[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1およびゲームプログラムについて、図面を参照して説明する。
<ゲームの説明>
図1に示す本実施形態のゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
本実施形態で説明するゲームは、前記ゲームシステム1にて実行されるオンラインゲームである。前記ゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のキャラクタ(プレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタ)を仮想ゲーム空間で活動させたり、キャラクタ同士で対戦させたりする。
本実施形態のゲームは、交通経路を案内する機能を駆使して進行するものである。具体的に、図2の画面sc1に示すように、仮想ゲーム空間には、クエストごとにダンジョンのルート(移動経路に相当)が現れる。このルートは、現在または過去の実在の交通経路に対応して設定されたものである。ルートには、スタート地点と目的地点とが決められており、スタート地点と目的地点との間には1以上の中継地点が存在する。
このルートには、主に味方キャラクタ(ゲームオブジェクトに相当)が登場する。ゲーム装置5のユーザの日常的な行動を受けて、味方キャラクタは、目的地点に向けてルート上を移動する。その際、味方キャラクタは、スタート地点から、中継地点を経て目的地点に向かう。図3~図5の画面sc2~sc4に示すように、クエスト中、味方キャラクタが中継地点や目的地点でアイテムパーツ(ゲーム媒体に相当)を拾うイベント、それらのアイテムを組み合わせて所定アイテムを作製するイベント、味方キャラクタが敵キャラクタと遭遇するイベント、などが適宜発生する。
そして、仮想ゲーム空間内には、目的地点に向かう際に味方キャラクタがゲーム内で利用することのできるゲーム内手段が設けられている。ゲーム内手段は、飛行機、電車、自動車、タクシー、自転車、船などの、実在の交通手段に対応する手段である。現実社会では、これらの交通手段ごとに交通費が設定されているため、交通費を支払う代わりにユーザは交通手段を利用することができる。本ゲームにおいても、味方キャラクタがゲーム内手段を利用して移動する際は、現実社会の交通費に対応して消費媒体(ゲーム内消費媒体に相当)が消費される。
そこで、クエストを開始するにあたり、当該クエストにおけるルートに、そのルートに沿った移動によって消費されるゲーム内手段の消費媒体の消費量が関連付けた状態で「ルート情報」として算出される。スタート地点と目的地点とが同じであっても、利用するゲーム内手段が異なるルートが存在する。この場合、本実施形態では、ルートごとに消費媒体の消費量が算出されたルート情報が、複数算出される。
つまり、本ゲームでは、現実社会にてどのようなルートを辿るかによって交通費が異なる事象が、仮想ゲーム空間内でも同様に生じる。また、現実社会と同様に、仮想ゲーム空間内でも、味方キャラクタの移動には、ゲーム内手段を利用しての移動と、ゲーム内手段を利用しない移動とがある。
従って、本実施形態のゲームをプレイするユーザは、現実社会との関連性およびリアルさを認識しつつ、ゲームを楽しむことができる。
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。
サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいてゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。
<サーバ装置2のハードウェア構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してゲーム装置5と通信可能に接続されている。
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、経路情報DB222、ゲームに関する各種データなどが記憶されている。
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが所有する味方キャラクタやアイテムに関する情報(ステータス、属性など)、ユーザが所持しており使用可能な消費媒体の量などが、対応づけて記憶されている。
前記消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬、現実社会での課金、ログインした状態での時間経過などにより、ユーザに付与される。
経路情報DB222は、現在または過去に実在の交通経路に対応したゲーム内経路、当該交通経路における現在または過去に実在の交通手段に対応したゲーム内手段についての情報、当該交通手段を利用する際の交通費に対応した消費媒体の消費量、を含んだ情報である。
例えば、実在の交通手段がバスであって、その交通費が“200円”であるとする。この場合、当該バスに対応するゲーム内手段の消費媒体の消費量は、当該200円に対応する値“200pt”のように設定されている。
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選実行手段233、経路情報DB管理手段234、ルート算出手段235(算出手段に相当)およびイベント決定手段236として機能する。
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報、ゲームの基本設定についての情報、クエストの結果、最新の消費媒体の所持量、が挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報、ルート情報、イベント情報などが挙げられる。
最新の消費媒体の所持量とは、味方キャラクタの移動による減算、クエストの結果を受けての増減後の、消費媒体の量を言う。
ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、味方キャラクタや敵キャラクタなどのキャラクタ、味方キャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDB221に記憶され管理される。
ルート情報は、仮想ゲーム空間内で味方キャラクタが移動するためのルートの内容、当該ルートに沿った移動にて味方キャラクタが利用するゲーム内手段の内容とその数、当該ゲーム内手段の利用により消費されるべき消費媒体の消費量、移動に要する移動時間(所要時間)、を含む。
ルートの内容には、スタート地点、中継地点および目的地点と、これらを繋ぐ経路とが表されている。ゲーム内手段の内容には、電車やバスといった種類とその名称などが含まれる。ゲーム内手段の数は、例えば“2”のように表される。消費媒体の消費量としては、ルートにて利用されるゲーム内手段ごとの消費量と、これらを合計した総消費量とが挙げられる。移動時間としては、ゲーム内手段ごとの移動時間、ゲーム内手段を途中で変更(乗り換え)するために必要な時間(徒歩での移動時間および待ち時間)、ゲーム内手段を利用せずに味方キャラクタが移動するために必要な時間、これらを合計した積算時間、の少なくとも1つが挙げられる。
また、スタート地点から目的地点までのルートには、立ち寄る中継地点が異なるルート、利用するゲーム内手段が異なるルートなどが考えられる。そのため、スタート地点と目的地点とが共通する場合でも、考えられるルートとしては、1つではなく複数存在することがある。この場合、ルート情報には、味方キャラクタの目的地点への到達時間が最も短くなる第1最小ルート情報(第1最小ルートは第1最小移動経路に相当)、利用するゲーム内手段の数が最も少なくなる、つまり味方キャラクタにとって乗り換えが楽な第2最小ルート情報(第2最小ルートは第2最小移動経路に相当)、が含まれる。
イベント情報は、味方キャラクタがルートを移動する際に発生するイベントの内容を表す情報である。イベント情報については後述する。
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
―抽選実行手段―
抽選実行手段233は、ガチャの抽選要求に伴って、図示しない抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。抽選実行手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連付ける。これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
―経路情報DB管理手段―
経路情報DB管理手段234は、経路情報DB222を管理する。経路情報DB管理手段234は、適宜、経路情報DB222を書き換えたり、更新したりする。
例えば、経路情報DB222におけるゲーム内経路が現実社会にて現在実在しているものであって、現実社会にて電車やバスの時刻表が変更となった場合、経路情報DB管理手段234は、経路情報DB222内のゲーム内手段についての情報を、現実社会に対応させて更新する。現実社会にて新たに電車やバスの路線が誕生した場合、経路情報DB管理手段234は、その新たな路線についての情報(停車位置とその時刻、所要時間、距離、運賃など)を、経路情報DB222に追加する。廃止となった電車やバスがある場合、経路情報DB管理手段234は、経路情報DB222から、該当する電車やバスに対応するゲーム内手段とそれに関する各種情報を削除する。
―ルート算出手段―
ルート算出手段235は、経路情報DB222に基づいて、ゲーム内で味方キャラクタが移動するためのルートを、そのルートでの移動によって消費される消費媒体の消費量と関連づけたものを、ルート情報として算出する。スタート地点から目的地点に至るまでのルートの候補が複数存在する場合、ルート算出手段235は、それらのルート情報を算出する。算出にあたり、ルート算出手段235は、所定条件を満たすようにルート情報を算出する。
所定条件には、味方キャラクタの目的地点への到達時間が最も短くなる第1最小移動条件と、目的地点までの移動にて利用するゲーム内手段の数が最も少なくなる第2最小移動条件とが含まれる。この場合の複数のルート情報には、第1最小条件を満たす前記第1最小ルート情報、および、第2最小条件を満たす前記第2最小ルート情報が含まれる。
算出されたルート情報は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される。算出されたルート情報の数が1つの場合は、そのルート情報が味方キャラクタの移動に利用される。算出されたルート情報の数が複数の場合、どのルート情報が利用されるかは、ユーザの操作に応じて選択され設定される。例えば、複数のルート情報のうち、第1最小ルート情報および第2最小ルート情報のいずれかがユーザにより選択され設定された場合、設定された第1最小ルートまたは第2最小ルートを辿るようにして味方キャラクタは移動する。
また、味方キャラクタが移動している途中で、ユーザの操作によりゲーム装置5を介してルートの変更要求がなされた場合、ルート算出手段235は、味方キャラクタの現在位置に従って、目的位置までのルート情報を算出し直す。この場合も、ルートの候補が複数存在するのであれば、ルート算出手段235は、第1最小ルート情報および第2最小ルート情報を含む複数のルート情報を算出する。
―イベント決定手段―
イベント決定手段236は、ルート情報が示すルートに沿って味方キャラクタが移動した際に発生させるべきイベントを決定し、そのイベントに関するイベント情報を生成する。
本実施形態のイベント情報には、中継地点にて味方キャラクタに第1行動を行わせるイベントについての情報、第1行動と関連する第2行動を目的地点にて味方オブジェクト行わせる第2イベントについての情報、が含まれる。第1行動および第2行動は、これらの行動が行われることによって、共通の目的が達成されるように関連している。
例えば、味方キャラクタが中継地点に到達した際、その味方キャラクタにアイテムパーツを拾わせることを第1行動として行わせる拾得イベント、が生じる。その後、味方キャラクタが目的地点に到達した際、別のアイテムパーツを味方キャラクタに拾わせることを第2行動として行わせる拾得イベント、が生じる。目的地点にて当該拾得イベントが発生したあと、第1行動および第2行動それぞれで拾ったアイテムパーツを使って、1つの所定アイテム(ロボットキャラクタなど)を組み立てることが、組立イベントとして生じる。
この場合、前記第1行動および前記第2行動は、ともに1つの所定アイテムを完成させるといった共通の目的を達成させるために、必要な行動である。従って、第1行動および第2行動は、共通の目的“所定アイテムを完成させる”が達成されるように関連している、と言える。
更に、より希少度の高い所定アイテムが作成できるようにするべく、拾得イベントとして、通常よりも希少度の高いアイテムパーツを拾うことのできるイベントが発生する場合がある。イベント決定手段236は、より希少度の高いアイテムパーツを拾うことのできる拾得イベントを発生させるか否かを、抽選により決定する。この拾得イベントは、中継地点に到達した時点での第1イベント、および、目的地点に到達した際の第2イベントの、少なくとも1つに該当する。
また、本実施形態のイベント情報としては、上述した拾得イベントおよび組立イベントの他に、ルートに沿って移動している味方キャラクタが敵に遭遇する遭遇イベント、についての情報も挙げられる。この遭遇イベントは、味方キャラクタの移動状況に応じて発生確率が異なる。
遭遇イベントの発生確率は、ゲーム内手段を利用した状態で味方キャラクタが移動している間と、ゲーム内手段を利用しない状態で味方キャラクタが移動している間、および、利用するゲーム内手段を変更するための動作を味方キャラクタが行っている間に発生する場合とで、異なっている。具体的に、遭遇イベントの発生確率は、ゲーム内手段を利用した状態で味方キャラクタが移動している間よりも、ゲーム内手段を利用しない状態で味方キャラクタが移動している間、および、利用するゲーム内手段を変更するための動作を味方キャラクタが行っている間に発生する場合の方が、高く設定されている。
より詳細には、ゲーム内において、味方キャラクタが電車やバスなどの乗り物(ゲーム内手段)を利用して移動している間に、当該味方キャラクタが敵キャラクタに遭遇する遭遇イベントは、生じにくいか、または生じない。一方で、味方キャラクタが乗り物(ゲーム内手段)を利用せずに徒歩などで移動している間や、味方キャラクタが乗り物(ゲーム内手段)を乗り継ぐために次の乗り物を待っている間に、当該味方キャラクタが敵キャラクタと遭遇するイベントは、生じ易くなる。
イベント決定手段236は、イベント情報の生成の際にそのイベントが遭遇イベントである場合、そのイベント情報に加えて発生確率を決定する。その際、イベント決定手段236は、上述した発生確率についての条件が満たされるように、味方キャラクタの移動状況に応じて発生確率を設定する。
このように、本実施形態では、決まったタイミングで各種タイミングが必ず生じるわけではなく、生じたり生じなかったりする。これにより、ゲームが単調とはらず、進行に変化が生じる。従って、ゲームの面白みが増す。
<ゲーム装置5のハードウェア構成>
複数のゲーム装置5は、いずれも同様の構成を有する。
図1に示すように、ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続されている。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されており、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
操作部54は、タッチパッド63と接続されており、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
記憶部55は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
<ゲーム装置5における制御部56の機能的構成>
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、行動検知手段563(取得手段に相当)、動作制御手段564、消費媒体演算手段565および報知制御手段566として機能する。
-通信手段-
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。
例えば、通信手段561は、アカウント情報、ゲームデータのダウンロード要求、クエスト実行要求、ガチャ抽選要求、ユーザの操作に関する情報(選択された味方キャラクタの名称、現在位置)、ユーザの操作により選択および設定されたルート情報、最新の消費媒体の所持量な、クエストの結果などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきたゲームデータ、ガチャによって取得されたゲーム媒体の情報、表示するべきルート情報、イベント情報などを、サーバ装置2から受信する。
-ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
-行動検知手段-
行動検知手段563は、ユーザの行動およびユーザの生体情報を検知する行動検出部(図示せず)と接続されている。行動検出部としては、GPS機能を用いてゲーム装置5の位置を検出する位置検出器、ゲーム装置5の振動を検知するショックセンサ、ユーザの音声データの入力を受け付ける音声入力部(マイク)、ユーザの行動を撮像する撮像部(カメラ)、ジャイロセンサ、加速度センサ、生体情報を検出するセンサ(マイク、圧力センサ)、などが挙げられる。本実施形態では、これらの行動検出部は、ゲーム装置5に備えられている。
行動検知手段563は、行動検出部を介して、ユーザの行った行動および生体情報を取得する。その際、行動検知手段563は、把握した行動が、味方キャラクタを仮想ゲーム空間内で直接的に動作させるための操作ではないことを確認したあと、把握したユーザの行動に関する情報を示すユーザ情報の1つとして設定する。つまり、ここでいう「ユーザの行動」とは、ユーザが歩いたり、走ったり、有酸素運動を行ったり、筋力トレーニングを行ったりなどが挙げられ、ユーザがゲーム装置5を介して味方キャラクタを動かす行動は含まれない。
また、行動検知手段563は、行動検出部を介して、ユーザの生体情報を取得すると、これをまたは生体情報に基づくパラメータを、ユーザ情報の1つとして設定する。ユーザの生体情報とは、心拍数、拍動の間隔に基づくLH/HF値、血圧、呼吸数、体動、いびきなどが挙げられる。体動には、寝ている間のユーザの比較的大きな体の動きと、心拍数や呼吸に基づく小さな体の動きとが含まれる。
例えば、心拍数に基づくパラメータの範囲ごとに運動強度の程度(ゾーン)が予め定義されている。一例として、心拍数に基づくパラメータは、“(心拍数-安静時心拍数)÷(最大心拍数-安静時心拍数)×100”と定義される。運動強度とは、運動時の負荷やきつさを表すものである。運動中のユーザの心拍数に基づくパラメータの範囲が、運動強度の所定ゾーン以上に滞在している場合、行動検知手段563は、滞在するゾーンと滞在時間とを、ユーザ情報として設定する。この場合、滞在するゾーンが、高い運動強度を示すものである程、および/または、滞在時間が長いほど、後述する動作制御手段564は、味方キャラクタの移動速度を速めることができる。
-動作制御手段-
動作制御手段564は、仮想ゲーム空間内の味方オブジェクトおよび敵キャラクタを含む各種オブジェクトの動作を制御するとともに、イベント情報に従ってイベントを発生させる。
具体的に、動作制御手段564は、クエスト開始時、決定されたルート情報に基づいて、味方オブジェクトを、当該ルート情報に基づくルートのスタート地点から目的地点に向けて移動させる。その際、動作制御手段564は、当該ルート情報に示されたゲーム内手段を利用させながら、ルートに沿って味方キャラクタを移動させる。
移動に際し、動作制御手段564は、行動検知手段563が取得したユーザ情報に伴って、味方キャラクタを移動させる。つまり、味方キャラクタは、ルート情報に基づくルートのスタート地点に配置されたあと、例えばユーザの行動に関する情報「歩く」「走る」「歩数」「歩数距離」および生体情報「心拍数」「血圧」に従って、仮想ゲーム空間内のルートに沿って中継地点を経て目的地点まで移動していく。
したがって、画面sc1のように、ルート算出手段235が算出したルート情報に含まれる移動に要する移動時間(所要時間)は、あくまでも推奨する速度で順調に移動をし続けた場合の予測時間である。この予測時間と実際に味方キャラクタの目的地点到達までにかかった時間(後述する画面sc5の所要時間)とは、解離する場合がある。なぜなら、本実施形態では、味方キャラクタの移動が、上述のように「ユーザ情報」に伴って行われるからである。
既に述べたように、ルート情報には、ルートに加え、そのルート上でどのようなゲーム内手段(電車、バスなど)を利用するかが決められている。動作制御手段564は、ルート上に配置されたゲーム内手段を、経路情報DB222にて既に決められている動作内容に従って動作させつつ、ルート情報に基づいて、そのゲーム内手段を利用させた状態で味方キャラクタを移動させる。なお、ゲーム内手段の動作制御については、味方キャラクタの移動と同様、ユーザ情報が適宜利用される。
また、動作制御手段564は、イベント情報に従って、味方キャラクタが中継地点や目的地点に到達した時には拾得イベントを発生させたり、拾得イベントによってアイテムパーツが必要な分そろった場合は組立イベントを発生させたりする。この拾得イベントには、既に述べたように、イベント決定手段236による抽選での決定結果に従って、希少度の高いアイテムパーツを拾う拾得イベントが含まれることがある。
また、動作制御手段564は、イベント決定手段236によって決定された遭遇イベントの発生確率に従って、遭遇イベントを発生させる。つまり、動作制御手段564は、遭遇イベントを所定タイミングで毎回発生させるのではなく、発生確率にて抽選し、当選した場合に限り、遭遇イベントを発生させる。
これにより、クエスト中の味方キャラクタが敵キャラクタと遭遇するイベントは、味方キャラクタがゲーム内手段(乗り物)を利用して移動している間よりも、味方キャラクタがゲーム内手段(乗り物)を利用せずに徒歩などで移動している間、および、味方キャラクタがゲーム内手段(乗り物)を乗り継ぐために次の乗り物を待っている間の方が、生じ易くなる。
なお、動作制御手段564は、遭遇イベントを発生させる際、その遭遇イベントの内容に応じて敵キャラクタをルート上の所定位置に登場させて、例えば味方キャラクタと敵キャラクタとが戦闘を行うように各キャラクタを動作させる。
なお、味方キャラクタの移動中に、ユーザによるゲーム装置5の操作によって、移動の中止または中断、ルート情報の変更がなされた場合、動作制御手段564は、その操作に従って味方キャラクタの移動を中止または中断させ、イベントの発生動作も停止する。特に、ルート情報が変更された場合は、動作制御手段564は、新たなルート情報に応じて、当該ルート情報のルートに沿って味方キャラクタの移動を開始させる。新たなルートでの移動に伴い、イベント情報も更新される。動作制御手段564は、更新されたイベント情報に従って、イベントの発生制御を行う。
-消費媒体演算手段-
消費媒体演算手段565は、クエストの実行に応じて、ユーザの所有する消費媒体の量を増減させる。
具体的に、クエスト開始直前またはログイン時に、消費媒体演算手段565は、ユーザの現時点での消費媒体の所持量(つまり、ユーザに付与されている消費媒体)をサーバ装置2から取得する。味方キャラクタがゲーム内手段を利用しながら移動している場合、消費媒体演算手段565は、その利用に伴って消費されるべき消費量を、ユーザの所有する消費媒体から減算する。つまり、消費媒体演算手段565は、味方キャラクタの移動に伴い、ルートに関連付けられた消費量の分だけ、消費媒体を消費させる。
消費媒体を減算するタイミングとしては、味方キャラクタがゲーム内手段を利用したタイミング、より詳細には、味方キャラクタがゲーム内手段を利用し始めたタイミングまたは利用し終えたタイミングが挙げられる。
また、クエストがクリアされた場合、消費媒体演算手段565は、クエストクリアの報酬として消費媒体をユーザに付与する処理を行う。具体的に、消費媒体演算手段565は、クエスト終了後に、ユーザが所持している消費媒体に、クエストクリアの報酬分を加算する。
なお、消費媒体演算手段565による演算結果は、クエスト終了時やログオフの直前にサーバ装置2に送信され、ユーザDB221における該当ユーザの識別番号に関連付けて上書きされる。
-報知制御手段-
報知制御手段566は、ゲームの実行にあたり、ゲームの進行やユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御およびスピーカ62の音声出力制御を行う。例えば、報知制御手段566は、図2~図6に示す各種画面sc1~sc5を、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示させる。
図2の画面sc1は、ルート算出手段235によって算出された複数のルート情報を表示する画面であって、クエスト開始直前に表示される。画面sc1では、スタート地点および目的地点は共通であるが、辿る道筋およびゲーム内手段が異なる2以上のルート情報A,Bが、それぞれ選択可能にルート情報ボタンp1,p2として表示されている。つまり、画面sc1では、味方キャラクタがスタート地点から目的地点に向かうためのルートが複数存在することを例示している。
画面sc1から、ルート情報Aまたはルート情報Bに対応するルート情報ボタンp1,p2がユーザの操作によって選択された際、仮想ゲーム空間上に表されたマップには、選択されたボタンp1,p2に対応する、実際に移動するルートが、重畳して描写される。これより、味方キャラクタがスタート地点から目的地点までのどのようなルートを採ることができるのかを、ユーザは視覚的に把握することができる。この画面sc1を参考にして、ユーザは、どのルート情報A,Bに従って味方キャラクタを移動させるかを、設定することができる。
なお、ルート情報Aは、味方キャラクタの目的地点への到達時間が最短となる第1最小ルート情報を示す。ルート情報Bは、目的地点までの移動で利用するゲーム内手段の数が最小となる第2最小ルート情報を示す。
図3の画面sc2は、クエストが開始された後の画面である。画面sc2は、画面sc1において設定されたルート情報Aに従って、味方キャラクタが中継地点1~4に立ち寄りながら目的地点に向かった様子を表している。また、画面sc2には、各中継地点1~3および目的地点にてアイテムパーツの拾得イベントが発生した様子が、吹き出し領域p3に表示されている。
図4の画面sc3は、組み立てに必要なアイテムパーツが揃った際に発生するイベントの画面であって、画面sc2の後に表示される。画面sc3には、各中継地点1~3および目的地点にて拾得したアイテムパーツを組み立てることで、所定アイテム(画面sc3ではロボットを例示)が完成した様子が、ポップアップ画面p4にて表示されている。
図5の画面sc4は、クエスト中に遭遇イベントが発生した場合に表示されるものであって、味方キャラクタが敵キャラクタに遭遇した様子を、ポップアップ画面p5にて表示している。画面sc4では、一例として、乗換のためにA駅からB駅に向かっている途中で、味方キャラクタが敵キャラクタに遭遇した場面を表している。
図6の画面sc5は、クエスト終了時に表示される画面である。画面sc5には、クエストの結果、クエストのクリア条件、移動にて消費された消費媒体の量、敵との遭遇回数とその勝敗、途中うで立ち寄った中継地点の数、移動時間(所要時間)が、表示されている。
なお、図示していないが、画面sc5には、更に、味方キャラクタのステータス、移動距離、戦闘時間、戦闘にて繰り出した技、戦闘内容の履歴なども含まれる。
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図7は、本実施形態にかかるゲームシステム1が行う一連の動作のフロー図である。
前提として、ゲーム装置5のユーザは、ガチャやクエストのクリアなどによって、使用可能な味方キャラクタを示すゲーム媒体を複数所有しており、そのうち使用する味方キャラクタを設定しているとする。また、以下では、クエスト開始直前およびクエスト終了時点にて、サーバ装置2とゲーム装置5との間で消費媒体の所持量が送受信される場合を例示する。
はじめに、ゲーム装置5のユーザが、タッチパッド63を介してクエストの実行要求を入力した場合(ステップst1)、サーバ装置2のルート算出手段235は、当該クエストにて用いる味方キャラクタに関する情報(ステータスなど)と、ユーザが現在所有している消費媒体の量とを、ユーザDB221から読み出す(ステップst2)。
ルート算出手段235は、経路情報DB222に基づいて、スタート地点および目的地点を決定する(ステップst3)。
次いで、ルート算出手段235は、スタート地点と目的地点とを繋ぐルートに、そのルートに沿った移動にて消費される消費媒体の消費量の他、移動の所要時間、ゲーム内手段を利用する場合はその乗換回数、利用が予定されるゲーム内手段の名称、を関連付けたルート情報を算出する。イベント決定手段236は、ルート情報ごとに、発生させるべきイベントにその発生確率が関連付けられたイベント情報を決定する。情報処理手段231は、ステップst2で読み出した情報、算出されたルート情報および決定されたイベント情報を、ゲーム装置5に送信する(ステップst4)。
なお、算出したルート情報には、第1最小ルート情報および第2最小ルート情報などの、複数のルート情報が含まれている。
ゲーム装置5の通信手段561がステップst4における情報を受信すると、報知制御手段566は、画面sc1をディスプレイ61に表示させる(ステップst5)。これにより、ディスプレイ61には、ユーザが現在所有している消費媒体の量が表示される他、味方キャラクタの移動時の候補となるルート情報それぞれが選択可能に複数表示される。ユーザの操作によりルート情報が選択されると、選択されたルート情報が示すルートの詳細が、マップに重畳して表示される。
ゲーム装置5において、ルート情報の設定操作が、タッチパネル63を介してユーザによりなされると、操作部54は、この操作入力の内容を受けつける。これにより、味方キャラクタが移動に用いるルート情報が設定される(ステップst6)。通信手段561は、設定されたルート情報を、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2の情報処理手段231は、設定されたルート情報に関する情報を受信すると、これをユーザDB221に書き込む(ステップst7)。
ゲーム装置5では、ゲーム実行手段562は、ステップst6にて設定されたルート情報に基づいて、クエストの実行を開始する(ステップst8)。行動検知手段563は、ゲーム装置5の操作以外のユーザの行動に関する情報および当該ユーザの生体情報を表すユーザ情報の取得を開始する。動作制御手段564は、このユーザ情報に基づいて、味方キャラクタの移動を開始させる(ステップst9)。
以後、行動検知手段563は、ユーザ情報を逐次取得するため、動作制御手段564は、逐次取得されたユーザ情報に従って、味方キャラクタを移動させていく。
報知制御手段566は、ディスプレイ61に、ルート情報に伴いゲーム内手段を利用しつつ中継地点に寄り道しながら目的地点に向かう味方キャラクタの様子を、例えば画面sc2の形態にて表示開始させる。
消費媒体演算手段565は、味方キャラクタがゲーム内手段を利用して移動するごとに、そのゲーム内手段の利用に必要な分だけ、ユーザの所有する消費媒体を減算する処理を開始する(ステップst10)。
クエストが開始されてから終了するまでの間に、イベント発生条件が満たされた場合(ステップst11のYES)、動作制御手段564は、その条件に応じたイベント情報に基づいてイベントを発生させる(ステップst12)。ステップst11のイベント発生条件としては、味方キャラクタが中継地点に到達した場合、発生確率に基づく抽選により当選した場合、が挙げられる。味方キャラクタが中継地点に到達した場合、アイテムパーツの拾得イベントが発生する。味方キャラクタの移動状況に応じた発生確率に基づいて抽選した結果、当選した場合、敵キャラクタとの遭遇イベントが発生する。
これらの発生したイベントに応じて、報知制御手段566は、ディスプレイ61に、画面sc2にて吹き出し領域p3を表示させたり、画面sc4を表示させたりする。
なお、ステップst11にてイベント発生条件が満たされない場合(ステップst11のNO)、動作制御手段564は、イベントを発生させない。
やがて味方キャラクタが目的地点に到達した場合(ステップst13のYES)、動作制御手段564は、アイテムパーツの拾得イベントを発生させる(ステップst14)。図7では図示していないが、味方キャラクタが所持するアイテムパーツが必要なだけ揃った場合、動作制御手段564は、これらのアイテムパーツを組み立てて所定アイテムを作製させる組立イベントを発生させる。その際、報知制御手段566は、ディスプレイ61に、画面sc3を表示させる。
なお、味方キャラクタが目的地点に未だ到達していない場合(ステップst13のNO)、ステッst11以降の動作が繰り返される。
ステップst13にて、味方キャラクタが目的地点に到達したため、動作制御手段564は、クエストを終了させる。報知制御手段566は、終了したクエストについて、クエストの結果(クリアしたか否か)、クリア条件、スタート地点から目的地点までの移動にて消費した消費媒体の総消費量、敵との遭遇回数とその勝敗、立ち寄った中継地点の数、移動にかかった時間の、表示データを生成する。報知制御手段566は、これらの表示データを示すクエスト終了画面sc5をディスプレイ61に表示させる(ステップst15)。
ゲーム装置5の通信手段561は、クエスト終了画面sc5にて表示した内容を示すデータを、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2の情報処理手段231は、これをクエストに関する情報として受信すると(ステップst16)、受信した当該情報に応じてユーザDB221の更新を行う(ステップst17)。具体的には、情報処理手段231は、ユーザDB221のうち、使用した味方キャラクタのステータ、ユーザの消費媒体の所有量を更新する。
なお、図7では図示していないが、クエストがクリアされた場合、消費媒体演算手段565は、クリアしたクエストの難易度に応じた分だけ、ユーザの所有する消費媒体を増加させる。クエストがクリアされなかった場合、消費媒体演算手段565は、ユーザの所有する消費媒体の増加を行わない。
以上をまとめると、本実施形態のコンピュータプログラムは、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、現在もしくは過去に実在の交通経路に対応したゲーム内経路、交通経路における交通手段に対応したゲーム内手段、および交通手段を利用する際の交通費に対応した消費媒体(ゲーム内消費媒体)の消費量、に基づいて、ゲーム内で味方キャラクタ(ゲームオブジェクト)が移動するためのルート(移動経路)を、そのルート(移動経路)に沿った移動によって消費される消費媒体(ゲーム内消費媒体)の消費量と関連付けて算出するルート算出手段235(算出手段)と、ルート(移動経路)に従って味方オブジェクト(ゲームオブジェクト)を移動させる動作制御手段564と、味方キャラクタ(ゲームオブジェクト)の移動に伴い、ユーザが使用可能な消費媒体(ゲーム内消費媒体)を、ルート(移動経路)に関連付けられた消費量だけ減算させる消費媒体演算手段565(減算手段)と、として機能させるものである。
<発明の効果>
本実施形態によれば、現在もしくは過去の実在の交通経路に対応したゲーム内経路、実在の交通手段に対応したゲーム内手段、および交通手段を利用する際の交通費に対応した消費媒体の消費量が、経路情報DB222内に格納されている。ルート算出手段235は、この経路情報DB222に基づいて、ゲーム内で味方キャラクタが移動するためのルートを、その移動によって消費される消費媒体の消費量と関連付けて、ルート情報として算出する。そして、味方キャラクタの移動にて消費された分だけ、ユーザの所持する消費媒体は減算される。
このように、経路案内システムの機能がゲーム内にて駆使されており、消費媒体の消費値と現実社会での交通費とがリンクしている。従って、ユーザにとっては、ゲームが現実社会とつながっているように感じることができ、ユーザのゲームに対する興趣性は向上する。
また、本実施形態では、ルート算出手段235は、所定条件を満たすようにルートを算出する。その所定条件には、味方キャラクタの目的地点への到達時間が最も短くなる第1最小移動条件と、目的地点までの移動にて利用するゲーム内手段の数が最も少なくなる第2最小移動条件と、が含まれる。従って、算出されるルート情報には、味方キャラクタの目的地点への到達時間が最も短くなる第1最小ルート情報、移動に利用するゲーム内手段の数が最も少なくなる第2最小ルート情報が含まれる。これらのルート情報が、ユーザの操作に基づいて選択可能となれば、ユーザは、自身の意思をゲームに反映させて、そのゲームを楽しむことができる。従って、ユーザのゲームに対する興趣性は、より向上する。
また、本実施形態では、味方キャラクタをゲーム内で動作させるための操作以外であるユーザの行動および当該ユーザの生体情報を表すユーザ情報に伴って、動作制御手段564は、味方キャラクタを移動させる。つまり、例えばユーザの日常的な行動とその際の生体情報とによって、ゲームが自動で進む。そのため、ユーザは、たとえゲームを積極的にはプレイせずとも、自身の行動とリンクしたゲーム結果を見て楽しむことができる。従って、ゲームへの興味を持つきっかけとなり得る。
また、本実施形態では、味方キャラクタが移動するルート上では、イベントが発生する。これにより、味方キャラクタの動作に変化が生じるため、ユーザは、変化の富んだゲームをプレイすることができる。
また、本実施形態では、ゲーム内手段を利用しない状態で味方キャラクタが移動している間、および、味方キャラクタがゲーム内手段を乗り換えるための動作(移動など)をしている間に、遭遇イベントが発生する確率は、味方キャラクタがゲーム内手段を利用して移動している間の発生確率とは異なっている。つまり、遭遇イベントは、必ず発生するわけではなく、生じたり生じなかったりする。しかも、遭遇イベントの発生確率が味方キャラクタの場面によって異なる。そのため、ユーザは、遭遇イベントが必ず発生する場合よりも、より変化に富んだゲームを楽しむことができる。
本実施形態のルートには、目的地点と、目的地点に到達するまでに点在する1以上の中継地点とが含まれている。
本実施形態のイベントには、中継地点にて味方キャラクタに第1行動を行わせる第1イベント、および、第1行動と関連する第2行動を目的地点にて味方キャラクタに行わせる第2イベント、が含まれる。これらの行動は、双方の行動が行われることによって共通の目的が達成されるように関連している。これにより、全く関係のないイベントが発生するわけではないため、まとまりのある1つのゲームが順に進んでいく感触を、ユーザは味わうことができる。
本実施形態では、第1イベントおよび第2イベントの少なくとも1つについて、発生させるか否かが抽選により決定される。これにより、ユーザは、第1および第2イベントが必ず発生する場合よりも、より変化に富んだゲームを楽しむことができる。
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
クエスト開始前に、ユーザの操作に応じて、スタート地点および目標地点の少なくとも1つが設定されてもよい。この場合、ゲーム装置5側でなされた当該設定を、通信手段561はサーバ装置2に送信する。サーバ装置2側では、ルート算出手段235は、設定されたスタート地点および目標地点の少なくとも1つに基づいて、ルート情報を算出することができる。スタート地点および目標地点の少なくとも1つの設定処理は、ユーザによる課金が前提として行われてもよい。
また、ガチャによって出現した味方キャラクタに、スタート地点および目標地点の少なくとも1つが初期位置として予め設定されていてもよい。また、その設定を、ユーザによる課金によって、削除してもよい。
使用する味方キャラクタに応じて、使用できるゲーム内手段が設定されていてもよい。また、ルート算出手段235および消費媒体演算手段565は、使用する味方キャラクタのレベル値や属性、レア度などに応じて、ゲーム内手段を利用した際の消費媒体の量に重みづけ(2倍、3倍、半額など)を行ってもよい。
例えば、相撲選手やプロレス選手のように体の比較的大きいキャラクタが味方キャラクタである場合、当該味方キャラクタはゲーム内手段の座席を2人分使うため、ルート算出手段235は、消費媒体の量を“キャラクタ2体分”と算出し、消費媒体演算手段565は、ユーザの所有する消費媒体を、算出された当該量だけ減じることができる。味方キャラクタが子供キャラクタである場合、ルート算出手段235は、消費媒体の量を“キャラクタ1体分の半分”と算出し、消費媒体演算手段565は、ユーザの所有する消費媒体を、算出された量だけ減じることができる。また、味方キャラクタが大人キャラクタと子供キャラクタの組み合わせであって、子供キャラクタが大人キャラクタに同伴して移動する場合、ルート算出手段235は、大人キャラクタに対応する消費媒体の量を“キャラクタ1体分”、子供キャラクタに対応する消費媒体の量は“大人キャラクタが同伴するため0”と算出し、消費媒体演算手段565は、ユーザの所有する消費媒体を、算出された量の合計値(つまり、キャラクタ1体分)だけ減じることができる。
前記実施形態では、味方キャラクタの入手方法の1つにガチャを挙げたが、入手方法にはガチャが含まれていなくてもよい。この場合、サーバ装置2の制御部23は、抽選実行手段233として機能せずともよい。
また、遭遇イベントにて登場する敵キャラクタが、ガチャによって出現してもよい。組み立てて作製される所定アイテムについても、ガチャによって決定されてもよい。
前記実施形態では、ルート情報が、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示されると説明した。しかし、ルート情報は、ゲーム装置5のディスプレイ61への表示に代えて、スピーカ62に出力されてもよい。また、ルート情報は、ディスプレイ61への表示とスピーカ62への音声出力との組み合わせにより報知されてもよい。これらの場合、スピーカ62、または、ディスプレイ61とスピーカ62の両方が、報知部に相当する。
前記実施形態において、ルート算出手段235は、ルートが同じでも、ゲーム内で使用する切符(特急券の有無、回数券などの格安切符の使用の有無、ICカードの利用の有無など)に応じて、消費媒体の消費量を変化させてもよい。例えば、ルート算出手段235は、通常減じるべき消費媒体の量を、ICカード利用分だけ割り引いた値とすることができる。これにより、ユーザは、いかに消費媒体の消費量を抑えながらもクエストをクリアするかなどを考えるため、ゲームにより興味を抱くようになる。
また、消費媒体は、現実の交通費と対応していればよいため、その態様は限定されない。例えば、現実の交通費が200円の場合、これに対応する消費媒体は、200ptではなく、2000ptや20ptであってもよい。現実の交通費が205円の場合、これに対応する消費媒体は、200ptや300ptのように、所定桁を切り捨てたり四捨五入したりした値であることができる。
また、ルート算出手段235は、消費媒体の消費に応じて、消費媒体とは別のゲーム内ポイントを、ユーザに付与するためのポイントとして算出してもよい。例えば、ルート算出手段235は、消費媒体が200pt消費されるごとに1ポイントを、消費媒体とは別にユーザに付与するためのポイントとして付与する。このポイントは、消費媒体の代わりに、ゲーム内のアイテム購入や、ガチャを引くための要素として使用されてもよい。
また、移動にて消費する(移動に要する)消費媒体と、ガチャにて消費する(ガチャを引くのに要する)ゲーム内媒体とは、別々に設けられていてもよい。この場合、抽選実行手段233は、ガチャによる抽選によって移動に要する消費媒体を選択でき、選択した移動に要する消費媒体をユーザの識別情報に関連付けることで当該ユーザに付与してもよい。
また、ユーザが所持する消費媒体および/または消費媒体とは別のゲーム内ポイントは、時間の経過やアイテムの使用により増加または回復してもよい。味方キャラクタがゲーム内でアルバイトを行うイベントを行い、その報酬として、消費媒体および/または消費媒体とは別のゲーム内ポイントが増加してもよい。
ゲーム内でアルバイトを行うイベントが実行されている間は、味方キャラクタは移動不可な仕様であってもよい。当該イベントは、味方キャラクタがルート上の中継地点に到達した際に、発生することができる。また、中継地点ゲーム内で味方キャラクタがアルバイトを行うことが予定されたルート情報が、ルート算出手段235によって算出され、ユーザは当該ルート情報を選択してもよい。
また、キャラクタは、ゲーム内にて定職についている設定であって、キャラクタがゲーム内にて仕事をすることにより、ユーザは消費媒体を収入として獲得できてもよい。ゲーム内における株式による配当や、ゲーム内における賃料などのキャラクタの不就労所得により、ユーザは、消費媒体を収入として獲得できてもよい。また、ユーザは、キャラクタを他ユーザにレンタルすることにより、その得点として消費媒体を獲得できてもよい。
また、ユーザの所持する消費媒体が移動に要する消費媒体よりも少ないために、ユーザの所持する消費媒体が不足していても、動作制御手段564は、味方キャラクタを移動させてもよい。一例として、移動開始後に消費媒体が不足した場合、その時点で味方キャラクタの移動は不可能となるが、この場合、動作制御手段564は、移動不可能となった地点にて、味方キャラクタにゲーム上にてアルバイトなどの短期労働をさせて路銀を稼がせる動作を行わせることができる。当該路銀は、消費媒体演算手段565によって、消費媒体としてユーザに付与される。
前記実施形態において、ディスプレイ61上から、移動中の味方キャラクタをユーザがタップすることにより、報知制御手段566は、その味方キャラクタの移動中の様子をポップアップ表示してもよい。これにより、味方キャラクタが移動中に寝ていたり、音楽を聴いたりしている様子を見て楽しむことができる。更に、味方キャラクタの様子が表示される際は、味方キャラクタの様子を適宜ズームアップして表示される機能が具備されていてもよい。
前記実施形態において、ゲームをプレイするユーザは、第1ユーザおよび第2ユーザを含む複数人であってもよい。第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれは、共通したマップ上のクエストを同時期にプレイすることができてもよい。この場合、各ユーザの味方キャラクタが辿るルートは、共通した地点を有するものであるとよい。例えば、第1ユーザのルートおよび第2ユーザのルートは、共通した中継地点を通るがスタート地点および目的地点が異なっていたり、第1ユーザのルートの中継地点が第2ユーザのルートの目的地点であったりすることができる。
この場合、図8の画面sc6に示すように、第1ユーザの味方キャラクタch1は、拾ったアイテムパーツを、ルート上の任意の地点で捨てることができる一方で、第2ユーザの味方キャラクタch2は、捨てられたアイテムパーツを、当該地点で拾うことができてもよい。つまり、第1ユーザのゲーム装置5における動作制御手段564は、第1ユーザの識別情報と関連付けられた状態のゲーム媒体のうち少なくとも1つについて、第1ユーザの操作に基づいて、ルート上の任意の位置にて関連づけられた状態を解消する(捨てる)。第2ユーザのゲーム装置5における動作制御手段564は、第1ユーザの識別情報と関連付けられた状態が解消されたゲーム媒体を、第2ユーザの操作に基づいて、第2ユーザの識別情報と関連付ける(拾う)。
これにより、第1ユーザおよび第2ユーザは、個々にクエストを行ってはいるが、仮想ゲーム空間内にて味方キャラクタ同士で関わることができる。第2ユーザの味方キャラクタch2は、味方キャラクタch1の捨てたゲーム媒体(アイテムパーツ)を拾うことで、所定アイテムを作製できる可能性が生じる。つまり、第1ユーザにおける味方キャラクタch1の行動が、第2ユーザにおける味方キャラクタch2のその後のゲームの進行に影響を与えることがある。従って、ゲームの幅が更に広がり、ユーザのゲームに対する興趣性はより向上する。
上記とは異なり、ゲームは、複数のユーザそれぞれが各々の味方キャラクタを仮想ゲーム空間内で操作でき、これらの味方キャラクタが協力してクエストをクリアできる仕様であってもよい。
なお、複数のゲーム媒体(パーツ)の組み立てにより作製されるものは、所定アイテム以外に、所定キャラクタであることができる。
前記実施形態では、遭遇イベントに登場する敵キャラクタがノンプレイヤキャラクタである場合を例示した。しかし、敵キャラクタは、他のユーザの操作によって動作するプレイヤキャラクタであってもよい。
また、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される各種画面画sc1~sc6には、いわゆる拡張実現(AR:Augmented Reality)を駆使して、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する仕様が採用されてもよい。
前記実施形態では、仮想ゲーム空間内を移動する対象が“キャラクタ”である場合を例示した。しかし、移動する対象は、仮想ゲーム空間内を移動できるゲームオブジェクトであればよく、キャラクタに限定されない。移動する対象の他例としては、動物、ロボット、モンスターなどであることができる。
前記実施形態にて発生するイベントは、アイテムパーツの拾得イベント、敵キャラクタとの遭遇イベントに限定されず、ガチャを回すイベントなどのような、その他のイベントであってもよい。発生するイベントは、遭遇イベントのみであってもよいし、拾得イベントのみであってもよい。遭遇イベントにて味方キャラクタが敵キャラクタに勝利した場合、消費媒体演算手段566は、味方キャラクタを所有するユーザの消費媒体を増加してもよいし、アイテムパーツや所定アイテム、ガチャチケットなどのアイテムを当該ユーザに付与してもよい。
前記実施形態において、実行されるクエストごとに、例えば「西日本出身の味方キャラクタは使用不可」「槍を装備している味方キャラクタは使用不可」のように、味方キャラクタの使用を限定する条件が課されていてもよい。これにより、ゲームの難易度が増すため、更なるユーザのゲームに対する興趣性の向上が図れる。
前記実施形態では、ルート情報が報知されると説明した。しかし、ルート情報の報知は必須ではない。また、ルート情報が報知される場合、ルート情報が選択可能に報知されることは必須ではない。
クエスト終了画面sc5をユーザが確認できる時期は、限定されていてもよい。例えば、ユーザは、クエスト終了画面sc5を、翌日以降でないと確認できなかったり、寝る前の決められた1時間でないと確認できなかったりしてもよい。
図7のステップst15では、クエスト終了画面sc5が、ゲーム終了時に表示される場合を例示した。しかし、報知制御手段566は、結果情報の確認を促す通知をディスプレイ61にポップアップ表示させてもよい。この場合、ユーザが当該通知を確認した後に、報知制御手段566は、クエスト終了画面sc5をディスプレイ61に表示させ、ユーザは結果情報を確認することができる。また、報知制御手段566は、当該通知を表示させる所定タイミングを、ユーザの操作に従って適宜設定してもよい。
前記実施形態では、経路情報DB222内のゲーム内経路およびゲーム内手段が、現在または過去の実在の交通経路および交通手段に対応するものであると説明した。しかし、交通経路および交通手段は、現在計画されている情報であってもよい。例えば、現実社会においてリニアモーターカーの配備が予定されている場合、経路情報DB222には、そのリニアモーターカーが通る路線に対応したゲーム内経路と、その交通費に応じたゲーム内手段とが、含まれていてもよい。この場合、本ゲームは、将来リニアモーターカーが配備されることを記念した、キャンペーン用のゲームとして適用することができる。
前記実施形態の仮想ゲーム空間内において、徒歩での移動速度は、使用する味方キャラクタごとに異なっていてもよい。この場合、味方キャラクタが1のゲーム内手段から他のゲーム内手段へと乗り換えるにあたり、徒歩で移動する場合、乗り換えにかかるに時間に差を生じさせることができる。
また、味方キャラクタが移動途中で敵キャラクタに遭遇する遭遇イベントが発生した場合、味方キャラクタが予定していたゲーム内手段に乗車するタイミングが、ルート情報の算出結果から遅れてもよい。
現実社会では、電車が遅延したり飛行機の運行が停止したりすることがある。そこで、現実社会におけるこのような事象が、仮想ゲーム空間内にてリアルタイムで、イベントとして生じてもよい。例えば、味方キャラクタが電車に対応するゲーム内手段で移動している場合に、その電車が現実社会にて運転見合わせとなった場合、動作制御手段564は、当該ゲーム内手段の動作を停止させるとともに、味方キャラクタの移動も停止させる。
前記実施形態では、消費媒体が減算されるタイミングが、味方キャラクタによるゲーム内手段の利用時である場合を例示した。しかし、消費媒体演算手段565は、ゲーム内手段を利用するごとではなく、クエスト終了時に一括して減算してもよいし、ユーザが設定した所望のタイミングにて減算してもよい。
味方キャラクタの移動中に、ユーザは、任意で移動をキャンセルする操作を行うことができる。この場合、動作制御手段564は、このユーザの操作に応じて、当該味方キャラクタの移動を停止させることができる。消費媒体演算手段565は、既に移動を行った分に相当する消費媒体のみを、移動動作に応じて減算(消費)させてもよいし、途中での移動停止に限らず、既に決定された交通経路情報に対応する消費媒体の量すべてを移動開始時に一括して減算(消費)させることができる。
また、消費媒体演算手段565は、味方キャラクタの移動停止の要因がユーザ自身の操作である場合は、既に決定されたルート情報に対応する消費媒体の量すべてを減算(消費)させることができる。消費媒体演算手段565は、味方キャラクタの移動停止の要因がユーザ自身の操作でない場合(イベント発生など)、消費媒体の量のすべてまたは少なくとも一部を、ユーザの元に戻してもよい。
クエスト終了時、消費媒体演算手段565は、クエストをクリアした際の詳細に応じて、ユーザに付与する消費媒体の量を増減することができる。クエストをクリアした際の詳細としては、イベントが発生した回数、アイテムパーツイベントにて拾えたアイテムパーツのレア度、作製できた所定アイテムのレア度、遭遇イベントに登場した敵キャラクタを倒したか否か、その敵キャラクタにヒットした攻撃の内容、2体の敵キャラクタを同時に倒したか否か、などが挙げられる。
また、消費媒体演算手段565は、クエストのクリア結果に基づいて、ユーザに付与する消費媒体の量などの特典を変更してもよい。たとえば、消費媒体演算手段565は、クエストをクリアした際のクリア内容が良好である程、消費媒体の量を増加させたり、消費媒体とは別のアイテムやキャラクタなどのゲーム媒体を付与したり、消費媒体に加えてアイテムを付与したりすることができる。例えば、敵キャラクタから与えられたダメージがより少なかったり、クリア時間が短かったりするほど、消費媒体演算手段565は、クリア内容が良好であると判断し、希少度のより高いアイテムを付与することができる。
また、消費媒体演算手段565は、クエストをクリアした際にユーザに付与する特典(消費媒体、アイテムなど)を、抽選で決定してもよい。また、消費媒体演算手段565は、特典を抽選で決定する際の抽選確率を、クエストのクリア内容に応じて変化させてもよい。例えば、クエストのクリア内容が良好である程、消費媒体演算手段565は、希少度の高いアイテムが付与されるように、抽選確率を変更することができる。
前記実施形態において、実行されるクエストごとに、味方キャラクタの移動について特殊条件が課されていてもよい。特殊条件としては、「ゲーム内手段は電車のみ有効」「ゲーム内手段での電車は“急行”のみ利用」「徒歩移動は5分以内にとどめる」などが挙げられる。
前記実施形態におけるゲーム内手段には、レンタカー、自動車、自転車、バイクなど、現実社会において運賃が明確に判明しない手段も含まれる。このようなゲーム内手段を利用したルート情報が存在していてもよい。
前記実施形態における仮想ゲーム空間は、三次元であってもよいし、二次元であってもよい。
前記実施形態では、味方キャラクタを移動させるための「ユーザ情報」が、ユーザの行動に関する情報とユーザの生体情報とを含む場合について説明した。しかし、ユーザ情報は、ユーザの行動に関する情報のみを含む情報であってもよいし、逆にユーザの生体情報のみを含む情報であってもよい。ユーザ情報がユーザの行動に関する情報のみを含む場合、ユーザの歩数や歩行距離、有酸素運動の回数のみに応じて、味方キャラクタは移動する。ユーザ情報がユーザの生体情報のみを含む場合、ユーザの心拍数や血圧のみに応じて、味方キャラクタは移動する。
前記実施形態では、行動検出部が、ゲーム装置5に設けられている場合について説明した。しかし、行動検知部は、ゲーム装置5とは別途、ウェアラブル端末に設けられていてもよい。この場合、ゲーム装置5は、ウェアラブル端末と通信可能に接続される。
また、「ユーザ情報に伴って」味方キャラクタが移動すること自体は、必須ではない。味方キャラクタは、ユーザ情報とは関係なく、時間の経過に応じて移動してもよい。
前記実施形態では、ゲーム内手段を利用しない状態で味方キャラクタが移動している間、および、利用するゲーム内手段を変更するための動作を味方キャラクタが行っている間の、イベントの発生確率は、ゲーム内手段を利用した状態で味方キャラクタが移動している間よりも高いと説明した。しかし、この条件は必須ではない。この条件はなくてもよいし、逆であってもよい。
また、イベントの発生確率は、味方キャラクタの移動状況に関係なく一定であってもよい。また、イベントの発生確率は設けられず、イベントを100%発生させるか発生させないかが、クエストごとに予め決定されていてもよい。
また、イベントの発生確率は、ゲームのマップ上で定義されたフィールドごとに設定されていてもよい。更に、イベントの発生確率は、マップ上のフィールドごとのみならず、味方キャラクタの移動状況に応じて異なるように設定されていてもよい。
前記実施形態では、ルート情報には、第1最小ルートと第2最小ルートとが含まれると説明したが、これは必須ではない。また、ルート情報には、消費媒体の消費量が最も少なくなる条件、途中で立ち寄る中継地点に数や地形的な共通点などの様々な条件などを、所定条件として課して算出されたルート(最安値ルート、寄り道ルートなど)が含まれていてもよい。
更に、ルート情報を算出する際の所定条件には、以下のものが適宜含まれてもよい。
(a)クエストクリア時に付与される特典が最も多くなる条件
(b)複数のゲーム媒体(パーツ)を中継地点などで拾って所定アイテムや所定キャラクタを組み立てる際、拾うことのできるパーツの数が最も多い条件
(c)拾えるパーツの希少価値が最も高い条件
(d)組み立てることができる所定アイテムや所定キャラクタの希少価値が最も高い条件
(e)移動に要する消費媒体の総量が最小となる条件
(f)移動にて利用するゲーム内手段に優先度が設定されている条件(船舶優先、電車優先など)
(g)移動にて利用するゲーム内手段の種類が最も多い条件
(h)味方キャラクタがゲーム内手段を変更する時間(乗換時間)が最も長くなるか、または最も短くなる条件
(i)今まで辿ったことのない新しい経路を、味方キャラクタが辿ることのできる条件
(j)ユーザの行動に従って味方キャラクタが移動する際、そのユーザの消費カロリーが最も多くなる条件
前記実施形態では、ルートには、目的地点と、1以上の中継地点とが含まれると説明した。しかし、ルートは、目的地点のみであって中継地点を含まずともよい。
また、ルートには、目的地点が設定されておらず中継地点のみが設定されていてもよい。この場合、制限時間に到達すればクエスト終了となる。消費媒体演算手段565は、制限時間内に進んだ距離に応じた消費媒体を、クエストに対する報酬としてユーザに付与することができる。
前記実施形態では、中継地点でのイベント(第1イベント)にて味方キャラクタが行う第1行動と、目的地点でのイベント(第2イベント)にて味方キャラクタが行う第2行動とは、共通した目的が達成されるように関連していると説明した。しかし、この条件は必須ではない。
また、第1行動と第2行動とが共通した目的が達成されるように関連している場合の具体例として、前記実施形態では、「アイテムパーツを拾い、拾ったパーツによって1つの所定アイテムを作製する場合」を例示した。しかし、第1行動と第2行動とが共通した目的が達成されるように関連している場合の他の具体例としては、共通した目的を「ビンゴを完成させる」とし、第1行動および第2行動を「ビンゴを完成させるために番号を集める」とすることが挙げられる。また、他の具体例としては、共通した目的を「スタンプラリーでスタンプを完成させる」とし、第1行動および第2行動を「スタンプを集める」とすることが挙げられる。また、他の具体例としては、共通した目的を「パズルを完成させる」とし、第1行動および第2行動を「パズルのピースを集める」とすることが挙げられる。
前記実施形態では、動作制御手段566が、希少度の高いアイテムパーツの拾得イベントを含むイベントについて、発生させるか否かを抽選により決定すると説明したが、これは必須ではない。
前記実施形態では、クエストスタート後のユーザの行動に応じて、ゲームが進行すると説明した。しかし、行動検知手段563は、クエスト開始前に、ユーザが行っていた運動などの行動を検知して、その検知結果を蓄積しておき、動作制御手段564は、クエスト開始後、蓄積されていた検知結果を用いてゲームを進行させてもよい。
前記実施形態のゲームでは、1クエストに1または複数の移動方法(徒歩、電車など)が紐づけられ、そのクエストが連続して次々と実行される「連続クエスト」が設定されていてもよい。その場合、消費媒体演算手段565は、細かいクエストごとにその特典として消費媒体がユーザに付与してもよいし、細かいクエストがすべて実行された後に、すべてのクエストの特典である消費媒体の合計値を、一括してユーザに付与してもよい。また、消費媒体演算手段565は、細かいクエストが実行されるごとにその得点として消費媒体をユーザに付与しつつ、すべてのクエストが終了した後にすべてのクエストの終了特典として、消費媒体を別途ユーザに付与してもよい。
前記実施形態において本発明のゲームプログラムは、サーバ装置およびゲーム装置を一体となって機能させる例が記載されているが、これには限られない。本発明のプログラムのすべての手段、すなわち、ルート算出手段、イベント決定手段、動作制御手段、取得手段などがが、サーバ装置単体またはゲーム装置単体に備えられていてもよい。また、サーバ装置およびゲーム装置を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。