JP2009263601A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿下でのバイアステスト等で評価される特性が向上して長寿命になり、耐湿信頼性に優れた封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤及び(D)無機充填材を成分とする封止用エポキシ樹脂成形材料において、前記エポキシ樹脂成形材料の硬化物から121℃の純水中で20時間抽出した抽出液中の塩化物イオンの濃度が20ppm以下である、封止用エポキシ樹脂成形材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。
自動車分野用途の電子機器には、従来より、耐熱・耐湿信頼性や耐温度サイクル性等において、パーソナルコンピュータ、家電等のいわゆる民生用途に比べて厳しい信頼性が求められることが多かったが、近年、省資源化・環境保護等の観点から、いわゆるハイブリッド車、燃料電池車等の開発が盛んとなるに及び、これらに使用される電子機器には、特に耐湿信頼性等において一段と厳しい信頼性が求められる状況が予想されている。
半導体封止に用いるエポキシ樹脂成形材料は、エポキシ樹脂、硬化剤であるフェノール樹脂およびこの両者の反応を促進させる硬化促進剤を主成分とするものであるが、このエポキシ樹脂成形材料の硬化反応過程でAl配線に対して腐食作用を有するイオン性不純物が生成される。このイオン性不純物は樹脂硬化物中でフリーに存在し、高温・高湿環境下で移動し易く、樹脂硬化物の電気特性(特に電気絶縁性)、耐湿性を著しく低下させ、それによって半導体装置の電気特性および耐湿信頼性が低下するため、その改善が望まれている。
この様にこれまでは、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料中には腐食作用を有するイオン性不純物が存在し、その結果耐湿信頼性が低下すると考えられ、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料中のイオン性不純物をいかに低減するかのみに努力が払われ、原料中のイオン性不純物を低減する、或いはイオン捕捉剤等を添加することで信頼性を向上させるという手段がとられてきた(例えば、特許文献1参照。)。また、従来のハロゲン化エポキシ樹脂やアンチモン化合物においては、金属配線を腐食させるハロゲン等を除去するために、吸着能に秀でた硝酸金属塩が用いられてきたが(例えば特許文献2参照。)、ノンハロゲン化・ノンアンチモン化封止用エポキシ樹脂成形材料において、イオン交換後に生じる硝酸イオンによってワイヤボンディング部が腐食されることが明らかとなり、高温高湿環境下での耐湿信頼性という点では充分なものがなかった。
特開平6−32869号公報 特開2002−030200号公報
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、良好な成形性・耐リフロー性を維持し、高温高湿環境下でのバイアステスト等で評価される特性が向上して長寿命になり、耐湿信頼性に優れた、封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置を提供するものである。
本発明は、以下に関するものである。
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤及び(D)無機充填材を成分とする封止用エポキシ樹脂成形材料において、前記エポキシ樹脂成形材料の硬化物から121℃の純水中で20時間抽出した抽出液中の塩化物イオン濃度が20ppm以下であることを特徴とする封止用エポキシ樹脂成形材料。
(2)抽出液のpH値が6.0以上であることを特徴とする前記(1)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(3)更に、(E)一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物、または(F)金属の硝酸化物を含有する前記(1)または(2)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
Mg1−XAl(OH)(An−X/n・mHO ・・・(1)
(ただし、一般式(1)で、0<X≦0.5、mは0又は正の数、An−はn価の陰イオンを表す。)
(4)(E)一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物、または(F)金属の硝酸化物の含有量がそれぞれエポキシ樹脂成形材料中の0.02〜2重量%である前記(3)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止された素子を備えた電子部品装置。
本発明によると、成形性・耐リフロー性等の信頼性が良好で、かつ高温高湿環境下における信頼性に優れたエポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置を得ることができる。
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を成分とする封止用エポキシ樹脂成形材料(半導体封止用エポキシ樹脂成形材料)において、そのエポキシ樹脂成形材料の硬化物から121℃の純水中で20時間抽出した抽出液中の塩化物イオン量が20ppm以下であることにより、高温高湿環境下における信頼性に優れたエポキシ樹脂成形材料及び半導体装置が得られるものである。また、高温高湿環境下において半導体装置のAl(アルミ)配線の腐食を抑制するという観点から、その抽出液のpH値は6.0以上であることが好ましい。また、本発明において、(B)硬化剤として、フェノール樹脂を使用することが好ましい。
本発明において用いられる(E)下記一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物は比較的低温において高い吸着能を示し、耐湿信頼性を低下させるハロゲンイオンの吸着能が高く、添加量に比例して耐湿信頼性の向上に寄与する。しかし、添加量を増加させると流動性および硬化性が低下するため、その配合量はエポキシ樹脂成形材料中の0.02〜2重量%であることが好ましい。ハイドロタルサイト類化合物は吸着水の低減と、イオン交換能向上のため、一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物を高温で焼成したものを用いても良い。
Mg1−XAl(OH)(An−X/n・mHO ・・・(1)
(ただし、一般式(1)で、0<X≦0.5、mは0又は正の数、An−はn価の陰イオンを表す。)
本発明において用いられる(F)金属の硝酸化物は、硝酸と金属原子の塩、または酸性酸化物五酸化二窒素と金属酸化物とから生じる塩であり、例えば、硝酸銅(化学式:Cu(NO)、硝酸セシウム(化学式:(NHCe(NO)、硝酸亜鉛(化学式:Zn(NO6HO)などの金属原子とNOを有する化合物等が挙げられる。(F)金属の硝酸化物の金属原子としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、亜鉛、銅、ジルコニウム、ホウ素、ビスマス、セシウムが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用して用いても良い。
本発明において用いられる(F)金属の硝酸化物の配合量としては、エポキシ樹脂成形材料中の0.02〜2重量%であることが好ましい。0.02重量%未満では耐湿信頼性向上効果が小さく、2重量%を超えると流動性、硬化性を低下させる。
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類及び/又はナフトール類とアルデヒド類から合成されるノボラック樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビフェノールなどのジグリシジルエーテル;スチルベン型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン環を有するナフタレン型エポキシ樹脂;ナフトール・アラルキル樹脂のエポキシ化物;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;テルペン変性エポキシ樹脂;硫黄原子含有エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸などの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;脂環族エポキシ樹脂;などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる(A)エポキシ樹脂は、耐リフロー性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。また、硬化性の観点からはノボラック型エポキシ樹脂を含有していることが好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含有していることが好ましく、耐熱性及び低反り性の観点からはナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂を含有していることが好ましく、難燃性の観点からはビフェニレン型エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではないが、たとえば下記一般式(I)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2009263601
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(I)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェノール化合物にエピクロルヒドリンを公知の方法で反応させることによって得られる。前記一般式(I)中のR〜Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等の炭素数1〜10のアルケニル基;などが挙げられる。これらのなかでも水素原子又はメチル基が好ましい。このようなビフェニル型エポキシ樹脂としては、たとえば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。そのようなエポキシ樹脂は、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名YX‐4000H、YL−6121Hが市販品として入手可能である。上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(II)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノールF化合物にエピクロルヒドリンを公知の方法で反応させることによって得られる。一般式(II)中のR〜Rとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれる。このようなビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、R、R、R及びRがメチル基で、R、R、R及びRが水素原子であり、n=0を主成分とするYSLV−80XY(新日鉄化学株式会社製、商品名)が市販品として入手可能である。上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
スチルベン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(III)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン
系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料であるスチルベン系フェノール類としては、たとえば3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン等が挙げられ、なかでも3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。上記スチルベン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
硫黄原子含有エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。nは0〜10の整数を示す。)
上記一般式(IV)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂は、チオジフェノール化合物にエピクロルヒドリンを公知の方法で反応させることによって得られる。一般式(IV)中のR〜Rとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれる。このような硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R、R、R及びRが水素原子で、R、R、R及びRがアルキル基であるエポキシ樹脂が好ましく、R、R、R及びRが水素原子で、R及びRがt−ブチル基で、R及びRがメチル基であるエポキシ樹脂がより好ましい。市販品としては、YSLV−120TE(新日鐵化学社製、商品名)等が入手可能である。上記硫黄原子含有エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、たとえば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、nは0〜10の整数を示す。)
上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることによって容易に得られる。なかでも、一般式(V)中のRは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、たとえば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基;などが好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のなかでも、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。上記ノボラック型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、R及びRは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
上記式(VI)中のRは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;ハロゲン化アルキル基;アミノ基置換アルキル基;メルカプト基置換アルキル基;などの炭素数1〜5の一価の炭化水素基が挙げられ、これらのなかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;ハロゲン化アルキル基;アミノ基置換アルキル基;メルカプト基置換アルキル基;などの炭素数1〜5の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも水素原子が好ましい。上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
ナフタレン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、l、mはそれぞれ0〜11の整数であって、(l+m)が1〜11の整数でかつ(l+p)が1〜12の整数となるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示す。)
上記一般式(VII)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記ナフタレン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
上記トリフェニルメタン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
ビフェニレン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、R〜Rは水素原子又は置換基を有していてもよい、炭素数1〜12の置換又は非置換の一価の炭化水素基を示し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。iは0又は1〜3の整数を示し、nは0又は1〜10の整数を示す。)
上記ビフェニレン型エポキシ樹脂の配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
上記のビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合の配合量は、エポキシ樹脂全量中、組合せの合計量が合わせて50重量%以上とすることが好ましく、60重量%以上とすることがより好ましく、80重量%以上とすることが特に好ましい。
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂の150℃における溶融粘度は、流動性の観点から2.0ポイズ以下が好ましく、1.0ポイズ以下がより好ましく、0.5ポイズ以下がさらに好ましい。ここで、溶融粘度とはICIコーンプレート粘度計で測定した粘度を示す。
本発明において用いられる(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂;ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペンタジエンから共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのなかでも、難燃性の観点からはビフェニル型フェノール樹脂が好ましく、耐リフロー性及び硬化性の観点からはアラルキル型フェノール樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好ましく、耐熱性、低膨張率及び低そり性の観点からはトリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく、硬化性の観点からはノボラック型フェノール樹脂が好ましい。また、本発明における(B)硬化剤は、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
ビフェニル型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(X)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
上記式(X)中のR〜Rはそれぞれが同一でも異なっていてもよく、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基;等から選ばれ、これらのなかでも水素原子又はメチル基が好ましい。nは0〜10の整数を示す。
上記一般式(X)で示されるビフェニル型フェノール樹脂の好ましい具体例としては、たとえばR〜Rが全て水素原子である化合物が挙げられ、なかでも溶融粘度の観点から、nが1以上の縮合体を50重量%以上含む縮合体の混合物がより好ましい。このような化合物としては、MEH−7851(明和化成株式会社製、商品名)が市販品として入手可能である。
ビフェニル型フェノール樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。
アラルキル型フェノール樹脂としては、たとえばフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等が挙げられ、下記一般式(XI)で示されるフェノール・アラルキル樹脂が好ましい。
Figure 2009263601
(ここで、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示す。nは0〜10の整数を示す。)
一般式(XI)中のRが水素原子で、nの平均値が0〜8であるフェノール・アラルキル樹脂がより好ましい。具体例としては、p−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂、m−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂等が挙げられる。アラルキル型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましい。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(XII)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、R及びRは水素原子及び置換を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基からそれぞれ独立して選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましい。
トリフェニルメタン型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(XIII)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2009263601
(ここで、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示す。nは1〜10の整数を示す。)
トリフェニルメタン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量中、30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましい。
これらの硬化剤は単独又は2種類以上併用して用いることができる。
本発明において、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤の当量比、すなわち、硬化剤中の水酸基数に対するエポキシ樹脂中のエポキシ基数の比(エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基数)は、特に限定はされないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.7〜1.3の範囲に設定することが好ましく、特に成形性、耐リフロー性に優れる成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定することがより好ましい。前記当量比が0.7未満ではエポキシ樹脂の硬化が不十分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性並びに電気特性が劣る傾向にある。また、前記当量比が1.3を超えると硬化剤成分が過剰になり樹脂硬化物中に多量のフェノール性水酸基が残るため、電気特性並びに耐湿性が悪くなる傾向にある。
本発明において用いられる(C)硬化促進剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等のホスフィン化合物及びこれらのホスフィン化合物に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。特にホスフィン化合物とキノン化合物との付加物を含むのが好ましい。
なかでも、難燃性、硬化性の観点からは、トリフェニルホスフィンが好ましく、難燃性、硬化性、流動性及び離型性の観点からは第三ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物が好ましい。第三ホスフィン化合物としては、特に限定するものではないが、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメチル−4−エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−エトキシフェニル)ホスフィンなどのアルキル基、アリール基を有する第三ホスフィン化合物が好ましく、なかでも、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤の硬化反応過程で発生する塩化物イオン量が少ないという観点から、トリフェニルホスフィンが好ましい。またキノン化合物としてはo−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン等があげられ、なかでも耐湿性、保存安定性の観点からp−ベンゾキノンが好ましい。
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される量であれば特に制限されるものではないが、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.005〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。0.005重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、2重量%を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。
本発明に用いられる(D)無機充填材としては、特に限定するものではないが、たとえば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維等が挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填材としては水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛などが挙げられる。ここで、ホウ酸亜鉛としてはFB−290、FB−500(U.S.Borax社製)、FRZ−500C(水澤化学工業株式会社製)等が、モリブデン酸亜鉛としてはKEMGARD911B、911C、1100(Sherwin−Williams社製)等が各々市販品として入手可能である。
これらの無機充填材は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、充填性、線膨張係数の低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましく、無機充填材の形状は充填性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。無機充填材の配合量は、難燃性、成形性、吸湿性、線膨張係数低減、強度向上及び耐リフロー性の観点から、水酸化マグネシウムと合計して封止用エポキシ樹脂成形材料に対して50重量%以上が好ましく、60〜95重量%がより好ましく、70〜90重量%がさらに好ましい。50重量%未満では難燃性及び耐リフロー性が低下する傾向があり、95重量%を超えると流動性が不足する傾向があり、また難燃性も低下する傾向にある。一般に封止材料に用いられている溶融シリカ、球状シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。無機充填材の粒径としては、金型への充填性を考慮すると150μm以下であることが望ましい。また、無機充填材の配合量としては、全エポキシ樹脂成形材料に対して80〜95重量%が好ましく、下限値を下回るとエポキシ樹脂成形材料の硬化物の吸水量が増加し、強度が低下するため耐半田クラック性が不満足で、上限値を越えると流動性が損なわれるために成形性に不具合を生じ好ましくない。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、従来公知のカップリング剤を配合してもよい。カップリング剤については、特に制限はなく、シランカップリング剤以外に従来公知のカップリング剤を併用してもよい。たとえば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤;等が挙げられる。これらカップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤の配合量は、成形性及び接着性の観点から封止用エポキシ樹脂成形材料総量に対して、0.03〜5重量%であることが好ましく、0.05〜4.75重量%であることがより好ましく、0.1〜2.5重量%であることが特に好ましい。フレームとの充分な接着性を得るという観点から、前記カップリング剤の配合量が0.03重量%以上であることが好ましく、パッケージの成形性の観点から5重量%以下であることが好ましい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、必要に応じて離型剤を用いてもよい。離型剤としては特に制限はないが、天然ワックス、合成ワックス、酸化または非酸化のポリオレフィン系ワックス等の離型剤が挙げられ、例えばカルナバワックス等とポリエチレン系ワックスを単独又は併用して用いることができる。
離型剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部用いることが好ましく、0.5〜3重量部用いることがより好ましい。充分な離型性を得るという観点から0.1重量部以上であることが好ましく、充分な接着性を維持するという観点からは10重量部以下であることが好ましい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、カーボンブラック等の着色剤;ブロム化エポキシ樹脂や三酸化アンチモン、リン酸エステル、赤リン及びメラミン樹脂をはじめとする含窒素化合物等の難燃剤;シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤等を必要に応じて含有することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製する方法としては、各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いてもよい。一般的な手法としては、所定の配合量の各成分をミキサー等によって充分混合した後、熱ロール、押出機等によって混練し、冷却、粉砕する方法が挙げられる。
本発明の電子部品装置は、上記本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えることを特徴とする。かかる電子部品装置としては、例えば、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、それら素子の必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止したものが挙げられる。より具体的には、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package);配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール;裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インクジェクション成形、圧縮成形、注型等の方法によっても可能である。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜6)
エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社、製商品名YSLV−80XY、エポキシ当量192:エポキシ樹脂1)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名1032H60、エポキシ当量169:エポキシ樹脂2)、ビフェニレン型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名CER−3000L、エポキシ当量240:エポキシ樹脂3)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名YX−4000H、エポキシ当量192:エポキシ樹脂4)、硬化剤としてビフェニルアラルキル樹脂(明和化成株式会社製、商品名MEH−7851、水酸基当量199:硬化剤1)、トリフェニルメタン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名MEH−7500、水酸基当量103:硬化剤2)、ノボラック型フェノール樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名HP−850N、水酸基当量106:硬化剤3)、硬化促進剤としてトリブチルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加物(硬化促進剤1)、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加物(硬化促進剤2)、無機充填材として平均粒径14.5μm、比表面積2.8m/gの球状溶融シリカ、ハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製、商品名DHT−4A)および硝酸ビスマス、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)、重量平均分子量8,800、針入度1、酸価30mg/KOHの直鎖型酸化ポリエチレンワックス(クラリアント社製、商品名PED153)、及びカーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名MA−100)をそれぞれ表1及び表2に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例1〜6、比較例1〜6の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。なお、表中の空欄は配合無しを表す。
作製した実施例1〜6、比較例1〜6の封止用エポキシ樹脂成形材料の特性を、次の各試験により求めた。結果を表1及び表2に示す。
(1)スパイラルフロー
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料をトランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
(2)熱時硬度
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記(1)の成形条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型硬度計(高分子計測器株式会社製、製品名:アスカー硬度計D型)を用いて測定した。
(3)抽出液特性
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記(1)の成形条件で直径50mm×厚さ2mmの円板に成形し、175℃で6時間硬化させた後、粉砕を行い、粉砕物5gを50ccの純水で、121℃で20時間抽出し、この抽出水のpHおよび塩化物イオン量をキャピラリー電気泳動測定装置で、電気伝導度を伝導度計で測定を行った。
(4)耐湿信頼性
低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間90秒で28ピンSOP(パッケージサイズは7.2×11.5mm、厚み1.95mm、シリコンチップサイズは3.0×3.5mm(模擬素子:1チップ4回路、配線幅10μm)、リードフレームは42アロイ製)を成形し、175℃、6時間で後硬化させた。得られたパッケージを120℃、相対湿度85%、電圧DC5.5Vの環境下で所定の時間放置し、オープンチェッカーにより、導通不良がある回路数を測定した(5パッケージ×4回路=20回路について測定を行った。)。
Figure 2009263601
Figure 2009263601
表1及び表2の結果より、従来用いられてきたハイドロタルサイトを用いた場合(比較例2〜6)、イオン交換体を含まない場合(比較例1)と比較して、高温高湿環境下の耐湿信頼性はやや改善されるがまだ不十分なレベルである。これに対して、エポキシ樹脂成形材料の硬化物から121℃の純水中で20時間抽出した抽出液中の塩化物イオンの濃度が20ppm以下である実施例1〜6は、高温高湿環境下の耐湿信頼性に優れる。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤及び(D)無機充填材を成分とする封止用エポキシ樹脂成形材料において、前記エポキシ樹脂成形材料の硬化物から121℃の純水中で20時間抽出した抽出液中の塩化物イオンの濃度が20ppm以下であることを特徴とする封止用エポキシ樹脂成形材料。
  2. 抽出液のpH値が6.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  3. 更に、(E)一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物、または(F)金属の硝酸化物を含有する請求項1または2記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
    Mg1−XAl(OH)(An−X/n・mHO ・・・(1)
    (ただし、一般式(1)で、0<X≦0.5、mは0又は正の数、An−はn価の陰イオンを表す。)
  4. (E)一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物、または(F)金属の硝酸化物の含有量が、それぞれエポキシ樹脂成形材料中の0.02〜2重量%である請求項3記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止された素子を備えた電子部品装置。
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