JP7288104B1 - 冷暖房用温調空気還流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】室内空間S1からの温調空気を床下空間S2に送り込んで床部10を加熱等した後に還流口20にて室内空間S1に還流させる冷暖房用温調空気還流装置Aにおいて、壁部にその全体を二重壁構造にせずに還流口20を形成して、施工の容易化や構造の簡略化を図る。【解決手段】間仕切り壁7内の下端部に、室内空間S1及び床下空間S2と連通する連通空間Sを区画する壁内通気ユニット23を設ける。このユニット23は、間仕切り壁7内下端部に室内側に開口した状態で設置されかつ内部に連通空間Sを有するボックス24と、ボックス24の室内側に配置され、還流口20としての巾木受け開口35が形成された巾木受け28と、巾木受け28に固定される還流用巾木41とを備える。ボックス24は、内部の連通空間Sの高さ方向中間部に床部10が位置するように設置され、巾木受け28は、連通空間Sの室内空間S1との連通部を覆うように配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、冷暖房用温調空気還流装置に関する。
従来、室内の天井部(小屋裏等)に空調装置の室内ユニットを設置するとともに、床下空間を空気通路に形成し、室内空間内の空気を室内ユニットに吸い込んで加熱又は冷却により温調空気にし、その温調空気を室内ユニットから床下空間に送り込んで床部を介して室内空間を加熱又は冷却した後に床下空間から室内空間内に還流させ、室内ユニットに吸い込ませるようにした冷暖房装置、或いは冷暖房方法は知られている。
このように空調空気を床下空間に流通させる室内空調方法においては、床下空間の空気を室内空間に戻すための還流口を設ける必要がある。
しかし、その場合、床部に還流口を設けると、その場所の床部上に家具等を置けなくなり、また床部で還流口がある部分が他の床部と異なるので、そこだけが床面で目立ってしまい、さらにはそもそも床面に還流口を設けられない場合は施工自体が困難になる等の問題がある。
そこで、従来、例えば特許文献1に提案されるものでは、壁部を二重壁構造にしてその内部に空気通路を形成するとともに、壁部の上端部と下端部とに還流口を開口し、床下空間で床部を加熱又は冷却した後の空気を床下空間から壁部内の空気通路に導入し、壁部の上下端の還流口から室内空間に吹き出させるようにしている。
また、特許文献2には、同様に、壁部を二重壁構造にして内部に空気通路を形成するとともに、壁部上端の廻り縁、又は壁部下端の巾木に還流口を開口し、床下空間の空気を壁部内の空気通路に導入した後に、壁部上端の廻り縁や下端の巾木からその還流口により室内空間に吹き出させる構造が提案されている。
特許第5647982号公報 特開2006-78128号公報
しかし、上記従来のものでは、壁部の上端部及び下端部の両方或いは一方に還流口を形成しているので、いずれも壁の内部に空気通路を形成するために壁全体を二重壁構造にすることが必要であり、その空気通路は空気の漏れが生じないようにある程度のシール構造を要する。また、冷却された空気が壁部内を通るときには結露が発生する虞があるので、その対策も壁全体に行う必要がある。そのため、この二重壁構造の壁部の工事が大掛かりになり、構造も複雑になることは避けられないという問題がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、還流口周辺の構造に特定の工夫を凝らすことにより、壁部の全体を二重壁構造にすることなく、床下空間の温調空気を壁部から室内空間に還流させるようにして、施工の容易化や構造の簡略化を図ることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、壁部内の下端部に該下端部以外の他の部分と区画する仕切構造を形成し、その仕切構造により床下空間と室内空間とを壁部内の下端部のみで連通させるようにした。
具体的には、第1の発明は、床部により床下空間と仕切られた室内空間内の空気を熱源装置に吸い込んで加熱又は冷却により温調空気にし、該温調空気を熱源装置から床下空間に送り込んで床部を介して室内空間を加熱又は冷却した後に床下空間から還流口により室内空間内に還流させるようにした冷暖房用温調空気還流装置が前提である。
そして、この温調空気還流装置において、上記還流口は、上記室内空間ないし床下空間に亘って延びかつ内部に壁内空間を有する部の下端部において上記床部の上側部分に開口している。上記壁内空間の下端部には、該壁内空間の下端部を壁内空間の上部と連通不能に気密状に仕切る仕切構造が設けられ、この仕切構造により壁内空間の下端部に、上記床部下側の床下空間と連通しかつ上記壁内空間の上部とは連通しない連通空間が区画され、上記連通空間は、上記床部上側の上記室内空間と上記還流口のみにより連通していることを特徴とする。
この第1の発明では、冷暖房用温調空気還流装置における壁部内の壁内空間の下端部に仕切構造が設けられ、この仕切構造により壁内空間の下端部が仕切られて、壁内空間の下端部に、床部下側の床下空間に連通しかつ上記壁内空間の上部とは連通しない連通空間が区画され、その連通空間が床部上側の室内空間と還流口のみにより連通している。このことで、床下空間で床部を介して室内空間を加熱又は冷却した後の温調空気は、床下空間から壁内空間の下端部に仕切られた連通空間と該連通空間に連通している還流口とを経て室内空間に吹き出されて還流する。
こうして壁部内の壁内空間の下端部のみに壁内空間の上部とは連通しない連通空間が仕切構造によって区画形成され、還流口はこの連通空間に連通するように設けられているので、壁部内の壁内空間の下端部のみに仕切構造を施工して壁内空間の上部とは連通しない連通空間を区画するだけで、連通空間を室内空間に還流口で連通させるようにすればよく、壁部内の壁内空間において下端部の仕切構造以外の他の部分(上側部分)は通常の壁部と同じ構造で済み、壁部をその全体に亘って気密状の二重壁構造にする必要はなく、壁部や還流口周りの構造が簡単になる。また、温調空気を還流させるために必要な気密構造とする部分を壁部の下端部に限定して設けるだけでよく、その分、施工も容易となる。
しかも、室内空間に還流する温調空気が冷気である場合に、その冷たい空気は壁部内の壁内空間全体を通ることはなく、壁部内の壁内空間の下端部において仕切構造で区画された連通空間のみを通るので、冷気による結露の対策も壁部の下端部に施すだけでよく、この点でも施工は容易となる。
第2の発明は、第1の発明の冷暖房用温調空気還流装置において、上記仕切構造は、壁部内の壁内空間の下端部に施工された壁内通気ユニットにより形成されている。この壁内通気ユニットは、壁内空間の下端部に上記室内空間側に開口した状態で設置されかつ内部に連通空間を有する箱体と、該箱体の上記室内空間側に配置され、表裏面間を貫通する巾木受け開口が形成された巾木受けと、該巾木受けの上記室内空間側表面に固定される還流用巾木とを備え、上記箱体は、内部の上記連通空間の高さ方向中間部に床部が位置するように設置されており、上記巾木受けは、上記箱体内の連通空間の室内空間との連通部の少なくとも一部を覆いかつ壁部の壁下地材の室内側表面と面一に位置するように配置されていることを特徴とする。
この第2の発明では、仕切構造の壁内通気ユニットは、壁部内の壁内空間の下端部に室内空間側に開口した状態で設置される箱体を有し、その箱体の内部に連通空間が形成されている。箱体は、内部の連通空間の高さ方向中間部に床部が位置していて、連通空間が室内空間と床下空間とに連通するように設置されており、この箱体の室内空間側に巾木受けが配置され、この巾木受けは、箱体内の連通空間において室内空間との連通部の少なくとも一部を覆うように配置されて、壁部の壁下地材と面一に位置している。巾木受けには、その表裏面間を貫通する巾木受け開口が形成され、この巾木受けの室内空間側表面に還流用巾木が固定されている。このような構造により、床下空間の温調空気は、箱体内の連通空間に入り、その連通空間から室内空間との連通部を経て、該連通部の少なくとも一部を覆っている巾木受けの巾木受け開口を通過し、巾木受けに固定されている還流用巾木を抜けるか或いは側方を通って室内空間に還流される。このような壁内通気ユニットにより、望ましい仕切構造を具体的にかつ容易に実現することができる。
第3の発明は、第2の発明の冷暖房用温調空気還流装置において、還流用巾木は巾木受けに、巾木受け開口を塞がないように固定され、上記巾木受け開口により上記還流口が構成されていることを特徴とする。
この第3の発明では、還流用巾木は巾木受けに固定された構造では、巾木受け開口自体が還流口となり、この巾木受け開口は還流用巾木に塞がれず、巾木受け開口つまり還流口を通った温調空気は還流用巾木の側方を通って室内空間に還流される。このことで、巾木受け開口が還流用巾木とは異なる位置に配置されて、その位置が見かけ上識別し難くなり、外観の見映えを高めて意匠性の向上を図ることができる。
第4の発明は、第2の発明の冷暖房用温調空気還流装置において、還流用巾木には巾木開口が形成され、上記還流用巾木は巾木受けに、巾木開口が巾木受け開口に一致するように固定され、上記巾木開口及び巾木受け開口で還流口が構成されていることを特徴とする。
この第4の発明では、巾木受けに還流用巾木が固定されたときに、巾木開口が巾木受け開口に一致し、これら巾木開口と巾木受け開口とにより還流口が形成される。巾木受けの巾木受け開口を通った温調空気は還流用巾木の巾木開口を通って室内空間に還流される。こうして還流口の一部をなす巾木開口が還流用巾木に露出しているので、還流口の位置を容易に識別して、還流口の吹出風量の調整や清掃をすることができる。
第5の発明は、第2~第4の発明のいずれか1つの冷暖房用温調空気還流装置において、壁内通気ユニットの箱体は、壁部内の隣接する間柱間に配置されて該間柱の下端部に固定され、巾木受けは、間柱に固定されていることを特徴とする。
この第5の発明では、壁部内の隣接する間柱間に壁内通気ユニットの箱体が配置されて固定され、巾木受けは、この箱体の室内側に位置するように配置されて間柱に固定される。このことで、箱体及び巾木受けを壁部に容易に固定することができる
以上説明した如く、本発明によると、室内空間内の空気を熱源装置に吸い込んで温調空気にし、その温調空気を床下空間に送り込んで床部を介して室内空間を加熱又は冷却した後に床下空間から室内空間に還流させる場合において、壁部内の壁内空間の下端部に、その壁内空間の下端部を仕切構造で仕切ることで、壁内空間の下端部に床部下側の床下空間と連通しかつ壁内空間の上部とは連通しない連通空間を区画し、この連通空間を床部上側の室内空間と還流口のみにより連通させ、床下空間から温調空気を壁部の下端部のみから室内空間内に還流させるようにした。このことで、壁部内の壁内空間の下端部のみに仕切構造を施工して還流口を形成することができ、壁部内において下端部の仕切構造以外の上側部分は通常の壁部と同じ構造で済み、壁部全体を気密状の二重壁構造にせずとも済み、壁部や還流口周りの構造の簡単化、その施工の容易化を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る冷暖房用温調空気還流装置が設置された建物の内部空間を概略的に示す断面図である。 図2は、壁内通気ユニットが施工された間仕切り壁内の下端部の縦断面図である。 図3は、壁内通気ユニットが施工された間仕切り壁内の下端部を室内側から見た正面図である。 図4は、壁内通気ユニットが施工された間仕切り壁内の下端部の横断面図である。 図5は、壁内通気ユニットの施工時に間仕切り壁の下端部を床部及び壁下地材の一部が取り外された状態で室内側から見て示す斜視図である。 図6は、壁内通気ユニットの施工後に間仕切り壁の下端部を室内側から見て示す図5相当図である。 図7は、間仕切り壁の下端部の還流口部分を拡大して示す断面図である。 図8は、間仕切り壁の下端部の還流口以外の部分を拡大して示す断面図である。 図9は、ボックスの斜視図である。 図10は、巾木受けの正面図である。 図11は、図10のXI-XI線拡大断面図である。 図12は、図10のXII-XII線拡大断面図である。 図13は、還流用巾木の断面図である。 図14は、通常巾木の断面図である。 図15は、巾木受けの端部を塞ぐエンドカバーの斜視図である。 図16は、還流用巾木を施工する手順を示す断面図である。 図17は、実施形態2を示す図7相当図である。 図18は、実施形態2の巾木受けを示す正面図である。 図19は、図18のXIX-XIX線拡大断面図である。 図20は、図18のXX-XX線拡大断面図である。 図21は、実施形態3を示す図2相当図である。 図22は、実施形態3を示す図5相当図である。 図23は、巾木受けの正面図である。 図24は、還流用巾木の正面図である。 図25は、還流用巾木の巾木開口に装着されるキャップの正面図である。 図26は、還流用巾木における巾木開口の変形例を示す図21相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る冷暖房用温調空気還流装置Aが設置された建物の内部空間を概略的に示し、1は内部空間の床スラブ(剛床)、2は天井部である。図2に示すように、床スラブ1上の所定位置には断面コ字状の軽量形鋼製のランナー4(軽鉄ランナー)が固定されて設置され、このランナー4に、上下方向に延びる間柱としての断面矩形状(例えば奥行き65mm、幅45mm)の複数の軽量形鋼製のスタッド5,5,…(軽鉄スタッド)が例えば303mmの一定のピッチで起立状に固定され(図5参照)、これらのスタッド5,5,…に亘り石膏ボードからなる壁下地材6が固定されており、スタッド5,5,…及び壁下地材6により壁部としての間仕切り壁7が形成されている。
また、同じ図2に示すように、上記床スラブ1上には床部10が複数の支持脚14,14,…を介して支持され、床部10は浮き床構造となっており、床部10によって内部空間が床部10上側の室内空間S1(床上空間)と下側の床下空間S2とに仕切られている。床部10は、下側から順に、例えばパーティクルボード11、捨貼り合板12及び床仕上材13が積層された3層構造である。3層構造の床部10の厚さは例えば44mm、床下空間S2の高さは110mmとされている。
上記天井部2には、熱源装置としての天井埋込型の室内ユニット17が設置され、この室内ユニット17は、図外の室外機と冷媒配管等で接続されて空調装置を構成している。室内ユニット17には、図示しないが吸込口及び吹出口が設けられており、この室内ユニット17において吸込口から室内空間S1の空気を吸い込んで加熱又は冷却により温調空気に変換し、その温調空気を吹出口から吹き出すようになっている。
室内ユニット17の吹出口には給気ダクト18の上流端(上端)が接続されている。給気ダクト18は、建物の内部空間において互いに対向する間仕切り壁7,7の一方(図1では示していないが右側)の内部を上下方向に延び、その下流端(下端)は床下空間S2に開口しており、室内ユニット17から吹き出した温調空気を給気ダクト18によって床下空間S2に送り込むことにより、室内空間S1を床部10を介して下側から温調空気で加熱又は冷却するようにしている。
そして、給気ダクト18が配置されている間仕切り壁7と内部空間において反対側(対向側)にある他方(図1左側)の間仕切り壁7の下端部には、図6及び図7にも示すように、床下空間S2と連通する還流口20が開口しており、冷暖房用温調空気還流装置Aは、床部10を下側から加熱又は冷却した後の温調空気を床下空間S2から還流口20により室内空間S1内に還流させ、その後、室内空間S1の空気を天井部2の室内ユニット17に吸込口から再度吸い込ませて、空気を室内空間S1及び床下空間S2の間で循環させるようになっている。
尚、図1中、破線の矢印は温調空気の流れを示し、二点鎖線の矢印は、床下空間S2から床部10を介して室内空間S1に至る熱の移動を示している。
図2~図5に示すように、上記他方(図1左側)の間仕切り壁7内部の下端部に、該間仕切り壁7内の下端部を他の部分(上側部分)と仕切る仕切構造22が設けられている。この仕切構造22により間仕切り壁7内の下端部に、床部10上側の室内空間S1及び下側の床下空間S2に連通する連通空間Sが区画され、この連通空間Sは室内空間S1と還流口20により連通している。
上記仕切構造22は、間仕切り壁7内の下端部に施工された壁内通気ユニット23により形成されている。この壁内通気ユニット23は、間仕切り壁7内下端部に4つのスタッド5,5,…に亘って設置されて施工された例えば3つの箱体としてのボックス24,24,…を備えている。図9に示すように、この各ボックス24は矩形で深さの浅い箱形状であり、その左右幅は間仕切り壁7内のスタッド5,5間の間隔(例えば258mm)に比べ、該スタッド5,5間にボックス24が密嵌合できる程度に小さく、箱の深さ方向である奥行きは各スタッド5の奥行き(例えば65mm)よりも小さく、上下高さは床スラブ1から床部10の上側位置までの寸法(例えば235mm)とされ、各ボックス24はスタッド5,5間の室内側位置に片寄って配置されている。この各ボックス24は、隣接するスタッド5,5間に、室内側(内部空間側)に開口した状態つまり箱の開口が室内側(図2で右側)に向いた状態で設置され、各ボックス24の下端部はスタッド5,5間のランナー4に載置されている。その設置状態では、各ボックス24の内部空間の高さ方向中間部に床部10が位置していて、各ボックス24の内部空間は下部が床下空間S2に、また上部が室内空間S1にそれぞれ連通している。このことで各ボックス24の内部に、床部10上側の室内空間S1及び下側の床下空間S2に連通する連通空間Sがボックス24の内部空間として形成されている。各ボックス24の上壁部はスタッド5,5間の空間を上下に仕切り、左右の側壁部はスタッド5,5に当接して該スタッド5と反対側の間仕切り壁7内空間と連通が遮断されており、ボックス24の内部空間(連通空間S)は、ボックス24上側のスタッド5,5間の空間及びボックス24の左右両側の空間とは互いに空気が往来しないように気密状に連通遮断されている。
各ボックス24の左右幅方向の端部には上方に延びる板状の取付部24a,24aが一体に形成されており、この取付部24a,24aをスタッド5,5の対向面にビス等で固定することで、ボックス24がスタッド5,5に取付固定されている。こうしてボックス24をその本体(内部に連通空間Sを形成する箱部分)から上側に突出した2つの取付部24a,24aでスタッド5,5に固定することで、ボックス24の本体に取付作業に伴う損傷が生じることはなく、ボックス24内の連通空間Sから温調空気がボックス24以外で間仕切り壁7内の上部空間等に漏れ出ないようにしている。
ボックス24は、例えばPS樹脂等の樹脂材料が好適に用いられ、樹脂材料によりボックス24の気密構造が容易に得られる。
尚、図5に示すように、壁内通気ユニット23が設置された部分を除く間仕切り壁7では、通常の間仕切り壁7と同様に、壁下地材6は下端部が床スラブ1に当接する程度まで床部10の下側まで延びてスタッド5,5,…に取付固定されており、床下空間S2と室内空間S1とは壁内通気ユニット23の各ボックス24内の連通空間Sのみで互いに連通し、間仕切り壁7の他の箇所で連通しないように気密状にシールされている。
上記ボックス24の室内側には巾木受け28が配置されている。この巾木受け28は、例えば金属製や樹脂製の押出し成形材等の長尺部材からなり、4つのスタッド5,5,…間に亘る長さ(例えば910mm)を有する。こうして巾木受け28を押出成形材で形成すれば、その製造が容易となる。
図10~図12に示すように、巾木受け28は、上下高さが前後幅よりも大きい縦長の角筒体において、その壁部の前側下端の隅角部を部分的に長さ方向全体に亘り切除した略コ字状の断面形状を有する。すなわち、巾木受け28は、板状の後壁部28aと、この後壁部28aの下端から連続して水平前方向に延びる板状の下壁部28bと、後壁部28aの上端から連続して水平前方向に延びる板状の上壁部28cと、上壁部28cの前端から連続して下方向に延びる前壁部28dとを有する。前壁部28dは上部、中間部及び下部からなり、上部は上壁部28cの前端から下方向に延びるように、また中間部は該上部の下端から直角に折れ曲がって水平前方向に延び、さらに下部は該中間部の前端から直角に折れ曲がって再度下方向に延びるようにそれぞれ形成され、後壁部28aと前壁部28dの上部及び下部とは互いに平行であり、下壁部26bと上壁部28cと前壁部28dの中間部とは互いに平行である。前壁部28dの上部、中間部及び下部の外表面によって段差状の位置決め部29が形成されている。
巾木受け28の前後方向(図11及び図12で左右方向)の奥行きは、上記壁下地材6の厚さと同じかそれよりも少し厚い寸法で、例えば13mmである。巾木受け28の上下方向の幅は例えば38mmであり、巾木受け28は、下端部が床部10の上面に当接するように位置決めされて配置される。
巾木受け28の下壁部28bの前端と前壁部28dの下端との間は例えば15mmの間隔が空けられ、この下壁部28b前端と前壁部28d下端との間に前側開口32が巾木受け28の長さ方向の全体に亘って形成されている。後壁部28aの上部には、巾木受け28の長さ方向に延びる細長い例えば3つのスリット33,33,…が貫通形成されている。この各スリット33の高さ位置は前側開口32よりも高く、巾木受け28を前後水平方向(図11及び図2で左右方向)から見たときに、各スリット33と前側開口32との位置が重ならないようになっている。そして、各スリット33、巾木受け28の内部空間及び前側開口32により、巾木受け28の前後面(表裏面)間を貫通する巾木受け開口35が形成されており、後述するように巾木受け28がスタッド5,5,…に取り付けられたときに、巾木受け開口35(各スリット33、巾木受け28の内部空間及び前側開口32)がボックス24内の連通空間Sと連通して上記還流口20を構成するようになっている。
巾木受け28における各スリット33の長さは、上記各ボックス24内の左右幅(連通空間Sの左右長さ)と同じ例えば235mmであり、各スリット33の位置もスタッド5,5間の各ボックス24の位置に対応している。
巾木受け28の後壁部28aにおいて、各スリット33の両側位置にはビス孔37,37が貫通形成されている。各ビス孔37の位置は各スタッド5の位置に対応している。また、ビス孔37に対応する位置の巾木受け28の前壁部28dの上部、中間部及び下部には、それら部位を部分的に矩形状に切り欠いた切欠部38が形成されている。そして、巾木受け28は例えば4本のスタッド5,5,…の前面にビス孔37を挿通するビス(図示せず)による固定されている。このとき、ビスは上記各切欠部38を通ってビス孔37に挿通され、切欠部38を通る工具(図示せず)によりスタッド5,5,…に締結され、このことで巾木受け28はスタッド5,5,…の前面に取付固定されている。このスタッド5,5,…に固定された巾木受け28は、各ボックス24内の連通空間Sにおいて室内空間S1との連通部である上側部の下部(一部)を覆いかつ間仕切り壁7の上記壁下地材6(石膏ボード)の壁面と面一に位置するように配置されている。上記各ボックス24内の連通空間Sにおいて室内空間S1との連通部である上側部の上部は壁下地材6の下端部で覆われる。つまり、各ボックス24内の連通空間Sにおいて室内空間S1との連通部である上側部は互いに面一とされた巾木受け28と壁下地材6とにより覆われている。
図15は、上記巾木受け28の長さ方向の端部に止め付けられるエンドカバー39を示している。このエンドカバー39は、巾木受け28の長さ方向両端部に取り付けられて後述する還流用巾木41の木口を壁下地材6と共に隠すために用いられる。このエンドカバー39により、巾木受け28の長さ方向両端部に開いている開口が閉塞され、巾木受け28は両端部が閉じた略角筒状で巾木受け開口35(還流口20)のみが貫通した構造となる。
上記巾木受け28の前面には、その巾木受け28ないし壁下地材6よりも所定寸法(例えば7mm)だけ突出する還流用巾木41が接着剤による接着等により固定されている。還流用巾木41は、図13に示すように、巾木受け28と同じ長さ(例えば910mm)の長尺板材であり、その後面(裏面)の下部には還流用巾木41の長さ方向の全体に亘り段差状に切り書いた段差部42が形成されている。この段差部42は、巾木受け28の位置決め部29と同じ断面形状に切り欠かれており、巾木受け28の前面に還流用巾木41が固定されるとき、巾木受け28の位置決め部29が還流用巾木41の段差部42に係合して還流用巾木41が巾木受け28に位置決めされる。この位置決め状態では、還流用巾木41の後面(裏面)上部が、壁下地材6の下端部と、その壁下地材6に面一に位置している巾木受け28の前壁部28d上部とに当接するとともに、還流用巾木41の段差部42後面も巾木受け28の前壁部28d下部に当接し、還流用巾木41の下端面が巾木受け28の前壁部28dの下端面に面一状に揃うようになっている。すなわち、還流用巾木41は巾木受け28の前面に、スリット33、巾木受け28の内部空間及び前側開口32からなる巾木受け開口35(還流口20)を塞がないように固定されている。
図14は一般的に使用される通常巾木51を示しており、この通常巾木51と図13に示す上記還流用巾木41とを比較したとき、通常巾木51はビス止め用の凹溝52を有し、図5、図6及び図8に示すように、還流口20のある還流用巾木41以外の間仕切り壁7の下端部に凹溝52でのビス止め等により固定されて施工される。これに対し、還流用巾木41の厚さは通常巾木51と同じであるが、上下幅は通常巾木51よりも小さく、通常巾木51の上端から凹溝52内の上側面までの寸法と同じとされている。このため、図6に示すように、還流用巾木41を通常巾木51と長さ方向に連続するように並べて各々の上端面を面一に配置して施工した状態では、巾木41,51の全体で見ると還流用巾木41のみで凹溝52下側がカットされた形状となり、上側部分は共通しており、還流用巾木41ないし通常巾木51が連続しているように見え、巾木41,51の連続性に違和感が生じることはない。
尚、還流用巾木41及び通常巾木51は、いずれも例えば木質基材の表面に化粧シート(図示せず)を貼り付けたものである。
上記壁内通気ユニット23を間仕切り壁7の下端部に施工する手順について図5及び図16により説明すると、間仕切り壁7の複数本のスタッド5,5,…が施工された状態で、還流口20を形成する位置のスタッド5,5,…間に各ボックス24を開口が室内側に向くように配置し、各ボックス24をランナー4上に載置して、上部の2つの取付部24a,24aで隣接するスタッド5,5に取付固定する。こうしてボックス24を取付部24a,24aでスタッド5,5,…に取付固定することで、既述したように、ボックス24の本体に取付作業に伴う損傷が生じ難くなり、ボックス24から温調空気が間仕切り壁7内の上部空間等に漏れ出ることを防ぐことができる。
次いで、図16(a)に示すように、巾木受け28と同じ高さを有する例えば角材からなる施工用スペーサ55を用意する。この施工用スペーサ55をスタッド5,5,…の所定高さ位置に仮固定する。その状態で、図16(b)に示すように、スペーサ55に合わせて床部10及び壁下地材6を施工し、床部10は端部上面がスペーサ55下面に当接するように配置し、壁下地材6は下端がスペーサ55の上面に当接するように配置する。
この後、図16(c)に示すように、床部10及び壁下地材6はそのままの状態で、施工用スペーサ55だけをスタッド5,5,…から取り外し、そのスペーサ55に代えて巾木受け28を同じ位置にビス止めする。巾木受け28の前壁部28dの上部は壁下地材6と面一となり、下壁部28bは床部10に載置された状態となる。
最後に、図2に示すように、面一となっている巾木受け28の前壁28dの上部と壁下地材6とに亘り還流用巾木41を配置し、その段差部42を巾木受け28の位置決め部29に係合して還流用巾木41を位置決めし、その位置決め状態で還流用巾木41を巾木受け28に接着して固定すればよい。
その場合、巾木受け28を施工用スペーサ55により位置決めしてスタッド5,5,…の所定高さ位置に固定することにより、その巾木受け28を容易に固定することができる。
しかも、巾木受け28に位置決め部29を、また還流用巾木41に段差部42をそれぞれ形成して、両者の係合により還流用巾木41を巾木受け28に位置決めして固定するので、還流用巾木41の巾木受け28に対する位置決め固定が容易になる。
また、還流用巾木41後面の段差部42、巾木受け28前面の位置決め部29、ビス孔37及び切欠部38は、いずれも還流用巾木41により前側から隠蔽されるので、外観の見映えを良好に保つことができる。
この実施形態の冷暖房用温調空気還流装置Aは次のように作動する。空調装置が暖房運転又は冷房運転が行われると、それに伴い、図1で破線の矢印にて示すように、室内空間S1の空気が室内ユニット17に吸込口から吸い込まれて、室内ユニット17で加熱又は冷却により温調空気に変換され、その温調空気は吹出口から吹き出されて給気ダクト18を通して床下空間S2に供給される。この床下空間S2に供給された温調空気は、床下空間S2を通る間に床部10を介して室内空間S1を加熱又は冷却し、このことで室内空間S1に対する暖房又は冷房が行われる。こうして床部10を介して室内空間S1を加熱又は冷却した後の温調空気は床下空間S2から間仕切り壁7下端部の還流口20により室内空間S1内に還流し、室内空間S1の暖房又は冷房を行い、その室内空間S1から天井部2の室内ユニット17に吸込口から再度吸い込まれる。
すなわち、冷暖房用温調空気還流装置Aを用いる方法(冷暖房用温調空気還流方法)は、床部10により床下空間S2と仕切られた室内空間S1内の空気を室内ユニット17(熱源装置)に吸い込んで加熱又は冷却により温調空気にし、その温調空気を室内ユニット17から床下空間S2に送り込んで床部10を介して室内空間S1を加熱又は冷却した後に床下空間S2から室内空間S1内に還流させる方法であり、その床下空間S2から温調空気を室内空間S1内に間仕切り壁7の下端部のみから還流口20によって還流させることを特徴とする。
したがって、この実施形態では、冷暖房用温調空気還流装置Aにおける間仕切り壁7内の下端部に壁内通気ユニット23による仕切構造22が設けられ、その壁内通気ユニット23のボックス24により間仕切り壁7内の下端部が上側の他の部分と仕切られて、ボックス24内に床部10上側の室内空間S1及び下側の床下空間S2に連通する連通空間Sが区画され、その連通空間Sは室内空間S1に対し、巾木受け28の巾木受け開口35(後壁部28aのスリット33、巾木受け28の内部空間及び前側開口32)により連通し、その巾木受け開口35で還流口20が構成されている。このことで、床下空間S2で床部10を加熱又は冷却した後の温調空気は、床下空間S2からボックス24内の連通空間Sと該連通空間Sに連通している巾木受け開口(還流口20)を経て室内空間S1に吹き出されて還流する。
具体的には、上記壁内通気ユニット23のボックス24は、間仕切り壁7内下端部に室内側に開口した状態で設置され、その内部に連通空間Sが形成されている。また、ボックス24は、内部の連通空間Sの高さ方向中間部に床部10が位置していて、連通空間Sが室内空間S1と床下空間S2とに連通するように設置されており、このボックス24の室内側に巾木受け28が、間仕切り壁7の室内側に施工される壁下地材6(石膏ボード)の壁面と面一に位置するように配置され、この巾木受け28とその上側の壁下地材6の下端部とにより、ボックス24内の連通空間Sにおいて室内空間S1との連通部が覆われている。この巾木受け28には、その表裏面間を貫通する巾木受け開口35が形成され、この巾木受け28と壁下地材6の下端部とに亘って還流用巾木41が固定されている。このため、上記床下空間S2の温調空気は、ボックス24内の連通空間Sに入り、その連通空間Sから室内空間S1との連通部を経て、該連通部を壁下地材6の下端部と共に覆っている巾木受け28の巾木受け開口35を通過し、巾木受け28に固定されている還流用巾木41の下側を通って室内空間S1に還流される。
こうして間仕切り壁7内の下端部のみに壁内通気ユニット23のボックス24によって連通空間Sが区画形成され、巾木受け開口35からなる還流口20は、この連通空間Sに連通するように設けられているので、間仕切り壁7内の下端部のみに仕切構造22を構成する壁内通気ユニット23のボックス24を施工するだけで、還流口20を形成することができ、間仕切り壁7内においてボックス24が施工されている下端部以外の他の部分(上側部分)は通常の間仕切り壁7と同じ構造で済み、間仕切り壁7全体を気密状の二重壁構造にする必要はなく、間仕切り壁7や還流口20周りの構造が簡単になる。また、温調空気を還流させるために必要な気密構造とする部分を間仕切り壁7内の下端部に限定して設けるだけでよく、その分、施工も容易となる。しかも、ボックス24、巾木受け28及び還流用巾木41を組み合わせた壁内通気ユニット23により、上記仕切構造22を望ましい形態で具体的にかつ容易に実現することができる。
また、冷暖房用温調空気還流装置Aの空調装置が冷房運転されているときは、床下空間S2を通る間に床部10を冷却した後に還流口20から室内空間S1に還流する温調空気は冷気となる。しかし、その冷たい空気は、床下空間S2から間仕切り壁7内の全体を通ることがなく、間仕切り壁7内の下端部において仕切構造22の壁内通気ユニット23で区画されたボックス24内の連通空間Sのみを通るので、冷気による結露の対策も間仕切り壁7内の下端部の壁内通気ユニット23に施すだけでよく、この点でも施工は容易となる。
さらに、上記巾木受け28において、その各スリット30と巾木受け28の内部と前側開口32とからなる巾木受け開口35自体が還流口20を構成し、この巾木受け28に還流用巾木41が、還流口20である巾木受け開口35を塞がないようにその上側の前壁部28dに固定されているので、巾木受け開口35つまり還流口20を通った温調空気は還流用巾木41の下側を通って室内空間S1に還流される。こうして巾木受け開口35が還流用巾木41とは異なる位置に配置されることで、その位置が見かけ上識別し難くなり、外観の見映えを高めて意匠性の向上を図ることができる。
しかも、還流口20となる巾木受け開口35は、温調空気の流れの上流側の各スリット33、同中間部に位置する、巾木受け28の内部空間、及び同下流側の前側開口32からなり、各スリット33の高さ位置が前側開口32よりも高いので、スリット33と前側開口32とは高さ方向に重ならず、巾木受け28を室内側から水平方向に見ても、巾木受け28内部にある後壁部28a内面の下部が前側開口32を通して見えるだけで、スリット33は目に入らなくなり、この点でも外観見映えを確保することができる。
また、還流用巾木41は間仕切り壁7よりも突出しているので、仮に家具等を床部10上の壁際位置に設置したとしても、その家具等と間仕切り壁7との間に還流用巾木41の突出分だけの隙間が形成される。そして、巾木受け開口35からなる還流口20は還流用巾木41の位置とは異なる位置に開口しているので、還流口20は家具等により塞がれず、その家具等と間仕切り壁7との間の隙間に常に連通した状態となり、還流口20から温調空気を安定して吹き出させることができ、延いては冷暖房用温調空気還流装置Aの作動安定性を保つことができる。
また、壁内通気ユニット23の各ボックス24は、間仕切り壁7内の隣接するスタッド5,5間に配置されて固定され、巾木受け28も、このボックス24の室内側に位置するように配置されてスタッド5,5に固定され、このことで、ボックス24及び巾木受け28を間仕切り壁7に容易に固定することができる。
(実施形態2)
図17~図20は本発明の実施形態2を示し(以下の各実施形態では、図1~図16と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、巾木受け28に対する還流用巾木41の位置決め固定構造を変更したものである。
この実施形態2では、図17~図20に示すように、巾木受け28の前壁部28dは、実施形態1のように折れ曲がり形状となっていない。この前壁部28dは全体が上壁部28cの前端から後壁部28aと平行に下方向に延びており、その下端の位置は実施形態1における前壁部28d下部の下端の位置に相当している。この前壁部28dの下端と下壁部28bの前端との間に前側開口32が形成されている。
巾木受け28の前壁部28dの厚さは後壁部28aの厚さと同じ例えば1.2mmであり、他の部分の厚さは例えば2mmとされている。尚、巾木受け28の後壁部28aと下壁部28bとの隅角部、及び上壁部28cと前壁部28dとの隅角部はいずれも内面が断面円弧状に湾曲した円弧面とされて厚肉部とされている。この隅角部内面の円弧面により、巾木受け28のスリット33から内部空間を経て前側開口32に至るまでの還流口20の空気流路は周囲側面が滑らかな曲面になり、還流口20における温調空気の流れがスムーズになる。
そして、上記前壁部28dの前面には上端寄り位置に、前面から水平方向前側に突出する係止突条30が巾木受け28の長さ方向の全体に亘って連続して形成されている。この突条30は断面矢印状のものであり、断面三角形状の先端部の上下両側に断面三角形状の返り状(逆鉤状)の抜け止め部分を有する。
一方、図17に示すように、還流用巾木41も実施形態1のものとは異なっている。この還流用巾木41は細長い長尺薄板状のもので、その後面の上部寄り位置には、還流用巾木41の長さ方向の全体に亘って連続して延びる係合凹溝44が形成されている。そして、この係合凹溝44に巾木受け28の係止凸条30を嵌合して係合することで、還流用巾木41を巾木受け28に位置決めし、接着により固定するようになっている。
この還流用巾木41が巾木受け28に対して位置決めされた固定状態では、還流用巾木41の下端が巾木受け28の前壁部28d下端と高さ位置で一致し、還流用巾木41の前側開口32つまり巾木受け開口35(還流口20)が還流用巾木41により覆われず、還流用巾木41の上部は、巾木受け28の上側に位置する壁下地材6の下端部前面に被さっている。
その他の構成は実施形態1と同じであり、この実施形態2でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
特に、この実施形態2では、還流用巾木41後面に係合凹溝44が、また巾木受け28前面に係止突条30がそれぞれ形成され、係合凹溝44への係止突条30の係合により還流用巾木41が巾木受け28に位置決めされる。このような位置決め構造であっても、還流用巾木41が巾木受け28へ固定された状態では、係合凹溝44及び係止突条30はいずれも還流用巾木41により前側から隠蔽され、外観の見映えは良好に保たれる。
(実施形態3)
図21~図26は本発明の実施形態3を示し、巾木受け28、還流用巾木41、還流口20等を変更したものである。
すなわち、この実施形態では、図21~図23に示すように、巾木受け28は細長い長尺の板材からなり、厚さ(奥行き)は壁下地材6と同じ例えば13mm、長さは4つのスタッド5,5,…間に亘る長さ(例えば910mm)である。巾木受け28の上下幅は、実施形態1のものに比べて大きく、図21に示すように、下端部が床部10の厚さ方向中央部よりも下側に位置するように配置される。
上記巾木受け28には、その上端部寄り位置に巾木受け28の長さ方向に延びる細長い例えば3つの巾木受け開口35,35,…が形成され、この各巾木受け開口35は、巾木受け28の前後面(表裏面)に亘り貫通する貫通孔からなる。
この巾木受け28はスタッド5,5,…にビス止めされて固定される。スタッド5,5,…に固定された巾木受け28は、各ボックス24内の連通空間Sにおいて室内空間S1との連通部である上側部の下部(一部)を覆いかつ間仕切り壁7の壁下地材6(石膏ボード)の壁面と面一に位置するように配置されている。
一方、図22及び図24に示すように、還流用巾木41は、通常巾木51と同じ厚さ及び上下幅を有する板材であり、その前面に凹溝52が形成されている。しかし、還流用巾木41は通常巾木51と異なり、その凹溝52の位置には、還流用巾木41の長さ方向に延びる細長い例えば3つのスリットからなる巾木開口46,46,…が還流用巾木41の前後面(表裏面)に亘り水平方向に貫通するように形成され、これらの巾木開口46,46,…は、巾木受け28の前側に還流用巾木41を重ねたときに巾木受け28の巾木受け開口35,35,…と位置が対応するように設けられている。各巾木開口46の上下幅及び左右長さは巾木受け開口35よりも小さくなっている(同じであってもよい)。
そして、この還流用巾木41は巾木受け28に、各巾木開口46がそれぞれ巾木受け開口35に一致するように固定され、この固定は、凹溝52の底部を貫通するステープル及び接着剤により行われる。そして、上記のように互いに一致した、還流用巾木41の巾木開口46と巾木受け28の巾木受け開口35により還流口20が構成されている。尚、巾木受け28及び還流用巾木41はABS樹脂等の樹脂材で形成されている。
還流用巾木41の各巾木開口46には、図25に示すキャップ47が着脱可能に装着される。図25(a)に示されるキャップ47は、冷暖房用温調空気還流装置Aの使用時に各巾木開口46に装着されるもので、全体に亘り格子構造となって複数の開口部47a,47a,…が形成されており、このキャップ47が巾木開口46に装着されたときに、巾木開口46(還流口20)から開口部47a,47a,…を通して温調空気が室内空間S1に還流される。一方、図25(b)に示されるキャップ47は、冷暖房用温調空気還流装置Aの非使用時に各巾木開口46に装着されるもので、開口部47aがなく、このキャップ47が巾木開口46に装着されたときに、巾木開口46(還流口20)を閉塞して、ダスト等が入り込むのを防ぐようにしている。
その他の構成は、実施形態1と同様であり、この実施形態でも実施形態1と同様に作用効果が得られる。
特に、この実施形態においては、巾木受け28の巾木受け開口35と、その巾木受け28に固定された還流用巾木41の巾木開口46とにより還流口20が形成されており、ボックス24内の連通空間Sから出て巾木受け28の巾木受け開口35を通った温調空気は還流用巾木41の巾木開口46を通って室内空間S1に還流される。こうして還流口20の一部をなす巾木開口46が還流用巾木41に露出しているので、実施形態1とは逆に、還流口20の位置を容易に識別できる利点がある。また、還流口20から還流される温調空気の吹出量(吹出風量)の調整や還流口20の清掃も容易に行うことができる。
尚、上記巾木開口46は、還流用巾木41の前後面を水平に貫通するように形成されているが、このような貫通構造に限定されない。例えば、図26に示すように、還流用巾木41の後側上端の角部を還流用巾木41の長さ方向に沿って一定長さだけ部分的に切り欠くことで、巾木開口46を形成することができる。こうしてできた巾木開口46は、還流用巾木41後面に上流端が開口して、この上流端が巾木受け28の巾木受け開口35に一致して連通し、下流端は還流用巾木41上面に開口して室内空間S1に連通しており、巾木受け開口35を出た温調空気は巾木開口46を通った後に還流用巾木41の上面から室内空間S1に還流されるようになっている。こうすると、家具等が還流用巾木41に当接して設置されても、巾木開口(還流口20)が塞がれることはない。
また、還流用巾木41の前側上端の角部を還流用巾木41の長さ方向に沿って一定長さだけ部分的に切り欠き、この切欠部分を巾木開口46の下流端(前端)に形成することもできる。この場合も、家具等が還流用巾木41に当接しても、巾木開口46の下流端はその切欠部分によって開放されたままとなり、巾木開口(還流口20)が塞がれることがない。
さらに、巾木開口46は、還流用巾木41の前後面を前上がり又は前下がりの斜めに貫通するように形成されていてもよい。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、間仕切り壁7内の下端部に壁内通気ユニット23を施工し、そのボックス24の内部に連通空間Sを区画し、巾木受け28及び還流用巾木41を配置して還流口20を形成するようにしているが、本発明はこのような構造に限定されるものではない。例えば、間仕切り壁7内の下端部を水平方向等の横隔壁で間仕切り壁7内の上側部と連通しないように気密状に仕切り、その横隔壁の下側に、床下空間S2と室内空間S1とに連通するように連通空間Sを形成してもよい。しかし、上記実施形態のように壁内通気ユニット23を設置することで、仕切構造22を容易に実現できる利点が得られる。
また、上記各実施形態では、天井部2に熱源装置としての天井埋込型の室内ユニット17を設置しているが、熱源装置は天井部2以外に設置してもよく、室内空間S1の空気を吸い込んで加熱又は冷却できる位置に設置すればよい。
本発明では、室内空間内の空気が温調された温調空気を床下空間に送り込んで床部を下側から加熱又は冷却した後に還流口により室内空間に還流させる冷暖房用温調空気還流装置において、壁部全体を二重壁構造にせずとも還流口を壁部内の下端部に形成でき、壁部や還流口周りの構造の簡単化、その施工の容易化を図ることができる。このことで、本発明は冷暖房用温調空気還流装置の分野で極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
A 冷暖房用温調空気還流装置
S1 室内空間
S2 床下空間
S 連通空間
5 スタッド(間柱)
6 壁下地材
7 間仕切り壁(壁部)
10 床部
17 室内ユニット(熱源装置)
20 還流口
22 仕切構造
23 壁内通気ユニット
24 ボックス
24a 取付部
28 巾木受け
29 位置決め部
30 係止突条
32 前側開口
33 スリット
35 巾木受け開口
41 還流用巾木
42 段差部
44 係合凹溝
46 巾木開口
55 施工用スペーサ

Claims (5)

  1. 床部により床下空間と仕切られた室内空間内の空気を熱源装置に吸い込んで加熱又は冷却により温調空気にし、該温調空気を熱源装置から床下空間に送り込んで床部を介して室内空間を加熱又は冷却した後に床下空間から還流口により室内空間内に還流させるようにした冷暖房用温調空気還流装置において、
    上記還流口は、上記室内空間ないし床下空間に亘って延びかつ内部に壁内空間を有する部の下端部において上記床部の上側部分に開口し、
    上記壁内空間の下端部に、該壁内空間の下端部を壁内空間の上部と連通不能に気密状に仕切る仕切構造が設けられ、
    上記仕切構造により壁内空間の下端部に、上記床部下側の床下空間と連通しかつ上記壁内空間の上部とは連通しない連通空間が区画され
    上記連通空間は、上記床部上側の上記室内空間と上記還流口のみにより連通していることを特徴とする冷暖房用温調空気還流装置。
  2. 請求項1の冷暖房用温調空気還流装置において、
    上記仕切構造は、壁部内の壁内空間の下端部に施工された壁内通気ユニットにより形成され、
    当該壁内通気ユニットは、壁内空間の下端部に上記室内空間側に開口した状態で設置されかつ内部に連通空間を有する箱体と、該箱体の上記室内空間側に配置され、表裏面間を貫通する巾木受け開口が形成された巾木受けと、該巾木受けの上記室内空間側表面に固定される還流用巾木とを備え、
    上記箱体は、内部の上記連通空間の高さ方向中間部に床部が位置するように設置されており、
    上記巾木受けは、上記箱体内の連通空間の室内空間との連通部の少なくとも一部を覆いかつ壁部の壁下地材の室内側表面と面一に位置するように配置されていることを特徴とする冷暖房用温調空気還流装置。
  3. 請求項2の冷暖房用温調空気還流装置において、
    還流用巾木は巾木受けに、巾木受け開口を塞がないように固定され、
    上記巾木受け開口により上記還流口が構成されていることを特徴とする冷暖房用温調空気還流装置。
  4. 請求項2の冷暖房用温調空気還流装置において、
    還流用巾木には巾木開口が形成され、
    上記還流用巾木は巾木受けに、巾木開口が巾木受け開口に一致するように固定され、
    上記巾木開口及び巾木受け開口により還流口が構成されていることを特徴とする冷暖房用温調空気還流装置。
  5. 請求項2~4のいずれか1つの冷暖房用温調空気還流装置において、
    壁内通気ユニットの箱体は、壁部内の隣接する間柱間に配置されて該間柱の下端部に固定され、
    巾木受けは、間柱に固定されていることを特徴とする冷暖房用温調空気還流装置。
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