JP2022191847A - 低温硬化性樹脂組成物、および電子装置 - Google Patents

低温硬化性樹脂組成物、および電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】保管後における低温硬化特性および硬化安定性に優れた低温硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の低温硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、および硬化促進剤を含む、低温硬化性樹脂組成物であって、硬化促進剤が、分子内塩型の硬化促進剤を含み、所定の手順で測定される、最大硬化トルク値の10%のトルク値をT10とし、最大硬化トルク値の80%のトルク値となる時間をT80としたとき、100≦T10≦500、および40≦T80-T10≦200を満たすように構成されるものである。【選択図】なし

Description

本発明は、低温硬化性樹脂組成物、および電子装置に関する。
これまでエポキシ樹脂組成物の硬化特性について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、硬化促進剤に4-ヒドロキシ-2-(トリフェニルホスホニウム)フェノラートを使用したエポキシ樹脂組成物が記載されている(特許文献1の表1、段落0041)。
特開2019-182973号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物において、保管後における低温硬化特性および硬化安定性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、分子内塩型の硬化促進剤を用いて、120℃における硬化性樹脂組成物の低温硬化特性を安定的に制御することができることを見出した。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、キュラストメーターを用いて、120℃で硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定し、測定開始から最大硬化トルク値までの時間をTMAX(秒)、最大硬化トルク値の10%のトルク値(秒)となる時間をT10、最大硬化トルク値の50%のトルク値(秒)となる時間をT50および最大硬化トルク値の80%のトルク値となる時間をT80(秒)としたとき、T10およびT80-T10を低温硬化特性の指標とし、これらを適当な範囲内とすることにより、硬化性樹脂組成物における保管後の低温硬化特性および硬化安定性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
エポキシ樹脂、
硬化剤、
無機充填材、および
硬化促進剤を含む、低温硬化性樹脂組成物であって、
前記硬化促進剤が、分子内塩型の硬化促進剤を含み、
下記の手順1で測定されるT10およびT80が、100≦T10≦500、および40≦T80-T10≦200を満たすように構成される、
低温硬化性樹脂組成物が提供される。
(手順1)
キュラストメーターを用いて、120℃で当該低温硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定し、測定開始から最大硬化トルク値までの時間をTMAX(秒)、最大硬化トルク値の10%のトルク値(秒)となる時間をT10、最大硬化トルク値の50%のトルク値(秒)となる時間をT50および最大硬化トルク値の80%のトルク値となる時間をT80(秒)として求める。
また本発明によれば、上記の低温硬化性樹脂組成物の硬化物を備える、電子装置が提供される。
本発明によれば、保管後における低温硬化特性および硬化安定性に優れた低温硬化性樹脂組成物、および電子装置が提供される。
本実施形態に係る電子装置の構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態の低温硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、および硬化促進剤を含む硬化性エポキシ樹脂組成物である。この硬化促進剤は、分子内塩型の硬化促進剤を含む。
この低温硬化性樹脂組成物は、下記の手順1で測定されるT10およびT80が、100≦T10≦500、および40≦T80-T10≦200を満たすように構成される。
(手順1)
キュラストメーターを用いて、120℃で当該低温硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定し、測定開始から最大硬化トルク値までの時間をTMAX(秒)、最大硬化トルク値の10%のトルク値(秒)となる時間をT10、最大硬化トルク値の50%のトルク値(秒)となる時間をT50および最大硬化トルク値の80%のトルク値となる時間をT80(秒)として求める。
本発明者の知見によれば、T10およびT80-T10を低温硬化特性の指標とし、これらを上記の数値範囲内とすることにより、低温硬化性樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物と呼称することもある)における保管後の低温硬化特性および保管後の硬化安定性を向上できることが判明した。
10の上限は、500以下、好ましくは450以下、より好ましくは400以下である。これにより、保管後の低温硬化特性を向上できる。
一方、T10の下限は、100以上でもよく、好ましくは150以上でもよい。
80-T10の上限は、200以下、好ましくは190以下、より好ましくは180以下である。これにより、保管後の低温硬化特性を向上できる。
一方、T80-T10の下限は、40以上、好ましくは60以上、より好ましくは120以上である。これにより、製造安定性を向上できる。
樹脂組成物は、上記の手順1で測定されるT10およびT50が、20≦T50-T10≦100を満たすように構成されてもよい。
50-T10の上限は、例えば、100以下、好ましくは90以下、より好ましくは80以下である。これにより、保管後の低温硬化特性を向上できる。
一方、T50-T10の下限は、例えば、20以上、好ましくは30以上、より好ましくは60以上である。これにより、製造安定性を向上できる。
本実施形態では、たとえば樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記T10、T80-T10、およびT50-T10を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば分子内塩型の硬化促進剤を用いること、分子内塩型の硬化促進剤の含有量を、硬化剤に対して1.8モル%以上となるよう比較的多めに調製すること等が、上記T10、T80-T10、およびT50-T10を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
また、本発明者の知見によれば、分子内塩型の硬化促進剤の含有量を比較的増大させた場合でも、分子間塩型の硬化促進剤の場合と比べて、樹脂組成物中において発生する塩素の量を低減させることが可能となることが判明した。
詳細なメカニズムは定かではないが、次のように推察される。
まず、エポキシ樹脂とフェノール樹脂(硬化剤の一つ)とが反応してなる反応物が、分子内にOを有する。この反応物中のOは、フェノール樹脂からHがプロトン移動して不活性状態となる、またはエポキシ樹脂中の不純物と反応し、不純物の一つである塩素が発生する。
分子間塩型の硬化促進剤の場合、カウンターカチオンが、反応物中のOと結合するが、離脱しやすく、フェノール樹脂からHがプロトン移動するまでOが活性状態のままとなる。このため、分子間塩型の硬化促進剤を増大させると反応が促進されるが、一方で塩素の発生量も増大する。
これに対して、分子内塩型の硬化促進剤の場合、カチオンが反応物中のOと結合し、アニオンのHがプロトン移動して、すぐにOを不活性化状態とする。このため、分子内塩型の硬化促進剤を増大させると反応が促進され、かつ、塩素の発生量の増大も抑制できる、と考えられる。
樹脂組成物は、下記の手順2で測定される、ClおよびSO の合計含有量が、50ppm以下となるように構成されてもよい。
また、樹脂組成物は、下記の手順2で測定される、NaおよびMgの合計含有量が、80ppm以下となるように構成されてもよい。
(手順2)
樹脂組成物を硬化してサンプルを調製する。
サンプルを粉砕、熱水処理し、抽出液を遠心分離、ろ過する。
得られたろ液を、イオンクロマト装置を用いて、各イオンのイオン濃度を測定する。
ClおよびSO の合計含有量の上限は、例えば、50ppm以下、好ましくは40ppm以下、より好ましくは25ppm以下である。これにより、樹脂組成物の硬化物を用いた電子装置において、ボンディングワイヤなどの金属部材の腐食を抑制できる。
NaおよびMgの合計含有量の上限は、例えば、80ppm以下、好ましくは70ppm以下、より好ましくは65ppm以下である。これにより、樹脂組成物の硬化物を用いた電子装置における電気特性の劣化を抑制できる。
本実施形態の樹脂組成物は、保管後においても低温硬化特性に優れており、また、塩素発生が抑制されるため、デバイス信頼性を向上させることが可能である。
ここで、低温硬化性樹脂組成物は、175℃や150℃の通常の硬化温度よりもさらに低温での硬化が可能であり、例えば、120℃における低温での硬化が可能である。
このような樹脂組成物は、薄型・小型化した半導体パッケージに適用でき、電子機器の小型・軽量化を実現できる。また、樹脂組成物は、耐熱性の低い部品を封止できる封止材としても適用可能である。
なお、樹脂組成物は、上記の用途に限定されず、例えば、電気・電子機器の、放熱材料、絶縁材料、半導体封止材料等の各種材料に適用可能である。
電気・電子機器は、たとえば、通常の半導体装置(電子部品として半導体素子を備える電子装置)やパワーモジュール(電子部品としてパワー半導体素子を備える電子装置)等を用いることができる。パワー半導体素子の具体例としては、たとえば、整流ダイオード、パワートランジスタ、パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、トライアック等が挙げられる。
また、樹脂組成物は、半導体チップなどの電子部品等の部材を封止する封止材料や、電子機器、自動車などの車両、医療器具、または日用品等を構成する部材を形成するための成形材料や、そのほか、エポキシ樹脂やフェノール樹脂が用いられる各種の用途に適用できる。
以下、本実施形態の樹脂組成物について詳述する。
(エポキシ樹脂)
樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。
上記エポキシ樹脂は、1分子内に2以上のエポキシ基を有する化合物であり、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'-(1,4-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノール基メタン骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂,縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この中でも、硬化性や流動性の観点から、トリスフェノール基メタン骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂を用いてもよい。
エポキシ樹脂の含有量は、用途に応じて適切に選択可能である。
例えば封止材用途の場合、エポキシ樹脂の含有量の下限は、樹脂組成物100重量%中、例えば3重量%以上であり、好ましくは5重量%以上である。一方で、エポキシ樹脂の含有量の上限は、樹脂組成物100重量%中、例えば20重量%以下であり、好ましくは17重量%以下である。これにより、封止材層の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。このような数値範囲とすることにより、半導体パッケージの耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。
本明細書において、樹脂組成物全体とは、樹脂組成物の固形分全体(100重量%)を意味する。固形分とは、樹脂組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。
樹脂組成物は、エポキシ樹脂の他に、他の熱硬化性樹脂を含んでもよいが、含まなくてもよい。
他の熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ビスマレイミド樹脂、アクリル樹脂、またフェノール誘導体これらの誘導体等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1分子内に反応性官能基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(硬化剤)
樹脂組成物は、エポキシ樹脂の硬化剤を含む。
上記硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じて選択され、これと反応するものであれば特に限定されない。硬化剤としては、具体的には、重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、および縮合型の硬化剤などが挙げられる。
上記重付加型の硬化剤としては、具体的には、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン;ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m-フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミン;ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどのポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物;無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などの酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニルフェノール、アラルキル型フェノール樹脂などのフェノール系硬化剤;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられる。重付加型の硬化剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記触媒型の硬化剤としては、具体的には、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6-トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP-30)などの3級アミン化合物;2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール(EMI24)などのイミダゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などが挙げられる。触媒型の硬化剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記縮合型の硬化剤としては、具体的には、レゾール型フェノール樹脂;メチロール基含有尿素樹脂などの尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂などのメラミン樹脂などが挙げられる。縮合型の硬化剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化剤としては、上記具体例のうち、フェノール系硬化剤を含んでもよい。
上記フェノール系硬化剤としては、フェノール樹脂を用いることができ、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、アミノトリアジンノボラック樹脂、ノボラック樹脂、トリスフェノール基メタン型骨格を有するノボラック型フェノール樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物;レゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、硬化性や流動性の観点から、トリスフェノール基メタン型骨格を有するノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。
硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂の含有量に応じて適切に設定できる。
(硬化促進剤)
樹脂組成物は、分子内塩型の硬化促進剤を含む。これにより、保管後における低温硬化特性の変動を抑制できる、すなわち、低温硬化特性の安定性を向上できる。また、塩素発生を抑制できる。
分子内塩型の硬化促進剤は、例えば、下記の一般式(1)で表される双性イオン化合物の一または二以上含んでもよい。
Figure 2022191847000001
上記一般式(1)中、
、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基のいずれかを表し、
Xは、X1またはX2のいずれかを表し、
X1は、(-Y)Zで表し、Yは、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基のいずれか、Zは、O、COO、およびSO のいずれかで表し、および
X2は、R(-C)Rで表し、Rは、水素原子、のいずれか、Rは、水素原子、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、およびアルデヒド基のいずれかで表される。
なお、置換基として、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン元素などが挙げられる。
一般式(1)中、アルキル基は、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基でもよい。
炭素数1~12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基等が挙げられる。
一般式(1)中、アリール基は、フェニル基、ナフトール基等が挙げられる。この中でも、フェニル基が好ましい。
一般式(1)中、一つの態様として、R、R、およびRの少なくとも一つ、好ましくは3つがフェニル基であってもよい。
一般式(1)中、アルキレン基は、例えば、炭素数1~6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基でもよい。
炭素数1~6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、イソブチレン基、2-メチルプロピレン基、ペンチレン基、ヘキシレン等が挙げられる。
一般式(1)中、アリーレン基は、炭素数6~20のアリーレン基でもよい。
炭素数6~20のアリーレン基は、例えば、フェニレン、キシリレン、ナフチレン、ビフェニレン、アントラセニレン等が挙げられる。
また、分子内塩型の硬化促進剤の具体例は、下記式で表される双性イオン化合物、またはその塩からなる群から選ばれる一又は二以上を含んでもよい。
Figure 2022191847000002
分子内塩型の硬化促進剤の含有量の下限は、硬化剤の含有量に対して、モル換算で、例えば、1.8モル%以上、好ましくは2.0モル%以上、より好ましくは2.3モル%以上である。これにより、低温硬化速度を向上できる。
一方、分子内塩型の硬化促進剤の含有量の上限は、硬化剤の含有量に対して、モル換算で、例えば、10モル%以下、好ましくは7モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。これにより、製造安定性を向上できる。
本実施形態において、樹脂組成物は、樹脂組成物は、分子内塩型の硬化促進剤以外の他の硬化促進剤を含んでもよい。この場合、分子内塩型の硬化促進剤の含有量は、硬化促進剤100重量%中、例えば、50重量%以上でもよく、80重量%以上でもよく、90重量%以上でもよい。
樹脂組成物は、無機充填材を含む。
無機充填材としては、例えば、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ、2次凝集シリカ、微粉シリカなどのシリカ;アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化チタン、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタンホワイトなどの金属化合物;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(その他の成分)
樹脂組成物は、必要に応じて、カップリング剤、流動性付与剤、離型剤、イオン捕捉剤、有機塩基以外の硬化促進剤、低応力剤、着色剤及び難燃剤等の各種添加剤のうち1種または2種以上を、適宜含んでもよい。
カップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン;p-スチリルトリメトキシシランなどのスチリルシラン;3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン;3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン;N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン;イソシアヌレートシラン;アルキルシラン;3-ウレイドプロピルトリアルコキシシランなどのウレイドシラン;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン;チタン系化合物;アルミニウムキレート類;アルミニウム/ジルコニウム系化合物などが挙げられる。カップリング剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
流動性付与剤は、リン原子含有硬化促進剤などの潜伏性を有さない硬化促進剤が、樹脂組成物の溶融混練時に反応することを抑制できる。これにより、樹脂組成物の生産性を向上できる。
流動性付与剤としては、具体的には、カテコール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン及びこれらの誘導体などの芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物などが挙げられる。
離型剤としては、具体的には、カルナバワックスなどの天然ワックス;モンタン酸エステルワックス、酸化ポリエチレンワックスなどの合成ワックス;ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩;パラフィン;エルカ酸アミドなどのカルボン酸アミドなどが挙げられる。離型剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
上記イオン捕捉剤は、具体的には、ハイドロタルサイト、ハイドロタルサイト状物質などのハイドロタルサイト類;マグネシウム、アルミニウム、ビスマス、チタン、ジルコニウムから選ばれる元素の含水酸化物などが挙げられる。イオン捕捉剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
硬化促進剤は、たとえば、上記の有機塩基以外の他の硬化促進剤を使用してもよい。
低応力剤としては、具体的には、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどのシリコーン化合物;ポリブタジエン化合物;アクリロニトリル-カルボキシル基末端ブタジエン共重合化合物などのアクリロニトリル-ブタジエン共重合化合物などを挙げることができる。低応力剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
着色剤としては、具体的には、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタンなどを挙げることができる。着色剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
難燃剤としては、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ホスファゼン、カーボンブラックなどを挙げることができる。難燃剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法について説明する。
樹脂組成物の製造方法は、上記の原料成分を混合する混合工程を含む。
混合工程は、原料成分を混合し、混合物を作製工程である。混合する方法は限定されず、用いられる成分に応じて、公知の方法を用いることができる。
混合工程としては、具体的には、上述した樹脂組成物が含む原料成分を、ミキサーなどを用いて均一に混合する。次いで、ロール、ニーダーまたは押出機等の混練機で溶融混練し、混合物を作製する。
樹脂組成物の製造方法は、得られた混合物を成形する成形工程を含んでもよい。
成形する方法としては限定されず、樹脂組成物の形状に応じて、公知の方法を用いることができる。樹脂組成物の形状としては限定されず、例えば、顆粒形状、粉末形状、タブレット形状、シート形状などが挙げられる。半導体封止用の樹脂組成物として、例えば、粉末状、顆粒状、またはタブレット状であってもよい。
樹脂組成物の形状は、成形方法に応じて選択できる。
顆粒形状とした樹脂組成物を作製する成形工程としては、例えば、溶融混練後、冷却した混合物を粉砕する工程が挙げられる。なお、例えば、顆粒形状とした樹脂組成物をふるい分けして、顆粒の大きさを調節してもよい。また、例えば、顆粒形状とした樹脂組成物を、遠心製粉法またはホットカット法などの方法で処理し、分散度または流動性などを調製してもよい。
また、粉末形状とした樹脂組成物を作製する成形工程としては、例えば、混合物を粉砕し顆粒形状の樹脂組成物とした後、該顆粒形状の樹脂組成物をさらに粉砕する工程が挙げられる。
また、タブレット形状とした樹脂組成物を作製する成形工程としては、例えば、混合物を粉砕し顆粒形状の樹脂組成物とした後、該顆粒形状の樹脂組成物を打錠成型する工程が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物を用いた電子装置について説明する。
本実施形態の電子装置は、上記の樹脂組成物の硬化物を備える。
電子装置は、樹脂組成物によって電子部品を封止する封止材層を形成することで得られる。
電子装置としては、限定されるものではないが、半導体素子をモールドすることにより得られる半導体装置が好ましい。
電子部品としては、限定されるものではないが、半導体素子が好ましい。
半導体素子としては、限定されるものではないが、たとえば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態の樹脂組成物が有用な半導体素子としては、金属部分が露出している半導体素子である。これにより、該金属部分の腐食を抑制できる。このような金属部分が露出している半導体素子としてはトランジスタが挙げられる。トランジスタの中でも、ゲート電極が露出しているMISトランジスタの封止に、本実施形態の樹脂組成物は有効に用いることができる。
基材としては、限定されるものではないが、例えば、インターポーザ等の配線基板、リードフレーム等が挙げられる。
電子部品と、基材との電気的な接続が必要な場合、適宜接続してもよい。電気的に接続する方法は、限定されるものではないが、例えば、ワイヤボンディング、フリップチップ接続などが挙げられる。これらの中でも、本実施形態の樹脂組成物が有用な半導体素子としては、金属部分が露出している半導体素子である。これにより、該金属部分の腐食を抑制できる。このような金属部分が露出している電気的接続方法としてはワイヤボンディングが挙げられる。
半導体装置の種類としてしては、具体的には、MAP(Mold Array Package)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non-leaded Package)、SON(Small Outline Non-leaded Package)、BGA(Ball Grid Array)、LF-BGA(Lead Flame BGA)、FCBGA(Flip Chip BGA)、MAPBGA(Molded Array Process BGA)、eWLB(Embedded Wafer-Level BGA)、Fan-In型eWLB、Fan-Out型eWLBなどの種類が挙げられる。
図1は、電子装置の一つある半導体パッケージの構成の一例を示す。
図1に示すように、半導体パッケージ100は、基板30と、基板30上に搭載された電子部品(半導体素子20)と、基板30と半導体素子20とを接続し、ボンディングワイヤ40と、半導体素子20およびボンディングワイヤ40を封止する封止材層50と、を備える。この封止材層50は、上記の樹脂組成物の硬化物で構成される。
封止材層50を形成する方法は限定されないが、例えば、トランスファー成形法、圧縮成形法、インジェクション成形などが挙げられる。これらの方法により、樹脂組成物を、成形し、硬化させることにより封止材層50を形成することができる。
半導体素子20は、基板30上に搭載される。基板30は、たとえばリードフレームまたは有機基板である。また、基板30は、ボンディングワイヤ40に接続される。図1では、リードフレームである基板30のうちのダイパッド32上に、ダイアタッチ材10を介して半導体素子20が搭載される場合が例示される。リードフレームである基板30は、たとえばCuまたは42アロイを主成分とする金属材料により構成される。なお、半導体素子20は、他の半導体素子上に配置されていてもよい。
半導体素子20の上面には、たとえば複数の電極パッド22が形成されている。半導体素子20に設けられた電極パッド22の少なくとも表面層は、たとえばAlを主成分とする金属材料により構成されている。これにより、ボンディングワイヤ40と電極パッド22との接続信頼性を向上させることができる。
図1においては、ボンディングワイヤ40が、半導体素子20の電極パッド22と、基板30のうちのアウターリード34と、を電気的に接続する場合が例示されている。
ボンディングワイヤ40は、例えば、Ag、Cu、Auなどの金属材料で構成されるが、Auワイヤが用いられてもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<硬化性樹脂組成物の調製>
まず、表1に従い配合された各原材料を常温でミキサーを用いて混合した後、70~110℃で二軸型混練押出機を用いて混練した。次いで、得られた混練物を冷却した後、これを粉砕することにより、硬化性樹脂組成物を得た。
表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中の単位は、重量%である。
(無機充填材)
・無機充填材1:溶融球状シリカ(平均粒子径:9μm)
(顔料)
・カーボンブラック1:カーボンブラック
(シランカップリング剤)
・シランカップリング剤1:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、CF-4083)
(熱硬化性樹脂)
・エポキシ樹脂1:下記の化学式で表されるトリスフェノール基メタン骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、YL6677)
Figure 2022191847000003
(硬化剤)
・フェノール系硬化剤1:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH-7851SS)
・フェノール系硬化剤2:下記の化学式で表されるトリスフェノール基メタン型骨格を有するノボラック型フェノール樹脂(エア・ウオーター社製、HE910-20)
Figure 2022191847000004
(硬化促進剤)
・硬化促進剤1:下記の化学式で表される分子間塩型の硬化促進剤(テトラフェニルホスホニウム・4,4'-スルフォニルジフェノラート)(住友ベークライト株式会社製)
Figure 2022191847000005
・硬化促進剤2:下記の化学式で表される分子内塩型の硬化促進剤(4-ヒドロキシ-2-(トリフェニルホスホニウム)フェノラート)
Figure 2022191847000006
(離型剤)
・離型剤1:カルナバワックス(東亜化成株式会社製、TOWAX-132)
・離型剤2:ライスワックス(クラリアントケミカルズ社製、RBW102)
(添加剤)
・添加剤1:イオントラップ剤1:マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート、低応力剤1:カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体(宇部興産社製、CTBN1008SP)、および低応力剤2:シリコーンオイル(九州住友ベークライト社製、M69B)
Figure 2022191847000007
得られた硬化性樹脂組成物について、以下の評価項目を評価した。
(トルク値)
キュラストメーター(JSRトレーディング株式会社製、CURELASTOMETER7)を用い、金型温度120℃にて、得られた硬化性樹脂組成物の硬化トルク値(N・m)を経時的に測定した。
測定開始から最大硬化トルク値までの時間をTMAX(秒)、最大硬化トルク値の10%のトルク値(秒)となる時間をT10、最大硬化トルク値の50%のトルク値(秒)となる時間をT50および最大硬化トルク値の80%のトルク値となる時間をT80(秒)として求めた。
また、得られた硬化性樹脂組成物を、25℃、相対湿度30%の条件下、48時間保管した後、同様にして、硬化トルク値(N・m)を経時的に測定した。
(HAST試験)
アルミニウム回路を形成したTEGチップ(3.5mm×3.5mm、アルミニウム回路は保護膜なしの剥き出し)を16ピンSOPリードフレーム(パッケージサイズは7.2mm×11.5mm、厚さ1.95mm)のダイパッド部上に接着し、アルミニウムパッドと基板側端子を、Auワイヤ(ワイヤー径25μm、純度99.99%)を用いてワイヤボンディングした。
この構造体を、低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度120℃、注入圧力10.0MPa、時間3分の条件で封止成形後、120℃、2時間で後硬化して、半導体パッケージを5個得た。
得られた5個の半導体パッケージについて、温度を130℃とし、85%RH、印加電圧20Vの条件でHAST試験を実施し、電気接続の不良が発生する時間(h)を測定した。
その結果、実施例1は、5個中5個のいずれも不良なく240hに達した。一方、比較例1は、5個中1個に不良が発生し240hに達しなかった。
(イオン濃度)
得られた硬化性樹脂組成物を用いて、温度120℃、2時間の条件で硬化して硬化物を得た。
その硬化物を粉砕ミルにより3分間粉砕した粉を試料として調製した。
得られた試料5gと純水50mlとを、テフロン(登録商標)製耐圧容器に入れて密閉し、温度125℃、相対湿度100%RH、24時間の処理(熱水抽出)を行なった。次に、室温まで冷却した後、抽出水を遠心分離し、20μmフィルターにてろ過し、ろ液を抽出水とした。
得られた抽出水を、イオンクロマト装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いたイオンクロマトグラフにより分析し、その抽出水中のイオン濃度を測定した。得られたイオン濃度を硬化物中のイオン濃度とした。
なお、上記で得られた抽出水のpHを、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のpHメーターを用いて測定した。その結果、実施例1の抽出水のpHは、5.7であった。
実施例1の硬化性樹脂組成物は、比較例1、2と比べて<T10-48h保管後のT10>が小さいため、保管後における低温硬化特性の変動を抑制でき、比較例2,3と比べて<48h保管後のT10>が小さいため、保管後における低温硬化特性に優れる結果を示した。
また、実施例1の硬化性樹脂組成物は、塩素イオン濃度が低減されており、優れたデバイス信頼性を実現できる。
100 半導体パッケージ
10 ダイアタッチ材
20 半導体素子
22 電極パッド
30 基板
32 ダイパッド
34 アウターリード
40 ボンディングワイヤ
50 封止材層

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂、
    硬化剤、
    無機充填材、および
    硬化促進剤を含む、低温硬化性樹脂組成物であって、
    前記硬化促進剤が、分子内塩型の硬化促進剤を含み、
    下記の手順1で測定されるT10およびT80が、100≦T10≦500、および40≦T80-T10≦200を満たすように構成される、
    低温硬化性樹脂組成物。
    (手順1)
    キュラストメーターを用いて、120℃で当該低温硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定し、測定開始から最大硬化トルク値までの時間をTMAX(秒)、最大硬化トルク値の10%のトルク値(秒)となる時間をT10、最大硬化トルク値の50%のトルク値(秒)となる時間をT50および最大硬化トルク値の80%のトルク値となる時間をT80(秒)として求める。
  2. 請求項1に記載の低温硬化性樹脂組成物であって、
    上記の手順1で測定されるT10およびT50が、20≦T50-T10≦100を満たすように構成される、低温硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の低温硬化性樹脂組成物であって、
    下記の手順2で測定される、ClおよびSO の合計含有量が、50ppm以下である、低温硬化性樹脂組成物。
    (手順2)
    当該低温硬化性樹脂組成物を硬化してサンプルを調製する。
    サンプルを粉砕、熱水処理し、抽出液を遠心分離、ろ過する。
    得られたろ液を、イオンクロマト装置を用いて、各イオンのイオン濃度を測定する。
  4. 請求項3に記載の低温硬化性樹脂組成物であって、
    上記の手順2で測定される、NaおよびMgの合計含有量が、80ppm以下である、低温硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の低温硬化性樹脂組成物であって、
    前記分子内塩型の硬化促進剤の含有量が、前記硬化剤の含有量に対して、モル換算で、1.8モル%以上10モル%以下である、低温硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の低温硬化性樹脂組成物であって、
    前記分子内塩型の硬化促進剤が、下記の一般式(1)で表される双性イオン化合物の一または二以上含む、低温硬化性樹脂組成物。
    Figure 2022191847000008
    (上記一般式(1)中、
    、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基のいずれかを表し、
    Xは、X1またはX2のいずれかを表し、
    前記X1は、(-Y)Zで表し、前記Yは、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基のいずれか、前記Zは、O、COO、およびSO のいずれかで表し、および
    前記X2は、R(-C)Rで表し、前記Rは、水素原子、のいずれか、前記Rは、水素原子、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、およびアルデヒド基のいずれかで表される。)
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の低温硬化性樹脂組成物であって、
    前記分子内塩型の硬化促進剤が、下記式で表される双性イオン化合物、またはその塩からなる群から選ばれる一又は二以上を含む、低温硬化性樹脂組成物。
    Figure 2022191847000009
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の低温硬化性樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂が、トリスフェノール基メタン骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂を含む、低温硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の低温硬化性樹脂組成物であって、
    前記硬化剤が、トリスフェノール基メタン骨格を有するノボラック型フェノール樹脂を含む、低温硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の低温硬化性樹脂組成物の硬化物を備える、電子装置。
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