JP7264817B2 - 電子部品またはその前駆体、それらの製造方法 - Google Patents
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Description
ジオメトリ:直径20mm、2度コーン型
プレシェア:10 (1/s)、60s
温度:25℃一定
平衡化時間(プレシェア後停止時間):60s
ひずみ速度分散:0.05 (1/s)から5000 (1/s)まで
ひずみ速度増加率:120s/decade
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:成分(A)に含まれるアルケニル基1モルに対して、成分(B)中のケイ素原子結合水素原子が0.2~5モルとなる量、
(C)触媒量のヒドロシリル化反応用触媒、
(D)レーザー回折・散乱法により測定される平均粒子径が0.01~10μmの機能性充填剤 2.5~20.0質量部、
(E)1種類以上の接着促進剤、および
(F)ヒドロシリル化反応抑制剤
を含有してなり、さらに、(G)耐熱性付与剤を含有してもよい硬化性オルガノポリシロキサン組成物であってよい。また、低ひずみ速度領域での高粘度および低い流動性の観点から、前記の成分(D)が、(D1)平均一次粒子径が0.01~0.5μmの範囲にある補強性充填剤を少なくとも有してもよい。また、特に、ノズル詰まりを防止する見地から、前記の成分(F)が、(F1)アセチレン系のヒドロシリル化反応抑制剤および(F2)シクロアルケニルシロキサン系のヒドロシリル化反応抑制剤の混合物であってもよい。
本発明にかかる硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、微細液滴塗布装置等からの吐出のためにシェアがかけられると組成物の流動性が上昇し、ノズル等からスムーズな吐出が可能であるが、一旦ノズル等から吐出され、当該組成物が吐出時のシェアから開放されると、その流動性が大きく低下し、高粘度になるという巨視的なレオロジー特性を有する。すなわち、本組成物は、微細液滴塗布装置等によるスムーズな吐出が可能でありながら、吐出から基材への適用までに流動性を急激に失って高粘度の液滴となり、目的とする点状の塗布領域から飛散ないし広がり(流出)が抑制されるものである。
(A)25℃における粘度が10~100,000mPa・sであるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:成分(A)に含まれるアルケニル基1モルに対して、成分(B)中のケイ素原子結合水素原子が0.2~5モルとなる量、
(C)触媒量のヒドロシリル化反応用触媒、
(D)レーザー回折・散乱法により測定される平均粒子径が0.01~10μmの機能性充填剤 2.5~20.0質量部、
(E)1種類以上の接着促進剤、および
(F)ヒドロシリル化反応抑制剤
を含有してなり、さらに、(G)耐熱性付与剤を含有してもよい
成分(A)であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、本組成物の主剤であり、25℃における粘度が10~100,000mPa・sの範囲内である。ここで、「25℃における粘度」とは、回転粘時計等により成分(A)単独で測定される動粘度である。
で表されるアルコキシシリル含有基を有しても良い。これらの官能基を有するオルガノポリシロキサンは、未硬化状態における組成物の増粘を抑制し、かつ分子中にアルコキシシリル基を有するため、成分(D)の表面処理剤としても機能する。このため、得られる組成物の増粘やオイルブリードが抑制され、取扱作業性が損なわれないという恩恵を得られる場合がある。
成分(B)は、本発明の組成物の主たる架橋剤であり、好適には分子内に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが特に制限なく利用できる。なお、本発明組成物を硬化して得られる硬化物の柔軟性の見地から、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造および分子中のケイ素原子結合水素原子の個数(平均値)を設計してよい。例えば、得られるオルガノポリシロキサン硬化物の柔軟性や部材からの剥離性に優れ、修繕・再利用等のリペア性を改善する見地から、少なくとも2個を分子鎖側鎖に有する直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを鎖長延長剤として利用してもよく、硬度の高い硬化物を得る目的で、側鎖に多数のケイ素原子結合水素原子オルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋剤として用いてもよく、これらを併用してもよい。
本発明の組成物は、成分(B)について、少なくとも成分(A)に含まれるアルケニル基1モルに対して、成分(B)中のケイ素原子結合水素原子が0.2~50モルの範囲でよく、0.2~30モルの範囲でよく、0.2~10、0.2~5モルとなる量の範囲であってよい。
ヒドロシリル化反応用触媒としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が例示され、本組成物の硬化を著しく促進できることから白金系触媒が好ましい。この白金系触媒としては、白金微粉末、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金-アルケニルシロキサン錯体、白金-オレフィン錯体、白金-カルボニル錯体、およびこれらの白金系触媒を、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂で分散あるいはカプセル化した触媒が例示され、特に、白金-アルケニルシロキサン錯体が好ましい。このアルケニルシロキサンとしては、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのメチル基の一部をエチル基、フェニル基等で置換したアルケニルシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのビニル基をアリル基、ヘキセニル基等で置換したアルケニルシロキサンが例示される。特に、この白金-アルケニルシロキサン錯体の安定性が良好であることから、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンであることが好ましい。加えて、取扱作業性および組成物のポットライフの改善の見地から、熱可塑性樹脂で分散あるいはカプセル化した微粒子状の白金含有ヒドロシリル化反応触媒を用いてもよい。なお、ヒドロシリル化反応を促進する触媒としては、鉄、ルテニウム、鉄/コバルトなどの非白金系金属触媒を用いてもよい。
本発明に係る硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、さらに、(D)機能性充填剤を含有することが好ましい。当該機能性充填剤は補強性充填剤、熱伝導性充填剤および導電性充填剤から選ばれる1種類以上であることが好ましく、特に、本発明組成物を保護剤または接着剤用途で使用する場合には、補強性充填剤を含有することが好ましい。また、これらの機能性充填剤の微粉末の粒子径は、特に限定されないが、例えばレーザー回折散乱式粒度分布測定によるメジアン径(以下、単に「平均粒子径」)で0.01μm~10μmの範囲内であることが好ましい。本発明組成物は直径1000μm以下の領域に精密塗布することに適することから、大粒子径の機能性充填剤を含まないことが好ましい。なお、平均粒子径は機能性充填剤の種類に応じて平均一次粒子径と二次粒子径のいずれかの概念を包摂するものであるが、特に補強性充填剤においては、平均一次粒子径が上記範囲にあることが好ましい。
本発明に係る組成物は、(E)1種類以上の接着促進剤を含むことが好ましく、具体的には、以下の成分成分(e1)~(e4)から選ばれる1種類以上の接着促進剤を含むことが好ましい。これらの成分を含有することで、未洗浄のアルミダイキャストや樹脂材料への初期接着性に優れ、過酷な環境下で使用した場合であっても、接着耐久性と接着強度にさらに改善され、電気・電子部品の信頼性・耐久性を長期間に渡って維持することを可能とするものである。
(e1) アミノ基含有オルガノアルコキシシランとエポキシ基含有オルガノアルコキシシランとの反応混合物
(e2) 一分子中に少なくとも二つのアルコキシシリル基を有し,かつそれらのシリル基の間にケイ素-酸素結合以外の結合が含まれている有機化合物、
(e3) 一般式:
Ra nSi(ORb)4-n
(式中、Raは一価のエポキシ基含有有機基であり、Rbは炭素原子数1~6のアルキル基または水素原子である。nは1~3の範囲の数である)
で表されるエポキシ基含有シランまたはその部分加水分解縮合物
(e4) ビニル基含有シロキサンオリゴマー(鎖状または環状構造のものを含む)とエポキシ基含有トリアルコキシシランとの反応混合物
で表される基からなる群から選択される基であり、R3は同じかまたは異なる水素原子もしくはアルキル基である。}
で表されるカルバシラトラン誘導体を含有することが特に好ましい。このようなカルバシラトラン誘導体として、以下の構造で表される1分子中にアルケニル基およびケイ素原子結合アルコキシ基を有するシラトラン誘導体が例示される。
Ra nSi(ORb)4-n
(式中、Raは一価のエポキシ基含有有機基であり、Rbは炭素原子数1~6のアルキル基または水素原子である。nは1~3の範囲の数である)
で表されるエポキシ基含有シランまたはその部分加水分解縮合物であり、単独でも初期接着性を改善するほか、特に前記の成分(e1)および成分(e2)と併用することにより本接着促進剤を含んでなる硬化物に塩水浸漬などの苛酷な条件下での接着耐久性を向上させる働きをする。なお、成分(e3)は、成分(e1)の構成成分の一つであるが、反応物である成分(e1)(典型的には、環化した反応物であるカルバシラトラン誘導体)との質量比が特定の範囲にあることが発明の技術的効果の点から必要であり、成分(e1)とは別個の成分として添加されることが必要である。
本発明の組成物には、その取扱作業性の見地から、さらにヒドロシリル化反応抑制剤を含むことが好ましい。ヒドロシリル化反応抑制剤は、本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物のヒドロシリル化反応を抑制するための成分であって、具体的には、例えば、エチニルシクロヘキサノールのようなアセチレン系、アミン系、カルボン酸エステル系、亜リン酸エステル系等の反応抑制剤が挙げられる。反応抑制剤の添加量は、通常、シリコーン組成物全体の0.001~5質量%である。特に、シリコーン組成物の取扱作業性を向上させる目的では、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、3-フェニル-1-ブチン-3-オール等のアセチレン系化合物;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-イン等のエンイン化合物;1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン等のシクロアルケニルシロキサン;ベンゾトリアゾール等のトリアゾール化合物等が特に制限なく使用することができる。
本発明組成物は、前記の成分(A)~(F)、任意で他の架橋剤およびヒドロシリル化反応抑制剤を含んでなるものであるが、硬化性オルガノポリシロキサン組成物およびその硬化物の耐熱性改善の見地から、さらに、(G)耐熱性付与剤を含有することが好ましい。成分(G)として、本発明の組成物およびその硬化物に耐熱性を付与できるものならば特に限定されないが、例えば、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物、水酸化セリウム等の金属水酸化物、フタロシアニン化合物、カーボンブラック、セリウムシラノレ-ト、セリウム脂肪酸塩、オルガノポリシロキサンとセリウムのカルボン酸塩との反応生成物等が挙げられる。特に好適には、フタロシアニン化合物であり、例えば、特表2014-503680号公報に開示された無金属フタロシアニン化合物及び金属含有フタロシアニン化合物からなる群より選択される添加剤が好適に用いられ、金属含有フタロシアニン化合物のうち、銅フタロシアニン化合物が特に好適である。最も好適かつ非限定的な耐熱性付与剤の一例は、29H,31H-フタロシアニナト(2-)-N29,N30,N31,N32銅である。このようなフタロシアニン化合物は市販されており、例えば、PolyOne Corporation(Avon Lake,Ohio,USA)のStan-tone(商標)40SP03がある。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、上記した成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で任意成分を配合することができる。この任意成分としては、例えば、任意の架橋剤成分として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等の3官能性アルコキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の4官能性アルコキシシラン;およびこれらの部分加水分解縮合物を含んでも良い。さらに、本組成物は、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン等の有機溶剤;ケイ素原子結合水素原子およびケイ素原子結合アルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、耐寒性付与剤、難燃性付与剤、顔料、染料等が挙げられる。また、本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、所望により、その他の公知の接着性付与剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、または非イオン系界面活性剤などからなる1種類以上の帯電防止剤;誘電性フィラー;電気伝導性フィラー;離型性成分;チクソ性付与剤;防カビ剤などを含むことができる。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、上記の各成分を均一に混合することにより調製でき、例えば、事前に成分(A)の一部と成分(D)を混合してマスターバッチを形成した後、残りの成分(A)~(C)、成分(E)、成分(F)並びに成分(G)等の他の任意の成分を混合することにより調製できる。ただし、本組成物の製造時における添加の順序はこれに限定されるものではない。
本発明にかかる硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、一成分型(一液型を含む)の組成物として用いることが好ましく、組成物の各構成成分を単一の保存容器に入れて、ジェットディスペンサー等の微細液滴塗布装置により使用することができる。なお、これらのパッケージは、後述する硬化方法や塗布手段、適用対象に応じて所望により選択することができ、特に制限されない。
電子部品またはその前駆体は、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリシックIC、ハイブリッドIC、LSI、VLSI等の公知の半導体装置またはその前駆体であってよく、特に、MEMSデバイスまたはその前駆体であってよい。ここで、MEMSデバイスとは、一般的にMicro Electro Mechanical Systemsと呼ばれる半導体微細加工技術を用いて形成された半導体装置の総称であり、MEMSチップを備えた加速度センサや角速度センサなどの慣性センサ、画像表示装置等であってよい。また、半導体装置等の前駆体とは、その後の配線やチップの配置、加熱等によるチップ等のダイボンディングにより半導体装置として完成する以前の未完成の電子部品の総称であり、配線やチップの搭載といった仕上げ前の状態で流通し、輸出入される電子部品用部材一般を含む概念である。
上記の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を適用する方法は、特に限定されないが、本発明の利点を活用するためには、微細液滴塗布装置を用いて上記基材上に適用することが好ましい。本発明にかかる電子部品またはその前駆体は、上記の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物がその少なくとも一部の領域に適用されていればよく、適用された領域が後述するパターンを形成することが特に好ましい。
本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、上記の微細液滴塗布装置を用いて基材上に適用することにより、基材上に微細な点状または線状の塗布領域を含むパターンを形成可能である。
本発明にかかる硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、好適にはヒドロシリル化反応により硬化して、オルガノポリシロキサン硬化物を形成する。このヒドロシリル化反応硬化型のシリコーン組成物を硬化するための温度条件は、特に限定されないが、通常20℃~200℃の範囲内であり、より好ましくは20~180℃の範囲内である。所望により、高温短時間で硬化させてもよく、短時間かつ容易に硬化物を形成することから、これらの電子部品、画像表示装置、MEMSデバイス等の工業的生産における歩留まりと生産効率を改善できる利点がある。ただし、所望により、上記組成物を室温等の低温で長時間(例えば数時間~数日)かけて硬化させてもよく、特に制限されるものではない。
本発明にかかる電子部品またはその前駆体は、上記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を、微細液滴塗布装置を用いて適用する工程を少なくとも備える、電子部品またはその前駆体の製造方法により得ることができる。その適用条件や適用領域等は前記のとおりであり、特に、当該硬化性オルガノポリシロキサンを適用する領域が、直径500μm以下の枠内に収まる略円状の領域、線幅500μm以下の線状の領域またはこれらの組み合わせから構成されたパターン組成物を前記のパターンであってよく、微細液滴塗布装置はノズル径50~200μmの吐出口を備えたジェットディスペンサーであることが特に好ましい。また、本発明の電子部品またはその前駆体の製造方法は、上記の工程に加えて、所望により、ウェハの保護膜形成工程や半導体基材への配線処理工程、チップと電極の接続工程、研磨処理工程や一部又は全部の封止工程などを所望のタイミングで含めてよいことはいうまでもない。
本発明にかかる電子部品またはその前駆体は、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリシックIC、ハイブリッドIC、LSI、VLSI等の公知の半導体装置またはその前駆体であってよく、特に、MEMSデバイスまたはその前駆体であってよい。ここで、MEMSデバイスとは、一般的にMicro Electro Mechanical Systemsと呼ばれる半導体微細加工技術を用いて形成された半導体装置の総称であり、MEMSチップを備えた加速度センサや角速度センサなどの慣性センサ、磁気センサ、圧力センサ、マイクロフォン、ガス、湿度、パーティクルなどの環境センサ、画像センサ、またMEMS技術を用いたアクチュエータ類、例えばオートフォーカスやマイクロミラー等の光学系アクチュエータ、無線通信用部品、マイクロスピーカー、画像表示装置等であってよい。また、半導体装置等の前駆体とは、その後の配線やチップの配置、加熱等によるチップ等のダイボンディングにより半導体装置として完成する以前の未完成の電子部品の総称であり、配線やチップの搭載といった仕上げ前の状態で流通し、輸出入される電子部品用部材一般を含む概念である。
<硬化性オルガノポリシロキサン組成物の成分>
A1: 20℃における粘度が粘度60mPasである、両末端ジメチルビニル基封鎖した直鎖状ポリジメチルシロキサン
A2: 20℃における粘度が粘度400mPasである、両末端ジメチルビニル基封鎖した直鎖状ポリジメチルシロキサン
A3: 20℃における粘度が粘度2000mPasである、両末端ジメチルビニル基封鎖した直鎖状ポリジメチルシロキサン
A4: 20℃における粘度が粘度10,000mPasである、両末端ジメチルビニル基封鎖した直鎖状ポリジメチルシロキサン
B1: 20℃における粘度が粘度60mPasである、ケイ素結合水素含有量が0.7重量%である、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体
C1: 白金濃度が0.6重量%である白金と1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの錯体
D1: 上記のA3成分80重量%とシラザン処理乾式シリカ(レーザー回折・散乱法で測定された平均一次粒子径:0.1~0.2μm)20重量%のマスターバッチ
E1: 粘度30mPa・sの分子鎖両末端水酸基封鎖メチルビニルシロキサンオリゴマーと3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの質量比1:1の縮合反応物
F1:エチニルシクロヘキサノール
F2:1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン
前記の各成分を下の表1に記載の重量比(重量部)で、成分(C1)以外の各成分を均一に混合し、最後に成分(C1)を表1に記載の重量比(重量部)で混合し、真空脱泡後にムサシエンジニアリング製10ccシリンジに充填して、実施例1および比較例1~3の組成物を得た。
本発明に関する電子部品またはその前駆体として、実施例1または比較例1~3にかかる硬化性に関するオルガノポリシロキサン組成物を塗布してなるシリコンチップの製造試験は次のように行った。
[粘度]
組成物の25℃における粘度(Pa・s)を、アントンパール社製レオメータMCR-102を用いて測定した。ジオメトリは直径20mm、2度コーン型を用い、プレシェア:10 (1/s)、60s、平衡化時間(プレシェア後停止時間):60sを経て、ひずみ速度を0.05 (1/s)から5000 (1/s)まで、ひずみ速度増加率を120s/decadeで上昇させて測定した。
各組成物の粘度の測定結果を表1に併せて示す。
各組成物のジェットディスペンサーによる塗布試験は、武蔵エンジニアリング製の下表2の装置構成を有する装置を用いて、基材は20mm x 20mmのシリコンチップに1.4mmの間隔で8x8ドットのパターンで塗布を行った。
表1に示すとおり、実施例1にかかる組成物は本発明における、ひずみ速度1,000(1/s)における粘度が2.0Pa・s以下(=0.65Pa・s)と十分に低く、かつひずみ速度0.1(1/s)おける粘度が109Pa・sと流動性を低くコントロールされており、かつ、ひずみ速度0.1(1/s)における粘度が、ひずみ速度1,000(1/s)における粘度の50.0倍以上の値(=167.7)となる硬化性シリコーン組成物である。当該実施例1にかかる硬化性シリコーン組成物を用いることで、表3および図1に示したとおり、微細液滴塗布装置であるジェットディスペンサーを用いて、シリコンチップ上に平均塗布径753μmの範囲に精密かつ少量の塗布を行い、当該微細パターンを備えたシリコンチップを作成することができた。
Claims (9)
- ジェットディスペンサーにより少なくとも一部の領域に適用された硬化性オルガノポリシロキサン組成物またはその硬化物を備え、
前記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、
(A)25℃における粘度が10~10,000mPa・sである両末端ジメチルビニル基封鎖した直鎖状ポリジメチルシロキサン 100質量部、
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:成分(A)に含まれるアルケニル基1モルに対して、成分(B)中のケイ素原子結合水素原子が0.2~50モルとなる量、
(C)触媒量のヒドロシリル化反応用触媒、
(D)レーザー回折・散乱法により測定される平均一次粒子径が0.01~0.30μmのシラザン処理乾式シリカ 2.5~20.0質量部、
(E)1種類以上の接着促進剤、および
(F)ヒドロシリル化反応抑制剤
を含有し、
当該硬化性オルガノポリシロキサン組成物がひずみ速度1,000(1/s)における粘度が2.0Pa・s以下であり、かつ、ひずみ速度0.1(1/s)における粘度が、ひずみ速度1,000(1/s)における粘度の50.0倍以上の値となることを特徴とする、電子部品またはその前駆体。 - 前記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物またはその硬化物が適用された領域が、直径1000μm以下の枠内に収まる略円状の領域、線幅1000μm以下の線状の領域またはこれらの組み合わせから構成されたパターンである、請求項1に記載の電子部品またはその前駆体。
- 前記のジェットディスペンサーが、ノズル径50~200μmの吐出口を備えたジェットディスペンサーである、請求項1または2に記載の電子部品またはその前駆体。
- 前記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物またはその硬化物が適用された領域が、電子部品またはその前駆体の保護、封止、シールおよび被覆から選ばれる1種類以上の目的で形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子部品またはその前駆体。
- 電子部品が半導体装置である、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子部品またはその前駆体。
- 電子部品が、MEMS(micro electro mechanical systems)デバイスである、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子部品またはその前駆体。
- 半導体用基材上に、ジェットディスペンサーを用いて、
(A)25℃における粘度が10~10,000mPa・sである両末端ジメチルビニル基封鎖した直鎖状ポリジメチルシロキサン 100質量部、
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:成分(A)に含まれるアルケニル基1モルに対して、成分(B)中のケイ素原子結合水素原子が0.2~50モルとなる量、
(C)触媒量のヒドロシリル化反応用触媒、
(D)レーザー回折・散乱法により測定される平均一次粒子径が0.01~0.30μmのシラザン処理乾式シリカ 2.5~20.0質量部、
(E)1種類以上の接着促進剤、および
(F)ヒドロシリル化反応抑制剤
を含有し、ひずみ速度1,000(1/s)における粘度が2.0Pa・s以下であり、かつ、ひずみ速度0.1(1/s)における粘度が、ひずみ速度1,000(1/s)における粘度の50.0倍以上の値となることを特徴とする硬化性オルガノポリシロキサン組成物を適用する工程を少なくとも備える、電子部品またはその前駆体の製造方法。 - ジェットディスペンサーを用いて、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を適用する領域が、直径1000μm以下の枠内に収まる略円状の領域、線幅1000μm以下の線状の領域またはこれらの組み合わせから構成されたパターンである、請求項7に記載の電子部品またはその前駆体の製造方法。
- ジェットディスペンサーがノズル径50~200μmの吐出口を備える、請求項7または請求項8に記載の電子部品またはその前駆体の製造方法。
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