JP2023012681A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流検出部の異常を適切に検出可能なモータ制御装置を提供することにある。【解決手段】シフトレンジ切替装置40は、モータ10と、駆動回路41と、電流検出部45と、制御部50と、を備える。モータ10は、複数相のモータ巻線101~103を有する。駆動回路41は、モータ巻線101~103の低電位側に設けられる。電流検出部45は、モータ巻線101~103の各相に対応する電流検出抵抗451~453を有し、駆動回路41の低電位側に設けられる。制御部50は、アクチュエータ制御部51、および、異常診断部55を有する。異常診断部55は、各相に同じデューティ比を指令したときの相電流の最大値である最大電流Imaxと最小値である最小電流Iminとの差が異常判定閾値Ith以上である場合、電流検出部45が異常であると判定する。これにより、電流検出部45の異常を適切に診断することができる。【選択図】 図3
Description
本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、3相モータの電流を検出する電流センサの異常を診断するモータ制御装置が知られている。例えば特許文献1では、3相電流と母線電流との比較に基づいて、電流センサの異常を検出する。
特許文献1では、全相に流れた電流の相和がわからないと、各相の異常検出ができないため、母線電流を検出するための電流センサを別途に設ける必要がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電流検出部の異常を適切に検出可能なモータ制御装置を提供することにある。
本発明のモータ制御装置は、モータ(10)と、駆動回路(41)と、電流検出部(45)と、制御部(50)と、を備える。モータは、複数相のモータ巻線(101~103)を有する。駆動回路は、モータ巻線の各相に対応する駆動素子(411~413)を有し、モータ巻線の低電位側または高電位側の一方に設けられる。電流検出部は、モータ巻線の各相に対応する電流検出抵抗(451~453)を有し、モータ巻線の低電位側に設けられる前記駆動回路の低電位側、または、モータ巻線の高電位側に設けられる駆動回路の高電位側に設けられる。
制御部は、アクチュエータ制御部(51)、および、異常診断部(55)を有する、アクチュエータ制御部(51)は、駆動素子のオンオフ作動を制御することで、モータの駆動を制御する。異常診断部は、電流検出部の異常を診断する。
第1の態様では、異常診断部は、各相に同じデューティ比を指令したときの相電流の最大値と最小値との差が異常判定閾値以上である場合、電流検出部が異常であると判定する。これにより、電流検出部の異常を適切に検出することができる。
第2の態様では、異常診断部は、各相に同じ電流指令値を指令して電流フィードバック制御を行ったときの各相デューティの指令値の最大値と最小値との差が異常判定閾値以上である場合、電流検出部が異常であると判定する。これにより、電流検出部の異常を適切に検出することができる。
以下、本発明によるモータ制御装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるモータ制御装置を図1~図4に示す。図1~図3に示すように、シフトレンジ切替システムであるシフトバイワイヤシステム1は、モータ10、ディテント機構20、パーキングロック機構30、および、モータ制御装置としてのシフトレンジ切替装置40等を備える。
本発明の第1実施形態によるモータ制御装置を図1~図4に示す。図1~図3に示すように、シフトレンジ切替システムであるシフトバイワイヤシステム1は、モータ10、ディテント機構20、パーキングロック機構30、および、モータ制御装置としてのシフトレンジ切替装置40等を備える。
モータ10は、図示しない車両に搭載されるバッテリ90から電力が供給されることで回転し、ディテント機構20の駆動源として機能する。モータ10は、例えばスイッチトリラクタンスモータであるが、スイッチトリラクタンスモータ以外のものであってもよい。
図3に示すように、モータ10は、モータ巻線101~103を有する。モータ巻線101~103の一端側には、駆動回路41が設けられる。モータ巻線101~103の他端側は結線部105で結線される。結線部105は、上側母線95にてバッテリ90と接続される。上側母線95には、メカリレー91が設けられる。本実施形態のモータ10は、駆動回路41が低電位側に設けられているローサイド駆動のモータである。メカリレー91は、リレー駆動回路62からの駆動信号に基づいてオンオフ作動が制御される。本実施形態では、電源リレーとしてメカリレー91を用いているが、メカリレーに替えて半導体素子リレー等を用いてもよい。
エンコーダ13は、モータ10の回転位置を検出する。エンコーダ13は、例えば磁気式のロータリーエンコーダであって、ロータと一体に回転する磁石と、磁気検出用のホールIC等により構成される。エンコーダ13は、ロータの回転に同期して、所定角度ごとにA相、B相およびC相のパルス信号であるエンコーダ信号を出力する。エンコーダ信号は、エンコーダ入力回路63を経由して制御部50に入力される。
図2に示すように、減速機14は、モータ10のモータ軸と出力軸15との間に設けられ、モータ10の回転を減速して出力軸15に出力する。これにより、モータ10の回転がディテント機構20に伝達される。出力軸15には、出力軸15の角度を検出する出力軸センサ16が設けられる。出力軸センサ16は、例えばポテンショメータである。
図1に示すように、ディテント機構20は、ディテントプレート21、および、ディテントスプリング25等を有し、減速機14から出力された回転駆動力を、マニュアルバルブ28、および、パーキングロック機構30へ伝達する。
ディテントプレート21は、出力軸15に固定され、モータ10により駆動される。ディテントプレート21には、出力軸15と平行に突出するピン24が設けられる。ピン24は、マニュアルバルブ28と接続される。ディテントプレート21がモータ10によって駆動されることで、マニュアルバルブ28は軸方向に往復移動する。すなわち、ディテント機構20は、モータ10の回転運動を直線運動に変換してマニュアルバルブ28に伝達する。マニュアルバルブ28は、バルブボディ29に設けられる。マニュアルバルブ28が軸方向に往復移動することで、図示しない油圧クラッチへの油圧供給路が切り替えられ、油圧クラッチの係合状態が切り替わることでシフトレンジが変更される。
ディテントプレート21のディテントスプリング25側には、2つの谷部211、212が設けられる。本実施形態では、ディテントスプリング25の基部から遠い側を谷部211、近い側を谷部212とする。本実施形態では、谷部211がPレンジに対応し、谷部212がPレンジ以外のNotPレンジに対応する。
ディテントスプリング25は、弾性変形可能な板状部材であり、先端にディテントローラ26が設けられる。ディテントスプリング25は、ディテントローラ26をディテントプレート21の回動中心側に付勢する。ディテントプレート21に所定以上の回転力が加わると、ディテントスプリング25が弾性変形し、ディテントローラ26が谷部211、212間を移動する。ディテントローラ26が谷部211、212のいずれかに嵌まり込むことで、ディテントプレート21の揺動が規制され、マニュアルバルブ28の軸方向位置、および、パーキングロック機構30の状態が決定され、自動変速機5のシフトレンジが固定される。
パーキングロック機構30は、パーキングロッド31、円錐体32、パーキングロックポール33、軸部34、および、パーキングギア35を有する。パーキングロッド31は、略L字形状に形成され、一端311側がディテントプレート21に固定される。パーキングロッド31の他端312側には、円錐体32が設けられる。円錐体32は、他端312側にいくほど縮径するように形成される。ディテントローラ26がPレンジに対応する凹部に嵌まり込む方向にディテントプレート21が回転すると、円錐体32が矢印Pの方向に移動する。
パーキングロックポール33は、円錐体32の円錐面と当接し、軸部34を中心に揺動可能に設けられる。パーキングロックポール33のパーキングギア35側には、パーキングギア35と噛み合い可能な凸部331が設けられる。ディテントプレート21の回転により、円錐体32が矢印P方向に移動すると、パーキングロックポール33が押し上げられ、凸部331とパーキングギア35とが噛み合う。一方、円錐体32が矢印NotP方向に移動すると、凸部331とパーキングギア35との噛み合いが解除される。
パーキングギア35は図示しない車軸に設けられ、パーキングロックポール33の凸部331と噛み合い可能に設けられる。パーキングギア35と凸部331とが噛み合うと、車軸の回転が規制される。シフトレンジがP以外のレンジであるNotPレンジのとき、パーキングギア35はパーキングロックポール33によりロックされず、車軸の回転は、パーキングロック機構30により妨げられない。また、シフトレンジがPレンジのとき、パーキングギア35はパーキングロックポール33によってロックされ、車軸の回転が規制される。
図2および図3に示すように、シフトレンジ切替装置40は、駆動回路41、および、制御部50等を備える。駆動回路41は、3つの駆動素子411~413を有し、それぞれ、各相のモータ巻線101~103のグランド側に設けられる。駆動素子411~413は、プリドライバIC61から出力される駆動信号に応じてオンオフ作動が制御される。
駆動回路41とグランドとの間には、電流検出部45が設けられる。電流検出部45は、モータ巻線101~103の各相の電流を検出する3つの電流検出抵抗451~453を有する。電流検出抵抗451~453と駆動素子411~413との間の電圧は、モータ巻線101~103の各相電流に係る検出値として、プリドライバIC61を経由して制御部50に入力される。
制御部50は、マイコン等を主体として構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、RAM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。制御部50における各処理は、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記録媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
制御部50は、ドライバ要求シフトレンジに応じたシフト信号、ブレーキスイッチからの信号および車速等に基づいてモータ10の駆動を制御することで、シフトレンジの切り替えを制御する。また、制御部50は、車速、アクセル開度、および、ドライバ要求シフトレンジ等に基づき、変速用油圧制御ソレノイド6の駆動を制御する。変速用油圧制御ソレノイド6を制御することで、変速段が制御される。変速用油圧制御ソレノイド6は、変速段数等に応じた本数が設けられる。本実施形態では、1つの制御部50がモータ10およびソレノイド6の駆動を制御するが、モータ10を制御するモータ制御用のモータECUと、ソレノイド制御用のAT-ECUとを分けてもよい。
制御部50は、機能ブロックとして、アクチュエータ制御部51、リレー制御部53、および、異常診断部55等を有する。アクチュエータ制御部51は、駆動素子411~413のオンオフ作動を制御することで、モータ10の駆動を制御する。リレー制御部52は、メカリレー91のオンオフ作動を制御する。
異常診断部55は、電流検出部45の異常を検出する。本実施形態では、特に、電流ズレを起こす電流検出抵抗451~453のドリフト異常を検出する。本実施形態の異常診断処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、制御部50におけるイニシャルチェックにて、所定の周期で実行される。以下、ステップS101等の「ステップ」を省略し、単に記号「S」と記す。
S101では、制御部50は、診断用のデューティ比にて駆動素子411~413のオンオフ作動を制御し、全相に所定時間の通電を行う。診断用のデューティ比は、全相で同じ値とする。S102では、異常診断部55は、診断実施条件が成立しているか否か判断する。診断実施条件には、モータリレーの出力がオン、通電レジスタの全相出力がオンの状態が所定時間継続しており、かつ、診断ステータスが「異常」ではない場合、診断実施条件が成立していると判定する。診断実施条件が成立していないと判断された場合(S102:NO)、S103以降の処理をスキップし、電流センサの異常判定をキャンセルする。診断実施条件が成立していると判断された場合(S102:YES)、S103へ移行する。
S103では、異常診断部55は、最大電流Imaxと最小電流Iminとの差が異常判定閾値Ith以上か否か判断する。ここで、最大電流Imaxは、電流検出抵抗451~453の検出値に基づく各相電流Iu、Iv、Iwの最大値であり、最小電流Iminは、各相電流Iu、Iv、Iwの最小値である。最大電流Imaxと最小電流Iminとの差が異常判定閾値Ith以上であると判断された場合(S103:YES)、S104へ移行し、異常カウンタCeをカウントアップし、正常カウンタCnをリセットする。最大電流Imaxと最小電流Iminとの差が異常判定閾値Ith未満であると判断された場合(S103:NO)、S105へ移行し、正常カウンタCnをカウントアップし、異常カウンタCeをリセットする。
S104またはS105に続いて移行するS106では、異常診断部55は、異常カウンタCeが判定閾値Cth1以上か否か判断する。異常カウンタCeが判定閾値Cth1以上であると判断された場合(S106:YES)、S107へ移行し、診断ステータスを異常とする。異常カウンタCeが判定閾値Cth1より小さいと判断された場合(S106:NO)、S108へ移行する。
S108では、異常診断部55は、正常カウンタCnが判定閾値Cth2以上か否か判断する。異常確定に係る判定閾値Cth1と、正常確定に係る判定閾値Cth2とは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。正常カウンタCnが判定閾値Cth2より小さいと判断された場合(S108:NO)、S103へ戻る。正常カウンタCnが判定閾値Cth2以上であると判断された場合(S108:YES)、S109へ移行し、診断ステータスを正常とする。
駆動回路41がモータ巻線101~103の低電位側にあるローサイド駆動のモータ10において、駆動回路41の低電位側にて電流検出を行う構成において、全相に同じデューティ比を指示した場合、電流検出抵抗451~453が正常であれば、各相電流Iu、Iv、Iwが理論上、等しくなる。そこで本実施形態では、全相に診断用デューティ比を与え、最大電流Imaxと最小電流Iminとの差に基づき、電流検出部45の異常を判定している。これにより、母線電流を検出するための別途のセンサを設けることなく、比較的簡素な処理にてドリフト異常等の電流検出部45の異常を検出可能である。
以上説明したように、シフトレンジ切替装置40は、モータ10と、駆動回路41と、電流検出部45と、制御部50と、を備える。モータ10は、複数相のモータ巻線101~103を有する。駆動回路41は、モータ巻線101~103の各相に対応する駆動素子411~413を有し、モータ巻線101~103の低電位側に設けられる。電流検出部45は、モータ巻線101~103の各相に対応する電流検出抵抗451~453を有し、モータ巻線101~103の低電位側に設けられる駆動回路41の低電位側に設けられる。
制御部50は、アクチュエータ制御部51、および、異常診断部55を有する。アクチュエータ制御部51は、駆動素子411~413のオンオフ作動を制御することで、モータ10の駆動を制御する。異常診断部55は、電流検出部45の異常を診断する。ここで、「電流検出部の異常」には、電流検出抵抗451~453そのものの異常に限らず、電流検出に係る配線等の異常も含む概念とする。
異常診断部55は、各相に同じデューティ比を指令したときの相電流の最大値である最大電流Imaxと最小値である最小電流Iminとの差が異常判定閾値Ith以上である場合、電流検出部45が異常であると判定する。これにより、電流検出部45の異常を適切に診断することができる。
シフトレンジ切替装置40は、モータ10の駆動を制御することでシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤシステム1に適用される。例えばイニシャルチェック等にて電流検出部45の異常診断を行っておくことで、電流検出部45の異常によるレンジ切り替え時の誤作動等を防ぐことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図5に示す。本実施形態では、異常診断処理が異なっているため、この点を中心に説明する。本実施形態の異常診断処理を図5のフローチャートに基づいて説明する。
第2実施形態を図5に示す。本実施形態では、異常診断処理が異なっているため、この点を中心に説明する。本実施形態の異常診断処理を図5のフローチャートに基づいて説明する。
S201では、制御部50は、診断用目標電流値を設定し、電流フィードバック制御にて所定時間の通電を行う。診断用の目標電流値は、全相で同じ値とする。S202の処理は、図4中のS102の処理と同様であり、診断実施条件が成立していないと判断された場合(S202:NO)、S203以降の処理をスキップし、診断実施条件が成立していると判断された場合(S202:YES)、S203へ移行する。
S203では、異常診断部55は、最大デューティDmaxと最小デューティDminとの差が異常判定閾値Dth異常か否か判断する。ここで、最大デューティDmaxは、各相のデューティ指令値Du、Dv、Dwの最大値であり、最小デューティDminは、各相のデューティ指令値Du、Dv、Dwの最小値である。最大デューティDmaxと最小デューティDminとの差が異常判定閾値Dth以上であると判断された場合(S203:YES)、S204へ移行する。最大デューティDmaxと最小デューティDminとの差が異常判定閾値Dthより小さいと判断された場合(S203:NO)、S205へ移行する。S204~S209の処理は、図4中のS104~S109の処理と同様である。
本実施形態では、ローサイド駆動のモータ10において、駆動回路41の低電位側にて電流検出を行う構成において、全相に同じ電流指令値を指示して電流フィードバック制御を行った場合、電流検出抵抗451~453が正常であれば、各相のデューティ指令値Du、Dv、Dwは理論上、等しくなる。そこで本実施形態では、診断用目標電流値にて電流フィードバック制御を行い、最大デューティDmaxと最小デューティDminとの差に基づき、電流検出部45の異常を判定している。これにより、母線電流を検出するための別途のセンサを設けることなく、ドリフト異常等の電流検出部45の異常を検出可能である。また、外因条件等による電流ブレの影響を受けることなく、比較的精度よく電流検出部45の異常を検出することができる。
本実施形態では、異常診断部55は、各相に同じ電流指令値を指令して電流フィードバック制御を行ったときの各相デューティ指令値の最大値である最大デューティDmaxと最小値である最小デューティDminとの差が異常判定閾値Dth以上である場合、電流検出部45が異常であると判定する。これにより、比較的精度よく電流検出部45の異常を検出することができる。また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
第3実施形態を図6に示す。本実施形態のモータ制御装置としてのシフトレンジ切替装置400には、還流回路42が設けられている。還流回路42は、3つの還流素子421~423を有し、駆動回路41の高電位側に設けられる。詳細には、還流素子421~423は、駆動回路41の駆動素子411~413とモータ巻線101~103との接続点の高電位側に設けられる。また、還流素子421~423の高電位側は、結線部425で結線され、共通接続線427にて上側母線95と接続される。
第3実施形態を図6に示す。本実施形態のモータ制御装置としてのシフトレンジ切替装置400には、還流回路42が設けられている。還流回路42は、3つの還流素子421~423を有し、駆動回路41の高電位側に設けられる。詳細には、還流素子421~423は、駆動回路41の駆動素子411~413とモータ巻線101~103との接続点の高電位側に設けられる。また、還流素子421~423の高電位側は、結線部425で結線され、共通接続線427にて上側母線95と接続される。
還流素子421~423のオンオフ作動は、プリドライバIC61を介して、アクチュエータ制御部51にて制御される。対応して設けられる駆動素子411~413がオンされていないタイミングにて還流素子421~423をオンすることで、モータ10側のエネルギを上側母線95側に還流させる。これにより、駆動素子411~413の発熱を抑制することができる。異常診断処理は、第1実施形態または第2実施形態のどちらの処理としてもよい。
本実施形態では、シフトレンジ切替装置40は、駆動素子411~413の各相に対応して設けられる還流素子421~423を有する還流回路42をさらに備える。モータ巻線101~103は、一端が駆動素子411~413と接続され、他端が結線部105で結線されている。還流素子421~423は、一端が駆動素子411~413とモータ巻線101~103との接続点に接続され、他端が結線部105と接続されている。
同相の駆動素子411~413がオフのタイミングで還流素子421~423をオンにし、エネルギを還流させることで、駆動素子411~413の発熱を抑制することができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
実施形態では、シフトバイワイヤシステム1が「シフトレンジ切替システム」、シフトレンジ切替装置40、400が「モータ制御装置」、診断用目標電流が「電流指令値」に対応する。
(他の実施形態)
上記実施形態では、モータは、3相のモータ巻線を備える3相モータである。他の実施形態では、モータ巻線の相数は、2相であってもよいし、4相以上であってもよい。
上記実施形態では、モータは、3相のモータ巻線を備える3相モータである。他の実施形態では、モータ巻線の相数は、2相であってもよいし、4相以上であってもよい。
上記実施形態では、駆動回路がモータ巻線の低電位側に設けられている、所謂、ローサイド駆動のモータである。他の実施形態では、駆動回路がモータ巻線の高電位側に設けられている、所謂、ハイサイド駆動のモータであってもよい。ハイサイド駆動のモータの場合、電流検出部は、駆動回路の高電位側、すなわち駆動回路と上側母線との間に設けられる。このように構成しても、上記実施形態と同様の異常診断処理にて電流検出部の異常を診断可能である。
上記実施形態では、ディテントプレートには2つの凹部が設けられる。他の実施形態では、凹部の数は2つに限らず、例えばレンジ毎に凹部が設けられていてもよい。また、シフトレンジ切替機構やパーキングロック機構等は、上記実施形態と異なっていてもよい。
上記実施形態では、モータ軸と出力軸との間に減速機が設けられる。減速機の詳細について、上記実施形態では言及していないが、例えば、サイクロイド歯車、遊星歯車、モータ軸と略同軸の減速機構から駆動軸へトルクを伝達する平歯歯車を用いたものや、これらを組み合わせて用いたもの等、どのような構成であってもよい。また、他の実施形態では、モータ軸と出力軸との間の減速機を省略してもよいし、減速機以外の機構を設けてもよい。上記実施形態では、モータ制御装置は、シフトレンジ切替システムに適用される。他の実施形態では、モータ制御装置をシフトレンジ切替システム以外の装置に適用してもよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・モータ 101~103・・・モータ巻線
40、400・・・シフトレンジ制御装置(モータ制御装置)
41・・・駆動回路 411~413・・・駆動素子
42・・・還流回路 421~423・・・還流素子
45・・・電流検出部 451~453・・・電流検出抵抗
50・・・制御部
51・・・アクチュエータ制御部
55・・・異常診断部
40、400・・・シフトレンジ制御装置(モータ制御装置)
41・・・駆動回路 411~413・・・駆動素子
42・・・還流回路 421~423・・・還流素子
45・・・電流検出部 451~453・・・電流検出抵抗
50・・・制御部
51・・・アクチュエータ制御部
55・・・異常診断部
Claims (4)
- 複数相のモータ巻線(101~103)を有するモータ(10)と、
前記モータ巻線の各相に対応する駆動素子(411~413)を有し、前記モータ巻線の低電位側または高電位側の一方に設けられる駆動回路(41)と、
前記モータ巻線の各相に対応する電流検出抵抗(451~453)を有し、前記モータ巻線の低電位側に設けられる前記駆動回路の低電位側、または、前記モータ巻線の高電位側に設けられる前記駆動回路の高電位側に設けられる電流検出部(45)と、
前記駆動素子のオンオフ作動を制御することで前記モータの駆動を制御するアクチュエータ制御部(51)、および、前記電流検出部の異常を診断する異常診断部(55)を有する制御部(50)と、
を備え、
前記異常診断部は、各相に同じデューティ比を指令したときの相電流の最大値と最小値との差が異常判定閾値以上である場合、前記電流検出部が異常であると判定するモータ制御装置。 - 複数相のモータ巻線(101~103)を有するモータ(10)と、
前記モータ巻線の各相に対応する駆動素子(411~413)を有し、前記モータ巻線の低電位側または高電位側の一方に設けられる駆動回路(41)と、
前記モータ巻線の各相に対応する電流検出抵抗(451~453)を有し、低電位側に設けられる前記駆動回路の低電位側、または、高電位側に設けられる前記駆動回路の高電位側に設けられる電流検出部(45)と、
前記駆動素子のオンオフ作動を制御することで前記モータの駆動を制御するアクチュエータ制御部(51)、および、前記電流検出部の異常を診断する異常診断部(55)を有する制御部(50)と、
を備え、
前記異常診断部は、各相に同じ電流指令値を指令して電流フィードバック制御を行ったときの各相のデューティ指令値の最大値と最小値との差が異常判定閾値以上である場合、前記電流検出部が異常であると判定するモータ制御装置。 - 前記駆動素子の各相に対応して設けられる還流素子(421~423)を有する還流回路(42)をさらに備え、
前記モータ巻線は、一端が前記駆動素子と接続され、他端が結線部(105)で結線されており、
前記還流素子は、一端が前記駆動素子と前記モータ巻線との接続点に接続され、他端が前記結線部と接続されている請求項1または2に記載のモータ制御装置。 - 前記モータの駆動を制御することでシフトレンジを切り替えるシフトレンジ切替システム(1)に適用される請求項1~3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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A621 | Written request for application examination |
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A977 | Report on retrieval |
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