JP2011148959A - 半導体封止用樹脂シートおよび樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取扱性や成形性の良好な半導体封止用樹脂シートおよび反りが少なく信頼性の高い半導体封止装置を提供する。
【解決手段】(A)ビフェニル型エポキシ樹脂と、(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂と、(C)フェノール樹脂硬化剤と、(D)硬化促進剤と、(E)シリカ粉末と、を必須成分とし、(B)成分が、(A)成分100質量部に対して10〜100質量部、(C)成分が、(A)成分が有するエポキシ基数(a)と(B)成分が有するエポキシ基数(b)との合計数と(C)成分が有するフェノール性水酸基数(c)との比〔(a)+(b)〕/(c)が0.5〜1.5となる割合で、(D)成分が、エポキシ樹脂組成物中に0.1〜5質量%、(E)成分が、エポキシ樹脂組成物中に80質量%以上94質量%未満、の割合で含有されている半導体封止用樹脂シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品を製造する際に用いられる半導体素子の封止材料である半導体封止用樹脂シートおよびそれを用いて圧縮成形して得られる樹脂封止型半導体装置に関する。
電子機器に用いられる電子部品として、半導体素子を樹脂封止して得られた半導体パッケージがあるが、この半導体パッケージは、固形のエポキシ樹脂封止材をトランスファー成形法により成形して得られることが多い。
一方、近年になって、電子機器の小型化・軽量化が進められ、これに伴い基板への高密度実装が要求されるようになり、電子機器に搭載する半導体パッケージの小型化、薄型化、軽量化の研究が進められている。具体的には、LOC(Lead on Chip)やQFP(Quad Flat Package)等と呼ばれる半導体パッケージや、LOCやQFP等のパッケージよりも、さらに小型化・軽量化したCSP(Chip Size Package)やBGA(Ball Grid Array)等の半導体パッケージも開発されている。
また、最近では、半導体素子の回路面が半導体配線基板側に向けられている、いわゆるフェイスダウン型パッケージであるフリップチップ、ウェハレベルCSPなども開発されてきている。
このように半導体パッケージの薄型化の進展に伴い、従来のトランスファー成形による封止においては、例えば、パッケージが薄型または大型の場合になると、トランスファー成形によっては成形が難しくなる面が指摘されるようになってきている。すなわち、溶融時の粘度や樹脂硬化後の特性を考慮して配合している無機充填材は比較的多量となるため、この無機充填材により、トランスファー成形時の樹脂の溶融粘度が高くなり、成形物のボイドの残存、キャビティ充填不良、ワイヤフローおよびステージシフトの増大等と成形品の品質が低下するなどの問題が発生し易くなっている。
そこで、エポキシ樹脂、無機フィラーを配合しながら、半導体封止の操作を効率良く行うことができ、成形性も良好な成形素材として、半導体素子が固定された基板の両面に配置して、その両面から圧縮成形することにより半導体パッケージを製造することを可能としたフィルム状の半導体封止用樹脂シートが提案されている(特許文献1参照)。
また、70〜150℃で軟化または溶融する熱硬化性樹脂組成物からなる厚さ3.0mm以下のシート状に成形したコンプレッション成形材料を使用することで、ワイヤ流れが小さく、かつ充填性が高い封止を行うことができる改良したフィルム状の半導体封止用樹脂シートも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、樹脂シートを使用して被成形品をモールドする半導体封止において、被成形品の外周縁部に沿った押さえ突起がクランプ面に設けられた金型を使用することにより、被成形品を確実に封止しようとするモールド装置および方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、特に、薄い樹脂シートは冷却すると非常に脆くなってしまうため、吸着パッドをヒータで加温することによって、シート樹脂をしなやかに保ち、破損しないように保持する工夫もなされている。
特開平8−73621号公報 特開2006−216899号公報 特開2007−307843号公報
しかしながら、特許文献1記載の発明のようなフィルム状の半導体封止用樹脂シートにおいて、パッケージやウェハが大きくなった場合には、成形後のパッケージの反りが大きくなるなどの課題を有している。この課題に対しては、より線膨張係数を小さくするために、通常、樹脂よりも線膨張係数の小さいシリカなどの無機充填材を多量に充填すればよいが、このような対処をすると、フィルムの可とう性を低下させ、かつ、溶融粘度を増大させ、流動性が低下してしまうため、ボイドの残存、充填不良等による成形品の品質が低下する問題が出てくると考えられる。
また、特許文献2記載の発明は、より薄型化、大型化にも対応しようとした半導体封止用樹脂シートであり、樹脂封止領域に合わせた形状に形成することにより、圧縮成形によって容易に樹脂封止できるものであるが、さらなる薄型化に対応するために、例えば、使用する樹脂シートの厚さが0.5mm未満のようにすると、やはり割れやすくなってしまい、わずかに外力が作用しただけでも簡単に破損してしまうという取り扱い上の困難さは解消されず、シート樹脂を金型内に搬入して供給するといった操作も困難であり、その結果、被成形品が損傷し易くなっていた。
そして、このような半導体封止用樹脂シートは、特に、冷凍または低温で保管されており、冷却されて脆くなっているため、その取り扱い性の改善には、特許文献3のように装置側での改良では対応が困難であり、さらなる取扱性および成形性が良好な半導体封止用樹脂シートが求められていた。
そこで、本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、薄型化した際にも、成形時の取扱性や成形性が良好で、半導体の封止を効率良く行うことができる半導体封止用樹脂シートおよびそれを用いて得られる信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のエポキシ樹脂と無機充填剤とを組み合わせて用いることで、良好な取扱い性、成形性、低反り、高耐熱性を有する半導体封止用樹脂シートが得られることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の半導体封止用樹脂シートは、(A)ビフェニル型エポキシ樹脂と、(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂と、(C)フェノール樹脂硬化剤と、(D)硬化促進剤と、(E)シリカ粉末と、を必須成分とするエポキシ樹脂組成物から形成された半導体封止用樹脂シートであって、(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂が、(A)ビフェニル型エポキシ樹脂 100質量部に対して10質量部以上100質量部未満、(C)フェノール樹脂が、エポキシ樹脂成分である(A)成分が有するエポキシ基数(a)と(B)成分が有するエポキシ基数(b)との合計数とフェノール樹脂である(C)成分が有するフェノール性水酸基数(c)との比〔(a)+(b)〕/(c)が0.5〜1.5、(D)硬化促進剤が、エポキシ樹脂組成物中に0.1〜5質量%、(E)シリカ粉末が、エポキシ樹脂組成物中に80質量%以上94質量%未満、の割合で含有されていることを特徴とするものである。
また、本発明の樹脂封止型半導体装置は、本発明の半導体封止用樹脂シートを、基板に固定した半導体素子に被せた後、圧縮成形することにより半導体素子を封止して得られたことを特徴とするものである。
本発明の半導体封止用樹脂シートによれば、樹脂シート自体の取扱性、成形性が良好で、これを用いて半導体素子を圧縮成形する際に、シートの破損が起こりにくく、容易に位置合わせを行うことができ、効率良く圧縮成形を行うことができる。
また、本発明の樹脂封止型半導体装置は、本発明の半導体封止用樹脂シートを用いているため、その製造において、効率的に製造することができ、かつ、得られた半導体素子の反り等も抑制されているため、信頼性の高いものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する(A)ビフェニル型のエポキシ樹脂は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されずに用いることができ、液状のものであることが好ましく用いられる。なお、本発明におけるビフェニル骨格には、ビフェニル環のうち少なくとも一方の芳香族環を水素添加してなるものも含まれるものである。
この(A)ビフェニル型エポキシ樹脂の具体的例としては、ジャパンエポキシレジン社製のYX−4000(エポキシ当量185)、YX−4000K(エポキシ当量185)、YX−4000H(エポキシ当量193)、YX−4000HK(エポキシ当量193)、YL−6121H(エポキシ当量172)などが好ましく使用される。ビフェニル型エポキシ樹脂の採用によって無機充填材を高充填しても溶融粘度を最適範囲に維持し易くすることができ、さらに耐熱性に優れた樹脂シートを得ることができる。
本発明に使用する(B)成分の柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂であって、その主鎖に柔軟性骨格および極性骨格を有するものである。ここで、柔軟性骨格としては、エチレンオキシエチル基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基、炭素原子数2〜15のアルキレン基等が挙げられ、これら柔軟性骨格は炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよい。また、極性骨格としては、下記化学式で示される基
Figure 2011148959
を有するものである。
ここで、この(B)成分の具体的な製品例としては、DIC株式会社製、商品名:EPICLON EXA−4850等の下記化学式(I)〜(III)に示したような分子骨格を有するエポキシ樹脂が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2011148959
Figure 2011148959
Figure 2011148959
(式中、mは1〜10の整数を表す。)
これら(B)成分の柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合割合は、(A)成分のビフェニル型のエポキシ樹脂100質量部に対して、10質量部以上100質量部未満の範囲で配合することが好ましく、20質量部以上80質量部未満であることがより好ましい。
このような配合割合にすることによって、形成する樹脂シートが薄くなっても割れにくくなり、取扱性、成形性を良好なものとすることができる共に、耐はんだリフロー性を良好なものとすることもできる。
ここで、(A)ビフェニル型エポキシ樹脂100質量部に対して、(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量が10質量部よりも少ないと柔軟性が不十分となり、取扱い時に割れやすくなり、100質量部以上含有すると、半導体封止用樹脂シートがべたついて取扱い性に劣り、またガラス転移温度が低くなり、耐リフロー性が低下するおそれがある。
さらに、樹脂組成物中に占める、(B)成分の柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂の比率は0.5質量%以上5質量%未満が好ましい。この比率が0.5質量%未満では可とう性に劣ってしまい、5質量%を超えると半導体封止用樹脂シートがべたついて、離型フィルムとの剥離性が劣るおそれがある。
また、本発明で使用するフェノール樹脂(C)としては、上記(A)および(B)のエポキシ樹脂成分中のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を分子中に2個以上有するものであれば、特に制限されることなく使用できる。具体的には、フェノール、アルキルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを反応させて得られる、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、このノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化またはブチル化したこれらの変性樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂など、トリフェノールメタン化合物、多官能型フェノール樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
この(C)成分のフェノール樹脂の配合量は、本発明の樹脂組成物におけるエポキシ樹脂成分(A)が有するエポキシ基数(a)と(B)が有するエポキシ基数(b)との合計数と(C)成分のフェノール樹脂が有するフェノール性水酸基数(c)との比〔(a)+(b)〕/(c)が0.5〜1.5となる範囲が好ましく、0.8〜1.2となる範囲であるとより好ましい。〔(a)+(b)〕/(c)が0.5未満では、硬化物の耐湿信頼性が低下し、逆に1.5を超えると、硬化物の強度が低下してしまう。
本発明で使用する(D)硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤の硬化反応を促進するものであれば、分子構造、分子量などは特に限定されるものではない。なお、この硬化促進剤としては、本発明の効果を失わない範囲で、2種類以上の硬化促進剤を併用することができる。
この(D)硬化促進剤としては、例えば、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7)、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニルホスフィン)、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタンなどの有機ホスフィン化合物、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、またはこれらの誘導体などが挙げられる。
これら硬化促進剤の配合割合は、それぞれの触媒活性が異なるため一概にその好適量は決められないが、樹脂組成物全体に対し、0.1〜5質量%の範囲で加えることが好ましい。これは、0.1質量%未満では硬化性能が劣り、一方、5質量%を超えると耐湿信頼性が劣化する傾向があるためである。
本発明で使用する(E)シリカ粉末は、結晶シリカ、溶融シリカ、合成シリカなどの樹脂に充填するものとして通常用いられているものが用いられ、このうち溶融シリカを用いることが好ましい。
その(E)シリカ粉末の質量平均粒径は、25nm〜40μmであるものが用いられる。その平均粒径が25nm未満では、流動性が低下し、成形性が損なわれ、また、平均粒径が40μmを超えた場合には、反り、寸法精度が低下するため好ましくない。
この(E)シリカ粉末における溶融シリカ粉末の割合は、80〜100質量%のものであることが好ましく、80質量%以下では流動性、成形性が低下してしまう。なお、溶融シリカ粉末以外には、結晶シリカ、微細合成シリカを配合することができる。このとき、シリカ粉末中に含まれる溶融シリカ粉末の最大粒径が105μm以下であることが好ましく、これにより、良好な成形性を保持することができる。
さらに、(E)シリカ粉末の全樹脂組成物中の配合量は80質量%以上、94質量%未満とするものであり、シリカ粉末の配合量が樹脂組成物全体の80質量%未満では、成形品の寸法精度、耐湿性、機械的強度、などが低下し、反りが生じ易くなってしまう。逆に、94質量%以上となると、半導体封止用樹脂シートが割れやすくなったり、流動性が低下したり、成形性が低下し実用が困難になってしまう。
また、本発明の樹脂組成物中には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、カップリング剤、合成ワックス、天然ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩等の離型剤、カーボンブラック、コバルトブルーなどの着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどの改質剤、ハイドロタルサイト類、イオン捕捉剤などを配合することができる。
カップリング剤としては、エポキシシラン系、アミノシラン系、ウレイドシラン系、ビニルシラン系、アルキルシラン系、有機チタネート系、アルミニウムアルコレート系などのカップリング剤が使用される。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。難燃性および硬化性の観点からは、なかでも、アミノシラン系カップリング剤が好ましく、特に、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが好ましい。
本発明の成形用樹脂組成物を調製するにあたっては、上記したような(A)ビフェニル型エポキシ樹脂、(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂、(C)フェノール樹脂、(D)硬化促進剤、(E)シリカ粉末、および、前述した必要に応じて配合される各種成分とを、ミキサーなどによって十分に混合した後、熱ロール、ニーダ等により加熱溶融混合処理を行い、ついで冷却固化させ適当な大きさに粉砕した後、当該材料を加圧部材間で80℃から150℃で加熱溶融し、圧縮して所定の形状に成形する。
また、本発明の半導体封止用樹脂シートの溶融粘度は2〜50Pa・sが好ましい、溶融粘度が2Pa・sよりも小さいとバリが大きくなり、50Pa・sよりも大きいと充填性が不十分となり、ボイド発生のおそれがあるため好ましくない。
本発明の半導体封止用樹脂シートの製造方法は、耐熱性フィルム上に上記樹脂組成物を供給して均一な厚さにならした後、この耐熱性フィルム上の樹脂を加熱して軟化せしめながらロールおよび熱プレスにより圧延して目的の厚さのシート状樹脂を成形し、このシート状樹脂を冷却固化後、耐熱性フィルムを剥すと共にシート状樹脂を所望の樹脂ペレット形状に切断することで得られる。
本発明の半導体封止用樹脂シートのその他の製造方法は、円筒状の圧縮成形部を有しており、移動して上記樹脂組成物を圧縮する加圧部材として上杵および下杵が、圧縮成形部内の成形空間を上下から挟むように配置されている構造の圧縮成形体製造装置等の使用が挙げられる。
本発明の半導体封止用樹脂シートは半導体装置に応じた所要の形状に切断されてから封止工程に供される。上記半導体封止用樹脂シートを切断する方法としては、ダイシングカッターを用いる方法や、切断の容易化のため半導体封止用樹脂シートを加熱しつつカッター等の刃物を用いて手作業により切断する等、公知の方法が使用できる。
本発明の樹脂封止型半導体装置は、上記した本発明の半導体封止用樹脂シートを用い、基板に固定された半導体素子を半導体封止用樹脂シートで挟み込んだ後、一般的な圧縮成形法で樹脂封止することによって製造することができる。この場合の成形は、成形温度160〜185℃、成形圧力4.0〜12.0MPaの低圧圧縮成形によって封止することが好ましい。
なお、このとき半導体封止用樹脂シートによって封止される半導体チップの種類は、特に限定されるものではないが、樹脂封止後の半導体装置の厚さが0.2〜1.5mmとなるようなものが好ましい。
このように、本発明の半導体封止用樹脂シートを用いて圧縮成形法で成形することで、そりが小さく、未充填、巣のない樹脂封止型半導体装置を得ることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒径12μmの球状シリカ粉末 FB−100(電気化学工業株式会社製、商品名) 85質量%、平均粒径1μmの微細シリカ粉末 SO−25R(株式会社アドマテックス製、商品名) 5質量%、エポキシ樹脂のYX−4000HK(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名;エポキシ当量193) 4質量%、ノボラック型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名:H−4;水酸基当量105) 2.8質量%、柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:EPICLON EXA−4850) 2.0質量%、硬化促進剤 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名:2P4MHZ・PW、;融点192℃〜197℃) 0.3質量%、カルナバワックス 0.2質量%、カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名:MA−100) 0.2質量%、およびN−フェニル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製、商品名:Y−9669) 0.3質量%を常温で混合し、次いで、80〜130℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物をポリエステル製離型フィルム(藤森工業株式会社製)で挟み80℃の熱盤間に10MPaの圧力で1分間加熱加圧成形し、厚さ0.35mmの半導体封止用樹脂シートを作成した。
なお、これらの配合量に関しては、表1中にも示した。また、表1中では、配合量の単位である質量%に関する記述は省略した。
(実施例2〜7、比較例1〜7)
実施例は表1中に示した配合量で、比較例は表2中に示した配合量で、実施例1と同様にして厚さ0.3mmの半導体封止用樹脂シートを作成した。使用した原料は以下のとおりである。
配合成分 メーカー 商品名
ノボラック型エポキシ樹脂 日本化薬株式会社 EOCN−1020−55
ノボラック型フェノール樹脂硬化剤 昭和高分子株式会社 BRG−558
溶融球状シリカ 株式会社龍森 MSR−2212
上記各実施例および各比較例で得られた封止用樹脂組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。なお、成形は、圧縮成形機により、金型温度175℃、成形圧力8.0MPa、硬化時間120分間の条件で行い、その後、175℃で4時間の後硬化を行った。
[ゲルタイム]
175℃の熱板上におけるゲル化時間を測定した。
[溶融粘度]
島津フローテスターCFT−500型(株式会社島津製作所製、商品名)により、175℃、荷重10kg(剪断応力 1.23×10Paの環境下)における溶融粘度を測定した。
[取り扱い性]
半導体封止用樹脂シートの取り扱い性について、耐折り曲げ性を下記の方法で評価した。
まず、樹脂シートの一端を折り返し、その上からゴムローラを500gの荷重で通過させた時の外観を観察し、2往復で異常なければ○、実用上問題のない微小な亀裂の発生は△、割れや亀裂が発生した場合、又は折り返した内側で貼りついて開けない場合は×として評価した。
[成形収縮率]
175℃で、2分間圧縮成形した後、175℃で8時間、後硬化させた際の収縮率を測定した。成形収縮率を調べるため、試験片を成形し、成形直後と180℃で4時間アフターキュアを行なった後での寸法変化率を成形収縮率とした。
[吸水率]
下記条件にて吸水率を評価した。
封止用樹脂組成物を175℃で、2分間圧縮成形し、次いで175℃、8時間の後硬化を行って直径50mm、厚さ3mmの円板状の硬化物を得、これを127℃、2.5気圧の飽和水蒸気中に24時間放置して、増加した重量を求め、吸水率を算出した。
[ガラス転移点]
200℃で1時間加熱成形した硬化物からスティック状サンプルを作製し、DMAにて昇温10℃/minの条件で測定し、ガラス転移温度を算出した。
[成形性]
FBGA(50mm×50mm×0.54mm)を、前記半導体封止用樹脂シートを用いて、175℃で、2分間圧縮成形した後、成形物の表面巣の発生を観察し、下記判定基準で評価した。
○:巣の発生なし、△:巣がわずかに発生、×:巣が多数発生
[耐リフロー性]
FBGA(50mm×50mm×0.54mm)を、半導体封止用樹脂シートを用いて、175℃で、2分間圧縮成形した後、耐リフロー性を下記判定基準で評価した。○:チップおよび基板との剥離またはクラックなし、×:チップおよび基板との剥離またはクラック発生
[パッケージ反り〕
FBGA(50mm×50mm×0.54mm)で半導体封止用樹脂シートを用いて、175℃で、2分間圧縮成形した後、パッケージの反りを評価した。
評価方法は、アクロメトリックス社製 サーモレイPS200を用い、反り量を測定した。このとき、−値は樹脂封止側を凸としての反りを表し、+値は樹脂封止側を凹としての反りを表す。
これらの結果を組成とともに表1及び表2に示す。
Figure 2011148959
Figure 2011148959
この表1及び表2からも明らかなように、実施例の半導体封止用樹脂シートは、折り曲げ性等の取扱性が良好であり、成形性、高寸法精度、低反り、高耐熱性、耐衝撃性などの半導体装置に要求される一般特性にも優れていることが分かった。

Claims (5)

  1. (A)ビフェニル型エポキシ樹脂と、(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂と、(C)フェノール樹脂と、(D)硬化促進剤と、(E)シリカ粉末と、を必須成分とするエポキシ樹脂組成物から形成された半導体封止用樹脂シートであって、
    前記(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂が、前記(A)ビフェニル型エポキシ樹脂 100質量部に対して10質量部以上100質量部未満、前記(C)フェノール樹脂が、前記エポキシ樹脂成分である(A)成分が有するエポキシ基数(a)と(B)成分が有するエポキシ基数(b)との合計数と前記フェノール樹脂である(C)成分が有するフェノール性水酸基数(c)との比〔(a)+(b)〕/(c)が0.5〜1.5、前記(D)硬化促進剤が、前記エポキシ樹脂組成物中に0.1〜5質量%、前記(E)シリカ粉末が、前記エポキシ樹脂組成物中に80質量%以上94質量%未満、の割合で含有されていることを特徴とする半導体封止用樹脂シート。
  2. 前記(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂が、次の一般式(I)で表わされる化合物
    Figure 2011148959
    (式中、mは1〜10の整数を表す。)であることを特徴とする請求項1記載の半導体封止用樹脂シート。
  3. 前記(B)柔軟性骨格および極性骨格を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂が、前記エポキシ樹脂組成物中に、0.5質量%以上5質量%未満の割合で配合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体封止用樹脂シート。
  4. 前記(D)シリカ粉末中における溶融シリカ粉末の割合が80〜100質量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体封止用樹脂シート。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の半導体封止用樹脂シートで、基板に固定した半導体素子を挟みこんだ後、圧縮成形することにより半導体素子を封止して得られたことを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
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