JP7296292B2 - ナノファイバシート - Google Patents

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Description

本発明はナノファイバシートに関する。また本発明は、該ナノファイバシートの使用方法に関する。
ナノファイバシートは、その構成繊維の微細さを活かして様々な分野、例えば医療分野や化粧料の分野で用いられている。化粧料分野における応用としては、ナノファイバからなる網目構造体に化粧料を保持させた化粧用シート(特許文献1)、ナノファイバシートに着色顔料を含有させた化粧用シート(特許文献2)、及びナノファイバシートの付着方法(特許文献3)が知られている。更に、油剤を含有するシート透明化剤を皮膚に施した後に、水不溶性ポリマーを主成分とする白色のナノファイバシートを皮膚に転写することで、ナノファイバシートの被膜を皮膚表面に形成する方法も知られている(特許文献4)。
特開2008-179629号公報 特開2010-167780号公報 特開2012-12339号公報 特開2018-177804号公報
しかし、ナノファイバシートを皮膚に貼付する場合、貼付箇所に皺があると、毛管力の作用によってナノファイバシートが皺の凹凸に追従した状態で皮膚に密着してしまい、ナノファイバの表面に、皺の凹凸が反映されてしまうことがある。その結果、ナノファイバシートを貼付することに起因して、皺の存在が一層目立つようになることがある。したがって本発明は、皺の隠蔽性が高いナノファイバシートに関する。
前記の課題を解決すべく本発明者は鋭意検討した結果、ナノファイバシートの剛性を制御することで、ナノファイバシートに皺の隠蔽性を付与し得ることを知見した。本発明はこの知見に基づきなされたものであり、ナノファイバの堆積物を含むナノファイバシートであって、CAS番号68937-10-0の水添ポリイソブテンで2500質量%に湿潤させた状態での剛性が0.1N/mm以上であるナノファイバシートに関する。
また本発明は、不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料が300質量%以上5000質量%以下保持されており、剛性が0.1N/mm以上10.0N/mm以下である、皺又はシミの隠蔽用の化粧料保持ナノファイバシートに関する。
更に本発明は、ナノファイバシートの使用方法であって、
不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を300質量%以上5000質量%以下保持させた前記ナノファイバシートを皺又はシミを有する皮膚の部位に貼付する工程を有する、皺又はシミを隠蔽するためのナノファイバシートの使用方法に関する。
更に本発明は、ナノファイバシートの使用方法であって、
不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を施した皮膚に、乾燥状態の前記ナノファイバシートを美容の目的で貼り付ける工程を有し、
前記工程において、前記化粧料が前記ナノファイバシートに300質量%以上5000質量%以下保持されるように前記化粧料を皮膚に施す、ナノファイバシートの使用方法に関する。
また更に本発明は、ナノファイバシートのナノファイバを構成するポリマーの種類、ナノファイバの繊維径、又はナノファイバシートの厚さを調整することによって、ナノファイバシートの剛性を0.1N/mm以上10.0N/mm以下に調整する、ナノファイバシートの製造方法に関する。
本発明のナノファイバシートは、これを皮膚の皺上に貼付した場合に、該皺の凹凸に追従しにくく且つ皮膚への密着性に高いものである。したがって、ナノファイバシートを貼付した部位の表面を平滑にすることができる。しかも平滑な状態を長時間にわたり維持することができる。
図1は、本発明のナノファイバシートを、皮膚に貼付した状態を模式的に示す断面図である。 図2は、従来のナノファイバシートを、皮膚に貼付した状態を模式的に示す断面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明においてナノファイバシートとは、ナノファイバがランダムに堆積してなる繊維シートのことである。ナノファイバとは、その太さを円相当直径で表した場合、一般に10nm以上3000nm以下の繊維である。ナノファイバの太さは、例えば走査型電子顕微鏡観察によって、繊維を10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(例えば、繊維の塊、繊維の交差部分及びポリマー液滴)を除いた繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き繊維径を直接読み取ることで測定することができる。ナノファイバシートは、ナノファイバのみから構成されていることが望ましいが、ナノファイバよりも太い繊維が不可避的にナノファイバシートに微量含まれることは許容される。また、ナノファイバシートは、ナノファイバから構成される単一層の繊維シートであってもよく、あるいはナノファイバから構成される1又は2以上のナノファイバ層と、ナノファイバ以外の繊維から構成される1又は2以上の非ナノファイバ層又は樹脂シート等の非繊維層とが積層されてなる多層繊維シートであってもよい。ナノファイバシートが多層繊維シートである場合、少なくとも一方の面がナノファイバ層であることが、本発明の効果を一層顕著なものにする観点から好ましい。
本発明のナノファイバシートは、その剛性が制御されている点に特徴の一つを有する。具体的には、本発明のナノファイバシートは、湿潤状態での剛性が、これまでに知られているナノファイバシートよりも高くなっている。このことに起因して、本発明のナノファイバシートは、これを皮膚に貼付した場合、図1に示すとおり、皺の凹凸に追従しにくい。その結果、皺上に位置するナノファイバシートの表面に、皺の凹凸形状が反映されづらく、該表面はナノファイバシートが本来有する平滑性が維持されやすい。したがって、本発明のナノファイバシートを貼付した部位では皺が隠蔽されやすくなり、見た目にきれいな皮膚となる。ここで、ナノファイバシートの剛性は、ナノファイバを構成するポリマーの種類、ナノファイバの繊維径、又はナノファイバシートの厚さを調整することで調整可能である。ナノファイバシートの剛性の観点、特にナノファイバシートの剛性を0.1N/mm以上10.0N/mm以下に調整する観点から、例えば、ナノファイバを構成するポリマーの重量平均分子量が100,000以上であることが好ましく、その場合、ナノファイバシートの厚さが10μm以上であることが好ましく、ナノファイバの繊維径が1μm以上であることが好ましい。
このこととは対照的に、剛性が低いナノファイバを皮膚に貼付した場合、その剛性の低さに起因して、図2に示すとおり、ナノファイバシートが皺の凹凸に入り込んで凹凸に追従しやすい。その結果、皺上に位置するナノファイバシートの表面に、皺の凹凸形状が反映されやすい。したがってナノファイバシートを皮膚に貼付することで、却って皺の存在が目立ってしまうことがある。
本発明者の検討の結果、ナノファイバシートの剛性は、これを湿潤させるか、又は後述する化粧料を保持させた状態で評価することが有利であることが判明した。この理由は、例えば先に述べた特許文献3及び4に記載されているとおり、ナノファイバシートを皮膚に貼付する場合には、それに先立ち皮膚又はナノファイバシートを湿潤させるか、又は皮膚上若しくは該シートに後述する化粧料を保持させた状態にしておくことが、皮膚とナノファイバシートとの密着性を高める観点から望ましく、そのような実際の使用形態に合わせた状態でナノファイバシートの剛性を評価することが、皺の隠蔽性との相関が高いことを本発明者が見出だしたことによるものである。
ナノファイバシートを湿潤させるには種々の液体を用いることが可能であるが、本発明者の検討の結果、液体として流動イソパラフィンの一種である水添ポリイソブテンを用いると、ナノファイバシートの剛性と皺の隠蔽性との相関が一層高くなることが判明した。この水添ポリイソブテンは、CAS番号68937-10-0で特定されるものである。CAS番号とは、アメリカ化学会が発行するケミカル・アブストラクツ誌で使用される化合物番号のことであり、CAS番号によって化合物が一意に特定される。CAS番号68937-10-0で特定される水添ポリイソブテンは、日油株式会社から「パームリーム(登録商標)EX」の商品名で入手可能である。
ナノファイバシートの剛性を測定するときの該ナノファイバシートの湿潤の程度、すなわち湿潤率は2500質量%とする。湿潤率は、水添ポリイソブテンの質量/乾燥状態でのナノファイバシートの質量×100で定義される。湿潤率を2500質量%に設定した理由は、この湿潤率でナノファイバシートの剛性を評価することが、皺の隠蔽性との相関が高いことを、本発明者が見出だしたことによるものである。
ナノファイバシートの剛性(N/mm)は、ナノファイバシートの弾性率(N/mm)×ナノファイバシートの厚み(mm)で定義される。ナノファイバシートの弾性率(N/mm)は、引張試験機を用いて測定する。詳細には、引張試験機を用いてナノファイバシートを伸長させて、応力-歪み曲線を得る。弾性率は〔応力/歪み〕で定義される値なので、応力-歪み曲線の傾きを求めることで弾性率が得られる。応力-歪み曲線の傾きは、応力及び歪みが0である位置を原点として算出する。詳細な測定方法は実施例において詳述する。
湿潤状態で測定された本発明のナノファイバシートの剛性は0.1N/mm以上であることが好ましく、0.15N/mm以上であることが更に好ましく、0.25N/mm以上であることが一層好ましい。ナノファイバシートの剛性がこの値以上であることによって、ナノファイバシートを皮膚に貼付した場合に、ナノファイバシートが皺の凹凸に追従しづらくなり、ナノファイバシートの表面が皺の凹凸を反映しづらくなる。剛性の上限値に関しては、5.0N/mm以下であることが好ましく、3.5N/mm以下であることが更に好ましく、3.0N/mm以下であることが一層好ましい。ナノファイバシートの剛性がこの値以下であることによって、ナノファイバシートと皮膚との密着性を十分に高めることができ、長時間にわたって貼付状態が安定的に維持される。ナノファイバシートの剛性は0.1N/mm以上5.0N/mm以下であることが好ましく、0.15N/mm以上3.5N/mm以下であることが更に好ましく、0.25N/mm以上3.0N/mm以下であることが一層好ましい。
本発明のナノファイバシートは、上述した水添ポリイソブテンで湿潤させた状態での剛性が上述のとおりであることに加えて、又はそれに代えて、特定の組成を有する化粧料を保持させた状態での剛性が特定の範囲であることも好ましい。この理由は、ナノファイバシートを皮膚に貼付する実際の場面では、化粧料をナノファイバシートに保持させることが通例であることによるものである。化粧料の組成は、具体的な用途や使用場面に応じて様々であるところ、本発明においては、不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料をナノファイバシートに保持させた状態下に、該ナノファイバシートの剛性を測定することで、ナノファイバシートの剛性と、皺の隠蔽性との相関を高めることが可能となる。
化粧料を保持させた状態でのナノファイバシート(以下。このナノファイバシートのことを「化粧料保持ナノファイバシート」ともいう。)の具体的な剛性の値は、0.1N/mm以上10.0N/mm以下であることが好ましく、0.15N/mm以上6.0N/mm以下であることが更に好ましく、0.2N/mm以上3.0N/mm以下であることが一層好ましい。
本発明において「化粧料」とは美容の目的で皮膚に塗布する製剤のことである。化粧料は液体状、ゲル状、クリーム状、ペースト状等の流動体、並びに半固体状、又は固体状から選ばれる性状を有している。化粧料に含まれる「不揮発成分」とは、25℃における蒸気圧が100Pa未満である物質のことである。なお固体は不揮発成分に包含される。
前記の化粧料に含まれる不揮発成分としては、炭化水素油、シリコーン油、高級アルコール、エステル油から選ばれる油剤、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤から選ばれる界面活性剤、増粘ポリマー、並びにポリオールから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。これらの不揮発性成分の化粧料における含有量は、5質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
前記の炭化水素油としては、例えば流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、n-オクタン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、軽質イソパラフィン、及び流動イソパラフィン等の20℃で液状の炭化水素油、ワセリン、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、水添ポリイソブテン、ポリエチレンワックス、及びポリオレフィンワックス等の20℃で固体あるいは半固体の炭化水素油などが挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を化粧料に含有することができる。
前記のシリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられ、化粧料はこれらから選ばれる1種又は2種以上を含有することができる。
前記の高級アルコールとしては、例えば炭素数12~20の高級アルコールが挙げられ、具体的にはセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
前記のエステル油としては、例えば直鎖又は分岐鎖の脂肪酸と、直鎖又は分岐鎖のアルコール又は多価アルコールからなるエステル、トリグリセリン脂肪酸エステル(トリグリセライド)が挙げられる。具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、ナフタレンジカルボン酸ジエチルヘキシル、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、セテアリルイソノナノエート、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、(ジカプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール、トリラウリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリヤシ油脂肪酸グリセリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル等が挙げられる。
前記のノニオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド及びアルキルグルコシドから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム等の炭素数8以上の脂肪酸を由来とする脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン塩;N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム等のN-アシルメチルタウリン塩;N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ラウロイルミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等のN-アシル脂肪酸グルタミン酸塩;ジ―2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
前記の増粘ポリマーとしては、例えばキサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
前記のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール等のアルキレングリコール類;重量平均分子量が2000以下のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類等が挙げられる。これらのうち、ナノファイバシートの剛性を確保する観点から、重量平均分子量が2000以下のポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリンが好ましい。
ナノファイバシートの剛性と、皺の隠蔽性との相関を一層高める観点から、前記の化粧料は、上述の各種の不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含むことが好ましく、15質量%以上100質量%以下含むことが更に好ましい。
前記の化粧料に不揮発成分以外の成分、すなわち揮発成分が含まれている場合、該揮発成分としては、25℃における蒸気圧が100Pa以上である物質、例えば水、エタノール、軽質イソパラフィン、環状シリコーン、ジメチコンなどが挙げられる。揮発成分は、化粧料中に95質量%以下含まれていてもよく、特に85質量%以下、とりわけ81質量%以下含まれていてもよい。
化粧料保持ナノファイバシートの剛性を測定する場合、保持率に特に制限はなく、いかなる保持率であっても、上述の剛性を満たすことが好ましい。この理由は、ナノファイバシートの実際の使用場面においては、化粧料の使用量は使用者によってまちまちだからである。尤も、本発明者の検討の結果、ナノファイバシートに対して前記の化粧料を300質量%以上5000質量%以下、特に400質量%以上4900質量%以下、とりわけ500質量%以上4800質量%以下保持させた状態で剛性を測定することが、ナノファイバシートの剛性と、皺の隠蔽性との相関が高まることが判明した。したがって、この保持率でナノファイバシートに化粧料を保持させることが好ましい。そして、この保持率で化粧料を保持させた状態での化粧料保持ナノファイバシートの剛性が上述した範囲内であることが好ましい。
上述した水添ポリイソブテンで湿潤した状態、又は化粧料を保持させた状態において、ナノファイバシートの剛性を上述の範囲内とするためには、例えばナノファイバシートを構成するナノファイバの繊維径や材質、ナノファイバシートの厚みなどを制御することが有利であることが本発明者の検討の結果判明した。
ナノファイバの繊維径に関しては、ナノファイバの材質が同じで且つ坪量が同じである場合、一般的に言って繊維径が大きい繊維を用いるほど、ナノファイバシートの剛性は高くなる傾向にある。この観点から、ナノファイバの繊維径は、10nm以上であることが好ましく、500nm以上であることが更に好ましく、1000nm以上であることが一層好ましい。また、ナノファイバの繊維径は、3000nm以下であることが好ましく、2500nm以下であることが更に好ましく、2000nm以下であることが一層好ましい。ナノファイバの繊維径は、10nm以上3000nm以下であることが好ましく、500nm以上2500nm以下であることが更に好ましく、1000nm以上2000nm以下であることが一層好ましい。この範囲の繊維径を有するナノファイバは、例えば電界紡糸法によってナノファイバを製造するときの条件を適切に選択することによって得ることができる。ナノファイバの繊維径の測定方法は上述したとおりである。
ナノファイバの材質を利用してナノファイバシートの剛性を制御するには、例えばナノファイバを構成するポリマーとして適切な分子量を有するものを選択することが挙げられる。ナノファイバの繊維径が同じで且つ坪量が同じである場合、一般的に言って分子量が大きいポリマーを用いるほど、ナノファイバシートの剛性は高くなる傾向にある。この観点から、ナノファイバを構成するポリマーの分子量は、重量平均分子量で表して、20000以上であることが好ましく、90000以上であることが更に好ましく、110000以上であることが一層好ましい。また、ナノファイバを構成するポリマーの分子量は、重量平均分子量で表して、200000以下であることが好ましく、180000以下であることが更に好ましく、150000以下であることが一層好ましい。ナノファイバを構成する高分子物質の分子量は、重量平均分子量で表して、20000以上200000以下であることが好ましく、90000以上180000以下であることが更に好ましく、110000以上150000以下であることが一層好ましい。用いられるポリマーの分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量として、以下の条件に従って測定できる。ポリスチレン標準試料としては、重量平均分子量が既知であり且つ重量平均分子量がそれぞれ異なるポリスチレン試料(例えば、東ソー株式会社製の単分散ポリスチレン(型番:F450、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000、A500及びA300))を用いて分子量較正曲線を予め作成し、該較正曲線と測定試料の結果とを比較することによって測定できる。
ナノファイバを構成するポリマーを適切に選択することによってもナノファイバシートの剛性を制御することができる。ポリマーは、ナノファイバシートの具体的な用途に応じて適切なものが用いられる。具体的には、ポリマーは水不溶性ポリマーと水溶性ポリマーとに大別される。本明細書において「水不溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g未満が水に溶解する性質を有するものを言う。一方、本明細書において「水溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1gを秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が水に溶解する性質を有するものを言う。
水不溶性ポリマーとしては、例えば繊維形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで繊維形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン及びカゼイン等のポリペプチド、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、水溶性ポリマーとしては、例えばプルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ-γ-グルタミン酸、変性コーンスターチ、β-グルカン、グルコオリゴ糖、ヘパリン、ケラト硫酸等のムコ多糖、セルロース、ペクチン、キシラン、リグニン、グルコマンナン、ガラクツロン、サイリウムシードガム、タマリンド種子ガム、アラビアガム、トラガントガム、大豆水溶性多糖、アルギン酸、カラギーナン、ラミナラン、寒天(アガロース)、フコイダン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の天然高分子、部分鹸化ポリビニルアルコール(架橋剤と併用しない場合)、低鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子などが挙げられる。これらの水溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した各種のポリマーのうち、ナノファイバシートの剛性を適切なものとする観点から、水不溶性ポリマーとしては、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ乳酸、オレフィン樹脂などを用いることが好ましい。一方、水溶性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、プルランなどを用いることが好ましい。特にナノファイバは、水不溶性ポリマーを主成分とするものであることが、剛性の制御が一層容易になる観点から好ましい。「水不溶性ポリマーを主成分とする」とは、ナノファイバを構成するポリマーに占める水不溶性ポリマーの割合が50質量%を超えていることを言う。ナノファイバを構成するポリマーに占める水不溶性ポリマーの割合は好ましくは70質量%以上であり、より好ましく80質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上である。
ナノファイバシートの厚みを制御することによってその剛性を制御することに関しては、ナノファイバの材質及び繊維径が同じ場合、一般的に言って厚みが大きいほど、ナノファイバシートの剛性は高くなる傾向にある。この観点から、乾燥状態でのナノファイバシートの厚みは、5.1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることが更に好ましく、15μm以上であることが一層好ましい。また、乾燥状態でのナノファイバシートの厚みは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることが更に好ましく、100μm以下であることが一層好ましい。乾燥状態でのナノファイバシートの厚みは、5.1μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上400μm以下であることが更に好ましく、15μm以上100μm以下であることが一層好ましい。
ナノファイバシートの厚みは、接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL-50A(R5mm超硬球面測定子)を使用して測定できる。測定時にシートに加える荷重は0.01Nとする。
ナノファイバシートの厚みは、該シートの全域にわたってほぼ同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。ナノファイバシートを皮膚に貼付する場合には、ナノファイバシートと皮膚との境界を目立たなくするようにする観点から、ナノファイバシートは、その周縁域から中央域に向かうに連れて厚みが漸次大きくなっていることが好ましい。この場合、最厚部での厚みは5.1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることが更に好ましく、15μm以上であることが一層好ましい。また、最厚部での厚みは500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることが更に好ましく、100μm以下であることが一層好ましい。最厚部での厚みは5.1μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上400μm以下であることが更に好ましく、15μm以上100μm以下であることが一層好ましい。
本発明のナノファイバシートは、好適には電界紡糸法によって製造される。電界紡糸法を用いたナノファイバシートの製造方法は、例えば上述した特許文献3や特許文献4に記載されている。電界紡糸法によって製造されたナノファイバは、製造の原理上は無限長の連続繊維となるが、少なくとも繊維の太さの100倍以上の長さを有することが好ましい。本明細書においては、繊維の太さの100倍以上の長さを有する繊維のことを「連続繊維」と定義する。そして、電界紡糸法によって製造されるナノファイバシートは、連続繊維の堆積物からなる多孔性の不連続シートであることが好ましい。このような形態のシートは、1枚のシートとして扱えるだけでなく、非常に柔らかい特徴を持っている。更に、剪断力が加わってもばらばらになりにくいので、皮膚に貼付した状態で身体の動きへ追従しやすいという利点がある。また、皮膚に貼付した場合、シートの完全除去が容易であるという利点もある。これに対して、細孔を有さない連続シートは剥離が容易でなく、また汗の放散性が低いので、皮膚に蒸れが生じる虞がある。また、粒子の集合体からなる多孔性の不連続シートは、シートを完全に除去するために、シート全体に摩擦をかける等の動作が必要となるなど、皮膚へのダメージなく完全除去することは困難である。
ナノファイバシートは、剥離可能な基材上に電界紡糸して作製するか、又は電界紡糸法で他の基材上に形成した後、剥離可能な基材上に積層しておくことが好ましい。基材としては、ポリオレフィン系の樹脂やポリエステル系の樹脂を始めとする合成樹脂製のフィルムを用いることができる。
本発明のナノファイバシートは、好適には美容の目的でヒトの皮膚に貼付されることが好ましく、より好適には皺やシミなどを有する皮膚の部位に、それらの領域よりも広げて貼付され、より好適には皺を有する皮膚の部位にその領域よりも広げて貼付される。このような使用方法によって、皮膚に存在する皺やシミなどを隠蔽することが可能となり、皮膚を見た目に美しくすることができる。皮膚へ貼付する工程に際しては、ナノファイバシートに流動体又は固体を保持させた状態にしておくことが好ましい。このような使用方法によってナノファイバシートと皮膚との密着性を高めることができ、且つ密着状態を長時間にわたって維持できる。ナノファイバシートに流動体又は固体を保持させた状態にするには、例えば、上述した化粧料、すなわち不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を用いることが好ましい。ナノファイバシートにおける化粧料の保持率は、上述したとおり、300質量%以上5000質量%以下であることが好ましい。このような保持状態のナノファイバシート、すなわち化粧料保持ナノファイバシートを皮膚に貼付することで、皮膚に存在する皺又はシミを首尾よく隠蔽することができ、且つ隠蔽状態を長時間にわたって維持することができる。つまり化粧料保持ナノファイバシートを皺又はシミの隠蔽用のシートとして用いることができる。
ナノファイバシートを保持状態にするときには、上述した基材にナノファイバシートを支持した状態で行うことが好ましい。そして、化粧料を保持させたナノファイバシートを皮膚に当接させた後、基材をナノファイバシートから剥離することで、ナノファイバシートを皮膚に転写することが好ましい。このような方法でナノファイバシートを皮膚に貼付することで、ナノファイバシートに皺が寄りづらくなり、ナノファイバシートの貼付部位の見た目をきれいにすることができる。
また上述の使用方法に代えて、化粧料を皮膚上に施した部位に、基材に支持され且つ乾燥状態のナノファイバシートを当接させ、その後、基材をナノファイバシートから剥離する工程を採用することによって、化粧料を保持した状態のナノファイバシートを皮膚上に転写させることができる。この場合、皮膚上に化粧料を施す量は、皮膚に貼付した後のナノファイバシートに、化粧料が好ましくは300質量%以上5000質量%保持される量とすることが好ましい。このような方法でナノファイバシートを皮膚に貼付することで、ナノファイバシートに皺が寄りづらくなり、ナノファイバシートの貼付部位の見た目をきれいにすることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
ポリウレタンエタノール溶液(商品名:BAYCUSAN(登録商標) C2000 ポリウレタン、以下「PU」ともいう。)をエタノール(99.5%)に溶解して、PU固形分32%の溶液を得た。この溶液を用い、特許文献4の図1に示す電界紡糸法の装置によって、基材層となるべきフィルムの表面にナノファイバ層を形成した。ナノファイバの製造条件は次のとおりである。
・印加電圧:30kV
・キャピラリ-コレクタ間距離:150mm
・溶液吐出量:3mL/h
・環境:23℃
基材層となるべきフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:25μm)の一面に、シリコーン剥離処理を施したものであった。ナノファイバ層は、剥離処理面に形成した。形成されたナノファイバ層の厚み及びナノファイバの繊維径を上述の方法で測定した。測定結果を以下の表1に示す。
ナノファイバ層をCAS番号68937-10-0の水添ポリイソブテンを用いて湿潤率2500%に湿潤させた。この操作とは別に、ナノファイバ層に、表3に示す化粧料を保持させた。保持率は表1に示すとおりである。湿潤後及び保持後のナノファイバ層の剛性を、以下に述べる方法で測定した。その結果を表1に示す。化粧料の組成は表3に示すとおりである。
〔剛性の測定方法〕
ナノファイバシートから幅50mm、長さ80mmの矩形の測定片を切り出す。測定片を湿潤させるか、又は化粧料を保持させた後、株式会社島津製作所製の精密万能試験機AG-Xplusを用いて引張試験を行う。チャック間距離は50mmとし、引張速度は5mm/minとする。引張試験によって得られた応力-歪み曲線の弾性領域の傾きから弾性率を算出する。剛性は、以下の式から算出する。
剛性(N/mm)=弾性率(N/mm)×厚み(mm)
式中、厚みは、湿潤又は化粧料を保持させた状態でのナノファイバシートの厚みのことである。
〔実施例2ないし14並びに比較例1及び2〕
ナノファイバを構成するポリマーの種類や電界紡糸法の条件を変更して、表1及び表2
に示す繊維径のナノファイバからなり、同表に示す厚みのナノファイバシートを製造した
。得られたナノファイバシートを実施例1と同様に表3に示す化粧料を湿潤及び保持させ
、湿潤状態及び保持状態でのナノファイバシートの剛性を測定した。その結果を表1及び
表に示す。なお表1において「BX-5」で表されるポリマーは、積水化学が製造するポ
リビニルブチラール樹脂(商品名エスレックB)のBX-5を意味する。
実施例及び比較例で得られたナノファイバシートを、該シートに化粧料を保持させた状態でパネラーの手の甲に貼付した。手の甲は、20代~30代の女性の目尻に相当する皺を有する部位である。貼付状態でのナノファイバシートの皺隠蔽性、皺隠蔽性の持続時間及び視認性を以下の方法で評価した。また、以下の方法で総合評価を行った。それらの結果を表1及び表2に示す。
〔皺隠蔽性〕
皺の隠蔽性を以下の基準で目視にて評価した。
○:皺が素肌状態より目立たず、皺の隠蔽性が良好である。
×:シート貼付後の皺の状態が素肌状態と変わらないか、又はシートの貼付によって皺が目立ち、皺の隠蔽性が悪い。
〔持続時間〕
化粧料を保持させた状態のナノファイバシートを皮膚に貼り付けてから、皺が素肌レベルにまで戻ったことが目視で認識できるまでの時間を測定した。
〔視認性〕
皮膚に貼付したナノファイバシートの視認性を以下の基準で目視にて評価した。
○:貼付したシートは透明であり、皮膚との色差が目立たず、視認性が良好である。
×:貼付したシートに白みが残っていており、皮膚との色差が不自然に目立ち、視認性が悪い。
〔総合評価〕
前記の隠蔽性及び視認性の各評価に基づいて、以下の基準で総合評価を行った。
○:隠蔽性の評価及び視認性の評価がともに良好であり、皺の隠蔽性に優れる。
△:視認性の評価は悪いが、隠蔽性の評価は良好であり、皺の隠蔽性を有する。
×:隠蔽性の評価が悪く、皺の隠蔽性が悪い。
Figure 0007296292000001
Figure 0007296292000002
Figure 0007296292000003
表1及び表2に示すとおり、湿潤状態において剛性が特定の範囲内である各実施例のナノファイバシートは、比較例のナノファイバシートに比べて、皺隠蔽性に優れ、その持続時間が長いことが判る。

Claims (9)

  1. ナノファイバの堆積物を含むナノファイバシートであって、CAS番号68937-10-0の水添ポリイソブテンで2500質量%に湿潤させたときに、その状態での剛性が0.1N/mm以上であり、
    周縁域から中央域に向かうに連れて厚みが漸次大きくなっており、最厚部での厚みが5.1μm以上であり
    前記ナノファイバがポリウレタン樹脂又はポリビニルブチラール樹脂を含む、ナノファイバシート。
  2. 不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を保持させたときに、その状態での剛性が0.1N/mm以上10.0N/mm以下である請求項1に記載のナノファイバシート。
  3. 前記化粧料をナノファイバシートに対して300質量%以上5000質量%以下保持させたときに、その状態での剛性が0.1N/mm以上10.0N/mm以下である請求項2に記載のナノファイバシート。
  4. 前記ナノファイバがポリウレタン樹脂又はポリビニルブチラール樹脂を主成分とするものである請求項1ないし3のいずれか一項に記載のナノファイバシート。
  5. 前記ナノファイバの円相当直径が10nm以上3000nm以下であり、
    前記ナノファイバシートの厚みが5.1μm以上500μm以下である請求項1ないし4のいずれか一項に記載のナノファイバシート。
  6. 不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料が300質量%以上5000質量%以下保持されており、剛性が0.1N/mm以上10.0N/mm以下であり、
    ナノファイバの堆積物を含み、
    前記ナノファイバがポリウレタン樹脂又はポリビニルブチラール樹脂を含む、皺又はシミの隠蔽用の化粧料保持ナノファイバシート。
  7. 請求項1ないしのいずれか一項に記載のナノファイバシートの使用方法であって、
    不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を300質量%以上5000質量%以下保持させた前記ナノファイバシートを皺又はシミを有する皮膚の部位に貼付する工程を有する、皺又はシミを隠蔽するためのナノファイバシートの使用方法。
  8. 請求項1ないしのいずれか一項に記載のナノファイバシートの使用方法であって、
    不揮発成分を5質量%以上100質量%以下含む化粧料を施した皮膚に、乾燥状態の前記ナノファイバシートを美容の目的で貼り付ける工程を有し、
    前記工程において、前記化粧料が前記ナノファイバシートに300質量%以上5000質量%以下保持されるように前記化粧料を皮膚に施す、ナノファイバシートの使用方法。
  9. 請求項1ないしのいずれか一項に記載のナノファイバシートの製造方法であって、
    ナノファイバシートのナノファイバを構成するポリマーの種類、ナノファイバの直径、又はナノファイバシートの厚さを調整することによって、ナノファイバシートの剛性を0.1N/mm以上10.0N/mm以下に調整する、ナノファイバシートの製造方法。
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