JP2015203066A - 封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵安定性が良好で、硬化物特性や成形性も良好である封止用樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)ウレア系硬化促進剤および(D)無機充填材を必須成分とし、25℃で1ヶ月保管後の高化式フロー粘度が1〜10Pa・sであることを特徴とする封止用樹脂組成物および同封止用樹脂組成物を用いて封止されてなる半導体装置である。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関する。より詳しくは、常温で保管することが可能な封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関する。
近年、電子部品の小型化、高密度化、高実装化に伴い、半導体装置は、高密度実装タイプのパッケージが主流になっている。特に、表面実装タイプのIC、LSI等を実装した半導体装置は、高実装密度化した薄型、小型のパッケージになっており、半導休装置のパッケージに対する占有体積が大きく、パッケージの肉厚は非常に薄くなっている。また、半導体素子の多機能化、大容量化によって、面積の増大、多ピン化が進み、さらにはパッド数の増大に伴って、パッドピッチの縮小化とパッド寸法の縮小化、いわゆる狭パッドピッチ化も進んでいる。また、さらなる半導体装置の小型軽量化に対応すべく、パッケージの形態もQFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)といったものから、より多ピン化に対応しやすく、かつ、より高密度実装が可能なCSP(Chip Size Package)やBGA(Ball Grid Array)へと移行しつつある。これらのパッケージは近年、高速化、多機能化を実現するために、フェースダウン型、積層(スタックド)型、フリップチップ型、ウェハーレベル型等、新しい構造のものが開発されている。
このような半導体装置には、封止材料として1液型のエポキシ樹脂組成物が主として使用されている。その理由として、接着性、封止性に優れるとともに、その硬化物が電気特性、機械特性に優れることが挙げられる。
しかしながら、1液型のエポキシ樹脂組成物は保管時に粘度が上昇するため、常温での可使時間が短<、半導体装置の製造時に不具合が発生しやすい。例えば、半導体装置はトランスファーモールド法等により半導体素子を樹脂組成物で封止して製造されるが、エポキシ樹脂組成物が高粘度になるとワイヤー流れ(ワイヤーの変形)が生じて電気的なオープンやショートが発生するおそれがある。このため、常温保管性が良好で、かつ、その他の特性も良好なエポキシ樹脂組成物が要求されている。
このような状況下、エポキシ樹脂組成物の常温保管性を改善するいくつかの提案がされている。例えば、特殊な構造を有するリン-硼素化合物とトリフェニルホスフィン化合物を併用した硬化促進剤を用いたエポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)、フェノール類ノボラックで被覆またはフェノール類ノボラック中に分散させたホスフィン化合物を硬化促進剤に用いたエポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、これらのエポキシ樹脂組成物では、汎用品ではない特別な硬化促進剤を使用しなければならず、エポキシ樹脂組成物の特性も十分に満足できるものではなかった。
また、硬化促進剤以外の成分を混練・粉砕した後、これに硬化促進剤をその軟化点以下で混合する製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法では硬化促進剤の偏在が起こりやすく、十分な常温保管性が得られない。
また、尿素化合物をエポキシ樹脂の潜在性硬化剤または硬化促進剤として用いることが提案されている(例えば、特許文献4〜6参照)。しかしながら、いずれもマイクロカプセル型または被覆型硬化剤であり、条件によっては硬化性が十分でない場合がある。
さらに、エポキシ樹脂組成物に無機充填材として金属酸化物又は金属水酸化物で被覆した酸化チタンを配合して流動性を向上させることが提案されている。しかしながら、流動性は十分ではない。
特開2000−143771号公報 特開2004−91551号公報 特開2012−72379号公報 特開2000−230039号公報 特表2012−500879号公報 WO2006/090794パンフレット 特開2012−236881号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、貯蔵安定性が良好で、硬化物特性や流動性が向上して成形性も良好である封止用樹脂組成物、および、このような封止用樹脂組成物を用いた高い信頼性を有する半導体装置の提供を目的とする。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の(A)〜(D)成分、すなわち、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、ウレア系硬化促進剤および無機充填材を必須成分とすることにより、成形時の高化式フロー粘度を特定の範囲に調整することができ、それによって封止用樹脂組成物が得られ、保管後の成形性や硬化物特性も良好な封止用樹脂組成物となり得ることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)ウレア系硬化促進剤および(D)無機充填材を必須成分とし、25℃で1ヶ月保管後の高化式フロー粘度が1〜10Pa・sであることを特徴とする封止用樹脂組成物、
(2)前記(A)成分のエポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂である上記(1)に記載の封止用樹脂組成物、
(3)さらに(E)成分として、シランカップリング剤を含む上記(1)または(2)に記載の封止用樹脂組成物、
(4)前記(E)成分のシランカップリング剤がアミノシランカップリング剤である上記(3)に記載の封止用樹脂組成物、
(5)前記(C)成分のウレア系硬化促進剤がアルキルウレア系硬化促進剤である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の封止用樹脂組成物および
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の封止用樹脂組成物を用いて封止されてなる半導体装置を提供する。
本発明の封止用樹脂組成物は25℃で1ヶ月保管後の高化式フロー粘度が低いので、成形性も良好であることから、封止作業性に優れ、さらに硬化物特性および貯蔵安定性も良好である。また、高化式フロー粘度の低さによりワイヤー流れ(ワイヤーの変形)が小さく、高い信頼性を有する樹脂封止型の半導体装置を製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)成分のエポキシ樹脂は、その分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂であればよく、単独でまたは2種類以上を併用することができる。
エポキシ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂等や、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ピロカテコール、レゾルシノールのグリシジルエーテル、テトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンのエポキシ化物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
このうち、25℃で1ヶ月保管後の高化式フロー粘度を所定の範囲にするためにはビフェニル型エポキシ樹脂およびジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂が特に好ましい。ビフェニル型エポキシ樹脂の中でもビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を使用すると、高化式フロー粘度が高いので好ましくない。
封止用樹脂組成物中の(A)成分の配合量は、高化式フロー粘度を所定の範囲とし、良好な硬化性や硬化物特性が得られるという観点から1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%である。
なお、本発明における高化式フロー粘度は、島津フローテスターCFT−100C型〔商品名、株式会社島津製作所製〕により、175℃、ノズル長1.0mm、ノズル半径0.25mm、プランジャー圧力10kgfで測定したものである。
(B)成分のフェノール樹脂硬化剤は、その分子中にフェノール性水酸基を有するものであってエポキシ樹脂の硬化剤として従来から用いられていたものであれば、特に限定されずに用いることができ、単独でまたは2種以上を併用することができる。
フェノール樹脂硬化剤の具体例として、ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、多官能芳香族フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。
このうち、良好な成形性を有する封止用樹脂組成物が得られるという観点からトリフェニルメタン型フェノール樹脂を含むことが特に好ましい。
封止用樹脂組成物中の(B)成分の配合量は、高化式フロー粘度を所定の範囲とし、良好な硬化性や硬化物特性が得られるという観点から0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%である。
(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分のフェノール樹脂硬化剤とは、フェノール樹脂硬化剤の水酸基当量とエポキシ樹脂のエポキシ当量との比(水酸基当量/エポキシ当量)が0.5〜1.5の範囲になるように配合することが好ましい。上記の比が0.5以上とすることにより、硬化反応が十分に進行する。上記の比を1.5以下とすることにより硬化物特性、特に耐湿性が劣化するのを防止することができる。本発明では耐湿性の指標として、実施例および比較例において吸水率が測定されている。
(C)成分のウレア系硬化促進剤は封止用樹脂組成物の高化式フロー粘度を低下させる作用を有しており、封止用樹脂組成物の貯蔵安定性、すなわち常温での安定性を向上させて保存性を良好に保持しながら、速やかな硬化性を付与するために使用される。このようなウレア系硬化促進剤としては、アルキルウレアを含むアルキルウレア系硬化促進剤であれば特に限定されずに使用することができる、また単独でも2種以上を併用することもできる。具体例としては、芳香族アルキルウレア、脂肪族アルキルウレアなどがあり、市販品としてはU−CAT3512T(サンアプロ社製:芳香族ジメチルウレア)やU−CAT3513N (サンアプロ社製:脂肪族ジメチルウレア)などがある。
(A)成分のエポキシ樹脂との相溶性が高く、十分な硬化促進効果が得られるため、芳香族ジメチルウレアを使用するのが好ましい。
(C)成分のウレア系硬化促進剤は、それぞれの触媒活性が異なるため、一概にその好適な配合量は決められないが、(A)成分のエポキシ樹脂および(B)成分のフェノール樹脂硬化剤の合計量100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましい。0.1質量部以上とすることにより、硬化性が不十分となることを防止することができる。15質量部以下とすることにより、得られる封止用樹脂組成物を半導体装置に用いた場合において半導体装置の耐湿信頼性等が不十分となることを防止することができる。(C)成分のウレア系硬化促進剤の配合量は、0.5〜10質量部がより好ましい。
(D)成分の無機充填材は、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、タルク等が挙げられ、コスト、特性のバランスを考えると溶融シリカが好ましい。
無機充填材の配合割合は、封止用樹脂組成物の全量中、50〜95質量%であることが好ましい。50質量%以上とすることにより、耐水性が低下(吸水率が増大)することを防止し、難燃性および耐クラック性に劣ることを防止することができる。一方、95質量%以下とすることにより、流動性が低下して成形性が低下することを防止することができる。
無機充填材の配合割合は、封止用樹脂組成物の全量中、70〜92質量%であることがより好ましく、75〜90質量%であることが特に好ましい。
無機充填材の平均粒径は1〜40μmであることが好ましい。また、最大粒径は75μm以下であることが好ましい。平均粒径が1μm以上であれば、封止用樹脂組成物の高化式フロー粘度が過度に高くなることを防止することができる。無機充填材の平均粒径は、5μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。
一方、平均粒径が40μm以下であれば、寸法精度が低下することを防止することができる。なお、平均粒径は、5〜35μmがより好ましく、5〜30μmがさらに好ましい。また、最大粒径を75μm以下とすることにより、成形性が悪化したり、さらにワイヤー流れ(ワイヤーの変形)が増大するのを防止することができる。
本発明の封止用樹脂組成物には、さらに、成分(E)としてシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤を配合することにより、封止用樹脂組成物の流動特性(スパイラルフロー、高化式フロー粘度等)が改善され、硬化物において機械特性(曲げ強度等)が改善される。
シランカップリング剤の配合量は(D)成分の無機充填材の100質量部に対して0〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。
シランカップリング剤の中でも、封止用樹脂組成物の流動特性が向上するという観点から、アミノシランカップリング剤を使用することが好ましい。
本発明の封止用樹脂組成物には、本発明の目的に反しない限度において、また必要に応じて、上記成分に加えて、その他の添加剤を配合してもよい。その他の添加剤としては、各種充填材、ハイドロタルサイトのような陰イオン捕捉剤、天然ワックス類や合成ワックス類等の離型剤、カーボンブラック、酸化チタン等の着色剤、ゴム系やシリコーン系ポリマーの低応力付与剤、アミン変性、エポキシ変性シリコーンオイル等の表面処理剤等が挙げられる。その他の添加剤の配合量は封止用樹脂組成物中、0〜10質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましい。
本発明の封止用樹脂組成物は、(A)成分として特定のエポキシ樹脂を使用して、さらに、(C)成分としてウレア系硬化促進剤を使用することにより、高化式フロー粘度を所定の範囲に調整することができる。
本発明の封止用樹脂組成物は、前記成分(A)〜(D)を必須成分として、さらに必要に応じて(E)成分や前記各種添加剤を配合して調製されるが、25℃で1ヶ月保管後の高化式フロー粘度が1〜10Pa・sであることを特徴としている。成形性を良好に保ち、かつ、ワイヤーの変形を小さくするという観点から、好ましい高化式フロー粘度は5Pa・s以下である。
本発明の封止用樹脂組成物は、例えば、以下のようにして調製することができる。(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤および(D)無機充填材及び必要に応じて、(E)成分やその他の添加剤をミキサー等を用いて十分均一になるように混合し、熱ロール、ニーダ等を用いて加熱溶融混練を行った後、冷却固化してから粉砕して樹脂組成物の粉砕物とする。
この樹脂組成物の粉砕物にさらに以下のような処理を行ってもよい。すなわち、高い充填密度が得られるように、第1の粉砕物を高温の金型内に入れて、低圧のプレス成形やロール成形によりシート状に成形する。成形温度は、70〜150℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。成形温度が70℃以上とすることにより、封止用樹脂組成物が容易に軟化し、高い充填密度が得られ、150℃以下とすることにより硬化反応が過度に促進されて成形性が低下することを防止することができる。
成形後、金型内で、または金型内から取り出して、冷却固化して樹脂シートとする。この樹脂シートをハンマーミル等により粉砕して粉砕物を得る。このような粉砕物を封止用樹脂組成物としてもよい。
このようにして得られる封止用樹脂組成物の平均粒径は、硬化物特性や成形性の観点から2mm以下であり、より好ましくは100〜800μmである。平均粒径の調整は、粉砕後、必要に応じて篩い分けして行われる。
本発明の封止用樹脂組成物は、常温保管が可能であって貯蔵安定性が良好であるとともに、硬化物特性や成形性も良好である。従って、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法により半導休素子の封止を行うことで、ワイヤー流れ(ワイヤーの変形)が小さく、未充填、表面における巣の発生が抑制された樹脂封止型の半導体装置を得ることができる。
半導体素子としては、IC、LSI、ダイオード、サイリスタ、トランジスタ等が例示されるが、特にこれらに限定されるものではない。封止用樹脂組成物による封止後は、加熱して硬化させ、最終的にその硬化物によって半導体素子が封止された半導体装置が得られる。必要に応じて後硬化させても良い。後硬化させるときの温度は、150℃以上とすることが好ましい。
以上、実施形態について説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
次に、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。
以下に示す測定条件により、封止用樹脂組成物特性および硬化物特性の測定および評価を行った。
(1)高化式フロー粘度
初期および25℃にて1ヶ月間保管後の2種類の封止用樹脂組成物について、島津フローテスターCFT−100C型〔商品名、株式会社島津製作所製〕により、175℃、ノズル長1.0mm、ノズル半径0.25mm、プランジャー圧力10kgfでの高化式フロー粘度を測定した。
(2)スパイラルフロー
初期および25℃にて1ヶ月間保管後の2種類の封止用樹脂組成いて、温度175℃、圧力9.8MPaの条件でスパイラルフローを測定した。
(3)ゲルタイムおよび保持率
初期および25℃にて1ヶ月間保管後の2種の封止用樹脂組成物について、175℃の熱板上においてゲル化するまでの時間を測定してゲルタイムとした。保持率(%)は〔ゲルタイム(25℃にて1ヶ月間保管後)/ゲルタイム(初期値)〕×100により算出した。
(4)ワイヤー流れ(表1中ではワイヤーの変形率と記載する)
初期および25℃にて1ヶ月間保管後の2種類の封止用樹脂組成物を用いて、長さ3.5mm、径20μm、Bond Pad Pitch 50μmを配した35mm FBGA(Fine pitch Ball Grid Array)を作製し、軟X線装置を用いて変形の有無を確認し、ワイヤーの変形率(%)として算出した。
(5)成形性
FBGA(Fine pitch Ball Grid Array、樹脂部55mm×54mm×0.8mm)を、初期および25℃にて1ヶ月保管後の封止用樹脂組成物を用いて、175℃で2分間トランスファー成形して硬化物を製造した後、この硬化物の表面における「鋳巣・未充填部」を観察し、下記判定基準で評価した。
○:鋳巣・未充填部が観察されない
△:鋳巣・未充填部が1〜5個観察される
×:鋳巣・未充填部が5個以上観察される
(6)線膨張係数(α1、α2)
TMA(熱機械分析)法により、昇温速度10℃/分、荷重98mNで室温から300℃まで測定した。
(7)ガラス転移点
TMAを用いて上記線膨張係数と同時に測定を行い、ガラス転移点を算出した。
(8)曲げ強さ
JIS K 6911に準じて測定した。
(9)成形収縮率
JIS K 6911に準じて測定した。
(10)吸水率
前記成形性を調べるために作製した硬化物を121℃、0.25MPaの飽和水蒸気にて24時間処理(Pressure Cooker Test、表1中ではPCTと記載)した前後の質量増加率から算出した(単位:%)。この吸水率は耐湿性の指標となる。
(11)耐リフロー性試験
半導休素子(10mm×10mm)を回路基板上に配置し、半導体素子表面のアルミ電極と回路基板上に設置した電極間を直径20μm、長さ3.5mmの金線でワイヤボンディングし、封止用樹脂組成物を用いて、温度175℃、圧力6.0MPaの条件でマルチプランジャ装置を使用してトランスファー成形し、評価用半導体装置〔PBGA(Plastic Ball Grid Array)パッケージ〕を作製し、さらに175℃で8時間、後硬化させた。
上記半導体装置を30℃、60%RHにて168時間吸湿させた後、260℃ピークの赤外線リフロー炉中に3回通し、半導体装置の剥離、クラックが発生した試料の数を調べた(試料数20)。MSL(Moisture Sensitivity Levels)はJEDECレベル3である。
(12)耐湿信頼性試験1
上記(9)の条件で吸湿、リフロー処理を行った半導体装置を、121℃、0.25MPaの条件で168時間吸湿(Pressure Cooker Test、表1中ではPCTと記載)させた後、ワイヤオープンが発生した試料の数を調べた(試料数20)。
(13)耐湿信頼性試験2
上記(9)の条件で吸湿、リフロー処理を行った半導体装置を、130℃、85%RHの条件下で1000時間吸湿(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test、表1中ではHASTと記載)させた後、ワイヤオープンが発生した試料の数を調べた(試料数20)。
[製造方法]
以下、封止用樹脂組成物の製造について説明する。
(実施例1)
(A)成分のエポキシ樹脂としてビフェニル型エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:YX4000HK、エポキシ当量:約190〕7.77質量部、(B)成分のフェノール樹脂硬化剤としてトリフェニルメタン型フェノール樹脂〔明和化成(株)製、品番:MEH−7500、水酸基当量:95〜99〕3.71質量部、離型剤としてカルナバワックス〔セラリカ野田(株)、商品名:カルナバワックスNo.1〕0.1質量部、(E)成分としてシランカップリング剤〔モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(株)製の(N−フェニル-γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン、品番:Y−9669〕0.2質量部、着色剤としてカーボンブラック〔三菱化学(株)製、品番:NA−600〕0.3質量部、陰イオン捕捉剤としてハイドロタルサイト〔協和化学(株)製、品番:KW−2200〕0.20質量部、(C)成分のウレア系硬化促進剤として芳香族ジメチルウレア〔サンアプロ(株)製、品番:U−CAT3512T〕0.34質量部、(D)成分の無機充填材として溶融球状シリカ〔電気化学工業(株)製、品番:FB−940A、平均粒径約16μm〕86.7質量部を配合し、ヘンシェルミキサーを用いて常温で混合し、さらに、二軸混練機を用いて90〜110℃で混練した後、冷却した。これを、スピードミルを用いて1.0mm以下の平均粒径を有する封止用樹脂組成物を製造した。
得られた直後の封止用樹脂組成物と25℃で1ヶ月保管後の封止用樹脂組成物を用いて前記のように、樹脂組成物特性、硬化物特性および半導体装置特性の測定および評価を行った。
(実施例2〜7、比較例1〜5)
各成分と各種添加剤の種類とその配合量(質量部)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして封止用樹脂組成物および比較のための樹脂組成物を得て各種特性の測定および評価を行った。
実施例1で用いられた材料以外で実施例2〜7および比較例1〜5で用いられた材料は下記の通りである。
(A)エポキシ樹脂
ビフェニル型エポキシ樹脂:三菱化学(株)製、品番:YL6121H(エポキシ当量:170〜180)
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂:大日本インキ化学工業(株)製、品番:エピクロンHP−7200(エポキシ当量:約260)
ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:日本化薬(株)製、品番:NC−3000(エポキシ当量:270〜280)
(B)フェノール樹脂硬化剤
ナフタレン型フェノール樹脂:新日鉄住金化学(株)製、品番:SN−395(水酸基当量:約104)
ノボラック型フェノール樹脂:昭和高分子(株)製、品番:BRG−556(水酸基当量:約104)
ノボラック型フェノール樹脂:明和化成(株)製、品番:H−4(水酸基当量:約104)
成分(C)に対する比較成分
イミダゾール:四国化成(株)製、品番2P4MHZ-PW(平均粒径:約5.5μm)
トリフェニルホスフィン:北興化学工業(株)製、品番:PP−200
DBU−フェノールノボラック樹脂塩:サンアプロ(株)製、品番:U−CAT SA-841
成分(E)―任意成分
シランカップリング剤:JNC(株)製の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、品番:S−510
Figure 2015203066
上記表1の結果より以下のことが明らかである。実施例の封止用樹脂組成物は、ゲルタイムの保持率が高く、溶融粘度の変化も抑制されて貯蔵安定性が良好である。さらに、成形性も硬化物特性も良好で、ワイヤーの変形率が小さい。―方、比較例1〜3で調製した樹脂組成物はゲルタイムの保持率が低く、貯蔵安定性が悪い。そして、いずれも十分な成形性を有していない。比較例4、5で調製した樹脂組成物はゲルタイムの保持率はそれほど低くはないが、高化式フロー粘度が高く、成形性が悪い。比較例におけるワイヤーの変形率は比較例4、5以外、初期値は小さいが、25℃で1ヶ月保管後にいずれも大きくなっており、樹脂組成物の貯蔵安定性が悪いことがわかる。
本発明の封止用樹脂組成物は貯蔵安定性が良好であるので、信頼性の高い半導体装置の製造において極めて有用である。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)ウレア系硬化促進剤および(D)無機充填材を必須成分とし、25℃で1ヶ月保管後の高化式フロー粘度が1〜10Pa・sであることを特徴とする封止用樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分のエポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂である請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
  3. さらに(E)成分として、シランカップリング剤を含む請求項1または2に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 前記(E)成分のシランカップリング剤がアミノシランカップリング剤である請求項3に記載の封止用樹脂組成物。
  5. 前記(C)成分のウレア系硬化促進剤がアルキルウレア系硬化促進剤である請求項1〜4のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の封止用樹脂組成物を用いて封止されてなる半導体装置。
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