JP2008230645A - ペットボトル用キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性、耐衝撃性に優れ、成形性が良好な上にリサイクルが容易なペットボトル用キャップを提供することおよび、ペットボトルと共にリサイクルすることが可能なペットボトル用キャップを提供することにある。
【解決手段】芳香族ポリエステル樹脂(A)30〜95重量%およびポリエーテルエステルブロック共重合体(B)70〜5重量%を主成分として含む樹脂組成物を成形してなるペットボトル用キャップ。
【選択図】なし

Description

本発明は、シール性、耐衝撃性に優れ、成形性が良好な樹脂組成物からなるペットボトル用キャップに係り、ペットボトルとともに両者が同時にリサイクル可能であるペットボトル用キャップに関するものである。
一般に、薬用液や清涼飲料水は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの汎用プラスチック製の容器、或いは飲料用としては殆どがポリエチレンテレフタレート製の容器(所謂ペットボトル)に保存され、流通している。これらの容器は樹脂組成物を成形して得られるが、使用済みの容器は、平成9年から施行された容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器リサイクル法)に従い、単に廃棄物として焼却、埋め立て等されることなく、積極的に再利用・再資源化することが求められている。特に各家庭から排出されるゴミの中で、容器包装の占める割合は30〜50%(容積比)とも言われ、その再利用は、今や国民の義務とさえ言えるのである。
これら包装容器のうちペットボトルは、透明性や強靱性、耐熱性などの特徴から飲料用容器としては最も重用されているが、分別回収される時点で、キャップとも分けて処理しなければならず、この分別が面倒であるだけでなく、ボトルの口が開口したまま回収されるために、きれいに洗浄されたボトル内に、一部の内容物を残したまま回収されるボトルからの汚れが浸入し、これがリサイクルポリエチレンテレフタレートの黄変を生じさせ、商品価値を低下させていた。ペットボトルのキャップには、ポリエチレン製やポリプロピレン製のポリオレフィン系のものが使用されているため、これらポリオレフィン系材料のキャップはボトル本体と分離しなければならないが、キャップのピルファープルーフ構造のためにどうしてもボトル本体側にキャップの一部が残留し、これを取り除くことはリサイクル工程での煩雑さとコストアップを招くという問題があった。また、ボトル本体と同材料のポリエチレンテレフタレート製のキャップを用いることによりこの問題が容易に解決可能に思われるが、該材料では硬すぎて、内容物のシール性や再封止性に劣るため実用的ではなかったのである。
前記シール性を解決する方法として、ポリエチレンテレフタレートの発泡体からなる本体に、ペットボトルの瓶首の注ぎ口が密接するポリエチレンテレフタレートからなる薄肉なフィルムをラミネートしていることを特徴とするペットボトルの漏洩防止材(特許文献1参照)が提案されている。該方法は、ポリエチレンテレフタレートの発泡体を使用することにより本体に弾性機能を持たせ、該表面が粗面である点を、表面が平滑な薄肉のポリエチレンテレフタレートフィルムによって覆うことでキャップの螺合時にボトルの注ぎ口とで圧潰されてシール性を確保するというものである。しかし、この技術は、発泡体にすることによりキャップ自体の強度低下が問題と成りうる上に、部品点数の増加によるコストの問題もある。前記同様な提案として超臨界流体をポリエチレンテレフタレート製の未発泡キャップに浸透させたのち、減圧して気化させ発泡させる技術(特許文献3参照)が提案されている。この方法は前記のような部品点数増加によるマイナス面はないものの、超臨界流体を用いる必要があり、その点で製造コストが上昇する傾向にあることは避けがたい。
また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなるキャップの内面の天面に同心円状にリブ構造または溝構造を備えること(特許文献2参照)で前記同様にシール性を解決する方法が提案されている。しかし、液体の密封にはキャップに適度な弾力性が必要であり、単純にリブや溝を形成しても、従来品のようなシール性を確保するまでには至っていない。
特開平10−139061号公報 特開2002−104451号公報 特開2005−350081号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果なされたものであり、その目的とするところは、シール性、耐衝撃性に優れ、成形性が良好な上にリサイクルが容易なペットボトル用キャップを提供することおよび、ペットボトルと共にリサイクルすることが可能なペットボトル用キャップを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、芳香族ポリエステル樹脂(A)30〜95重量%およびポリエーテルエステルブロック共重合体(B)70〜5重量%を主成分として含む樹脂組成物を成形してなるペットボトル用キャップが、上記目的を効果的に達成することを見だし、本発明に至った。
すなわち、本発明の樹脂組成物のうち、前記芳香族ポリエステル樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であって、主たる繰り返し単位としてエチレンテレフタレート単位を80モル%以上有することをその要旨とする。
また、本発明の樹脂組成物のうち、ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)が芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、1,4−ブタンジオールを主成分とする分子量300以下の脂肪族ジオールから得られる芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜99重量%と、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、平均分子量600〜6000のポリアルキレングリコールから得られる低融点重合体セグメント(b)90〜1重量%とを主たる構成成分とすることをその要旨とする。
より好適には前記ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の高融点結晶性重合体セグメント(a)がポリブチレンテレフタレート単位で構成されること、また、ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の低融点重合体セグメント(b)を構成するポリアルキレングリコール成分が、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールからなることが特徴である。
さらに、前記樹脂組成物を用いた成形方法においては、射出成形を採用することが望ましく、これにより低コストで均一なペットボトル用キャップの成形が可能である。
本発明のペットボトル用キャップは、シール性、耐衝撃性に優れ、製造コストが低く抑えられて、成形性が良好な上にリサイクルが容易で、現行のペットボトルと同時に溶融リサイクルすることが可能で、面倒な容器本体とキャップとの分別収集などの必要がないペットボトル用キャップを提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のペットボトル用キャップを形成する樹脂組成物のうち芳香族ポリエステル樹脂(A)とは、芳香族ジカルボン酸と、脂肪族ジオールとを主成分とし、重縮合反応によって得られる重合体である。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸などの他、これらの酸無水物、酸クロリドなどのエステル形成性誘導体が挙げられ、入手のし易さやコストなどの点でテレフタル酸が好ましく使用される。
前記芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して使用してもよい。なお、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸とともに、アジピン酸、ドデカンジオン酸、セパシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸を一種以上混合して使用することができる。これらの成分は、得られる芳香族ポリエステル樹脂の融点や溶融状態における流動性の調整、あるいは重合体の分子量の調整として使用することができる。
一方、脂肪族ジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの他、これらのエステル形成性誘導体が挙げられ、1種または2種以上を混合して使用してもよい。これらのうち、前記テレフタル酸との重合体形成のためにエチレングリコールが好適に用いられる。なお、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオールやポリエチレングリコールなどの長鎖ジオールを一種以上選択して共重合させてもよい。
前記芳香族ポリエステル樹脂(A)の中でも、ペットボトルと一緒に溶融リサイクルすることを考えるとポリエチレンテレフタレート樹脂が最も好ましく、その主たる繰り返し単位としてエチレンテレフタレート単位を80モル%以上有することが望ましい。これは、ペットボトルとの組合せにおいてキャップとして用いる場合に特に影響が大きく、ペットボトルとの材質の相違を可能なかぎり小さくする為である。と同時にリサイクルにおける分別の必要性をなくすという本発明の目的の一つを達成する上でも重要な要素なのである。なお、他にポリブチレンテレフタレート樹脂や、ポリエチレンイソフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などを適宜配合して得られる成形品の物性を調整することができる。例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂を配合することにより耐熱性が改良される。
本発明に用いる芳香族ポリエステル樹脂(A)の製造方法としては、種々の方法が選択できる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコールを、チタン化合物およびヒンダードフェノール化合物の存在下にエステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法をはじめ、ジカルボン酸と過剰量のグリコールを、チタン化合物、スズ化合物およびヒンダードフェノール化合物の存在下にエステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法がある。なお、前記ヒンダードフェノール化合物の例としてn−オクタデシル−3(3’,5’−ジ第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−(4−ヒドロキシ−3,5−第3ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス〔β−(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート〕などが挙げられる。
また、芳香族ジカルボン酸又は揮発性アルコールとのエステル化誘導体と過剰量のジオールとを、反応の間に生成する水又は揮発性アルコールを同時に除去しながら、実質的にジカルボン酸ジグリコールエステル又はそのオリゴマーの混合物が得られるまで反応させ、得られたジカルボン酸ジグリコールエステル又はそのオリゴマーの混合物を、重縮合の間に放出される過剰のグリコールを同時に除去しながら、高分子化する方法。縮合剤トリフェニルホスフィンジクロリドや、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、硫酸第一スズ、最近ではスカンジウム・トリフルオロメタンスルホネート(トリフラート)などを触媒として重合する方法もある。
さらに本発明に用いる芳香族ポリエステル樹脂(A)は、上述の液相重縮合反応で得られた後、通常、溶融押出成形法によってペレット化される。このようにして得られるペレットは、さらに予備結晶化を経て、或いは直接その融点よりも低い温度、不活性ガス雰囲気下で固相重縮合反応を行ってもよい。
本発明に用いるポリエーテルエステルブロック共重合体(B)は、ポリブチレンテレフタレートのような結晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールのような脂肪族ポリエーテル単位をソフトセグメントとするブロック共重合体である。本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体(B)のハードセグメントである高融点結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、1,4−ブタンジオールを主成分とする分子量300以下の脂肪族ジオールから形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートである。この他に、芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などを単独で、あるいはテレフタル酸と共に用いることができる。また、全ジオール成分のうち10モル%以下の少量であれば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの分子量が300以下の脂肪族ジオールを、1,4−ブタンジオールと共に用いることができる。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。ただし、これらの多官能成分は共重合体の架橋に関与し、多量に用いると熱可塑性を失うことになるので注意する必要がある。
本発明のポリエーテルエステルブロック共重合体(B)のソフトセグメントである低融点重合体セグメント(b)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、平均分子量600〜6000のポリアルキレングリコールから得られる。このようなポリアルキレングリコールとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体、ネオペンチレンオキシドとテトラメチレンオキシドからなる共重合体などが挙げられる。これらのポリアルキレングリコールのなかで、得られるポリエーテルエステルブロック共重合体の特性からポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールが特に好ましい。なお、ポリアルキレングリコールの平均分子量は800〜5000が特に好ましく、平均分子量が600未満では、得られるポリエーテルエステルブロック共重合体(B)のソフトセグメントとしての特徴が低下するため弾性性能が劣る傾向があり、他方、平均分子量が6000を越えると生成したポリマーが相分離してブロック共重合体を形成し難くなって、それぞれのセグメントの性能を発現できなくなる傾向がある。
本発明のペットボトル用キャップを形成するポリエーテルエステルブロック共重合体(B)は、高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜99重量%、好ましくは15〜97重量%、さらに好ましくは20〜95重量%と、低融点重合体セグメント(b)90〜1重量%、好ましくは85〜3重量%、さらに好ましくは80〜5重量%を主たる構成成分とする。高融点結晶性重合体セグメント(a)と低融点重合体セグメント(b)の組成比によって、得られるキャップの材質を調整することができる。例えば、高融点結晶性重合体セグメント(a)の量が多くなると硬質で、弾性率が低くなり、低融点重合体セグメント(b)の量が多くなると柔軟性が増す傾向がある。従って、キャップとして用いる場合には樹脂組成物に低融点重合体セグメント(b)の量が多いポリエーテルエステルブロック共重合体(B)を用いると好ましい。キャップは液体を液密に保つために有る程度の弾性を有することが望ましいからである。
本発明のペットボトル用キャップを形成するポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の製造方法としては以下のものが挙げられる。ジカルボン酸のジメチルエステルと、ジカルボン酸に対して約1.2〜2.0倍モルの低分子量グリコール、およびポリ(アルキレンオキシド)グリコールと共に通常のエステル化触媒(例えばチタン化合物、ヒンダードフェノール化合物など)の存在下において約150〜260℃の温度で常圧下加熱反応してエステル交換を行いメタノールを留出させ、ついで5mmHg以下の減圧下に200〜270℃で加熱重縮合させる方法。ジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を、チタン化合物、スズ化合物およびヒンダードフェノール化合物の存在下にエステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。また、あらかじめチタン化合物、スズ化合物およびヒンダードフェノール化合物の存在下に高融点結晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法などが挙げられる。
その他、本発明に用いるポリエーテルエステルブロック共重合体(B)は、前記芳香族ポリエステル樹脂(A)と同様に液相重縮合反応後ペレット化され、その融点よりも低い温度で固相重縮合反応を行ってもよい。
こうして得られた芳香族ポリエステル樹脂(A)30〜95重量%、好ましくは40〜90重量%と、ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)70〜5重量%、好ましくは60〜10重量%を主成分として含む樹脂組成物を成形することにより、本発明のペットボトル用キャップが形成される。なお、当該樹脂製組成物を一般の液体用容器として使用することもでき、容器本体側として用いる場合には、芳香族ポリエステル樹脂(A)の組成比を高くして、従来のペットボトルと同程度に容器の形態保持性を高め、キャップ側として用いる場合には、ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の組成比を高くして柔軟性を高めてシール性を向上させることが望ましい。ペットボトル用キャップとしては、ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の配合量が5重量%未満の場合にはボトル内容物のシール性やキャップの耐衝撃性が不十分となるおそれがあり、一方、ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の配合量が70重量%を越えると、ペットボトルの回収リサイクルにおいてポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の占める割合が上昇し、回収ポリエチレンテレフタレートの品質が一定せず好ましくない。
本発明のペットボトル用キャップの物理的性質のうち、融点は実施例にも示されているようにペットボトルのそれにほぼ等しく、215℃〜270℃、好ましくは230℃〜265℃、さらに好ましくは240〜260℃になるように設定する。これによってリサイクルの際にペットボトルと同時期に溶融し、均一な再生繊維を製造することが容易になるからである。また、本発明のペットボトル用キャップを構成する樹脂組成物は、その溶融時における流動性が高いのも特徴の一つで成形時の射出成形性に優れる。溶融時の流動性を示す一つの指標としては、後述の溶融粘度指数(MFR)があるが、本発明のペットボトル用キャップを構成する樹脂組成物のMFRは20〜70(g/10min)、好ましくは30〜65(g/10min)、さらに好ましくは40〜60(g/10min)である。この範囲内に設定することによって前記効果が有効に得られるからである。
本発明の芳香族ポリエステル樹脂(A)およびポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の配合方法は特に限定されるものではないが、例えば、芳香族ポリエステル樹脂(A)とポリエーテルエステルブロック共重合体(B)とをスクリュー型押出機に供給し溶融混練する方法、またスクリュー型押出機に、まず芳香族ポリエステル樹脂(A)を供給して溶融し、さらに他の供給口よりポリエーテルエステルブロック共重合体(B)を供給して混練する方法、固相状態を保ちながら強剪断力をかけることにより混練する固相混練押出法、組み合わされる芳香族ポリエステル樹脂(A)およびポリエーテルエステルブロック共重合体(B)のうち、溶融温度の高い方の成分から先に溶融しておき、しかる後に低い方の成分を添加してより均一に溶融する方法など、適宜採用することができる。
本発明のペットボトル用キャップの成形方法は、通常の押出成形、ブロー成形、圧縮成形、射出成形など特に限定されるものではないが、通常の射出成形で製造することが好ましい。コストを抑えるとともに正確な形状のキャップが得られるからである。
本発明のペットボトル用キャップの形状は敢えて特殊な形態を採用する必要はなく、現在流通している一般的なペットボトルの形状にスクリューキャップとして組み合わせたものでよい。
本発明のペットボトル用キャップを構成する樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤を添加することができる。例えば、公知の結晶核剤や滑剤などの成形助剤、ヒンダードフェノール系化合物、チオエーテル系化合物、亜リン酸系化合物、芳香族アミン系化合物などの酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物である耐光剤、耐加水分解改良剤、帯電防止剤、導電剤、難燃剤、補強剤、充填剤、可塑剤、離型剤、および着色剤などを任意に含有することができる。
以下の実施例によって本発明の効果をより具体的に説明する。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない場合すべて重量基準である。また、実施例中に示される物性は次のように測定した。
[極限粘度]
フェノール/テトラクロロエタン(6/4重量比)の混合溶媒を用いて、0.4g/dlのポリマ溶液を温度30℃で測定した。
[相対粘度]
o−クロロフェノールを溶媒とした0.5%のポリマ溶液を温度25℃で測定した。
[融点]
差動走査熱量計(Du Pont社製DSC-910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下で、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
[溶融粘度指数(MFR)]
ASTM D−1238にしたがって温度270℃、荷重2160gで測定した。
[硬度(ショアD)]
JIS K7215に従って測定した。
[曲げ弾性率]
ASTM D790に従って測定した。
[曲げ強さ]
ASTM D790に従って測定した。
[キャップのシール性]
市販の2Lペットボトル中に水を充満し、キャップを口部に螺合して密閉した後、口部を下向きにペットボトルを立て3日間放置し、目視で水漏れの有無を観察した。水漏れがなかったものを○、水漏れがあったものを×とした。
[キャップの耐衝撃性]
市販の2Lペットボトル中に水を充満し、キャップを取り付けた後、口部を下向きにしてペットボトルをキャップが床面に当たるように、1.0mの高さから落下させキャップの破損状態を観察した。キャップの破損部が存在しなかったものを○、亀裂などの破損が一箇所でも認められたものを×とした。
[実施例1]
市販のポリエチレンテレフタレート樹脂(A−1、極限粘度0.8dl/g、融点245℃)70重量部および“ハイトレル(登録商標)”3078FG(B−1、DuPont社製ポリエーテルエステルブロック共重合体)30重量部からなる樹脂混合物100重量部とタルク1重量部とを市販の押出機で溶融混練して得たペレットを用いて市販の射出成形機によりペットボトル用キャップを成形した。ここで得られたキャップの性能テスト結果を物性とともに表1に示す。表1に示すように実用的に優れた性能を発現するキャップが得られることが判明した。
[比較例1]
実施例1で使用したポリエチレンテレフタレート樹脂(A−1)100重量部とタルク1重量部とを混合した後、実施例1と同様にしてペットボトル用キャップを得た。ここで得られたキャップの性能テストを実施したところキャップのシール性および耐衝撃性が不充分で実用的でないことが判明した。
[実施例2〜5]
芳香族ポリエステル樹脂(A)およびポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の種類(“ハイトレル”4068FG、“ハイトレル”6356FGを使用)、配合量などを変える以外は実施例1と同様にしてペットボトル用キャップを得た。ここで得られたキャップの性能テスト結果を物性とともに表1に示すが、いずれも実用的に優れた性能を発現するキャップが得られることが判明した。
[比較例2]
実施例1で使用した市販のポリエチレンテレフタレート樹脂(A−1、極限粘度0.8dl/g、融点245℃)96重量部および“ハイトレル”3078FG(B−1、DuPont社製ポリエーテルエステルブロック共重合体)4重量部からなる樹脂混合物100重量部とタルク1重量部とを混練した後、実施例1と同様にしてペットボトル用キャップを得た。ここで得られたキャップの性能テストを実施したところキャップのシール性および耐衝撃性が不充分で実用的でないことが判明した。
Figure 2008230645
[実施例6]
実施例1で得られたキャップ(重量3.18g)を500mLペットボトル本体(重量22.30g)に取り付けたまま粉砕した。この粉砕物にポリエーテルエステルブロック共重合体は3.7重量%含有されている。ここで得られた粉砕物を板状試験片に溶融成形し外観を観察したところポリエチレンテレフタレート樹脂単独の粉砕物からなる板状試験片の外観と殆ど差異はなかった。
[比較例3]
実施例1で使用した市販のポリエチレンテレフタレート樹脂(A−1、極限粘度0.8dl/g、融点245℃)20重量部および“ハイトレル”3078FG(B−1、DuPont社製ポリエーテルエステルブロック共重合体)80重量部からなる樹脂混合物100重量部とタルク1重量部とを市販の押出機で溶融混練して得たペレットを用いて市販の射出成形機によりペットボトル用キャップを成形した。ここで得られたキャップ(重量3.01g)を500mLペットボトル本体(重量22.30g)に取り付けたまま粉砕した。この粉砕物にポリエーテルエステルブロック共重合体は9.5重量%含有されている。ここで得られた粉砕物を板状試験片に溶融成形して外観を観察したところ透明感が損なわれポリエーテルエステルブロック共重合体が異物として存在することがわかった。
本発明は、シール性、耐衝撃性に優れ、成形性が良好な樹脂組成物からなるペットボトル用キャップに関わり、ペットボトルと同時に溶融リサイクルしても、均一な再生品が製造できる。

Claims (6)

  1. 芳香族ポリエステル樹脂(A)30〜95重量%およびポリエーテルエステルブロック共重合体(B)70〜5重量%を主成分として含む樹脂組成物を成形してなるペットボトル用キャップ。
  2. 前記芳香族ポリエステル樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であって、主たる繰り返し単位としてエチレンテレフタレート単位を80モル%以上有することを特徴とする請求項1に記載のペットボトル用キャップ。
  3. ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)が芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、1,4−ブタンジオールを主成分とする分子量300以下の脂肪族ジオールから得られる芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜99重量%と、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、平均分子量600〜6000のポリアルキレングリコールから得られる低融点重合体セグメント(b)90〜1重量%とを主たる構成成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載のペットボトル用キャップ。
  4. ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の高融点結晶性重合体セグメント(a)がポリブチレンテレフタレート単位で構成されることを特徴とする請求項1乃至3に記載のペットボトル用キャップ。
  5. ポリエーテルエステルブロック共重合体(B)の低融点重合体セグメント(b)を構成するポリアルキレングリコール成分が、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールからなることを特徴とする請求項1乃至4に記載のペットボトル用キャップ。
  6. 前記請求項1に記載の成形が射出成形であることを特徴とするペットボトル用キャップ。
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