用方法であって、
    不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を300質量%以上5000質量%以下保持させた前記ナノファイバシートを美容の目的で肌に貼り付ける工程を有する、ナノファイバシートの使用方法。
  8. 請求項1ないしのいずれか一項に記載のナノファイバシートの使用方法であって、
    不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を施した皮膚に、乾燥状態の前記ナノファイバシートを美容の目的で貼り付ける工程を有し、
    前記工程において、前記化粧料が前記ナノファイバシートに300質量%以上5000質量%以下保持されるように前記化粧料を皮膚に施す、ナノファイバシートの使用方法。
  9. 請求項1ないしのいずれか一項に記載のナノファイバシートの製造方法であって、
    ナノファイバシートのナノファイバを構成するポリマーの種類、ナノファイバの繊維径、又はナノファイバシートの厚さを調整するとともに、ナノファイバシートに保持させる化粧料の成分と化粧料の保持率を調整することによって、ナノファイバシートの剛性を0.1N/mm以上10.0N/mm以下とし且つ前記剛性と摩擦エネルギー(N・s)とが以下の式(1)に示す関係を満たすようにする、ナノファイバシートの製造方法。
    A≧0.0947B
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