JP7267448B2 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

本願は、交流回転機の制御装置に関するものである。
特許文献1の電子制御装置は、Hブリッジ回路によって直流モータを駆動し、モータ電流を第1電流検出回路と第2電流検出回路とを用いて検出している。また、第1電流検出回路の信号と第2電流検出回路の信号とを相互比較することにより、異常判定をしている。また、いずれの電流検出回路にも常にモータ電流が流れるため、電流検出のオフセットをオンラインで取得することが困難である。
特許文献2の電動パワーステアリング装置は、Hブリッジ回路によって直流モータを駆動し、直流電源とHブリッジ回路とを接続する母線に直列にシャント抵抗を設けて、Hブリッジ回路をオンオフ制御するPWM周期において母線電流を2回検出することでモータ電流を検出している。
特開2018-182798号公報 特許第4382768号
特許文献1では、Hブリッジ回路とモータとを接続する2つの接続経路のそれぞれに、電流検出回路を設けているため、モータ電流が流れている間は、2つの電流検出回路に常に電流が流れる。特許文献1のように、多くの場合、電流検出回路はシャント抵抗を用いるので、電流が流れている間はシャント抵抗が発熱する。よって、2つの電流検出回路を常時モータ電流が流れるので、Hブリッジ内の発熱が大きくなる。
特許文献2では、PWM周期においてモータ電流が順方向と逆方向とで切り替わり、母線に設けられた電流検出回路を、PWM周期において順方向及び逆方向に常時電流が流れる。そして、PWM周期に2回検出した母線電流の差を用いてモータ電流を算出していため、それぞれの検出値に含まれる電流検出のオフセットが相殺される。そのため、特許文献2の技術は、母線電流検出回路を、順方向及び逆方向に常時電流が流れるモータには適しているが、交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機において、界磁巻線を流れる界磁電流を検出するのには適しない。また、特許文献2の技術でも、電流検出回路を常時電流が流れるため、電流検出回路の発熱が大きくなる。
そこで、交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機において、界磁巻線を流れる界磁電流を精度よく検出できると共に、電流検出回路の発熱を抑制することができる交流回転機の制御装置が望まれる。
本願に係る交流回転機の制御装置は、交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
を備え
前記電流算出部は、前記還流時母線電流の検出頻度を、前記電源供給時母線電流の検出頻度よりも低くするものである。


本願に係る交流回転機の制御装置によれば、電源供給経路に切り替えられている場合は、母線電流検出回路を界磁電流が流れ、還流経路に切り替えられている場合は、コンバータ内で電流が還流するので、母線電流検出回路を界磁電流が流れない。電源供給時母線電流と還流時母線電流とに基づいて界磁電流を算出するので、界磁電流に等しくなる電源供給時母線電流と、電流が零になる還流時母線電流とを区別して、界磁電流を精度よく算出することができる。また、母線電流検出回路を常時電流が流れないので、母線電流検出回路の発熱を抑制することができる。
実施の形態1に係る交流回転機及び交流回転機の制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る制御器の概略ブロック図である。 実施の形態1に係る制御器のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係るコンバータ制御の電圧ベクトルを説明する図である。 実施の形態1に係る電圧ベクトルVf0の電流経路を説明する図である。 実施の形態1に係る電圧ベクトルVf1の電流経路を説明する図である。 実施の形態1に係る電圧ベクトルVf2の電流経路を説明する図である。 実施の形態1に係る電圧ベクトルVf3の電流経路を説明する図である。 実施の形態1に係るコンバータの制御挙動を説明するタイムチャートである。 実施の形態1に係る車両用の発電電動機とされた交流回転機の模式図である。 実施の形態2に係る交流回転機及び交流回転機の制御装置の概略構成図である。 実施の形態3に係る交流回転機及び交流回転機の制御装置の概略構成図である。 実施の形態4に係る交流回転機及び交流回転機の制御装置の概略構成図である。 実施の形態4に係るインバータ制御の電圧ベクトルを説明する図である。 実施の形態4に係るインバータの制御挙動を説明するタイムチャートである。 実施の形態4に係るインバータの制御挙動を説明するタイムチャートである。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る交流回転機の制御装置11(以下、単に、制御装置11と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る交流回転機1及び制御装置11の概略構成図である。
1-1.交流回転機
交流回転機1は、ステータ18と、ステータ18の径方向内側に配置されたロータ14と、を備えている。交流回転機1は、界磁巻線型の同期回転機とされている。ステータ18に、交流電機子巻線12が巻装されている。ロータ14に界磁巻線4が巻装され、電磁石が設けられている。
本実施の形態では、交流電機子巻線12は、U相、V相、及びW相の3相の交流電機子巻線Cu、Cv、Cwとされている。3相の交流電機子巻線Cu、Cv、Cwは、スター結線とされてもよいし、デルタ結線とされてもよい。
ロータ14には、ロータ14の回転角度(回転角度)を検出する角度検出回路15が設けられている。角度検出回路15の出力信号は、制御器30に入力される。角度検出回路15には、各種のセンサが用いられる。
本実施の形態では、交流回転機1は、車両用の発電電動機とされている。交流回転機1のロータ14の回転軸は、連結機構を介して内燃機関54に連結される。また、交流回転機1の回転軸は、連結機構を介して車輪52に連結される。例えば、図10に示すように、交流回転機1の回転軸は、プーリ及びベルト機構53を介して、内燃機関54のクランク軸に連結されている。交流回転機1の回転軸は、内燃機関54及び変速装置55を介して車輪52に連結される。交流回転機1は、一方の方向にしか回転せず、他方の方向には回転しない。
1-2.直流電源2
直流電源2は、インバータ5及びコンバータ9に電源電圧Vdcを出力する。直流電源2として、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧を出力する任意の機器が用いられる。直流電源2には、平滑コンデンサ3が並列接続されている。電源電圧Vdcを検出するための電圧検出回路17が備えられている。電圧検出回路17の出力信号は、制御器30に入力される。
1-3.インバータ5
インバータ5は、スイッチング素子を有し、直流電源2と交流電機子巻線12との間で電力変換を行う。インバータ5は、直流電源2の正極側に接続される正極側のスイッチング素子と、直流電源2の負極側に接続される負極側のスイッチング素子と、が直列接続された直列回路を、3相各相の交流電機子巻線に対応して3組設けている。各直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、対応する相の交流電機子巻線に接続される。
具体的には、U相の直列回路では、U相の正極側のスイッチング素子SPuとU相の負極側のスイッチング素子SNuとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がU相の交流電機子巻線Cuに接続されている。V相の直列回路では、V相の正極側のスイッチング素子SPvとV相の負極側のスイッチング素子SNvとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がV相の交流電機子巻線Cvに接続されている。W相の直列回路では、Wの正極側のスイッチング素子SPwとW相の負極側のスイッチング素子SNwとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がW相の交流電機子巻線Cwに接続されている。
インバータ5のスイッチング素子には、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオードが逆並列接続されたバイポーラトランジスタ、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が用いられる。各スイッチング素子のゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、制御器30に接続されている。よって、各スイッチング素子は、制御器30から出力されるスイッチング信号によりオン又はオフされる。
1-4.コンバータ9
コンバータ9は、スイッチング素子を有し、直流電源2と界磁巻線4との間で電力変換を行う。コンバータ9は、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源2から界磁巻線に電流を流す電源供給経路20と、コンバータ9内で電流を還流させて界磁巻線4に還流電流を流す還流経路21とが、切り替わる。
本実施の形態では、コンバータ9は、直流電源2の正極側に接続される正極側のスイッチング素子と直流電源2の負極側に接続される負極側のスイッチング素子とが直列接続された直列回路を2組設けたHブリッジ回路とされている。第1組の直列回路28における正極側のスイッチング素子SP1と負極側のスイッチング素子SN1との接続点が、界磁巻線4の一端に接続され、第2組の直列回路29における正極側のスイッチング素子SP2と負極側のスイッチング素子SN2との接続点が、界磁巻線4の他端に接続される。
コンバータ9のスイッチング素子には、ダイオードが逆並列接続されたIGBT、ダイオードが逆並列接続されたバイポーラトランジスタ、MOSFET等が用いられる。各スイッチング素子のゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、制御器30に接続されている。よって、各スイッチング素子は、制御器30から出力されるスイッチング信号によりオン又はオフされる。
後述する図6に示すように、コンバータ9のスイッチング素子がオンオフされた場合に、コンバータ9は、電源供給経路20に切り替わる。一方、後述する図5又は図8に示すように、コンバータ9のスイッチング素子がオンオフされた場合に、コンバータ9は、還流経路21に切り替わる。なお、本実施の形態では、界磁巻線4を、第1組の直列回路28側から第2組の直列回路29側の第1方向のみに電流が流れることを前提に設計されている。
1-5.電機子電流検出回路8
電機子電流検出回路8は、各相の交流電機子巻線Cu、Cv、Cwに流れる電流を検出する電流検出回路である。本実施の形態では、電機子電流検出回路8は、各相のスイッチング素子の直列回路と交流電機子巻線とをつなぐ電線上に備えられている。各相の電機子電流検出回路8の出力信号は、制御器30に入力される。電機子電流検出回路8は、ホール素子等の非接触式の電流センサとされている。なお、電機子電流検出回路8は、各相のスイッチング素子の直列回路に直列接続されたシャント抵抗であってもよい。
1-6.母線電流検出回路6
母線電流検出回路6は、直流電源2とコンバータ9との間の接続経路を流れる電流である母線電流Idcを検出する電流検出回路である。本実施の形態では、母線電流検出回路6は、直流電源2とコンバータ9との間の接続経路であって、直流電源2とインバータ5との間の接続経路と共通していない部分を流れる電流である母線電流Idcを検出する。母線電流検出回路6は、コンバータ9と直流電源2の負極側とを接続する接続経路に設けられている。母線電流検出回路6は、コンバータ9と直流電源2の正極側とを接続する接続経路に設けられてもよい。母線電流検出回路6の出力信号は、制御器30に入力される。
母線電流検出回路6にシャント抵抗を用いる場合は、発熱により断線すると、直流電源2からコンバータ9に電力を供給できなくなる。そのため、母線電流検出回路6は、ホール素子等の非接触の電流センサが用いられるとよい。非接触の電流センサに異常が生じても、電力供給系統への影響はない。なお、放熱性が確保されて発熱面に支障が無ければ、母線電流検出回路6にシャント抵抗が用いられてもよい。
1-7.制御器30
制御器30は、インバータ5及びコンバータ9を介して、交流回転機1を制御する。制御器30は、図2に示すように、コンバータスイッチング制御部31、電流算出部32、異常判定部33、インバータスイッチング制御部34等の機能部を備えている。制御器30の各機能は、制御器30が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御器30は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93、及び外部装置とデータ通信を行う通信回路94等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、及び演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路92は、角度検出回路15、電圧検出回路17、電機子電流検出回路8、母線電流検出回路6等の各種のセンサ及びスイッチが接続され、これらセンサ及びスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、インバータ5及びコンバータ9のスイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。通信回路94は、車両統合制御装置27等の外部装置と通信を行う。
そして、制御器30が備える各制御部31~34等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御器30の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部31~34等が用いる判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。以下、制御器30の各機能について詳細に説明する。
1-7-1.インバータスイッチング制御部34
インバータスイッチング制御部34は、インバータ5のスイッチング素子をオンオフすることにより、各相の交流電機子巻線Cu、Cv、Cwに電圧を印加する。インバータスイッチング制御部34は、各相の交流電機子巻線に印加する3相の電圧指令を算出する。インバータスイッチング制御部34は、公知のベクトル制御又はV/f制御を用いて、3相の電圧指令を算出する。
インバータスイッチング制御部34は、角度検出回路15の出力信号に基づいて、ロータ14の回転角度及び回転角速度を検出する。インバータスイッチング制御部34は、電機子電流検出回路8の出力信号に基づいて、各相の交流電機子巻線に流れる3相の電機子電流を検出する。インバータスイッチング制御部34は、電圧検出回路17の出力信号に基づいて、電源電圧Vdcを検出する。
ベクトル制御を用いる場合は、インバータスイッチング制御部34は、トルク指令、電機子電流の検出値、回転角度、回転角速度、及び電源電圧等に基づいて、3相の電圧指令を算出する。トルク指令は、車両統合制御装置27等から伝達されるように構成されてもよいし、制御器30内で算出されるように構成されてもよい。具体的には、インバータスイッチング制御部34は、トルク指令、回転角速度、及び電源電圧Vdc等に基づいて、dq軸電流指令を算出し、3相の電機子電流の検出値及び回転角度に基づいてdq軸電流検出値を算出し、dq軸電流指令及びdq軸電流検出値に基づいて、dq軸座標系上で電流フィードバック制御を行って、dq軸電圧指令を算出し、dq軸電圧指令及び回転角度に基づいて、3相の電圧指令を算出する。なお、インバータスイッチング制御部34は、電流検出値を用いず、dq軸電流指令に基づいて、交流回転機の諸元を用い、dq軸電圧指令を変化させるフィードフォワード制御を実行してもよい。そして、インバータスイッチング制御部34は、回転角度に基づいて、dq軸電圧指令を、3相の電圧指令に座標変換する。インバータスイッチング制御部34は、3相の電圧指令に対して、空間ベクトル変調、2相変調等の線間電圧が変化しないような変調を加えてもよい。
V/f制御を用いる場合は、インバータスイッチング制御部34は、車両統合制御装置27等から伝達された交流回転機の回転周波数指令fに基づいて、電圧指令の振幅Vを決定する。そして、インバータスイッチング制御部34は、電圧指令の振幅V、及び回転周波数指令fを積分した位相に基づいて、3相の電圧指令を算出する。
インバータスイッチング制御部34は、3相の電圧指令に基づいて、PWM(Pulse Width Modulation)制御により複数のスイッチング素子をオンオフする。インバータスイッチング制御部34は、3相の電圧指令のそれぞれとキャリア波とを比較することにより、各相のスイッチング素子をオンオフするスイッチング信号を生成する。キャリア波は、電源電圧Vdcの振幅を有し、キャリア周波数で振動する三角波とされている。インバータスイッチング制御部34は、電圧指令がキャリア波を上回った場合は、スイッチング信号をオンし、電圧指令がキャリア波を下回った場合は、スイッチング信号をオフする。正極側のスイッチング素子には、スイッチング信号がそのまま伝達され、負極側のスイッチング素子には、スイッチング信号を反転させたスイッチング信号が伝達される。各スイッチング信号は、ゲート駆動回路を介して、インバータ5の各スイッチング素子のゲート端子に入力され、各スイッチング素子をオン又はオフさせる。
1-7-2.コンバータスイッチング制御部31
コンバータスイッチング制御部31は、コンバータ9のスイッチング素子をオンオフすることにより、界磁巻線4に電圧を印加する。コンバータスイッチング制御部31は、コンバータ9のスイッチング素子をオンオフして、電源供給経路20と還流経路21とを切り替える。
本実施の形態では、コンバータスイッチング制御部31は、界磁巻線4に印加する界磁巻線の電圧指令に基づいて、コンバータ9のスイッチング素子をオンオフする。コンバータスイッチング制御部31は、後述する電流算出部32により算出された界磁電流検出値If_detが界磁電流指令に近づくように、界磁巻線の電圧指令を変化させる電流フィードバック制御を行う。コンバータスイッチング制御部31は、トルク指令等に基づいて、界磁電流指令を算出する。トルク指令は、車両統合制御装置27等から伝達されるように構成されてもよいし、制御器30内で算出されるように構成されてもよい。
Hブリッジ回路とされたコンバータ9の4つのスイッチング素子のオンオフパターンは、図4に示すように、4つある。図4において、「0」は、対応するスイッチング素子がオフであり、「1」は、対応するスイッチング素子がオンであることを示す。4つのオンオフパターンを、電圧ベクトルVf0、Vf1、Vf2、Vf3と称す。
<電圧ベクトルVf0>
図4及び図5に示すように、電圧ベクトルVf0では、第1組の正極側のスイッチング素子SP1は「0」(オフ)にされ、第1組の負極側のスイッチング素子SN1は、「1」(オン)にされ、第2組の正極側のスイッチング素子SP2が「0」(オフ)にされ、第2組の負極側のスイッチング素子SN2が「1」(オン)にされる。電圧ベクトルVf0では、電源電圧Vdcが界磁巻線4に印加されず、コンバータ9内で電流が還流し、還流電流が界磁巻線4に流れる。また、直前に電圧ベクトルVf1が設定されている場合は、図5に示すように、界磁巻線4を第1方向に電流が流れる。一方、直前に電圧ベクトルVf2が設定されている場合は、図5とは反対向きに、界磁巻線4を第2方向に電流が流れる。電圧ベクトルVf0は、直流電源2とコンバータ9との間で電流が流れない零ベクトルである。
<電圧ベクトルVf1>
図4及び図6に示すように、電圧ベクトルVf1では、第1組の正極側のスイッチング素子SP1は「1」(オン)にされ、第1組の負極側のスイッチング素子SN1は、「0」(オフ)にされ、第2組の正極側のスイッチング素子SP2が「0」(オフ)にされ、第2組の負極側のスイッチング素子SN2が「1」(オン)にされる。電圧ベクトルVf1では、電源電圧Vdcが界磁巻線4に印加され、直流電源2から界磁巻線4に電流が流れる。また、界磁巻線4を、第1組の直列回路28側から第2組の直列回路29側への第1方向に電流が流れる。本実施の形態では、交流回転機1は、この第1方向のみに電流が流れることを前提に設計されており、後述する第2方向に電流が流れる電圧ベクトルVf2は用いられない。電圧ベクトルVf0は、直流電源2とコンバータ9との間で電流が流れる有効ベクトルである。
<電圧ベクトルVf2>
図4及び図7に示すように、電圧ベクトルVf2では、第1組の正極側のスイッチング素子SP1は「0」(オフ)にされ、第1組の負極側のスイッチング素子SN1は、「1」(オン)にされ、第2組の正極側のスイッチング素子SP2が「1」(オン)にされ、第2組の負極側のスイッチング素子SN2が「0」(オフ)にされる。電圧ベクトルVf2では、電源電圧Vdcが界磁巻線4に印加され、直流電源2から界磁巻線4に電流が流れる。また、界磁巻線4を、第2組の直列回路29側から第1組の直列回路28側への第2方向に電流が流れる。本実施の形態では、交流回転機1は、この第2方向には電流が流れないことを前提に設計されている。電圧ベクトルVf2も、直流電源2とコンバータ9との間で電流が流れる有効ベクトルであるが、本実施の形態では、用いられない。
<電圧ベクトルVf3>
図4及び図8に示すように、電圧ベクトルVf3では、第1組の正極側のスイッチング素子SP1は「1」(オン)にされ、第1組の負極側のスイッチング素子SN1は、「0」(オフ)にされ、第2組の正極側のスイッチング素子SP2が「1」(オン)にされ、第2組の負極側のスイッチング素子SN2が「0」(オフ)にされる。電圧ベクトルVf3では、電源電圧Vdcが界磁巻線4に印加されず、コンバータ9内で電流が還流し、還流電流が界磁巻線4に流れる。また、直前に電圧ベクトルVf1が設定されている場合は、図8に示すように、界磁巻線4を第1方向に電流が流れる。一方、直前に電圧ベクトルVf2が設定されている場合は、図8とは反対向きに、界磁巻線4を第2方向に電流が流れる。電圧ベクトルVf3は、直流電源2とコンバータ9との間で電流が流れない零ベクトルである。
<PWM制御により電圧ベクトルの切り替え>
図9に示すように、コンバータスイッチング制御部31は、界磁巻線の電圧指令を電源電圧Vdcで除算した比率であるオンデューティ比のPWM信号を生成し、PWM信号に基づいて、コンバータ9のスイッチング素子をオンオフする。
例えば、コンバータスイッチング制御部31は、界磁巻線の電圧指令と、PWM周期で0から電源電圧Vdcの間を振動するキャリア波(三角波)とを比較し、電圧指令がキャリア波を上回った場合は、PWM信号をオン(1)し、電圧指令がキャリア波を下回った場合は、PWM信号をオフ(0)する。或いは、コンバータスイッチング制御部31は、単純に、オンデューティ比のPWM信号を生成してもよい。
そして、コンバータスイッチング制御部31は、PWM信号がオン(1)の場合に、電源供給経路20になるようにコンバータ9のスイッチング素子をオンオフし、PWM信号がオフ(0)の場合に、還流経路21になるようにコンバータ9のスイッチング素子をオンオフする。本実施の形態では、コンバータスイッチング制御部31は、PWM信号がオン(1)の場合に、電圧ベクトルVf1のオンオフパターンでコンバータ9のスイッチング素子をオンオフし、PWM信号がオフ(0)の場合に、電圧ベクトルVf0のオンオフパターンでコンバータ9のスイッチング素子をオンオフする。なお、コンバータスイッチング制御部31は、PWM信号がオフ(0)の場合に、電圧ベクトルVf3のオンオフパターンでコンバータ9のスイッチング素子をオンオフしてもよく、或いは、コンバータスイッチング制御部31は、PWM信号がオフ(0)の場合に設定する電圧ベクトルを、電圧ベクトルVf0と電圧ベクトルVf3との間で周期的に切り替えてもよい。
1-7-3.電流算出部32
図9に示すように、界磁巻線4を流れる界磁電流Ifは、電源供給経路20に切り替えられている場合は、単調増加し、還流経路21に切り替えられている場合は、単調減少する。母線電流検出回路6は、直流電源2とコンバータ9との間の接続経路を流れる母線電流Idcを検出するように構成されている。そのため、図9及び図6に示すように、電源供給経路20に切り替えられている場合は、界磁電流Ifは、母線電流検出回路6の配置箇所を流れるので、母線電流Idcにより界磁電流Ifを検出できる。一方、図9及び図5に示すように、還流経路21に切り替えられている場合は、界磁電流Ifは、母線電流検出回路6の配置箇所を流れないので、母線電流Idcはゼロになり、界磁電流Ifを検出できない。よって、母線電流検出回路6を用いる場合は、電源供給経路20と還流経路21との切り替えを考慮して、界磁電流Ifを検出する必要がある。
電流算出部32は、母線電流検出回路6の出力信号に基づいて母線電流Idc_det(以下、母線電流検出値Idc_detと称す)を検出する。電流算出部32は、電源供給経路20に切り替えられている場合に検出した母線電流検出値である電源供給時の母線電流検出値Idc_det1と、還流経路21に切り替えられている場合に検出した母線電流検出値Idc_detである還流時の母線電流検出値Idc_det2と、に基づいて、界磁電流検出値If_detを算出する。
この構成によれば、界磁電流Ifに等しくなる電源供給時の母線電流検出値Idc_det1と、電流が零になる還流時の母線電流検出値Idc_det2とを区別して、界磁電流検出値If_detを精度よく算出することができる。
<母線電流検出回路6のオフセットの補償>
母線電流検出回路6の出力信号にはオフセットが生じる場合がある。オフセットが生じていない場合は、還流時の母線電流検出値Idc_det2はゼロになるが、オフセットが生じた場合は、還流時の母線電流検出値Idc_det2はオフセット分、ゼロからシフトする。
そこで、電流算出部32は、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1から還流時の母線電流検出値Idc_det2を減算して、界磁電流検出値If_detを算出する。これにより、母線電流検出値Idc_detのオフセットを相殺して、界磁電流検出値If_detの精度を高めることができる。
母線電流検出回路6のオフセットは、温度ドリフトにより生じる場合が多く、温度変化の時定数は大きいため、PWM周期に比べ、十分遅く変化する。よって、PWM周期毎に、還流時の母線電流検出値Idc_det2を検出する必要はない。
そこで、電流算出部32は、還流時の母線電流検出値Idc_det2の検出頻度を、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1の検出頻度よりも低くしてもよい。例えば、電流算出部32は、PWM周期毎に電源供給時の母線電流検出値Idc_det1を検出し、複数のPWM周期毎に還流時の母線電流検出値Idc_det2を検出してもよい。また、電流算出部32は、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1から、過去の複数回で検出した還流時の母線電流検出値Idc_det2の平均値を減算して、界磁電流検出値If_detを算出してもよい。
<検出タイミング>
図9に示すように、電流算出部32は、電源供給経路20に切り替えている期間の中央のタイミング(時刻t3)で、母線電流検出回路6により電源供給時の母線電流検出値Idc_det1を検出する。この構成によれば、電源供給経路20への切り替え期間において、単調増加している界磁電流Ifの中心値を検出することができ、また、PWM周期の界磁電流Ifの平均値を検出することができる。よって、界磁電流検出値If_detの精度を高めることができる。また、電源供給経路20に切り替えている期間を、電流を検出できる限界まで減少させることができる。特許文献2の直流モータの場合には、オンデューティ比を電流が検出できる限界以上に制限すると、そのままトルクとして出力されてしまう。一方、本実施の形態の交流回転機では、界磁巻線の電流によって得られた磁束をトルクに変換するには、交流電機子巻線に電流が流れる必要があるため、電源供給経路20に切り替えている期間の下限を設定することが可能である。
また、電流算出部32は、還流経路21に切り替えている期間の中央のタイミング(時刻t1、時刻t5)で、母線電流検出回路6により還流時の母線電流検出値Idc_det2を検出する。この構成によれば、スイッチング素子のオンオフによる電流への影響を受け難くなるので、界磁電流検出値If_detの精度を高めることができる。また、還流経路21に切り替えている期間を、電流を検出できる限界まで減少させることができる。
本実施の形態では、電流算出部32は、キャリア波の山及び谷のタイミングで電流を検出する。
<切り替え期間の設定>
スイッチング素子をオン又はオフしてから、スイッチング素子を流れる電流が安定するまでには応答遅れがある。スイッチング素子のオン期間又はオフ期間が短すぎると、スイッチング素子のオン又はオフ後、電流が安定した状態で電流を検出できず、電流の検出精度が悪化する。
そこで、電流算出部32は、スイッチング素子のオン又はオフ後、電流が安定するまでの電流安定期間以上の間、電源供給経路20に切り替え、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1を検出する。また、電流算出部32は、電流安定期間以上の間、還流経路21に切り替え、還流時の母線電流検出値Idc_det2を検出する。この構成によれば、スイッチング素子のオン又はオフ後、電流が安定した状態で電流を検出でき、界磁電流検出値If_detの精度を高めることができる。
1-7-4.異常判定部33
<電流供給時の異常判定>
異常判定部33は、母線電流検出回路6の異常を判定する。異常判定部33は、電源供給経路20への切り替え期間と還流経路21への切り替え期間との比(本例では、オンデューティ比、又は界磁巻線の電圧指令)に基づいて、電源供給時の正常電流範囲を設定し、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1が、電源供給時の正常電流範囲を逸脱した場合に、母線電流検出回路6に異常が発生したと判定する。例えば、異常判定部33は、界磁巻線の電圧指令に基づいて、電源供給時の正常電流範囲の最大値Idcmax1及び最小値Idcmin1を算出し、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1が、電源供給時の正常電流範囲の最大値Idcmax1以下であり、且つ最小値Idcmin1以上であるか否かを判定する。
なお、異常判定部33は、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1の代わりに、界磁電流検出値If_detを用いて、母線電流検出回路6の異常を判定してもよい。
例えば、異常判定部33は、温度変化による界磁巻線の抵抗の変動範囲の最大値Rf1_max及び最小値Rf1_min、及び界磁巻線の電圧指令Vfに基づいて、電源供給時の正常電流範囲の最大値Idcmax1及び最小値Idcmin1を設定する。或いは、その他のバラツキ、マージンを考慮して最大値Idcmax1及び最小値Idcmin1が設定されてもよい。
Idcmax1=(Vf-Vfb)/(Rf1_min)
Idcmin1=(Vf-Vfb)/(Rf1_max) ・・・(1)
ここで、Vfbは、コンバータ9とロータの界磁巻線4とを接続するためのブラシ機構等による電圧降下である。
<還流時の異常判定>
異常判定部33は、還流時の母線電流検出値Idc_det2が、予め設定した還流時の正常電流範囲を逸脱した場合に、母線電流検出回路6に異常が発生したと判定する。例えば、異常判定部33は、還流時の正常電流範囲の最大値Idcmax2及び最小値Idcmin2を算出し、還流時の母線電流検出値Idc_det2が、還流時の正常電流範囲の最大値Idcmax2以下であり、且つ最小値Idcmin2以上であるか否かを判定する。還流時の正常電流範囲の最大値Idcmax2及び最小値Idcmin2は、それぞれ、母線電流検出回路6の素子の特性ばらつき、温度変化および経年変化などを考慮した値とすればよい。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る交流回転機1及び制御装置11について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る交流回転機1及び制御装置11の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、母線電流検出回路6の構成、及び母線電流検出回路6の出力信号を用いた処理が実施の形態1と異なる。図11は、本実施の形態に係る交流回転機1及び制御装置11の概略構成図である。
本実施の形態では、母線電流検出回路6は、1つの電流検出器13と、電流検出器13の出力信号を処理し、処理信号を制御器30(電流算出部32)に出力する複数の信号処理器と、を備えている。複数の信号処理器として、第1の信号処理器14aと第2の信号処理器14bが設けられている。電流検出器13には、ホール素子又はシャント抵抗等が用いられる。第1及び第2の信号処理器14a、14bには、電流検出器の種類に合わせた処理器が設けられる。
電流算出部32は、母線電流検出回路6の第1の信号処理器14aの出力信号に基づいて、実施の形態1と同様に、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1aを検出し、第1の還流時の母線電流検出値Idc_det2aを検出する。また、電流算出部32は、母線電流検出回路6の第2の信号処理器14bの出力信号に基づいて、実施の形態1と同様に、第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bを検出し、第2の還流時の母線電流検出値Idc_det2bを検出する。
そして、電流算出部32は、実施の形態1と同様に、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1aと第1の還流時の母線電流検出値Idc_det2aとに基づいて、第1の界磁電流検出値If_detaを算出する。電流算出部32は、実施の形態1と同様に、第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bと第2の還流時の母線電流検出値Idc_det2bとに基づいて、第2の界磁電流検出値If_detbを算出する。
コンバータスイッチング制御部31は、第1の界磁電流検出値If_deta及び第2の界磁電流検出値If_detbの一方又は双方を用いて、界磁巻線の電圧指令を算出する。
異常判定部33は、第1の信号処理器14aにより検出した第1の母線電流検出値及び第2の信号処理器14bにより検出した第2の母線電流検出値のそれぞれに基づいて、実施の形態1と同様の方法を用いて、母線電流検出回路6の異常を判定する。
実施の形態1では、1つの信号処理器が設けられているため、信号処理器のゲインが微小に変動する異常が発生した場合に、異常を判定することが容易でなかった。そこで、本実施の形態では、異常判定部33は、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1a及び第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bが相互に一致しない場合に、母線電流検出回路6に異常が発生したと判定する。このように相互に比較することにより、信号処理器のゲインが微小に変動する異常が発生した場合でも異常を判定することができる。
例えば、異常判定部33は、次式に示すように、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1aと第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bとの偏差の絶対値が、予め設定した判定値閾値THabよりも大きくなった場合に異常が発生した判定する。
|Idc_det1a-Idc_det1b|>THab
・・・(2)
或いは、異常判定部33は、第1の界磁電流検出値If_deta及び第2の界磁電流検出値If_detbが相互に一致しない場合に、母線電流検出回路6に異常が発生したと判定してもよい。この場合は、同様に、異常判定部33は、次式に示すように、第1の界磁電流検出値If_detaと第2の界磁電流検出値If_detbとの偏差の絶対値が、予め設定した判定値閾値THabよりも大きくなった場合に異常が発生した判定する。
|If_deta-If_detb|>THab ・・・(3)
3.実施の形態3
次に、実施の形態3に係る交流回転機1及び制御装置11について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る交流回転機1及び制御装置11の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、母線電流検出回路6の構成、及び母線電流検出回路6の出力信号を用いた処理が実施の形態1と異なる。図12は、本実施の形態に係る交流回転機1及び制御装置11の概略構成図である。
本実施の形態では、直流電源2とコンバータ9との間の接続経路には、複数に分岐し、並列に設けられた複数の並列接続経路部分が設けられている。そして、母線電流検出回路6は、複数の並列接続経路部分のそれぞれを流れる電流を検出する複数の電流検出器と、複数の電流検出器のそれぞれの出力信号を処理し、処理信号を制御器30(電流算出部32)に出力する、複数の電流検出器と同数の信号処理器と、を備えている。電流検出器にシャントを用いた場合には過電流時に断線する懸念があるが、直流電源とコンバータ9との間を並列に接続しているため、一方が断線してももう一方で電力を供給可能である。
本実施の形態では、複数の並列接続経路部分は、コンバータ9と直流電源2の負極側とを接続する接続経路に設けられている。複数の並列接続経路部分として、第1の並列接続経路部分と第2の並列接続経路部分とが設けられている。複数の電流検出器として、第1の電流検出器13aと第2の電流検出器13bとが設けられている。複数の信号処理器として、第1の信号処理器14aと第2の信号処理器14bが設けられている。よって、第1の信号処理器14aは、第1の電流検出器13aの出力信号を処理して、制御器30に出力し、第2の信号処理器14bは、第2の電流検出器13bの出力信号を処理して、制御器30に出力する。第1及び第2の電流検出器13a、13bには、ホール素子又はシャント抵抗等が用いられる。第1及び第2の信号処理器14a、14bには、電流検出器の種類に合わせた処理器が設けられる。
電流算出部32は、母線電流検出回路6の第1の信号処理器14aの出力信号に基づいて、実施の形態1と同様に、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1aを検出し、第1の還流時の母線電流検出値Idc_det2aを検出する。また、電流算出部32は、母線電流検出回路6の第2の信号処理器14bの出力信号に基づいて、実施の形態1と同様に、第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bを検出し、第2の還流時の母線電流検出値Idc_det2bを検出する。
そして、電流算出部32は、実施の形態1と同様に、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1aと第1の還流時の母線電流検出値Idc_det2aとに基づいて、第1の界磁電流検出値If_detaを算出する。電流算出部32は、実施の形態1と同様に、第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bと第2の還流時の母線電流検出値Idc_det2bとに基づいて、第2の界磁電流検出値If_detbを算出する。
一方、本実施の形態では、2つの並列接続経路部分で、母線電流が分流しているので、両者を合計して、最終的な母線電流、界磁電流を算出する必要がある。そこで、電流算出部32は、第1の界磁電流検出値If_deta及び第2の界磁電流検出値If_detbを合計して、界磁電流検出値If_detを算出する。そして、コンバータスイッチング制御部31は、合計後の界磁電流検出値If_detを用いて、界磁巻線の電圧指令を算出する。
異常判定部33は、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1aと第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bとを合計した電源供給時の母線電流検出値Idc_det1、合計後の界磁電流検出値If_det、第1の還流時の母線電流検出値Idc_det2a、及び第2の還流時の母線電流検出値Idc_det2bに基づいて、実施の形態1と同様の方法を用いて、母線電流検出回路6の異常を判定する。
2つの並列接続経路部分で母線電流が分流し、次式に示すように、第1の母線電流Idcaと第2の母線電流Idcbとの比は、第1の並列接続経路部分の第1の抵抗Raの逆数と第2の並列接続経路部分の第2の抵抗Rbの逆数との比に等しくなる。なお、第1及び第2の電流検出器13a、13bがシャント抵抗である場合は、第1及び第2の抵抗Ra、Rbにシャント抵抗の抵抗が加算される。
Idca:Idcb=1/Ra:1/Rb ・・・(4)
そこで、異常判定部33は、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1aと第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bの比が、予め設定した正常比に一致しない場合に、母線電流検出回路6に異常が発生したと判定する。
例えば、異常判定部33は、次式に示すように、第1の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1aと第2の抵抗Rbとの乗算値と、第2の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1bと第1の抵抗Raとの乗算値との偏差の絶対値が、予め設定した判定値閾値THab2よりも大きくなった場合に異常が発生した判定する。
|Rb×Idc_det1a-Ra×Idc_det1b|>THab2
・・・(5)
或いは、異常判定部33は、第1の界磁電流検出値If_detaと第2の界磁電流検出値If_detbの比が、予め設定した正常比に一致しない場合に、母線電流検出回路6に異常が発生したと判定してもよい。この場合は、同様に、異常判定部33は、次式に示すように、第1の界磁電流検出値If_detaと第2の抵抗Rbとの乗算値と、第2の界磁電流検出値If_detbと第1の抵抗Raとの乗算値との偏差の絶対値が、予め設定した判定値閾値THab2よりも大きくなった場合に異常が発生した判定する。
|Rb×If_deta-Ra×If_detb|>THab2
・・・(6)
4.実施の形態4
次に、実施の形態4に係る交流回転機1及び制御装置11について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る交流回転機1及び制御装置11の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、母線電流検出回路6の配置位置が実施の形態1と異なる。図13は、本実施の形態に係る交流回転機1及び制御装置11の概略構成図である。
本実施の形態では、母線電流検出回路6は、直流電源2とコンバータ9との間の接続経路と、直流電源2とインバータ5との間の接続経路と、の間で共通する経路を流れる電流を母線電流として検出する。
そのため、母線電流検出回路6により検出される母線電流Idcは、直流電源2とコンバータ9との間を流れる電流であるコンバータ電流Icnと、直流電源2とインバータ5との間を流れる電流であるインバータ電流Iinとが、合わさった電流となる。そのため、母線電流からコンバータ電流Icnのみを抽出する必要がある。
<インバータ電流がゼロになるインバータのオンオフパターン>
インバータ電流Iinが流れていないときは、母線電流Idcは、コンバータ電流Icnに等しくなる。そこで、インバータ電流Iinが零になる、インバータ5のスイッチング素子のオンオフパターンについて説明する。
図14に示すように、インバータ5の6つのスイッチング素子のオンオフパターンは、8つある。図14において、「0」は、対応するスイッチング素子がオフであり、「1」は、対応するスイッチング素子がオンであることを示す。8つのオンオフパターンを、電圧ベクトルV0~V7と称す。
電圧ベクトルV0では、U相、V相、W相の負極側のスイッチング素子SNu、SNv、SNwが全てオンになり、U相、V相、W相の正極側のスイッチング素子SPu、SPv、SPwが全てオフになり、負極側の電線を介して、3相の交流電機子巻線Cu、Cv、Cwの端子が相互に接続される。この電圧ベクトルV0では、電流は、3相の交流電機子巻線とインバータの間で還流し、インバータ電流Iinはゼロになり、直流電源2とインバータ5との間で電流が流れない零ベクトルの状態になる。
電圧ベクトルV7では、U相、V相、W相の正極側のスイッチング素子SPu、SPv、SPwが全てオンになり、U相、V相、W相の負極側のスイッチング素子SNu、SNv、SNwが全てオフになり、正極側の電線を介して、3相の交流電機子巻線Cu、Cv、Cwの端子が相互に接続される。この電圧ベクトルV7では、電流は、3相の交流電機子巻線とインバータの間で還流し、インバータ電流Iinはゼロになり、直流電源2とインバータ5との間で電流が流れない零ベクトルの状態になる。
他の電圧ベクトルV1~V6では、インバータ電流Iinは、U相、V相、W相の交流電機子巻線を流れる電機子電流Iu、Iv、Iwになる。これらの電圧ベクトルV1~V6では、インバータ電流Iinはゼロにならず、直流電源2とインバータ5との間で電流が流れる有効ベクトルの状態になる。
実施の形態1で説明したように、インバータスイッチング制御部34は、3相の電圧指令Vu、Vw、Vwのそれぞれとキャリア波Caとを比較することにより、各相のスイッチング素子をオンオフするスイッチング信号を生成する。図15に、PWM周期Tcにおける、3相の電圧指令Vu、Vw、Vw、キャリア波Ca、各スイッチング素子のスイッチング信号を示す。この図に示すように、PWM周期Tcにおいて、電圧ベクトルV0からV8が切り替わる。時刻t1からt2、及び時刻t6からt7において、零ベクトルである電圧ベクトルV7になっている。よって、交流電機子巻線12に電圧を印加するPWM制御をしている状態でも、PWM周期において、インバータ電流Iinがゼロになる零ベクトルの期間が存在し、その零ベクトルの期間において、母線電流Idcにより、コンバータ電流Icnを検出できる。
<零ベクトル時における界磁電流検出値の算出>
そこで、電流算出部32は、直流電源2とインバータ5との間で電流が流れない零ベクトルの状態で、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1及び還流時の母線電流検出値Idc_det2を検出する。そして、電流算出部32は、実施の形態1と同様に、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1と還流時の母線電流検出値Idc_det2とに基づいて、界磁電流検出値If_detを算出する。
<有効ベクトル時における界磁電流検出値の算出>
一方、PWM制御の方法によっては、PWM周期に零ベクトルの期間が存在しない場合がある。図16に、零ベクトルが存在しない場合の例を示す。この例では、第1キャリア波Ca1が、U相の電圧指令Vu及びV相の電圧指令Vvと比較され、第1キャリア波Ca1とは逆相の第2キャリア波Ca2が、W相の電圧指令Vwと比較される。図16に示すように、PWM周期Tcにおいて、有効ベクトルである電圧ベクトルV1、V2、V6の期間は存在するが、零ベクトルである電圧ベクトルV0、V7は存在しない。
その場合でも、図14に示すように、有効ベクトルである電圧ベクトルV1~V6のそれぞれによって、インバータ電流Iinが、3相の電機子電流Iu、Iv、Iwのいずれかと等しくなる。例えば、電圧ベクトルV1では、インバータ電流Iinが、U相の電機子電流Iuと等しくなる。電圧ベクトルV2では、インバータ電流Iinが、W相の電機子電流Iwの符号反転値(-Iw)と等しくなる。このように、有効ベクトルであっても、有効ベクトルの種類に応じた特定の相の電機子電流によりインバータ電流Iinを算出し、母線電流Idcからインバータ電流Iinを減算することで、コンバータ電流Icnを抽出することができる。
そこで、電流算出部32は、電機子電流検出回路8の出力信号に基づいて電機子電流を検出し、同時期に検出した母線電流検出値Idc_det及び電機子電流検出値、及び電流検出時点のインバータ5のスイッチング素子のオンオフパターンに基づいて、インバータ電流除去後の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1及び還流時の母線電流検出値Idc_det2を算出する。
電流算出部32は、電流検出時点のインバータ5のスイッチング素子のオンオフパターン(電圧ベクトル)に基づいて決定した特定の相の電機子電流検出値に基づいて、直流電源2とインバータ5との間を流れる電流であるインバータ電流検出値Iin_detを算出する。この決定の際、電流算出部32は、図14に示すような、インバータ5のスイッチング素子のオンオフパターン(電圧ベクトル)と、インバータ電流Iinに等しくなる特定相の電機子電流の情報及び電流の符号反転の有無の情報とが予め設定されたデータテーブルを参照する。なお、インバータ5のスイッチング素子のオンオフパターン(電圧ベクトル)が、電圧ベクトルV0及びV7の零ベクトルである場合は、電流算出部32は、インバータ電流検出値Iin_detをゼロに設定すればよい。
なお、電機子電流の検出タイミングは、実施の形態1と同様の母線電流の検出タイミングに合わせられるとよい。
そして、電流算出部32は、特定相の電機子電流検出値と同時期に検出した母線電流検出値Idc_detから、インバータ電流検出値Iin_detを減算して、コンバータ電流検出値Icn_detを算出し、コンバータ電流検出値Icn_detによりインバータ電流除去後の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1及び還流時の母線電流検出値Idc_det2を算出する。具体的には、電流算出部32は、電源供給経路20に切り替えられている場合に算出したコンバータ電流検出値Icn_detを、インバータ電流除去後の電源供給時の母線電流検出値Idc_det1として算出し、還流経路21に切り替えられている場合に算出したコンバータ電流検出値Icn_detを、インバータ電流除去後の還流時の母線電流検出値Idc_det2として算出する。
そして、電流算出部32は、実施の形態1と同様に、電源供給時の母線電流検出値Idc_det1と還流時の母線電流検出値Idc_det2とに基づいて、界磁電流検出値If_detを算出する。
例えば、電流検出時に電圧ベクトルV6である場合は、電流算出部32は、図14のようなデータテーブルを参照し、特定相としてV相を決定し、次式に示すように、V相の電機子電流検出値Iv_detの符号反転値(-Iv_det)をインバータ電流検出値Iin_detに設定する。そして、電流算出部32は、次式に示すように、V相の電機子電流検出値Iv_detと同時期に検出した母線電流検出値Idc_detから、インバータ電流検出値Iin_detを減算して、コンバータ電流検出値Icn_detを算出する。母線電流検出値Idc_detの検出時点において、電源供給経路20に切り替えられている場合は、電源供給時のコンバータ電流検出値Icn_det1になり、還流経路21に切り替えられている場合は、還流時のコンバータ電流検出値Icn_det2になる。
Iin_det=-Iv_det
Icn_det=Idc_det-Iin_det ・・・(7)
<インバータ5の短絡異常判定>
インバータ5のスイッチング素子の短絡異常等により、インバータ5の同じ相の正極側及び負極側のスイッチング素子が同時にオンになると、直流電源2の正極側と負極側が短絡し、過大なインバータ電流Iinが流れる。本実施の形態では、母線電流検出回路6は、インバータ電流Iinを検出できるように配置されているので、インバータ5の短絡による過大なインバータ電流Iinを検出できる。特に、電機子電流検出回路8を交流電機子巻線とインバータの間に配置する場合には、母線に流れる大電流を直接検出することができないため、好適である。
そこで、異常判定部33は、母線電流検出値Idc_detが、正常電流範囲を逸脱した場合に、インバータ5において短絡異常が生じた判定する。例えば、異常判定部33は、母線電流検出値Idc_detが、予め設定された短絡判定値より大きくなった場合に、インバータ5において短絡異常が生じた判定する。インバータ5において短絡異常が生じたと判定された場合は、インバータスイッチング制御部34は、通常のオンオフ制御を停止し、インバータ5の全てのスイッチング素子をオフにするなど短絡異常時のオンオフ制御を行う。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本願のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態では、交流回転機1は、3相の交流電機子巻線を備えている場合を例に説明した。しかし、交流回転機1は、3相以外の複数相の交流電機子巻線を備えてもよく、複数組の複数相の交流電機子巻線を備えてもよい。
(2)上記の各実施の形態では、交流回転機1は、車両用の発電電動機である場合を例に説明した。しかし、交流回転機1は、車両用の発電電動機以外の各種の用途の交流回転機とされてもよい。
(3)上記の各実施の形態では、コンバータ9は、Hブリッジ回路である場合を例に説明した。しかし、コンバータスイッチング制御部31が、還流経路21に切り替える場合に、図5の電圧ベクトルVf0のみを設定する場合は、第2組の正極側のスイッチング素子SP2が常時オフになるので、第2組の正極側のスイッチング素子SP2の回路部分が設けられず、非接続であってもよく、或いは、逆並列ダイオードのみが設けられてもよい。また、この場合は、第2組の負極側のスイッチング素子SN2が常時オンになるので、第2組の負極側のスイッチング素子SN2の回路部分が接続線により構成されてもよい。
一方、コンバータスイッチング制御部31が、還流経路21に切り替える場合に、図8の電圧ベクトルVf3のみを設定する場合は、第1組の負極側のスイッチング素子SN1が常時オフになるので、第1組の負極側のスイッチング素子SN1の回路部分が設けられず、非接続であってもよく、或いは、逆並列ダイオードのみが設けられてもよい。また、この場合は、第1組の正極側のスイッチング素子SP1が常時オンになるので、第1組の正極側のスイッチング素子SP1の回路部分が接続線により構成されてもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 交流回転機、2 直流電源、4 界磁巻線、5 インバータ、6 母線電流検出回路、8 電機子電流検出回路、9 コンバータ、11 交流回転機の制御装置、12 交流電機子巻線、20 電源供給経路、21 還流経路、31 コンバータスイッチング制御部、32 電流算出部、33 異常判定部、34 インバータスイッチング制御部

Claims (18)

  1. 交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
    スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
    前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
    前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
    前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
    を備え
    前記電流算出部は、前記還流時母線電流の検出頻度を、前記電源供給時母線電流の検出頻度よりも低くする交流回転機の制御装置。
  2. 交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
    スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
    前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
    前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
    前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
    スイッチング素子を有し、前記直流電源と前記交流電機子巻線との間で電力変換を行うインバータと、
    前記インバータのスイッチング素子をオンオフして、前記交流電機子巻線に電圧を印加するインバータスイッチング制御部と、を備え、
    前記母線電流検出回路は、前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路と、前記インバータと前記直流電源との間の接続経路と、の間で共通する経路を流れる電流を前記母線電流として検出し、
    前記電流算出部は、前記直流電源と前記インバータとの間で電流が流れない零ベクトルの状態で、前記電源供給時母線電流と前記還流時母線電流とを検出する交流回転機の制御装置。
  3. 交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
    スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
    前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
    前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
    前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
    スイッチング素子を有し、前記直流電源と前記交流電機子巻線との間で電力変換を行うインバータと、
    前記インバータのスイッチング素子をオンオフして、前記交流電機子巻線に電圧を印加するインバータスイッチング制御部と、
    前記交流電機子巻線に流れる電流である電機子電流を検出する電機子電流検出回路と、を備え、
    前記母線電流検出回路は、前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路と、前記インバータと前記直流電源との間の接続経路と、の間で共通する経路を流れる電流を前記母線電流として検出し、
    前記電流算出部は、前記電機子電流検出回路の出力信号に基づいて前記電機子電流を検出し、同時期に検出した前記母線電流及び前記電機子電流、及び電流検出時点の前記インバータのスイッチング素子のオンオフパターンに基づいて、前記電源供給時母線電流及び前記還流時母線電流を算出する交流回転機の制御装置。
  4. 前記電流算出部は、前記電機子電流検出回路の出力信号に基づいて前記電機子電流を検出し、電流検出時点の前記インバータのスイッチング素子のオンオフパターンに基づいて決定した特定の相の前記電機子電流に基づいて、前記直流電源と前記インバータとの間を流れる電流であるインバータ電流を算出し、
    前記電機子電流と同時期に検出した前記母線電流から、前記インバータ電流を減算して、前記直流電源と前記コンバータとの間を流れる電流であるコンバータ電流を算出し、前記コンバータ電流により前記電源供給時母線電流及び前記還流時母線電流を算出する請求項に記載の交流回転機の制御装置。
  5. 交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
    スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
    前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
    前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
    前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
    前記母線電流検出回路の異常を判定する異常判定部と、を備え、
    前記異常判定部は、前記電源供給経路への切り替え期間と前記還流経路への切り替え期間との比に基づいて電源供給時の正常電流範囲を設定し、前記電源供給時母線電流が、前記電源供給時の正常電流範囲を逸脱した場合に、前記母線電流検出回路に異常が発生したと判定する交流回転機の制御装置。
  6. 交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
    スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
    前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
    前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
    前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
    前記母線電流検出回路の異常を判定する異常判定部と、を備え、
    前記母線電流検出回路は、1つの電流検出器と、前記電流検出器の出力信号を処理し、処理信号を前記電流算出部に出力する複数の信号処理器と、を備え、
    前記電流算出部は、前記複数の信号処理器のそれぞれの前記処理信号に基づいて、複数の前記電源供給時母線電流を検出し、
    前記異常判定部は、複数の前記電源供給時母線電流が相互に一致しない場合に、前記母線電流検出回路に異常が発生したと判定する交流回転機の制御装置。
  7. 交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
    スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
    前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
    前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
    前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
    前記母線電流検出回路の異常を判定する異常判定部と、を備え、
    前記母線電流検出回路は、1つの電流検出器と、前記電流検出器の出力信号を処理し、処理信号を前記電流算出部に出力する複数の信号処理器と、を備え、
    前記電流算出部は、前記複数の信号処理器のそれぞれの前記処理信号に基づいて、複数の前記電源供給時母線電流及び複数の前記還流時母線電流を検出し、複数の前記電源供給時母線電流及び複数の前記還流時母線電流のそれぞれに基づいて、複数の前記界磁電流を算出し、
    前記異常判定部は、複数の前記界磁電流が相互に一致しない場合に、前記母線電流検出回路に異常が発生したと判定する交流回転機の制御装置。
  8. 交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
    スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
    前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
    前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
    前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
    前記母線電流検出回路の異常を判定する異常判定部と、を備え、
    前記母線電流検出回路は、前記直流電源と前記コンバータとの間に並列に設けられた複数の接続経路部分のそれぞれを流れる電流を検出する複数の電流検出器と、前記複数の電流検出器のそれぞれの出力信号を処理し、処理信号を前記電流算出部に出力する、前記複数の電流検出器と同数の信号処理器と、を備え、
    前記電流算出部は、前記複数の信号処理器のそれぞれの前記処理信号に基づいて、複数の前記電源供給時母線電流を算出し、
    前記異常判定部は、複数の前記電源供給時母線電流の比が、予め設定した正常比に一致しない場合に、前記母線電流検出回路に異常が発生したと判定する交流回転機の制御装置。
  9. 交流電機子巻線及び界磁巻線を有する交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
    スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより、直流電源から前記界磁巻線に電流を流す電源供給経路と、コンバータ内で電流を還流させて前記界磁巻線に還流電流を流す還流経路とが、切り替わるコンバータと、
    前記直流電源と前記コンバータとの間の接続経路を流れる電流である母線電流を検出する母線電流検出回路と、
    前記コンバータのスイッチング素子をオンオフして、前記電源供給経路と前記還流経路とを切り替えるコンバータスイッチング制御部と、
    前記電源供給経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である電源供給時母線電流と、前記還流経路に切り替えられている場合に前記母線電流検出回路の出力信号に基づいて検出した前記母線電流である還流時母線電流と、に基づいて、前記界磁巻線に流れる電流である界磁電流を算出する電流算出部と、
    前記母線電流検出回路の異常を判定する異常判定部と、を備え、
    前記母線電流検出回路は、前記直流電源と前記コンバータとの間に並列に設けられた複数の接続経路部分のそれぞれを流れる電流を検出する複数の電流検出器と、前記複数の電流検出器のそれぞれの出力信号を処理し、処理信号を前記電流算出部に出力する、前記複数の電流検出器と同数の信号処理器と、を備え、
    前記電流算出部は、前記複数の信号処理器のそれぞれの前記処理信号に基づいて、複数の前記電源供給時母線電流及び複数の前記還流時母線電流を検出し、複数の前記電源供給時母線電流及び複数の前記還流時母線電流のそれぞれに基づいて、複数の前記界磁電流を算出し、
    前記異常判定部は、複数の前記界磁電流の比が、予め設定した正常比に一致しない場合に、前記母線電流検出回路に異常が発生したと判定する交流回転機の制御装置。
  10. 前記コンバータは、前記直流電源の正極側に接続される正極側のパワー半導体と前記直流電源の負極側に接続される負極側のパワー半導体とが直列接続された直列回路を2組設け、第1組の前記直列回路における前記正極側のパワー半導体と前記負極側のパワー半導体との接続点が、前記界磁巻線の一端に接続され、第2組の前記直列回路における前記正極側のパワー半導体と前記負極側のパワー半導体との接続点が、前記界磁巻線の他端に接続され、少なくとも第1組の前記直列回路における前記正極側のパワー半導体及び第2組の前記直列回路における前記負極側のパワー半導体は、スイッチング素子である請求項1から9のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  11. 前記第1組の前記直列回路における前記負極側のパワー半導体は、スイッチング素子であり、
    前記コンバータスイッチング制御部は、
    前記電源供給経路に切り替える場合は、第1組の前記直列回路における正極側のスイッチング素子をオンにし、負極側のスイッチング素子をオフにすると共に、第2組の前記直列回路における負極側のスイッチング素子をオンにし、
    前記還流経路に切り替える場合は、第1組の前記直列回路における正極側のスイッチング素子をオフにし、負極側のスイッチング素子をオンにすると共に、第2組の前記直列回路における負極側のスイッチング素子をオンにする請求項10に記載の交流回転機の制御装置。
  12. 前記第2組の前記直列回路における正極側のパワー半導体は、スイッチング素子であって、
    前記コンバータスイッチング制御部は、
    前記電源供給経路に切り替える場合は、第1組の前記直列回路における正極側のスイッチング素子をオンにすると共に、第2組の前記直列回路における正極側のスイッチング素子をオフにし、負極側のスイッチング素子をオンにし、
    前記還流経路に切り替える場合は、第1組の前記直列回路における正極側のスイッチング素子をオンにすると共に、第2組の前記直列回路における正極側のスイッチング素子をオンにし、負極側のスイッチング素子をオフにする請求項10に記載の交流回転機の制御装置。
  13. 前記電流算出部は、前記電源供給時母線電流から前記還流時母線電流を減算して、前記界磁電流を算出する請求項1から12のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  14. 前記電流算出部は、
    前記電源供給経路に切り替えている期間の中央のタイミングで、前記母線電流検出回路により前記電源供給時母線電流を検出する検出と、
    前記還流経路に切り替えている期間の中央のタイミングで、前記母線電流検出回路により前記還流時母線電流を検出する検出と、
    の一方または双方を実施する請求項1から13のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  15. 前記コンバータスイッチング制御部は、
    前記コンバータのスイッチング素子のオン又はオフ後、電流が安定するまでの電流安定期間以上の間、前記電源供給経路に切り替える切替と、
    前記コンバータのスイッチング素子のオン又はオフ後、前記電流安定期間以上の間、前記還流経路に切り替える切替と、
    の一方または双方を実施する請求項1から14のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  16. 前記母線電流検出回路の異常を判定する異常判定部を更に備え、
    前記異常判定部は、前記還流時母線電流が、予め設定した還流時の正常電流範囲を逸脱した場合に、前記母線電流検出回路に異常が発生したと判定する請求項1から15のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  17. 前記母線電流検出回路は、非接触の電流センサを用いる請求項1から16のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  18. 前記交流回転機は、車両用の発電電動機である請求項1から17のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
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