本発明の実施形態に係る中継搬送装置4を説明する。先ず、中継搬送装置4を備える画像形成システム1の構成を、図1を参照して説明する。以下、説明の便宜上、図1における紙面手前側を中継搬送装置4の前側とする。各図に適宜付される矢印L、R、U、Loは、それぞれ中継搬送装置4の左側、右側、上側、下側を示している。
画像形成システム1は、用紙に画像を形成するプリンターや複合機等の画像形成装置2と、画像形成装置2によって画像を形成された用紙に後処理を行う後処理装置3と、画像形成装置2から後処理装置3へ用紙を中継して搬送する中継搬送装置4とを備える。
画像形成装置2の構成を、図1を参照して説明する。画像形成装置2は、箱型の筐体20と、筐体20の下部に収容された複数の給紙部21と、筐体20の上部に収容された画像形成部22とを備える。
筐体20内には、用紙を搬送するための上流側搬送路23が設けられる。上流側搬送路23の下流端部には、上流側排出口24が設けられる。上流側排出口24は、筐体20の左側面(中継搬送装置4側の側面)の上部に開口される。
複数の給紙部21は、上流側搬送路23の上流端部に配置される。複数の給紙部21は、上下に並んで配置される。各給紙部21は、用紙を収容する給紙カセット21aと、給紙カセット21aの右上側に配置された給紙機構21bとを備える。
画像形成部22は、上流側搬送路23の中流部に配置される。画像形成部22は、例えば、インクジェット方式を採用して構成され、搬送ベルト22aと、搬送ベルト22aの上方に配置された4つの記録ヘッド22bとを備える。搬送ベルト22aは、複数のローラーに巻き掛けられて回転可能に支持される。各記録ヘッド22bは、それぞれ異なる色のインクを吐出可能に設けられる。
画像形成装置2は、画像形成装置2の各部を統括制御する第1制御装置25を備える。第1制御装置25は、CPU等の制御部と、ROMやRAM等の記憶部とからなり、制御部が、記憶部に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて、第1制御装置25に接続された各部を制御する。
第1制御装置25は、図4に示すように、第1通信部26に接続され、第1通信部26は、後処理装置3や中継搬送装置4と通信可能に接続される。第1制御装置25は、例えば、画像形成後に上流側排出口24から中継搬送装置4へ排出される用紙について、用紙のサイズ等の用紙情報を、第1通信部26を介して中継搬送装置4へ送信する。
次に、画像形成装置2の動作について説明する。先ず、各給紙部21において給紙機構21bが給紙カセット21aから用紙を取り出し、上流側搬送路23へと送り出す。用紙は、上流側搬送路23を搬送され、画像形成部22に進入する。画像形成部22において、用紙は、搬送ベルト22aの上面に吸着され、搬送ベルト22aの回転に伴って搬送される。各記録ヘッド22bは、搬送ベルト22aの上面に吸着された用紙に対して、画像データに基づいて上方からインクを吐出し、これにより、用紙に画像が形成される。画像を形成された用紙は、上流側搬送路23を更に搬送され、上流側排出口24を介して排出される。
後処理装置3の構成を、図1を参照して説明する。後処理装置3は、ケーシング30と、ケーシング30の左側面から突出した複数の排出トレイ31(第1排出トレイ31a、第2排出トレイ31b、第3排出トレイ31c)と、ケーシング30に収容された複数の後処理機構32(第1後処理機構32a、第2後処理機構32b、第3後処理機構32c)とを備える。
ケーシング30内には、用紙を搬送するための下流側搬送路33が設けられる。下流側搬送路33の上流端部には、下流側導入口34が設けられる。下流側導入口34は、ケーシング30の右側面(中継搬送装置4側の側面)の上部に開口される。
複数の後処理機構32は、例えば、パンチング機能を有する第1後処理機構32aと、ステイプル機能を有する第2後処理機構32bと、シート折り機能を有する第3後処理機構32cとを含む。
次に、後処理装置3の動作について説明する。画像形成装置2による画像形成後の用紙が中継搬送装置4から後処理装置3に排出されると、用紙は、下流側導入口34を介して下流側搬送路33に導入される。用紙は、第1後処理機構32aへ搬送され、必要に応じてパンチング処理される。第1後処理機構32aを通過した用紙は、第2排出トレイ31bに排出され、又は、第2後処理機構32bへ搬送される。第2後処理機構32bへ搬送された用紙は、必要に応じてステイプル処理される。第2後処理機構32bを通過した用紙は、第3排出トレイ31cに排出され、又は、第3後処理機構32cへ搬送される。第3後処理機構32cへ搬送された用紙は、必要に応じてシート折り処理される。第3後処理機構32cを通過した用紙は、第1排出トレイ31aに排出される。
中継搬送装置4の構成を、図1~図5を参照して説明する。中継搬送装置4は、画像形成装置2及び後処理装置3に対して別体で、且つ着脱可能に連結される。
中継搬送装置4は、図2に示すように、箱型の装置本体40を備え、装置本体40は、例えば、フレームを組み合わせて構成される。中継搬送装置4は、装置本体40内に、右側部及び上部にそれぞれ収容された複数の反転ユニット41(第1反転ユニット41a及び第2反転ユニット41b)、右下部に収容されたカール矯正ユニット42、下部に収容された複数の補正ユニット43(第1補正ユニット43a及び第2補正ユニット43b)、及び左上部に収容された加速ユニット44等の処理ユニットを備える。また、中継搬送装置4は、用紙の搬送や、複数の反転ユニット41、カール矯正ユニット42、複数の補正ユニット43及び加速ユニット44の動作を制御する第2制御装置70を装置本体40内に備える。
装置本体40の前面には、図3に示すようにインナーカバー45が取り付けられ、インナーカバー45の前面には、アウターカバー(図示せず)が開閉可能に取り付けられる。ユーザーは、用紙の紙詰まり等の搬送異常が生じた場合、アウターカバーのみを開放し、インナーカバー45を取り外すことなく、インナーカバー45に設けられた複数の開口部46の何れかを介して用紙の取り除き作業を行う。
装置本体40内には、用紙を搬送する中継搬送路50が設けられる。中継搬送路50に沿って、反転ユニット41、カール矯正ユニット42、補正ユニット43及び加速ユニット44が配置され、用紙は、中継搬送路50において反転ユニット41、カール矯正ユニット42、補正ユニット43及び加速ユニット44を経由して搬送される。なお、中継搬送路50に沿って、複数の用紙センサー60が様々な位置に設けられ、各用紙センサー60が用紙の入出力、搬送、紙詰まり(ジャム)、滞留、ホームポジション等を検出する。
装置本体40の右側面(画像形成装置2側の側面)の上部には、中継導入口51が画像形成装置2の上流側排出口24と対向して開口される。装置本体40の左側面(後処理装置3側の側面)の上部には、中継排出口52が後処理装置3の下流側導入口34と対向して開口される。中継搬送路50は、画像形成装置2の上流側搬送路23及び後処理装置3の下流側搬送路33の間で、上流端部の中継導入口51から下流端部の中継排出口52まで配設される。
中継搬送路50に沿って、複数の搬送ローラー対61が設けられ、中継導入口51から中継搬送装置4に入力された用紙は、複数の搬送ローラー対61が順次回転することによって中継搬送路50に沿って搬送され、中継排出口52から出力される。複数の搬送ローラー対61には、一方の搬送ローラーに対して他方の搬送ローラーが接近及び離間するように構成される可動式の搬送ローラー対61が含まれる。可動式の搬送ローラー対61は、他方の搬送ローラーが一方の搬送ローラーに接近して接触することで用紙を搬送可能となる一方、他方の搬送ローラーが一方の搬送ローラーから離間することで中継搬送路50を開放する。
また、中継搬送路50に沿って、用紙の搬送を案内する複数の搬送ガイド62が設けられる。複数の搬送ガイド62には、可動式の搬送ローラー対61に対応して設けられる可動式の搬送ガイド62が含まれる。可動式の搬送ガイド62は、中継搬送路50に接近することで用紙を案内する一方、中継搬送路50から離間することで中継搬送路50を開放する。
中継導入口51の近傍には、搬送ローラー対61として導入ローラー対が設けられ、上流側排出口24から排出された用紙は、導入ローラー対によって中継導入口51を介して中継搬送路50に導入される。また、中継導入口51の近傍には、中継搬送路50に導入される用紙を検出する第1用紙センサー60aが設けられる。中継排出口52の近傍には、搬送ローラー対61として排出ローラー対が設けられ、中継搬送路50を搬送された用紙は、排出ローラー対によって中継排出口52を介して下流側導入口34へ排出される。また、中継排出口52の近傍には、中継搬送路50から排出される用紙を検出する第2用紙センサー60bが設けられる。
中継搬送路50の上流部には、第1分岐部53が設けられ、中継搬送路50は、第1分岐部53によって複数の反転経路54(第1反転経路54a及び第2反転経路54b)に分岐される。中継導入口51から中継搬送路50に導入された用紙は、第1分岐部53によって第1反転経路54a又は第2反転経路54bに搬送される。第1分岐部53の近傍には、第1分岐部53に到達した用紙を検出する第3用紙センサー60cが設けられる。
中継搬送路50において第1分岐部53よりも下流側には、第1合流部55が設けられ、第1反転経路54a及び第2反転経路54bは、第1合流部55によって中継搬送路50に合流される。第1合流部55の近傍には、搬送ローラー対61として合流ローラー対が設けられ、第1反転経路54a又は第2反転経路54bから搬送された用紙を第1合流部55へ搬送する。第1合流部55の近傍には、第1反転経路54a又は第2反転経路54bから第1合流部55に到達した用紙を検出する第4用紙センサー60dが設けられる。
中継搬送路50において第1合流部55よりも下流側には、第2分岐部56が設けられ、中継搬送路50は、第2分岐部56によって複数の補正経路57(第1補正経路57a及び第2補正経路57b)に分岐される。中継搬送路50に沿って第1合流部55から搬送された用紙は、第2制御装置70に制御された第2分岐部56によって第1補正経路57a又は第2補正経路57bに搬送される。第2分岐部56の近傍には、第2分岐部56に到達した用紙を検出する第5用紙センサー60eが設けられる。
中継搬送路50において第2分岐部56よりも下流側には、第2合流部58が設けられ、第1補正経路57a及び第2補正経路57bは、第2合流部58によって中継搬送路50に合流される。第2合流部58の近傍には、合流ローラー対が設けられ、第1補正経路57a又は第2補正経路57bから搬送された用紙を第2合流部58へ搬送する。第2合流部58の近傍には、第1補正経路57a又は第2補正経路57bから第2合流部58に到達した用紙を検出する第6用紙センサー60fが設けられる。
中継搬送路50において、中継導入口51から第1反転経路54a及び第1補正経路57aを経由して中継排出口52に至る第1搬送経路C1と、中継導入口51から第2反転経路54b及び第2補正経路57bを経由して中継排出口52に至る第2搬送経路C2とは、同じ路長となるように設定される。
なお、中継搬送路50には、複数の反転ユニット41、カール矯正ユニット42及び複数の補正ユニット43を経由させることなく、中継導入口51から加速ユニット44へ用紙を搬送する第1省略経路C3が設けられる。第1省略経路C3は、装置本体40の上部に配置され、第2反転経路54bの一部を利用して加速ユニット44へ連結される。
第1反転ユニット41a及び第2反転ユニット41bは、第1反転経路54a及び第2反転経路54bにそれぞれ設けられ、例えば、反転領域と反転ローラー対とを備える。第1反転ユニット41a及び第2反転ユニット41bは、第1反転経路54a及び第2反転経路54bからそれぞれ用紙が搬送されると、反転ローラー対を正回転させて用紙を反転領域へ進入させる。第1反転ユニット41a及び第2反転ユニット41bは、用紙を反転領域で一時停止し、その後、反転ローラー対を逆回転させて用紙を反転領域から退出させる。このとき、反転前の用紙の後端が反転領域から退出する用紙の先端になり、即ち、搬送される用紙の先端と後端とが逆になる。なお、第1反転ユニット41aには、第2省略経路C4が接続されている。また、第1反転ユニット41a及び第2反転ユニット41bの近傍には、第1反転ユニット41a及び第2反転ユニット41bに対して、入力される用紙、出力される用紙、反転処理中の用紙等を検出する第7用紙センサー60gが設けられる。
カール矯正ユニット42は、中継搬送路50において、第1反転ユニット41a及び第2反転ユニット41bよりも下流側で、第1合流部55と第2分岐部56との間に設けられる。例えば、カール矯正ユニット42は、中継搬送路50を通過する用紙を表側及び裏側の両側から矯正ローラー対で加圧することにより、用紙に生じたカールを矯正する。また、カール矯正ユニット42の近傍には、カール矯正ユニット42に対して、入力される用紙、出力される用紙、カール矯正中の用紙等を検出する第8用紙センサー60hが設けられる。
第1補正ユニット43a及び第2補正ユニット43bは、第1補正経路57a及び第2補正経路57bにそれぞれ設けられる。例えば、第1補正ユニット43a及び第2補正ユニット43bは、それぞれ、第1補正経路57a及び第2補正経路57bにおいて用紙を搬送する複数の補正ローラー対を備え、用紙の前後方向の位置を各補正ローラー対の回転や停止によって補正する。第1補正ユニット43a及び第2補正ユニット43bの近傍には、第1補正ユニット43a及び第2補正ユニット43bに対して、入力される用紙、出力される用紙、位置補正中の用紙等を検出する第9用紙センサー60iが設けられる。
加速ユニット44は、中継搬送路50において第2合流部58と中継排出口52との間に設けられる。例えば、加速ユニット44は、複数の加速ローラー対を備え、各加速ローラー対は、中継搬送路50において中継排出口52の排出ローラー対よりも上流側に配置される。各加速ローラー対は、用紙の搬送速度を加速して、用紙を中継排出口52へ搬送する。加速ユニット44の近傍には、加速ユニット44に対して、入力される用紙、加速中の用紙等を検出する用紙センサー60が設けられてもよい。
上記した各用紙センサー60は、第2制御装置70に接続され、検出結果を第2制御装置70へ出力する。第2制御装置70は、各用紙センサー60を識別して検出結果を入力する。各用紙センサー60は、用紙の搬送ジャムを監視する搬送センサーや用紙の滞留ジャムを検知する滞留センサー、用紙のホームポジションを検知する位置センサーとしても用いられる。なお、各用紙センサー60に代えて、搬送センサー、滞留センサー及び位置センサーが、中継搬送路50の様々な位置に設けられてもよい。
インナーカバー45は、装置本体40の前面を全体的に覆って中継搬送路50を覆うように形成され、一体的に形成されてもよく、あるいは、分割して形成されてもよい。インナーカバー45には、中継搬送路50に対応する所定の位置に、複数の第1開口部46aと複数の第2開口部46bとが形成される。
各第1開口部46aは、通常サイズ(例えば、A4サイズ。小サイズと称する)の用紙の紙詰まり等の搬送異常が中継搬送路50で発生した際に、中継搬送路50から用紙を取り出し(取り除き)可能な大きさ(面積)を有する。また、各第2開口部46bは、通常サイズより大きなサイズ(例えば、A3サイズ。大サイズと称する)の用紙の搬送異常が中継搬送路50で発生した際に、中継搬送路50から用紙を取り出し(取り除き)可能な大きさを有する。なお、複数の第1開口部46aは、同じ形状及び面積で形成されてもよいが、異なる形状及び面積で形成されてもよい。また、複数の第2開口部46bは、同じ形状及び面積で形成されてもよいが、異なる形状及び面積で形成されてもよい。なお、各第2開口部46bは、大サイズの用紙の取り出しに限定されず、小サイズの用紙の取り出しに共有して使用されてよい。
各第1開口部46a及び各第2開口部46bは、中継搬送路50において、可動式の搬送ローラー対61及び可動式の搬送ガイド62が設けられる所定の開放位置に対応して設けられる。この開放位置では、フレームの設置面積を少なくして、即ち、中継搬送路50の露出面積を多くして装置本体40の前面が形成される。各第2開口部46bは、装置本体40の前面において、第1開口部46aよりもフレームの設置面積が少なく、即ち、第1開口部46aよりも中継搬送路50の露出面積が多い開放位置に設けられる。換言すれば、各第2開口部46bは、装置本体40の前面において、フレームの設置面積がより少ない個所に優先的に適用される。
例えば、各第1開口部46aは、第1反転経路54aの第1反転ユニット41aでの入力時や反転処理時の取り出し位置P1、第1反転経路54aの第1反転ユニット41aからの出力時の取り出し位置P2、第2反転経路54bの第2反転ユニット41bでの入力時や反転処理時の取り出し位置P3、第2補正経路57bの第2補正ユニット43bからの出力時の取り出し位置P4、第1省略経路C3の出力時の取り出し位置P5等に対応して設けられる。
また、各第2開口部46bは、中継導入口51からの入力時や第1分岐部53への入力時の取り出し位置P11、第1合流部55への入力時の取り出し位置P12、カール矯正ユニット42からの出力時の取り出し位置P13、第1補正経路57aの第1補正ユニット43aの補正処理時の取り出し位置P14、加速ユニット44への入力時の取り出し位置P15、第1省略経路C3の出力時の取り出し位置P16等に対応して設けられる。
また、インナーカバー45は、ユーザーによって操作可能な複数の第1操作部材63及び複数の第2操作部材64を備える。
各第1操作部材63は、所定の開放位置で中継搬送路50を開放する可動式の搬送ローラー対61及び可動式の搬送ガイド62の移動を操作できるように構成され、各第1開口部46aや各第2開口部46bの近傍に配置される。各第1操作部材63は、例えば、操作レバーで構成され、ユーザーに操作されて、各第1開口部46aや各第2開口部46bに対応して設けられた可動式の搬送ローラー対61及び可動式の搬送ガイド62の接近及び離間の移動を駆動させる。
各第2操作部材64は、中継搬送路50上で用紙の搬送異常が発生した場合に、用紙を所定の開放位置へと送り出すように搬送ローラー対61の回転を操作できるように構成され、各第1開口部46aや各第2開口部46bの近傍に配置される。各第2操作部材64は、例えば、回転可能な操作ノブで構成され、ユーザーに操作されて、中継搬送路50において各第1開口部46aや各第2開口部46bよりも上流側に配置された搬送ローラー対61の回転を駆動させる。なお、第2操作部材64は、第1開口部46a又は第2開口部46bと対に設けられてもよく、あるいは、第1開口部46a及び第2開口部46bに共通に設けられてもよい。
また、インナーカバー45は、用紙の紙詰まり等の搬送異常が発生した際に、ユーザーが確認するための複数の点灯表示部65及び複数の操作ラベル66を備える。
各点灯表示部65は、各第1開口部46aや各第2開口部46bの近傍に配置され、搬送異常が発生した用紙の中継搬送路50上の発生位置を示すように構成され、例えば、LED等の表示器で構成される。点灯表示部65は、第2制御装置70に制御されて点灯及び消灯を切り換える。
各操作ラベル66は、各点灯表示部65の近傍に配置され、各操作ラベル66には、図5に示すように、用紙を中継搬送路50から取り除くための操作場所や、第1操作部材63及び第2操作部材64の少なくとも一方の操作手順が印刷されている。用紙の搬送異常が生じた場合、ユーザーは、点灯している点灯表示部65の近傍の操作ラベル66を確認し、その操作ラベル66に表示された操作手順で第1操作部材63や第2操作部材64を操作することにより、用紙を取り除くことができる。
次に、第2制御装置70及びその周辺構成について図4を参照しながら説明する。第2制御装置70は、CPU等の制御部と、ROMやRAM等の記憶部とからなり、制御部が、記憶部に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて、第2制御装置70に接続された各部を制御するように構成される。
第2制御装置70は、第2通信部71に接続され、第2通信部71は、画像形成装置2の第1通信部26や後処理装置3と通信可能に接続される。第2制御装置70は、画像形成装置2から中継搬送装置4へ導入される用紙のサイズ等の用紙情報を、第2通信部71を介して画像形成装置2から受信する。
第2制御装置70は、例えば、各用紙センサー60に接続され、各用紙センサー60の検出結果を監視する。なお、第2制御装置70は、搬送センサー、滞留センサー及び位置センサーに接続されて、各センサーの検出結果を監視してよい。
更に、第2制御装置70は、上記した中継搬送路50に沿った搬送ローラー対61(導入ローラー対、排出ローラー対、合流ローラー対、反転ローラー対、矯正ローラー対、補正ローラー対、加速ローラー対及びその他の搬送ローラー対61)を回転駆動させる駆動部72に接続される。第2制御装置70は、駆動部72を制御して各搬送ローラー対61を回転させることで用紙を搬送させる。特に、第2制御装置70は、駆動部72による各搬送ローラー対61の回転駆動力を調整することで、用紙の搬送速度を制御することができる。なお、加速ユニット44は、中継搬送路50の他の部分よりも用紙の搬送速度を加速するため、駆動部72とは別の専用の駆動部を備えてもよい。
また、第2制御装置70は、第1分岐部53及び第2分岐部56に接続される。第2制御装置70は、第1分岐部53及び第2分岐部56を制御することで、用紙一枚毎の搬送経路を、第1反転経路54a及び第1補正経路57aを経由する第1搬送経路C1と、第2反転経路54b及び第2補正経路57bを経由する第2搬送経路C2とで交互に切り換える。
次に、中継搬送装置4において用紙の紙詰まり等の搬送異常が生じた場合に、第2制御装置70による点灯表示部65の制御動作について説明する。
例えば、中継搬送路50において用紙の搬送異常が発生すると、発生位置の付近の用紙センサー60が用紙の滞留を検出し、あるいは発生位置の下流側の用紙センサー60が、目標時刻での用紙の未到達を検出する。これらの検出結果が、用紙センサー60から第2制御装置70に出力されると、第2制御装置70は、検出結果を出力した用紙センサー60を識別することで、発生位置を把握する。
そして、第2制御装置70は、発生位置よりも中継搬送路50において下流側の点灯表示部65を点灯するように制御する。即ち、点灯表示部65は、自身の位置よりも中継搬送路50の上流側に発生位置があることを示す。また、点灯表示部65を点灯することで、点灯表示部65の近傍の操作ラベル66の確認をユーザーに促す。
また、第2制御装置70は、用紙のサイズに応じて、点灯する点灯表示部65を切り換え、これにより、ユーザーが操作すべき第1操作部材63及び第2操作部材64や第1開口部46a及び第2開口部46bを切り換える。
具体的には、第2制御装置70は、画像形成装置2から中継搬送装置4に入力される用紙のサイズ等の用紙情報を、第1制御装置25から入力し、この用紙情報に基づいて、搬送異常が生じた用紙のサイズを把握する。第2制御装置70は、その用紙のサイズに対応していて、発生位置に直近の第1開口部46a又は第2開口部46bを判定する。そして、第2制御装置70は、発生位置から直近の第1開口部46a又は第2開口部46bまでに配置された点灯表示部65を順次点灯させる
例えば、第1反転ユニット41aで紙詰まりが生じた用紙が小サイズの場合には、第1反転ユニット41aから直近で小サイズの用紙を取り出し可能な開口部46は、取り出し位置P1の第1開口部46aである。そこで、第2制御装置70は、第1開口部46aの近傍に配置された点灯表示部65aを点灯し、点灯表示部65aの近傍の操作ラベル66aによる操作手順をユーザーに促す。ユーザーは、第1開口部46aの近傍に配置された第1操作部材63aを操作することで、第1反転ユニット41aに設けられた搬送ローラー対61a及び搬送ガイド62aを開放する。これにより、第1開口部46aから小サイズの用紙を取り出し可能となる。
一方、第1反転ユニット41aで紙詰まりが生じた用紙が大サイズの場合には、第1反転ユニット41aから直近で大サイズの用紙を取り出し可能な開口部46は、取り出し位置P13の第2開口部46bである。なお、このように搬送異常が生じた大サイズの用紙は、第1反転ユニット41aから第2省略経路C4を介して第2開口部46bへ出力される。
そこで、第2制御装置70は、省略経路$を経由する第1反転ユニット41aと第2開口部46bとの間で、先ず、第1反転ユニット41aの近傍に配置された点灯表示部65bを点灯し、点灯表示部65bの近傍の操作ラベル66bによる操作手順をユーザーに促す。ユーザーは、点灯表示部65bの近傍に配置された第2操作部材64aを操作することで、第1反転ユニット41aに設けられた搬送ローラー対61aを回転させて、用紙を第2省略経路C4へ搬送させる。
用紙が第2省略経路C4を経由して第2開口部46bに達すると、用紙センサー60がこの用紙を検出して、第2制御装置70は、第2開口部46bの近傍に配置された点灯表示部65cを点灯し、点灯表示部65cの近傍の操作ラベル66cによる操作手順をユーザーに促す。ユーザーは、第1開口部46aの近傍に配置された第1操作部材63bを操作することで、第2省略経路C4に設けられた搬送ローラー対61及び搬送ガイド62を開放する。これにより、第2開口部46bから大サイズの用紙を取り出し可能となる。
本実施形態によれば、上記のように、中継搬送装置4は、用紙に画像を形成する画像形成装置2と画像形成装置2によって画像を形成された用紙に後処理を行う後処理装置3との間に配置される装置本体40と、装置本体40の内部に設けられ、画像形成装置2から後処理装置3へ用紙を搬送する中継搬送路50と、回転することで中継搬送路50上の用紙を所定の搬送方向へ送り出す搬送ローラー対61(搬送ローラー)と、中継搬送路50上の用紙の搬送を案内する搬送ガイド62と、所定の開放位置で中継搬送路50を開放する搬送ローラー対61及び搬送ガイド62の移動を操作するための第1操作部材63と、中継搬送路50上で用紙の搬送異常が発生した場合に、用紙を開放位置へと送り出すように、搬送ローラー対61の回転を操作するための第2操作部材64と、装置本体40の前面に取り付けられ、中継搬送路50を覆うインナーカバー45とを備える。インナーカバー45は、異なるサイズの用紙をそれぞれ取り出し可能な大きさで形成され、開放位置に対応して配置された2つ以上の開口部46として第1開口部46a及び第2開口部46bを有する。
このような構成により、インナーカバー45の用紙取り出し用の開口部46を、中継搬送路50の様々な位置で、常に大きく形成する必要がないので、中継搬送装置4の装置本体40においてフレームや処理ユニット等の部品の設置を制限することがない。そのため、中継搬送装置4の機能及び強度を優先して、搬送ローラー対61及び搬送ガイド62を配置して中継搬送路50を形成すると共にインナーカバー45に小サイズ用の第1開口部46a及び大サイズ用の第2開口部46bを配置することができる。なお、用紙取り出し用の開口部46を、全て大サイズ用の第2開口部46bで構成すると、インナーカバー45の強度が低下し、また、第2開口部46bのレイアウトが制限されてしまう。これに対して、小サイズ用の第1開口部46aは、レイアウトの制限が少なく、紙詰まり等の搬送異常の生じる位置から最短距離に配置することができ、頻繁に使用される小サイズの用紙は、搬送異常が生じても直ぐに取り出すことができる。また、大サイズの用紙は、搬送異常が生じても、大サイズ用の第2開口部46bまで送り出せば、広い作業スペースで取り出すことができる。このように、可能な限りユーザーの手間を省くことができる。
また、本実施形態では、インナーカバー45は、搬送異常が発生した用紙の中継搬送路50上の発生位置を示す点灯表示部65と、搬送異常が発生した用紙を中継搬送路50から取り除くための第1操作部材63及び第2操作部材64の少なくとも一方の操作手順を示す操作ラベル66とを備える。点灯表示部65及び操作ラベル66は、開口部46の近傍に配置される。これにより、中継搬送路50において、用紙の搬送異常の発生位置に拘らず、ユーザーは、その発生位置を把握すると共に搬送異常の生じた用紙の取り出し作業を行うことが容易にでき、ユーザーの操作性が向上する。
更に、本実施形態では、中継搬送装置4は、用紙の搬送異常を検出した場合、発生位置と用紙のサイズとを把握し、用紙のサイズに対応していて、発生位置から所定の位置にある開口部46を判定し、発生位置からから所定の位置にある開口部46までに配置された点灯表示部65を順次点灯させる。これにより、用紙のサイズに応じて、搬送異常が生じた用紙を取り出すべき開口部46が第1開口部46aや第2開口部46bの間で変化する場合でも、ユーザーは、点灯表示部65の点灯に従って、用紙の位置を常に容易に把握することができる。また、点灯している点灯表示部65の近傍の操作ラベル66を確認すれば、その都度すべき操作を容易に把握することができ、スムーズに用紙を取り除くことができる。
なお、中継搬送装置4は、搬送異常の発生位置から所定の位置にある開口部46として、発生位置やサイズ等の用紙の状況に基づいて、用紙を取り出し易い開口部46を指定するとよい。例えば、所定の位置にある開口部46として、用紙のサイズに対応していて、発生位置に直近の開口部46を指定するとよい。これにより、用紙取り出し用の開口部46として、搬送異常の発生位置から最短距離の開口部46が自動的に判定されるので、ユーザーの手間を省くことができる。
このように、本発明によれば、中継搬送装置4は、設計上の制約を抑制し、操作性を低下させることなく、用紙のサイズに拘らず、搬送異常の用紙を容易に取り出すことができる。