JP7292983B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置におけるモータの制御に関する。
従来、モータを制御する方法として、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御することによってモータを制御するベクトル制御と称される制御方法が知られている。具体的には、回転子の指令位相と回転位相との偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法が知られている。なお、回転子の指令速度と回転速度との偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法も知られている。
ベクトル制御において、モータの巻線に流れる駆動電流は、回転子が回転するためのトルクを発生させる電流成分であるq軸成分(トルク電流成分)と、モータの巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であるd軸成分(励磁電流成分)とにより表される。回転子にかかる負荷トルクの変化に応じてトルク電流成分の値が制御されることによって、回転に必要なトルクが効率的に発生する。この結果、余剰トルクに起因したモータ音の増大や消費電力の増大が抑制される。
ベクトル制御では、回転子の回転位相を決定する構成が必要となる。特許文献1では、回転子が回転することによってモータの各相の巻線に発生する誘起電圧に基づいて回転子の回転位相を決定する構成が述べられている。
巻線に発生する誘起電圧の大きさは、回転子の回転速度が小さいほど小さくなる。巻線に発生する誘起電圧の大きさが回転子の回転位相が決定されるために十分な大きさでない場合は、回転位相が精度良く決定されない可能性がある。即ち、回転子の回転速度が小さいほど、回転子の回転位相を決定する精度が悪くなってしまう可能性がある。
そこで、特許文献2では、回転子の指令速度が所定の回転速度よりも小さい場合は、モータの巻線に予め決められた電流を供給することによってモータを制御する定電流制御が用いられる構成が述べられている。なお、定電流制御においては、位相フィードバック制御と速度フィードバック制御とのいずれも行われない。更に、回転子の指令速度が所定の回転速度以上の場合は、ベクトル制御が用いられる構成が述べられている。
また、従来、画像形成装置において、トナーを収容するトナー容器であって画像形成装置に着脱可能なトナー容器が知られている。特許文献3には、画像形成装置に設けられたモータからの駆動力をトナー容器に伝達する構成として、画像形成装置に設けられた駆動カップリングと、トナー容器に設けられた従動カップリングと、が記載されている。モータによって回転駆動される駆動カップリングが従動カップリングを回転方向に押圧することによって従動カップリングが回転する。このようにしてモータからトナー容器に駆動力が伝達される。
特表2012-509056号公報 特開2005-39955号公報 特開2014-66774号公報
駆動カップリングによる従動カップリングの押圧が開始されると、駆動カップリングを駆動するモータの回転子にかかる負荷トルクは増大する。例えば、モータの制御方式が定電流制御からベクトル制御に切り替わった直後に駆動カップリングによる従動カップリングの押圧が開始される場合、以下の問題が生じる可能性がある。
具体的には、駆動カップリングによる従動カップリングの押圧が開始されて負荷トルクが増大すると、モータの回転子の回転速度は減少する。モータの制御方式が定電流制御からベクトル制御に切り替わった直後にモータの回転子の回転速度が減少すると、モータの回転子の回転位相を高精度に決定することができなくなってしまう可能性がある。その結果、高精度なベクトル制御を行うことができず、モータの制御が不安定になってしまう可能性がある。
上記課題に鑑み、本発明は、モータの制御が不安定になることを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置は、
シートに画像を形成する画像形成装置において、
モータと、
前記モータの駆動力を伝達する第1カップリングと、
前記画像形成装置に対して着脱可能な着脱ユニットであって、当該着脱ユニットに含まれる回転体に前記第1カップリングからの駆動力を伝達する第2カップリングを備える着脱ユニットと、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分の値に基づいて前記巻線に流れる駆動電流を制御するベクトル制御を行う第1制御モードと、予め決められた大きさの電流に基づいて前記巻線に流れる駆動電流を制御する第2制御モードと、を備える制御手段と、
を有し、
前記第1カップリングと前記第2カップリングとの一方は凸部を有し、前記第1カップリングと前記第2カップリングとの他方は前記凸部に対応する凹部を有し、
前記第2カップリングは、前記凸部が前記凹部に嵌合した状態において、前記モータによって回転駆動されている前記第1カップリングによって前記第2カップリングが回転方向に押圧されることによって回転し、
前記制御手段は、前記第2制御モードによって前記モータの駆動を開始し、
前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記回転子の回転速度に対応する値が第1所定値より小さい場合は前記駆動電流を制御する制御モードとして前記第2制御モードを実行し、
前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記モータの駆動が開始されてから所定時間が経過する前に、前記回転子の回転速度に対応する値が前記第1所定値より大きくなることに対応する第1の条件と前記検出手段によって検出されたトルク電流成分の値が第2所定値より大きくなることに対応する第2の条件との両方を満たすと、前記制御モードを前記第2制御モードから前記第1制御モードに切り替え、
前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記モータの駆動が開始されてから所定時間が経過する前に前記第1の条件を満たし且つ前記第2の条件を満たさない場合は、前記制御モードとして前記第2制御モードを実行し、
前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記モータの駆動が開始されてから所定時間が経過すると、前記第1の条件及び前記第2の条件を満たしているか否かにかかわらず、前記制御モードを前記第2制御モードから前記第1制御モードに切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、モータの制御が不安定になることを抑制することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。 前記画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。 A相及びB相から成る2相のモータと、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。 第1実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 指令生成器500の構成を示すブロック図である。 マイクロステップ駆動方式を行う方法の例を示す図である。 現像器314の構成を示す図である。 被駆動カップリング353の構成を示す図である。 駆動カップリング356の構成を示す図である。 駆動カップリング356の回転位相と被駆動カップリング353の回転位相とを示す図である。 駆動カップリング356及び被駆動カップリング353の斜視図である。 モータの回転子にかかる負荷トルク及びモータの回転子の回転速度を示す図である。 制御切替器515の構成を示すブロック図である。 回転速度ω_ref´と閾値ωthとの関係を示す図である。 モータ制御装置157によるモータの制御方法を示すフローチャートである。 速度フィードバック制御を行うモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲が以下の実施の形態に限定される趣旨のものではない。なお、以下の説明においては、モータ制御装置が画像形成装置に設けられる場合について説明するが、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されるわけではない。例えば、記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置等にも用いられる。
〔第1実施形態〕
[画像形成装置]
図1は、本実施形態で用いられるシート搬送装置を有するモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置の形式はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
以下に、図1を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、原稿読取装置200及び画像印刷装置301を有する。
<原稿読取装置>
原稿読取装置200には、原稿を読取位置に給送する原稿給送装置201が設けられている。原稿給送装置201の原稿積載部2に積載された原稿Pは、ピックアップローラ3によって1枚ずつ給送され、その後、給紙ローラ4によって搬送される。給紙ローラ4と対向する位置には、給紙ローラ4に圧接する分離ローラ5が設けられている。分離ローラ5は、該分離ローラ5に所定のトルク以上の負荷トルクがかかると回転する構成となっており、2枚重なった状態で給送された原稿を分離する機能を有する。
ピックアップローラ3と給紙ローラ4は揺動アーム12によって連結されている。揺動アーム12は、給紙ローラ4の回転軸を中心にして回動できるように給紙ローラ4の回転軸によって支持されている。
原稿Pは、給紙ローラ4等によって搬送されて、排紙ローラ11によって排紙トレイ10へ排紙される。なお、図1に示すように、原稿積載部2には、原稿積載部2に原稿が積載されているか否かを検知する原稿セットセンサSS1が設けられている。また、原稿が通過する搬送路には、原稿の先端を検知する(原稿の有無を検知する)シートセンサSS2が設けられている。
原稿読取装置201には、搬送される原稿の第1面の画像を読み取る原稿読取部16が設けられている。原稿読取部16に読み取られた画像情報は、画像印刷装置301へ出力される。
また、原稿読取装置200には、搬送される原稿の第2面の画像を読み取る原稿読取部17が設けられている。原稿読取部17に読み取られた画像情報は、原稿読取部16において説明した方法と同様にして画像印刷装置301へ出力される。
前述の如くして、原稿の読取が行われる。即ち、原稿給送装置201及び読取装置202は、原稿読取装置として機能する。
また、原稿の読取モードとして、第1読取モードと第2読取モードがある。第1読取モードは、上述した方法で搬送される原稿の画像を読み取るモードである。第2読取モードは、読取装置202の原稿ガラス214上に載置された原稿の画像を、一定速度で移動する原稿読取部16によって読み取るモードである。通常、シート状の原稿の画像は第1読取モードで読み取られ、本や冊子等の綴じられた原稿の画像は第2読取モードで読み取られる。
画像印刷装置301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4サイズの普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4サイズの厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等は記録媒体に含まれる。
シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、給紙ローラ303によって給送されて、搬送ローラ306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。また、シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、給紙ローラ305によって給送されて、搬送ローラ307及び306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。
原稿読取装置200から出力された画像信号は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含む光走査装置311に入力される。また、感光体としての感光ドラム309は、帯電器310によって外周面が帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、原稿読取装置200から光走査装置311に入力された画像信号に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。
現像ユニットとしての現像器314は、現像剤担持体としての現像ローラ350を有する。感光ドラム309の外周面に形成された静電潜像は現像ローラ350が担持している現像剤(トナー)によって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位置(転写位置)に設けられた転写部としての転写帯電器315によって記録媒体に転写される。この転写タイミングに合わせて、レジストレーションローラ308は記録媒体を転写位置へ送り込む。
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。
片面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジストレーションローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は、排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。
また、第1面に画像形成された記録媒体がフェースダウンで画像形成装置100の外部へ排紙される場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送される。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に搬送ローラ320の回転が反転することによって、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体が排紙ローラ324を経由して、画像形成装置100の外部へ排出される。
以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。
図2は、画像形成装置100の制御構成の例を示すブロック図である。システムコントローラ151は、図2に示すように、CPU151a、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、画像処理部112、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置157、センサ類159、ACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置157に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが記憶される。
システムコントローラ151は、画像処理部112における画像処理に必要となる、画像形成装置100の内部に設けられた各種装置の設定値データを画像処理部112に送信する。更に、システムコントローラ151は、センサ類159からの信号を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。
高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写帯電器315等)に必要な電圧を供給する。なお、センサ類159には、搬送ローラによって搬送される記録媒体を検知するセンサ等が含まれる。
モータ制御装置157は、CPU151aから出力された指令に応じて、負荷を駆動するモータ509を制御する。なお、図2においては、画像形成装置のモータとしてモータ509のみが記載されているが、実際には、画像形成装置には複数個のモータが設けられている。また、1個のモータ制御装置が複数個のモータを制御する構成であっても良い。更に、図2においては、モータ制御装置が1個しか設けられていないが、実際には、複数個のモータ制御装置が画像形成装置に設けられている。
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいてACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。
システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類(以下、紙種と称する)等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、ユーザが設定した情報を操作部152から受信し、ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数、画像形成動作の進行状況、原稿読取装置201及び画像印刷装置301におけるシートのジャムや重送等に関する情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
前述の如くして、システムコントローラ151は画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。
[モータ制御装置]
次に、本実施形態におけるモータ制御装置について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置は、第1制御モードとしてのベクトル制御と第2制御モードとしての定電流制御とのいずれの制御方法でもモータを制御することができる。なお、以下の説明においては、電気角としての回転位相θ、指令位相θ_ref及び電流の位相等に基づいて以下の制御が行われるが、例えば、電気角が機械角に変換され、当該機械角に基づいて以下の制御が行われてもよい。
<ベクトル制御>
まず、図3及び図4を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置157がベクトル制御を行う方法について説明する。なお、以下の説明におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていない。
図3は、A相(第1相)とB相(第2相)との2相から成るステッピングモータ(以下、モータと称する)509と、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。図3では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義されている。また、図3では、回転子402に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向に沿ってd軸が定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)に沿ってq軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度はθと定義され、回転子402の回転位相は角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。具体的には、ベクトル制御では、巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの、回転座標系における電流成分であって、回転子にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)と巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)とが用いられる。
ベクトル制御とは、回転子の目標位相を表す指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法である。また、回転子の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する方法もある。
図4は、モータ509を制御するモータ制御装置157の構成の例を示すブロック図である。なお、モータ制御装置157は、少なくとも1つのASICで構成されており、以下に説明する各機能を実行する。
図4に示すように、モータ制御装置157は、定電流制御を行う定電流制御器517、ベクトル制御を行うベクトル制御器518を有する。
モータ制御装置157は、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511、モータの巻線に駆動電流を供給するPWMインバータ506等を有する。座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系からq軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、巻線に流れる駆動電流は、回転座標系における電流値であるq軸成分の電流値(q軸電流)とd軸成分の電流値(d軸電流)とによって表される。なお、q軸電流は、モータ509の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータ509の巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流に相当する。モータ制御装置157は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。この結果、モータ制御装置157は、回転子402にかかる負荷トルクに応じてq軸電流を制御することによって、回転子402が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。即ち、ベクトル制御においては、図3に示す電流ベクトルの大きさは、回転子402にかかる負荷トルクに応じて変化する。
モータ制御装置157は、モータ509の回転子402の回転位相θを後述する方法により決定し、その結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU151aは、モータ509の動作シーケンスに基づいて、指令生成器500にモータを駆動する指令として駆動パルスを出力する。なお、モータの動作シーケンス(モータの駆動パターン)は、例えば、ROM151bに格納されており、CPU151aは、ROM151bに格納された動作シーケンスに基づいて駆動パルスを出力する。
指令生成器500は、CPU151aから出力される駆動パルスに基づいて、回転子402の目標位相を表す指令位相θ_refを生成して出力する。なお、指令生成器500の構成については後述する。
減算器101は、モータ509の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差を演算して出力する。
位相制御器502は、偏差Δθを周期T(例えば、200μs)で取得する。位相制御器502は、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)に基づいて、減算器101から取得する偏差Δθが小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、P制御、I制御、D制御に基づいて減算器101から取得する偏差Δθが0になるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。なお、P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。本実施形態における位相制御器502は、PID制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成するが、これに限定されるものではない。例えば、位相制御器502は、PI制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しても良い。なお、本実施形態においては、巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸電流指令値id_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。
モータ509のA相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。また、モータ509のB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。なお、電流検出器507、508が電流を検出する周期は、例えば、位相制御器502が偏差Δθを取得する周期T以下の周期(例えば、25μs)である。
A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換された駆動電流の電流値は、静止座標系における電流値iα及びiβとして、図3に示す電流ベクトルの位相θeを用いて次式によって表される。なお、電流ベクトルの位相θeは、α軸と電流ベクトルとの成す角度と定義される。また、Iは電流ベクトルの大きさを示す。
iα=I*cosθe (1)
iβ=I*sinθe (2)
これらの電流値iα及びiβは、座標変換器511、519及び誘起電圧決定器512に入力される。
座標変換器511は、静止座標系における電流値iα及びiβを、次式によって、回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに変換する。
id= cosθ*iα+sinθ*iβ (3)
iq=-sinθ*iα+cosθ*iβ (4)
座標変換器511は、変換された電流値iqを減算器102に出力する。また、座標変換器511は、変換された電流値idを減算器103に出力する。
減算器102は、q軸電流指令値iq_refと電流値iqとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
また、減算器103は、d軸電流指令値id_refと電流値idとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、PID制御に基づいて、入力される偏差がそれぞれ小さくなるように駆動電圧Vq及びVdを生成する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差がそれぞれ0になるように駆動電圧Vq及びVdを生成して座標逆変換器505に出力する。なお、本実施形態における電流制御器503は、PID制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、電流制御器503は、PI制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しても良い。
座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに逆変換する。
Vα=cosθ*Vd-sinθ*Vq (5)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq (6)
座標逆変換器505は、逆変換された駆動電圧Vα及びVβを誘起電圧決定器512及びPWMインバータ506に出力する。
PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有する。フルブリッジ回路は座標逆変換器505から入力された駆動電圧Vα及びVβに基づくPWM(パルス幅変調)信号によって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータ509の各相の巻線に供給することによって、モータ509を駆動させる。なお、本実施形態においては、PWMインバータはフルブリッジ回路を有しているが、PWMインバータはハーフブリッジ回路等であっても良い。
次に、回転位相θを決定する構成について説明する。回転子402の回転位相θの決定には、回転子402の回転によってモータ509のA相及びB相の巻線に誘起される誘起電圧Eα及びEβの値が用いられる。誘起電圧の値は誘起電圧決定器512によって決定(算出)される。具体的には、誘起電圧Eα及びEβは、A/D変換器510から誘起電圧決定器512に入力された電流値iα及びiβと、座標逆変換器505から誘起電圧決定器512に入力された駆動電圧Vα及びVβとから、次式によって決定される。
Eα=Vα-R*iα-L*diα/dt (7)
Eβ=Vβ-R*iβ-L*diβ/dt (8)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。巻線レジスタンスR及び巻線インダクタンスLの値は使用されているモータ509に固有の値であり、ROM151b又はモータ制御装置157に設けられたメモリ(不図示)等に予め格納されている。
誘起電圧決定器512によって決定された誘起電圧Eα及びEβは位相決定器513に出力される。
位相決定器513は、誘起電圧決定器512から出力された誘起電圧Eαと誘起電圧Eβとの比に基づいて、次式によってモータ509の回転子402の回転位相θを決定する。
θ=tan^-1(-Eβ/Eα) (9)
なお、本実施形態においては、位相決定器513は、式(9)に基づく演算を行うことによって回転位相θを決定したが、この限りではない。例えば、位相決定器513は、ROM151b等に記憶されている、誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβと誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβとに対応する回転位相θとの関係を示すテーブルを参照することによって回転位相θを決定してもよい。
前述の如くして得られた回転子402の回転位相θは、減算器101、座標逆変換器505、座標変換器511、519に入力される。
モータ制御装置157は、ベクトル制御を行う場合は、上述の制御を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態におけるモータ制御装置157は、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を用いたベクトル制御を行う。ベクトル制御を行うことによって、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。
<定電流制御>
次に、本実施形態における定電流制御について説明する。
定電流制御においては、予め決められた電流がモータの巻線に供給されることによって、巻線に流れる駆動電流が制御される。具体的には、定電流制御では、回転子にかかる負荷トルクの変動が起こったとしてもモータが脱調しないように、回転子の回転に必要と想定されるトルクに所定のマージンが加算されたトルクに対応する大きさ(振幅)を持った駆動電流が巻線に供給される。これは、定電流制御では、決定(推定)された回転位相や回転速度に基づいて駆動電流の大きさが制御される構成は用いられない(フィードバック制御が行われない)ので、回転子にかかる負荷トルクに応じて駆動電流を調整できないからである。なお、電流の大きさが大きいほど回転子に与えるトルクは大きくなる。また、振幅は電流ベクトルの大きさに対応する。
以下の説明では、定電流制御中は、予め決められた所定の大きさの電流がモータの巻線に供給されることによってモータが制御されるが、例えば、定電流制御中は、モータの加速中及び減速中のそれぞれに応じて予め決められた大きさの電流がモータの巻線に供給されることによってモータが制御されてもよい。
図4において、指令生成器500は、CPU151aから出力された駆動パルスに基づいて、定電流制御器517に指令位相θ_refを出力する。定電流制御器517は、指令生成器500から出力された指令位相θ_refに対応した、静止座標系における電流の指令値iα_ref及びiβ_refを生成して出力する。なお、本実施形態においては、静止座標系における電流の指令値iα_ref及びiβ_refに対応する電流ベクトルの大きさは常に一定である。
モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507、508によって検出される。検出された駆動電流は、前述したように、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。
減算器102には、A/D変換器510から出力された電流値iαと定電流制御器517から出力された電流指令値iα_refとが入力される。減算器102は、電流指令値iα_refと電流値iαとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
また、減算器103には、A/D変換器510から出力された電流値iβと定電流制御器517から出力された電流指令値iβ_refとが入力される。減算器103は、電流指令値iβ_refと電流値iβとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、入力される偏差が小さくなるように、PID制御に基づいて駆動電圧Vα及びVβを出力する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差が0に近づくように駆動電圧Vα及びVβを出力する。
PWMインバータ506は前述した方法で、入力された駆動電圧Vα及びVβに基づいて、モータ509の各相の巻線に駆動電流を供給してモータ509を駆動させる。
このように、本実施形態における定電流制御では、位相フィードバック制御と速度フィードバック制御とのいずれも行われない。即ち、本実施形態における定電流制御では、巻線に供給する駆動電流が回転子の回転状況に応じて調整されない。したがって、定電流制御では、モータが脱調状態にならないように、回転子を回転させるために必要な電流に所定のマージンが加算された電流が巻線に供給される。
<指令生成器>
図5は、本実施形態における指令生成器500の構成を示すブロック図である。図5に示すように、指令生成器500は、指令速度の代わりとなる回転速度ω_ref´を生成する速度生成器500a及びCPU151aから出力された駆動パルスに基づいて指令位相θ_refを生成する指令値生成器500bを有する。
速度生成器500aは、連続する駆動パルスの立ち下がりエッジの時間間隔に基づいて回転速度ω_ref´を生成して出力する。即ち、回転速度ω_ref´は、駆動パルスの周期に対応する周期で変化する。
指令値生成器500bは、CPU151aから出力される駆動パルスに基づいて、以下の式(10)のようにして指令位相θ_refを生成して出力する。
θ_ref=θini+θstep*n (10)
なお、θiniはモータの駆動が開始されるときの回転子の位相(初期位相)である。また、θstepは、駆動パルス1個当たりのθ_refの増加量(変化量)である。また、nは指令値生成器500bに入力されるパルスの個数である。
{マイクロステップ駆動方式}
本実施形態では、定電流制御において、マイクロステップ駆動方式が用いられる。なお、定電流制御において用いられる駆動方式は、マイクロステップ駆動方式に限定されるわけではなく、例えば、フルステップ駆動方式等の駆動方式であってもよい。
図6は、マイクロステップ駆動方式を行う方法の例を示す図である。図6には、CPU151aから出力される駆動パルス、指令値生成器500bによって生成される指令位相θ_ref、A相及びB相の巻線に流れる電流が示されている。
以下に、図5及び図6を用いて、本実施形態におけるマイクロステップ駆動を行う方法について説明する。なお、図6に示す駆動パルス及び指令位相は、回転子が一定速度で回転している状態を示す。
マイクロステップ駆動方式における指令位相θ_refの進み量は、フルステップ駆動方式における指令位相θ_refの進み量である90°が1/N(Nは正の整数)に分割された量(90°/N)である。この結果、電流波形は図6に示すように正弦波状に滑らかに変化し、その結果、回転子の回転位相θをより細かく制御することができる。
マイクロステップ駆動が行われる場合、指令値生成器500bは、CPU151aから出力された駆動パルスに基づいて、以下の式(11)にようにして指令位相θ_refを生成して出力する。
θ_ref=45°+90/N°*n (11)
このように、指令値生成器500bは、駆動パルスが1個入力されると、指令位相θ_refに90/N°を加算することによって指令位相θ_refを更新する。即ち、CPU151aから出力される駆動パルスの個数は、指令位相に対応する。なお、CPU151aから出力される駆動パルスの周期(周波数)は、モータ509の回転子の目標速度(指令速度)に対応する。
<現像器の構成>
図7は、本実施形態における現像器314の構成を示す図である。
現像器314は、回転体としての現像ローラ350、容器351、ローラ支持部352、第2カップリングとしての被駆動カップリング353及び付勢部材354を有する。
現像ローラ350は、図7におけるY軸に平行な軸を中心に回転するように、容器351に設けられたローラ支持部352によって支持されている。
現像ローラ350の一端には、現像ローラ350と一体に回転する被駆動カップリング353が設けられている。
また、現像ローラ350の一端には、Y軸方向において、被駆動カップリング353を駆動部355へと付勢する付勢部材354が設けられている。
駆動部355は、第1カップリングとしての駆動カップリング356、駆動伝達ギア357及びモータ509を有する。モータ509の駆動力は駆動伝達ギア357を介して駆動カップリング356へと伝達される。
本実施形態では、現像器314は、画像印刷装置301に対して(駆動部355に対して)図7におけるY軸方向に挿抜可能、即ち、着脱可能な着脱ユニットに対応する。
{現像器314の駆動構成}
図8は、被駆動カップリング353の構成を示す図である。被駆動カップリング353は、現像器314が画像印刷装置301に装着される際に挿入される挿入方向(駆動カップリング353から被駆動カップリング356に向かう方向)に突出する凸部としての第1突出部361a、361b、361cを有する。なお、本実施形態では、回転方向における第1突出部361aの中心と回転方向における第1突出部361bの中心との間の回転方向における角度、回転方向における第1突出部361bの中心と回転方向における第1突出部361cの中心との間の回転方向における角度及び回転方向における第1突出部361cの中心と回転方向における第1突出部361aの中心との間の回転方向における角度は等しい。即ち、本実施形態では、回転方向における第1突出部361aの中心と回転方向における第1突出部361bの中心との間の回転方向における角度、回転方向における第1突出部361bの中心と回転方向における第1突出部361cの中心との間の回転方向における角度及び回転方向における第1突出部361cの中心と回転方向における第1突出部361aの中心との間の回転方向における角度は120度である、即ち、第1突出部は回転方向において等間隔に設けられるが、これに限定されるわけではない。また、本実施形態では、被駆動カップリング353は第1突出部を3個有するが、これに限定されるわけではない。即ち、被駆動カップリング353に設けられる第1突出部の数は、1個でもよいし、複数個でもよい。
図9は、駆動カップリング356の構成を示す図である。駆動カップリング356は、挿入方向とは逆方向(駆動カップリング356から被駆動カップリング353に向かう方向)に突出する第2突出部360a、360b、360cを有する。なお、本実施形態では、回転方向における第2突出部360aの中心と回転方向における第2突出部360bの中心との間の回転方向における角度、回転方向における第2突出部360bの中心と回転方向における第2突出部360cの中心との間の回転方向における角度及び回転方向における第2突出部360cの中心と回転方向における第2突出部360aの中心との間の回転方向における角度はすべて等しい。即ち、本実施形態では、回転方向における第2突出部360aの中心と回転方向における第2突出部360bの中心との間の回転方向における角度、回転方向における第2突出部360bの中心と回転方向における第2突出部360cの中心との間の回転方向における角度及び回転方向における第2突出部360cの中心と回転方向における第2突出部360aの中心との間の回転方向における角度は120度である、即ち、第2突出部は回転方向において等間隔に設けられるが、これに限定されるわけではない。また、本実施形態では、駆動カップリング356は第2突出部を3個有するが、これに限定されるわけではない。即ち、駆動カップリング356に設けられる第2突出部の数は、1個でもよいし、複数個でもよい。
図10は、Y軸方向において駆動カップリング356側から被駆動カップリング353を見たときの、駆動カップリング356の回転位相と被駆動カップリング353の回転位相とを示す図である。なお、図10においては、第1突出部361及び第2突出部360の符号a、b、cは省略されている。以下の説明では、第1突出部361及び第2突出部360の符号a、b、cを省略する。
図10(a)及び(b)は、駆動カップリング356の回転方向において、第1突出部361の少なくとも一部が第2突出部362と重なっている様子を示す図である。また、図10(c)は、駆動カップリング356の回転方向において、第1突出部361が第2突出部362と重なっていない様子を示す図である。なお、本実施形態では、駆動カップリング356は図10において反時計回りに回転するが、これに限定されるわけではない。
本実施形態では、現像器314が画像印刷装置301に対して装着されたときの第1突出部361の回転位相は一意に定まっていない。したがって、図10に示すように、現像器314が画像印刷装置301に対して装着されたときに、回転方向において、第1突出部361の少なくとも一部が第2突出部362に重なることや第1突出部361が第2突出部362に重ならないことが生じ得る。
図11は、駆動カップリング356及び被駆動カップリング353の斜視図である。図11(a)は、現像器314が画像印刷装置301に装着されたときに、回転方向において、第1突出部361の少なくとも一部が第2突出部362に重なっている様子を示す斜視図である。また、図11(b)は、現像器314が画像印刷装置301に装着されたときに、回転方向において、第1突出部361が第2突出部362に重なっていない様子を示す斜視図である。
図11(a)に示すように、回転方向において、第1突出部361の少なくとも一部が第2突出部362に重なっている場合、第1突出部361の被規制面365は第2突出部360の規制面364に当接する。なお、被規制面365及び規制面364はY軸方向(挿入方向)に交差する面である。被規制面365及び規制面364は平面であってもよいし曲面であってもよい。
第1突出部361の被規制面365が第2突出部360の規制面364に当接している状態において、被駆動カップリング353は付勢部材354によって駆動カップリング356の方向へ付勢されている。
図11(a)に示す状態において、モータ509の駆動が開始されると、駆動カップリング356は、停止状態の被駆動カップリング353に摺擦しながら(規制面364が被規制面365に摺擦しながら)回転する。つまり、モータ509の駆動力は被駆動カップリング353に伝達されない。
その後、第2突出部360が回転方向において第1突出部361に重ならない位置まで回転すると、被駆動カップリング353は、付勢部材354による付勢力によって、駆動カップリング356に向かう方向へ移動する。この結果、図11(b)に示すように、それぞれの第1突出部361は、回転方向において、第2突出部360の間の凹部370に入り込む。
第1突出部361が凹部370に入り込んだ後に駆動カップリング356が更に回転方向に回転すると、図10(c)に示すように、第2突出部360の当接面362が第1突出部361の被当接面363に当接する。そして、当接面362が被当接面363を回転方向に押圧することによって、被駆動カップリング353は回転方向に回転する。つまり、モータ509の駆動力が被駆動カップリング353に伝達される。
以上のようにして、駆動カップリング356と被駆動カップリング353との連結が行われ、モータ509の駆動力が現像器314に伝達される。なお、当接面362及び被当接面363は曲面であってもよいし平面であってもよい。
<ベクトル制御と定電流制御との切り替え>
駆動カップリング356の駆動が開始されてからモータ509の駆動力が被駆動カップリング353に伝達される状態になるまでの期間(以下、空転期間と称する)Dの長さは、現像器314が画像印刷装置301に装着された時の被駆動カップリング353の位相と駆動カップリング356の位相とによって異なる。具体的には、例えば、図10(c)の状態における空転期間D_cは、図10(b)における空転期間D_bよりも短く、図10(b)の状態における空転期間D_bは、図10(a)における空転期間D_aよりも短い。
図12は、モータの回転子にかかる負荷トルク及びモータの回転子の回転速度を示す図である。なお、図12(b)における時刻t1以前の実際の回転速度(一点鎖線)は、目標速度(実線)と重なった状態である。
図12(a)に示すように、空転期間D、即ち、モータ509の駆動力が被駆動カップリング353に伝達されていない状態においては、駆動カップリング356を駆動するための負荷トルクT1がモータ509の回転子にかかる。そして、空転期間Dが経過した時刻t1、即ち、モータ509の駆動力が被駆動カップリング353に伝達されるようになると、モータ509の回転子にかかる負荷トルクは増大する。これは、停止状態の現像ローラ350を回転させるための負荷トルクがモータ509の回転子に更にかかるからである。この結果、モータの回転子の実際の回転速度が減少する。
モータの制御が定電流制御からベクトル制御に切り替わる時刻tsよりも後の時刻にモータ509の駆動力の被駆動カップリング353への伝達が開始される、即ち、時刻tsが時刻t1よりも後の時刻である場合、以下のことが生じる可能性がある。具体的には、時刻t1において、モータの回転子の実際の回転速度が閾値ωthよりも小さくなってしまい、モータの回転子の回転位相を高精度に決定することができなくなる。その結果、高精度にベクトル制御を行うことができなくなり、モータの制御が不安定になってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、以下の構成が適用されることによって、モータの制御が不安定になることを抑制する。以下に、本実施形態における、モータの制御方法の切り替えについて説明する。
図4に示すように、本実施形態におけるモータ制御装置157は、定電流制御とベクトル制御とを切り替える構成を有する。具体的には、モータ制御装置157は、制御切替器515、切替スイッチ516a、516b、516cを有する。なお、定電流制御が行われている期間中、誘起電圧決定器512、位相決定器513及び座標変換器519は稼働している。ベクトル制御が行われている期間中、定電流制御を行う回路は稼働していても良いし、停止していてもよい。
図13は、制御切替器515の構成を示すブロック図である。図13に示すように、制御切替部515は、第1判定部515a、第2判定部515b及び生成部515cを有する。
以下に、第1判定部515aについて説明する。第1判定部515aには、速度生成器500aから出力された回転速度ω_ref´が入力される。第1判定部515aは、回転速度ω_ref´と閾値ωthとを比較し、比較結果を生成部515cに出力する。
図14は、回転速度ω_ref´と所定速度としての閾値ωthとの関係を示す図である。本実施形態における閾値ωthは、回転位相θが精度よく決定される回転速度のうち最も小さい回転速度ω_minよりも大きい値に設定される。即ち、ベクトル制御においては回転位相θが精度よく決定される。また、定電流制御においても、モータの回転子の回転速度がω_min以上であれば回転位相θが精度よく決定される。
第1判定部515aは、回転速度ω_ref´が閾値ωth以上(ω_ref´≧ωth)である場合は、比較結果として信号A=‘H’を出力する。一方、第1判定部515aは、回転速度ω_ref´が閾値ωth未満(ω_ref´<ωth)である場合は、比較結果として信号A=‘L’を出力する。なお、第1判定部515aは、例えば、CPU151aが回転速度ω_ref´を出力する周期Tと同じ周期で信号Aを出力する。
次に、第2判定部515bについて説明する。第2判定部515bには、座標変換器519から出力された電流値iq´が入力される。電流値iq´は、モータ509の回転子にかかる負荷トルクに対応するパラメータに対応する。
第2判定部515bは、モータの駆動が開始されてから所定時間が経過した後に入力された電流値iq´と所定値としての閾値iqthとを比較し、比較結果を生成部515cに出力する。本実施形態における閾値iqthは、例えば、空転期間Dにおいてモータの回転子にかかる負荷トルクに対応する電流値iqより大きい値に設定される。また、閾値iqthは、例えば、画像形成動作中にモータが現像器314を定速駆動している状態において回転子にかかる負荷トルクに対応する電流値iqより小さい値に設定される。閾値iqthは、例えば、実験によって得られる値である。また、所定時間は、例えば、モータの駆動が開始されてから回転速度ω_ref´がω_minに到達するまでの時間より長い時間である。更に、所定時間は、例えば、モータの駆動が開始されてからモータの駆動力の被駆動カップリング353への伝達が開始されるまでに要する時間のうち最も長い時間、即ち、空転期間Dが最も長い場合の当該空転期間D_maxよりも短い時間である。所定時間は、例えば、実験によって得られる時間である。空転期間D_maxは、モータの駆動が開始されてから回転速度ω_ref´がω_minに到達するまでの時間より長い。
第2判定部515bは、電流値iq´が閾値iqth以上(iq´≧iqth)である場合は、比較結果として信号B=‘H’を出力する。一方、第2判定部515bは、電流値iq´が閾値iqth未満(iq´<iqth)である場合は、比較結果として信号B=‘L’を出力する。なお、第2判定部515bは、モータの駆動が開始されてから所定時間が経過するまでの期間は信号B=‘L’を出力する。また、第2判定部515bは、例えば、CPU151aが回転速度ω_ref´を出力する周期Tと同じ周期で信号Bを出力する。
次に、生成部515cについて説明する。図13に示すように、生成部515cは、時間を計測するタイマ515dを有する。
生成部515cは、定電流制御が行われる場合は切替信号を‘L’にし、ベクトル制御が行われる場合は切替信号を‘H’にする。切替信号は、図4に示すように、切替スイッチ516a、516b、516cに入力される。なお、生成部515cは、例えば、CPU151aが回転速度ω_ref´を出力する周期Tと同じ周期で切替信号を出力する。
定電流制御が実行されている状態において、モータ509の駆動が開始されてから経過した時間t_mが空転期間D_maxよりも長い場合は、生成部515cは信号A及び信号Bに拘わらず切替信号=‘H’を出力する。その結果、切替信号に応じて切替スイッチ516a、516b、516cの状態が切り替わり、ベクトル制御器518によるベクトル制御が行われる。
また、定電流制御が実行されている状態において、時間t_mが空転期間D_max以下で且つ信号A=‘H’、信号B=‘H’である場合は、生成部515cは切替信号=‘H’を出力する。その結果、切替信号に応じて切替スイッチ516a、516b、516cの状態が切り替わり、ベクトル制御器518によるベクトル制御が行われる。
また、定電流制御が実行されている状態において、時間t_mが空転期間D_max以下で且つ信号Aと信号Bとの少なくとも一方が‘L’である場合は、生成部515cは切替信号=‘L’を出力する。その結果、切替スイッチ516a、516b、516cの状態が維持され、定電流制御器517による定電流制御が続行される。
ベクトル制御が実行されている状態において、信号A=‘H’である場合は、生成部515cは切替信号=‘H’を出力する。その結果、切替スイッチ516a、516b、516cの状態が維持され、ベクトル制御器518によるベクトル制御が続行される。
また、ベクトル制御が実行されている状態において、信号A=‘L’である場合は、生成部515cは切替信号=‘L’を出力する。その結果、切替信号に応じて切替スイッチ516a、516b、516cの状態が切り替わり、定電流制御器517による定電流制御が行われる。
図15は、モータ制御装置157によるモータの制御方法を示すフローチャートである。以下に、図15を用いて、本実施形態におけるモータ509の制御について説明する。このフローチャートの処理は、CPU151aからの指示を受けたモータ制御装置157によって実行される。
まず、CPU151aからモータ制御装置157にenable信号‘H’が出力されると、モータ制御装置157はCPU151aから出力される指令に基づいてモータ509の駆動を開始する。enable信号とは、モータ制御装置157の稼働を許可又は禁止する信号である。enable信号が‘L(ローレベル)’である場合は、CPU151aはモータ制御装置157の稼働を禁止する。即ち、モータ制御装置157によるモータ509の制御は終了される。また、enable信号が‘H(ハイレベル)’である場合は、CPU151aはモータ制御装置157の稼働を許可して、モータ制御装置157はCPU151aから出力される指令に基づいてモータ509の制御を行う。
次に、S1001において、生成部515cは、モータ509の駆動が定電流制御器517によって制御される状態になるように切替信号‘L’を出力する。その結果、定電流制御器517による定電流制御が行われる。
その後、S1002において、CPU151aがモータ制御装置157にenable信号‘L’を出力した場合は、モータ制御装置157はモータ509の駆動を終了する。
一方、S1002おいて、CPU151aがモータ制御装置157にenable信号‘H’を出力している場合は、モータ制御装置157は処理をS1003に進める。
次に、S1003において、信号A=‘L’である場合は、処理は再びS1001に戻る。即ち、定電流制御器517による定電流制御が維持される。
一方、S1003において、信号A=‘H’である場合は、処理はS1004に進む。
S1004において、信号B=‘H’である場合は、S1005において、切替スイッチ516a、516b、516cに切替信号‘H’が出力される。この結果、ベクトル制御器517によるベクトル制御が行われる。
一方、S1004において、信号B=‘L’である場合は、処理はS1006に進む。
S1006において、時間t_mがD_maxよりも大きい場合は、処理は再びS1001に戻る。即ち、定電流制御器517による定電流制御が維持される。
一方、S1006において、時間t_mがD_maxよりも大きい場合は、処理はS1005に進む。
S1007において、信号B=‘H’である場合は、処理は再びS1005に戻る。即ち、ベクトル制御器518によるベクトル制御が維持される。
一方、S1007において、信号A=‘L’である場合は、S1001において、切替スイッチ516a、516b、516cに切替信号‘L’が出力される。この結果、定電流制御器517による定電流制御が行われる。
以降、CPU151aがモータ制御装置157にenable信号‘L’を出力するまで、モータ制御装置157は上述の制御を繰り返し行う。なお、ベクトル制御中であっても、CPU151aがモータ制御装置157にenable信号‘L’を出力した場合は、モータ制御装置157はモータの制御を中止する。
以上のように、本実施形態では、モータの駆動力が現像器314に伝達されるようになった後に、モータの制御方法を定電流制御からベクトル制御に切り替える。この結果、モータの制御が不安定になることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、現像器314を回転駆動するモータの制御方法を切り替える構成について説明したが、本実施形態における制御方法を切り替える構成は現像器314にのみ適用されるわけではない。即ち、画像印刷装置301に対して挿抜(着脱)可能であって画像印刷装置301に装着されたときに回転駆動されるユニット(例えば、感光ドラムを含むドラムユニット等)にも、本実施形態における制御方法を切り替える構成は適用される。
また、本実施形態では、被駆動カップリング353に設けられた第1突出部361が駆動カップリング356に設けられた凹部370に嵌合することによって、駆動カップリング356から被駆動カップリング353に駆動力が伝達されたが、この限りではない。例えば、駆動カップリング356に設けられた凸部が被駆動カップリング353に設けられた凹部に嵌合することによって、駆動カップリング356から被駆動カップリング353に駆動力が伝達されてもよい。即ち、駆動カップリング356と被駆動カップリング353との一方が凸部を有し、他方が凹部を有する構成であればよい。
また、本実施形態においては、回転方向における前記突出部361の長さは、回転方向における凹部370の長さよりも短いが、この限りではない。例えば、回転方向における前記突出部361の長さは、回転方向における凹部370の長さと同じ長さでもよい。
本実施形態では、Y軸方向において、被駆動カップリング353を駆動部355へと付勢する付勢部材354が現像ローラ350の一端に設けられたが、この限りではない。例えば、付勢部材354は、Y軸方向において、駆動カップリング356を現像器314へと付勢するように、駆動部355に設けられてもよい。
なお、本実施形態におけるベクトル制御では、位相フィードバック制御を行うことによってモータ509を制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、回転子402の回転速度ωをフィードバックしてモータ509を制御する構成であっても良い。具体的には、図16に示すように、CPU151aが回転子の目標速度を表す指令速度ω_refを出力する。また、モータ制御装置内部に設けられた速度決定器514が位相決定器513から出力された回転位相θの時間変化に基づいて回転速度ωを決定する。速度の決定には、以下の式(12)が用いられる。
ω=dθ/dt (12)
速度制御器600は回転速度ωと指令速度ω_refとの偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_refを生成して出力する構成とする。このような速度フィードバック制御を行うことによって、モータ509を制御する構成であっても良い。このような構成においては回転速度をフィードバックしているため、回転子の回転速度が所定の速度になるように制御することができる。
本実施形態では、第1判定部515aは、回転子の目標速度ω_ref´と閾値ωthとを比較することによって信号Aを出力したが、この限りではない。例えば、第1判定部515aは、図16における速度決定器514によって決定された回転速度ωと閾値ωthとを比較することによって信号Aを出力してもよい。
なお、本実施形態におけるモータ制御装置は、ベクトル制御を行う回路と定電流制御を行う回路とにおいて、一部共有している部分(電流制御器503、504、PWMインバータ506等)があるが、この限りではない。例えば、ベクトル制御を行う回路と定電流制御を行う回路とがそれぞれ独立に設けられている構成であっても良い。
また、回転速度ω_ref´は、例えば、駆動電流iα又はiβ、駆動電圧Vα又はVβ、誘起電圧Eα又はEβ等、回転子402の回転周期と相関のある周期的な信号の大きさが0になる周期に基づいて決定されても良い。
また、本実施形態においては、負荷を駆動するモータとしてステッピングモータが用いられているが、DCモータやブラシレスDCモータ等の他のモータであっても良い。また、モータは2相モータである場合に限らず、3相モータ等の他のモータであっても本実施形態を適用することができる。
また、本実施形態においては、回転子として永久磁石が用いられているが、これに限定されるものではない。
157 モータ制御装置
314 現像器
350 現像ローラ
353 被駆動カップリング353
356 駆動カップリング
360 第2突出部
361 第1突出部
370 凹部
402 回転子
502 位相制御器
507,508 電流検出器
509 モータ
513 位相決定器
519 座標変換器
517 定電流制御器
518 ベクトル制御器

Claims (13)

  1. シートに画像を形成する画像形成装置において、
    モータと、
    前記モータの駆動力を伝達する第1カップリングと、
    前記画像形成装置に対して着脱可能な着脱ユニットであって、当該着脱ユニットに含まれる回転体に前記第1カップリングからの駆動力を伝達する第2カップリングを備える着脱ユニットと、
    前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
    前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分の値に基づいて前記巻線に流れる駆動電流を制御するベクトル制御を行う第1制御モードと、予め決められた大きさの電流に基づいて前記巻線に流れる駆動電流を制御する第2制御モードと、を備える制御手段と、
    を有し、
    前記第1カップリングと前記第2カップリングとの一方は凸部を有し、前記第1カップリングと前記第2カップリングとの他方は前記凸部に対応する凹部を有し、
    前記第2カップリングは、前記凸部が前記凹部に嵌合した状態において、前記モータによって回転駆動されている前記第1カップリングによって前記第2カップリングが回転方向に押圧されることによって回転し、
    前記制御手段は、前記第2制御モードによって前記モータの駆動を開始し、
    前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記回転子の回転速度に対応する値が第1所定値より小さい場合は前記駆動電流を制御する制御モードとして前記第2制御モードを実行し、
    前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記モータの駆動が開始されてから所定時間が経過する前に、前記回転子の回転速度に対応する値が前記第1所定値より大きくなることに対応する第1の条件と前記検出手段によって検出されたトルク電流成分の値が第2所定値より大きくなることに対応する第2の条件との両方を満たすと、前記制御モードを前記第2制御モードから前記第1制御モードに切り替え、
    前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記モータの駆動が開始されてから所定時間が経過する前に前記第1の条件を満たし且つ前記第2の条件を満たさない場合は、前記制御モードとして前記第2制御モードを実行し、
    前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記モータの駆動が開始されてから所定時間が経過すると、前記第1の条件及び前記第2の条件を満たしているか否かにかかわらず、前記制御モードを前記第2制御モードから前記第1制御モードに切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記回転体の回転方向における前記凸部の長さは、前記回転方向における前記凹部の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1カップリングと前記第2カップリングとの一方は複数の凸部を有し、
    前記第1カップリングと前記第2カップリングとの他方には、複数の凹部が前記複数の凸部に対応して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記回転体の回転方向において、前記複数の凸部のそれぞれは等間隔に設けられ、前記回転体の回転方向において、前記複数の凹部のそれぞれは等間隔に設けられていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記凹部は前記第1カップリングに設けられ、前記凸部は前記第2カップリングに設けられることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記着脱ユニットは、前記第2カップリングを前記第1カップリングに向かって付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成装置は、前記第1カップリングを前記第2カップリングに向かって付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記モータと前記第1カップリングとの間にはギアが設けられ、
    前記モータの駆動力は、前記ギアを介して前記第1カップリングに伝達されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記画像形成装置は、感光体を有し、
    前記着脱ユニットは、前記感光体に形成された潜像を現像する現像剤を担持する前記回転体としての現像剤担持体を備える現像ユニットであり、
    前記画像形成装置は、前記現像ユニットによって前記感光体に形成されたトナー像を前記シートに転写する転写部を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置は、現像剤を担持する現像剤担持体を有し、
    前記着脱ユニットは、前記現像剤によって現像されるトナー像を担持する前記回転体としての感光ドラムを備えるドラムユニットであり、
    前記画像形成装置は、前記感光ドラムに形成されたトナー像を前記シートに転写する転写部を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記ベクトル制御は、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように設定された前記トルク電流成分の目標値と前記検出手段によって検出された駆動電流の前記トルク電流成分の値との偏差が小さくなるように、前記駆動電流を制御する制御方式であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記画像形成装置は、前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段を有し、
    前記ベクトル制御は、前記回転子の目標速度を表す指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度位相との偏差が小さくなるように設定された前記トルク電流成分の目標値と前記検出手段によって検出された駆動電流の前記トルク電流成分の値との偏差が小さくなるように、前記駆動電流を制御する制御方式であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記画像形成装置は、前記回転子の回転によって前記巻線に誘起される誘起電圧を前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて決定する誘起電圧決定手段を有し、
    前記位相決定手段は、前記誘起電圧決定手段によって決定された誘起電圧に基づいて、前記回転子の回転位相を決定することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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