JP7243856B2 - 回路基板及び回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
そして、セラミックグリーンシートと金属シートを同時焼成することによって、絶縁基体内に貫通金属体を形成する。
絶縁基体と貫通金属体の接合強度が弱いと、貫通金属体に実装される発熱素子の発熱等に起因する熱応力によって絶縁基体と貫通金属体の剥離が生じる可能性があった。
また、貫通金属体による放熱性をさらに高めることも要望されていた。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の一実施の形態に係る回路基板及び回路基板の製造方法の個々の好ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
図1は、本発明の回路基板の構成の一部の例を模式的に示す断面図である。
図1には、回路基板1において、絶縁層20に配線の一部であるサーマルビア30が設けられた部分を模式的に示している。
低温焼結セラミック材料とは、セラミック材料のうち、1000℃以下の焼成温度で焼結可能であり、配線となる金属材料として好ましく使用される銀や銅との同時焼成が可能である材料を意味する。
低温焼結セラミック材料としては、SiO2-CaO-Al2O3-B2O3系ガラスセラミック又はSiO2-MgO-Al2O3-B2O3系ガラスセラミックを含むことが好ましい。
また、後述するサーマルビアと同じ材質であることも好ましい。
本明細書では、配線のうちサーマルビア以外の配線についてはその詳細な説明を省略する。
例えば、サーマルビアの上面に発熱素子を実装し、サーマルビアを通じてサーマルビアの下面から放熱するために使用することができる。
なお、サーマルビアは回路基板の厚さ方向での電気的接続を行うために設けられるスタックビアとは、その設けられる目的が異なる。
また、サーマルビアの上面視した面積は100mm2以下であることが好ましい。
サーマルビアの上面視した形状は特に限定されるものではなく、円形、多角形(正方形、長方形等)が挙げられる。
サーマルビアの上面視した面積を上記範囲とする観点から、サーマルビアの上面視した形状が円形の場合はその直径が0.06mm以上であることが好ましい。
また、サーマルビアの上面視した形状が正方形の場合はその1辺が0.05mm以上であることが好ましい。
図1に示すサーマルビア30はテーパー導体が4層積層された構成である。
実際のサーマルビアでは複数層のテーパー導体は一体化しているため、図1においてはテーパー導体の各層の境界は示していない。
また、複数層のテーパー導体に対応する絶縁層も一体化しているため、図1においては絶縁層の各層の境界も示していない。
図2では、サーマルビア30を構成するテーパー導体31、32、33、34の境界を点線で示している。
テーパー導体31、32、33、34はその右側にテーパー形状である端面31a、32a、33a、34aをそれぞれ有しており、その左側にもテーパー形状である端面31b、32b、33b、34bをそれぞれ有している。
図2に示す断面図ではテーパー導体の左右にテーパー形状である端面があるように見えるが、テーパー導体の端面はその周囲全体にわたってテーパー形状となっている。
そして、テーパー導体31、32、33、34の端面31a、32a、33a、34aは、それぞれ絶縁層21、22、23、24と接している。
また、サーマルビアを構成する複数のテーパー導体として、その上面が突出したテーパー導体とその下面が突出したテーパー導体が混在していてもよい。
また、テーパー形状を構成する端面はその断面図において直線であるものに限定されず、テーパー形状を構成する端面が曲線であってもよい。
このようにサーマルビアと絶縁層が強固に接合すると、発熱素子の発熱に起因する熱応力によってサーマルビアと絶縁層が剥離することが防止される。
なお、テーパー導体の端面と絶縁層との接合面の一部にボイド(空隙)が存在していてもよい。
図3は、テーパー導体の端面を模式的に示す拡大図である。
図3には、テーパー長さを両矢印Lで示している。テーパー長さはテーパー導体の突出した面(図3では上面)の先端と、突出していない面(図3では下面)の先端の差として定められる。
なお、図3にはテーパー導体を構成する金属材料が絶縁層内に拡散した部分である拡散部分25を合わせて示している。拡散部分については後で詳しく説明する。
銀又は銅は低温焼結セラミック材料と同時焼成することができる。
また、テーパー導体は金属と絶縁層を構成する低温焼結セラミック材料とを含むことが好ましい。金属に低温焼結セラミック材料を混合することによってサーマルビアの周囲の絶縁層との熱膨張係数差が小さくなり、サーマルビアと絶縁層の接合強度が向上する。
サーマルビアと絶縁層の接合強度を向上させる観点からは、テーパー導体に占める低温焼結セラミック材料の重量割合が10%以上であることが好ましい。
また、テーパー導体の熱伝導性を高くする観点からはテーパー導体に占める低温焼結セラミック材料の重量割合が多過ぎないほうがよいため、テーパー導体に占める低温焼結セラミック材料の重量割合が50%以下であることが好ましい。
サーマルビアの厚さを厚くすると、サーマルビアの抵抗が小さくなるため、サーマルビアに大電流を流すことができるために好ましい。
また、テーパー導体1層の厚さは25μm以上であることが好ましく、150μm以下であることが好ましい。
図3には絶縁層21、22内に拡散部分25を模式的に示している。
拡散部分の存在はEDXによる元素分析を行い、テーパー導体を構成する金属材料(例えば銀、銅等)が絶縁層内に検出されることにより確認することができる。
絶縁層内に拡散部分が存在していると、サーマルビアと絶縁層の接合強度が向上する。また、サーマルビアと絶縁層の界面付近での熱膨張係数の差が緩やかになるため熱膨張係数差による熱応力に対する強度が向上し、高温環境下(例えば80℃/30分保持)における接合部分の劣化が防止される。
なお、図4に示す写真は後述する実施例1で得た回路基板の断面写真である。
図4には、サーマルビア30及び絶縁層20を示している。また、テーパー導体としてテーパー導体31、テーパー導体の端面としてテーパー導体の端面31aを参照符号で代表して示している。
また、拡散部分25は、写真においてサーマルビア30に隣接する絶縁層20内にある、色調が少し変化して黒味が増している部分であり、参照符号25でその位置の一部を代表して示している。
なお、テーパー長さを両矢印Lで示している。
図4に示すように、サーマルビアが、端面がテーパー形状であるテーパー導体が複数層積層されてなり、テーパー導体のそれぞれの端面が絶縁層に接していると、テーパー導体の端面と絶縁層の結合においてアンカー効果が生じ、サーマルビアと絶縁層が強固に接合する。
また、絶縁層内に拡散部分が存在していると、サーマルビアと絶縁層の接合強度が向上する。
図5には、回路基板1のサーマルビア30の下面に接する高熱伝導セラミック基板40と、サーマルビア30の上面に半田60を介して実装された発熱素子50を示している。
上記パワー素子は、ワイドバンドギャップ半導体からなる素子であることが好ましい。また、上記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化ケイ素又は窒化ガリウムであることが好ましい。
上記発光素子は、LED素子、有機EL素子、LIDAR素子、RADAR素子及びミリ波素子からなる群から選択される少なくとも1種の素子であることが好ましい。
本発明の回路基板のサーマルビアの上面に発熱素子を実装することで、本発明の回路基板を発熱素子実装基板として使用することができる。
本発明の回路基板は、低温焼結セラミック材料を含むセラミックグリーンシートに、上面径と底面径が異なり上面径の面積が0.0025mm2以上となる貫通孔を形成する工程と、上記貫通孔に金属を含む導体ペーストを充填してビア導体を形成する工程と、上記ビア導体を形成したセラミックグリーンシートを、上記ビア導体の位置が重なるように複数枚積層して積層体を作製する工程と、上記積層体を焼成する工程と、を有することを特徴とする回路基板の製造方法により製造することができる。
セラミックグリーンシートの無機固形分としては、上記した低温焼結セラミック材料の粉末を使用することができる。また、アルミナ粉末を混合した混合粉末を使用してもよい。
セラミックグリーンシートの例としては、上記粉末に、樹脂、分散剤、可塑剤及び溶剤を添加し、混合したスラリーを、ドクターブレード法により所定の厚さとなるようにシート化したものが挙げられる。
貫通孔の形成は、上面径と底面径が異なり上面径の面積が0.0025mm2以上である形状のパンチを使用したパンチングにより行うことができる。
また、上面径の面積が0.0025mm2以上となり、上面径と底面径が異なるようにしたレーザーパンチャーにより行うことができる。
導体ペーストとしては、銀又は銅を含むペーストを使用することが好ましい。
また、導体ペーストが、金属と、セラミックグリーンシートに含まれる前記低温焼結セラミック材料とを含み、金属と低温焼結セラミック材料の合計重量に対する低温焼結セラミック材料の重量割合が50%以下であるようにすることが好ましい。
さらに、金属と低温焼結セラミック材料の合計重量に対する低温焼結セラミック材料の重量割合が10%以上となるようにすることが好ましい。
導体ペーストには、樹脂成分、溶剤、分散剤等を含有してもよい。
図6は、積層体の一例を模式的に示す断面図である。
図6に示す積層体101は、ビア導体134、133、132、131がそれぞれ形成されたセラミックグリーンシート124、123、122、121が積層されてなる。
ビア導体134、133、132、131の位置は重なるようになっている。
図6には、ビア導体の位置が上下で完全に一致するように図示しているが、ビア導体の位置は電気的に接続できるように重なっていればビア導体の位置が上下でずれていてもよい。
積層体の焼成は、低温焼結セラミック材料の焼結に適した温度で行うことが好ましく、例えば焼成温度を1000℃以下とすることが好ましい。また、焼成温度を850℃以上、990℃以下とすることがより好ましい。
焼成時間(焼成温度での保持時間)は10分以上、30分以下とすることが好ましい。
なお、積層体を加圧して焼成する加圧焼成を行ってもよい。
焼成時の雰囲気は大気雰囲気とすることが好ましい。
焼成によりセラミックグリーンシートに含まれる低温焼結セラミック材料が焼結して絶縁層となり、積層されたビア導体は一体化してサーマルビアとなる。
図6に示すような積層体101を焼成することにより、図1に示す構造の回路基板1が得られる。
拘束層は、焼成工程で焼結しない材料であるセラミック粉末に、樹脂、分散剤、可塑剤及び溶剤を添加及び混合したスラリーを、ドクターブレード法によりシート化したものである。拘束層に用いるセラミック粉末としてはアルミナ粉末が好ましい。また、シート化の厚さとしては例えば0.2mmとすることが好ましい。
拘束層を設けることにより、焼成工程におけるセラミックグリーンシートの収縮量を制御することができ、絶縁層の寸法精度を高めることができる。
このようにすると、絶縁層とサーマルビアの接合に接着剤を使用することなく絶縁層とサーマルビアが強固に接合された構造を得ることができる。
また、同時焼成を行うことにより絶縁層内に金属材料を拡散させて拡散部分を形成することができる。拡散部分が形成されることにより、サーマルビアと絶縁層の界面付近での熱膨張係数の差が緩やかになるため熱膨張係数差による熱応力に対する強度が向上し、高温環境下(例えば80℃/30分保持)における接合部分の劣化が防止される。
出発原料として、アルミナ粉末を用意するとともに、ガラス粉末として、SiO2を59重量%、B2O3を10重量%、CaOを25重量%、Al2O3を6重量%の割合で含有する組成のホウケイ酸ガラス粉末を用意した。
このガラス粉末は低温焼結セラミック材料である。
そして、上述のアルミナ粉末とガラス粉末を重量比で40:60の割合で混合し、この混合粉末にバインダ、分散剤、可塑剤及び有機溶剤等を各々適量添加し、混合することにより、セラミックスラリーを作製した。
次に、アルミナ粉末にバインダ、分散剤、可塑剤及び有機溶剤等を各々適量添加し、混合することにより拘束層スラリーを作製した。
次に、厚さ100μmのセラミックグリーンシートに、パンチングを用いて、上面径と底面径が異なるように0.05mm角の貫通孔を形成した。
形成した貫通孔に、銀を含む導体ペーストを充填してビア導体を形成した。
銀を含む導体ペーストには、セラミックグリーンシートに含まれる低温焼結セラミック材料であるガラス粉末が含まれている。導体ペーストにおける、金属と低温焼結セラミック材料の合計重量に対する低温焼結セラミック材料の重量割合は10%であった。
まず、最表層に拘束層シートを1枚積層し、次いで、ビア導体を形成したセラミックグリーンシートを15枚積層し、さらに、最裏層に拘束層シートを1枚積層した。セラミックグリーンシートの積層にあたってはビア導体の位置が重なるようにした。
次に、上記の積層方法で得られた積層体を厚さ方向にプレスした。
低温焼結セラミック材料とビア導体が同時焼成されて、絶縁層とサーマルビアが一度に形成された。
焼成後に形成された絶縁層の1層あたりの厚さについて、セラミックグリーンシートの状態で厚さ100μmであった場合、絶縁層の状態で厚さ50μmになっていた。
次に、積層体の上下に配置した拘束層の除去を、超音波洗浄機で仮洗浄後、ウエットブラスト機によるブラスト処理を行うことによって行った。
実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート及び拘束層シートを作製した。
次に、厚さ100μmのセラミックグリーンシートに、パンチングを用いて、上面径と底面径が同じ0.05mm角の貫通孔を形成した。
次に、上記の積層方法で得られた積層体を厚さ方向にプレスした。
実施例1の回路基板のサーマルビアの上面、比較例1の回路基板の金属板の上面のそれぞれに、ニッケル/金めっき処理を行った。続いて、ニッケル/金めっき処理面にリード線を半田付けした。
続いて、このリード線の一端を引張強度測定器で掴み、荷重を測定しながらリード線を引き上げて、サーマルビア又は金属板が回路基板から抜けた時点での荷重を測定した。
この荷重を貫通孔の面積(0.05mm角)で除した値を接合強度とした。
図7は、実施例1及び比較例1における接合強度を示すグラフである。
図7に示すように、実施例1の回路基板では室温での接合強度が高く、また、高温処理後においても接合強度の低下幅が小さくなっていた。
実施例1で得た回路基板のサーマルビア及びサーマルビアと接する絶縁層の一部の一例を示す断面写真を撮影した。この写真が図4に示す断面写真である。
図4の説明で示した通り、絶縁層内には拡散部分が生じていることが観察された。
実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート及び拘束層シートを作製した。
次に、厚さ100μmのセラミックグリーンシートに、パンチングを用いて、上面径と底面径が異なるように4mm角の貫通孔を形成した。
形成した貫通孔に、銅を含む導体ペーストを充填してビア導体を形成した。
銅を含む導体ペーストには、セラミックグリーンシートに含まれる低温焼結セラミック材料であるガラス粉末が含まれている。導体ペーストにおける、金属と低温焼結セラミック材料の合計重量に対する低温焼結セラミック材料の重量割合は10%であった。
実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート及び拘束層シートを作製した。
次に、厚さ100μmのセラミックグリーンシートの4mm角内に、上面径と底面径が同じとなる0.15mmφの貫通孔を8つ、貫通孔間ピッチ0.2mmで孔あけした。
形成した貫通孔に、実施例2で使用したものと同じ導体ペーストを充填してビア導体を形成した。
ビアパッドを形成したセラミックグリーンシートが最上層となるようにし、さらにビア導体を形成したセラミックグリーンシートを19枚用いて積層体を作製した。
なお、積層体の上下には拘束層シートを配置した。
その他は実施例1と同様にして積層体の作製と焼成を行い、拘束層シートを除去して回路基板を得た。
実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート及び拘束層シートを作製した。
セラミックグリーンシートを20枚積層し、さらに、積層体の上下に拘束層シートを配置して積層体の作製と焼成を行った。
拘束層シートの除去後、絶縁層に対してレーザー加工機を用いて、上面径と底面径が同じとなる4mm角の貫通孔を作製した。
次に、貫通孔に、上面視4.02mm角の銅製の金属板を圧入した。上記手順により回路基板を得た。
比較例3において、貫通孔を作製する工程までは同様とした。
貫通孔に銅製の金属板を圧入する工程に代えて、貫通孔に上面視3.9mm角の銅製の金属板を挿入し、接着剤で絶縁層と接着した。上記手順により回路基板を得た。
実施例2の回路基板のサーマルビアの上面、比較例2の回路基板のビアパッドの上面、比較例3及び4の銅製の金属板の上面のそれぞれに、ニッケル/金めっき処理を行った。
続いて、ニッケル/金めっき処理面に発熱素子を半田付けして実装した。
発熱素子(パワー素子)に電力1Wを印加し、10分後の回路基板の表面温度及び発熱素子の表面温度をサーモグラフカメラで測定した。
回路基板の最高温度が120℃以下、発熱素子の最高温度が150℃以下に抑制できたものを合格とした。
各実施例及び比較例の結果をまとめて表1に示した。
実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート及び拘束層シートを作製した。
次に、厚さ100μmのセラミックグリーンシートに、パンチングを用いて、上面径と底面径が異なるように2mm角の貫通孔を形成した。
低温焼結セラミック材料の重量割合は0重量%、10重量%、30重量%、50重量%とした。
そして、先に形成した貫通孔に、銀を含む導体ペーストを充填してビア導体を形成した。
同じ積層体を構成する20枚のセラミックグリーンシートとしては、同じ導体ペーストを使用してビア導体を形成したものを使用した。
実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート及び拘束層シートを作製した。
次に、厚さ100μmのセラミックグリーンシートに、パンチングを用いて、上面径と底面径が同じ2mm角の貫通孔を形成した。
低温焼結セラミック材料の重量割合は0重量%、10重量%、30重量%、50重量%とした。
そして、先に形成した貫通孔に、導体シートを圧入してビア導体を形成した。
同じ積層体を構成する20枚のセラミックグリーンシートとしては、同じ導体シートを使用してビア導体を形成したものを使用した。
実施例3の各回路基板のサーマルビアの上面、比較例5の各回路基板の導体シートの上面のそれぞれに、ニッケル/金めっき処理を行った。続いて、ニッケル/金めっき処理面にリード線を半田付けした。
続いて、このリード線の一端を引張強度測定器で掴み、荷重を測定しながらリード線を引き上げて、サーマルビア又は導体シートが回路基板から抜けた時点での荷重を測定した。
この荷重を貫通孔の面積(2mm角)で除した値を接合強度とした。
また、低温焼結セラミック材料の重量割合が0%のときと比べて、低温焼結セラミック材料を含むときの方が接合強度が高くなっている。これは、テーパー導体が絶縁層を構成する低温焼結セラミック材料を含むことによってサーマルビアの周囲の絶縁層とテーパー導体との熱膨張係数差が小さくなり、サーマルビアと絶縁層の接合強度が向上することを裏付けている。なお、低温焼結セラミック材料の重量割合が10%以上であることが、サーマルビアと絶縁層の接合強度を向上させるためにより好ましいことも分かる。
20、21、22、23、24 絶縁層
25 拡散部分
30 サーマルビア
31、32、33、34 テーパー導体
31a、32a、33a、34a、31b、32b、33b、34b テーパー導体の端面
40 高熱伝導セラミック基板
50 発熱素子
60 半田
101 積層体
121、122、123、124 セラミックグリーンシート
131、132、133、134 ビア導体
Claims (11)
- 低温焼結セラミック材料を含む絶縁層に配線が設けられてなる回路基板であって、
前記配線には、上面視で面積0.015mm 2 以上であるサーマルビアが含まれており、
前記サーマルビアは、端面がテーパー形状であるテーパー導体が複数層積層されてなり、
前記テーパー導体のそれぞれの端面が、前記絶縁層に接しており、
前記テーパー導体の断面におけるテーパー長さが20μm以上であることを特徴とする回路基板。 - 前記テーパー導体が、金属と前記絶縁層を構成する前記低温焼結セラミック材料とを含み、前記テーパー導体に占める前記低温焼結セラミック材料の重量割合が50%以下である請求項1に記載の回路基板。
- 前記テーパー導体に占める前記低温焼結セラミック材料の重量割合が10%以上である、請求項2に記載の回路基板。
- 前記テーパー導体のそれぞれの端面と接している前記絶縁層に、前記テーパー導体を構成する金属材料が前記絶縁層内に拡散した拡散部分が存在する請求項1~3のいずれかに記載の回路基板。
- 前記サーマルビアの厚さが50μm以上である請求項1~4のいずれかに記載の回路基板。
- 低温焼結セラミック材料を含むセラミックグリーンシートに、上面径と底面径が異なり上面径の面積が0.015mm 2 以上となる貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔に金属を含む導体ペーストを充填してビア導体を形成する工程と、
前記ビア導体を形成したセラミックグリーンシートを、前記ビア導体の位置が重なるように複数枚積層して積層体を作製する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、を有することを特徴とする回路基板の製造方法。 - 前記積層体を焼成する工程では、前記積層体を加圧して焼成する加圧焼成を行う、請求項6に記載の回路基板の製造方法。
- 焼成温度が1000℃以下である請求項6又は7に記載の回路基板の製造方法。
- 前記導体ペーストが、金属と、セラミックグリーンシートに含まれる前記低温焼結セラミック材料とを含み、前記金属と前記低温焼結セラミック材料の合計重量に対する前記低温焼結セラミック材料の重量割合が50%以下である請求項6~8のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 前記金属と前記低温焼結セラミック材料の合計重量に対する前記低温焼結セラミック材料の重量割合が10%以上である、請求項9に記載の回路基板の製造方法。
- 前記貫通孔の形成は、上面径と底面径が異なるパンチによるパンチング、又は、上面径と底面径が異なるようにしたレーザーパンチャーにより行う請求項6~10のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
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