JP7287127B2 - 画像形成装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置、およびそれに関連する技術に関する。
画像形成装置(詳細には、電子写真方式の画像形成装置)では、像担持体(たとえば転写ベルト)上に形成されたトナー像が用紙(転写材)に転写されることによって、当該用紙に画像が形成される。
このような画像形成動作(用紙へのトナー像の転写動作)の後には、トナーの一部が像担持体上に残留する。像担持体上に残留したトナー(残留トナーとも称される)は、新たな画像形成の妨げになるため、像担持体の表面に接触して配置されたクリーニング部材(クリーニングブレード等)によって掻き取られてトナー回収部等へと回収される。
ところで、用紙への画像形成動作が行われた後の像担持体上には、残留トナーのみならず、種々の異物が存在する。当該種々の異物としては、用紙に添加された填料等を含む紙粉、トナーに外添された外添剤、および/または感光体等に塗布された潤滑剤(滑剤)などが存在する。
これらの異物が像担持体上に存在する場合、像担持体とクリーニング部材との接触部分(像担持体とクリーニング部材とが相互に接触している直線状の接触部分)を当該異物が通過する際に像担持体の表面が傷つくなどの問題が生じる。像担持体の表面が傷つくと、像担持体の表面を被覆したコート層の下のゴム層が露出し、クリーニング部材との間の摩擦係数が大きくなることに起因してクリーニング部材が変形し得る。その結果、クリーニング部材の使用寿命が短縮される恐れがある。
このような問題の発生を防止するための技術が存在する。
たとえば、特許文献1には、四角形状のパッチ画像(トナーによるパッチ画像)を像担持体上に形成し、当該パッチ画像と紙粉(異物)とを混ぜた状態で当該パッチ画像をクリーニング部材に衝突させることによって像担持体上の紙粉を除去する技術が示されている。
特開平11-258919号公報 特開2017-21138号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術を用いた場合であっても、用紙への画像形成動作が繰り返されると、クリーニング部材(たとえばクリーニングブレード2)と像担持体(たとえば中間転写ベルト21)との間の空隙において、種々の異物が徐々に蓄積(堆積)して凝集物M10が発生する(生成される)ことがある(図20参照)。
この場合において、上記特許文献1に記載の技術におけるパッチ画像が像担持体(中間転写ベルト21)上に形成されると、次述するように、当該凝集物M10は除去されず、クリーニング不良(スジ状の画像ノイズ等)が生じる恐れがある。
具体的には、特許文献1に記載の技術では、四角形状のパッチ画像の進行方向下流側のエッジは、当該進行方向に対して垂直な方向に伸延している。それ故、図21に示されるように、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間の空隙に凝集物M10が存在する場合、当該エッジ(進行方向D1に対して垂直方向に伸延するエッジ)E90が凝集物M10に衝突すると、当該進行方向D1の下流側へと進むトナーの粉圧によって当該凝集物M10が進行方向D1下流側に押し込まれる。
その結果、当該凝集物M10がクリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間に噛み込んで(図22参照)、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間に隙間が生じ得る。詳細には、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との接触部分のうち、凝集物M10の両側部分(中間転写ベルト21の移動方向D1に垂直な方向D2における両側部分)に隙間が生じ得る(図23参照)。図23は、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間に凝集物M10が噛み込んだ状態を中間転写ベルト21の移動方向D1の下流側から見た図である。
クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間に隙間が生じた場合、たとえば、図24に示されるように、残留トナーN10がクリーニングブレード2における凝集物M10の発生位置に到達した場合に、凝集物M10の両側部分の隙間から残留トナーN10の一部(トナーN5)がすり抜けてしまう。その結果、すり抜けたトナーN5が次の画像形成動作における画像上に転写されてスジ状の画像ノイズ(クリーニング不良)が発生する恐れがある。
そこで、この発明は、クリーニング部材から凝集物をより確実に除去することが可能な画像形成装置、およびそれに関連する技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成装置であって、トナー像を一時的に担持して用紙に転写する像担持体と、前記用紙への転写後に前記像担持体上に残留している残留トナーを、前記像担持体との相対移動に伴って掻き取るクリーニング部材と、前記像担持体と前記クリーニング部材との間に発生する凝集物を除去するメンテナンス動作を実行する制御手段と、を備え、前記メンテナンス動作は、前記凝集物を除去するためのトナー画像であるパッチ画像を前記像担持体上に形成するパッチ形成動作と、前記像担持体を前記クリーニング部材に向けて進行させて前記像担持体上の前記パッチ画像を前記クリーニング部材に衝突させる移動動作とを含み、前記パッチ画像のエッジであって前記パッチ画像の進行方向の下流側におけるエッジは、前記進行方向に対して非垂直な方向に伸延しており、前記パッチ形成動作においては、第1のパッチ画像と第2のパッチ画像とが前記進行方向に配列され、前記第1のパッチ画像の前記進行方向の下流側のエッジは、前記進行方向に垂直な方向における一方側と他方側とのうち前記一方側の端が前記他方側の端よりも先に前記クリーニング部材に衝突する向きに傾斜しており、前記第2のパッチ画像の前記進行方向の下流側のエッジは、前記一方側と前記他方側とのうち前記他方側の端が前記一方側の端よりも先に前記クリーニング部材に衝突する向きに傾斜していることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像形成装置において、前記制御手段は、前記パッチ形成動作を実行するか否かを、印刷出力された複数の出力用紙の紙種情報に基づいて決定する決定手段、を備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る画像形成装置において、前記紙種情報は、前記複数の出力用紙のそれぞれが塗工紙であるか非塗工紙であるかを示す情報を含み、前記決定手段は、前記複数の出力用紙全体に対する非塗工紙の比率が基準値よりも大きいことを条件として、前記パッチ形成動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記像担持体にトナー像を転写する感光体、をさらに備え、前記基準値は、前記像担持体と前記感光体とのうちの少なくとも一方の表面に供給される潤滑剤の供給量に応じて変更されることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項2から請求項4のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記決定手段は、前記像担持体と前記クリーニング部材とが相互に接触している直線状の接触部分のうち、前記凝集物が存在すると推定される範囲である推定存在範囲を特定し、前記像担持体上の前記推定存在範囲に対応する領域に前記パッチ画像を形成すべき旨を決定することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る画像形成装置において、前記決定手段は、前記複数の出力用紙に含まれる非塗工紙の両端であって前記進行方向に垂直な方向における両端の前記像担持体上での想定通過位置のそれぞれを中心として前記進行方向に垂直な方向に所定幅を有する範囲を、前記推定存在範囲として特定することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5の発明に係る画像形成装置において、前記決定手段は、前記像担持体を前記進行方向に垂直な方向に複数の区分範囲に区分するとともに、前記複数の区分範囲のうち、前記メンテナンス動作よりも前に実行された画像形成動作での画像形成率が所定程度よりも小さい区分範囲を、前記推定存在範囲として特定することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記パッチ画像は、トナーによるベタ画像で形成されることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8の発明に係る画像形成装置において、前記パッチ画像は、2色以上のトナーによるベタ画像を重ね合わせて形成されることを特徴とする。
請求項10の発明は、トナー像を一時的に担持して用紙に転写する像担持体と前記用紙への転写後に前記像担持体上に残留している残留トナーを前記像担持体に対する相対移動に伴って掻き取るクリーニング部材とを備える画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)前記像担持体と前記クリーニング部材との間に発生する凝集物を除去するためのトナー画像であるパッチ画像を前記像担持体上に形成するパッチ形成動作を実行するステップと、b)前記像担持体を前記クリーニング部材に向けて進行させて前記像担持体上の前記パッチ画像を前記クリーニング部材に衝突させる移動動作を実行するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記パッチ画像のエッジであって前記パッチ画像の進行方向の下流側におけるエッジは、前記進行方向に対して非垂直な方向に伸延しており、前記パッチ形成動作においては、第1のパッチ画像と第2のパッチ画像とが前記進行方向に配列され、前記第1のパッチ画像の前記進行方向の下流側のエッジは、前記進行方向に垂直な方向における一方側と他方側とのうち前記一方側の端が前記他方側の端よりも先に前記クリーニング部材に衝突する向きに傾斜しており、前記第2のパッチ画像の前記進行方向の下流側のエッジは、前記一方側と前記他方側とのうち前記他方側の端が前記一方側の端よりも先に前記クリーニング部材に衝突する向きに傾斜していることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項10の発明に係るプログラムにおいて、前記ステップa)は、a-1)前記パッチ形成動作を実行するか否かを、印刷出力された複数の出力用紙の紙種情報に基づいて決定するステップ、を有することを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11の発明に係るプログラムにおいて、前記紙種情報は、前記複数の出力用紙のそれぞれが塗工紙であるか非塗工紙であるかを示す情報を含み、前記ステップa-1)においては、前記複数の出力用紙全体に対する非塗工紙の比率が基準値よりも大きいことを条件として、前記パッチ形成動作を実行する旨が決定されることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項12の発明に係るプログラムにおいて、前記画像形成装置は、前記像担持体にトナー像を転写する感光体、をさらに備え、前記基準値は、前記像担持体と前記感光体とのうちの少なくとも一方の表面に供給される潤滑剤の供給量に応じて変更されることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項11から請求項13のいずれかの発明に係るプログラムにおいて、c)前記像担持体と前記クリーニング部材とが相互に接触している直線状の接触部分のうち、前記凝集物が存在すると推定される範囲である推定存在範囲を特定するステップと、d)前記像担持体上において前記推定存在範囲に対応する領域に前記パッチ画像を形成すべき旨を決定するステップと、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14の発明に係るプログラムにおいて、前記ステップc)においては、前記複数の出力用紙に含まれる非塗工紙の両端であって前記進行方向に垂直な方向における両端の前記像担持体上での想定通過位置のそれぞれを中心として前記進行方向に垂直な方向に所定幅を有する範囲が、前記推定存在範囲として特定されることを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項14の発明に係るプログラムにおいて、前記ステップc)は、c-1)前記像担持体を前記進行方向に垂直な方向に複数の区分範囲に区分するステップと、c-2)前記複数の区分範囲のうち、前記ステップa)よりも前に実行された画像形成動作での画像形成率が所定程度よりも小さい区分範囲を、前記推定存在範囲として特定するステップと、を有することを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項10から請求項16のいずれかの発明に係るプログラムにおいて、前記パッチ画像は、トナーによるベタ画像で形成されることを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項17の発明に係るプログラムにおいて、前記パッチ画像は、2色以上のトナーによるベタ画像を重ね合わせて形成されることを特徴とする。
請求項1から請求項18に記載の発明によれば、パッチ画像の進行方向下流側のエッジが当該進行方向に対して非垂直な方向に伸延しているので、当該エッジのうち、クリーニング部材に先に到達して当該クリーニング部材によって掻き取られた部分のトナーが、クリーニング部材に新たに到達してくるトナーの粉圧によって当該進行方向に垂直な方向に押し流されて、当該進行方向に垂直な方向において凝集物に向かって流れてくる。そして、進行方向に垂直な方向において凝集物に向かって流れてきたトナーが当該凝集物に衝突すると、当該凝集物が、像担持体とクリーニング部材とから剥がれ、当該トナーとともに進行方向に垂直な方向に流れて除去される。したがって、当該凝集物が像担持体とクリーニング部材との間に噛み込むことが回避され、クリーニング部材から凝集物をより確実に除去することが可能である。
また、請求項1から請求項18に記載の発明によれば、特に、第1のパッチ画像のエッジにおけるトナーの流れと第2のパッチ画像のエッジにおけるトナーの流れとが互いに逆向きになる。それ故、クリーニング部材に付着した凝集物に対して、パッチ画像の進行方向に垂直な方向における一方側と他方側との双方からトナーが衝突する。その結果、仮に第1のパッチ画像のトナーではクリーニング部材から凝集物が剥がれなかった場合であっても、第2のパッチ画像のトナーによってクリーニング部材から凝集物が剥がれ得る。したがって、クリーニング部材に付着した凝集物を更に確実に当該クリーニング部材から剥がすことが可能である。
特に、請求項2および請求項11に記載の発明によれば、パッチ形成動作を実行するか否かが、印刷出力された複数の出力用紙の紙種情報に基づいて決定されるので、パッチ形成動作の実行の是非をより適切に決定することが可能である。
特に、請求項3および請求項12に記載の発明によれば、印刷出力された複数の出力用紙全体に対する非塗工紙の比率が基準値よりも大きいことを条件として、パッチ形成動作を実行する旨が決定されるので、パッチ形成動作の実行の是非をより適切に決定することが可能である。
また特に、請求項4および請求項13に記載の発明によれば、パッチ形成動作の実行の是非に関する基準値が、像担持体と感光体とのうちの少なくとも一方の表面に供給される潤滑剤の供給量に応じて変更されるので、常に同じ基準値を用いてパッチ形成動作の実行の是非が決定される場合と比較して、パッチ形成動作をより適切に実行することが可能である。
また特に、請求項5および請求項14に記載の発明によれば、像担持体とクリーニング部材とが相互に接触している直線状の接触部分のうち、凝集物が存在すると推定される範囲である推定存在範囲が特定され、像担持体上の推定存在範囲に対応する領域にパッチ画像を形成すべき旨が決定されるので、像担持体上において当該接触部分の全範囲に対応する領域にパッチ画像が常に形成される場合と比較して、トナーの消費を抑制することが可能である。
また特に、請求項9および請求項18に記載の発明によれば、2色以上のトナーによるベタ画像を重ね合わせてパッチ画像が形成されるので、単色のトナーによるベタ画像でパッチ画像が形成される場合と比較して、パッチ画像を形成するトナーの量が多く、クリーニング部材に付着した凝集物に対してより大きな粉圧でトナーが衝突する。したがって、クリーニング部材に付着した凝集物をより確実に当該クリーニング部材から剥がすことが可能である。
画像形成装置の概略構成を示す図である。 +X側から見たクリーニング装置の断面図である。 パッチ画像を示す図である。 パッチ形成動作に関するフローチャートである。 パッチ画像の配置候補領域の特定処理に関するサブルーチン処理を示す図である。 印刷履歴情報を示す図である。 用紙端近傍範囲を示す図である。 複数の区分範囲を示す図である。 パッチ画像がクリーニングブレードによって掻き取られていく様子を示す概念図である。 パッチ画像がクリーニングブレードによって掻き取られていく様子を示す概念図である。 パッチ画像がクリーニングブレードによって掻き取られていく様子を示す概念図である。 パッチ形成動作を実行する場合におけるクリーニング不良の発生推移とパッチ形成動作を実行しない場合におけるクリーニング不良の発生推移とを示す図(グラフ)である。 用紙と中間転写ベルトとが直接的に接触している部分を示す図である。 第2実施形態に係るパッチ形成動作に関するフローチャートである。 +X側から見た感光体クリーニング装置の断面図である。 潤滑剤ブロックの寿命比を示す図(グラフ)である。 変形例に係るパッチ画像を示す図である。 変形例に係るパッチ画像を示す図である。 変形例に係るパッチ画像がクリーニングブレードによって掻き取られていく様子を示す概念図である。 クリーニングブレードと中間転写ベルトとの間に発生する凝集物を示す図である。 凝集物が進行方向下流側に押し込まれる様子を示す図である。 クリーニングブレードと中間転写ベルトとの間に凝集物が噛み込んだ状態を示す図である。 クリーニングブレードと中間転写ベルトとの間に凝集物が噛み込んだ状態をクリーニング部材の移動方向の下流側から見た図である。 凝集物の両側からトナーがすり抜ける様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1-1.装置概要>
画像形成装置1は、像担持体上の静電潜像を現像して画像を形成する装置である。ここでは、画像形成装置として、電子写真方式の印刷出力装置、より詳細にはタンデム方式のフルカラー印刷出力装置が例示される。なお、図1等においては、XYZ直交座標系を用いて方向等を示している。
図1に示されるように、画像形成装置1は、複数(具体的には4つ)のイメージングユニット10(詳細には、10Y,10M,10C,10K)を備えている。具体的には、画像形成装置1は、イエローのイメージングユニット10Yと、マゼンタのイメージングユニット10Mと、シアンのイメージングユニット10Cと、ブラックのイメージングユニット10Kとを備えている。各イメージングユニット10は、それぞれ、最終出力画像のうちの各色成分(具体的には、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各成分)の画像を電子写真方式によって形成し、中間転写ベルト(中間転写体とも称される)21に転写する。そして、第2転写機(転写ローラ(2次転写ローラ))22において、中間転写ベルト21上に重畳された各色成分の画像(トナー画像)がさらに用紙(転写材)に転写されることによって、当該用紙にフルカラー画像が形成される。なお、中間転写ベルト21は、各感光体11から転写されたトナー画像(トナー像)を一時的に担持する像担持体である、とも表現される。
4つのイメージングユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、中間転写ベルト21の右側直線部分において、当該右側直線部分に沿って直列に配置されている。
各イメージングユニット10は、それぞれ、感光体11と帯電器12と露光器(光書込装置)13と現像器14と第1転写器(1次転写器)15とクリーナ(感光体クリーニング装置)17とを有している。詳細には、各イメージングユニット10において、略円柱状の感光体11の外周を囲むように、現像器14と露光器13と帯電器12とクリーナ17と第1転写器15とがこの順序で時計回りに配置されている。このうち、第1転写器15(詳細には転写ローラ)は、中間転写ベルト21を隔てて、感光体11と対向する位置に配置されている。
中間転写ベルト21は、駆動ローラを含む複数のローラに巻き掛けられており、駆動ローラの回転駆動に応じて矢印D1(図1)の向きに移動(回転)する。
また、転写ローラ22の位置を通過した中間転写ベルト21の移動方向(回転方向)D1の下流側には、ベルトクリーニング装置8が設けられている。ベルトクリーニング装置8の詳細構成については、後述する。
イメージングユニット10Kの下側(各イメージングユニット10の搬送経路上において上流側)には、給紙部30および給紙トレイ31等が設けられている。
また、転写ローラ22の位置を通過した用紙の搬送方向下流側には定着器26が設けられており、さらにその搬送方向下流側には排紙部27が設けられている。
画像形成装置1は、ネットワーク等を介して接続された他の情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)から伝送されてきた画像データに基づく画像を、上述のような印刷機構を用いて印刷出力することによって、カラーページプリンタとして機能する。
また、画像形成装置1は、コントローラ(制御部)9(図1参照)を備えている。
コントローラ9は、画像形成装置1に内蔵され、画像形成装置1を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)とを備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワーク等を介して画像形成装置1にインストールされてもよい。
コントローラ9は、当該プログラムの実行により、決定部91を含む各種の処理部を実現する。
決定部91は、中間転写ベルト21とクリーニングブレード2との間に発生する(生成される)凝集物M10を除去するメンテナンス動作を実行する(メンテナンス動作の実行を制御する)制御部である。
メンテナンス動作(メンテナンス処理)は、パッチ形成動作(次述)と移動動作(次述)とを含む。
パッチ形成動作(パッチ形成処理)は、当該凝集物M10を除去するためのトナー画像(パッチ画像P50(図3および図7))を中間転写ベルト21上に形成する動作である。移動動作(移動処理)は、中間転写ベルト21をクリーニングブレード2に向けて進行(移動)させて中間転写ベルト21上のパッチ画像P50をクリーニングブレード2に衝突させる動作である。
決定部91は、当該メンテナンス動作(パッチ形成動作および移動動作等)を実行するにあたって、当該パッチ形成動作を実行するか否かを決定する決定処理を実行する。具体的には、決定部91は、印刷ジョブによって印刷出力された複数の出力用紙(出力済用紙)の紙種情報に基づいて、当該パッチ形成動作の実行の是非を決定する。
<1-2.ベルトクリーニング装置の詳細構成>
図2は、+X側から見たベルトクリーニング装置8(図1)の断面図である。
ベルトクリーニング装置8は、クリーニングブレード2とトナー回収ローラ3とケーシング4とを備えている。
クリーニングブレード2は、用紙への転写後(画像形成動作後)に中間転写ベルト21上に残留しているトナー(残留トナーあるいは廃トナーなどとも称される)を中間転写ベルト21との相対移動(中間転写ベルト21の回転)に伴って掻き取る(掻き落とす)ことが可能な部材(クリーニング部材)である。
クリーニングブレード2は、細長い矩形形状を有する薄板状部材である。
また、クリーニングブレード2は、弾性部材(たとえば、ニトリルゴム(NBR)等のゴム部材)で形成される。
クリーニングブレード2は、ケーシング4に取り付けられているとともに、図2に示されるように、クリーニングブレード2の先端部(ブレードエッジ)2Aは、中間転写ベルト21の表面に接触して設けられている。詳細には、クリーニングブレード2の先端部は、中間転写ベルト21の移動方向(換言すれば、中間転写ベルト21の駆動ローラの軸方向に垂直な方向)D1の上流側に向いた姿勢で、中間転写ベルト21の表面に接触して配置される。そして、クリーニングブレード2が中間転写ベルト21に接触しつつ、中間転写ベルト21がクリーニングブレード2に向けて移動(進行)する。
中間転写ベルト21の移動とともに当該中間転写ベルト21上の残留トナーもクリーニングブレード2に向けて移動し、当該残留トナーがクリーニングブレード2に衝突すると、当該残留トナーが中間転写ベルト21から掻き取られる。クリーニングブレード2によって掻き取られたトナー(残留トナー)は、ケーシング4内の下方部分に溜まり、トナー回収ローラ3によって廃トナー回収容器(不図示)へと搬送されて回収される。
<1-3.パッチ形成動作について>
つぎに、パッチ形成動作について説明する。
上述したように、パッチ形成動作は、中間転写ベルト21上にパッチ画像P50を形成する動作である。当該パッチ形成動作は、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間(図20参照)に発生する凝集物M10(次述)を除去するために行われる。図20は、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間に発生する凝集物M10を示す図である。
用紙への画像形成動作後の中間転写ベルト21上には、種々の異物が存在しており、凝集物M10は、当該種々の異物がクリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間の空隙に蓄積(堆積)することによって発生する(生成される)(図20参照)。当該種々の異物としては、用紙に添加された填料等を含む紙粉、トナーに外添された外添剤、および/または感光体11等に塗布された潤滑剤(滑剤とも称される)などが存在する。
ここにおいて、塗工紙(コート紙等)の表面には塗工層が設けられているため、塗工紙では、非塗工紙(普通紙、再生紙等)と比較して、紙粉が発生し難い。一方で、非塗工紙の表面には塗工層が設けられておらず、非塗工紙では、塗工紙と比較して、紙粉が発生し易い。それ故、非塗工紙が搬送される場合、塗工紙が搬送される場合と比較して、より多くの紙粉が中間転写ベルト21に転移し、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間の空隙(図20参照)において凝集物M10が発生し易い(生成され易い)。
この点を考慮して、パッチ形成動作の実行の是非は、印刷出力された複数の出力用紙(出力済用紙)の紙種情報に基づいて決定される。詳細には、複数の出力済用紙全体に対する非塗工紙の比率(非塗工紙率とも称する)が基準値V10(ここではV11(たとえば60%))よりも大きいか否かに応じて、パッチ形成動作の実行の是非が決定される。
図4は、パッチ形成動作に関するフローチャートである。図4の動作は、所定のタイミング(たとえば、印刷出力枚数が所定枚数(たとえば1万枚)に到達したタイミング)で実行される。
なお、図4の動作に先立って、印刷ジョブが実行される毎に紙種情報が印刷履歴(印刷履歴情報)(図6参照)に記録される。
紙種情報は、複数の出力済用紙のそれぞれが塗工紙であるか非塗工紙であるかを示す情報である。当該紙種情報は、ステップS11に先立って実行指示が付与された印刷ジョブの設定内容に基づいて印刷履歴に記録される。
ここにおいて、画像形成装置1では、当該画像形成装置1の各給紙トレイに配置されている用紙の種類(紙種)が予め設定されている。たとえば、給紙トレイT1(不図示)に普通紙が配置されている旨が予め設定されるとともに、給紙トレイT2(不図示)にコート紙が配置されている旨が予め設定されている。
ユーザは、印刷ジョブの実行指示に際して給紙トレイを指定する。ユーザによる給紙トレイの指定操作に応答して、画像形成装置1は、ユーザによって指定された給紙トレイに基づいて、印刷ジョブにおいて印刷出力される用紙(出力用紙)の紙種情報(紙種設定情報)を印刷履歴に記録する。たとえば、給紙トレイT1がユーザによって指定された場合には、当該給紙トレイT1に配置されている出力用紙(ここでは普通紙)が非塗工紙である旨を示す紙種情報が印刷履歴に記録される。また、給紙トレイT2がユーザによって指定された場合には、当該給紙トレイT2に配置されている出力用紙(ここではコート紙)が塗工紙である旨を示す紙種情報が印刷履歴に記録される。
このようにして、複数の出力済用紙に関する紙種情報が印刷履歴(図6)に予め記録された上で、図4の動作が開始される。
まず、ステップS11において、決定部91は、印刷履歴に記録されている紙種情報(出力済用紙の紙種情報)を取得するとともに、当該紙種情報に基づいて、非塗工紙率が基準値V11よりも大きいか否かを判定する。ここでは、直近の所定枚数(たとえば1万枚)の出力済用紙の紙種情報に基づいて、非塗工紙率が基準値V11よりも大きいか否かが判定される。なお、これに限定されず、たとえば、直近の所定数のジョブ(たとえば、直近の10ジョブ)における紙種情報(紙種設定情報)に基づいて、非塗工紙率が基準値V11よりも大きいか否かが判定されてもよい。
図6は、印刷履歴(印刷履歴情報)を示す図である。ここでは、直近の所定枚数(1万枚)の用紙が出力されるまでに10個の印刷ジョブが実行されたことを想定する。
図6に示されるように、印刷出力された1万枚の出力済用紙のうち、非塗工紙の合計枚数は6400枚であり、非塗工紙率(直近の1万枚の出力済用紙全体に対する非塗工紙の比率)は64%である。この場合、決定部91は、非塗工紙率(64%)が基準値V11(ここでは60%)よりも大きい旨をステップS11において判定する。
そして、処理はステップS11からステップS12へと進み、決定部91は、パッチ形成動作を実行する旨を決定する。なお、非塗工紙率が基準値V11よりも小さい場合、処理はステップS11からステップS15へと進み、パッチ形成動作を実行しない旨が決定される。
このように、決定部91は、非塗工紙率が基準値V10(ここではV11)よりも大きいことを条件として、パッチ形成動作を実行する旨を決定する。そして、処理はステップS12からステップS13へと進む。
ステップS13において、決定部91は、パッチ形成動作におけるパッチ画像P50の配置候補領域(中間転写ベルト21の全表面領域のうち、パッチ画像P50を配置(形成)すべき候補領域)を特定する。
図5は、パッチ画像P50の配置候補領域(配置対象領域)を特定する候補領域特定処理(ステップS13)に関するサブルーチン処理を示す図である。
当該ステップS13では、中間転写ベルト21とクリーニングブレード2とが相互に接触している直線状の接触部分(進行方向D1に垂直な方向D2に伸延する接触部分)R10(図7および図8参照)のうち、凝集物M10が存在すると推定される範囲(推定存在範囲B1)が特定される(ステップS21~S25)。そして、中間転写ベルト21上の推定存在範囲B1に対応する対応領域F1(後述)が、パッチ画像P50の配置候補領域として特定される(ステップS26)。
ここでは、2つの基準をそれぞれ用いて推定存在範囲B1が特定される(ステップS21~S25)。具体的には、非塗工紙の両端に関する第1の基準を用いて推定存在範囲B1が特定される(ステップS21,S22)とともに、その後、画像形成率に関する第2の基準を用いて推定存在範囲B1がさらに特定される(ステップS23~S25)。
まず、第1の基準を用いて推定存在範囲B1を特定する動作(ステップS21,S22)について説明する。
ここにおいて、図13に示されるように、中間転写ベルト21のうち、用紙(詳細には非塗工紙)100への画像形成動作に際してトナー像N1が形成されている部分は、当該用紙100に対して直接的に接触しないのに対して、トナー像N1が形成されていない部分は、当該用紙100に対して直接的に接触する。それ故、中間転写ベルト21のうち、用紙100に対して直接的に(トナー像N1を介さずに)接触している部分には、用紙100に対して直接的に接触していない部分と比較して、用紙(非塗工紙)100から紙粉が転移し易い(用紙100から転移する紙粉の量が多い)。
たとえば、用紙の方向D2(用紙の幅方向)における両端部分には、印刷余白が設けられることが多く、用紙の中央部分と比較して、トナー像が形成されること(印字されること)が少ない。したがって、用紙の両端部分においては、用紙と中間転写ベルト21とが直接的に(トナー像を介さずに)接触する機会が多い。すなわち、中間転写ベルト21のうち、用紙(非塗工紙)の両端部分との接触部分には、用紙の中央部分との接触部分と比較して、より多くの紙粉が用紙(非塗工紙)から転移する。それ故、中間転写ベルト21とクリーニングブレード2との接触部分R10(図7)のうち、中間転写ベルト21上での非塗工紙の両端の通過位置Q10に対応する部分に凝集物M10が生成される可能性が比較的高いと推定される。
また、中間転写ベルト21上での用紙両端の通過位置(進行方向D1に垂直な方向D2における通過位置)Q10(図7)が用紙サイズ毎に予め定められているものの、実際の用紙搬送時には、予め定められた通過位置(想定通過位置)Q10に対して、当該方向D2に若干ズレて用紙が搬送されることもある。
これらの点を考慮して、ステップS21,S22においては、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の両端(方向D2における両端)の中間転写ベルト21上での想定通過位置Q10のそれぞれを中心として当該方向D2に所定幅(たとえば10ミリメートルの幅)を有する範囲(用紙端近傍範囲(あるいは用紙端所定範囲)A10とも称する)(図7参照)が、推定存在範囲B1として特定される。
より詳細には、想定通過位置Q10が用紙サイズ毎に異なることを考慮して、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定される。換言すれば、印刷履歴(図6)に含まれる全ての非塗工紙サイズ(非塗工紙のサイズ)に関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定されてもよい。
まず、ステップS21において、決定部91は、複数(ここでは1万枚)の出力済用紙に含まれる非塗工紙の用紙サイズを、印刷ジョブにおける設定情報(印刷履歴)に基づいて取得する。ここでは、3種類の用紙サイズ(A3サイズ、A4サイズおよびハガキサイズ)が取得される(図6参照)。
そして、ステップS22において、決定部91は、当該非塗工紙の用紙サイズに基づいて、各用紙サイズの非塗工紙の用紙端近傍範囲A10(図7)を推定存在範囲B1として特定する。ここでは、A4サイズとA3サイズとハガキサイズとのそれぞれに関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定される。
このようにして、非塗工紙の両端に関する第1の基準を用いて推定存在範囲B1が特定される(ステップS21,S22)。そして、処理はステップS22からステップS23~S25へと進む。
つぎに、画像形成率に関する第2の基準を用いて推定存在範囲B1を特定する動作(ステップS23~S25)について説明する。
ステップS23~S25では、低形成率範囲(次述)が推定存在範囲B1として特定される。
低形成率範囲は、進行方向D1に垂直な方向D2に中間転写ベルト21を区分した複数(ここでは8つ)の区分範囲A50(A51~A58)(図8参照)のうち、メンテナンス動作よりも前に実行された画像形成動作での画像形成率(印字率)が所定程度よりも小さい区分範囲である。より詳細には、低形成率範囲は、当該複数の区分範囲A50のうち、対応する領域(所定長領域(後述))での当該画像形成率が所定程度よりも小さい区分範囲である。当該低形成率範囲は、低印字率範囲などとも称される。
まず、ステップS23において、決定部91は、中間転写ベルト21(接触部分R10)を方向D2に複数(ここでは8つ)の区分範囲A50(A51~A58)に区分する(図8参照)とともに、各区分範囲A50(A51~A58)が低形成率範囲であるか否かを判定する。
具体的には、複数の区分範囲A51~A58のそれぞれに関して、対応する所定長領域の面積に対するトナー(用紙に転写するためのトナー)の付着面積の比率(画像形成率)が算出される。所定長領域は、区分範囲A50を短手方向として進行方向D1に沿って所定区間K1(次述)伸延する領域である。所定区間K1は、直近の画像形成動作の終了位置から所定距離(たとえば500メートル)を遡った位置と当該終了位置との区間(500メートルの区間)である。すなわち、所定長領域の面積は、区分範囲A50の幅と所定距離との積(区分範囲A50の幅×所定距離)により算出される。そして、複数の区分範囲A51~A58のそれぞれに関して、対応する所定長領域での画像形成率が所定値W1(たとえば3%)未満であるか否かが判定される。たとえば、区分範囲A58に関する画像形成率が所定値W1よりも小さい場合、当該区分範囲A58が低形成率範囲である旨がステップS23にて判定される。
そして、ステップS24において、決定部91は、低形成率範囲の存否を判定する。
たとえば、複数の区分範囲A51~A58のいずれか(たとえば区分範囲A58)が低形成率範囲である旨がステップS23にて判定された場合、低形成率範囲が存在する旨がステップS24にて判定され、処理はステップS24からステップS25へと進む。なお、複数の区分範囲A51~A58のいずれもが低形成率範囲でない旨がステップS23にて判定された場合、低形成率範囲が存在しない旨がステップS24にて判定され、処理はステップS24からステップS25を経ずにステップS26へと進む。
ステップS25において、決定部91は、複数の区分範囲A51~A58のうち、低形成率範囲である旨が判定された区分範囲A50(たとえばA58)を推定存在範囲B1として特定する。
このように、非塗工紙の両端に関する第1の基準を用いて推定存在範囲B1が特定される(ステップS21,S22)とともに、画像形成率に関する第2の基準を用いて推定存在範囲B1がさらに特定される(ステップS23~S25)。
そして、処理はステップS25からステップS26へと進む。
ステップS26において、決定部91は、中間転写ベルト21上の推定存在範囲B1(用紙端近傍範囲A10および低形成率範囲(低形成率範囲である旨が判定された区分範囲)A50)に対応する対応領域(2次元領域)F1(図7および図8参照)にパッチ画像P50を形成すべき旨を決定する。詳細には、決定部91は、当該対応領域F1を、パッチ画像P50の配置候補領域として特定する。具体的には、中間転写ベルト21の全表面領域のうち、推定存在範囲B1を全幅として有し(短手方向の長さが推定存在範囲B1の幅であり)且つ進行方向D1に伸延する細長形状の矩形領域F1が、パッチ画像P50の配置候補領域として特定される。
このようにしてパッチ画像P50の配置候補領域が特定される(ステップS13)と、処理はステップS13(図4)からステップS14へと進み、メンテナンス動作(パッチ形成動作および移動動作)が実行される。
具体的には、中間転写ベルト21上において、配置候補領域として特定された領域(推定存在範囲B1に対応する対応領域F1(図7および図8参照))にパッチ画像P50が形成される。
なお、図7では、用紙端近傍範囲A10(推定存在範囲B1)に対応する対応領域F1に形成されるパッチ画像P50が示されている。また、図8では、低形成率範囲である旨が判定された区分範囲A50(推定存在範囲B1)に対応する対応領域F1に形成されるパッチ画像P50が示されている。用紙端近傍範囲A10と低形成率範囲A50との双方が推定存在範囲B1として特定される場合には、図7の対応領域F1と図8の対応領域F1との双方にパッチ画像P50が形成される。この場合において、用紙端近傍範囲A10の少なくとも一部と低形成率範囲A50の少なくとも一部とが重複するときには、用紙端近傍範囲A10と低形成率範囲A50との和集合の範囲に対応する対応領域(配置候補領域)に、パッチ画像P50が形成される。
そして、中間転写ベルト21がクリーニングブレード2に向かって進行して中間転写ベルト21上のパッチ画像P50がクリーニングブレード2に衝突する。
図3は、パッチ画像P50を示す図である。
パッチ画像P50は、中間転写ベルト21とクリーニングブレード2との間に発生する凝集物M10を除去するためのトナー画像である。当該パッチ画像P50は、ここでは、単色(YMCK各色のいずれか一色)のトナー(トナー層)によるベタ画像で形成される。なお、パッチ画像P50は、ベタ画像に限定されず、たとえば、所定程度(たとえば90%)以上の網点画像であってもよい。
当該パッチ画像P50のエッジ(境界部)E1であって当該パッチ画像P50の進行方向(中間転写ベルト21の移動方向)D1の下流側におけるエッジE1は、当該進行方向D1に対して非垂直(且つ非平行)な方向C1に伸延している。換言すれば、当該パッチ画像P50の進行方向D1の下流側のエッジE1(進行方向D1に対して斜行するエッジ)の伸延方向C1と当該進行方向D1とがなす角度θ(図3)は、非直角である。当該角度θは、30~60度(より好ましくは45度)であることが好ましい。また、当該エッジE1は、直線状に伸延することが好ましい。
図3に示されるように、ここでは、パッチ画像P50(P51A)は三角形形状に形成される。なお、これに限定されず、たとえば、図17に示されるように、当該パッチ画像P50(P52)は矩形形状(長方形形状等)に形成されてもよい。この場合、矩形形状のパッチ画像P52の各辺が、進行方向D1に対して斜行する。
また、ここでは、1つのパッチ画像P50(詳細にはパッチ画像P50のエッジE1)の方向D2の長さ(幅)は、推定存在範囲B1(図3)の長さ(配置候補領域の方向D2の長さ(幅))と同じである。なお、これに限定されず、パッチ画像P50(エッジE1)の方向D2の幅は、推定存在範囲B1の長さより大きくてもよく、逆に、推定存在範囲B1の長さよりも小さくてもよい。
また、ここでは、複数(詳細には3つ)のパッチ画像P50が進行方向D1に沿って一列に配列される。詳細には、進行方向D1に沿って配列された複数のパッチ画像P50(P51A)のそれぞれの進行方向D1下流側のエッジE1は、図3に示されるように、方向D2における一方側(左側)と他方側(右側)とのうち左側の端(左端)が右側の端(右端)よりも先にクリーニングブレード2に衝突する向きに傾斜している。より詳細には、複数のパッチ画像P51Aのそれぞれの幅(方向D2における長さ)は、互いに同じ長さである。これらのパッチ画像P51Aが、配置候補領域において、進行方向D1に沿って(進行方向D1に対して平行な方向に)一列に配列される。
パッチ形成動作では、このようなパッチ画像P50が、感光体11から中間転写ベルト21に転写されて当該中間転写ベルト21上に形成される。
なお、メンテナンス動作(移動動作)の実行に際しては、二次転写ローラ22(図1)を中間転写ベルト21から離間する離間動作が行われる。これにより、中間転写ベルト21上に形成されたパッチ画像P50の全量がクリーニングブレード2に到達(衝突)する。ただし、これに限定されず、たとえば、二次転写ローラ22にトナー像(パッチ画像P50)の極性と同じ極性の二次転写バイアス(二次転写電圧)を印加することによって、当該トナー像を二次転写ローラ22に静電的に転写させずに、中間転写ベルト21上のパッチ画像P50の全量をクリーニングブレード2に到達させるようにしてもよい。
そして、中間転写ベルト21上に形成されたパッチ画像P50がクリーニングブレード2に到達すると、クリーニングブレード2によって当該パッチ画像P50が掻き取られる。この際、次述するように、パッチ画像P50のエッジE1のうちクリーニングブレード2に到達した部分において、クリーニングブレード2によって掻き取られたパッチ画像P50のトナーが、当該パッチ画像P50の進行方向D1に垂直な方向D2(図9~図11等での左右方向)における一方側(ここでは右側)に向かって流れる。
図9~図11は、中間転写ベルト21のパッチ画像P50がクリーニングブレード2によって掻き取られていく様子を示す図(上面図)である。
まず、パッチ画像P50のエッジE1の左端がクリーニングブレード2に到達する(図9参照)と、当該エッジE1の左端のトナー(中間転写ベルト21上のトナー)がクリーニングブレード2によって掻き取られて中間転写ベルト21から剥がれる。中間転写ベルト21から剥がれたトナー(粉体)は、クリーニングブレード2への到達位置から図9の右側(当該トナーが移動可能な向き)に若干移動する(こぼれる)。
この状態でクリーニングブレード2に新たにトナー(後続のトナー)が到達すると、クリーニングブレード2に先に到達して中間転写ベルト21から剥がれたトナーが、後続のトナーの粉圧(エッジE1のうち中間転写ベルト21に新たに到達した部分の右側の面から受ける圧力)によって図9の右側に押し流される。なお、右側に押し流されたトナーは、その後落下してケーシング4(図2)内の下方部分に回収される。
さらにその後、パッチ画像P50が図9の状態から進行方向D1下流側へと更に進んだ(図10参照)場合においても、同様に、パッチ画像P50のエッジE1のうちクリーニングブレード2に到達した部分のトナーが、クリーニングブレード2によって掻き取られて右側に若干移動し、後続のトナーの粉圧によって右側に押し流される。
このように、進行方向D1に対して非垂直な方向に伸延するエッジE1のうち、クリーニングブレード2に先に到達してクリーニングブレード2によって掻き取られた部分のトナー(粉体)が、後続のトナーの粉圧によって右側に押し流される。より詳細には、このような事象が中間転写ベルト21の移動(進行)に伴って連続的に発生する。
そして、エッジE1が凝集物M10に衝突する際には、当該エッジE1のうち凝集物M10に到達する直前にクリーニングブレード2によって掻き取られた部分のトナーが、凝集物M10に向かって(凝集物M10の左側から)押し流されてくる。右側へと流れるトナーが凝集物M10(詳細には、凝集物M10の左側面)に衝突すると、当該凝集物M10は、左側からのトナーの力(粉圧)を受けてクリーニングブレード2から剥がれる。その後、当該凝集物M10は、当該トナーとともに右側へと流れて(図11参照)ケーシング4(図2)内の下方部分に回収される(除去される)。
以上のようにして、凝集物M10が除去される。したがって、凝集物M10が中間転写ベルト21とクリーニングブレード2との間に噛み込むことが回避されるので、特許文献1に記載の技術(進行方向D1に対して垂直な方向D2に伸延するエッジE90(図21)を凝集物M10に衝突させる技術)と比較して、クリーニングブレード2から凝集物M10をより確実に除去することが可能である。ひいては、クリーニング不良の発生を抑制することが可能である。
図12は、上述のようなパッチ形成動作を実行する場合におけるクリーニング不良(ここでは、スジ状の画像ノイズ)の発生推移とパッチ形成動作を実行しない場合におけるクリーニング不良の発生推移とを示す図(グラフ)である。
ここにおいて、中間転写ベルト21上に紙粉が比較的多く存在する状態で、トナーの外添剤と感光体11上の潤滑剤とが当該中間転写ベルト21に転移した場合に、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間に凝集物M10が特に生成され易い。凝集物M10が生成され易い状況でパッチ形成動作の実行有無に関してクリーニング不良の発生推移を比較するため、ここでは、低印字率(たとえば0%)の非塗工紙(再生紙等)を4000枚搬送させるとともに高印字率(たとえば30%)の非塗工紙を1000枚搬送させる動作を繰り返す実験が行われる。より詳細には、低印字率の非塗工紙を4000枚搬送することによって中間転写ベルト21上に紙粉を比較的多く存在させ、高印字率の非塗工紙を1000枚搬送することによって外添剤と潤滑剤とを中間転写ベルト21に転移させる。このようにして凝集物M10が生成され易い状況で、パッチ形成動作の実行有無に関するクリーニング不良の発生推移が比較される。なお、パッチ形成動作を実行する場合におけるクリーニング不良の発生推移を確認するにあたって、パッチ形成動作は、所定枚数(たとえば1万枚)の用紙が搬送されたタイミングで実行される。すなわち、所定枚数ごとにパッチ形成動作が実行される。
このような実験の結果、パッチ形成動作が実行されない場合には、印刷出力枚数が8万枚に到達した頃にクリーニング不良(スジ状画像ノイズ)が発生し始める。これに対して、上述のようなパッチ画像P50(図3)を形成するパッチ形成動作が所定枚数(ここでは1万枚)ごとに実行される場合には、印刷出力枚数が20万枚を超えてもクリーニング不良が発生しないことが確認された(図12参照)。このような実験結果からも判るように、当該パッチ形成動作が実行されることによれば、クリーニング不良の発生を抑制することが可能である。
また、上記第1実施形態では、パッチ形成動作を実行するか否かが、印刷出力された複数の出力済用紙の紙種情報に基づいて決定される(ステップS11)。より詳細には、当該複数の出力済用紙全体に対する非塗工紙の比率(非塗工紙率)が基準値V10よりも大きいことを条件として、パッチ形成動作を実行する旨が決定される。したがって、パッチ形成動作の実行の是非をより適切に決定することが可能である。
詳細には、上記第1実施形態では、所定のタイミング(たとえば、印刷出力枚数が所定枚数(たとえば1万枚)に到達したタイミング)の到来に応答して、非塗工紙率と基準値V10との大小関係が比較されて、パッチ形成動作の実行の是非が決定される(ステップS11)。より詳細には、所定のタイミングが到来した場合であっても、非塗工紙率が基準値V10よりも小さいときには、パッチ形成動作を実行しない旨が決定され(ステップS15)、トナーによるパッチ画像P50が中間転写ベルト21上に形成されない。したがって、所定のタイミングの到来に応答してパッチ形成動作が常に実行される場合と比較して、パッチ形成動作の実行頻度が低減されるので、トナーの消費を抑制することが可能である。
また、上記第1実施形態では、中間転写ベルト21とクリーニングブレード2との接触部分R10のうち、凝集物M10が存在すると推定される範囲(推定存在範囲B1)が特定され、中間転写ベルト21上の推定存在範囲B1に対応する領域F1(図7および図8参照)にパッチ画像P50を形成すべき旨が決定される(ステップS13)。したがって、当該接触部分R10の全範囲に対応する領域にパッチ画像P50が常に形成される場合と比較して、トナーの消費を更に抑制することが可能である。
ところで、画像形成装置では、YMCK各色のトナー像の形成位置と再現画像の濃度とを補正するために、画像安定化処理(画像安定化動作)が行われることがある。当該画像安定化処理では、レジスト補正処理等が実行される。
たとえば、特許文献2には、このような画像安定化動作(レジスト補正処理等)を行う技術が示されている。
特許文献2におけるレジスト補正処理では、中間転写ベルト上に、YMCKの各色毎にトナーによるレジストパターンがライン状に且つ中間転写ベルトの走行方向に対して例えば45度の角度で傾斜して形成されるとともに、各色のレジストパターンが、中間転写ベルト上の所定の領域において中間転写ベルトの走行方向に配列される。そして、YMCK各色のレジストパターンの形成位置が光学センサーで検出されて、その検出結果に基づき各色の位置ずれ量が求められる。このようにして求められた位置ずれ量に基づいて、各色の画像形成位置が補正される。
このような画像安定化動作(YMCK各色のトナー形成位置等を補正するためのトナー画像を中間転写ベルト上に形成する動作)は、画像形成装置内の温湿度の変動量(変化量)が所定値を超えた場合に実施される。
一方、本願におけるパッチ形成動作は、当該画像安定化動作とは異なる目的で行われるとともに、当該画像安定化動作とは異なる条件に基づいて行われる。
具体的には、特許文献2に記載の技術における画像安定化動作では、YMCK各色の画像形成位置を補正するためのパターン画像が中間転写ベルト上に形成されるのに対して、本願におけるパッチ形成動作では、上述したように、中間転写ベルト21とクリーニングブレード2との間に発生する凝集物M10を除去するためのパッチ画像P50が中間転写ベルト21上に形成される。また、特許文献2に記載の技術における画像形成動作は、画像処理装置内の温湿度の変化量が所定値を超えた場合に実行されるのに対して、本願におけるパッチ形成動作は、上述したように、印刷出力された複数の出力済用紙の紙種情報(複数の出力済用紙のそれぞれが塗工紙であるか非塗工紙であるか)に基づいて実行される。
このように、本願におけるパッチ形成動作は、特許文献2に記載の技術とは大きく相違する。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態では、パッチ形成動作の実行の是非に関する基準値V10(V11)が固定されている。
これに対して、この第2実施形態では、当該基準値V10が、感光体11の表面に供給される潤滑剤の供給量に応じて変更される。
ここにおいて、感光体11(図1)の表面には、当該感光体11の摩擦係数を低下させる潤滑剤(滑剤)が塗布(供給)される。感光体11の表面に塗布された潤滑剤は、画像形成動作に際して感光体11から中間転写ベルト21に転移する。感光体11から中間転写ベルト21に転移した潤滑剤と用紙(非塗工紙)から中間転写ベルト21に転移した紙粉とが混ざると、当該紙粉が固形化し易い。それ故、感光体11に供給(塗布)される潤滑剤の供給量が一定程度よりも多い場合、当該潤滑剤の供給量が一定程度よりも少ない場合と比較して、クリーニングブレード2における凝集物M10の成長速度(凝集物M10が大きくなる速度)が速い。逆に、当該潤滑剤の供給量が一定程度よりも少ない場合、当該潤滑剤の供給量が一定程度よりも多い場合と比較して、凝集物M10の成長速度は遅い。
この点を考慮して、この第2実施形態では、当該基準値V10が、感光体11の表面に供給される潤滑剤の供給量に応じて変更される。
当該潤滑剤は、感光体クリーニング装置17(図1)に設けられた潤滑剤塗布機構70(次述)によって感光体11の表面に塗布(供給)される。
図15は、+X側から見た感光体クリーニング装置17の断面図である。
潤滑剤塗布機構70は、ブラシ(潤滑剤塗布ブラシ)71と潤滑剤ブロック(固形潤滑剤)72と弾性部材73とを有する。
ブラシ71は、潤滑剤ブロック72から潤滑剤を擦り取るとともに、擦り取った潤滑剤を感光体11に塗布(供給)する部材である。当該ブラシ71は、感光体11の表面に接触して設けられているとともに、回転可能に構成されている。
弾性部材73は、潤滑剤ブロック72をブラシ71に向けて押圧する部材である。当該弾性部材73としては、圧縮コイルばね(自然長よりも縮んだ状態の圧縮コイルばね)が例示される。
潤滑剤塗布機構70では、ブラシ71の回転に応じて、当該ブラシ71によって潤滑剤ブロック72から潤滑剤が擦り取られ、擦り取られた潤滑剤が感光体11に塗布(供給)される。
次述するように、潤滑剤ブロック72から感光体11への潤滑剤の供給量は、経年的に減少する。
図16は、潤滑剤の供給量の推移を示す図である。図16における縦軸は、感光体11に供給される潤滑剤の供給量を示しており、図16における横軸は、寿命比を示している。寿命比は、寿命到来状態(潤滑剤ブロック72を新品状態の潤滑剤ブロック72に交換すべき状態(寿命が到来した状態))の潤滑剤ブロック72から感光体11に供給される潤滑剤の供給量に対する現在の潤滑剤の供給量の比率である。当該寿命比が小さい程、潤滑剤ブロック72が新品状態に近く、寿命比が大きい程、潤滑剤ブロック72が寿命到来状態に近い。
感光体11に塗布される潤滑剤の塗布量(供給量)は、潤滑剤ブロック72が新品状態である場合(潤滑剤ブロック72の寿命比が0%である場合)に最も多い。その後、ブラシ71によって潤滑剤ブロック72の潤滑剤が擦り取られる毎に当該潤滑剤ブロック72が徐々に小さくなり(潤滑剤ブロック72の寿命比が大きくなり)、感光体11への潤滑剤の供給量は、経年的に減少する。たとえば、潤滑剤ブロック72の寿命比が50%に到達すると、潤滑剤ブロック72から感光体11に供給される潤滑剤の供給量は、新品状態の潤滑剤ブロック72から供給される潤滑剤の供給量(初期供給量)に対して約2/3(≒0.42/0.65)の量にまで低減する。
この第2実施形態では、このようにして経年的に減少する供給量(潤滑剤ブロック72から感光体11への潤滑剤の供給量)に応じて、パッチ形成動作の実行の是非に関する基準値V10が変更される。具体的には、潤滑剤ブロック72の寿命比が所定値G(たとえば50%)よりも小さいか否かに応じて、当該基準値V10が切り替えられる。
図14は、第2実施形態に係るパッチ形成動作に関するフローチャートである。図14に示されるように、第2実施形態では、ステップS11~S15に加えてステップS31,S32の処理が実行される。
ステップS31では、決定部91は、寿命比が所定値G(たとえば50%)よりも小さいか否かを判定する。換言すれば、潤滑剤ブロック72から感光体11に供給される潤滑剤の供給量が初期供給量(新品状態の潤滑剤ブロック72から供給される潤滑剤の供給量)の2/3の量にまで低減したか否か、が判定される。
潤滑剤ブロック72の寿命比が所定値G(50%)よりも小さい場合(換言すれば、潤滑剤の供給量が初期供給量の2/3の量よりも多い場合)、処理はステップS31からステップS11へと進み、決定部91は、基準値V11(V10)(たとえば60%)を用いてパッチ形成動作の実行の是非を決定する。
一方、潤滑剤ブロック72の寿命比が所定値G(50%)以上である場合(換言すれば、潤滑剤の供給量が初期供給量の2/3の量よりも少ない場合)、処理はステップS31からステップS32へと進み、決定部91は、基準値V12(V10)を用いてパッチ形成動作の実行の是非を決定する。基準値V12(たとえば80%)は、基準値V11(60%)よりも大きな値(V12>V11)である。具体的には、非塗工紙率が基準値V12(80%)よりも大きいか否かに応じて、パッチ形成動作の実行の是非が決定される。
なお、ステップS12~S15の処理内容は、第1実施形態と同様である。
このように、第2実施形態では、パッチ形成動作の実行の是非に関する基準値V10が、感光体11に供給される潤滑剤の供給量に応じて変更されるので、常に同じ基準値V10(たとえばV11)でパッチ形成動作の実行の是非が決定される場合と比較して、パッチ形成動作をより適切に実行することが可能である。
具体的には、潤滑剤の供給量が一定程度(ここでは、初期供給量の2/3の量)よりも少ない場合は、基準値V11(60%)よりも大きな基準値V12(80%)を用いてパッチ形成動作の実行の是非が決定される(ステップS32)。換言すれば、潤滑剤の供給量が一定程度よりも少ないことによって凝集物M10の成長速度が比較的(潤滑剤の供給量が一定程度よりも多い場合と比較して)遅い場合には、パッチ形成動作の実行頻度が低減される。したがって、トナーの消費を抑制することが可能である。
なお、ここでは、感光体11に潤滑剤が供給される場合に、当該潤滑剤の供給量に応じて基準値V10が変更されているが、これに限定されない。たとえば、感光体11に潤滑剤が供給されず、中間転写ベルト21に潤滑剤が供給される場合には、当該中間転写ベルト21に供給される潤滑剤の供給量に応じて基準値V10が変更されてもよい。また、感光体11と中間転写ベルト21との双方に潤滑剤が供給される場合には、当該感光体11と中間転写ベルト21との双方に供給される潤滑剤の供給量に応じて基準値V10が変更されてもよい。
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記各実施形態等では、単色のトナー(トナー層)によるベタ画像でパッチ画像P50が形成されているが、これに限定されず、2色のトナー(単色のトナー層の約2倍のトナー)によるベタ画像を重ね合わせて(2色のトナー層で)パッチ画像P50が形成されてもよい。あるいは、3色以上のトナーによるベタ画像を重ね合わせてパッチ画像P50が形成されてもよい。
これによれば、単色のトナーによるベタ画像でパッチ画像P50が形成される場合と比較して、パッチ画像P50を形成するトナーの量が多く、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10に対してより大きな粉圧でトナーが衝突する。したがって、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10をより確実にクリーニングブレード2から剥がすことが可能である。
なお、ベルトクリーニング装置8には、クリーニングブレード2がクリーニングできるトナー量の限界(クリーニング限界)がある。クリーニングブレード2に到達したトナーのトナー量(付着量)がクリーニング限界よりも多い場合、若干のトナーがクリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間をすり抜けて、スジ状画像ノイズ等のクリーニング不良が発生する恐れがある。
このような問題の発生を防止するため、2色以上のトナーによるベタ画像を重ね合わせてパッチ画像P50が形成される場合、パッチ形成動作において、たとえば中間転写ベルト21を2周以上回転させてもよい。詳細には、中間転写ベルト21の1周目の回転動作の結果、2色以上のトナーによるパッチ画像P50における若干のトナーがクリーニングブレード2と中間転写ベルト21との間から仮にすり抜けた場合であっても、2周目の回転動作に際して当該若干のトナーがクリーニングブレード2によって掻き取られるようにしてもよい。
また、上記各実施形態等では、進行方向D1に配列された複数のパッチ画像P51A(図3参照)のそれぞれの進行方向D1下流側のエッジE1が、方向D2における両側のうち左側の端(左端)が右側の端(右端)よりも先にクリーニングブレード2に衝突する向き(端的に言えば、右肩下がりの向き)に傾斜している(「右肩下がりエッジ」である)。換言すれば、上記各実施形態等では、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10に対して、進行方向D1に垂直な方向D2における両側のうちの一方側(左側)から複数のパッチ画像P50のそれぞれのトナーを衝突させている(図11も参照)。
ここにおいて、凝集物M10の形状は不定形である。それ故、凝集物M10の形状によっては、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10に対して、進行方向D1に垂直な方向D2における一方側(たとえば左側)のみからトナー(パッチ画像P50のトナー)を衝突させるだけでは、当該凝集物M10がクリーニングブレード2から剥がれない恐れがある。
この点を考慮して、次述するように、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10に対して、進行方向D1に垂直な方向D2の両側のうちの一方側(左側)のみならず、他方側(右側)からもトナーが衝突するようにしてもよい。これによれば、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10を更に確実にクリーニングブレード2から剥がすことが可能である。
図18は、この改変例に係るパッチ画像P50を示す図である。
ここでは、進行方向D1に沿って一列に3つのパッチ画像P50が形成される。詳細には、配置候補領域において、進行方向D1に沿って(進行方向D1に対して平行な方向に)一列に、パッチ画像P51A,P51B,P51Aがこの順序で配列される。換言すれば、進行方向D1に沿って一列に、パッチ画像P51A,P51Bが交互に配列される。
図18に示されるように、パッチ画像P51Aの進行方向D1下流側のエッジE1は、方向D2における両側のうち左端が右端よりも先にクリーニングブレード2に衝突する向き(端的に言えば、右肩下がりの向き)に傾斜している(「右肩下がりエッジ」である)。これに対して、パッチ画像P51Bの進行方向D1下流側のエッジE1は、方向D2における両側のうち右端が左端よりも先にクリーニングブレード2に衝突する向き(端的に言えば、左肩下がりの向き)に傾斜している(「左肩下がりエッジ」である)。詳細には、パッチ画像P51AのエッジE1(右肩下がりエッジ)の幅(方向D2における長さ)とパッチ画像P51BのエッジE1(左肩下がりエッジ)の幅とは、同じ長さである。より詳細には、当該パッチ画像P51Aとパッチ画像P51Bとは、パッチ画像P51A(パッチ画像P51B)の中心線(進行方向D1に平行な中心線)U1に対して線対称に形成される。
このようなパッチ画像P51A,P51Bが、進行方向D1に配列されてもよい。
これによれば、各パッチ画像P51A,P51Bがクリーニングブレード2によって掻き取られる際には、パッチ画像P51AのエッジE1におけるトナーの流れとパッチ画像P51BのエッジE1におけるトナーの流れとが互いに逆向きになる。具体的には、図9~図11にて右向き矢印で示されるように、パッチ画像P51AのエッジE1がクリーニングブレード2に掻き取られる際には、パッチ画像P51AのエッジE1のうち、クリーニングブレード2によって掻き取られた部分のトナーは、進行方向D1に垂直な方向D2における右側へと押し流される。一方で、図19にて左向き矢印で示されるように、パッチ画像P51BのエッジE1がクリーニングブレード2に掻き取られる際には、パッチ画像P51BのエッジE1のうち、クリーニングブレード2によって掻き取られた部分のトナーは、進行方向D1に垂直な方向D2における左側へと押し流される。
それ故、パッチ画像P51A,P51Bの双方を用いることによって、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10に対して、進行方向D1に垂直な方向D2における一方側(右側)と他方側(左側)との双方からトナーが衝突する。換言すれば、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10に衝突するトナーの向き(凝集物M10に対して作用する力の向き)が、パッチ画像P51Aとパッチ画像P51Bとの間で切り替えられる。その結果、仮にパッチ画像P51Aのトナーではクリーニングブレード2から凝集物M10が剥がれなかった場合であっても、パッチ画像P51Bのトナーによってクリーニングブレード2から凝集物M10が剥がれ得る。したがって、クリーニングブレード2に付着した凝集物M10を更に確実にクリーニングブレード2から剥がすことが可能である。
また、上記各実施形態等では、印刷出力された複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズ(たとえば、A3サイズ、A4サイズおよびハガキサイズ)に関する用紙端近傍範囲A10(図7)が推定存在範囲B1として特定されているが、これに限定されない。
ここにおいて、上述したように、用紙(詳細には非塗工紙)への画像形成動作に際して当該用紙と中間転写ベルト21とが直接的に(トナー像を介さずに)接触する機会が多い程、用紙(非塗工紙)から中間転写ベルト21に紙粉が転移する機会が多く、凝集物M10が生成され易い。
この点を考慮して、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズのうち、積算して一定枚数(たとえば100枚)よりも多く搬送(出力)された非塗工紙の用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定されてもよい。換言すれば、印刷履歴(図6)に含まれる全ての非塗工紙サイズ(非塗工紙のサイズ)のうち、同じサイズの非塗工紙の積算通過枚数(積算出力枚数)が一定枚数よりも多い非塗工紙サイズ(端的に言えば、その積算通過枚数が一定枚数よりも多い非塗工紙サイズ)に関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定されてもよい。
図6の一例においては、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズ(ここではA3サイズ、A4サイズおよびハガキサイズ)のうち、A4サイズの非塗工紙の積算通過枚数(350枚)とハガキサイズの非塗工紙の積算通過枚数(6000枚)とが、それぞれ一定枚数(100枚)よりも多い。また、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズのうち、A3サイズの非塗工紙の積算通過枚数(50枚)は当該一定枚数(100枚)よりも少ない。この場合、A3サイズに関する用紙端近傍範囲A10は推定存在範囲B1として特定されず、A4サイズとハガキサイズとに関する用紙端近傍範囲A10が、それぞれ推定存在範囲B1として特定されてもよい。
このように、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズのうち、その積算通過枚数が一定枚数よりも多い非塗工紙の用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定されてもよい。
これによれば、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10の中から、凝集物M10が存在する可能性が一定程度よりも高い範囲が特定される。換言すれば、推定存在範囲B1が、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズ(ここではA3サイズ、A4サイズおよびハガキサイズ)に関する用紙端近傍範囲A10から、積算して一定枚数よりも多く搬送(出力)された非塗工紙の用紙サイズ(ここではA4サイズおよびハガキサイズ)に関する用紙端近傍範囲A10に絞り込まれる。したがって、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10が推定存在範囲B1として特定される場合と比較して、凝集物M10を適切に除去しつつ、トナーの消費を抑制することが可能である。
さらに、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズのうち、連続して一定枚数よりも多く搬送(出力)された非塗工紙の用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定されてもよい。換言すれば、印刷履歴(図6)に含まれる全ての非塗工紙サイズのうち、同じサイズの非塗工紙の連続通過枚数(連続出力枚数)が一定枚数よりも多い非塗工紙サイズ(端的に言えば、その連続通過枚数が一定枚数よりも多い非塗工紙サイズ)に関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定されてもよい。
ここにおいて、「同サイズ」の非塗工紙が一定枚数以上「連続して」搬送される場合に、クリーニングブレード2と中間転写ベルト21との接触部分R10のうち当該非塗工紙の両端付近に対応する範囲に凝集物M10が生成され易い。逆に言えば、「同サイズ」の非塗工紙の積算通過枚数が一定枚数以上である場合であっても、当該非塗工紙の「連続通過枚数」が一定枚数以上でないときには、当該接触部分R10のうち当該非塗工紙の両端付近に対応する範囲に凝集物M10が生成され難い。
この点を考慮して、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズのうち、その連続通過枚数が一定枚数よりも多い非塗工紙の用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定されてもよい。
図6の一例においては、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズ(ここではA3サイズ、A4サイズおよびハガキサイズ)のうちハガキサイズの非塗工紙の連続通過枚数が、一定枚数(たとえば100枚)よりも多い。また、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズのうち、A3サイズの非塗工紙の連続通過枚数とA4サイズの非塗工紙の連続通過枚数とは、それぞれ、一定枚数(100枚)よりも少ない。この場合、A3サイズに関する用紙端近傍範囲A10とA4サイズに関する用紙端近傍範囲A10とはそれぞれ推定存在範囲B1として特定されず、ハガキサイズに関する用紙端近傍範囲A10が、推定存在範囲B1として特定されてもよい。
これによれば、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10の中から、凝集物M10が存在する可能性が一定程度よりも更に高い範囲が特定される。換言すれば、推定存在範囲B1が、「積算して」一定枚数よりも多く搬送(出力)された非塗工紙の用紙サイズ(ここではA4サイズおよびハガキサイズ)に関する用紙端近傍範囲A10から、「連続して」一定枚数よりも多く搬送(出力)された非塗工紙の用紙サイズ(ここではハガキサイズ)に関する用紙端近傍範囲A10に更に絞り込まれる。したがって、複数の出力済用紙に含まれる非塗工紙の全ての用紙サイズのうち、その積算通過枚数が一定枚数よりも多い非塗工紙の用紙サイズに関する用紙端近傍範囲A10が推定存在範囲B1として特定される場合と比較して、凝集物M10を更に適切に除去しつつ、トナーの消費を更に抑制することが可能である。
また、上記各実施形態等では、非塗工紙の両端に関する第1の基準を用いて推定存在範囲B1を特定する第1の特定動作(ステップS21,S22(図5))と、画像形成率に関する第2の基準を用いて推定存在範囲B1を特定する第2の特定動作(ステップS23~S25)との双方が行われているが、これに限定されない。たとえば、第2の特定動作は行われずに第1の特定動作が行われてもよく、逆に、第1の特定動作は行われずに第2の特定動作が行われてもよい。
1 画像形成装置
2 クリーニングブレード
8 ベルトクリーニング装置
11 感光体
17 感光体クリーニング装置
21 中間転写ベルト
70 潤滑剤塗布機構
71 潤滑剤塗布ブラシ
72 潤滑剤ブロック
73 弾性部材
M10 凝集物
P50 パッチ画像

Claims (18)

  1. 画像形成装置であって、
    トナー像を一時的に担持して用紙に転写する像担持体と、
    前記用紙への転写後に前記像担持体上に残留している残留トナーを、前記像担持体との相対移動に伴って掻き取るクリーニング部材と、
    前記像担持体と前記クリーニング部材との間に発生する凝集物を除去するメンテナンス動作を実行する制御手段と、
    を備え、
    前記メンテナンス動作は、前記凝集物を除去するためのトナー画像であるパッチ画像を前記像担持体上に形成するパッチ形成動作と、前記像担持体を前記クリーニング部材に向けて進行させて前記像担持体上の前記パッチ画像を前記クリーニング部材に衝突させる移動動作とを含み、
    前記パッチ画像のエッジであって前記パッチ画像の進行方向の下流側におけるエッジは、前記進行方向に対して非垂直な方向に伸延しており、
    前記パッチ形成動作においては、第1のパッチ画像と第2のパッチ画像とが前記進行方向に配列され、
    前記第1のパッチ画像の前記進行方向の下流側のエッジは、前記進行方向に垂直な方向における一方側と他方側とのうち前記一方側の端が前記他方側の端よりも先に前記クリーニング部材に衝突する向きに傾斜しており、
    前記第2のパッチ画像の前記進行方向の下流側のエッジは、前記一方側と前記他方側とのうち前記他方側の端が前記一方側の端よりも先に前記クリーニング部材に衝突する向きに傾斜していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、
    前記パッチ形成動作を実行するか否かを、印刷出力された複数の出力用紙の紙種情報に基づいて決定する決定手段、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記紙種情報は、前記複数の出力用紙のそれぞれが塗工紙であるか非塗工紙であるかを示す情報を含み、
    前記決定手段は、前記複数の出力用紙全体に対する非塗工紙の比率が基準値よりも大きいことを条件として、前記パッチ形成動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記像担持体にトナー像を転写する感光体、
    をさらに備え、
    前記基準値は、前記像担持体と前記感光体とのうちの少なくとも一方の表面に供給される潤滑剤の供給量に応じて変更されることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記決定手段は、
    前記像担持体と前記クリーニング部材とが相互に接触している直線状の接触部分のうち、前記凝集物が存在すると推定される範囲である推定存在範囲を特定し、
    前記像担持体上の前記推定存在範囲に対応する領域に前記パッチ画像を形成すべき旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置において、
    前記決定手段は、前記複数の出力用紙に含まれる非塗工紙の両端であって前記進行方向に垂直な方向における両端の前記像担持体上での想定通過位置のそれぞれを中心として前記進行方向に垂直な方向に所定幅を有する範囲を、前記推定存在範囲として特定することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5に記載の画像形成装置において、
    前記決定手段は、
    前記像担持体を前記進行方向に垂直な方向に複数の区分範囲に区分するとともに、
    前記複数の区分範囲のうち、前記メンテナンス動作よりも前に実行された画像形成動作での画像形成率が所定程度よりも小さい区分範囲を、前記推定存在範囲として特定することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記パッチ画像は、トナーによるベタ画像で形成されることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、
    前記パッチ画像は、2色以上のトナーによるベタ画像を重ね合わせて形成されることを特徴とする画像形成装置。
  10. トナー像を一時的に担持して用紙に転写する像担持体と前記用紙への転写後に前記像担持体上に残留している残留トナーを前記像担持体に対する相対移動に伴って掻き取るクリーニング部材とを備える画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、
    a)前記像担持体と前記クリーニング部材との間に発生する凝集物を除去するためのトナー画像であるパッチ画像を前記像担持体上に形成するパッチ形成動作を実行するステップと、
    b)前記像担持体を前記クリーニング部材に向けて進行させて前記像担持体上の前記パッチ画像を前記クリーニング部材に衝突させる移動動作を実行するステップと、
    を実行させるためのプログラムであって、
    前記パッチ画像のエッジであって前記パッチ画像の進行方向の下流側におけるエッジは、前記進行方向に対して非垂直な方向に伸延しており、
    前記パッチ形成動作においては、第1のパッチ画像と第2のパッチ画像とが前記進行方向に配列され、
    前記第1のパッチ画像の前記進行方向の下流側のエッジは、前記進行方向に垂直な方向における一方側と他方側とのうち前記一方側の端が前記他方側の端よりも先に前記クリーニング部材に衝突する向きに傾斜しており、
    前記第2のパッチ画像の前記進行方向の下流側のエッジは、前記一方側と前記他方側とのうち前記他方側の端が前記一方側の端よりも先に前記クリーニング部材に衝突する向きに傾斜していることを特徴とするプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムにおいて、
    前記ステップa)は、
    a-1)前記パッチ形成動作を実行するか否かを、印刷出力された複数の出力用紙の紙種情報に基づいて決定するステップ、
    を有することを特徴とするプログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムにおいて、
    前記紙種情報は、前記複数の出力用紙のそれぞれが塗工紙であるか非塗工紙であるかを示す情報を含み、
    前記ステップa-1)においては、前記複数の出力用紙全体に対する非塗工紙の比率が基準値よりも大きいことを条件として、前記パッチ形成動作を実行する旨が決定されることを特徴とするプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムにおいて、
    前記画像形成装置は、
    前記像担持体にトナー像を転写する感光体、
    をさらに備え、
    前記基準値は、前記像担持体と前記感光体とのうちの少なくとも一方の表面に供給される潤滑剤の供給量に応じて変更されることを特徴とするプログラム。
  14. 請求項11から請求項13のいずれかに記載のプログラムにおいて、
    c)前記像担持体と前記クリーニング部材とが相互に接触している直線状の接触部分のうち、前記凝集物が存在すると推定される範囲である推定存在範囲を特定するステップと、
    d)前記像担持体上において前記推定存在範囲に対応する領域に前記パッチ画像を形成すべき旨を決定するステップと、
    を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムにおいて、
    前記ステップc)においては、前記複数の出力用紙に含まれる非塗工紙の両端であって前記進行方向に垂直な方向における両端の前記像担持体上での想定通過位置のそれぞれを中心として前記進行方向に垂直な方向に所定幅を有する範囲が、前記推定存在範囲として特定されることを特徴とするプログラム。
  16. 請求項14に記載のプログラムにおいて、
    前記ステップc)は、
    c-1)前記像担持体を前記進行方向に垂直な方向に複数の区分範囲に区分するステップと、
    c-2)前記複数の区分範囲のうち、前記ステップa)よりも前に実行された画像形成動作での画像形成率が所定程度よりも小さい区分範囲を、前記推定存在範囲として特定するステップと、
    を有することを特徴とするプログラム。
  17. 請求項10から請求項16のいずれかに記載のプログラムにおいて、
    前記パッチ画像は、トナーによるベタ画像で形成されることを特徴とするプログラム。
  18. 請求項17に記載のプログラムにおいて、
    前記パッチ画像は、2色以上のトナーによるベタ画像を重ね合わせて形成されることを特徴とするプログラム。
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