JP6125775B2 - 液状封止用エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電子部材 - Google Patents

液状封止用エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電子部材 Download PDF

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Description

本発明は液状封止用エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電子部材に関する。
従来、半導体装置等に各種部品を実装する際等に用いられる封止材料として、エポキシ樹脂等の液状の樹脂が用いられている。近年、半導体装置の小型化・高密度化に伴い、小型かつ薄型のパッケージが開発されている。そのため、半導体装置等におけるチップと基板間のギャップが減少し、今後も益々の狭ギャップ化が予想されている。また、携帯電話やタブレット型PC等のように半導体装置が搭載された機器を持ち運ぶ機会が増え、落下等による衝撃から半導体装置を保護する必要も生じてきている。その結果、封止材料に関しても、狭ギャップ化に対応でき、かつ、耐衝撃性の要求にも応え得るものが求められている。
半導体装置における狭ギャップ化に対応するものとして、例えば、特許文献1には、平均粒径が0.5〜3μmかつ最大粒径10μm以下の球状シリカ粉末を必須成分とするフリップチップの樹脂封止に使用する液状封止用樹脂組成物が開示されている。特許文献2には、平均粒径が10μm以下である無機粒子と、有機チタン化合物と、リン酸エステルを含む封止用樹脂組成物が開示されている。特許文献3には、コアシェルゴム粒子と無機充填剤を含む液状樹脂組成物を用いて作製した半導体装置が開示されている。
特許第2975348号公報 特開2012−036240号公報 国際公開第2011/013326号パンフレット
しかしながら、特許文献1〜3等に記載の技術では、狭いギャップへの液状封止用樹脂の浸透性は向上するかもしれないが、液状封止用樹脂で封止した半導体装置の落下衝撃試験や熱サイクル試験等を行うと、硬化したエポキシ樹脂組成物に負荷がかかるため、クラック等が入りやすく、封止材料として十分に機能しない。また、液状封止用樹脂にフィラー等の充填剤を添加すると、金属への接着性が低下する傾向にあり、平均粒径の小さな充填剤を添加する程この低下が顕著になる傾向にある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、狭ギャップの浸透性に優れた液状封止用エポキシ樹脂組成物であり、その硬化物が、金属への接着性、耐落下衝撃性、及び冷熱サイクル性に優れた液状封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定構造を有するエポキシ樹脂と、硬化剤と、特定の平均粒径の充填剤とを含有する液状封止用エポキシ樹脂組成物とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
[1]
下記式(1)で表されるエポキシ樹脂

1−(OR1m−O−R2−O−(R1O)n−G2 (1)

(式中、m及びnは、それぞれ独立に、1〜11の整数であり、かつ、3(m+n)≦12を満たす。(m+n)個のR1は、それぞれ独立に、炭素原子数3〜10のアルキレン基を表し、R2は、炭素原子数6〜30の2価の芳香族基を表し、G1は、グリシジル基を表し、G2は、水素原子又はグリシジル基を表す。)と、
(B)硬化剤と、
(C)平均粒径0.05μm〜30μmの充填剤と、
を含む、液状封止用エポキシ樹脂組成物。
[2]
前記(C)充填剤が、平均粒径が0.1μm〜30μmの無機充填剤である、[1]に記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物。
[3]
[1]又は[2]に記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
[4]
[3]に記載の硬化物を含む電子部材。
本発明によれば、狭ギャップの浸透性に優れた液状封止用エポキシ樹脂組成物であり、その硬化物が、金属への接着性、耐落下衝撃性、及び冷熱サイクル性に優れた液状封止用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
実施例で作製した、半導体チップが搭載された半導体装置の断面概略図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物は、
(A)芳香族部位と脂肪族部位とを含み、芳香族部位:脂肪族部位の比率が、分子量換算で5:95〜80:20であるエポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)平均粒径0.05μm以上30μm以下の充填剤と、
を含む、液状封止用エポキシ樹脂組成物である。以下、各成分を詳細に説明する。
<(A)エポキシ樹脂>
(A)エポキシ樹脂は、芳香族部位と脂肪族部位から構成され、かつ芳香族部位:脂肪族部位の比率が、分子量換算で5:95〜80:20である。(A)エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2個以上含有することが好ましい。
芳香族部位とは、(A)エポキシ樹脂の分子構造中の芳香環で示される部位のことである。芳香族部位としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェニレン基、ナフチレン基等の1価以上の芳香族炭化水素基や、ピリジル基等のヘテロ原子を含有する1価以上の芳香族基が挙げられる。また、ビフェニル基、ビフェニレン基のように、2個以上の芳香環が直接結合した1価以上の芳香族基が挙げられる。なお、例えば、芳香環の水素が臭素化された芳香環の場合、臭素原子は芳香族部位には含まないものとする。
脂肪族部位とは、(A)エポキシ樹脂の分子構造から、上記芳香族部位及びエポキシ基を除いた部位を表す。脂肪族部位としては、例えば、アルキレンオキシド基、アルキル基、エーテル基、アミド基、及びエステル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基であることが好ましい。このような構造を有することで、流動性を確保しつつ耐熱性を維持できる。より好ましくは、耐衝撃性の観点から、アルキレンオキシド基、アルキル基、エーテル基であり、更に好ましくはアルキレンオキシド基である。
(A)エポキシ樹脂における芳香族部位:脂肪族部位の比率は、分子量換算で5:95〜80:20である。脂肪族部位の比率が95を超えると耐熱性が不十分となり、20未満であると耐衝撃性といった外部応力に対する性能が不十分となる。芳香族部位:脂肪族部位の比率は、好ましくは40:60〜75:25であり、より好ましくは45:65〜65:35である。芳香族部位と脂肪族部位の比率を上記範囲とすることで、耐熱性及び耐衝撃性が一層向上する。ここに記載の比率は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
(A)エポキシ樹脂の構造としては、好ましくは下記式(1)で表されるものである。

−(OR−O−R−O−(RO)−G (1)

(式中、m及びnは、それぞれ独立に、1〜11の整数であり、かつ、3≦(m+n)≦12を満たす。(m+n)個のRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、Rは、炭素原子数6〜30の2価の芳香族基を表し、Gは、グリシジル基を表し、Gは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキレン基であれば、特に限定されない。Rは、直鎖状でもよいし、分岐状でもよい。さらには、Rは、不飽和結合基を含んでいてもよい。炭素数は、可撓性と耐熱性のバランスの観点から、好ましくは1〜6であり、製造容易性の観点から、より好ましくは1〜3である。Rの好ましい具体例としては、例えば、−C−、−C−が挙げられる。
式(1)中、Rは、炭素数6〜30の2価の芳香族基であれば、特に限定されない。Rは、粘度の観点から、炭素数6〜20の2価の芳香族基であることが好ましく、製造容易性の観点から、炭素数6〜15の2価の芳香族基であることがより好ましい。
の具体例としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブロモビスフェノールA、ビフェニル、テトラメチルビフェニル、テトラブロモビフェニル、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、フェニルベンゾエート、ジフェニルスルフィド、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホン、ジフェニルジスルフィド、ナフタレン、アントラセン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、ジブチルヒドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、及びカテコールからなる群より選ばれる1種に由来にする2価の芳香族基等が挙げられる。
は、耐熱性の観点から、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、及び下記式(2)で表される構造を有する2価の芳香族基からなる群より選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、カルボキシル基、又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、Xは、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO−、又は−S−S−を表す。)
及びRは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、カルボキシル基、又は炭素数1〜12のアルキル基であればよいが、それらの中でも、安定的な原料供給の観点から、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基であることが好ましい。
式(2)で表される構造を有する2価の芳香族基としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブロモビスフェノールA、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、フェニルベンゾエート、ジフェニルスルフィド、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホン、及びジフェニルジスルフィドからなる群より選ばれる1種に由来にする2価の芳香族基が挙げられる。
式(1)のm及びnは、それぞれ独立に、1〜11の整数であり、かつ、3≦(m+n)≦12の関係を満たす。(m+n)が3未満であると、十分な可撓性が得られない。また、(m+n)が12を超えると、高粘度となり、ハンドリング性が悪い。
(A)エポキシ樹脂中、式(1)の3≦(m+n)≦12を満たす成分(以下、「a成分」という場合がある)の割合は、好ましくは30モル%以上70モル%以下であり、より好ましくは40モル%以上60モル%以下である。a成分の割合が30モル%以上であれば、十分な可撓性が得られる傾向にある。また、a成分の割合が70モル%以下であれば、一層低粘度となり、ハンドリング性が向上する傾向にある。
式(1)中の(RO)で表される構造を有することで、(A)エポキシ樹脂の硬化物は、金属との接着性がより一層向上する。そのため、落下衝撃試験や冷熱サイクル試験を行っても、はがれが生じることなく、半導体装置の性能を維持できるものと推測される(但し、本実施形態の作用効果はこれに限定されない)。
<(B)硬化剤>
(B)硬化剤は、その他の成分との配合時に流動性を損なわずに本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物とすることができ、かつ、(A)エポキシ樹脂を硬化し得るものであれば、特に構造は限定されない。(B)硬化剤の具体例としては、例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、潜在性硬化剤等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。脂肪族アミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルへキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、 1,2−ジアミノシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性フェノールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮合ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮合ノボラック樹脂、アリルアクリルフェノール樹脂等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
潜在性硬化剤としては、イミダゾール系潜在性硬化剤やアミンアダクトをカプセル化したもの等が挙げられる。これらは市販品を用いることもでき、例えば、「PN23」、「PN40」、「PN−H」といったアミキュアシリーズ(味の素ファインテクノ社製)や「HX−3088」、「HX−3941」、「HX−3742」といったノバキュアシリーズ(旭化成イーマテリアルズ社製)が挙げられる。
これらの(B)硬化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、一部を「硬化剤」とし、残部を「硬化促進剤」と呼ぶ場合もある。ここでいう硬化剤とは、熱や光によりエポキシ樹脂と反応し、架橋していく機能を有するものをいい、硬化促進剤とは、主には、それ自身はエポキシ樹脂と反応しないが、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を起こりやすくする機能を有するものをいう。
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物中の(B)硬化剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは2〜40質量%であり、より好ましくは3〜30質量%であり、更に好ましくは4〜20質量%である。(B)硬化剤の含有量を上記範囲内とすることにより、液状封止用エポキシ樹脂組成物の反応性、機械的特性、及び耐熱性等に優れる。
<(C)充填剤>
(C)充填剤は、平均粒径0.05μm〜30μmである。平均粒径が0.05μm未満であると、十分量の(C)充填剤を組成物中に配合することができず、十分な耐リフロー性等が得られない。また、平均粒径が30μmを超えると、狭ギャップにおいて樹脂つまりが発生してしまう。平均粒径は、好ましくは0.1μm〜30μmであり、より好ましくは0.1μm〜20μmであり、更に好ましくは0.1μm〜10μmである。(C)充填剤の平均粒径が上記範囲内であると、(A)エポキシ樹脂と(C)充填剤との併用により、液状封止用エポキシ樹脂組成物の硬化時の内部応力を抑制することができ、封止対象である金属製部品との接着性がより向上するものと考えられる(但し、本実施形態の作用効果はこれに限定されない。)。(C)充填剤の平均粒径は、乾式の粒度分布計によって測定される平均粒径d50の値である。
(C)充填剤は、無機充填剤であることが好ましい。無機充填剤としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、溶融シリカ(溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ)、合成シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;亜硫酸カルシウム等亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物等が挙げられる。これらの中でも、液状封止用エポキシ樹脂組成物の耐熱性、耐湿性、強度等を向上できる観点から、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ粉末が好ましい。これらを用いることで、熱線膨張係数を抑制できるため、冷熱サイクル試験の改善等が見込まれる。これらの(C)充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物中の(C)無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは40〜90質量%であり、より好ましくは60〜85質量%である。(C)無機充填剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、優れた低線膨張が実現できる。(C)無機充填剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、弾性率の上昇をより抑えることができる。
(C)無機充填剤は、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。シランカップリング剤を液状封止用エポキシ樹脂組成物中に添加することでも、その性能は発揮されるが、シランカップリング剤で(C)無機充填剤の表面処理を行うことで、液状封止用エポキシ樹脂組成物の一層の低粘度化を実現できる。
シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、接着強度の観点から、重合性官能基を有するシランカップリング剤が好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物には、上記成分以外に(A)エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂(以下、「(D)その他のエポキシ樹脂」ともいう。)を含んでもよい。
(D)その他のエポキシ樹脂の種類としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミン等の芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ−アジペイド等の脂環式エポキシ、シクロアルカン骨格を有するエポキシ樹脂、アルキル末端エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンオキシド等の脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
(A)エポキシ樹脂と(D)その他のエポキシ樹脂との総量に対する(D)その他エポキシ樹脂の含有量は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、上記以外の成分として、液状低応力剤、希釈剤、難燃剤、レべリング剤等の添加剤を更に含んでもよい。
液状低応力剤としては、ポリアルキレングリコール類やそのアミン変性体、ポリブタジエン、アクリロニトリル等の有機ゴム、ジメチルシロキサン等のシリコーンゴム、シリコーンオイル等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液状低応力剤の含有量は、特に限定されないが、(A)エポキシ樹脂に対して、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。
希釈剤としては、アクリル基を含有した多官能アクリレート化合物や一官能のグリシジル基を含有したグリシジル型反応性希釈剤が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
希釈剤の含有量は、特に限定されないが、(A)エポキシ樹脂に対して、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
難燃剤としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤等が挙げられる。臭素系難燃剤としては、テトラブロモフェノールが挙げられる。リン系難燃剤としては、9、10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファナンスレン−10−オキサイド及びそのエポキシ誘導体、トリフェニルホスフィンやその誘導体、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物が挙げられる。窒素系難燃剤としては、グアニジン系難燃剤、トリアジン構造含有フェノール、ポリリン酸メラミン、イソシアヌル酸等が挙げられる。無機系難燃化合物としては、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムが挙げられ、耐熱性の観点から水酸化マグネシウムが好ましい。
難燃剤の含有量は、特に限定されないが、(A)エポキシ樹脂に対して、好ましくは5〜200質量%であり、より好ましくは10〜100質量%である。
レベリング剤としては、例えば、シリコン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤等が挙げられる。
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物は液状である。ここでいう「液状」とは、好ましくは25℃での粘度が1000Pa・s以下であることをいう。液状の封止用エポキシ樹脂組成物であることで、半導体チップ等の電子部品と基板等の間隙が小さい場合であっても、十分に充填することができ、確実に封止することができる。本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物の粘度は、好ましくは25℃において100Pa・s以下であり、より好ましくは50Pa・s以下である。ここでいう粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
<液状封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法>
本実施態様の液状封止用エポキシ樹脂組成物は、上述した各成分、添加剤等をプラネタリーミキサー、三本ロール、二本熱ロール、ライカイ機等の装置を用いて分散混練したのち、真空下で脱泡処理して製造することができる。
<硬化物>
本実施形態の硬化物は、上記した液状封止用エポキシ樹脂組成物を加熱等により硬化させることで得ることができる。本実施形態の硬化物は、半導体装置のパッケージ等に使用できる電子部材等として用いることができる。すなわち、硬化物を含む電子部材である。電子部材としては、例えば、アンダーフィル材、ダイアタッチ材、放熱材、積層材等が挙げられる。
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いることで、上記電子部材が搭載された半導体装置とすることができる。このような半導体装置の具体例としては、例えば、フリップチップ型半導体装置等が挙げられる。
フリップチップ型半導体装置において、液状封止用エポキシ樹脂組成物は、半田電極が具備された半導体チップを基板に接続した後に、該半導体チップと該基板の間隙を封止する用途等に用いられる。この場合、一般的に、基板側の半田電極が接合する部位以外の領域には半田が流れ出ることがないように、ソルダーレジストが形成されている。
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、半田電極を有する半導体チップを基板に接続し、半導体チップと基板との間隙に本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を充填する。
本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を上記間隙に充填する方法としては、毛細管現象を利用する方法が挙げられる。具体的には、半導体チップの一辺に本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を塗布した後、半導体チップと基板との間隙に毛細管現象によって流し込む方法、半導体チップの2辺に本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を塗布した後、半導体チップと基板との間隙に毛細管現象によって流し込む方法、半導体チップの中央部にスルーホールを開けておき、半導体チップの周囲に本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を塗布した後、半導体チップと基板との間隙に毛細管現象によって流し込む方法等が挙げられる。また、本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を、一度に全量を塗布して充填するのではなく、数回に分けて塗布と充填とを繰り返す方法等も行われる。さらには、ポッティング、印刷等の方法を用いることもできる。
次に、充填した本実施形態の液状封止用エポキシ樹脂組成物を硬化させることによって、半導体チップと基板との間をその硬化物で封止し、半導体装置を得ることができる。
封止させる硬化条件は、特に限定されないが、例えば、100〜200℃で1〜12時間加熱することにより硬化させることができる。さらに、例えば、100℃で1時間加熱した後、引き続き150℃で2時間加熱するような、段階的に温度を変化させながら加熱硬化を行ってもよい。
半導体装置としては、上記したフリップチップ型半導体装置のほかに、キャビティーダウン型BGA(BaII Grid Array)、POP(Package on Package)型BGA(BaII Grid Array)、TAB(Tape Automated Bonding)型BGA(BaII Grid Array)、CSP(Chip ScaIe Package)等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
以下の試薬については、市販品を特に精製することなく使用した。平均粒径はレーザー回折式粒度分布測定装置 「HELOS&RODOS」(Sympatec社製)を用いて、分散圧2.0barで測定を行った。
シリカA(龍森社製、「AC−5V」、平均粒径5μm)
シリカB(龍森社製、「MSS−6」、平均粒径24μm)
シリカC(電気化学工業社製、「DAW−45」、平均粒径43μm)
アルミナ(日本軽金属社製、「BF013」、平均粒径1.2μm)
窒化ホウ素(電気化学工業社製、「デンカホロン GP」、平均粒径8.0μm)
コアシェル(コア:シリコーン樹脂、シェル:アクリル樹脂からなる有機物粒子のコア・シェル構造粒子、「ジェニオパールP52」、平均粒径0.16μm)
硬化剤A(ジエチレントルエンジアミン(芳香族アミン)、「エタキュア100」)
硬化剤B(アリル基含有フェノール(液状フェノール樹脂)、「MEH8000H」)
硬化剤C(4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(酸無水物)、「リカシッドMHT」)
硬化促進剤(アミンアダクトをコアとするカプセル型硬化促進剤、旭化成イーマテリアルズ社製、「HX−3941HP」)
エポキシシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製、「KBM−403」)
樹脂G(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、旭化成イーマテリアルズ社製、「AER260」、芳香族部位:脂肪族部位=85:15)
樹脂H(1,6−ヘキサメチレンジグリシジルエーテル、三菱化学社製、「YED216」、芳香族部位:脂肪族部位=0:100)
樹脂I(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬社製、「NC3000」、芳香族部位:脂肪族部位=95:5)
次に、各々の測定方法、評価方法及び試験方法について説明する。
(1)粘度
JIS K7117−2(E型粘度計)に準拠し、硬化前のエポキシ樹脂組成物の25℃における粘度を測定した。
(2)銀メッキへの接着性
銀メッキを施した標準試験片C1100P(日本テストパネル社製)の表面に厚さ100μmのフッ素樹脂製耐熱テープを張り付け、標準試験片の表面に25mm×5mmの隙間が形成するようマスキングした。その隙間(25mm×5mm)にエポキシ樹脂組成物を塗布し、もう1枚の標準試験片C1100Pで挟み込んだ。それを、180℃で2時間の条件で加熱することで、エポキシ樹脂組成物を熱硬化させてサンプルを得た。得られたサンプルについて23℃、50%RHの恒温恒湿室にて、引張試験器AGS−H 5kNを用いて、引張せん断測定を行った。
(3)浸透試験
厚さ20μmのフッ素樹脂製シール2枚を30mm間隔で挟んだ2枚のガラス板を、150℃のホットプレート上に水平に置き、上部ガラス片の温度が145℃に達したところで、エポキシ樹脂組成物をガラス板の隙間部に垂らして15分間保持し、エポキシ樹脂組成物が浸透した距離を測定した。評価は以下の基準で行った。
◎:30〜100mm浸透し、均一に硬化した。
○:15〜30mm浸透し、均一に硬化した。
△:30〜100mm浸透したが、硬化物の濁りやムラが発生した。
×:15mm以下の浸透、又は硬化せずに100mm以上流れてしまった。
(4)硬化物落下試験
後述する方法にて製造した半導体装置を、コンクリート上100cmの高さから水平に10回落下させ、落下後の半導体装置内のエポキシ樹脂組成物の剥離の有無を、超音波探傷装置(日立建機社製、型式mi−scope hyper)を用いて確認した。評価は以下の基準で行った。
◎:10回行っても剥離しなかった。
○:6〜9回目で剥離した。
△:2〜5回目で剥離した。
×:1回目で剥離が起こった。
(5)耐リフロー性
後述する方法にて製造した半導体装置を、JEDECレベル3の吸湿処理(30℃、相対湿度60%で168時間処理)を行った後、IRリフロー処理(ピーク温度260℃、処理時間:60秒)を3回施した。そして、超音波探傷装置(日立建機社製、型式mi−scope hyper)を用いて、半導体装置内部でのエポキシ樹脂組成物の剥離の有無を確認した。評価は以下の基準で行った。
○:剥離が観察されなかった。
×:剥離が観察された。
(6)冷熱サイクル性
後述する方法にて製造した半導体装置に、−55℃で30分間保持し、続いて20分間で125℃まで昇温し、さらに125℃で30分間保持することを1サイクルとした冷熱サイクル処理を、1000サイクル行った。その際、250サイクル毎に超音波探傷装置(日立建機社製、型式mi−scope hyper)を用いて、半導体装置内部の半導体チップとエポキシ樹脂組成物との界面の剥離の有無を確認した。評価は以下の基準で行った。
◎:1000サイクル行っても剥離が観察されなかった。
○:750サイクル迄行った時点で剥離が観測された。
△:500サイクル迄行った時点で剥離が観測された。
×:250サイクル迄行った時点で剥離が観察された。
(7)芳香族部位と脂肪族部位の比率の算出
エポキシ樹脂組成物のH−NMR測定を実施し、構造の特定を行った。そして、6.5−7.2ppmの芳香族部位のピークと、2.5−4.0ppmのアルキレンオキシド基の積分比から、アルキレンオキシド基の繰り返し単位を算出した。さらに、後述するエポキシ当量より分子量を算出して、芳香族部位と脂肪族部位の分子量をそれぞれ算出し、芳香族部位:脂肪族部位の比率を求めた。
H−NMRの測定条件は、以下の通りである。
核磁器共鳴装置「JNM−ECS400」(JEOL社製)を用いて、観測周波数400MHz、測定温度24℃、積算回数512回、溶媒として重クロロホルム(TMS基準)を用いた測定条件にて、H−NMR測定を行った。
(8)エポキシ当量
JIS K7236に準拠して、エポキシ当量を測定した。
[製造例1]
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、1モルのビスフェノールAに対して5モルのプロピレンオキサイドが付加反応して得られたジアルコール270g(水酸基1当量)、エピクロロヒドリン463g(5.00モル)、及び50質量%テトラメチルアンモニウムクロリド水溶液(10g)を混合し、減圧下に加熱して60〜65℃で還流を行った。そして、50質量%水酸化ナトリウム水溶液400gを2時間かけて滴下した。滴下の際、水をエピクロロヒドリンとの共沸混合物として連続的に除去するとともに、凝縮したエピクロロヒドリン層のみを連続的に反応器に戻した。その後、さらに2時間反応させた後、混合物を冷却し、水洗を繰り返して副生した塩化ナトリウムを除去した。そして、過剰のエピクロロヒドリンを減圧下で蒸留して除去し、粗樹脂を得た。 得られた粗樹脂100gをメチルイソブチルケトン200gに溶解させ、0.22gの50質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間反応させ、水洗によりメチルイソブチルケトンを留去して、式(1)で表されるエポキシ樹脂Aを得た(R=プロピレンオキサイド、R=ビスフェノールA、G=グリシジル基)。得られたエポキシ樹脂Aは、エポキシ当量371g/eq、25℃での粘度は952m・Pasであった。H−NMRにより、芳香族部位と脂肪族部位の比率を求めたところ、芳香族部位:脂肪族部位の比率は、分子量換算で、53:47であった。式(1)中の(m+n)は5であった。
[製造例2]
1モルのビスフェノールAに対して5モルのプロピレンオキサイドが付加反応して得られたジアルコール270g(水酸基1当量)を使用する代わりに、1モルのビスフェノールAに対して2モルのプロピレンオキサイドが付加反応して得られたジアルコール172g(水酸基1当量)を使用した点以外は、製造例1と同様の操作を行い、式(1)で表されるエポキシ樹脂Bを得た(R=プロピレンオキサイド、R=ビスフェノールA、G=グリシジル基)。得られたエポキシ樹脂Bは、エポキシ当量252g/eq、25℃での粘度は2000m・Pasであった。H−NMRにより、芳香族部位と脂肪族部位の比率を求めたところ、芳香族部位:脂肪族部位の比率は、分子量換算で、76:24であった。式(1)中の(m+n)は2であった。
[製造例3]
温度計、撹拌機を取り付けたフラスコにビスフェノールA228gとトリエチレングリコールジビニルエーテル172gを仕込み、1時間かけて120℃まで昇温させた後、さらに120℃で6時間反応させて透明半固形の変性多価フェノール類400gを得た。得られた変性多価フェノール類400g(水酸基当量194g/eq)、エピクロロヒドリン925g、n−ブタノール185gを仕込み、溶解させた。そして、減圧下に加熱して60〜65℃で還流を行った。50質量%水酸化ナトリウム水溶液400gを2時間かけて滴下した。滴下の際、水をエピクロロヒドリンとの共沸混合物として連続的に除去するとともに、凝縮したエピクロロヒドリン層のみを連続的に反応器に戻した。その後、さらに2時間反応させた後、混合物を冷却し、水洗を繰り返して副生した塩化ナトリウムを除去した。そして、過剰のエピクロロヒドリンを減圧下で蒸留して除去し、粗樹脂を得た。
得られた粗樹脂100gをメチルイソブチルケトン200gに溶解させ、0.22gの50質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間反応させ、水洗によりメチルイソブチルケトンを留去して、下記式で表されるエポキシ樹脂Cを得た。エポキシ当量447g/eq、25℃での粘度は35000mPa・sであった。H−NMRにより、芳香族部位と脂肪族部位の比率を求めたところ、芳香族部位:脂肪族部位の比率は、分子量換算で、60:40であった。
(式中、pは、1以上の整数である。)
[製造例4]
ビスフェノールA240gの代わりにレゾルシノール120gを使用した点以外は、製造例3と同様の操作を行い、下記式で表されるエポキシ樹脂Dを得た。エポキシ当量286g/eq、25℃での粘度は12000mPa・sであった。H−NMRにより、芳香族部位と脂肪族部位の比率を求めたところ、芳香族部位:脂肪族部位の比率は、分子量換算で、38:62であった。
(式中、qは、1以上の整数である。)
[製造例5]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量189)100gを入れたセパラブルフラスコに、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付け、フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下150℃に昇温し、150℃到達後30分間撹拌を続けた。反応温度を150℃に維持したまま、ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成ケミカルズ社製、「デュラネート50M」)76.8gとテトラブチルアンモニウムクロライド(和光純薬社製、「Practical Grade」)0.20gの混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を150℃に保ったまま2時間撹拌を続け下記式で表されるエポキシ樹脂Eを得た。エポキシ当量は952g/eq、25℃での粘度は200000mPa・sであった。H−NMRにより、芳香族部位と脂肪族部位の比率を求めたところ、芳香族部位:脂肪族部位の比率は、分子量換算で、7:93であった。
(式中、rは、1以上の整数である。)
[比較製造例1]
1モルのビスフェノールAにプロピレンオキサイドが5モル付加反応して得られたジアルコール270g(水酸基1当量)を使用する代わりに、1モルのビスフェノールAに対して2モルのエチレンオキサイドが付加反応して得られたジアルコール120g(水酸基1当量)を使用した点以外は、製造例1と同様の操作を行い、式(1)で表されるエポキシ樹脂Fを得た(R=エチレンオキサイド、R=ビスフェノールA、G=グリシジル基)。得られたエポキシ樹脂Eは、エポキシ当量221g/eq.、25℃での粘度は18200m・Pasであった。H−NMRにより、芳香族部位と脂肪族部位の比率を求めたところ、芳香族部位:脂肪族部位は、分子量換算で、81:19であった。式(1)中の(m+n)は、2であった。
[実施例1]
(封止用エポキシ樹脂組成物の製造)
(A)エポキシ樹脂A100g、(B)硬化剤A(「エタキュア100」)12.1g、(C)シリカA(龍森社製、「AC−5V」、平均粒径5μm)150gを配合し、さらに硬化促進剤として、カプセル化されたイミダゾールアダクト(旭化成イーマテリアルズ社製、「HX−3941HP」)5gとエポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製、「KBM−403」)1.4gを配合し、プラネタリーミキサー(東洋精機社製)と3本ロールを用いて、室温で混合し、真空脱泡処理することにより、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
(半導体装置の製造)
上記で得られた封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体装置1を作製した。図1は、実施例で作製した、半導体チップ3が搭載された半導体装置1の断面概略図を示す。図1に記載されているように、予め基板2(住友ベークライト社製、「ELC4782」)と半導体チップ3(パナソニック社製、「BGA377」)が半田バンプ4(三菱マテリアル社製、「MULαS」;半田バンプ4の組成はSn/Ag/Cu)によってフリップチップ接続されている半導体チップ搭載基板とした。半導体チップ3のサイズは10mm×10mm×0.2mmで、基板2のサイズは20mm×20mm×0.4mmであった。半導体チップ3と基板2とは、176個の半田バンプ4によりペリフェラル(外周部のみにバンプがある形状)に接合されており、半田バンプ4の高さは0.08mm、ピッチ間距離は0.04mmであった。半導体チップ3の回路保護膜5には窒化珪素(SiN)が用いられ、基板2上のソルダーレジスト6には太陽インキ社製の「AUS308」が用いられた。
上述の半導体チップ3が搭載された基板2に封止用エポキシ樹脂組成物を充填する前にプラズマ処理を行った。プラズマ装置としては、March Plasma Systems社製、「AP−1000」を用い、ガス種:Ar、ガス流量:50mL/m、処理強さ:350W、処理時間:420秒、ダイレクトプラズマモードの条件で処理を行った。その後、上述の半導体チップ3が搭載された基板2を110℃の熱板上で加熱し、半導体チップ3の一辺に封止用エポキシ樹脂組成物7を12mgディスペンスし、基板2と半導体チップ3の間のギャップ内を充填させた後、150℃のオーブンで120分間維持して、封止用エポキシ樹脂組成物7を熱硬化させて半導体装置1を得た。得られた封止用エポキシ樹脂組成物7、その硬化物及び半導体装置1の評価を行い、その結果を表1に示した。
[実施例6〜7、参考例2〜5、8〜9]
表1に記載の配合で封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置を得た以外は、実施例1と同様の方法により各種評価を実施した。その結果を表1に示す。
[比較例1〜6]
表2に記載の配合で封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置を得た以外は、実施例1と同様の方法により各種評価を実施した。結果を表2に示す。
表1より明らかなように、実施例1、6〜7、参考例2〜5、8〜9は、浸透性に優れ、かつ、その硬化物は耐落下衝撃性、金属への接着性、耐リフロー性、冷熱サイクル性のいずれもが良好であることが確認された。
本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物は、アンダーフィルやモールディング等の半導体封止材等に好適に利用できる。
1…半導体装置、2…基板、3…半導体チップ、4…半田バンプ、5…回路保護膜、6…ソルダーレジスト、7…封止用エポキシ樹脂組成物

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表されるエポキシ樹脂

    1−(OR1m−O−R2−O−(R1O)n−G2 (1)

    (式中、m及びnは、それぞれ独立に、1〜11の整数であり、かつ、3(m+n)≦12を満たす。(m+n)個のR1は、それぞれ独立に、炭素原子数3〜10のアルキレン基を表し、R2は、炭素原子数6〜30の2価の芳香族基を表し、G1は、グリシジル基を表し、G2は、水素原子又はグリシジル基を表す。)と、
    (B)硬化剤と、
    (C)平均粒径0.05μm〜30μmの充填剤と、
    を含む、液状封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(C)充填剤が、平均粒径が0.1μm〜30μmの無機充填剤である、請求項1に記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
  4. 請求項3に記載の硬化物を含む電子部材。
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