JP3610247B2 - 配線基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子が収容搭載される半導体素子収納用パッケージや、半導体素子の他にコンデンサや抵抗体等の各種電子部品が搭載される混成集積回路装置等に用いられ、特に、パワ−モジュ−ル基板、IGBT基板等の大電流を流すことが可能な配線導体を有する配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子収納用パッケージや混成集積回路装置、パワ−モジュ−ル基板等に用いられる配線基板は、一般にアルミナ質焼結体等の電気絶縁性のセラミック焼結体から成る絶縁基板を用い、その上面の略中央部に設けた凹部周辺から下面に、あるいはその内部及び表面に、タングステン(W)やモリブデン(Mo)、マンガン(Mn)等の高融点金属から成る複数の配線導体を配設すると共に、各配線導体を絶縁基板内に設けた前記同様の高融点金属から成るビアホール導体で接続した構造を成している。
【0003】
そして、前述のように構成された配線基板は、例えば半導体素子収納用パッケージに適用した場合には、その絶縁基板の凹部底面に半導体素子をガラスあるいは樹脂、ロウ材等の接着剤を介して接着固定すると共に、半導体素子の各電極が凹部周辺に位置する配線導体にボンディングワイヤを介して電気的に接続され、金属やセラミックス等から成る蓋体を前記凹部を塞ぐように前記接着剤と同様の封止剤を介して接合し、絶縁基板の凹部内に半導体素子を気密に収容することにより半導体装置を得るものであった。
【0004】
かかる半導体装置は、その絶縁基板に設けた配線導体の一部に鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金等から成る外部リード端子が銀ロウ等のロウ材を介して接着されており、該外部リード端子を外部電気回路に接続することによって、半導体素子の各電極は配線導体、ボンディングワイヤ及び外部リード端子を介して外部電気回路に電気的に接続されている。
【0005】
しかしながら、前記従来のアルミナ質焼結体を絶縁基板とする配線基板は、配線導体及びビアホール導体を形成するWやMoの電気抵抗値が4〜8×10−6Ω・cmと極めて高いため、配線間の電気抵抗値を小さくして大電流を流せることが要求されるような配線基板、具体的には車載環境のような厳しい環境下で使用される各種制御機器等をはじめとする、配線導体のさらなる低抵抗化が望まれているような用途には適用できなかった。
【0006】
従って、前述のような用途に適用する配線基板では、配線導体の抵抗値を低減して大電流を流せるようにするために、配線基板を構成する絶縁基板を銅(Cu)や銀(Ag)等を主成分とする低抵抗導体材料を用いて、厚膜法や無電解メッキ法により形成することが行われている。
【0007】
しかし、かかる配線導体では、配線の高密度化のために配線パターンの線幅が配線基板の面積により制限され、一定以上に幅広く形成することができず、しかも、前記配線導体の形成方法では、後の工程に悪影響を及ぼさず短時間に低コストで充分な厚さの配線導体を得ることが困難であり、前記低抵抗化を満足するものではなかった。
【0008】
そこで、最近では、配線導体の抵抗値を低減して大電流を流せるようにするために、配線基板を構成する絶縁基板に配線用空間部や溝を形成し、その配線用空間部や溝に電気抵抗値の低い銅(Cu)や銀(Ag)等の低融点金属から成る配線導体材料を充填して低抵抗配線導体を形成したものや、特に高熱伝導性が要求されるパワーモジュール基板等では、銅板やアルミニウム板により形成した低抵抗配線導体を銀系やアルミニウム系等のロウ材で絶縁基板に接着したものが知られている。
【0009】
しかしながら、上記低抵抗配線導体を、例えば100μm以上に厚く形成すると、低抵抗配線導体と絶縁基板との熱膨張差に起因する熱応力が発生し、特に、配線導体端部近傍のセラミックスに応力が集中して大きな残留応力となり、その結果、配線基板に外力や熱衝撃が加わると前記残留応力と相まって極めて大きな応力となり、前記絶縁基板にクラックを発生させたり、該クラックが進展して他の配線導体を断線したり、前記絶縁基板の配線用空間部や溝に充填して形成したり、銅板やアルミニウム板により形成した低抵抗配線導体が、該配線用空間部や溝等から剥離して低抵抗配線導体に接続された他の配線導体と断線する恐れがある等の問題があった。
【0010】
そこで、前記配線導体端部近傍のセラミックスに発生する応力を緩和するために、低抵抗配線導体を気孔率が30%程度の金属層を介して絶縁基板に接合する方法が提案されている(特開平9−36277号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記半導体素子収納用パッケージや混成集積回路装置、パワ−モジュ−ル基板等で大電流を必要とする配線基板において、低抵抗配線導体としてCuを採用した場合、気孔率が30%の金属層を介して絶縁基板に接合したとしても熱サイクル試験により容易にセラミック絶縁基板にクラックが発生して接合信頼性が得られないものであった。
【0012】
また、低抵抗配線導体としてAlを用いると、前記熱サイクル試験においても絶縁基板へのクラックの発生が低減されるものの、著しい形状変化を起こすため、配線導体としては不向きであるという問題があった。
【0013】
更に、気孔を有する金属層を形成するにあたり、Cuなどの低抵抗配線導体を絶縁基板に焼き付けた後、介在させた金属層を圧延して金属層の厚さと気孔率を調整することから、製造工程の増加とその管理が必要となり、コストアップにつながるという課題があった。
【0014】
従って、本発明は、前記課題を解消せんとして成されたもので、その目的は、絶縁基板の表面に少なくともその一部が露出した100μm以上の厚さを有する配線導体を設けても、該配線導体との熱膨張差による絶縁基板のクラックや、該クラックの進展による他の配線導体の断線等が発生せず、更に、前記100μm以上の厚さを有する配線導体が絶縁基板の配線用空間部や溝から剥離したりせず、従って、該配線導体に接続された他の配線導体を断線したりすることがなく、前記厚さを有する配線導体の低抵抗化を実現して、かつ熱伝導性を損なわず大電流を流すことが可能な、信頼性の高い配線導体を有する配線基板を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、絶縁基板に100μm以上の厚さの配線導体を形成するにあたり、特定組成の高融点金属層を形成し、該金属層上に一定範囲の気孔を設けた低抵抗金属から成る金属層を介して、最表層に低抵抗金属層を被着形成することにより、配線導体と絶縁基板間の熱膨張差によって発生する応力が有効に緩和され、絶縁基板にクラックを生じたり、該絶縁基板から配線導体が剥離したり、電気抵抗が増加したり、熱伝導性が悪化したりする等の前記課題が解消できることを知見し、本発明に至った。
【0016】
即ち、本発明の配線基板は、セラミック絶縁基板の表面に、該セラミック絶縁基板側から、高融点金属100体積部に対して無機成分を5〜40体積部の割合で含有する高融点金属層と、気孔率が3〜25%の多孔質金属層と、CuあるいはAlを主成分とする低抵抗金属層とが順次積層されてなる厚さ100μm以上の配線導体を具備することを特徴とするものである。
【0017】
特に、前記高融点金属層中の無機成分として、少なくともSiO、さらには、前記絶縁基板中のセラミック成分を含有することが望ましく、また、前記高融点金属層が10〜100μm、前記多孔質金属層が50〜600μm、前記低抵抗金属層が50〜600μmの厚さでそれぞれ形成されてなることが望ましい。さらに、前記セラミック絶縁基板は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素のうちの少なくとも1種を主成分とすること、ならびに、前記配線導体には1A以上の電流が流されることを特徴とするものである。
【0018】
【作用】
本発明の配線基板によれば、絶縁基板の表面に少なくともその一部が露出した厚さ100μmの配線導体が、高融点金属層と、多孔質金属層と、低抵抗金属層とから構成することによって、多孔質金属層のヤング率が、例えば、緻密な銅のヤング率が130GPaに対して80〜110GPaと小さいために、絶縁基板と配線導体との熱膨張率の相違に起因する熱応力が発生したとしても、熱応力は、上記多孔質金属層の変形によって有効に吸収され、絶縁基板及び配線導体に対する影響を抑制することができる。
【0019】
更に、上記構成において、高融点金属層を、特定量の高融点金属と無機成分を含有させることにより、高融点金属層と絶縁基板の接着性が高まり、さらには、多孔質金属層および低抵抗金属層を含めた配線導体の絶縁基板への接合性および密着性を高めることができ、その上、前記接合は接合面の接触部分のみの反応であるため、低抵抗配線導体の電気的特性には何ら影響を及ぼさず、絶縁基板のクラックや配線導体が絶縁基板から剥離して該配線導体に接続された他の配線導体を断線することもなく、配線導体の低抵抗化を実現して大電流を流すことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の配線基板を図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の配線基板の一実施例を示す斜視図であり、図2は、その配線導体の拡大断面図である。
【0022】
図1及び図2における配線基板によれば、複数の絶縁層1a〜1dが積層された絶縁基板1の表面には、高融点金属層2、多孔質金属層3および低抵抗金属層4からなる配線導体5が設けられている。また、この配線導体5は、絶縁基板1の内部に形成されたビアホール導体6あるいは内部配線導体7を経由して、絶縁基板1の他方の表面に導出されている。
【0023】
本発明の配線基板において、前記高融点金属層2は、タングステン(W)又はモリブデン(Mo)、レニウム(Re)、コバルト(Co)の高融点金属の少なくとも1種を主成分とするものであり、さらにこの高融点金属100体積部に対して無機成分を5〜40体積部の割合で含有することが重要である。
【0024】
この高融点金属層2は、絶縁基板1と同時焼成が可能であり、金属層2の表面に形成される多孔質金属層3との濡れ性に優れることが望ましく、特にセラミックスから成る絶縁基板との同時焼成及び製品コストの点からはタングステン(W),モリブデン(Mo)が最適である。
【0025】
また、前記高融点金属層2中の無機成分は、高融点金属層の強度を高めるとともに、高融点金属層2の絶縁基板1への密着性を高めるための助剤として作用し、その量が5体積%未満、あるいは高融点金属又はその化合物が95体積%の割合を越えると高融点金属層自体の強度及び絶縁基板との接合強度が劣化して割れや剥離を生じてしまい、逆に無機成分量が40体積%を越えるか、高融点金属又はその化合物が60体積%未満の割合となると、高融点金属層の表面に無機成分による層が形成されて多孔質金属層3との接合強度の劣化につながり、更に高融点金属層の電気抵抗が増加して大電流用の配線導体として適さなくなるためである。
【0026】
上記無機成分としては、上記の作用効果に優れている点でSiOが望ましく、また、この無機成分中には、絶縁基板1中の主たるセラミック成分を3〜15体積部の割合で含有すると、さらに高融点金属層自体の強度及び絶縁基板との接合強度を向上することができ、配線導体の厚さが増加しても、高い信頼性を得ることができる。なお、絶縁基板1中のセラミック成分としては、絶縁基板1を形成する主たるセラミック成分の他、あるいは絶縁基板1と同一組成のセラミック成分でもよい。
【0027】
この高融点金属層2の厚さは、10〜100μmであることが望ましい。これは、厚さが10μmよりも薄いと、配線導体5の絶縁基板1との接合強度が充分でなく、100μmを越える厚さに形成することが難しく、また、熱抵抗が悪化する虞があるためである。
【0028】
次に、上記高融点金属層2上に積層される多孔質金属層3は、JIS−C2141に基づく気孔率が3〜25%、特に5〜15%であることが重要である。これは、多孔質金属層3に形成される気孔率が3%未満であると低抵抗配線導体のヤング率を、絶縁基板と低抵抗配線導体との間に発生する熱応力を吸収するに十分に小さいものとなすことができず、また25%を越えると低抵抗配線導体の電気抵抗、熱抵抗が大きなものとなり、半導体素子と外部電気回路との電気的接続を良好に行うことができなくなる。
【0029】
なお、この多孔質金属層3を形成する金属は、低抵抗で大電流を流すことができるものであればいかなる材料から構成されていてもよいが、特に、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、特に熱伝導性に優れ、安価である等の点からは銅(Cu)が最適である。
【0030】
又、この多孔質金属層3中の気孔は、直径が30μmを越えると低抵抗配線導体の単位体積当たりの密度のばらつきが大きくなものとなり、低抵抗配線導体の電気抵抗,熱抵抗に部分的に大きな部分が発生して半導体素子と外部電気回路との電気的接続を良好に行うことができなくなる場合があることから、この気孔の直径は30μm以下、特に10μm以下であることが望ましい。
【0031】
この多孔質金属層3の厚さは、50〜600μmであることが望ましい。これは、厚さが50μmよりも薄いと、熱膨張差によって発生する応力を充分に緩和できず、600μmを越える厚さに形成することが難しく、また、熱抵抗が悪化する虞があるためである。
【0032】
さらに、多孔質金属層3の表面に形成される低抵抗金属層4は、CuあるいはAlを主成分とするものであり、特に熱伝導性に優れ、安価である等の点からは銅(Cu)が最適である。この低抵抗金属層4の厚さは、50〜600μmであることが望ましい。これは、厚さが50μmよりも薄いと、大電流に対して充分対応できず、600μmよりも厚いと、熱膨張差による応力が大きくなり、絶縁基板1との接合信頼性が低下する虞があるためである。
【0033】
本発明の配線基板における上記3層構造の配線導体5は、図1に示されるように、絶縁基板1の表面に設けられたものであるが、本発明の配線基板は、図3の断面に示されるように、絶縁基板1の表面に溝部8が形成され、その溝部8内に充填された構造であってもよい。
【0034】
絶縁基板1は一般に多層配線基板に適用されるアルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si)のうちの少なくとも1種を主成分とするセラミック焼結体であればいずれにも適用できるが、高熱伝導性が要求されるパワ−モジュ−ル基板ではAlNが望ましい。
【0035】
多層配線基板などのように多層化する上では、とりわけアルミナ質焼結体から成るものが望ましく、例えばアルミナ(Al)からなる主成分に対して、焼結助剤として、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)等を添加した原料粉末に周知の有機バインダーと有機溶剤、可塑剤、分散剤等を添加混合して調製した泥漿を、周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のシート成形法により成形したセラミックグリーンシートに所定の打ち抜き加工を施すと共にこれを複数枚積層し、約1600℃の温度で焼成することにより得られる。
【0036】
絶縁基板1内に形成されるビアホール導体6および内部配線導体7は、絶縁基板1と同時焼成によって形成されるものであり、タングステン(W)やモリブデン(Mo)、レニウムRe)、コバルト(Co)等の高融点金属を主成分とするものが挙げられ、特に絶縁基板との熱膨張率の整合性及びコストの点からはW,Moが好適である。
【0037】
また、上記厚さ100μm以上の配線導体は、特に1A以上の大電流が印加されるものであるが、その他の1A未満の電流が印加される一般の表面配線導体についても、上記と同様に、前記セラミックスから成る絶縁基板と同時焼成によって形成する場合、高融点金属が使用できるが、更に熱伝導性や低抵抗配線が必要とされる場合、ポストファイヤー法やメッキ法により銅(Cu)や銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)等で形成することもできる。特に、同時焼成による場合には、焼成温度と融点の関係からWが、ポストファイヤー法やメッキ法で形成する場合には、電気特性上、Cuが好適である。
【0038】
更に、本発明の配線基板の表面に大電流を必要とするパワーMOSFET等を表面実装する際、パワーMOSFET用配線として本発明の構造を有する配線導体を形成し、パワーMOSFETが表面実装される部分に、絶縁基板のパワーMOSFET実装面から裏面に導出されるサーマルビアを兼用したビアホール導体を多数設け、裏面に設けられたヒートシンクと接続することにより、熱放散性を向上させることが望ましい。
【0039】
本発明の配線基板を作製する具体的な方法としては、例えば、図3の構造の配線基板を作製する場合には、先ず、所定のセラミック原料粉末にアクリル樹脂などの有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して泥漿を調製し、該泥漿をドクターブレード法、カレンダー法、圧延法などのシート形成法によってシート状に成形する。
【0040】
次いで、セラミックグリーンシートの所定位置に打ち抜き加工を施してスルーホールを形成したり、最表面のグリーンシートには、さらに配線導体形成用の溝部をそれぞれ形成した後、各グリーンシートに焼成後に、高融点金属を含有する金属ペーストを塗布し、さらにスルーホール内にもペーストを充填する。
【0041】
この時、溝部が形成された最表面のグリーンシートの一段下に位置し、溝部の底面を形成するグリーンシートの表面に、前述したような高融点金属とSiO、さらには絶縁基板中のセラミックス成分を含有する高融点金属ペーストをスクリーン印刷によって塗布する。
【0042】
このようにして、ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを複数枚積層後、絶縁基板を構成する主成分のセラミックスに応じて、適当な焼成温度で焼成する。例えば、Alからなる場合は、1200〜1700℃、AlNからなる場合は、1500〜2000℃、Siからなる場合は、1500〜2000℃の範囲が適当である。
【0043】
次に、上記のようにして作製された配線基板の溝部に、所定の気孔率、且つ気孔径が30μm以下である微細な多孔質構造になるように金属粒子が粒度配合したスラリーを所定厚みで充填し、焼き付け処理を施す。より具体的には、所定の金属粒子を焼き付ける際に、その金属粒子の焼結に適した温度よりも低い温度で焼成して焼結の進行を制御することによって、所定の気孔を残存させることができる。
【0044】
その後、この多孔質金属層の表面に、例えば、所定の厚みのCuあるいはAlの金属板または金属箔を重ねて加熱融着させて低抵抗金属層を形成することにより、本発明の配線基板を作製することができる。なお、前記多孔質金属層の焼き付け処理と、上記金属板の加熱融着を同時に行ってもよい。
【0045】
【実施例】
絶縁基板についてはAl、AlN基板を作製した。
【0046】
Al粉末に、SiO、CaOおよびMgOの粉末を合計で5重量%の割合で添加したAl組成物、あるいはAlN粉末に、CaO0.5重量%、Y5重量%を添加したAlN組成物に、アクリル系の有機性バインダーと可塑剤、溶剤を添加混合して泥漿を調製し、該泥漿をドクターブレード法により厚さ約300μmのシート状に成形した。
【0047】
次いで、セラミックグリーンシートの所定位置に打ち抜き加工を施してスルーホールを形成し、最表面のグリーンシートには、配線導体形成用として焼成後の幅が10mmとなるような溝部を形成した。そして、各グリーンシートにWまたはMoを主成分とする金属ペーストを塗布し、さらにスルーホール内にもペーストを充填する。
【0048】
また、溝部が形成された最表面のグリーンシートの一段下に位置し、溝部の底面を形成するグリーンシートの表面には、表1〜3に示すような組成物を含有する高融点金属層形成用のペーストをスクリーン印刷によって塗布した。
【0049】
このようにして、金属ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを複数枚積層後、Al系については1500℃、AlN系については1750℃で焼成し、縦60mm、横15mm、厚さ2mmの配線基板を作製した。
【0050】
かくして得られた配線基板表面の溝部に、粒度配合したCu,Ag,Al粉末を含有するスラリ−を所定厚みで充填した。そして、この上に所定の厚みのCu,Al板を重ねてCu板に対しては900℃、Al板に対しては500℃で加熱融着させて評価用の配線基板を作製した。
【0051】
作製した配線基板において、多孔質金属層を配線基板から削り出し、JIS−C2141に準じてアルキメデス法によって測定した。
【0052】
また、得られた前記評価用の多層配線基板を用いて、−65℃と150℃の温度をそれぞれ10分間加える履歴を1サイクルとする冷熱サイクルを500サイクルまで実施して液槽熱衝撃信頼性試験を行った。
【0053】
前記試験後、デジタルマイクロスコープを用いて前記評価用の多層配線基板の絶縁基板と配線導体の界面及び、熱応力が最も集中する配線導体の角部を外観検査し、配線導体自体のクラックや剥離、あるいは配線導体周囲の絶縁基板のクラック等の有無を調査した。
【0054】
その後、前記評価用の多層配線基板の配線導体の中央部に直径が0.8mmの銅線を半田で接合し、10mm/minの速度で引っ張り試験を行い、破断モードと接合強度を測定した。なお、破断モードでは、配線導体内部で破断したものを1、半田接合部で破断したものを2、絶縁基板と配線導体との界面で剥離または絶縁基板にクラックが生じたものを3として表記した。
【0055】
また、前記評価用の多層配線基板の配線導体の導通評価は、低抵抗配線導体と、スル−ホ−ル導体を介して絶縁基板の他方の表面に導出した配線導体との間で四端子法により抵抗を測定し、熱衝撃試験後の抵抗変化が初期抵抗の5%以下に対して○、5〜10%に対して△、10%を越えるものを×として評価した。
【0056】
【表1】
Figure 0003610247
【0057】
【表2】
Figure 0003610247
【0058】
【表3】
Figure 0003610247
【0059】
表から明らかなように、多孔質金属層がない試料No.1、高融点金属層がない試料No.2では、絶縁基板にクラックが発生し、接合強度も低く、導通抵抗においてもいずれも試験後における抵抗変化が大きいものであった。
【0060】
また、高融点金属層、多孔質金属層および低抵抗金属層を形成した場合であっても、高融点金属層中のSiO量が5体積%よりも少ない試料No.3では、試料No.1、2と同様な結果であり、また、高融点金属層中のSiO量が40体積%を越える試料No.8では、試験前においても配線導体の導通抵抗が大きく、抵抗の変化も大きいものであった。
【0061】
また、多孔質金属層中の気孔率については、気孔率が3%よりも小さい試料No.12では、応力の緩和効果が小さく、クラックが発生し、その結果、試験後の導通抵抗が増大し、気孔率が25%を越える試料No.16、21、26では、抵抗変化の大きいものであった。
【0062】
これに対して、本発明の試料は、いずれも試験後においても配線導体のクラックや剥離、あるいは絶縁層のクラック等の欠陥は認められず、また、配線導体の絶縁基板への接合強度も10.0kgf以上と高く、試験後の導通抵抗の変化も小さいものであった。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の配線基板によれば、配線導体を特定組成の高融点金属層、多孔質金属層および低抵抗金属層によって形成することにより、絶縁基板と配線導体との熱膨張率の相違に起因する熱応力を高融点金属層の強化と、多孔質金属層の応力緩和作用によって、絶縁基板のクラックの発生や、配線導体の絶縁基板からの剥離を防止することができる。その結果、配線導体の厚さを大きくすることが可能となり、大電流に適応し得る信頼性に優れた、例えば、車載環境のような厳しい環境下においても故障することのない配線基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の配線基板における配線導体の拡大断面図である。
【図3】本発明の配線基板の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 高融点金属層
3 多孔質金属層
4 低抵抗金属層
5 配線導体
6 ビアホール導体
7 内部配線導体
8 溝部

Claims (6)

  1. セラミック絶縁基板の表面に、該セラミック絶縁基板側から、高融点金属100体積部に対して無機成分を5〜40体積部の割合で含有する高融点金属層と、気孔率が3〜25%の多孔質金属層と、CuあるいはAlを主成分とする低抵抗金属層とが順次積層されてなる厚さ100μm以上の配線導体を具備することを特徴とする配線基板。
  2. 前記高融点金属層中の無機成分として、少なくともSiOを含有することを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記高融点金属層中の無機成分として、前記セラミック絶縁基板中のセラミック成分を含有することを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  4. 前記高融点金属層が10〜100μm、前記多孔質金属層が50〜600μm、前記低抵抗金属層が50〜600μmの厚さで形成されてなることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  5. 前記セラミック絶縁基板が、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素のうちの少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  6. 前記配線導体に、1A以上の電流が流されることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
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