JP7247563B2 - 封止用樹脂組成物およびパワーモジュール - Google Patents
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Description
この点、上述した特許文献1に記載の技術について本発明者が検討した結果、優れた絶縁特性を有するパワー半導体装置を得るという点で改善の余地があった。
そこで、本発明は、絶縁特性に優れるパワー半導体装置を得るための封止技術を提供する。
(A)エポキシ樹脂、
(B)無機充填材、および
(C)アセチレンブラック
を含み、以下の条件(i)~(iv)のいずれかを満たすパワー半導体素子の封止に用いられる、封止用樹脂組成物が提供される。
(i)消費電力2.0W以上の半導体素子
(ii)SiC、GaN、Ga2O3およびダイヤモンドからなる群から選択される1種以上の半導体からなる半導体素子
(iii)電圧が1.0V以上の半導体素子
(iv)パワー密度が10W/cm3以上の半導体素子
前記本発明における封止用樹脂組成物の硬化物により、前記条件(i)~(iv)のいずれかを満たすパワー半導体素子が封止されている、パワーモジュールが提供される。
(A)エポキシ樹脂
(B)無機充填材
(C)アセチレンブラック
そして、封止用樹脂組成物は、以下の条件(i)~(iv)のいずれかを満たすパワー半導体素子の封止に用いられるものである。
(i)消費電力2.0W以上の半導体素子
(ii)SiC、GaN、Ga2O3およびダイヤモンドからなる群から選択される1種以上の半導体からなる半導体素子
(iii)電圧が1.0V以上の半導体素子
(iv)パワー密度が10W/cm3以上の半導体素子
はじめに、封止用樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
成分(A)のエポキシ樹脂としては、たとえば、ビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格およびビフェニレン骨格からなる群から選択される1または2の骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格およびビフェニレン骨格からなる群から選択される1または2の骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
封止用樹脂組成物を用いて得られるパワーモジュールの絶縁特性を向上させる観点から、エポキシ樹脂は、好ましくはo-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビフェニル型エポキシ樹脂からなる群から選択される1種または2種以上である。
封止用樹脂組成物を用いて得られるパワーモジュールの絶縁特性を向上させる観点から、封止用樹脂組成物中の成分(A)の含有量は、封止用樹脂組成物全体を100質量%としたとき、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、さらにより好ましくは10質量%以下である。
成分(B)の無機充填材としては、一般的に半導体封止用樹脂組成物に使用されているものを用いることができる。無機充填材の具体例として、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ;アルミナ;タルク;酸化チタン;窒化珪素;窒化アルミニウムが挙げられる。これらの無機充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、封止用樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させる観点から、封止用樹脂組成物中の成分(B)の含有量は、封止用樹脂組成物全体を100質量%としたとき、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下である。
また、成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させる観点から、封止用樹脂組成物中の破砕シリカの含有量は、封止用樹脂組成物全体を100質量%としたとき、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下、さらにより好ましくは10質量%以下である。
成分(C)は、アセチレンブラックである。
封止用樹脂組成物中の成分(C)の含有量は、優れたレーザー捺印性を得る観点から、封止用樹脂組成物全体に対して好ましくは0.10質量%以上であり、より好ましくは0.20質量%以上である。また、封止用樹脂組成物を用いて得られるパワーモジュールの絶縁特性を向上する観点から、封止用樹脂組成物中の成分(C)の含有量は、封止用樹脂組成物全体に対して好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下、さらにより好ましくは0.5質量%以下である。
また、成形時の峡部充填性を高める観点から、成分(C)の2次粒子の平均粒径d50は、好ましくは成分(C)20μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。
ここで、アセチレンブラックの2次粒子の平均粒径d50は、レーザー回折法により測定される。
成分(C)が金属を含むとき、その含有量はたとえば0.01ppm以上であってもよい。
ここで、成分(C)中の金属の含有量は、以下の方法で測定される。
(測定方法)
1.成分(C)の試料を目開き75μmの篩に通し、篩下画分を取得する。
2.上記1.で取得される篩下画分中の金属の含有量を、以下の方法および条件で測定し、成分(C)中の金属の含有量とする。
測定方法:誘導結合高周波プラズマ発光分光分析(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectro-metry:IPC)法
成分(C)がSO4 2-イオンを含むとき、その含有量はたとえば0.01ppm以上であってもよい。
ここで、成分(C)中のSO4 2-イオンの含有量は、以下の方法で測定される。
(測定方法)
1.成分(C)の試料を燃焼分解ユニット内に設置し、酸素を含む燃焼ガス気流中で燃焼させて、発生したガスを吸収液(過酸化水素水溶液)に捕集する。
2.吸収液に捕集したSO4 2-イオンをイオンクロマトグラフィーにて分離、定量する。
また、樹脂への分散性を向上する観点から、成分(C)の窒素吸着比表面積は、好ましくは150m2/g以下であり、より好ましくは130m2/g以下、さらに好ましくは100m2/g以下である。
ここで、成分(C)中の窒素吸着比表面積は、以下の方法で測定される。
(測定方法)
1.成分(C)の試料を脱気する。
2.脱気後の試料を液体窒素に浸漬し、平衡時におけるカーボン表面に吸着した窒素量をBET法により測定し、得られた測定値から比表面積(m2/g)を算出する。
たとえば、封止用樹脂組成物は、硬化剤をさらに含んでもよい。
硬化剤は、たとえば重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、および縮合型の硬化剤の3タイプに大別することができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、封止用樹脂組成物を用いて得られる半導体装置について、耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させる観点から、封止用樹脂組成物中の硬化剤の含有量は、封止用樹脂組成物全体に対して好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
封止用樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、封止用樹脂組成物の硬化特性を高める観点から、封止用樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下である。
封止用樹脂組成物中のカップリング剤の含有量は、封止用樹脂組成物の成形時に好ましい流動性を得る観点から、封止用樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下である。
封止用樹脂組成物中の離型剤の含有量は、硬化物の好ましい離型特性を得る観点から、封止用樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下である。
封止用樹脂組成物中のイオン捕捉剤の含有量は、半導体装置の信頼性を向上させる観点から、封止用樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.03質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下である。
本実施形態において、封止用樹脂組成物は、たとえば粒子状またはシート状である。
粒子状の封止用樹脂組成物として、具体的には、タブレット状または粉粒体のものが挙げられる。このうち、封止用樹脂組成物がタブレット状である場合、たとえば、トランスファー成形法を用いて封止用樹脂組成物を成形することができる。また、封止用樹脂組成物が粉粒体である場合には、たとえば、圧縮成形法を用いて封止用樹脂組成物を成形することができる。ここで、封止用樹脂組成物が粉粒体であるとは、粉末状または顆粒状のいずれかである場合を指す。
次に、封止用樹脂組成物の製造方法を説明する。
本実施形態において、封止用樹脂組成物は、たとえば、上述した各成分を、公知の手段で混合し、さらにロール、ニーダーまたは押出機等の混練機で溶融混練し、冷却した後に粉砕する方法により得ることができる。また、必要に応じて、上記方法における粉砕後にタブレット状に打錠成型して粒子状封止用樹脂組成物を得てもよい。また、上記方法における粉砕後にたとえば真空ラミネート成形または圧縮成形によりシート状封止用樹脂組成物を得てもよい。また得られた封止用樹脂組成物について、適宜分散度や流動性等を調整してもよい。
本実施形態における半導体装置は、上述した本実施形態における封止用樹脂組成物の硬化物によりパワー半導体素子が封止されているパワー半導体装置であり、好ましくはパワーモジュールである。パワー半導体素子は、以下の条件(i)~(iv)のいずれかを満たす。
(i)消費電力2.0W以上の半導体素子
(ii)SiC、GaN、Ga2O3およびダイヤモンドからなる群から選択される1種以上の半導体からなる半導体素子
(iii)電圧が1.0V以上の半導体素子
(iv)パワー密度が10W/cm3以上の半導体素子
封止用樹脂組成物を用いた封止成形により半導体素子を封止して得られる半導体装置としては、たとえば、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non-leaded Package)、SON(Small Outline Non-leaded Package)、LF-BGA(Lead Flame BGA)、TO-220、TO-247等が挙げられる。
本実施形態において、封止用樹脂組成物は、近年これらのパッケージの成形に多く適用されるMAP(Mold Array Package)成形により形成される構造体にも適用できる。この場合、基材上に搭載される複数の半導体素子を、封止用樹脂組成物を用いて一括して封止することによりパッケージが得られる。
以下、図面を参照してさらに具体的に説明する。
まず、図1に示した半導体装置100は、具体的にはパワーモジュールであり、基板30上に搭載された半導体素子20と、半導体素子20を封止してなる封止材50と、を備えている。半導体素子20は、具体的にはパワー半導体素子である。
封止材50は、上述した本実施形態における封止用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物により構成されている。
本実施形態において、封止材50は、上述の封止用樹脂組成物の硬化物により構成される。このため、半導体装置100は、優れた絶縁特性を有する。また、半導体装置100においては、封止材50の中の成分(C)の分散性に優れているため、封止材50における材料の偏りが抑制されている。
封止材50は、たとえば封止用樹脂組成物をトランスファー成形法または圧縮成形法等の公知の方法を用いて封止成形することにより形成することができる。
また、半導体素子20の消費電力は、たとえば上述した条件(i)の2.0W以上であり、好ましくは3.0W以上であり、また、たとえば4.0W以下であってもよい。
半導体素子20の電圧は、たとえば上述した条件(iii)の1.0V以上であり、好ましくは3.0V以上であり、また、たとえば5.0V以上であってもよく、たとえば20V以上であってもよい。また、半導体素子20の電圧は、たとえば2000V以下であってもよく、また、たとえば100V以下であってもよい。
また、半導体素子20のパワー密度は、たとえば上述した条件(iv)の10W/cm3以上であり、好ましく20W/cm3以上であり、また、たとえば30W/cm3以上であってもよい。また、半導体素子20のパワー密度は、たとえば200W/cm3以下であってもよい。
また、半導体素子20は、たとえば200℃以上、好ましくは260℃以上という高温環境下で動作することができる。
半導体素子20は、好ましくは、基板30上に設けられたパワー半導体素子であり、整流ダイオード、パワートランジスタ、パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)およびトライアックからなる群から選択される1または2以上の電子部品を含む。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 以下の成分(A)~(C):
(A)エポキシ樹脂、
(B)無機充填材、および
(C)アセチレンブラック
を含み、以下の条件(i)~(iv)のいずれかを満たすパワー半導体素子の封止に用いられる、封止用樹脂組成物。
(i)消費電力2.0W以上の半導体素子
(ii)SiC、GaN、Ga 2 O 3 およびダイヤモンドからなる群から選択される1種以上の半導体からなる半導体素子
(iii)電圧が1.0V以上の半導体素子
(iv)パワー密度が10W/cm 3 以上の半導体素子
2. 前記成分(B)が、破砕シリカを含む、1.に記載の封止用樹脂組成物。
3. 低応力剤をさらに含む、1.または2.に記載の封止用樹脂組成物。
4. 以下の方法で測定される前記成分(C)中の金属の含有量が10ppm以下である、1.乃至3.いずれか1つに記載の封止用樹脂組成物。
(測定方法)前記成分(C)の試料を目開き75μmの篩に通し、篩下画分を取得する。前記篩下画分中の金属の含有量を、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析法にて測定し、前記金属の含有量とする。
5. イオンクロマトグラフィーにより以下の方法で測定される前記成分(C)中のSO 4 2- イオンの含有量が2ppm以下である、1.乃至4.いずれか1つに記載の封止用樹脂組成物。
(測定方法)前記成分(C)の試料を燃焼分解ユニット内に設置し、酸素を含む燃焼ガス気流中で燃焼させて、発生したガスを吸収液(過酸化水素水溶液)に捕集する。前記吸収液に捕集したSO 4 2- イオンをイオンクロマトグラフィーにて分離、定量する。
6. 以下の方法で測定される前記成分(C)の窒素吸着比表面積が30m 2 /g以上150m 2 /g以下である、1.乃至5.いずれか1つに記載の封止用樹脂組成物。
(測定方法)前記成分(C)の試料を脱気した後、液体窒素に浸漬し、平衡時におけるカーボン表面に吸着した窒素量をBET法により測定し、得られた測定値から比表面積(m 2 /g)を算出する。
7. 1.乃至6.いずれか一つに記載の封止用樹脂組成物の硬化物により、前記条件(i)~(iv)のいずれかを満たすパワー半導体素子が封止されている、パワーモジュール。
(封止用樹脂組成物の調製)
各実施例および各比較例のそれぞれについて、以下のように封止用樹脂組成物を調製した。
まず、表1に示す各成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物を、ロール混練した後、冷却、粉砕して粉粒体である封止用樹脂組成物を得た。
(原料)
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC3000L)
エポキシ樹脂2:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、YDCN-800-70)
エポキシ樹脂3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YL6810)
エポキシ樹脂4:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、YX4000H)
(硬化剤)
硬化剤1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(日本化薬社製、GPH-65)
硬化剤2:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR-HF-3)
(無機充填材)
無機充填材1:溶融球状シリカ(電気化学工業社製、FB-950FC、d50:22μm)
無機充填材2:合成球状シリカ(アドマテックス社製、SO-E2、d50:0.5μm、比表面積6.0m2/g)
無機充填材3:破砕シリカ(フミテック社製、F-115、d50:13μm)
(イオン捕捉剤)
イオン捕捉剤1:ハイドロタルサイト(協和化学社製、DHT-4H)
(着色剤)
着色剤1:アセチレンブラック(デンカ社製、Li-400、2次粒子の平均粒径d50:2μm、金属含有量:10ppm以下、SO4 2-イオンの含有量:1ppm未満、窒素吸着比表面積:50m2/g)
着色剤2:カーボンブラック(三菱化学社製、カーボン#5)
(カップリング剤)
カップリング剤1:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、CF4083)
(離型剤)
離型剤1:カルナバワックス(日興ファイン社製、ニッコウカルナバ)
(低応力剤)
低応力剤1:アクリロニトリルブタジエン共重合体化合物(PTIジャパン社製、CTBN1008SP)
各例で得られた樹脂組成物を用いて以下の方法で評価用試料を作製し、得られた試料の絶縁耐性を高温逆バイアス(High Temperature Reverse Bias:HTRB)試験により評価した。
まず、定格電圧1200VのIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)素子を、パッケージ仕様:TO-247のフレームに半田を用いてダイボンディングし、そしてAlワイヤでワイヤボンディングした。これを、実施例または比較例の封止用樹脂組成物で封止し、HTRB評価用のパッケージを作成した。なお、封止用樹脂組成物の成形条件は175℃で2分、アフターキュア条件は175℃で4時間とした。
上述の方法で得られた各例の評価試料を、HTRB試験装置にて150℃、1200Vの電圧下、1000時間処理した。処理前後の耐電圧を測定し、以下の基準で評価した。
○:処理前の耐電圧に対する処理後の耐電圧の低下率が5%未満
×:処理前の耐電圧に対する処理後の耐電圧の低下率が5%以上
30 基板
32 ダイパッド
34 アウターリード
40 ワイヤ
50 封止材
60 半田ボール
100 半導体装置
Claims (4)
- 以下の成分(A)~(C):
(A)エポキシ樹脂、
(B)無機充填材、および
(C)アセチレンブラック
を含み、以下の条件(i)~(iv)のいずれかを満たすパワー半導体素子の封止に用いられる、封止用樹脂組成物であって、
以下の方法で測定される前記成分(C)中の金属の含有量が10ppm以下であり、
イオンクロマトグラフィーにより以下の方法で測定される前記成分(C)中のSO 4 2- イオンの含有量が2ppm以下であり、
以下の方法で測定される前記成分(C)の窒素吸着比表面積が30m 2 /g以上150m 2 /g以下である、封止用樹脂組成物。
(金属の含有量の測定方法)前記成分(C)の試料を目開き75μmの篩に通し、篩下画分を取得する。前記篩下画分中の金属の含有量を、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析法にて測定し、前記金属の含有量とする。
(SO 4 2- イオンの含有量の測定方法)前記成分(C)の試料を燃焼分解ユニット内に設置し、酸素を含む燃焼ガス気流中で燃焼させて、発生したガスを吸収液(過酸化水素水溶液)に捕集する。前記吸収液に捕集したSO 4 2- イオンをイオンクロマトグラフィーにて分離、定量する。
(窒素吸着比表面積の測定方法)前記成分(C)の試料を脱気した後、液体窒素に浸漬し、平衡時におけるカーボン表面に吸着した窒素量をBET法により測定し、得られた測定値から比表面積(m 2 /g)を算出する。
(i)消費電力2.0W以上の半導体素子
(ii)SiC、GaN、Ga2O3およびダイヤモンドからなる群から選択される1種以上の半導体からなる半導体素子
(iii)電圧が1.0V以上の半導体素子
(iv)パワー密度が10W/cm3以上の半導体素子 - 前記成分(B)が、破砕シリカを含む、請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
- 低応力剤をさらに含む、請求項1または2に記載の封止用樹脂組成物。
- 請求項1乃至3いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物により、前記条件(i)~(iv)のいずれかを満たすパワー半導体素子が封止されている、パワーモジュール。
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