JP2013147549A - 液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、広範囲の周波数領域で電磁波吸収性を有し、かつ耐熱衝撃性が高い硬化物を与え、その上取扱性に優れた液状エポキシ樹脂組成物及び該組成物で封止された半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 電磁波シールド性を有する半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物であって、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)シリコーン変性エポキシ樹脂、(D)燐片状軟磁性金属粉を含有するものであり、0.5mm以上の厚さで、2GHz〜10GHzの範囲において反射減衰性(S11)を示す、電磁波吸収性の硬化物を与えるものであることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電磁波シールド性を有する半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物、及び該組成物で封止された半導体装置に関する。
情報通信機器の高度化、小型化に伴い、GHz帯での電波の使用が増えている。例えば、携帯電話、ノートPC等に用いられる電波等が挙げられ、このような機器の使用とともに電波の干渉による障害が懸念されている。この対策として、電波吸収体として、フェライトに代表される酸化物磁性材料、純鉄、センダスト、アルファモス合金、セラミック等を用いることが挙げられる。
特開2000−252113号公報 特開2004−168986号公報 特開2007−99933号公報 特開2008−1757号公報 特開2009−278137号公報
フェライト粒子、例えば、Mn−Zn系フェライトは、主に10kHzから30MHzの周波数で高い透磁率を示し、また、Ni−Zn系フェライトは、主に30MHzから300MHzの周波数で高い透磁率を示すため、各周波数領域の電磁波吸収剤として使用される。ここで使用されるフェライト粒子は、高周波領域における磁気損失の改善が十分ではなく、高周波半導体パッケージとして、環境の影響を受けやすく、信頼性に問題がある(特許文献1〜4)。
また、電波吸収体としてフェライトを用いた場合、磁化が低いため電波吸収体を薄型とすることは難しい。金属磁性体単体の場合は、高い電磁波吸収性能を有するが、高透磁率化のために扁平化処理を行なった場合には、磁気的な異方性を持つため電波吸収体としても異方性を持ち、等方的に電波を吸収することが難しくなる(特許文献5)。
形状の観点から考えると、ノイズ抑制シートだと形状が決まってしまい電子機器内の狭い部分に実装することが困難であり、隣り合う部品の電波の抑制及び干渉防止が難しくなる。
また、このような電子機器の半導体実装時には、半田リフロー時にダイと封止剤にかかる応力が増大し、封止剤とダイ及び基板の界面での剥離が生じ、また、基板実装時にパッケージにクラックが入るという問題がある。更に、鉛代替半田の普及により、溶融温度が鉛含有の半田より高くなることから、リフローの温度も260〜270℃で使用されており、従来のエポキシ樹脂組成物の封止剤では、不良が発生し大きな問題となっている。このようにリフローの温度が高くなると、従来何ら問題のなかったパッケージもリフロー時にクラックが発生したり、チップ界面、基板界面との剥離が発生したり、その後の冷熱サイクルが数百回以上経過すると樹脂又は基板、チップ、バンプ部にクラックが発生するという問題が起こるようになった。
上記問題を解決するものとして、シリコーン変性エポキシ樹脂を配合した樹脂組成物が知られている。該組成物は耐熱衝撃性に優れるが、耐熱性の点で、さらなる向上が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、広範囲の周波数領域、特に2〜10GHzの範囲で電磁波吸収性を有し、かつ耐熱性及び耐熱衝撃性が高い硬化物を与え、その上取扱性に優れた液状エポキシ樹脂組成物、及び該組成物で封止された半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、電磁波シールド性を有する半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物であって、
(A)エポキシ樹脂、
(B)フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤及び芳香族アミン系硬化剤から選ばれる少なくとも1つの硬化剤:(A)成分中のエポキシ基1モルに対して、硬化剤中のエポキシ基と反応性を有する官能基のモル量が0.7〜1.2になる量、
(C)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.1〜50質量部、及び
Figure 2013147549
(上記平均組成式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Qは炭素数3〜6のアルキレン基、オキシアルキレン基、又はヒドロキシオキシアルキレン基であり、rは4〜199の整数、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数である。)
(D)平均粒子径が5〜100μmであり、Si、Al及びFeを主成分とするスピネル構造を有する燐片状軟磁性金属粉:(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計100質量部に対して5〜100質量部
を含有するものであり、
0.5mm以上の厚さで、2GHz〜10GHzの範囲において反射減衰性(S11)を示す、電磁波吸収性の硬化物を与えるものであることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物を提供する。
このような液状エポキシ樹脂組成物であれば、広範囲の周波数領域、特に2〜10GHzの範囲で電磁波吸収性を有し、また、耐熱性及び耐熱衝撃性が高い硬化物となる。その上、膜厚0.5mm以上で使用でき、塗布性に優れるため、従来の磁性ゴムシートと比べて取扱性に優れたものとなる。
また、前記(D)成分は、Si、Al及びFeを主成分とし、更に、Li,Mg,Ni,Cu,Zn,Mn,Ca,Co,Zr,Sn,Ba,及びTiから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含有し、該含有量の合計がFe元素100モルに対して10モル未満であり、かつスピネル構造を有するものであることが好ましい。
(D)成分は主成分以外に他の金属元素を含有することができ、このような含有量であれば十分な電磁波吸収性能を得られる。
さらに、前記(D)成分として、SiAlFe(式中、0.1≦a≦10.0、0.3≦b≦6.0、93.0≦c≦99.5、0.1≦d≦1.0)の組成であり、かつ、アスペクト比が1.1〜4.0である燐片状軟磁性金属粉を含むことが好ましい。
このように(D)成分には、主成分以外に酸素原子を含有することができる。また、このようなアスペクト比の燐片状軟磁性金属粉であれば、十分な電磁波吸収性能を発揮することができる。
また、前記(C)成分は、平均組成式(1)において、Rが水素原子、Rがメチル基、rが70〜109の整数、p及びqが2〜5の整数、Qが−OCH−CH(OH)−CH−O−CHCHCH−であるものであることが好ましい。
このような(C)成分であれば、より低応力化剤としての効果が高く、密着性が高く、合成コストの観点からも好ましいものとなる。
さらに、前記(B)成分のうち、フェノール系硬化剤が、下記一般式(2)で表されるフェノール樹脂を25〜100質量%含有するものであることが好ましい。
Figure 2013147549
(上記一般式(2)中、Rは二重結合を有する炭素数10以下の脂肪族一価炭化水素基、Rは下記式で示される二価炭化水素基のいずれかである。
Figure 2013147549
(式中、Rは水素原子又は炭素数10以下の一価炭化水素基である。))
このようなフェノール系硬化剤であれば、液状エポキシ樹脂組成物の低粘度性、成型時の硬化剤の揮発抑制等の観点から好ましい。
また、前記(B)成分のうち、酸無水物系硬化剤が、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−1,2,3,6−テトラハイドロフタル酸無水物、1−イソプロピル−4−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、前記(B)成分のうち、芳香族アミン系硬化剤が、下記一般式(3)、(4)、(5)及び(6)で表される芳香族アミン化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2013147549
(上記一般式(3)、(4)、(5)及び(6)中、R〜Rは、互いに独立に、炭素数1〜6の一価炭化水素基、CHS−及びCS−から選ばれる基である。)
このような酸無水物系硬化剤及び/又は芳香族アミン系硬化剤であれば、更に耐熱性に優れる硬化物となる液状エポキシ樹脂組成物となる。
更に、前記液状エポキシ樹脂組成物は、内部にイミダゾール化合物及び/又は有機リン化合物を内包する平均粒径0.5〜10μmのマイクロカプセルを硬化促進剤として含み、マイクロカプセルは、30℃のo−クレゾール中で、15分間で、内包するイミダゾール化合物及び/又は内包する有機リン化合物の70質量%以上を溶出するものであることが好ましい。
このようなマイクロカプセルを硬化促進剤として含み、イミダゾール化合物及び/又は有機リン化合物をマイクロカプセルから一定時間をかけて溶出し、硬化を促進することで、より耐熱衝撃性に優れる硬化物を与える液状エポキシ樹脂組成物となる。
また、本発明は、上記電磁波シールド性を有する半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止されたものであることを特徴とする半導体装置を提供する。
前記液状エポキシ樹脂組成物により封止された半導体装置は、広範囲の周波数領域、特に2〜10GHzの範囲でノイズを効果的に抑制され、また耐熱衝撃性等に優れた硬化物で封止されるため、信頼性の高いものとなる。
以上説明したように、本発明の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物であれば、広範囲の周波数領域、特に2GHzから10GHzの周波数でノイズを効果的に抑制することが可能である。すなわち、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は誘電率が高く、反射減衰性(S11)評価において、高い値を示す硬化物となる。また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は膜厚0.5mm以上で使用でき、塗布性に優れるため、従来の磁性ゴムシートと比べて取り扱いが容易である。さらに、本発明の各成分を所定の組合せとすることによって、耐熱性だけでなく強靭性が高く、半導体素子及び基盤との密着性に優れ、耐湿性に優れ、耐熱衝撃性に優れた硬化物を与えることができる。また、既存のフェライト組成物と比較して安価に製造することが可能となる。
燐片状の軟磁性軟磁性金属粉のSEM写真である。 球状の軟磁性軟磁性金属粉のSEM写真である。
以下、本発明の液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。前述のように、広範囲の周波数領域、特に2〜10GHzの範囲で電磁波吸収性を有し、かつ耐熱性及び耐熱衝撃性が高い硬化物を与え、その上取扱性に優れた液状エポキシ樹脂組成物が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を重ねた結果、以下の(A)〜(D)成分を含む液状エポキシ樹脂組成物であれば、広範囲の周波数領域、特に2GHzから10GHzの周波数でノイズを効果的に抑制できると共に、高い耐熱性だけでなく、著しく高い強靭性の硬化物が得られることを見出し、また、従来の磁性ゴムシートと比べて取り扱いが容易であることを見出して、本発明を完成させた。以下、本発明について詳細に説明する。
〔(A)エポキシ樹脂〕
本発明の電磁波シールド性を有する半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物に使用する(A)エポキシ樹脂としては、室温(25℃)で自己流動性のある液状のエポキシ樹脂であれば特に制限されないが、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、且つ、エポキシ当量が200以上であるエポキシ樹脂が挙げられ、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂や、下記式で示される様な分子中にフェニレン環等の芳香族環を1個有しかつ複数(2個又は3個)のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物及びその重合体を含むエポキシ樹脂などが挙げられる。
Figure 2013147549
ここで、Rは水素原子、又は炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3の一価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基等が挙げられる。また、xは1〜4の整数、特に1又は2である。
(A)成分のエポキシ樹脂は、加水分解性塩素が1000ppm以下、特に500ppm以下であり、ナトリウム及びカリウムがそれぞれ10ppm以下であるものが好ましい。加水分解性塩素が1000ppm以下であり、ナトリウム又はカリウムが10ppm以下であれば、半導体装置を高温高湿下に長時間放置しても、耐湿性の劣化を回避できる。
〔(B)硬化剤〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の(B)成分は、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤及び芳香族アミン系硬化剤から選ばれる少なくとも1つの硬化剤である。(B)硬化剤は1種単独で使用しても、又は2種以上を併用しても良い。
(フェノール系硬化剤)
(B)成分として使用されるフェノール系硬化剤は、特に制限されないが、室温(25℃)で液状であるか(A)成分に溶解して液状になるものが好ましい。特に、液状エポキシ樹脂組成物の低粘度性、成型時の硬化剤の揮発抑制等の観点から、下記一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤が好適に使用される。
Figure 2013147549
(上記一般式(2)中、Rは二重結合を有する炭素数10以下、好ましくは2〜10の脂肪族一価炭化水素基であり、特にビニル基、アリル基、ヘキセニル基等のアルケニル基が挙げられる。Rは下記式で示される二価炭化水素基のいずれか一つである。
Figure 2013147549
(式中、Rは水素原子又は炭素数10以下、好ましくは1〜5の一価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基等が挙げられる。))
なお、本発明の液状エポキシ樹脂組成物においては一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤以外に、1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個以上有するフェノール樹脂等のフェノール系硬化剤を併用してもよい。1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個以上有するフェノール樹脂として、具体的にはフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、パラキシリレン変性ノボラック樹脂、メタキシリレン変性ノボラック樹脂、オルソキシリレン変性ノボラック樹脂等のキシリレン変性ノボラック樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型樹脂、ビフェニルアラルキル型樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、トリフェノールプロパン型樹脂等のトリフェノールアルカン型樹脂及びその重合体等のフェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等のいずれのフェノール樹脂も使用可能である。
2種以上のフェノール系硬化剤を併用する場合、全(B)硬化剤中、一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤の含有量が25〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは75〜100質量%であることが好ましい。また、上記一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤の25℃における粘度は300Pa・s以下、特に100Pa・s以下であることが望ましい。粘度が300Pa・s以下であれば組成物の粘度が低くなり作業性が良好となる。この一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤の例としては、アリル基含有フェノール樹脂が挙げられ、具体的には明和化成社製MEH8000H、MEH8005が挙げられる。
また、上記一般式(2)に対して、そのRが水素原子又は炭素数10以下、好ましくは1〜5の二重結合を有しない脂肪族一価炭化水素基(特にアルキル基)であり、常温で固体のフェノール系硬化剤を使用することもできる。この様なフェノール系硬化剤としては例えば下記一般式(7)、(8)のものなどが挙げられる。
Figure 2013147549
この硬化剤の例としては明和化成社製DLシリーズが挙げられる。この硬化剤は常温で固体であるので、予め一般式(2)のフェノール系硬化剤と常温で液体となる割合で混合して用いることが望ましい。混合方法としては特に限定されないが、120℃で溶融混合することが望ましい。
また、下記一般式(9)の様なフェノールノボラック樹脂を併用してもよい。
Figure 2013147549
(上記一般式(9)中、sは0〜10、好ましくは0〜5の整数である。)
(酸無水物系硬化剤)
(B)成分として酸無水物系硬化剤を用いる場合、特に制限されないが、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−1,2,3,6−テトラハイドロフタル酸無水物、1−イソプロピル−4−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物及びこれらの2種以上の混合物から選ばれるものが好ましい。このような酸無水物系硬化剤と(A)成分の組み合わせであれば、耐熱性の高い硬化物が得られる。
(芳香族アミン系硬化剤)
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の(B)硬化剤として芳香族アミン系硬化剤を用いることが好ましい。液状のエポキシ樹脂組成物には硬化剤として酸無水物系硬化剤が好ましいと記載されている文献もあるが、実際上、本発明の(A)成分と芳香族アミン系硬化剤の組合せであれば、より耐熱性の高い硬化物が得られることが分った。本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いる芳香族アミン系硬化剤としては、例えば下記一般式(3)、(4)、(5)及び(6)で表される芳香族アミン化合物から選ばれる少なくとも1種が好適に使用できる。
Figure 2013147549
(上記一般式(3)、(4)、(5)及び(6)中、R〜Rは、互いに独立に、炭素数1〜6の一価炭化水素基、CHS−及びCS−から選ばれる基である。)
このような化合物として、具体的には、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノフェニルメタン等のジアミノジフェニルメタン系化合物、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン等のジアミノベンゼン系化合物などの芳香族アミンであることが好ましい。これらは1種を単独で用いても又は2種以上を混合して用いても差し支えない。
上記芳香族アミン系硬化剤の中で、常温(25℃)で液体のものは他の成分とそのまま配合しても問題ないが、固体のものはそのまま配合すると液状エポキシ樹脂組成物の粘度が上昇し、作業性が悪くなるおそれがあるため、予め(A)エポキシ樹脂と溶融混合することが好ましい。具体的には、後述する指定の配合割合で、70〜150℃の温度範囲で1〜2時間溶融混合することが望ましい。混合温度が70℃以上であれば芳香族アミン系硬化剤が十分に相溶し、150℃以下の温度であれば(A)エポキシ樹脂と反応して粘度上昇する可能性を回避できる。また、混合時間が1時間以上であれば芳香族アミン系硬化剤が十分に相溶し、粘度上昇を招く可能性を回避でき、2時間を以下であれば(A)エポキシ樹脂と反応し、粘度上昇する可能性を回避できる。
なお、本発明に用いられる(B)硬化剤の添加量は、(A)エポキシ樹脂を硬化させる有効量であり、(A)成分のエポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対して該エポキシ基と反応性を有する官能基(それぞれ、フェノール性水酸基、酸無水物基又はアミノ基)のモル量が、0.7〜1.2、好ましくは0.7〜1.1、更に好ましくは0.85〜1.05となる量である。配合モル比が0.7未満では未反応のエポキシ基が残存し、ガラス転移温度が低下、あるいは密着性が低下するおそれがある。一方、1.2を超えると液状エポキシ樹脂組成物の硬化物が硬く脆くなり、リフロー時又は温度サイクル時にクラックが発生するおそれがある。
〔(C)シリコーン変性エポキシ樹脂〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、(C)成分として、下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂を含む。
Figure 2013147549
(上記平均組成式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Qは炭素数3〜6のアルキレン基、オキシアルキレン基、又はヒドロキシオキシアルキレン基であり、rは4〜199の整数、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数である。)
上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基である。Qは炭素数3〜6のアルキレン基、オキシアルキレン基、又はヒドロキシオキシアルキレン基であり、例えば、−CHCHCH−、−OCH−CH(OH)−CH−O−CHCHCH−又は−O−CHCHCH−である。rは4〜199の整数、好ましくは19〜130、より好ましくは70〜109の整数であり、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数、好ましくはp及びq共に2〜5の整数である。
(C)シリコーン変性エポキシ樹脂は低応力化剤として作用するものであり、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜30質量部の範囲で配合されるものである。特に、液状エポキシ樹脂組成物中で海−島構造を形成させるために、上記配合量を満たし、かつ、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して(C)成分中のジオルガノポリシロキサン量が1〜20質量部、特に2〜15質量部含まれるように配合することが好ましい。これにより、本発明の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物の応力を低下し、半導体素子及び基板への密着性も向上することができる。ここで、(C)成分中のジオルガノポリシロキサン量は、下記式で示される。
ジオルガノポリシロキサン量=((C)シリコーン変性エポキシ樹脂のポリシロキサン部分の分子量/(C)シリコーン変性エポキシ樹脂の分子量)×添加量
特に、(C)成分は、平均組成式(1)において、Rが水素原子、Rがメチル基、rが70〜109の整数、p及びqが2〜5の整数、Qが−OCH−CH(OH)−CH−O−CHCHCH−であるものであることが好ましい。このような(C)成分であれば、より低応力化剤としての効果が高く、密着性が高く、合成コストの観点からも好ましいものとなる。
〔(D)燐片状軟磁性金属粉〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物に配合する(D)成分の燐片状軟磁性金属粉は、平均粒子径が5〜100μmであり、Si,Al及びFeを主成分とする、スピネル構造を有する燐片状の軟磁性金属粉である。
この(D)燐片状軟磁性金属粉の成分(金属元素)としては、主成分のSi,Al,及びFe以外に、Li,Mg,Ni,Cu,Zn,Mn,Ca,Co,Zr,Sn,Ba,Tiから選ばれる1種又は2種以上の金属元素が含まれていてもよいが、その含有割合は、Si,Al,及びFe以外の金属元素の合計で、Fe元素100モルに対して10モル未満(0〜10モル未満)であることが好ましい。Si,Al,及びFe以外の金属元素の含有割合は少ない方が好ましく、該含有割合の合計が、Fe元素100モルに対して10モル未満であれば十分な電磁波吸収性能を得られる。
なお、この(D)燐片状軟磁性金属粉は酸素原子を含有していてもよく、例えば、下記組成式で示されるもの等が好適に使用できる。
SiAlFe
(式中、0.1≦a≦10.0、0.3≦b≦6.0、93.0≦c≦99.5、0.1≦d≦1.0)
(D)燐片状軟磁性金属粉の粒子径は、例えば、電子顕微鏡観察やレーザー光回折法による粒度分布測定における累積質量平均径(d50)又はメジアン径等として求めることができる。(D)成分の平均粒子径は5〜100μmであり、好ましくは10〜60μm、より好ましくは20〜50μmである。平均粒子径が5μm未満だと、電磁波吸収性が低下し、100μmを超えると樹脂表面の平坦性が悪くなる。なお、燐片状軟磁性金属粉の粒径範囲(最小粒径−最大粒径)としては、0.1〜1000μm、特に0.5〜200μm程度であることが望ましい。
(D)成分の軟磁性金属粉の粒子形状としては、燐片状であり、燐片度が高いものが好ましい。球状の軟磁性金属粉だと電磁波吸収特性を出すために添加量を増やす必要があり、燐片度が高ければ十分な電磁波吸収性能が得られる。また、アスペクト比が1.1〜4.0程度のものが好適に使用される。燐片状の軟磁性金属粉の例を図1に示し、球状の軟磁性金属粉の例を図2に示す。
(D)成分の燐片状軟磁性金属粉の配合量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計100質量部に対して5〜100質量部であり、好ましくは10〜80質量部の範囲である。5質量部未満では、液状エポキシ樹脂組成物の硬化物の膨張係数が大きく、熱衝撃性試験においてクラックの発生を誘発させるおそれがある。一方、100質量部を超えると、液状エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなる。
(D)成分の燐片状軟磁性金属粉は、(A)成分のエポキシ樹脂との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメルカプトシランなどのシランカップリング剤を用いることが好ましい。ここで表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
〔溶剤〕
また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物の粘度、作業性向上を目的として溶剤を使用できる。溶剤の種類は特に限定されるものではないが、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコール等のケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート、カルビトールアセテート等のグリコールエステル等が挙げられる。液状エポキシ樹脂組成物の粘度を成形工程で作業性の良い粘度にする為には、溶剤がある程度高沸点であることが望ましい。中でも、イソホロン、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6ヘキサンジオールジアセテートが好適に使用できる。
〔硬化促進剤〕
更に、本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としては、特に制限されないが、内部にイミダゾール化合物及び/又は有機リン化合物を内包する平均粒径0.5〜10μmのマイクロカプセルを使用することができる。このマイクロカプセルは、30℃のo−クレゾール中で、15分間で、内包するイミダゾール化合物及び/又は内包する有機リン化合物の70質量%以上を溶出するものであることが好ましい。このようなマイクロカプセルを用いてイミダゾール化合物及び/又は有機リン化合物がマイクロカプセルから一定時間をかけて溶出し、硬化を促進することで、より耐熱衝撃性に優れる硬化物を与える液状エポキシ樹脂組成物となる。
〔その他〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、酸化チタン、シリカチタニア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、マグネシア、マグネシウムシリケート、タルク、マイカ等及びこれらの2種以上の組合せなどの(D)成分以外の無機質充填剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、カルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス等のワックス類、カーボンブラック等の着色剤、ハロゲントラップ剤等の添加剤を添加配合することができる。
〔液状エポキシ樹脂組成物の調整法〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、(A)〜(D)成分、必要に応じてその他の添加剤等を同時に又は別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶解、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を用いることができる。またこれら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
〔液状エポキシ樹脂組成物の硬化法〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の硬化方法は、公知の方法であってよいが、好ましくは、先に100〜120℃で0.5時間以上、特に0.5〜2時間加熱し、その後130〜250℃で0.5時間以上、特に0.5〜5時間の条件で熱オーブンキュアを行う。100〜120℃での加熱が0.5時間未満では、硬化後にボイドが発生する場合がある。また130〜250℃での加熱が0.5時間未満では、十分な硬化物特性が得られない場合がある。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物は、例えば透磁率の測定等において、0.5mm以上、特に、1.0mm〜4.0mmの厚さで、2GHz〜10GHzの範囲において優れた反射減衰性(S11)を示す、電磁波吸収性の硬化物となる。
なお、反射減衰性(S11)の測定は周知の方法で行うことができ、特に制限されないが、例えば、液状エポキシ樹脂組成物を硬化させて厚さ4.0mm、外径7mm、内径3mmの板状硬化物を作製し、この板状硬化物に所定の回数、コイルを巻き、ネットワークアナライザ(E8510C)を用いて測定することで行うことができる。
〔半導体装置〕
また、上記電磁波シールド性を有する半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、広範囲の周波数領域、特に2〜10GHzの範囲でノイズを効果的に抑制され、また耐熱衝撃性等に優れた硬化物で封止されるため、信頼性の高いものとなる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1〜6]
〔液状エポキシ樹脂組成物の調整〕
下記に示す各成分を、表1に記載の配合量(質量部)で、3本ロールを用いて均一に混練することにより、各液状エポキシ樹脂組成物(実施例1〜4、比較例1〜6)を得た。なお、下記(A)成分50質量部に対し、下記(B)成分40質量部であれば、(A)成分中のエポキシ基1モルに対して、(B)成分中のエポキシ基と反応性を有する官能基(アミノ基)のモル量は1.0となる。
得られた各液状エポキシ樹脂組成物について、以下に示す粘度測定、Tg(ガラス転移温度)、CTE1(膨張係数)、及びCTE2(膨張係数)測定、透磁率の測定を行った。その結果を表2に示す。
(A)エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(YDF−8170:東都化成(株)製)
(B)芳香族アミン系硬化剤:4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン(日本化薬(株)製)
(C)シリコーン変性エポキシ樹脂:下記一般式(10)で示されるエポキシ樹脂と下記一般式(11)で示されるハイドロジェンシロキサンとの共重合体
Figure 2013147549
(D)軟磁性金属粉:
(i)粒径範囲0.5〜100μm(平均粒径50μm)のアスペクト比1.1〜4.0の燐片状軟磁性金属粉(Si9.5Al5.5Fe94.90.1、大同特殊鋼製、商品名、BM−72)
(ii)最大粒径100μm、平均粒径50μmの球状軟磁性金属粉
(iii)最大粒径100μm、平均粒径50μmのFe−Mnフェライト粒子
(iV)最大粒径100μm、平均粒径50μmのFe−Znフェライト粒子
(その他の成分)
溶剤:メチルエチルケトン
シランカップリング剤:KBM403、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業(株)製)
Figure 2013147549
〔半導体装置の製造〕
次に、厚さ32mm×32mm×0.4mmのBT樹脂基板上に、10mm×10mm×0.3mmのシリコンチップを市販のダイボンド剤で固定し、チップの上に実施例1〜4、比較例1〜6の各液状エポキシ樹脂組成物を塗布した後、120℃で0.5時間、次いで165℃で3時間の条件で硬化させ、COB型の試験用半導体装置を作った。得られた各試験用半導体装置について、以下に示すプレッシャークッカーテスト、耐熱衝撃性試験を行った。その結果を表2に示す。
(1)粘度測定
BH型回転粘度計を用いて4rpmの回転数で25℃における液状エポキシ樹脂組成物の粘度を測定した。
(2)Tg(ガラス転移温度)、CTE1(膨張係数)、CTE2(膨張係数)測定
各液状エポキシ樹脂組成物を、120℃で0.5時間、次いで165℃で3時間硬化し、5mm×5mm×15mmの硬化物試験片を作製した。該試験片を用いて、TMA(熱機械分析装置)により毎分5℃の速さで昇温した時のTgを測定した。また、以下の温度範囲の膨張係数(CTE1、CTE2)を測定した。CTE1の温度範囲は50〜80℃、CTE2の温度範囲は200〜230℃である。
(3)プレッシャークッカーテスト
上記方法で得られた試験用半導体装置を、30℃/65%RHの条件下に192時間(JEDECレベル3の条件)置いた後に、最高温度265℃に設定したIRリフロー炉を5回通した後の、クラックの有無を、超音波映像診断機、C−SAM、SONIX社製を用いて調べた(表2中、IR265℃で示す。)。次いで、プレッシャークッカー中、121℃/2.1atmの環境下に336時間置いた後の剥離の有無を、上記同様に調べた(表2中、PCT336hrで示す。)。
(4)透磁率の測定
各液状エポキシ樹脂組成物を、120℃で0.5時間、次いで、165℃で3時間の条件で硬化させて厚さ4.0mmの板状硬化物を作製し、該板状硬化物を外径7mm、内径3mmにくり抜き、所定の回数、コイルを巻き、ネットワークアナライザ(E8510C)にて反射減衰率(S11)を測定した。−3dB以上の減衰率が得られた範囲を求めた。
(5)耐熱衝撃性試験
上記方法で得られた試験用半導体装置を、30℃/65%RHの条件下に192時間置いて、最高温度265℃に設定したIRリフロー炉を5回通した後、−65℃で30分、150℃で30分を1サイクルとし、500、1000、1500、2000及び2500サイクル後のクラックを、上記同様に、超音波映像診断機、C−SAM、SONIX社製を用いて調べ、クラックが観察されたチップの割合(%)を求めた。
Figure 2013147549
表2から分るように、実施例1〜4の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物は、広範囲の磁性吸収に優れると共に、耐熱性に優れる。また、実施例1〜4の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は信頼性の高いものとなった。また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は低粘度化が可能なことより、取り扱いが容易である。一方で、比較例1〜6のエポキシ樹脂組成物は粘度が高い液体又は固体であり取扱が難しく、また熱衝撃性試験による不良率が高く、反射減衰性も悪いものとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (9)

  1. 電磁波シールド性を有する半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物であって、
    (A)エポキシ樹脂、
    (B)フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤及び芳香族アミン系硬化剤から選ばれる少なくとも1つの硬化剤:前記(A)成分中のエポキシ基1モルに対して、前記硬化剤中の前記エポキシ基と反応性を有する官能基のモル量が0.7〜1.2になる量、
    (C)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂:前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、0.1〜50質量部、及び
    Figure 2013147549
    (上記平均組成式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Qは炭素数3〜6のアルキレン基、オキシアルキレン基、又はヒドロキシオキシアルキレン基であり、rは4〜199の整数、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数である。)
    (D)平均粒子径が5〜100μmであり、Si、Al及びFeを主成分とするスピネル構造を有する燐片状軟磁性金属粉:前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分の合計100質量部に対して5〜100質量部
    を含有するものであり、
    0.5mm以上の厚さで、2GHz〜10GHzの範囲において反射減衰性(S11)を示す、電磁波吸収性の硬化物を与えるものであることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(D)成分は、Si、Al及びFeを主成分とし、更に、Li,Mg,Ni,Cu,Zn,Mn,Ca,Co,Zr,Sn,Ba,及びTiから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含有し、該含有量の合計がFe元素100モルに対して10モル未満であり、かつスピネル構造を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(D)成分として、SiAlFe(式中、0.1≦a≦10.0、0.3≦b≦6.0、93.0≦c≦99.5、0.1≦d≦1.0)の組成であり、かつ、アスペクト比が1.1〜4.0である燐片状軟磁性金属粉を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分は、前記平均組成式(1)において、Rが水素原子、Rがメチル基、rが70〜109の整数、p及びqが2〜5の整数、Qが−OCH−CH(OH)−CH−O−CHCHCH−であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記(B)成分のうち、前記フェノール系硬化剤が、下記一般式(2)で表されるフェノール樹脂を25〜100質量%含有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2013147549
    (上記一般式(2)中、Rは二重結合を有する炭素数10以下の脂肪族一価炭化水素基、Rは下記式で示される二価炭化水素基のいずれかである。
    Figure 2013147549
    (式中、Rは水素原子又は炭素数10以下の一価炭化水素基である。))
  6. 前記(B)成分のうち、前記酸無水物系硬化剤が、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−1,2,3,6−テトラハイドロフタル酸無水物、1−イソプロピル−4−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  7. 前記(B)成分のうち、前記芳香族アミン系硬化剤が、下記一般式(3)、(4)、(5)及び(6)で表される芳香族アミン化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2013147549
    (上記一般式(3)、(4)、(5)及び(6)中、R〜Rは、互いに独立に、炭素数1〜6の一価炭化水素基、CHS−及びCS−から選ばれる基である。)
  8. 更に、前記液状エポキシ樹脂組成物は、内部にイミダゾール化合物及び/又は有機リン化合物を内包する平均粒径0.5〜10μmのマイクロカプセルを硬化促進剤として含み、
    前記マイクロカプセルは、30℃のo−クレゾール中で、15分間で、前記内包するイミダゾール化合物及び/又は前記内包する有機リン化合物の70質量%以上を溶出するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電磁波シールド性を有する半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止されたものであることを特徴とする半導体装置。

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