JP7287051B2 - ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、ブロー成形に適したポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物、およびそれを成形してなる成形品に関するものである。
ポリエステル樹脂は、成形性および機械特性に優れるため広範な分野で使用されている。また、二軸延伸が可能であることから、耐熱性、耐クリープ性、耐衝撃性、剛性、ガスバリア性、耐薬品性、透明性に優れた包装用材料として用いられ、特に容器分野では、食品用ボトル(例えば調味料ボトル、炭酸飲料等の清涼飲料用ボトル等)、化粧品ボトル、洗剤用ボトル、医療・医薬用ボトル等として広く使用されている。
これらの用途には、ポリエステル樹脂としては、主にポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PETと略記することがある。)、ポリカーボネート樹脂(以下、PCと略記することがある。)、その他の樹脂では、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂が使用されることが多い。また、その容器の殆どがダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形、シートブロー成形、フリーブロー成形等のブロー成形により成形される。近年、アタック性の強い洗剤や化粧品などが登場し、これらを内包するボトルにも高い耐薬品性が求められている。
一方、ポリエステル樹脂の中でもポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、PBTと略記することがある。)は、PETやPCよりも優れた耐薬品性を示すが、溶融粘度が低いことからブロー成形や押出成形等の加工が難しい課題があった。特に、ブロー成形においては、溶融粘度が低いことによりパリソンのドローダウンが起こり、肉厚の均一な成形品を得ることが難しい。
ブロー成形性に優れる樹脂組成物として、固有粘度0.5以上のポリブチレンテレフタレート、α-オレフィンとα、β-不飽和のグリシジルエステルとの共重合体、ガラス繊維を配合してなる樹脂組成物(例えば、特許文献1)、ポリブチレンテレフタレート、直径3~20μmのガラス繊維を配合してなる樹脂組成物(例えば、特許文献2)が提案されている。また、熱可塑性ポリエステル樹脂、スチレン共重合体、繊維状充填剤を配合してなる樹脂組成物(例えば、特許文献3)、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステルブロック共重合体を配合してなる樹脂組成物(例えば、特許文献4)が提案されている。
ブロー成形品とした際の耐衝撃性や外観に優れる樹脂組成物として、固有粘度1.8~2.3を有する熱可塑性共重合ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレートを配合してなる樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献5)。また、融点と結晶化温度の温度差が37℃以上であるポリエステル系樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献 6)。
固相重合活性に優れるブロー成形用樹脂組成物として、特定のリン化合物二種を特定モル比で用いたポリエステル樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献7)。
PBTのブロー成形品の製造方法として、固有粘度1.4dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂を用いてカットオフ成形法でブロー成形する製造方法が提案されている(例えば、特許文献8)。
特開昭61-12745号公報 特開平8-295789号公報 特開平5-301273号公報 特開平4-312830号公報 特開平7-276474号公報 特開平9-263686号公報 特開2011-63756号公報 特開2001-351149号公報
まれに、車載用途等においてPBTのブロー成形品が採用されている例があるが、この場合PBTにガラス繊維やエラストマ等の第二成分を配合することで、パリソンのドローダウンを抑制、賦形性を付与し、ブロー成形性を成立させているケースが多い。しかし、エラストマ等の他のポリマー成分を配合することで、容器とした際の耐薬品性が低下する上、医薬品用途、例えば点眼剤用プラスチック製容器では、薬発第三三六号厚生省薬務局長通知により定められている規格において、「灰化試験時の残分が0.1%以下」とされているため、医薬品用容器用の樹脂組成物に対してはガラス繊維等の無機充填剤を配合することが実質的にできない。
このような背景から、第二成分を極力含まずにブロー成形性と成形品の耐薬品性、耐衝撃性を両立するPBTが求められている。
しかしながら、特許文献1~4および6に記載の樹脂組成物は、PBTの固有粘度が低いため溶融パリソンがドローダウンしやすくブロー成形性が不十分であり、またガラス繊維やエラストマ等の第二成分を含んでいることから薬発第三三六号厚生省薬務局長通知により定められている規格を満たさない、もしくは耐薬品性が不十分であった。
特許文献5および8に記載の樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含むため固化速度が速く、ブロー成形時の賦形性が不十分であった。
特許文献7に記載の樹脂組成物は、PBTの固有粘度が低いため、依然として溶融パリソンがドローダウンしやすくブロー成形性が不十分であった。
本発明は、上記の課題に鑑み、第二成分を含むことなくブロー成形性に優れ、耐衝撃性、耐薬品性に優れたブロー成形品を得ることのできるPBT系樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を有する。
(1)(A)全ジカルボン酸成分中のドデカンジオン酸成分含有率が5~20mol%であるポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体100重量部に対し、(B)前記(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分0~0.1重量部からなるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物であって、0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度が1.85以上であり、示差走査熱量計(DSC)を用いて窒素雰囲気下で40℃から260℃まで20℃/分の速度で昇温した時に観測される吸熱ピークが一つで、その吸熱ピーク温度(融点)が200~220℃であるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
(2)前記樹脂組成物がブロー成形用である、(1)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
(3)(2)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物をダイレクトブロー成形またはインジェクションブロー成形してなるブロー成形品。
(4)(1)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を押出成形してなるフィルムまたはシート。
(5)(1)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を押出成形してなるチューブ成形品。
本発明のPBT系樹脂組成物は第二成分を含むことなくブロー成形性に優れ、本発明の樹脂組成物を成形して得られる成形品は耐衝撃性、耐薬品性に優れるため、食品、化粧品、洗剤、医療・医薬用途等における容器あるいは包装材料として有用である。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、結晶化特性、耐熱性、成形性、耐薬品性に優れている。本発明に用いられる(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体とは、テレフタル酸およびドデカンジオン酸と1,4-ブタンジオールとの共重合体であって、テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体、およびドデカンジオン酸あるいはそのエステル形成性誘導体と、ブタンジオールあるいはそのエステル形成性誘導体とを通常公知の方法で重縮合して得られるものである。さらに他の成分を共重合してもよい。
他の共重合成分としては、テレフタル酸およびドデカン酸以外のジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ブタンジオール以外のジオールなどが挙げられる。ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’-ジフェノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸やこれらのアルキルエステル等が挙げられる。ジオールとしては、例えば、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
本発明の(A)(ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体を構成する全ジカルボン酸成分中のドデカンジオン酸成分含有率(以下、ドデカンジオン酸含有率とする)は、5~20mol%である。ここで、全ジカルボン酸成分とは、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を構成するジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体の残基を意味する。ドデカンジオン酸成分とは、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を構成するドデカンジオン酸あるいはそのエステル形成性誘導体の残基を意味する。ジカルボン酸成分として、ドデカンジオン酸成分を配合することにより、ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体の固化速度が遅くなる上、分子運動性が向上し柔軟になることで、ブロー成形時の賦形性が良好となる。ドデカンジオン酸含有率が5mol%未満であると、ブロー成形性(賦形性)が低下し、20mol%を超えると、成形品としたときの剛性が低下する。10~15mol%がより好ましい。
本発明に用いられる(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の重縮合法や開環重合法などを挙げることができる。バッチ重合法および連続重合法のいずれでもよく、また、エステル交換反応および直接重合による重縮合反応のいずれも適用することができるが、カルボキシル末端基量を少なくすることができるという点で、連続重合法が好ましく、コストの点で、直接重合法が好ましい。
なお、エステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応を効果的に進めるために、これらの反応時に触媒を添加することが好ましい。触媒の具体例としては、有機チタン化合物、スズ化合物、ジルコニア化合物、アンチモン化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも有機チタン化合物およびスズ化合物が好ましく、有機チタン化合物の中でも、チタン酸のテトラ-n-プロピルエステル、テトラ-n-ブチルエステルおよびテトライソプロピルエステルがより好ましく、チタン酸のテトラ-n-ブチルエステルが特に好ましい。スズ化合物の中では、ジブチルスズオキシド、メチルフェニルスズオキシド、テトラエチルスズが好ましい。触媒の添加量は、機械特性、成形性および色調の点で、(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体100重量部に対して、0.005~0.5重量部の範囲が好ましく、0.01~0.2重量部の範囲がより好ましい。
本発明のPBT系樹脂組成物は、(A)(ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体100重量部に対し、(B)前記(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分を0~0.1重量部配合してなる。(B)成分の配合量が0.1重量部を超えると、(B)成分がガラス繊維などの無機物の場合、薬発第三三六号厚生省薬務局長通知により定められている灰化試験時の残分規格を満たさない。(B)成分がPBT以外のポリマーの場合、耐薬品性が低下する。(B)成分の例としては、(A)成分以外の樹脂(たとえばPBTやPBT以外の熱可塑性樹脂)、着色剤、可塑剤、抗菌剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、良流動化剤等の各種添加剤などが挙げられる。ただし、(B)成分を配合する場合には、0.1重量部未満かつ、PBT系樹脂組成物として、薬発第三三六号厚生省薬務局長通知により定められている灰化試験時の残分規格を満たすような配合量としなければならない。このため基本的には、(B)成分は配合しないことが望ましい。
本発明のPBT系樹脂組成物の0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度は、1.85以上である。相対粘度はポリマー溶液と溶媒粘度の比(ηr=η/η)であり、ウベローデ粘度計を使用してPBT溶液の流出時間(t)と溶媒の流出時間(t)を測定し、(1)式より算出する。
ηr=η/η=t/t・・・(1)
このような手法で測定した相対粘度が、1.85以上であると、溶融パリソンのドローダウンが抑制され、ブロー成形性が良好である。一方、1.85未満であると、溶融パリソンのドローダウンが起こりやすくブロー成形性が低下する。1.9~7.0がより好ましい。PBT重合時の温度、反応時間を調整することにより、相対粘度が1.85以上であるPBT系樹脂組成物を得ることができる。
本発明のPBT系樹脂組成物は、示差走査熱量計(DSC)を用いて窒素雰囲気下で40℃から260℃まで20℃/分の速度で昇温した時に観測される吸熱ピークが一つで、その吸熱ピーク温度(融点)が200~220℃の範囲である。融点が200℃未満であると、成形品としての耐熱性が低下する。融点が220℃を超えると、ブロー成形時により高い温度で溶解させる必要があり、パリソンのドローダウンが起こりやすくなる。また、融点とともに結晶化温度も高くなるため、賦形性が悪化する。200~210℃がより好ましい。(A)(ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体を構成する全ジカルボン酸成分中のドデカンジオン酸含有率を、5~20mol%の範囲とすることで、吸熱ピーク温度が200~220℃であるPBT系樹脂組成物を得ることができる。
本発明のPBT系樹脂組成物は、(A)(ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体のカルボキシル末端基濃度が30当量/t以下であることが好ましい。カルボキシル末端基濃度が30当量/t以下であると、成形品とした際の耐湿熱性に優れる。より好ましくは、25当量/t以下である。
本発明のPBT系樹脂組成物は、ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が250~1500MPaの範囲であることが好ましい。曲げ弾性率が250MPa以上であれば、成形品とした際の形状保持力が十分であり、1500MPa以下であれば、点眼薬容器や洗剤ボトル容器のような成形品とした際、容器胴体を押して内容物を出すときのスクイズ性が良好といえる。より好ましくは、400~800MPaの範囲である。
本発明のPBT系樹脂組成物は、(B)前記(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分を極力配合しないことが望ましいが、例えば、化粧品ボトルのような意匠性を重視する成形品として用いる場合には、成形加工の工程で顔料、染料などの着色剤を配合してもよい。
本発明のPBT系樹脂組成物は、公知のブロー成形、押出成形、プレス成形、射出成形、紡糸などの任意の方法で成形することにより、各種成形部品に加工し利用することができる。成形部品としては例えば、ブロー成形部品、押出成形部品、フィルム、シート、射出成形部品、繊維などが挙げられる。本発明のPBT樹脂組成物は、特にブロー成形において好適に用いることができる。ブロー成形の方法としては、インジェクションブロー成形、ダイレクトブロー成形などが挙げられる。
本発明において、上記各種成形品は、食品、洗剤、化粧品、医薬・医療用途をはじめ、日用品、生活雑貨および衛生用品、自動車部材、電気・電子部材、建築部材など各種用途に利用することができる。特に、本発明のPBT系樹脂組成物は、ブロー成形性に優れ、耐衝撃性、耐薬品性に優れた成形品を得ることができるため、食品、化粧品、洗剤、医療・医薬用途等における容器あるいは包装材料等として好適に用いられる。食品用途としては、調味液ボトル、清涼飲料ボトル、香料ボトル等が挙げられる。医療・医薬用途としては、具体的には液体飲み薬用容器、点眼薬用容器、のど用に噴霧するミストボトルなどの投薬瓶、注射製剤用容器等の薬品用容器が挙げられる。また、ブロー成形の他に押出成形性も良好であることから、フィルム、シート、チューブ等として、鋼板用フィルムや、自動車塗装工程のマスキングフィルム、カテーテルなどの用途に好適に用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。実施例、比較例で使用する原料の略号および内容を以下に示す。
(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体
(A-1)ドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂:
テレフタル酸106.2重量部、ドデカンジオン酸22.0重量部、1,4-ブタンジオール84.1重量部および触媒としてテトラブチルチタネート0.08重量部、モノブチルスズオキシド0.07重量部とを精留塔および撹拌機のついた反応缶に仕込み、常圧下にて150℃から235℃まで4時間かけて昇温し、エステル化反応させた。生成した水とテトラヒドロフランとを精留塔を通して留去してテトラヒドロフラン含有物を得た。次に得られたエステル化反応生成物に着色防止剤のリン酸0.03重量部と重縮合触媒のテトラブチルチタネート0.08重量部を加えた後、重縮合反応缶に移し、常圧から67Paまで50分かけて徐々に減圧し、同時に245℃まで昇温して、2時間50分重縮合反応を行い、0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度が1.48であり、ドデカンジオン酸含有量が13mol%である共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。得られた共重合体を真空乾燥器内に仕込み、真空度760mmHg、160℃の条件で80時間固相重合を行った。得られた共重合体の0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度は2.01であった。
(A-2)ドデカンジオン酸含有量6mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を9.4重量部とする他は、(A-1)と同様にして調製した。
(A-3)ドデカンジオン酸含有量10mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を16.4重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A-4)ドデカンジオン酸含有量15mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を26.0重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A-5)ドデカンジオン酸含有量20mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を36.8重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A-6)ドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂(相対粘度1.88):固相重合の反応時間を70時間とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A’-1)ドデカンジオン酸含有量4mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を6.1重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A’-2)ドデカンジオン酸含有量22mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を41.5重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A’-3)ドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂(相対粘度1.48):(A-1)の調整過程で得られる相対粘度1.48のドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂を使用した。
(A’-4)ドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂(相対粘度1.84):固相重合の反応時間を65時間とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(B)(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分
(B-1)ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)共重合体(PBT-I):テレフタル酸65.6重量部、イソフタル酸7.3重量部、1,4-ブタンジオール61.4重量部および触媒としてテトラブチルチタネート0.05重量部、モノブチルスズオキシド0.04重量部とを精留塔および撹拌機のついた反応缶に仕込み、常圧下にて150℃から235℃まで4時間かけて昇温し、エステル化反応をさせた。生成した水とテトラヒドロフランとを精留塔を通して留去してテトラヒドロフラン含有物を得た。次に得られたエステル化反応生成物に着色防止剤のリン酸0.02重量部と重縮合触媒のテトラブチルチタネート0.05重量部を加えた後、重縮合反応缶に移し、常圧から67Paまで50分かけて徐々に減圧し、同時に245℃まで昇温して、2時間50分重縮合反応を行い、イソフタル酸(IPA)含有量が10mol%である共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。得られた共重合体を真空乾燥器内に仕込み、真空度760mmHg、160℃の条件で80時間固相重合を行った。得られた共重合体の0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度は2.01であった。
(B-2)ポリブチレンテレフタレート:0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における粘度が1.88であるPBTを使用した。
(B-3)ポリカーボネート:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製“ユーピロン” (登録商標)S-1000(商品名)
(B-4)ステアリン酸カルシウム:川村化成工業(株)製のステアリン酸カルシウムを用いた。
(B)成分を配合する場合は、ペレット形状の(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体に対し、所定量の(B)をペレットブレンドもしくはドライブレンドにより混合した。
実施例および比較例におる評価方法を以下にまとめて示す。
(1)ブロー成形性
タハラ製電動ブロー成形機”TZ-3532M”(スクリュ径35mm)を用い、各実施例および比較例で得られたPBT系樹脂組成物をシリンダ温度245℃、ダイ温度215℃の条件で、外径20mm、厚み3mmのパリソンとして40rpmの速度で押し出し、さらに吹き込み圧0.6MPa、吹き込み時間15秒の条件で空気の吹きこみを行い、高さ90mm、直径36mmの円柱型容器を作成した。この際、目視でパリソンが大きくドローダウンしたものは、成形性不良として表中「×」で示した。また、パリソン押出し直後に、ダイ付近で固化が始まったものや、吹き込み後に、成形品の透明性に差(肉厚のばらつき)があったものは、賦形性不良として表中「×」で示した。ドローダウンが起こらず、賦形性良好なものは「〇」で示した。
(2)耐衝撃性
住友重工業製射出成形機“SE75DU”を使用して、各実施例および比較例で得られたPBT樹脂組成物を用いて、シリンダ温度260℃、金型温度80℃の条件で、ISO179に従って試験片(80mm×10mm×4.0mm)を成形した。得られた試験片各5本に、8mm残るようにノッチを入れ、ISO179に準拠してシャルピー衝撃強度を測定した。得られた衝撃強度を試験片の厚みと幅の積で割った値を、シャルピー衝撃強度とした。シャルピー衝撃強度が50kJ/m以上であれば、耐衝撃性は良好といえる。100kJ/m以上が望ましい。
(3)耐薬品性
日精樹脂工業射出成形機“PS40”を使用して、各実施例および比較例で得られたPBT樹脂組成物を用い、短冊状試験片(127mm×12.7mm×1.5mm)を成形した。射出条件は、シリンダ温度270℃、金型温度50℃、射出時間10秒、冷却時間10秒、射出圧力は各樹脂組成物の下限圧力+7MPaで実施した。得られた試験片をリモネン原液に48時間浸漬し、浸漬前後の重量から重量変化率を算出した。重量変化率が、0.1%以下であれば耐薬品性は良好といえる。
(4)曲げ弾性率
住友重工業製射出成形機“SE75DU”を使用して、各実施例および比較例で得られたPBT樹脂組成物を用いて、シリンダ温度260℃、金型温度80℃の条件で、ISO178に従って試験片(80mm×10mm×4.0mm)を成形した。得られた試験片各5本を用いて、ISO178に準拠して曲げ弾性率を測定した。
(5)カルボキシル末端基濃度
各実施例および比較例で得られたPBT樹脂組成物を、o-クレゾール/クロロホルム(2/1,vol/vol)混合溶液50mLに溶解させた溶液を、1%ブロモフェノールブルーを指示薬として、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定し、組成物中のカルボキシル末端基濃度を算出した。
[実施例1~7]
表1に示すPBT系樹脂組成物について、上記方法で評価した結果を表1に記した。
Figure 0007287051000001
得られたPBT系樹脂組成物は、いずれもブロー成形性優れ、耐衝撃性、耐薬品性に優れた成形品を得ることができた。実施例1~4に示すように、ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体の全ジカルボン酸成分中のドデカンジオン酸含有率が高いほど融点が低下し、成形品の耐衝撃性が向上した。また、ドデカンジオン酸含有率が低いほど耐薬品性が向上した。実施例5に示すように、(B)(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分を0.1重量部以下で配合した場合、耐薬品性が良好である。実施例5に示す滑剤を配合した場合は、ブロー成形機投入時のペレットの噛み込み安定性が良好である。実施例6、7に示すように、相対粘度が高いほどブロー成形性、成形品の耐衝撃性が向上した。実施例7は、ブロー成形性、成形品の耐衝撃性、耐薬品性のバランスが最も優れたものであった。
[比較例1~7]
表2に示す配合組成に変更した以外は実施例1~7と同様に評価し、結果を表2に記した。
Figure 0007287051000002
比較例1、2に示すように、(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体の全ジカルボン酸成分中のドデカンジオン酸含有率が5mol%未満であると、ブロー成形時の賦形性、耐衝撃性が低下した。一方、20mol%を超えると、成形品の耐薬品性が低下した。また融点が200℃を下回り、成形品としての耐熱性が低下した。比較例3に示すように、(B)(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分を0.1重量部以上配合すると、耐薬品性が低下した。比較例4、5に示すように、(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外のPBT系樹脂を用いた場合、耐衝撃性が低下した。比較例6、7に示すように、相対粘度が1.85未満であると、パリソンがドローダウンしブロー成形性が低下した。

Claims (5)

  1. (A)全ジカルボン酸成分中のドデカンジオン酸成分含有率が5~20mol%であるポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体100重量部に対し、(B)前記(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分0~0.1重量部からなるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物であって、0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度が1.85以上であり、示差走査熱量計(DSC)を用いて窒素雰囲気下で40℃から260℃まで20℃/分の速度で昇温した時に観測される吸熱ピークが一つで、その吸熱ピーク温度(融点)が200~220℃であるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  2. 前記樹脂組成物がブロー成形用である、請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物をダイレクトブロー成形またはインジェクションブロー成形してなるブロー成形品。
  4. 請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を押出成形してなるフィルムまたはシート。
  5. 請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を押出成形してなるチューブ成形品。
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