図1は、本開示の例示的な実施例によるメモリ装置100及びコントローラ200を示すブロック図であり、図2は、本開示の例示的な実施例によって、図1のメモリ装置100及びコントローラ200が通信する動作の例示を示すタイミング図である。
図1を参照すれば、メモリ装置100は、コントローラ200と通信することができる。メモリ装置100は、コントローラ200から、例えば、書込み(write)コマンド、読出(read)コマンドのようなコマンドCMD及びアドレスADDRを受信し、コントローラ200からデータDATA(すなわち、書込みデータ)を受信するか、コントローラ200にデータDATA(すなわち、読出データ)を送信することができる。また、図1に図示されたように、メモリ装置100は、コントローラ200からレファレンス調節信号ADJを受信することができる。たとえ図1において、コマンドCMD、アドレスADDR、データDATA、及びレファレンス調節信号ADJそれぞれは、分離して図示されているとしても、一部の実施例において、コマンドCMD、アドレスADDR、データDATA、及びレファレンス調節信号ADJのうち、少なくとも2つ以上が同じチャネルを介して伝達される。図1に示されたように、メモリ装置100は、セルアレイ110、電流源回路120、レファレンス抵抗回路130、増幅回路140、制御回路150、及び不揮発性メモリ160を含む。
セルアレイ110は、複数のメモリセルを含む。メモリセルMは、可変抵抗値素子(例えば、図3のMTJ)を含み、可変抵抗値素子は、メモリセルMに保存された値に対応する抵抗値を有する。これにより、メモリ装置100は、抵抗性(resistive)メモリ装置、RRAM(登録商標(Resistive Random Access Memory))(またはReRAM)装置と指称されても良い。例えば、メモリ装置100は、非限定的な例示として、PRAM(Phase Change Random Access Memory)、FRAM(登録商標(Ferroelectric Random Access Memory))のような構造のセルアレイ110を含み、STT-MRAM(Spin-Transfer Torque Magnetic Random Access Memory)、Spin-RAM(Spin Torque Transfer Magnetization Switching RAM)及びSMT-RAM(Spin Momentum Transfer)のようにMRAM(Magnetic Random Access Memory)構造のセルアレイ110を含むことができる。図3に基づいて後述するように、本開示の例示的な実施例は、MRAMを主に参照して説明されるが、本開示の例示的な実施例が、これに限定されないという点に留意せねばならない。
セルアレイ110は、メモリセルMに保存された値の判定に使用されるレファレンスセルRを含むことができる。例えば、図1に図示されたように、セルアレイ110は、ワードラインWLiに共通連結された複数のメモリセルM及びレファレンスセルRを含み、これにより、ワードラインWLiに共通連結された複数のメモリセルM及びレファレンスセルRは、活性化されたワードラインWLiによって同時に選択されても良い。たとえ図1では1つのレファレンスセルRのみ図示されているとしても、一部の実施例において、セルアレイ110は、ワードラインWLiに連結された2以上のレファレンスセルを含むことができる。
電流源回路120は、セルアレイ110に読出電流I_RD及びレファレンス電流I_REFを提供することができる。例えば、電流源回路120は、メモリセルMに読出電流I_RDを提供し、レファレンスセルRにレファレンス電流I_REFを提供することができる。また、電流源回路120は、制御回路150から受信される電流制御信号CCによってレファレンス電流I_REFを調節することができる。電流源回路120の例示は、図6に基づいて後述する。
レファレンス抵抗回路130は、レファレンス電流I_REFが通過する抵抗を提供することができる。例えば、レファレンス抵抗回路130は、第1ノードN1及び第2ノードN2間のレファレンス抵抗値R_REFを有する抵抗を提供することができる。また、レファレンス抵抗回路130は、制御回路150から受信される抵抗制御信号RCによってレファレンス抵抗値R_REFを調節することができる。レファレンス抵抗回路130の抵抗は、セルアレイ110内部で形成される抵抗と互いに異なる特性を有し、一部の実施例において、セルアレイ110内部で形成される抵抗よりも良好な特性、例えば、PVT変動にさらに鈍感な特性を有しても良い。レファレンス抵抗回路130の例示は、図7A及び図7Bに基づいて後述する。
増幅回路140は、読出電圧V_RD及びレファレンス電圧V_REFを受信し、読出電圧V_RD及びレファレンス電圧V_REFに基づいてメモリセルMに保存された値を判定することができる。例えば、増幅回路140は、読出電圧V_RD及びレファレンス電圧V_REFを比較することにより、メモリセルMに保存された値に対応する信号を出力することができる。読出電圧V_RDは、電流源回路120が提供する読出電流I_RDがメモリセルMに含まれた可変抵抗値素子を通過することで発生した電圧降下(voltage drop)を含むことができる。また、読出電圧V_RDは、メモリセルMによる電圧降下のみならず、読出電流I_RDが通過する経路における寄生抵抗(例えば、図5Aのカラムデコーダ170a、ソースラインSLj、ビットラインBLj)によって発生する電圧降下をさらに含んでもよい。
読出電圧V_RDと同様に、レファレンス電圧V_REFは、電流源回路120が提供するレファレンス電流I_REFがレファレンスセルRのみならず、レファレンス電流I_REFが通過する経路の寄生抵抗(例えば、図5Aのカラムデコーダ170a、短絡ソースラインSSL、短絡ビットラインSBL)によって発生する電圧降下を含んでもよい。また、レファレンス電圧V_REFは、レファレンス抵抗回路130で提供するレファレンス抵抗値R_REFによって発生する電圧降下をさらに含んでもよい。これにより、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗回路130のレファレンス抵抗値R_REFを制御することで、レファレンス電圧V_REFが調節され、メモリセルMに保存された値を判定する基準が調節される。
図5Aなどに基づいて後述するように、一部の実施例において、レファレンスセルRは、可変抵抗値素子のような抵抗素子を含まない短絡されたセル(shorted cell)であってもよい。これにより、レファレンス電圧V_REFは、レファレンス抵抗回路130の特性に基づいてPVT変動から鈍感であり、図8などに基づいて後述するように、レファレンス電圧V_REFが正確に決定される場合、メモリ装置100の動作信頼度が向上する。
制御回路150は、電流制御信号CC及び抵抗制御信号RCを介して電流源回路120及びレファレンス抵抗回路130をそれぞれ制御し、不揮発性メモリ160にアクセスすることができる。一部の実施例において、制御回路150は、コントローラ200から受信されるレファレンス調節信号ADJによって電流制御信号CC及び抵抗制御信号RCを生成することができる。例えば、制御回路150は、レファレンス調節信号ADJによってレファレンス電流I_REFを増加させるか、減少させ、レファレンス抵抗回路130のレファレンス抵抗値R_REFを増加させるか、減少させる。結果として、コントローラ200から提供されるレファレンス調節信号ADJによってレファレンス電圧V_REFが調節される。
一部の実施例において、レファレンス電圧V_REFを調節するために、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗回路130の抵抗値のうち、1つは固定される。例えば、レファレンス電流I_REFが固定される場合、制御回路150は、電流制御信号CCを生成せず、レファレンス調節信号ADJによって抵抗制御信号RCを介してレファレンス抵抗回路130の抵抗値を調節することができる。他方、レファレンス抵抗回路130の抵抗値が固定される場合、制御回路150は、抵抗制御信号RCを生成せず、レファレンス調節信号ADJによって電流制御信号CCを介してレファレンス電流I_REFを調節することができる。
不揮発性メモリ160は、レファレンス電圧V_REFに係わる情報を保存することができる。例えば、不揮発性メモリ160は、メモリセルMの読出動作に使用されるレファレンス電流、すなわち、読出レファレンス電流に係わる情報、及びメモリセルMの読出動作に使用されるレファレンス抵抗、すなわち、読出レファレンス抵抗に係わる情報を保存することができる。一部の実施例において、制御回路150は、コントローラ200からレファレンス電圧V_REFの設定を指示するコマンドCMD(または設定コマンド)に応答してレファレンス電圧V_REFに係わる情報を不揮発性メモリ160に書込み、データの読出を指示するコマンドCMD(または、読出コマンド)に応答して不揮発性メモリ160に保存された情報によって電流制御信号CC及び抵抗制御信号RCを生成することができる。一部の実施例において、不揮発性メモリ160は、省略しても良い。例えば、セルアレイ110に含まれたメモリセルのうち、少なくとも一部が、レファレンス電圧V_REFに係わる情報を保存し、制御回路150によってアクセスされる。
コントローラ200は、レファレンストリマ210を含むことができる。レファレンストリマ210は、レファレンス調節信号ADJを介してメモリ装置100のレファレンス電圧V_REFを調節し、調節されたレファレンス電圧V_REFによってメモリセルMを読出した値に基づいてメモリセルMの読出時に使用されるレファレンス電圧V_REF、すなわち、読出レファレンス電圧を決定することができる。
一部の実施例において、レファレンス調節信号ADJは、読出コマンドに同期されて、すなわち、読出コマンドと同時に、あるいは読出コマンドに後続するか、先行して、メモリ装置100に提供されても良い。例えば、図2に図示されたように、コントローラ200は、コマンドCMD、アドレスADDR、及びレファレンス調節信号ADJを介して、時間t1で読出コマンドREAD、第1アドレスA1及び第1オプションOP1をメモリ装置100に提供することができる。メモリ装置100の制御回路150は、第1オプションOP1によって電流制御信号CC及び抵抗制御信号RCを生成し、これにより、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗回路130の抵抗値が決定される。また、読出コマンドREADによって第1アドレスA1に対応するメモリセルM及びレファレンスセルRが選択され、メモリセルMによる読出電圧V_RD、及びレファレンス電流I_REFとレファレンス抵抗回路130のレファレンス抵抗値R_REFによるレファレンス電圧V_REFによってメモリセルMに保存された値が判定される。判定された値は、データDATAを介して第1出力OUT1にコントローラ200に提供されても良い。同様に、時間t2において、コントローラ200の読出コマンドREAD、第2アドレスA2及び第2オプションOP2に応答して、メモリ装置100は、第2出力OUT2をコントローラ200に提供することができる。一部の実施例において、図2とは異なって、レファレンス調節信号ADJは、読出コマンドREADと互いに異なる専用コマンドに同期されてメモリ装置100に提供されても良い。
一部の実施例において、レファレンストリマ210は、既定義の値が書込まれた複数のメモリセルを、単調増加するか、単調減少するレファレンス電圧によって読出し、読出結果に基づいて読出レファレンス電圧を決定することができる。かようにレファレンスセルRが制御されることで、後述されるように、メモリセルMの正確な閾抵抗が導出され、メモリセルMに保存された値は、正確に読出される。また、正確な閾抵抗が迅速に検出され、これにより、抵抗性メモリ装置100の向上した生産性が提供され、抵抗性メモリ装置100の動作環境によって適応的な校正が提供される。
図3は、本開示の例示的な実施例によって、図1のメモリセルMの例示を示す図面であり、図4は、本開示の例示的な実施例によって、図3のメモリセルMが提供する抵抗値の分布を示すグラフである。具体的に、図3は、可変抵抗値素子としてMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子を含むメモリセルM’を示し、図4は、図3の可変抵抗値素子MTJの抵抗値の分布を示す。
図3に図示されたように、メモリセルM’は、ビットラインBLj及びソースラインSLjの間で直列接続された可変抵抗値素子MTJ及びセルトランジスタCTを含むことができる。一部の実施例において、図3に図示されたように、ビットラインBLj及びソースラインSLjの間で可変抵抗値素子MTJ及びセルトランジスタCT順に連結され、一部の実施例において図3とは異なって、ビットラインBLj及びソースラインSLjの間でセルトランジスタCT及び可変抵抗値素子MTJ順に連結されても良い。
可変抵抗値素子MTJは自由層(FL;free layer)及び固定層(PL;pined layer)を含み、自由層FLと固定層PLとの間に障壁層(BL;barrier layer)を含むことができる。図3において矢印で表示されたように、固定層PLの磁化方向は固定されてもよく、一方、自由層FLは、固定層PLの磁化方向と同一であるか、逆の磁化方向を有することができる。固定層PL及び自由層FLが同じ方向の磁化方向を有する場合、可変抵抗値素子MTJは、平行(parallel)状態Pにあると指称され、一方、固定層PL及び自由層FLが互いに逆方向の磁化方向を有する場合、可変抵抗値素子MTJは、反平行(anti-parallel)状態APにあると指称される。一部の実施例において、可変抵抗値素子MTJは、固定層PLが固定された磁化方向を有するように反強磁性層(anti-ferromagnetic layer)をさらに含んでもよい。
可変抵抗値素子MTJは、平行状態Pで相対的に低い抵抗値RPを有し、一方、反平行状態APで相対的に高い抵抗値RAPを有することができる。本明細書において、可変抵抗値素子MTJが低い抵抗値RPを有する場合、メモリセルM’は「0」を保存し、可変抵抗値素子MTJが高い抵抗値RAPを有する場合、メモリセルM’は、「1」を保存するものと仮定される。また、本明細書において、「0」に対応する抵抗値RPは、平行抵抗値RPと指称され、「1」に対応する抵抗値RAPは、反平行抵抗値RAPと指称される。
図4を参照すれば、可変抵抗値素子MTJの抵抗値は、分布を有することができる。例えば、図4に図示されたように、「0」を保存するメモリセルにおいて平行抵抗値RPの分布(または、第1分布)が存在し、「1」を保存するメモリセルにおいて反平行抵抗値RAPの分布(または、第2分布)が存在する。一部の実施例において、図4に図示されたように、反平行抵抗値RAPは、平行抵抗値RPよりも劣化された分布、すなわち、さらに高い分散を有する分布を有することができる。また、図4において点線で表示されたように、多様な原因によって可変抵抗値素子MTJの抵抗値の分布は劣化される。これにより、平行抵抗値RPの分布及び反平行抵抗値RAPの分布を区別するための閾抵抗値RTHの範囲は縮小され、正確な閾抵抗値RTHを決定することが重要である。図8ないし図13に基づいて後述するように、本開示の例示的な実施例によって、レファレンスセルRを制御することで、可変抵抗値素子MTJの抵抗値の分布を推定し、推定された分布に基づいて閾抵抗値RTHを決定することができる。
再び図3を参照すれば、セルトランジスタCTは、ワードラインWLiに連結されたゲート、ソースラインSLj及び可変抵抗値素子MTJに連結されたソース及びドレインを含むことができる。セルトランジスタCTは、ワードラインWLiに印加された信号によって可変抵抗値素子MTJ及びソースラインSLjを電気的に連結するか、遮断することができる。例えば、書込動作においてメモリセルM’に「0」を書込むために、セルトランジスタCTは、ターンオンされ、ビットラインBLjからソースラインSLjに向う電流が可変抵抗値素子MTJ及びセルトランジスタCTを通過することができる。また、メモリセルM’に「1」を書込むために、セルトランジスタCTはターンオンされ、ソースラインSLjからビットラインBLjに向う電流がセルトランジスタCT及び可変抵抗値素子MTJを通過することができる。読出動作において、セルトランジスタCTはターンオンされ、ビットラインBLjからソースラインSLjに向う電流、またはソースラインSLjからビットラインBLjに向う電流、すなわち読出電流I_RDがセルトランジスタCT及び可変抵抗値素子MTJを通過することができる。本明細書で読出電流I_RDはソースラインSLjからビットラインBLjに向けて流れると仮定される。
図5A及び図5Bは、本開示の例示的な実施例によって、図1のメモリ装置100の例示を示すブロック図である。具体的に、図5A及び図5Bは、読出動作でメモリ装置100a、100bを示し、メモリ装置100a、100bにおいて、レファレンス抵抗回路130a、130bは互いに異なって配置されても良い。以下、図5A及び図5Bは、図1に基づいて説明され、図5A及び図5Bに係わる説明において重複される内容は略す。
図5Aを参照すれば、メモリ装置100aは、セルアレイ110a、電流源回路120a、レファレンス抵抗回路130a、増幅回路140a及びカラムデコーダ170aを含むことができる。セルアレイ110aは、ワードラインWLiに共通連結されたメモリセルM及びレファレンスセルRを含むことができる。メモリセルMは、ビットラインBLj及びソースラインSLjにそれぞれ連結され、レファレンスセルRは、短絡ビットラインSBL及び短絡ソースラインSSLにそれぞれ連結されても良い。ビットラインBLj、ソースラインSLj、短絡ビットラインSBL及び短絡ソースラインSSLは、カラムデコーダ170aに延長されても良い。
メモリセルMは、ビットラインBLj及びソースラインSLjの間で直列接続された可変抵抗値素子MTJ及びセルトランジスタCTを含み、一方、レファレンスセルRは、短絡ビットラインSBL及び短絡ソースラインSSLに連結されたセルトランジスタCTを含むことができる。これにより、レファレンスセルRのセルトランジスタCTによって短絡ビットラインSBL及び短絡ソースラインSSLは電気的に短絡されるか、開放され、かように抵抗素子のないレファレンスセルRは、短絡されたセルとして指称されても良い。メモリセルMに連結されたビットラインBLj及びソースラインSLjなどによる電圧降下を補償するために、図5Aに図示されたように、短絡ビットラインSBL及び短絡ソースラインSSLに連結されたレファレンスセルRは、セルアレイ110aに配置されても良い。図5Aに図示されたように、レファレンスセルRは、短絡されたセルであってもよく、これにより、メモリセルMの可変抵抗値素子MTJによる電圧降下は、セルアレイ110aの外部に配置されるレファレンス抵抗素子130aによる電圧降下と比較される。セルアレイ110の空間構造的制約から外れることにより、セルアレイ110aの外部に配置されるレファレンス抵抗素子130aは、可変範囲が広く、PVTなどに鈍感なレファレンス抵抗値R_REFを提供し、これにより、レファレンス電圧V_REFは、正確に調節される。
カラムデコーダ170aは、カラムアドレスCOLによってビットラインBLj、ソースラインSLj、短絡ビットラインSBL及び短絡ソースラインSSLをルーティングすることができる。カラムアドレスCOLは、図1のコントローラ200から受信されたアドレスADDRから生成され、カラムデコーダ170aは、セルアレイ110aで活性化されたワードラインWLiによって選択されたメモリセル及びレファレンスセルのうち、少なくとも一部をカラムアドレスCOLによって選択することができる。例えば、図5Aに図示されたように、カラムデコーダ170aは、メモリセルMのビットラインBLjを負の供給電圧VSSに連結し、ソースラインSLjを電流源回路120aに連結することができる。また、カラムデコーダ170aは、レファレンスセルRの短絡ビットラインSBLをレファレンス抵抗回路130aに連結し、短絡ソースラインSSLを電流源回路120aに連結することができる。これにより、読出電流I_RDはソースラインSLj、メモリセルM及びビットラインBLjを通過して負の供給電圧VSSに流れ、レファレンス電流I_REFは、短絡ソースラインSSL、レファレンスセルR、短絡ビットラインSBL及びレファレンス抵抗回路130aを通過して負の供給電圧VSSに流れる。
増幅回路140aは、電流供給回路120aから読出電流I_RD及びレファレンス電流I_REFが出力されるノードにそれぞれ連結され、ノードの電圧、すなわち読出電圧V_RD及びレファレンス電圧V_REFによって出力信号Qを生成することができる。読出電圧V_RDは、メモリセルMの可変抵抗値素子MTJの抵抗値及び読出電流I_RDによって決定され、一方、レファレンス電圧V_REFは、レファレンス抵抗値R_REF及びレファレンス電流I_REFによって決定される。増幅回路140aは、読出電圧V_RDがレファレンス電圧V_REFよりも高い場合(すなわち、メモリセルMの可変抵抗値素子MTJの抵抗値が閾抵抗値RTHよりも大きい場合)、「1」に対応する出力信号Qを生成し、一方、読出電圧V_RDがレファレンス電圧V_REFよりも低い場合(すなわち、メモリセルMの可変抵抗値素子MTJの抵抗値が閾抵抗値RTHよりも小さい場合)、「0」に対応する出力信号Qを生成することができる。
図5Bを参照すれば、メモリ装置100bは、セルアレイ110b、電流源回路120b、レファレンス抵抗回路130b、増幅回路140b、及びカラムデコーダ170bを含むことができる。図5Aのメモリ装置100aと比較するとき、図5Bのメモリ装置100bは、カラムデコーダ170b及び電流源回路120bの間に配置されたレファレンス抵抗回路130bを含むことができる。これにより、レファレンス電流I_REFは、レファレンス抵抗回路130b、短絡ソースラインSSL、レファレンスセルR、及び短絡ビットラインSBLを通過して負の供給電圧VSSに流れる。以下、本開示の例示的な実施例は、図5Aのメモリ装置100aのように、レファレンス抵抗回路130aがレファレンスセルR及び負の供給電圧VSSの間に配置される例示を主に参照して説明されるが、本開示の例示的な実施例が、これに限定されないという点に留意せねばならない。
図6は、本開示の例示的な実施例による図1の電流源回路120の例示を示す回路図である。図1を参照して前述されたように、図6の電流源回路120’は、読出電流I_RD及びレファレンス電流I_REFを生成し、nが正の整数であるとき、制御回路150’の電流制御信号CC[1:n]によってレファレンス電流I_REFを調節することができる。
図6を参照すれば、電流源回路120’は、正の供給電圧VDDに共通連結されたソースを有する複数のトランジスタP0,P1,P2,...,Pn,Prを含むことができる。複数のトランジスタP0,P1,P2,...,Pn,Prは、PMOSトランジスタであり、電流ミラーを形成することができる。これにより、トランジスタP0に流れる電流I_0及び複数のトランジスタP0,P1,P2,...,Pn,Prそれぞれの大きさによって正の供給電圧VDDから引き出される電流の大きさが決定される。一部の実施例において、トランジスタP0及びトランジスタPrは同じ大きさを有し、これにより、読出電流I_RDは、電流I_0と近似して同じ大きさを有することができる。
レファレンス電流I_REFを生成するn個のトランジスタP1,P2,...,Pnは、電流制御信号CC[1:n]によって制御されるn個のトランジスタPS1,PS2,...,PSnとそれぞれ直列接続され得る。n個のトランジスタPS1,PS2,...,PSnのゲートに電流制御信号CC[1:n]がそれぞれ印加され、これにより、電流制御信号CC[1:n]によってレファレンス電流I_REFの大きさが決定される。例えば、ローレベルの第1電流制御信号CC[1]によってトランジスタPS1がターンオンされる場合、トランジスタP1を通過する電流がレファレンス電流I_REFに含まれ、一方、ハイレベルの第1電流制御信号CC[1]によってトランジスタPS1がターンオフされる場合、トランジスタP1による電流は、レファレンス電流I_REFから除外される。n個のトランジスタP1,P2,...,Pnは、一部の実施例において、同じ大きさを有し、一部の実施例において互いに異なる大きさをも有する。
図7A及び図7Bは、本開示の例示的な実施例によって、図1のレファレンス抵抗回路130の例示を示す回路図である。図1を参照して前述されたように、図7A及び図7Bのレファレンス抵抗回路130a’、130a”は、レファレンス電流I_REFが通過する抵抗を提供し、mが正の整数であるとき、制御回路150a’、150a”の抵抗制御信号RC[1:m]によって抵抗の抵抗値、すなわちレファレンス抵抗値R_REFを調節することができる。図7A及び図7Bのレファレンス抵抗回路130a’、130a”は、図5Aを参照して前述されたように、短絡ソースラインSSL及び負の供給電圧VSSの間にレファレンス抵抗値R_REFを有する抵抗を提供することができる。以下、図7A及び図7Bに係わる説明において重複される内容は略す。
図7Aを参照すれば、レファレンス抵抗回路130a’は、短絡ソースラインSSL及び負の供給電圧VSSの間でそれぞれ直列接続された複数の抵抗R1a,R2a,...,Rma及び複数のトランジスタN1a,N2a,...,Nmaを含むことができる。複数のトランジスタN1a,N2a,...,Nmaのゲートに抵抗制御信号RC[1:m]が印加され、これにより、抵抗制御信号RC[1:m]によってレファレンス抵抗値R_REFが決定される。例えば、ハイレベルの第1抵抗制御信号RC[1]によってトランジスタN1aがターンオンされる場合、第1抵抗R1aによってレファレンス抵抗値R_REFが決定され、一方、ローレベルの第1抵抗制御信号RC[1]によってトランジスタN1aがターンオフされる場合、レファレンス抵抗値R_REFは、第1抵抗R1aとは関係なく決定される。結果として、レファレンス抵抗回路130a’のレファレンス抵抗値R_REFは、複数の抵抗R1a,R2a,...,Rmaのうち、抵抗制御信号RC[1:m]によって選択されたものが、並列接続された等価回路から決定される。
図7Bを参照すれば、レファレンス抵抗回路130a”は、短絡ソースラインSSL及び負の供給電圧VSSの間で直列接続された複数の抵抗R1b,R2b,...,Rmbを含み、複数の抵抗R1b,R2b,...,Rmbとそれぞれ並列接続された複数のトランジスタN1b,N2b,...,Nmbを含むことができる。複数のトランジスタN1b,N2b,...,Nmbのゲートに抵抗制御信号RC[1:m]が印加され、これにより、抵抗制御信号RC[1:m]によってレファレンス抵抗値R_REFが決定される。例えば、ローレベルの第1抵抗制御信号RC[1]によってトランジスタN1bがターンオフされる場合、レファレンス抵抗値R_REFは、第1抵抗R1bの抵抗値を含み、一方、ハイレベルの第1抵抗制御信号RC[1]によってトランジスタN1bがターンオンされる場合、レファレンス抵抗値R_REFは、トランジスタN1bのターンオン抵抗が近似して零(zero)である時、第1抵抗R1bを含まない。結果として、レファレンス抵抗回路130a”のレファレンス抵抗値R_REFは、複数の抵抗R1b,R2b,...,Rmbのうち、抵抗制御信号RC[1:m]によって選択されたものが直列接続された等価回路から決定される。
図8は、本開示の例示的な実施例によってレファレンスセルを制御する方法を示す順序図である。図8に図示されたように、レファレンスセルを制御する方法は、複数の段階(S200、S400、S600、S800)を含む。一部の実施例において、図8の方法は、図1のメモリ装置100に含まれたレファレンスセルRを制御するために、レファレンストリマ210を含むコントローラ200によって行われ、以下で図8は、図1を参照して説明される。
段階S200において、複数のメモリセルに同じ値を書込む動作が行われ得る。例えば、複数のメモリセルに「0」を書込むか、「1」を書込む動作が行われても良い。複数のメモリセルに書込む値によって後続する段階S400でレファレンス電圧を制御する方式が決定される。複数のメモリセルに「0」を書込む例示は、図9Aに基づいて後述され、複数のメモリセルに「1」を書込む例示は、図9Bに基づいて後述される。
段階S400において、単調増加または単調減少するレファレンス電圧を生成する動作が行われ得る。例えば、段階S200において、可変抵抗値素子の平行抵抗値RPに対応する「0」を複数のメモリセルに書き込んだ場合、最小レファレンス電圧から単調増加するレファレンス電圧が生成され得る。他方、段階S200において可変抵抗値素子の反平行抵抗値RAPに対応する「1」を複数のメモリセルに書き込んだ場合、最大レファレンス電圧から単調減少するレファレンス電圧が生成され得る。
段階S600において、レファレンス電圧それぞれから複数のメモリセルを読出す動作が行われ得る。例えば、単調増加するレファレンス電圧それぞれから複数のメモリセルを読出す動作が行われ、または、単調減少するレファレンス電圧それぞれから複数のメモリセルを読出す動作が行われ得る。段階S200ないし段階S600の例示は、図9A及び図9Bに基づいて後述する。
段階S800において、読出結果に基づいて読出レファレンス電圧を決定する動作が行われ得る。一部の実施例において、「0」に書込まれた複数のメモリセルを単調増加するレファレンス電圧それぞれから読出した結果から、可変抵抗値素子の平行抵抗値RPの分布(または、第1分布)が推定され得る。一部の実施例において、「1」に書込まれた複数のメモリセルを単調減少するレファレンス電圧それぞれから読出した結果から、可変抵抗値素子の反平行抵抗値RAPの分布(すなわち、第2分布)が推定される。推定された分布のうち、少なくとも1つに基づいて閾抵抗値RTHが決定され、閾抵抗値RTHから読出レファレンス電圧が決定される。段階S800の例示は、図10ないし図13に基づいて後述する。
図9A及び図9Bは、本開示の例示的な実施例によって、図8の段階S200ないし段階S600の例示を示す順序図である。図8を参照して前述されたように、図9A及び図9Bの段階S200a及び段階S200bで複数のメモリセルに同じ値を書込む動作が行われ、段階S400a及び段階S400bで単調増加または単調減少するレファレンス電圧を生成する動作が行われ、段階S600a及び段階S600bでレファレンス電圧それぞれから複数のメモリセルを読出す動作が行われ得る。以下、図9A及び図9Bは、図1及び可変抵抗値素子の抵抗値の分布を示す図4に基づいて説明され、図9A及び図9Bに係わる説明において重複される内容は略す。
図9Aを参照すれば、段階S200aにおいて複数のメモリセルに「0」を書込む動作が行われ得る。例えば、コントローラ200は、書込みを指示するコマンドCMD、複数のメモリセルに対応するアドレスADDR、「0」を含むデータDATAをメモリ装置100に伝送することができる。これにより、複数のメモリセルは、図4の平行抵抗値RP分布のように分布された抵抗値を有することができる。一部の実施例において、セルアレイ110において1つのワードラインWLiに連結された複数のメモリセルに「0」が書込まれても良い。
段階S400aは、段階S420a及び段階S440aを含むことができる。段階S420aにおいて、最小レファレンス電流及び最小レファレンス抵抗を設定する動作が行われる。例えば、コントローラ200は、最小レファレンス電流及び最小レファレンス抵抗に対応するレファレンス調節信号ADJをメモリ装置100に伝送し、メモリ装置100の制御回路150は、レファレンス調節信号ADJに応答して電流制御信号CC及び抵抗制御信号RCを生成することで、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFを最小値としてそれぞれ設定することができる。これにより、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFによって決定されるレファレンス電圧V_REFは最小値を有し、レファレンス電圧V_REFに対応する閾抵抗値RTHは平行抵抗値RPの分布の平均よりも低い。
一部の実施例において、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFは、最小値として設定されないこともある。例えば、平行抵抗値RPの分布の変動に基づいて、平行抵抗値RPの分布が有する平均よりも低い閾抵抗値RTHに対応するレファレンス電圧V_REFのための、任意のレファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFが設定されても良い。図9Aに図示されたように、段階S420aに後続して段階S620aが行われ得る。
段階S620aにおいて、複数のメモリセルを読出す動作が行われ得る。例えば、コントローラ200は、読出を指示するコマンドCMD及び複数のメモリセルに対応するアドレスADDRをメモリ装置100に伝送することができる。一部の実施例において、図2を参照して前述されたように、読出のためのコマンドCMD及びアドレスADDRは、段階S420aの最小レファレンス電流及び最小レファレンス抵抗の設定のためのレファレンス調節信号ADJと同期してメモリ装置100に伝送されても良い。メモリ装置100は、設定された最小レファレンス電流及び最小レファレンス抵抗による最小レファレンス電圧を使用して「0」が書込まれたメモリセルを読出した結果を含むデータDATAをコントローラ200に伝送することができる。
段階S640aにおいて、読出結果に含まれた「0」の個数に基づいて複数のメモリセルの読出動作の再実行如何を判断する動作が行われ得る。例えば、図9Aに図示されたように、コントローラ200のレファレンストリマ210は、メモリ装置100から受信されたデータDATAに含まれた「0」の個数、すなわち、保存された値が「0」と読出されたメモリセルの個数を既定の値「X」と比較することができ(X>0)、「0」の個数が「X」以上である場合、レファレンス電流とレファレンス抵抗の設定及び複数のメモリセルに係わる読出を中断し、一方、そうではない場合、段階S440aが後続して行われ得る。すなわち、「0」が書込まれた複数のメモリセルのうち、既定の個数のメモリセルから「0」が読出されるまで、レファレンス電流I_REFとレファレンス抵抗値R_REFとの設定動作及び複数のメモリセルに係わる読出動作が繰り返され得る。一部の実施例において、「X」は、「0」が書込まれたメモリセルの個数と一致することもでき、一部の実施例において「X」は、「0」が書込まれたメモリセルの個数の半分であることもできる。
段階S440aにおいて、増加されたレファレンス電流及び/または増加されたレファレンス抵抗を設定する動作が行われ得る。例えば、コントローラ200は、増加されたレファレンス電流及び/または増加されたレファレンス抵抗に対応するレファレンス調節信号ADJをメモリ装置100に伝送し、メモリ装置100の制御回路150は、レファレンス調節信号ADJに応答して電流制御信号CC及び/または抵抗制御信号RCを生成することで、増加されたレファレンス電流I_REF及び増加されたレファレンス抵抗値R_REFを設定することができる。これにより、レファレンス電圧V_REFも増加し、レファレンス電圧V_REFに対応する閾抵抗値RTHは、図4の平行抵抗値RPの分布から右側に移動することができる。
段階S440a及び段階S600aが繰り返される場合、漸進的に増加するレファレンス電圧V_REFによって閾抵抗値RTHが平行抵抗値RPの分布から右側に移動することができる。これにより、閾抵抗値RTHが平行抵抗値RPの分布の左側から右側に移動する過程で平行抵抗値RPの分布が推定される。段階S600aに後続して分布を推定し、該推定された分布から読出レファレンス電圧を決定する動作、すなわち、図8の段階S800の例示は、図10ないし図13に基づいて後述する。
図9Bを参照すれば、段階S200bにおいて複数のメモリセルに「1」を書込む動作が行われ得る。これにより、複数のメモリセルは、図4の反平行抵抗値RAP分布のように分布された抵抗値を有することができる。
段階S400bは段階S420b及び段階S440bを含むことができる。段階S420bで、最大レファレンス電流及び最大レファレンス抵抗を設定する動作が行われる。例えば、コントローラ200は最大レファレンス電流及び最大レファレンス抵抗に対応するレファレンス調節信号ADJをメモリ装置100に伝送し、メモリ装置100の制御回路150は、レファレンス調節信号ADJに応答して電流制御信号CC及び抵抗制御信号RCを生成することで、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFを最大値としてそれぞれ設定することができる。これにより、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFによって決定されるレファレンス電圧V_REFは最大値を有し、レファレンス電圧V_REFに対応する閾抵抗値RTHは反平行抵抗値RAPの分布の平均よりも高い。
一部の実施例において、レファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFは、最大値として設定されないこともある。例えば、反平行抵抗値RAPの分布の変動に基づいて、反平行抵抗値RAPの分布が有する平均よりも高い閾抵抗値RTHに対応するレファレンス電圧V_REFのための、任意のレファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFが設定されても良い。図9Bに図示されたように、段階S420bに後続して段階S620bが行われ得る。
段階S620bにおいて、複数のメモリセルを読出す動作が行われ得る。これにより、メモリ装置100は、設定された最大レファレンス電流及び最大レファレンス抵抗による最大レファレンス電圧を使用して「1」が書込まれたメモリセルを読出した結果を含むデータDATAをコントローラ200に伝送することができる。
段階S640bにおいて、読出結果に含まれた「1」の個数に基づいて複数のメモリセルの読出動作の再実行如何を判断する動作が行われ得る。例えば、図9Bに図示されたように、コントローラ200のレファレンストリマ210は、メモリ装置100から受信されたデータDATAに含まれた「1」の個数、すなわち保存された値が「1」として読出されたメモリセルの個数を既定の値「Y」と比較することができ(Y>0)、「1」の個数が「Y」以上である場合、レファレンス電流とレファレンス抵抗の設定及び複数のメモリセルに係わる読出を中断し、一方、そうではない場合、段階S440bが後続して行われ得る。すなわち、「1」が書込まれた複数のメモリセルのうち、既定の個数のメモリセルから「1」が読出されるまで、レファレンス電流I_REFとレファレンス抵抗値R_REFとの設定動作及び複数のメモリセルに係わる読出動作が繰り返され得る。一部の実施例において、「Y」は、「1」が書込まれたメモリセルの個数と一致することもでき、一部の実施例において、「Y」は、「1」が書込まれたメモリセルの個数の半分であることもできる。
段階S440bにおいて、減少したレファレンス電流及び/または減少したレファレンス抵抗を設定する動作が行われ得る。これにより、レファレンス電圧V_REFも減少し、レファレンス電圧V_REFに対応する閾抵抗値RTHは、図4の反平行抵抗値RAPの分布から左側に移動する。
段階S440b及び段階S600bが繰り返される場合、漸進的に減少するレファレンス電圧V_REFによって閾抵抗値RTHが反平行抵抗値RAPの分布から左側に移動する。これにより、図9Aの例示と同様に、閾抵抗値RTHが反平行抵抗値RAPの分布の右側から左側に移動する過程で反平行抵抗値RAPの分布が推定されても良い。
図10は、本開示の例示的な実施例によって、図8の段階S800の例示を示す順序図であり、図11は、本開示の例示的な実施例によって、図10の段階S800aによって閾抵抗値が決定される動作の例示を示すグラフである。具体的に、図10の段階S800aは、図9Aを参照して前述されたように「0」に書込まれた複数のメモリセルから導出された閾抵抗値RTH及び図9Bを参照して前述されたように「1」に書込まれた複数のメモリセルから導出された閾抵抗値RTHが準備された後、行われ得る。図8を参照して前述されたように、図10の段階S800aで、レファレンス電圧それぞれから読出された結果に基づいて読出レファレンス電圧を決定する動作が行われ得る。
段階S820aにおいて、平行抵抗値RPの分布及び反平行抵抗値RAPの分布を推定する動作が行われ得る。例えば、図9Aの例示で導出された閾抵抗値RTHが平行抵抗値RPの分布の平均RP’と推定される。一部の実施例において、「0」が書込/読出される、メモリセルの個数が相対的に多い場合、メモリセルの半分以上から「0」が読出されるか否かが判断され(すなわち、図9Aの「X」が「0」が書込まれたメモリセルの個数の半分である場合)、そのような場合の閾抵抗値RTHが平行抵抗値RPの分布の平均と推定される。一部の実施例において、「0」が書込/読出される、メモリセルの個数が相対的に少ない場合、全メモリセルから「0」が読出されるか否かが判断され(すなわち、図9Aの「X」が、「0」が書込まれたメモリセルの個数と一致する場合)、そのような場合の閾抵抗値RTHが平行抵抗値RPの分布の平均と推定される。同様に、図9Bの例示で導出された閾抵抗値RTHが反平行抵抗値RAPの分布の平均RAP’と推定される。一部の実施例において、「1」が書込/読出される、メモリセルの個数が相対的に多い場合、図9Bの「Y」は、「1」が書込まれたメモリセルの個数の半分であり、一部の実施例において、「1」が書込/読出される、メモリセルの個数が相対的に少ない場合、図9Bの「Y」は、「1」が書込まれたメモリセルの個数と一致する。これにより、図11に図示されたように、段階S820aによって平行抵抗値RPの分布及び反平行抵抗値RAPの分布の位置が平行抵抗値RPの平均RP’及び反平行抵抗値RAPの平均RAP’によって推定される。かように平均を推定することで、抵抗値の分布が迅速に推定される。
段階S840aにおいて、平行抵抗値RPの分布及び反平行抵抗値RAPの分布から閾抵抗値RTHを計算する動作が行われる。一部の実施例において、推定された分布の標準偏差に基づいたオフセットが平均に反映され、オフセットが反映された結果から閾抵抗値RTHが計算される。標準偏差は、可変抵抗値素子(例えば、図3のMTJ)のテストによって予め導出され、推定された平均に標準偏差が反映されることにより、さらに正確に閾抵抗値RTHが決定される。例えば、図11に図示されたように、a及びbが零(zero)よりも大きいとき、平行抵抗値RPの平均RP’に標準偏差σPに比例するオフセットa・σPが加算される。また、反平行抵抗値RAPの平均RAP’に標準偏差σAPに比例するオフセットb・σAPが減算される。これにより、閾抵抗値RTHは、平均(RP’、RAP’)に標準偏差σA、σAPが反映された値(RP’+a・σP、RAP’-b・σAP)を因子として有する関数fによって計算される。一部の実施例において、メモリセルの読出のための閾抵抗値RTHは、下の数式(1)のように計算される。
段階S860aにおいて、読出レファレンス電流及び/または読出レファレンス抵抗値を決定する動作が行われる。例えば、レファレンストリマ210は、段階S840aで計算された閾抵抗値R
THに対応するレファレンス電圧V_REF、すなわち、読出レファレンス電圧を計算し、レファレンス電圧V_REFに対応するレファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFを読出レファレンス電流及び読出レファレンス抵抗値として決定する。決定された読出レファレンス電流及び読出レファレンス抵抗値に係わる情報は、メモリ装置100の制御回路150に伝達し、制御回路150は、読出レファレンス電流及び読出レファレンス抵抗値に係わる情報を読出レファレンス電圧に係わる情報として不揮発性メモリ160に保存することができる。
図12は、本開示の例示的な実施例によって、図8の段階S800の例示を示す順序図であり、図13は、本開示の例示的な実施例によって、図12の段階S800bによって閾抵抗値が決定される動作の例示を示すグラフである。具体的に、図12の段階S800bは、図10の段階S800aと比較するとき、図9Aを参照して前述されたように「0」に書込まれた複数のメモリセルから決定された閾抵抗値RTHのみを使用することができる。図8を参照して前述されたように、図12の段階S800bにおいて、レファレンス電圧それぞれから読出された結果に基づいて読出レファレンス電圧を決定する動作が行われる。以下、図12に係わる説明のうち、図10に係わる説明と重複される内容は略す。
段階S820bにおいて、平行抵抗値RPの分布を推定する動作が行われる。図10の段階S820aと同様に、図9Aの例示で導出された閾抵抗値RTHが平行抵抗値RPの分布の平均RP’と推定される。これにより、図13に図示されたように、平行抵抗値RPの分布の位置が平均RP’によって推定される。一部の実施例において、可変抵抗値素子の特性によって、反平行抵抗値RAPは、平行抵抗値RPよりも劣化された分布を有するので、平行抵抗値RPの分布が用いられても良い。
段階S840bにおいて、平行抵抗値RPの分布から閾抵抗値RTHを計算する動作が行われる。一部の実施例において、推定された分布の標準偏差に基づいたオフセットが平均に反映され、オフセットが反映された結果から閾抵抗値RTHが計算されても良い。例えば、図13に図示されたように、cが零(zero)よりも大きいとき、平行抵抗値RPの平均RP’に標準偏差σPに比例するオフセットc・σPが加算される。これにより、閾抵抗値RTHは、平均RP’に標準偏差σPが反映された値(RP’+c・σP)を因子として有する関数gによって計算される。一部の実施例において、メモリセルの読出のための閾抵抗値RTHは、下の数学式(2)のように計算されても良い。
段階S860bにおいて、読出レファレンス電流及び/または読出レファレンス抵抗値を決定する動作が行われる。例えば、レファレンストリマ210は、段階S840bで計算された閾抵抗値R
THに対応するレファレンス電圧V_REF、すなわち、読出レファレンス電圧を計算し、レファレンス電圧V_REFに対応するレファレンス電流I_REF及びレファレンス抵抗値R_REFを読出レファレンス電流及び読出レファレンス抵抗値として決定する。決定された読出レファレンス電流及び読出レファレンス抵抗値に係わる情報は、メモリ装置100の制御回路150に伝達し、制御回路150は、読出レファレンス電流及び読出レファレンス抵抗値に係わる情報を読出レファレンス電圧に係わる情報として不揮発性メモリ160に保存することができる。
図14は、本開示の例示的な実施例によるメモリ装置300のブロック図を示す。図14に図示されたように、メモリ装置300は、増幅回路340、制御回路350、不揮発性メモリ360及びレファレンストリマ370を含む。図14に図示されていないが、図14のメモリ装置300は、図1のメモリ装置100と同様に、セルアレイ、電流源回路、レファレンス抵抗回路を含む。以下、図14に係わる説明において図1に係わる説明と重複される内容は略す。
図1のメモリ装置100と比較するとき、図14のメモリ装置300は、校正信号CALを受信し、レファレンストリマ370をさらに含んでもよい。これにより、メモリ装置300は校正信号CALに応答して自体的に正確なレファレンス電圧を導出し、メモリ装置300を含むシステムは、メモリ装置300に校正信号CALを提供することで、メモリ装置300の動作信頼度を保持することができる。
レファレンストリマ370は、受信された校正信号CALに応答して、セルアレイの複数のメモリセルに同じ値を書込み、単調増加または単調減少するレファレンス電圧が生成されるように制御回路350に信号を伝達する。レファレンストリマ370は、レファレンス電圧それぞれで複数のメモリセルから読出された値に対応する信号を増幅回路340から受信し、読出された値に基づいて読出レファレンス電圧を決定することができる。レファレンストリマ370は、読出レファレンス電圧に係わる情報を制御回路350に提供し、制御回路350は、読出レファレンス電圧に係わる情報を不揮発性メモリ360に保存することができる。以後、メモリ装置300が読出コマンドを受信する場合、制御回路350は、不揮発性メモリ360に保存された読出レファレンス電圧に係わる情報に基づいて読出レファレンス電圧が生成されるように、レファレンス電流I_REF及び/または、レファレンス抵抗値R_REFを制御することができる。
図15は、本開示の例示的な実施例によるメモリ装置を含むシステム・オン・チップ400を示すブロック図である。システム・オン・チップ(System on Chip;SoC)400は、コンピューティングシステムや他の電子システムの部品を集積した集積回路を指称する。例えば、システム・オン・チップ400としてアプリケーションプロセッサ(application processor;AP)は、プロセッサ及び他の機能のための部品を含む。図15に図示されたように、システム・オン・チップ400は、コア410、DSP(Digital Signal Processor)420、GPU(Graphic Processing Unit)430、内蔵メモリ440、通信インターフェース450及びメモリインターフェース460を含む。システム・オン・チップ400の構成要素は、バス470を介して互いに通信する。
コア410は、命令語を処理し、システム・オン・チップ400に含まれた構成要素の動作を制御することができる。例えば、コア410は、一連の命令語を処理することで、オペレーティングシステムを駆動し、オペレーティングシステム上のアプリケーションを行う。DSP420は、デジタル信号、例えば、通信インターフェース450から提供されるデジタル信号を処理することで、有用なデータを生成することができる。GPU430は、内蔵メモリ440またはメモリインターフェース460から提供されるイメージデータからディスプレイ装置を介して出力される映像のためのデータを生成し、イメージデータをエンコーディングすることもできる。
内蔵メモリ440は、コア410、DSP420、及びGPU430の動作に必要なデータを保存することができる。内蔵メモリ440は、本開示の例示的な実施例による抵抗性メモリを含み、これにより、内蔵メモリ440は、正確なレファレンス電圧に基づいて高い信頼度を提供することができる。
通信インターフェース450は、通信ネットワークまたは一対一通信のためのインターフェースを提供することができる。メモリインターフェース460は、システム・オン・チップ400の外部メモリ、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリなどに係わるインターフェースを提供することができる。
前述したように図面と明細書で例示的な実施例が開示された。本明細書において、特定の用語を使用して実施例が説明されたが、これは、単に本開示の技術的思想を説明するための目的で使用されたものであって、意味限定や特許請求の範囲に記載の本開示の範囲を制限するために使用されたものではない。したがって、本技術分野の通常の知識を有した者であれば、それから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。よって、本開示の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。