JP2009001638A - 成形用樹脂組成物、成形品および半導体パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】熱硬化性樹脂をベースとして、高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱の樹脂パッケージを提供する。
【解決手段】(A)サリチルアルデヒド類とフェノール類の縮合物をグリシジル化することにより得られる多官能エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、及び(D)重量平均粒径10−30μmのシリカ粉末を必須成分とし、前記(D)シリカ粉末が全樹脂組成物中に80−90質量%の割合で含有されており、前記(D)シリカ粉末における溶融シリカ粉末の割合が80−100質量%であるような成形用樹脂組成物を用いて樹脂パッケージを構成する。
【選択図】なし
【解決手段】(A)サリチルアルデヒド類とフェノール類の縮合物をグリシジル化することにより得られる多官能エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、及び(D)重量平均粒径10−30μmのシリカ粉末を必須成分とし、前記(D)シリカ粉末が全樹脂組成物中に80−90質量%の割合で含有されており、前記(D)シリカ粉末における溶融シリカ粉末の割合が80−100質量%であるような成形用樹脂組成物を用いて樹脂パッケージを構成する。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体素子などの電子部品の成形、封止材料として使用される成形用樹脂組成物、およびこれを用いた成形品、半導体パッケージに係り、さらに詳しくは、高寸法精度、高耐熱性が要求される成形品、半導体パッケージの成形用樹脂組成物、および前記成形品、半導体パッケージに関する。
従来より、半導体素子などの電子部品をエポキシ樹脂組成物を用いて封止することが広く行われている。なかでも、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂を主剤とし、フェノール樹脂を硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物が、安価であるうえに、成形性、耐湿性などにも優れることから多用されている。
しかしながら、このようなノボラック型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物は、安価で、成形性、耐湿性などにも優れる反面、高寸法精度、高耐熱を要求される半導体パッケージ用途には使用が難しいという問題があった。
一般に高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱を要求されるパッケージ、例えば、固体撮像素子用パッケージ等の用途においてはセラミックパヅケージが用いられている。しかしながらセラミックパッケージを使用したパッケージは材料費が高く、加工しづらい為、価格が高価であるという問題があった(特許文献1)。
これに対して、最近、廉価な樹脂製パッケージが用いられるようになった。熱硬化性樹脂パッケージは耐熱性、成形性、信頼性などから好ましく用いられているが、高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱を要求される固体撮像用パヅケージ等の用途には不十分であつた(特許文献2)。
特開平10−84509号公報
特開平11−31751号公報
一方、耐熱性樹脂として多くの分野で用いられているポリイミド樹脂を使用すれば、高耐熱性の成形物を得ることができるが、樹脂の成形性が悪く、フレームや充填剤などとの密着性が不十分なため信頼性も不十分であり前述のような半導体用途には不向きであつた。
このように、現状においては、高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱を要求される固体最像用パッケージ等の用途にはセラミックパッケージに代わり安価で成形性の良い樹脂パッケージが種々検討されてはいるものの、前記セラミックパッケージに代わるような樹脂製パッケージの技術は未だ見出されていない。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、熱硬化性樹脂をベ一スとして、高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱の樹脂パッケージを提供することである。
上記目的を達成すべく、本発明は、
(A)化学式1で示す構造式の多官能エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、及び(D)重量平均粒径10−30μmのシリカ粉末を必須成分とする成形用樹脂組成物であって、
前記(D)シリカ粉末は前記樹脂組成物中に80−90質量%の割合で含有されており、前記(D)シリカ粉末における溶融シリカ粉末の割合が80−100質量%であることを特徴とする、成形用樹脂組成物
に関する。
(A)化学式1で示す構造式の多官能エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、及び(D)重量平均粒径10−30μmのシリカ粉末を必須成分とする成形用樹脂組成物であって、
前記(D)シリカ粉末は前記樹脂組成物中に80−90質量%の割合で含有されており、前記(D)シリカ粉末における溶融シリカ粉末の割合が80−100質量%であることを特徴とする、成形用樹脂組成物
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、耐熱性樹脂と特定の充填剤とを併用する樹脂組成物を用いることにより、高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱性の成形用樹脂組成物が得られることを見出した。すなわち、本発明に従って、化学式1で示す多官能エポキシ樹脂に対して溶融シリカ粉末を80−100質量%の割合で含むシリカ粉末を配合させるとともに、フェノール樹脂硬化剤を配合して前記エポキシ樹脂を硬化させることによって、上記のように、高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱性の成形用樹脂組成物が得られることを見出したものである。
なお、硬化促進剤は、上述したフェノール樹脂硬化剤を用いることから必然的に要求される成分である。
さらに、本発明の一例において、前記(C)硬化促進剤を、100℃以上の融点を有し、分子中にウレイド基を2個以上有する尿素化合物であって、その含有量が前記樹脂組成物全体の0.1−10重量%とすることができる。特に、前記(C)硬化促進剤は、N,N-(4-メチル-1, 3-フェニレン)-(N’,N’-ジメチルウレア)および/またはN,N-フェニレン-ビス(N’,N’-ジメチルウレア)とすることができる。
また、本発明の一例において、前記(D)シリカ粉末中に含まれる前記溶融シリカ粉末の最大粒径が105μm以下であって、レーザー回折粒度分布測定装置で測定した粒度分布の頻度値が、6μm未満の割合が15−30質量%、6〜20μmの割合が25−35質量%、20μm超の割合が40−50質量%であり、粒径1μm以上の粒子を対象とした重量換算平均粒径(d1)と数換算平均粒径(d2)の比が5.0≦d1/d2≦9.0の関係を満たすようにすることができる。これによって、硬化時の樹脂組成物の流動性を十分に担保することができ、高い成形性を保持することができる。この結果、前記樹脂組成物の高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱性を十分高く保持することができる。
なお、上述した要件を満足することにより、上記成形用樹脂組成物は、高化式フロー測定装置を用いた測定における、温度175℃、剪断応力1.23×105Paなる条件での最低溶融粘度(η1)が5−100Pa・Sであり、前記樹脂組成物の175℃における硬化時間が30−60秒であるような特性を呈するようになる。すなわち、前記樹脂組成物を用いて成形品を製造する際の溶融温度付近において、高い流動性を示すとともに短時間での硬化が可能となるので、高寸法精度の成形品を得ることができる。
具体的には、成形用樹脂組成物を200℃の温度で1時間加熱して得た硬化物が、DMA法でのガラス転移点が200℃以上であって、150℃での弾性率が10GPa・S以上、成形収縮率が0.05%以下であるような成形品を得ることができる。
また、平行度が20μm以内、平面度が10μm以内、及び寸法精度が20μm以内であるような半導体パッケージを得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、熱硬化性樹脂をベ一スとして、高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱の樹脂パッケージを提供することができるような、成形用樹脂組成物を得ることができる。また、この樹脂組成物を利用することによって、半導体パッケージなどの前記樹脂パッケージなどを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する多官能エポキシ樹脂(A)は、上述したような化学式1で示すような構造を呈することが要求される。このようなエポキシ樹脂としては、O-クレゾールノボラック型、ビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂などが挙げられ、その他一般に公知とされているエポキシ樹脂を併用することができる。
また、本発明で使用するフェノール樹脂硬化剤(B)としては、上記エポキシ樹脂成分のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を分子中に2個以上有するものであれば、特に制限されることなく使用される。具体的には、フェノール、アルキルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂など、これらの変性樹脂、例えばエポキシ化もしくはブチル化したノボラック型フェノール樹脂など、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノール類とベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒドなどとの縮合物、例えばフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂など、トリフェノールメタン化合物、多官能型フェノール樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上述したフェノール樹脂硬化剤の中でも、高耐熱性、高寸法精度成形品を得られることから、上記化学式2で示されるような多官能フェノールが好ましい。
この(B)成分のフェノール樹脂硬化剤の配合量は、本発明の組成物におけるエポキシ樹脂成分が有するエポキシ基数(a)と(B)成分のフェノール樹脂硬化剤が有するフェノーノレ性水酸基数(b)との比(a)/(b)が0.5〜1.5となる範囲が好ましく、0.8〜1.2となる範囲であるとより好ましい。(a)/(b)が0.5未満では、硬化物の耐湿信頼性が低下し、逆に1.5を超えると、硬化物の強度が低下する。
(C)成分の硬化促進剤としては、一般に成形品用に使用されるものを使用することができる。例えば、イミダゾール類、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、ウレア系硬化促進剤等が挙げられ、このうちN,N-(4-メチル-1,3-フェニレン)-(N’,N’一ジメチルウレア)、N,N-フェニレン-ビス(N’,N’-ジメチルウレア)などのウレア化合物がより好ましい。
(D)成分のシリカ粉末は、重量平均粒径10−30μmのものが用いられる。平均粒径が10μm未満では、流動性が低下し、成形性が損なわれる。また、平均粒径が30μmを超えた場合には、反り、寸歩精度が低下する。
また、シリカ粉末中における溶融シリカ粉末の割合が80−100質量%のものが用いられる。80質量%以下では流動性、成形性が低下する。なお、溶融シリカ粉末以外には、結晶シリカを用いることができる。
さらに、シリカ粉末の全樹脂組成物中での配合量は80−90質量%とする。シリカ粉末の配合量が組成物全体の80質量%未満では、成形品の寸法精度、反り、耐湿性、機械的強度、などが低下する。逆に、90質量%を越えると、組成物の流動性が低下し、成形性が不良となって実用が困難になる。
また、シリカ粉末中に含まれる前記溶融シリカ粉末の最大粒径が105μm以下であって、レーザー回折粒度分布測定装置で測定した粒度分布の頻度値が、6μm未満の割合が15−30質量%、6〜20μmの割合が25−35質量%、20μm超の割合が40−50質量%であり、粒径1μm以上の粒子を対象とした重量換算平均粒径(d1)と数換算平均粒径(d2)の比が5.0≦d1/d2≦9.0の関係を満たすものであることが好ましい。これによって、硬化時の樹脂組成物の流動性を十分に担保することができ、高い成形性を保持することができる。この結果、前記樹脂組成物の高寸法精度、低反り、低熱膨張、高耐熱性を十分高く保持することができる。
また、本発明の樹脂組成物中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述したシリカ粉末の他、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウムタルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニアなどの粉末、これらを球形化したビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化庄素、アルミナなどの単結晶繊維、ガラス繊維などを併用することができる。その他、難燃効果を有する棚酸亜鉛も使用可能である。これらの無機充填剤は単独または2種以上混合して使用することができる。
さらに、本発明の樹脂組成物中には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、三酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂、燐化合物、水酸化金属などの難燃剤、カップリング剤、合成ワックス、天然ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩等の離型剤、カーボンブラック、コバルトブルーなどの着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどの改質剤、ハイドロタルサイト類、アンチモンービスマス系などのイオン捕捉剤などを配合することができる。
カップリング剤としては、エポキシシラン系、アミノシラン系、ウレイドシラン系、ビニルシラン系、アルキルシラン系、有機チタネート系、アルミニウムアルコレート系などのカップリング剤が使用される。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。難燃性および硬化性の観点からは、なかでも、アミノシラン系カップリング剤が好ましく、特に、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジェトキシシラなどが好ましい。
なお、一般に知られる硬化促進剤も本発明の組成物に併用して配合することができる。
本発明の樹脂組成物は、上記のような要件を満足することによって、高化式フロー測定装置を用いた測定における、温度175℃、剪断応力1.23×105Paなる条件での最低溶融粘度(η1)が5−100Pa・Sであり、前記樹脂組成物の175℃における硬化時間が30−60秒であるような特性を呈するようになる。すなわち、前記樹脂組成物を用いて成形品を製造する際の溶融温度付近において、高い流動性を示すとともに短時間での硬化が可能となるので、高寸法精度の成形品を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記のような要件を満足することによって、高化式フロー測定装置を用いた測定における、温度175℃、剪断応力1.23×105Paなる条件での最低溶融粘度(η1)が5−100Pa・Sであり、前記樹脂組成物の175℃における硬化時間が30−60秒であるような特性を呈するようになる。すなわち、前記樹脂組成物を用いて成形品を製造する際の溶融温度付近において、高い流動性を示すとともに短時間での硬化が可能となるので、高寸法精度の成形品を得ることができる。
本発明の成形用樹脂組成物を調製するにあたっては、上記したような(A)多官能エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)重量平均粒径10−30μmのシリカ粉末、および、前述した必要に応じて配合される各種成分とを、ミキサーなどによって十分に混合した後、熱ロール、二一ダ等により加熱溶融混合処理を行い、ついで冷却固化させ適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
本発明の成形品は、上記の成形用樹脂組成物を用いて半導体素子を封止することにより製造することができる。成形、封止を行う半導体素子としては、例えば集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオードなどが例示されるが、特に、高寸法精度、高耐熱性を要求される撮像素子用パッケージ、セラミックパッケージに接着して使用されるフレームなどに好適に使用できる。
また、成形、封止方法としては、低圧トランスファー法が一般的であるが、射出成形、圧縮成形などによる封止も可能である。封止用樹脂組成物で封止後は、加熱して硬化させ、最終的にその硬化物によって封止された半導体装置が得られる。後硬化させる際の加熱温度は、150度以上とすることが好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において特に明示のない限り、「部」は「重量部」を示すものとする。
(実施例1)
平均粒径20μmの球状シリカ粉末A72質量%、平均粒径20μmの結晶シリカ粉末D10質量%、化1に示したエポキシ樹脂(日本化薬製 商品名EOCN-502H;n=2と3のものの混合物)8.7質量%、化学式2のフェノールボラック樹脂(明和化成社製 商品名MEH-7500;n=2.3〜2.7)2.9質量%、ウレア系硬化促進剤N,N-(4-メチル-1.3-フェニレン)-ビス(N’,N’−ジメチルウレア(サンアプロ社製 商品名UD-34;融点181℃、窒素含有量21重量%)0.1質量%、テトラブロモビンフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製 商品名YDB-400)1.3質量%、カルナバワックス0.2質量%、カーボンブラック(三菱化学杜製 商品名MA-600)0.15質量%、三酸化アンチモン1.0質量%、およびγ-アニリノプロピルトリメトキシシラン0.1質量%を常温で混合し、次いで、90−950℃で加熱混練した。冷却後、粉砕して成形用樹脂組成物を得た。なお、これらの配合量に関しては、表1中にも示した。また、表1中では、配合量の単位である質量%に関する記述は省略した。
平均粒径20μmの球状シリカ粉末A72質量%、平均粒径20μmの結晶シリカ粉末D10質量%、化1に示したエポキシ樹脂(日本化薬製 商品名EOCN-502H;n=2と3のものの混合物)8.7質量%、化学式2のフェノールボラック樹脂(明和化成社製 商品名MEH-7500;n=2.3〜2.7)2.9質量%、ウレア系硬化促進剤N,N-(4-メチル-1.3-フェニレン)-ビス(N’,N’−ジメチルウレア(サンアプロ社製 商品名UD-34;融点181℃、窒素含有量21重量%)0.1質量%、テトラブロモビンフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製 商品名YDB-400)1.3質量%、カルナバワックス0.2質量%、カーボンブラック(三菱化学杜製 商品名MA-600)0.15質量%、三酸化アンチモン1.0質量%、およびγ-アニリノプロピルトリメトキシシラン0.1質量%を常温で混合し、次いで、90−950℃で加熱混練した。冷却後、粉砕して成形用樹脂組成物を得た。なお、これらの配合量に関しては、表1中にも示した。また、表1中では、配合量の単位である質量%に関する記述は省略した。
(実施例2〜6)
実施例1と同じ成分を用いるとともに、その配合量を表1に示すようにして変化させ、実施例1と同様にして成形用樹脂組戒物を得た。
実施例1と同じ成分を用いるとともに、その配合量を表1に示すようにして変化させ、実施例1と同様にして成形用樹脂組戒物を得た。
(比較例1〜3)
実施例1と同じ成分を用いるとともに、その配合量を表1に示すようにして変化させ、実施例1と同様にして成形用樹脂組戒物を得た。
実施例1と同じ成分を用いるとともに、その配合量を表1に示すようにして変化させ、実施例1と同様にして成形用樹脂組戒物を得た。
使用した原料は以下のとおりである。
メーカー 商品名
多官能エポキシ樹脂 日本化薬 EPPN-502H
オルソクレゾールノボラック 住友化学 ESCN-195XL-65
エポキシ
多官能フェノール 明和化成 MEH-7500
ノボラックフェノール 昭和高分子 BRG-557
結晶シリカ タツモリ MCC-4
ウレア系硬化促進剤 サンアプロ UD-34
燐系硬化促進剤 トリフェニルホスフィン
臭素化エポキシ樹脂 東都化成 YDB-400
カルナバワックス セラリカ野田カルナバワヅクスno1
カーボンブラック 三菱化学 MA-600
三酸化アンチモン 東湖産業 HTT-200
シランカップリング剤 日本ユーカー Y-9669 (N-フェニール-γ-アミノプロピル)トリメトキシシラン
メーカー 商品名
多官能エポキシ樹脂 日本化薬 EPPN-502H
オルソクレゾールノボラック 住友化学 ESCN-195XL-65
エポキシ
多官能フェノール 明和化成 MEH-7500
ノボラックフェノール 昭和高分子 BRG-557
結晶シリカ タツモリ MCC-4
ウレア系硬化促進剤 サンアプロ UD-34
燐系硬化促進剤 トリフェニルホスフィン
臭素化エポキシ樹脂 東都化成 YDB-400
カルナバワックス セラリカ野田カルナバワヅクスno1
カーボンブラック 三菱化学 MA-600
三酸化アンチモン 東湖産業 HTT-200
シランカップリング剤 日本ユーカー Y-9669 (N-フェニール-γ-アミノプロピル)トリメトキシシラン
なお、溶融シリカA,B,Cは平均粒径1μmの球状溶融シリカ粉末(アドマファイ
ン株式会社製、商品名:SO-31R)、平均粒径6μmの球状溶融シリカ粉末(瀬戸窯業株式会社製、商品名:ES-03)、平均粒径15μmの球状溶融シリカ(龍森株式会杜製、商品名:MRS-2212)、平均粒径25μmの球状溶融シリカ(マイクロン製、商品名SCOX-31T)の各種粒度分布の球状シリカ粉末を混合することで表1に示した無機充填剤の調整品、溶融シリカA,B,Cとした。
ン株式会社製、商品名:SO-31R)、平均粒径6μmの球状溶融シリカ粉末(瀬戸窯業株式会社製、商品名:ES-03)、平均粒径15μmの球状溶融シリカ(龍森株式会杜製、商品名:MRS-2212)、平均粒径25μmの球状溶融シリカ(マイクロン製、商品名SCOX-31T)の各種粒度分布の球状シリカ粉末を混合することで表1に示した無機充填剤の調整品、溶融シリカA,B,Cとした。
上記各実施例および各比較例で得られた成形用用樹脂組成物について、下記に示す方法
で各種特性を評価した。なお、成形用樹脂組成物の成形は、トランスファー成形機により、金型温度175℃、成形圧カ6.9MPa、硬化時間2分間の条件で行い、その後、175℃で4時間の後硬化を行った。
で各種特性を評価した。なお、成形用樹脂組成物の成形は、トランスファー成形機により、金型温度175℃、成形圧カ6.9MPa、硬化時間2分間の条件で行い、その後、175℃で4時間の後硬化を行った。
[最低溶融粘度]
高化式フロー測定装置(島津製作所製名称CFT-500C)を用いて、樹脂組成物を175℃、剪断応力1.23×105Paの環境下に配置し、最低溶融粘度(η1)を測定した。
高化式フロー測定装置(島津製作所製名称CFT-500C)を用いて、樹脂組成物を175℃、剪断応力1.23×105Paの環境下に配置し、最低溶融粘度(η1)を測定した。
[成形性]
トランジスタ半導体装置80個を、上記樹脂組成物を用いてトランスファー成形し、成形物の表面巣の発生を観察した。なお、評価は、以下のようにして実施した。
○:巣の発生なし、△:巣がわずかに発生、×:巣が多数発生。
トランジスタ半導体装置80個を、上記樹脂組成物を用いてトランスファー成形し、成形物の表面巣の発生を観察した。なお、評価は、以下のようにして実施した。
○:巣の発生なし、△:巣がわずかに発生、×:巣が多数発生。
[硬化時間]
175℃に保たれた熱盤上で一定量の封止用樹脂組成物を直径4−5cmの円状に広
げ一定速度で練り合わせ、試料が増粘し最終的に粘りがなくなるまでの時間を計測した。
175℃に保たれた熱盤上で一定量の封止用樹脂組成物を直径4−5cmの円状に広
げ一定速度で練り合わせ、試料が増粘し最終的に粘りがなくなるまでの時間を計測した。
[ガラス転移点] [弾性率]
200℃で1時間加熱成形した硬化物からステイック状サンプルを作製し、DMAにて
昇温10℃/minの条件で測定し、ガラス転移温度および弾性率を算出した。
200℃で1時間加熱成形した硬化物からステイック状サンプルを作製し、DMAにて
昇温10℃/minの条件で測定し、ガラス転移温度および弾性率を算出した。
[平行度] [平面度] [寸法精度]
上記樹脂組成物を用い、上記条件で成形および後硬化を行って、12mm×12mm×1.6mmの試験片を作製し、設計値からのズレを測定した。
上記樹脂組成物を用い、上記条件で成形および後硬化を行って、12mm×12mm×1.6mmの試験片を作製し、設計値からのズレを測定した。
[セラミック基板との接春性]
前述の試験片を厚さ3.2mmのセラミック基板に熱硬化接着剤で接着した後、1m
の高さからコンクリート床に落下させて剥離強度を観察した。この操作を5個の試験片に対して行い、以下のようにして評価した。
○:剥離なし、△:1〜4個剥離、×:5個剥離
更に25℃から200℃の熱サイクルテストを行い、クラックの有無を観察した。なお、クラックの評価は、以下に示すようにして評価した。
○:剥離なし、×:剥離発生
前述の試験片を厚さ3.2mmのセラミック基板に熱硬化接着剤で接着した後、1m
の高さからコンクリート床に落下させて剥離強度を観察した。この操作を5個の試験片に対して行い、以下のようにして評価した。
○:剥離なし、△:1〜4個剥離、×:5個剥離
更に25℃から200℃の熱サイクルテストを行い、クラックの有無を観察した。なお、クラックの評価は、以下に示すようにして評価した。
○:剥離なし、×:剥離発生
これらの結果を組成とともに表1に示す。
表1からも明らかなように、実施例の成形用樹脂組成物は、比較例の成形用樹脂組成物に比較して成形性に優れており、高寸法精度、低反り、高耐熱性の半導体パッケージが得られることが分かる。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
Claims (8)
- 前記(C)硬化促進剤は、100℃以上の融点を有し、分子中にウレイド基を2個以上有する尿素化合物であって、その含有量が前記樹脂組成物全体の0.1−10重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形用樹脂組成物。
- 前記(C)硬化促進剤は、N,N-(4-メチル-1, 3-フェニレン)-(N’,N’-ジメチルウレア)および/またはN,N-フェニレン-ビス(N’,N’-ジメチルウレア)であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の成形用樹脂組成物。
- 前記(D)シリカ粉末中に含まれる前記溶融シリカ粉末の最大粒径が105μm以下であって、レーザー回折粒度分布測定装置で測定した粒度分布の頻度値が、6μm未満の割合が15−30質量%、6〜20μmの割合が25−35質量%、20μm超の割合が40−50質量%であり、粒径1μm以上の粒子を対象とした重量換算平均粒径(d1)と数換算平均粒径(d2)の比が5.0≦d1/d2≦9.0の関係を満たすものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の成形用樹脂組成物。
- 前記成形用樹脂組成物が、高化式フロー測定装置を用いた測定における、温度175℃、剪断応力1.23×105Paなる条件での最低溶融粘度(η1)が5−100Pa・sであり、前記樹脂組成物の175℃における硬化時間が30−60秒であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の成形用樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一に記載の成形用樹脂組成物を200℃の温度で1時間加熱して得た硬化物が、DMA法でのガラス転移点が200℃以上であって、150℃での弾性率が10GPa・S以上、成形収縮率が0.05%以下であることを特徴とする、成形品。
- 請求項1〜6のいずれか一に記載の成形用樹脂組成物を含み、平行度が20μm以内、平面度が10μm以内、及び寸法精度が20μm以内であることを特徴とする、半導体パッケージ。
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