JP2005247890A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents
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Abstract
Description
近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、実装の高密度化が進み、電子部品装置は従来のピン挿入型から、表面実装型のパッケージがなされるようになってきている。半導体装置を配線板に取り付ける場合、従来のピン挿入型パッケージはピンを配線板に挿入した後、配線板裏面から半田付けを行うため、パッケージが直接高温にさらされることはなかった。しかし、表面実装型パッケージでは半導体装置全体が半田バスやリフロー装置などで処理されるため、直接半田付け温度にさらされる。この結果、パッケージが吸湿した場合、半田付け時に吸湿水分が急激に膨張し、接着界面の剥離やパッケージクラックが発生し、実装時のパッケージの信頼性を低下させるという問題があった。
上記の問題を解決するために封止用エポキシ樹脂成形材料とリードフレームとの密着性を高め、耐リフロー性を向上させる方法として、たとえば、シラン化合物としてアミン系シラン化合物を添加する方法が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照。)。しかし、この方法では耐半田リフロー性及び接着性の改善には充分な効果が得られていない他、流動性の低下を引き起こしてしまう問題があった。また、封止用エポキシ樹脂成形材料の流動性が低いと成形時に金線流れ、ボイド、ピンホール等の発生といった新たな問題も生じてしまう(非特許文献1参照。)。
また、ICの防湿梱包や、配線板へ実装する前に予めICを十分乾燥して使用するなどの方法もとられているが、これらの方法は手間がかかり、コストも高くなる(非特許文献2参照。)。
(2)封止用エポキシ樹脂成形材料に対して(C)シラン化合物の割合が0.06〜0.8重量%である上記1記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(3)封止用エポキシ樹脂成形材料に対して(E)無機充填剤の割合が86〜93重量%となる上記1又は2記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(4)(A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル型エポキシ樹脂の少なくとも1種を含有する上記1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(5)(B)硬化剤がビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂及び共重合型フェノール・アラルキル樹脂の少なくとも1種を含有する上記1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(6)上記1〜5のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える電子部品装置、
に関する。
なかでも、耐半田リフロー性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく、硬化性の観点からはノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性及び低反り性の観点からはナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましく、難燃性の観点からはビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル型エポキシ樹脂が好ましく、これらのエポキシ樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
上記一般式(IV)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料であるスチルベン系フェノール類としては、たとえば3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン等が挙げられ、なかでも3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。これらのスチルベン型フェノール類は単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
上記一般式(V)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R1〜R8が水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基及び置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれるエポキシ樹脂が好ましく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、R2、R3、R6及びR7がアルキル基であるエポキシ樹脂がより好ましく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、R2及びR7がメチル基で、R3及びR6がt−ブチル基であるエポキシ樹脂がさらに好ましい。このような化合物としては、YSLV−120TE(新日鐵化学社製)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(VI)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂はとしては、例えば、R1、R3、R6及びR8がメチル基で、R2、R4、R5及びR7が水素原子であり、n=0を主成分とするYSLV−80XY(新日鉄化学株式会社製)が市販品として入手可能である。
上記一般式(VII)で示されるノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることによって容易に得られる。なかでも、上記一般式(VII)中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一般式(VII)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のなかでも、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましい。
上記一般式(VIII)中のR1としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。R2としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも水素原子が好ましい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましい。
下記一般式(IX)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂としては、m個の構成単位及びn個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組合わせて用いてもよい。また、下記一般式(X)で示されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては特に制限はないが、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂が好ましい。
(ここで、R1〜R3は水素原子及び置換又は非置換の炭素数1〜12の一価の炭化水素基から選ばれ、これらは全てが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、m、nはそれぞれ0〜11の整数であって、(m+n)が1〜11の整数でかつ(m+p)が1〜12の整数となるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示す。)
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の整数を示す。)
これらナフタレン型エポキシ樹脂又はトリフェニルメタン型エポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても両者を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
ビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましい。
なかでも、難燃性の観点からはビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル樹脂及び共重合型フェノール・アラルキル樹脂が好ましく、耐半田リフロー性及び硬化性の観点からはフェノール・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好ましく、耐熱性、低膨張率及び低そり性の観点からはトリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく、硬化性の観点からはノボラック型フェノール樹脂が好ましく、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
上記一般式(XII)中のR1〜R9としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基及びベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、なかでも水素原子とメチル基が好ましい。nは0〜10の整数を示す。上記一般式(XII)で示されるビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル樹脂としては、たとえばR1〜R9が全て水素原子である化合物等が挙げられ、なかでも溶融粘度の観点から、nが1以上の縮合体を50重量%以上含む縮合体の混合物が好ましい。
ビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル樹脂を使用する場合、その配合量はその性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。
上記一般式(XIII)中のRとしては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも、Rが水素原子で、nの平均値が0〜8であるフェノール・アラルキル樹脂が好ましく、具体例としては、p−キシリレン型ザイロック、m−キシリレン型ザイロック等が挙げられる。このフェノール・アラルキル樹脂を用いる場合、その配合量はその性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。
上記一般式(XIV)中のR1〜R3としてはたとえば水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基から選ばれ、なかでもR1〜R3水素原子で1分子中の平均nが0〜4の範囲に設定されることが好ましい。
ナフトール・アラルキル樹脂を用いる場合、その配合量はその性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
上記一般式(XV)中のR1としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。R2としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも水素原子が好ましい。また1分子中の平均nが0〜4の範囲に設定されることが好ましい。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量はその性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
上記一般式(XVI)中のRとしては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。
トリフェニルメタン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量はその性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
上記一般式(XVII)中のRとしては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、水素原子がより好ましく、nの平均値が0〜8であることが好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量はその性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
上記一般式(XVIII)中のRとしては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環状アルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアリール基置換アルキル基、メトキシ基置換アルキル基、エトキシ基置換アルキル基、ブトキシ基置換アルキル基等のアルコキシ基置換アルキル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアミノ基置換アルキル基、水酸基置換アルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の無置換アリール基、トリル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルナフチル基等のアルキル基置換アリール基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基、メトキシナフチル基等のアルコキシ基置換アリール基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアミノ基置換アリール基、水酸基置換アリール基などが挙げられ、なかでも水素原子又はメチル基が好ましく、またn及びmは0又は1〜10の整数を示し、平均で6以下がより好ましい。
一般式(XVIII)中のXとしては、たとえばフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、トリレン基、キシリレン基等のアルキル基置換アリーレン基、アルコキシル基置換アリーレン基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、アラルキル基置換アリーレン基などが挙げられ、なかでも、置換又は非置換のフェニレン基及びビフェニレン基が好ましい。このような化合物としては、HE−510住金エア・ウォーター・ケミカル株式会社製)等が市販品として入手可能である。共重合型フェノール・アラルキル樹脂を用いる場合、その配合量はその性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
また(C2)一般式(II)で表されるシラン化合物は骨格中に下記一般式(II)で示される化合物であれば特に制限はない。下記一般式(II)中のR1としてはグリシジルエーテル基、メルカプト基、アニリノ基、アクリル基及びメタクリル基が挙げられ、耐リフロー性の観点からはグリシジルエーテル基が好ましく、接着性の観点からはメルカプト基、アクリル基及びメタクリル基が好ましく、成形性の観点からはアニリノ基が好ましい。中でも接着性、成形性及び耐リフロー性のバランスの観点からグリシジルエーテル基がより好ましい。R2としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等のアルキレン基、フェニレン基、メチルフェニレン基、トリメチルフェニレン基、テトラメチルフェニレン基、エチルフェニレン基、ジエチルフェニレン基等のアリーレン基やアルキレンアリーレン基等が挙げられ、成形性の観点からは炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい。R3、R4としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基などの炭素数1〜6の炭化水素基が挙げられ、なかでも炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、成形性又は接着性の観点からはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、等の炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。またnは1〜3の整数を示すが、接着性の観点からは2又は3であるものが好ましく、3であるものがより好ましい。
なかでも、硬化性及び流動性の観点からは第三ホスフィンとキノン化合物との付加物が好ましく、保存安定性の観点からはシクロアミジン化合物とフェノール樹脂との付加物が好ましく、ジアザビシクロウンデセンのノボラック型フェノール樹脂塩がより好ましい。これらの硬化促進剤の配合量は硬化促進剤全量に対して合わせて60重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
また、第三ホスフィンとキノン化合物との付加物に用いられるキノン化合物としては特に制限はないが、たとえば、o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン等が挙げられ、耐湿性又は保存安定性の観点からはp−ベンゾキノンが好ましい。
特に(E)無機充填剤と(C)シラン化合物を上記の配合量で用いることで、流動性、成形性及び耐リフロー性の各特性のバランスに優れる。
30重量部が好ましく、1〜5重量部がより好ましい。
上記組成式(XXXXII)中のM1、M2及びM3は互いに異なる金属元素であれば特に制限はないが、難燃性の観点からは、M1が第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土類金属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA族及びIVA族に属する金属元素から選ばれ、M2がIIIB〜IIB族の遷移金属元素から選ばれることが好ましく、M1がマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれ、M2が鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれることがより好ましい。流動性の観点からは、M1がマグネシウム、M2が亜鉛又はニッケルで、r=0のものが好ましい。p、q及びrのモル比は特に制限はないが、r=0で、p/qが1/99〜1/1であることが好ましい。なお、金属元素の分類は、典型元素をA亜族、遷移元素をB亜族とする長周期型の周期率表(出典:共立出版株式会社発行「化学大辞典4」1987年2月15日縮刷版第30刷)に基づいて行った。また、酸化亜鉛、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、ジシクロペンタジエニル鉄等の金属元素を含む化合物などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。難燃剤の配合量は特に制限はないが、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、2〜15重量部がより好ましい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤を用いても良い。
さらに、その他の添加剤として、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤等を必要に応じて配合することができる。
エポキシ樹脂としてはエポキシ当量200、軟化点67℃のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂1、住友化学工業株式会社製商品名ESCN−190)、エポキシ当量210、融点120℃のスチルベン型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂2、住友化学工業株式会社製商品名ESLV−210)、エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂3、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名YX−4000H)、エポキシ当量176、融点111℃のビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂4、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名YL−6121H)、エポキシ当量242、融点118℃の硫黄原子含有エポキシ樹脂(エポキシ樹脂5、新日本製鐵化学株式会社製商品名YSLV−120TE)、エポキシ当量264、軟化点64℃のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂6、大日本インキ化学工業株式会社製商品名HP−7200)、エポキシ当量217、軟化点72℃のナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂7、日本化薬株式会社製商品名NC−7300)、エポキシ当量170、軟化点65℃のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂8、日本化薬株式会社製商品名EPPN−502H)、エポキシ当量192、融点79℃のビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂9、新日本製鐵化学株式会社製商品名YSLV−80XY)、エポキシ当量241、軟化点96℃のビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂10、日本化薬株式会社製商品名CER−3000L)、エポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含有量48重量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(エポキシ樹脂11)、硬化剤としては水酸基当量199、軟化点89℃のビフェニレン骨格型フェノール樹脂(硬化剤1、明和化成株式会社製商品名MEH−7851)、水酸基当量176、軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹脂(硬化剤2、三井化学株式会社製商品名ミレックスXLC)、水酸基当量183、軟化点79℃のナフトール・アラルキル樹脂(硬化剤3、新日本製鐵化学株式会社製商品名SN−170)、水酸基当量170、軟化点93℃のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂(硬化剤4、日本石油化学株式会社製商品名DPP)、水酸基当量104、軟化点83℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(硬化剤5、明和化成株式会社製商品名MEH−7500)、水酸基当量106、軟化点64℃のノボラック型フェノール樹脂(硬化剤6、明和化成株式会社製商品名H−4)、水酸基当量156、軟化点83℃のフェノール樹脂(硬化剤7、住金エア・ウォーター・ケミカル株式会社製商品名HE−510)、シラン化合物としては下記一般式(XIX)で示されるシラン化合物(シラン化合物1)、下記一般式(XX)で示されるシラン化合物(シラン化合物2)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シラン化合物3)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(シラン化合物4)、硬化促進剤としてはトリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとのベタイン型付加物(硬化促進剤1)、トリブチルホスフィンとp−ベンゾキノンとのベタイン型付加物(硬化促進剤2)、無機充填剤としては平均粒径17.5μm、比表面積3.8m2/gの球状溶融シリカ、その他の添加成分としてはカルナバワックス、三酸化アンチモン、カーボンブラックを、表1〜13に示す重量比で配合し、混練温度80〜90℃、混練時間15分の条件でロール混練を行い、実施例1〜85及び比較例1〜46の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。
(1)スパイラルフロー
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ成形材料を上記条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
(2)円板フロー
200mm(W)×200mm(D)×25mm(H)の上型と200mm(W)×200mm(D)×15mm(H)の下型を有する円板フロー測定用平板金型を用いて、上皿天秤にて秤量した封止用エポキシ樹脂成形材料5gを180℃に加熱した下型の中心部にのせ、5秒後に180℃に加熱した上型を閉じて、荷重78N、硬化時間90秒の条件で圧縮成形し、ノギスで成形品の長径(mm)及び短径(mm)を測定して、その平均値(mm)を円板フローとした。
(3)熱時硬度
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型硬度計を用いて測定した。
(4)接着保持率
上記条件で30μmのアルミ箔上に封止用エポキシ樹脂成形材料を成形、後硬化して試験片を作製し、PCT処理(121℃、0.2MPa、100時間)前後で試験片の90度方向のピール強度(N/m)を測定し、接着保持率(%)=PCT処理後アルミピール強度/PCT処理前アルミピール強度×100で評価した。
(5)耐半田リフロー性
42アロイリードフレーム上に8×10mmのシリコーンチップを搭載した外形寸法20×14×2mmの80ピンフラットパッケージを、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して作製し、85℃、85%RHの条件で加湿して所定時間ごとに240℃、10秒の条件でリフロー処理を行い、クラックの発生の有無を観察し、試験パッケージ数(10)に対するクラック発生パッケージ数で評価した。
(6)吸水率
上記(3)で成形した円板を上記条件で後硬化し、85℃、85%RHの条件下で72時間放置し、放置前後の重量変化を測定して、吸水率(重量%)=(放置後の円板重量−放置前の円板重量)/放置前の円板重量×100で評価した。
(7)ガラス転移温度(Tg)
上記条件で19mm×3mm×3mmの形状に封止用エポキシ樹脂成形材料を成形、後硬化して試験片を作製し、株式会社リガク製の熱機械分析装置(TMA−8140、TAS−100)により、昇温速度5℃/minの条件で測定を行い、線膨張曲線の屈曲点からガラス転移温度(Tg、単位:℃)を求めた。
(8)難燃性
厚さ1/16インチの試験片を成形する金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形して後硬化を行い、UL−94試験法に従って難燃性を評価した。
Claims (6)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)シラン化合物、(D)硬化促進剤及び(E)無機充填剤を含有し、(C)シラン化合物が下記一般式(I)で表されるシラン化合物(C1)及び下記一般式(II)で表されるシラン化合物(C2)を含有し、(C1)及び(C2)が(II)/(I)=0.4〜4.5の重量比で配合される封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 封止用エポキシ樹脂成形材料に対して(C)シラン化合物の割合が0.06〜0.8重量%である請求項1記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 封止用エポキシ樹脂成形材料に対して(E)無機充填剤の割合が86〜93重量%であり、かつ球状溶融シリカからなる請求項1又は2記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル型エポキシ樹脂の少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (B)硬化剤がビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂及び共重合型フェノール・アラルキル樹脂の少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える電子部品装置。
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