(1)概要
以下の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の実施形態において説明する図1~図14Bは、模式的な図であり、図1~図14B中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
以下では、本実施形態のインターホン装置1の上下、左右、前後の方向を、図1、図4及び図5に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、これらの方向は、インターホン装置1の使用方向を限定する趣旨ではない。
本実施形態のインターホン装置1は、図4及び図5に示すように、基板4と、通話部3(図3参照)と、筐体2と、を備えている。通話部3は、基板4に表面実装されたマイクロホン80を有している。通話部3は、図3に示すように、他の通話装置10と通話を行うように構成されている。筐体2は、基板4及びマイクロホン80を覆うように構成されている。
この構成によれば、通話部3が基板4に表面実装されたマイクロホン80を有しているため、特許文献1の玄関子機のようにコンデンサ型のマイクロホンが基板に実装されている場合に比べて、筐体の小型化(例えば低背化)を図ることができる。
なお、筐体2は、図1に示すように、筐体2を構造体200Aに固定するための一対の第1貫通孔21を有している。本実施形態では、構造体200Aは、一例として、JIS C 8435における1個用のスイッチボックスの規格を満たすものであり、図1に示すように、壁面500に埋め込み配置された構造体であることを想定している。また、筐体2は、壁面500に埋め込み配置される2個用、及び3個用のスイッチボックスに固定するための4つの第2貫通孔22、及び4つの第3貫通孔23を有している。ただし、筐体2の固定対象は、スイッチボックスに限定されず、造営材(例えば壁材)に固定されてもよい。例えば、筐体2は、木ねじ等で壁面に直接固定されてもよい。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態のインターホン装置1、及びインターホン装置1を備えるインターホンシステム100の全体構成について説明する。本実施形態では、一例として、インターホンシステム100が、マンション等の集合住宅に適用される集合住宅用のインターホンシステムであることを想定するが、特に限定されるものではない。インターホンシステム100の適用対象は、例えば、戸建住宅であってもよいし、工場、病院、オフィスビル等の非住宅であってもよい。
インターホンシステム100は、図3に示すように、インターホン装置1、及び、伝送路S1を介してインターホン装置1と通話可能な通話装置10を備えている。
ここでは、インターホン装置1が、一例として、集合住宅の各住戸の外玄関に設置されているインターホン子機(ドアホン子機)であることを想定する。また、通話装置10は、一例として、対応する住戸の居室内に設置されたインターホン親機であることを想定する。インターホンシステム100は、集合住宅のロビーに設置される共用端末であるロビーインターホン(不図示)を更に備えてもよい。ロビーインターホンは、例えば、幹線を通じて各住戸のインターホン親機である通話装置10と通話可能である。なお、インターホン装置1の筐体2及び基板4の構造は、インターホン親機である通話装置10に適用されてもよいし、ロビーインターホンに適用されてもよい。
(2.2)インターホン装置
以下、インターホン装置1について説明する。インターホン装置1は、上の「(1)概要」の欄で説明したように、筐体2と、通話部3(図3参照)と、矩形板状の基板4と、を備えている。また、インターホン装置1は、化粧パネル5と、端子ブロック6と、機能部91と、を有している。筐体2と基板4と化粧パネル5については、この欄では説明を省略して、後の欄で詳しく説明する。
通話部3は、図3に示すように、撮像部30と、通信部31と、制御部32と、操作部33と、を備えている。また、通話部3は、通話装置10との間で通話を実現するためのマイク部8及びスピーカ90(図7参照)等を更に備えている。
撮像部30は、図3に示すように、撮像素子300と、レンズ301と、台座303(図4参照)と、を有している。撮像部30は、人等の被写体を撮像するためのカメラである。そのため、人がインターホン装置1を操作する際に少なくとも人の顔が画像に写り込むように、撮像部30の撮像エリア(視野)はインターホン装置1の前方に設定される。レンズ301は、その前面が筐体2から露出する。台座303は、レンズ301を支持するように筐体2のカバー2Aの背面にねじ止めされている。
本実施形態では、撮像部30は、動画を撮像するカメラであることを想定するが、撮像部30は、静止画を撮像するカメラ(スチルカメラ)であってもよい。また、本実施形態では、撮像部30は、カラー画像を撮像するカラーカメラであると仮定するが、撮像部30は、モノクローム画像を撮像するモノクロームカメラであってもよい。撮像素子300は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサである。撮像部30は、被写体からの光をレンズ301によって撮像素子300の撮像面(受光面)上に結像させ、撮像素子300にて被写体からの光を電気信号(画像信号)に変換する。そのため、撮像部30で撮像した画像は、撮像部30から画像信号として通話装置10に送信される。
撮像部30の撮像素子300が実装される制御基板等(台座303の裏側に配置)は、基板4に実装されている。具体的には、制御基板等は、基板4の一面(前面45)のうち上部にある第1領域451(図7参照)における左右方向の中央に配置されている。なお、以下の説明では、図7に示すように、基板4の前面45を、上下方向において、3つの領域に分割し、上から順に、第1領域451、第2領域452、第3領域453と規定する。第1領域451の上下方向における寸法は、第3領域453の上下方向における寸法と概ね同じである。上下方向の中央にある第2領域452の上下方向における寸法は、第1領域451の上下方向における寸法の約4倍である。
通信部31は、通話装置10と通信するための通信インターフェースである。通信部31は、例えばツイストペア線等からなる2線式の伝送路S1(図3では1本の線で示す)を介して、通話装置10と電気的に接続されている。通信部31は、撮像部30で撮像した画像の画像信号を通話装置10に送信する。さらに、インターホン装置1と通話装置10との間で音声信号及び制御信号が双方向に伝送可能となるよう、通信部31は、通話装置10との間で双方向に通信可能に構成されている。
通信部31は、通話装置10から受信したデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換(復調)する。復調された音声信号は、スピーカ90から出力される。また、マイク部8にて集音された音声は、マイク部8からアナログの音声信号として通信部31に入力され、デジタルの音声信号に変換されて通話装置10へ送信される。
スピーカ90、及びマイク部8のマイクロホン80は、基板4に実装されている。具体的には、スピーカ90は、第2領域452における上下、左右方向における略中心に配置されている。マイク部8のマイクロホン80は、基板4の第1領域451における右端、すなわち、撮像部30の台座303の右隣りに配置されている。マイク部8のマイクロホン80は、表面実装型のマイクロホンである。なお、マイク部8及びその周辺構造については、後の「(2.6)マイク部」の欄で詳しく説明する。
操作部33は、押し釦スイッチ、及び当該押し釦スイッチの前方に配置された操作部材330(図4参照)を有しており、来訪者から呼び出しのための操作を受け付ける。操作部材330に対して所定の操作(例えば押操作)がされると、押し釦スイッチが押し込まれて、インターホン装置1は、住戸内の居住者を呼び出すための制御信号(呼出信号)を、通信部31から通話装置10へ送信する。
操作部33の押し釦スイッチ等は、基板4に実装されている。具体的には、操作部33の押し釦スイッチ等は、基板4の第3領域453に配置されている。操作部材330は、基板4の第3領域453と対向するように配置され、筐体2のカバー2Aと基板4との間で、来訪者からの押操作に応じて後方へ変位可能に保持されている。
制御部32は、撮像部30、通信部31、及び操作部33等を制御するように構成されている。制御部32は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータで構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが制御部32として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
通信部31及び制御部32を構成する回路部品は、基板4に実装されている。具体的には、通信部31及び制御部32を構成する回路部品は、概ね基板4の第1領域451及び第2領域452に配置されている。特に、電解コンデンサや通信用のトランス等の比較的大きい回路部品は、第2領域452に配置され、上記のマイクロコンピュータ等は、第1領域451における撮像部30の近傍に配置されている。詳細な説明は省略するが、通話部3は、この他にも、撮像部30で撮像された画像を記録し、各種の設定パラメータを記録する、データの書き換えが可能な不揮発性メモリを有していてもよい。
端子ブロック6は、複数の端子を有しており、スイッチボックスである構造体200A内の上部から延び出ている複数の接続線L1(図1参照)が接続される。接続線L1が端子ブロック6に接続されることで伝送路S1が形成され、インターホン装置1が、住戸内の通話装置10と電気的に接続される。また、接続線L1が端子ブロック6に接続されることで、インターホン装置1が、住戸内の感知器等(例えば熱感知器)と電気的に接続される。
端子ブロック6は、基板4に実装されている。具体的には、端子ブロック6は、図5に示すように、基板4の背面46に実装されている。端子ブロック6は、長尺の直方体形状となっていて、その長手方向が上下方向に沿うように配置されている。端子ブロック6は、前方向から見たときに、第2領域452の投影領域内におけるスピーカ90の左隣りに位置する。
機能部91は、図2A及び図4に示すように、コネクタ910、及びコネクタ910の前方に開閉可能に配置された扉911等を有している。また、機能部91は、図4及び図7に示すように、コネクタ910の不使用時にコネクタ910の前面を覆う、例えばゴム製のキャップ913を有している。コネクタ910には、例えば、住戸外から住戸内の遠隔試験機能付きの感知器の試験を行うための外部試験器のプラグが差し込まれる。
機能部91のコネクタ910は、基板4に実装されている。具体的には、コネクタ910は、基板4の第1領域451における左端、すなわち、撮像部30の台座303の左隣りに配置されている。なお、扉911は、コネクタ910と対向するように筐体2のカバー2Aに保持されている。
本実施形態では、例えば、撮像部30の部品、スピーカ90、マイク部8のマイクロホン、操作部33の押し釦スイッチ、並びに通信部31及び制御部32の回路部品が、通話部3を構成する複数の回路部品40に相当する。そして、通話部3を構成するこれらの回路部品40は、全て、1枚の基板4に実装されている。そのため、複数の回路部品40が例えばメイン基板とサブ基板とに分散される場合に比べて、実装基板の数を減らすことができ、部品点数の削減を図ることができる。
ただし、通話部3を構成するこれらの回路部品40の全てが、1枚の基板4に実装されていることは、インターホン装置1において必須ではない。基板4以外に例えばサブ基板が設けられていて、これらの回路部品40が、基板4とサブ基板の2枚に分散して実装されていてもよい。また、サブ基板は、複数設けられていてもよい。ただし、少なくともマイクロホン80が基板4に表面実装されていることが望ましい。
なお、回路部品40のうち、第2領域452の左上に実装されているスイッチ40A(図7A参照)は、撮像部30で撮像されて通話装置10(インターホン親機)のディスプレイで表示される表示範囲を、インターホン装置1側で調整するためのスイッチである。スイッチ40Aは、筐体2のカバー2Aに設けられている露出部40B(図4参照)から、カバー2Aの外部に露出する。スイッチ40Aは、左右方向に沿って左位置、中央位置、及び右位置へ切り替え可能となっている。スイッチ40Aの切り替え位置に応じて、通話装置10のディスプレイで表示可能な範囲が、左、中央、及び右に切り替えられる。
(2.3)基板
基板4は、例えば上下方向に長尺の矩形状のプリント配線板である。基板4の表面には回路パターン(導体パターン)が形成されている。上述した通り、基板4には、通話部3を構成する複数の回路部品40や、端子ブロック6、機能部91が実装されている。基板4は、筐体2内で保持されている。
本実施形態の基板4は、図7に示すように、その厚み方向に貫通している一対の通し孔41を有している。各通し孔41は、上記厚み方向から見たときに、筐体2の対応する第1貫通孔21の開口領域の少なくとも一部と重なっている。言い換えると、各通し孔41は、前後方向から見たときに、その開口領域内において、第1貫通孔21の開口領域の一部又は全部と重なるように形成されている。本実施形態では、各通し孔41の開口領域は、対応する第1貫通孔21の開口領域よりも大きく、第1貫通孔21の開口領域の全部と重なる。具体的には、各通し孔41の開口領域は、筐体2のカバー2Aにおいて対応する第1貫通孔21の周縁に沿って突出している筒状体が当該通し孔41内に収まるように形成されている(図8参照:図8の例では筒状体217)。
一対の通し孔41は、図7に示すように、いずれも概ね基板4の第2領域452内に配置されている。具体的には、上側の通し孔41は、第2領域452内の上部における左右方向の中央に配置されている(一部、第1領域451内に延出している)。以下では、上側の通し孔41を「通し孔41A」と呼ぶこともある(図5参照)。通し孔41Aは、概ね、開口形状が上下方向に長いレーストラック形状の長孔であり、その一部(上部)が矩形状に開放されている(図5参照)。下側の通し孔41は、第2領域452内の下部における左右方向の中央に配置されている。以下では、下側の通し孔41を「通し孔41B」と呼ぶこともある(図5参照)。通し孔41Bは、開口形状が左右方向に長いレーストラック形状の長孔である。
一対の通し孔41は、第2領域452内で、上下方向において、スピーカ90がそれらの間に位置するように設けられている。また、一対の通し孔41は、第2領域452内で、上下方向において、端子ブロック6の投影領域がそれらの間に位置するように設けられている。なお、基板4の表面に設けられている回路パターンは、一対の通し孔41を避けるように形成されている。
また、基板4は、図7に示すように、その左右の両縁に、筐体2のベース2Bにおけるレーストラック形状の8つの筒状体(256、257)を、それぞれ一対一で受けるための8つの凹所を有している。8つの凹所は、4つの筒状体256に対応する4つの凹所42と、4つの筒状体257に対応する4つの凹所43とを有する。
4つの凹所42は、基板4の第2領域452の左右両縁において、それぞれ2つずつ配置されている。4つの凹所42は、基板4の上下方向における中心近傍に位置する。各凹所42は、前後方向から見たときに、レーストラック形状の筒状体256の縁の形に沿った略J字状に基板4の内側に凹んでいる。上側2つの凹所42は、その円弧状の部分が上側を向くように、下側2つの凹所42は、その円弧状の部分が下側を向くように、形成されている。すなわち、4つの凹所42は、第2領域452の左右方向における中心軸に対して左右対称となるように、また、第2領域452の上下方向における中心軸に対して上下対称となるように形成されている。
一方、4つの凹所43は、基板4の第1領域451と第2領域452との境目の左右両縁、並びに、基板4の第2領域452と第3領域453との境目の左右両縁に、それぞれ配置されている。具体的には、基板4の左右両縁の各々において、2つの凹所43の間に2つの凹所42が位置し、2つの凹所42の間に基板4の上下方向における中心が位置する。各凹所43は、前後方向から見たときに、レーストラック形状の筒状体257の縁の形に沿った略J字状に基板4の内側に凹んでいる。上側2つの凹所43は、その円弧状の部分が上側を向くように、下側2つの凹所43は、その円弧状の部分が下側を向くように、形成されている。すなわち、4つの凹所43は、第2領域452の左右方向における中心軸に対して左右対称となるように、また、第2領域452の上下方向における中心軸に対して上下対称となるように形成されている。
更に、基板4は、図7に示すように、上下両縁の各々における左右両端寄りの位置に、基板4の内側に向かって半円状に凹んだ一対の受部44を有している(合計4つ)。
(2.4)筐体
(2.4.1)筐体の全体構成
筐体2は、図1に示すように、全体として上下方向に長尺でへん平な矩形箱状となっている。筐体2は、例えば合成樹脂等の材料によって形成されている。そして、筐体2は、図4及び図5に示すように、後面が開放された矩形箱状のカバー2Aと、カバー2Aによって覆われる矩形板状のベース2Bと、から構成されている。
(2.4.2)カバー
カバー2Aは、図1に示すように、矩形板状の本体部200と、本体部200の上縁から後方に突き出る上側壁201と、本体部200の下縁から後方に突き出る下側壁202と、を有している。さらに、カバー2Aは、図1に示すように、本体部200の右縁から後方に突き出る右側壁203と、本体部200の左縁から後方に突き出る左側壁204と、を有している。
本体部200は、その前面の上部において、前方に向かって突出する第1突出台210を有している。第1突出台210は、前後方向から見たときに、矩形状となっている。第1突出台210は、その長手方向が左右方向に沿うように形成されている。第1突出台210は、前後方向から見たときに、基板4の第1領域451の投影領域と概ね重なる位置にある。第1突出台210は、左右方向における中央において、第1突出台210の平坦な前面から前方に向かって突出する第2突出台211を有している。
第2突出台211は、前後方向から見たときに、基板4の第1領域451に実装されている撮像部30の投影領域と重なる位置にある。そして、第2突出台211は、本体部200の厚み方向に貫通した窓孔212(図2A参照)を有している。窓孔212は、本体部200の背面側に配置されるレンズ301を筐体2の外部に露出させるための孔であり、その開口は円形状である。第2突出台211の前面は、前後方向から見たときに、矩形状であり、上下方向から見たときに、基板4から離れる方向に凸となるように円弧状に湾曲した湾曲面となっている。
第1突出台210は、その前面における第2突出台211の右隣りの領域に、上下方向に細長く延びているスリット213を有している。スリット213は、基板4の第1領域451に実装されているマイク部8のマイクロホンと対向するように配置されている。スリット213は、その内周縁において、下縁から基板4に向かって緩やかに傾斜する傾斜面を有した構造を持つ。そして、スリット213は、その上下方向における中央部のみが本体部200の厚み方向に貫通していて、来訪者から発せられる音声は、スリット213を通じてマイク部8に集音される。
第1突出台210は、その前面における第2突出台211の左隣りの領域に、機能部91の扉911が収容される扉収容凹部214(図4参照)を有している。扉収容凹部214は、その開口形状が矩形状であり、基板4に近づく向きに凹んでいる。扉収容凹部214は、その内底部に、本体部200の厚み方向に貫通する孔214Aを有しており、孔214Aを通じて、基板4上のコネクタ910が露出される。扉911の下端部には、人の爪等で引っ掛けることが可能な切欠き912が形成されている。扉収容凹部214は、扉911がコネクタ910を外部に露出する位置まで(左右方向に沿った)回転軸を中心に回転できるように、扉911を軸支している。したがって、人の爪等を切欠き912に引っ掛けて扉911を手前に引っ張ることで、扉911が回転してコネクタ910が外部に露出される。
本体部200は、図4に示すように、その前面の下部において、操作部33の釦スイッチの前方に配置された操作部材330を露出する露出孔215を有している。露出孔215は、本体部200の厚み方向に貫通する孔であり、その開口形状が矩形状となっている。本体部200の背面における露出孔215の周縁部には、操作部材330の外周縁から突出するフランジ331を収めるための溝242(図5参照)が形成されている。また、露出孔215の左右両縁の上端には、互いに近づく向きに突出する一対の軸部243(図5参照)が設けられている。一方、操作部材330の背面側には、半円状に切り欠かれた軸受が形成されていて、当該軸受に軸部243が引っ掛けられた状態で、フランジ331が溝242に収容されている。したがって、操作部材330は、本体部200の背面と基板4との間において、軸部243を中心軸として、来訪者等の人の押操作により後方へ押し下げされるように変位可能に本体部200に支持されている。
本体部200は、図1に示すように、その前面における左右及び上下方向の中心のやや右寄りの位置に、通音口216を有している。通音口216は、基板4の第2領域452に実装されているスピーカ90と対向して配置されており、スピーカ90からの音声を外部に通す。通音口216は、本体部200の厚み方向に貫通している複数の孔部から構成されており、これらの孔部は、大、中、小の径を有する3つの同心円上に沿うように形成された円弧状の開口を有している。
本実施形態の筐体2は、上述の通り、2つの第1貫通孔21を有している(図1参照)。2つの第1貫通孔21は、上下方向に沿って並んでおり、以下では、上側の第1貫通孔21を「第1貫通孔21A」と呼び、下側の第1貫通孔21を「第1貫通孔21B」と呼ぶこともある。各第1貫通孔21は、カバー2Aのカバー孔2100(図8参照)と、カバー孔2100に対向する、ベース2Bのベース孔2101(図7及び図8参照)とが合わさって構成されている。以下、先にカバー孔2100について説明する。
本体部200は、カバー孔2100を一対有している。すなわち、一対のカバー孔2100のうち、上側のカバー孔2100は、第1貫通孔21Aの一部に相当し、下側のカバー孔2100は、第1貫通孔21Bの一部に相当する。一対のカバー孔2100は、前後方向から見たときに、基板4の第2領域452の投影領域内に配置されている。特に、各カバー孔2100は、基板4の対応する通し孔41の投影領域内に配置されている。
ここで、本体部200は、その背面において、上下のカバー孔2100の周縁をそれぞれ補強するように後方に突出する筒状体217、218(図5参照)を有している。上下のカバー孔2100は、それぞれ、筒状体217、218を貫くように形成されていて、筒状体217、218の各々の前後方向における両端は、開口している。また、本体部200は、その前面において、後方に向かってレーストラック形状に凹んだ一対の凹部219(図1参照)を有しており、各凹部219の底面に、上述したカバー孔2100が形成されている。
具体的には、上側の凹部219は、その長軸が上下方向に沿うように配置され、上側の凹部219の底面に、ダルマ形状に貫通するカバー孔2100が形成されている。ダルマ形状のカバー孔2100は、その大径部と小径部とが上下方向に並ぶように配置されている。ダルマ形状のカバー孔2100の開口面積は、対応する凹部219の開口面積よりも小さい。筒状体217(図5参照)は、この上側の凹部219及びダルマ形状のカバー孔2100を構成するために、本体部200の背面から突出するレーストラック形状の筒体と、ダルマ形状の筒体とが一体となって形成されている。
また、下側の凹部219は、その長軸が左右方向に沿うように配置されており、下側の凹部219の底面に、レーストラック形状に貫通するカバー孔2100が形成されている。レーストラック形状のカバー孔2100は、前後方向から見たときに、その長軸が対応する凹部219の長軸と一致するように配置されている。レーストラック形状のカバー孔2100の開口面積は、対応する凹部219の開口面積よりも小さい。筒状体218(図5参照)は、この下側の凹部219及びレーストラック形状のカバー孔2100を構成するために、本体部200の背面から突出するレーストラック形状の筒体と、当該筒体より小さいレーストラック形状の筒体とが一体となって形成されている。
また、本実施形態の筐体2は、図1に示すように、例えば2個用のスイッチボックスに固定するための4つの第2貫通孔22を有している。各第2貫通孔22は、カバー2Aのカバー孔2200(図1参照)と、カバー孔2200に対向する、ベース2Bのベース孔2201(図6参照)とが合わさって構成されている。以下、先にカバー孔2200について説明する。
本体部200は、4つのカバー孔2200を有している。4つのカバー孔2200は、前後方向から見たときに、基板4の第2領域452の左右両縁に設けられている4つのJ字状の凹所42にそれぞれ一対一で対応するように、形成されている。言い換えると、4つのカバー孔2200は、前後方向から見たときに、基板4の周囲の領域に配置されている。
ここで、本体部200は、その背面において、4つのカバー孔2200の周縁をそれぞれ補強するように後方に突出する4つの筒状体220(図5参照)を有している。各カバー孔2200は、対応する筒状体220を貫くように形成されている。また、本体部200は、その前面において、後方に向かってレーストラック形状に凹んだ4つの凹部221(図1参照)を有しており、各凹部221の底面に、上述したカバー孔2200が形成されている。
具体的には、本体部200における上下方向の中心より上側にある2つの凹部221は、それらの長軸が上方に行くほど互いに近づくように、上下方向に対して傾斜して配置されている。また、本体部200の上記中心より下側にある2つの凹部221は、それらの長軸が下方に行くほど互いに近づくように、上下方向に対して傾斜して配置されている。
そして、各凹部221の底面に、レーストラック形状に貫通するカバー孔2200が形成されている。カバー孔2200は、前後方向から見たときに、その長軸が対応する凹部221の長軸と一致するように配置されている。カバー孔2200の開口面積は、対応する凹部221の開口面積よりも小さい。各筒状体220(図5参照)は、凹部221及びカバー孔2200を構成するために、本体部200の背面から突出するレーストラック形状の筒部と、当該筒部より小さいレーストラック形状の筒部とが一体となって形成されている。
更に、本実施形態の筐体2は、図1に示すように、例えば3個用のスイッチボックスに固定するための4つの第3貫通孔23を有している。各第3貫通孔23は、カバー2Aのカバー孔2300(図1参照)と、カバー孔2300に対向する、ベース2Bのベース孔2301(図6参照)とが合わさって構成されている。以下、先にカバー孔2300について説明する。
本体部200は、4つのカバー孔2300を有している。4つのカバー孔2300は、前後方向から見たときに、基板4の左右両縁に設けられている4つのJ字状の凹所43にそれぞれ一対一で対応するように、形成されている。言い換えると、4つのカバー孔2300は、前後方向から見たときに、基板4の周囲の領域に配置されている。
ここで、本体部200は、その背面において、4つのカバー孔2300の周縁をそれぞれ補強するように後方に突出する4つの筒状体230(図5参照)を有している。各カバー孔2300は、対応する筒状体230を貫くように形成されている。また、本体部200は、その前面において、後方に向かってレーストラック形状に凹んだ4つの凹部231を有しており、各凹部231の底面に、上述したカバー孔2300が形成されている。
具体的には、上側の2つの凹部221よりも上にある2つの凹部231は、それらの長軸が上方に行くほど互いに近づくように、上下方向に対して傾斜して配置されている。また、下側2つの凹部221よりも下にある2つの凹部231は、それらの長軸が下方に行くほど互いに近づくように、上下方向に対して傾斜して配置されている。
そして、各凹部231の底面に、レーストラック形状に貫通するカバー孔2300が形成されている。カバー孔2300は、前後方向から見たときに、その長軸が対応する凹部231の長軸と一致するように配置されている。カバー孔2300の開口面積は、対応する凹部231の開口面積よりも小さい。筒状体230(図5参照)は、凹部231及びカバー孔2300を構成するために、本体部200の背面から突出するレーストラック形状の筒部と、当該筒部より小さいレーストラック形状の筒部とが一体となって形成されている。
本体部200は、その前面において、化粧パネル5の背面から突出する6つの係止爪55(図5参照)がそれぞれ一対一で係止する6つの係止溝240(図1及び図4参照)を有している。6つの係止溝240は、本体部200の左右両縁の各々に、それぞれ3つずつ配置されていて、各縁の3つの係止溝240は、上端、下端、及び上下方向の中央の位置にある。
また、本体部200は、その前面において、4つの穴部241(図1参照)を有している。4つの穴部241のうちの2つは、本体部200の左右両縁の上端にある2つの係止溝240の下に位置し、残りの2つは、本体部200の左右両縁の下端にある2つの係止溝240の上に位置している。各穴部241にねじ2Cが挿入されて穴部241の底にある貫通孔を通り、ベース2Bの四隅にあるねじ孔244(図4~図6参照)にねじ込まれることで、カバー2Aがベース2Bに組み付けられる。
本体部200は、図2Bに示すように、その前面の下縁における左右方向の中央の位置に、本体部200から下側壁202にかけて後方に窪んだ窪み部205を有している。窪み部205内の下方に向く面には、ねじ孔が設けられている。そして、化粧パネル5の背面における下部に突出している爪片56(図2B及び図5参照)が窪み部205内に差し込まれた状態で、ねじ2Dが、爪片56の先端にある切り欠き溝57(図5参照)を通り、ねじ孔にねじ込まれている。
本体部200は、図5に示すように、その背面の左右両縁における上下方向の中心付近に、一対のボス290を有している。各ボス290の後端面にはねじ孔が形成されていて、ベース2Bの挿通孔291(図6参照)を通るねじ2Eがねじ込まれる。
また、本体部200は、図5に示すように、その背面において、4つの筒状体220及び4つの筒状体230を連結して補強するための、略U字枠状のリブ292を有している。また、本体部200は、図5に示すように、リブ292の内側における四隅の各々に、ボス293を有している。上側2つのボス293は、その後端面にそれぞれねじ孔を有しており、ベース2Bの背面にある穴部294から挿入されるねじ2F(図6参照)が、ボス293のねじ孔にねじ込まれる。一方、下側2つのボス293は、その(径が小さく形成された)先端部が、ベース2Bの前面にあるボス295の先端にある凹所に嵌入するように形成されている。このとき、基板4の四隅にある半円弧状に凹んだ受部44の周縁が、ボス293とボス295との間に挟み込まれることで、基板4が、筐体2内で安定的に収容される。
下側壁202は、図2Bに示すように、筐体2内に入った水(例えば雨水等)を外部に排出するための4つの水抜き孔206を有している。4つの水抜き孔206は、左右方向に並んで配置されている。また、下側壁202は、4つの水抜き孔206より後方の位置に、一対の嵌入孔207を有している。一対の嵌入孔207は、ベース2Bの下縁から下方に突出する突出片249がそれぞれ一対一で嵌入するための孔である。
ところで、カバー2Aは、図5及び図9に示すように、その背面において、基板4を仮保持するための一対の爪部208を有している。一対の爪部208は、カバー2Aの背面におけるリブ292の内側で、露出孔215の左右両縁の近傍に配置されている。各爪部208は、カバー2Aの背面から後方に向かって、矩形板状に突出している。一対の爪部208の先端は、基板4との接触により互いに離れる方向に撓み、基板4がその先端を乗り越えると、弾性復帰により基板4の第3領域453の左右両縁に引っ掛かる。その結果、基板4の下部の後方への変位が規制されて、カバー2Aに対する基板4の仮保持が達成される。そのため、インターホン装置1の製造時に、筐体2への基板4の組み付けが容易となる。
なお、基板4が仮保持された状態で、2本のねじ2Eと2本のねじ2Fとで、カバー2Aとベース2Bとを固定(本固定)することで、基板4は、カバー2Aとベース2Bとの間に挟まれるように安定的に保持される。
(2.4.3)ベース
ベース2Bは、図4~図7及びに示すように、矩形板状に形成されている。ベース2Bは、その前面の左右の両縁近傍において、それぞれ、前方に向かって突出する一対の側片252を有している。各側片252は、左右方向から見て上下方向に細長い略矩形板状である。また、ベース2Bは、その前面の上縁近傍において、前方に向かって突出する上端片253を有している。上端片253の左右両端は、さらに下方に向かって突き出ており、上端片253は、前後方向から見て、略U字状の板状に形成されている。一対の側片252及び上端片253は、カバー2Aがベース2Bを覆うように組み付けられたとき、カバー2Aの上側壁201、右側壁203、及び左側壁204の内側に収まるように構成されている。
上の「(2.4.2)カバー」の欄で説明した通り、筐体2は2つの第1貫通孔21を有していて、各第1貫通孔21は、カバー2Aのカバー孔2100とベース2Bのベース孔2101とから構成されている。以下、ベース孔2101について説明する。
ベース2Bは、ベース孔2101を一対有している。上側のベース孔2101は、第1貫通孔21Aの一部に相当し、下側のベース孔2101は、第1貫通孔21Bの一部に相当する。一対のベース孔2101は、前後方向から見たときに、図7に示すように、基板4の第2領域452の投影領域内に配置されている。特に、各ベース孔2101は、基板4の対応する通し孔41の投影領域内に配置されている。
ベース2Bは、図4及び図7に示すように、その前面において、上下のベース孔2101の周縁をそれぞれ補強するように前方に僅かに突出するへん平な筒状体254、255を有している。上下のベース孔2101は、それぞれ、筒状体254、255を貫くように形成されている。
上側のベース孔2101の開口形状は、前後方向から見たときに、対向する上側のカバー孔2100と略同形(ダルマ形)、同寸法を有している。上側のベース孔2101は、その大径部と小径部とが上下方向に並ぶように配置されている。なお、筒状体254も、前後方向から見たときに、このベース孔2101の周縁に沿ったダルマ形状の外縁を有している。
下側のベース孔2101の開口形状は、前後方向から見たときに、対向する下側のカバー孔2100と略同形(レーストラック形)、同寸法を有している。下側のベース孔2101は、その長軸が左右方向に沿うように配置されている。なお、筒状体255も、前後方向から見たときに、このベース孔2101の周縁に沿ったレーストラック形状の外縁を有している。
ここで、筒状体254、255は、図4に示すように、その前端面において、後方に凹んだ嵌合溝254A、255Aを、それぞれ有している。嵌合溝254Aは、前後方向から見たときに、ダルマ形状の筒状体254の開口縁の全周にわたって形成されている。嵌合溝255Aは、前後方向から見たときに、レーストラック形状の筒状体255の開口縁の全周にわたって形成されている。
一方、カバー2Aの筒状体217、218は、図5に示すように、その後端面(開口縁の端面)から後方に突出する凸状の嵌合突起217A、218Aを、それぞれ有している。嵌合突起217Aは、前後方向から見たときに、ダルマ形状の筒状体217の開口縁の全周にわたって形成されている。嵌合突起218Aは、前後方向から見たときに、レーストラック形状の筒状体218の開口縁の全周にわたって形成されている。
そして、筒状体217の嵌合突起217Aが、筒状体254の嵌合溝254Aに嵌合することで、カバー孔2100とベース孔2101とが前後方向において1つに繋がり第1貫通孔21Aが構成される。また、基板4の通し孔41A内に、筒状体217及び筒状体254が配置される。要するに、第1貫通孔21Aは、前後方向から見たときに、通し孔41Aの投影領域内に配置される。
また、筒状体218の嵌合突起218Aが、筒状体255の嵌合溝255Aに嵌合することで、カバー孔2100とベース孔2101とが前後方向において1つに繋がり第1貫通孔21Bが構成される。また、基板4の通し孔41B内に、筒状体218及び筒状体255が配置される。要するに、第1貫通孔21Bは、前後方向から見たときに、通し孔41Bの投影領域内に配置される。
筒状体217及び筒状体254は、上記の嵌合によって概ね隙間なく結合するため、防水パッキン等を用いなくても、筐体2内への水の浸入が抑制される。同様に、筒状体218及び筒状体255は、上記の嵌合によって概ね隙間なく結合するため、防水パッキン等を用いなくても、筐体2内への水の浸入が抑制される。
また、上の「(2.4.2)カバー」の欄で説明した通り、筐体2は4つの第2貫通孔22を有していて、各第2貫通孔22は、カバー2Aのカバー孔2200とベース2Bのベース孔2201とから構成されている。また、筐体2は4つの第3貫通孔23を有していて、各第3貫通孔23は、カバー2Aのカバー孔2300とベース2Bのベース孔2301とから構成されている。以下、ベース孔2201、2301について説明する。
ベース2Bは、4つのベース孔2201と4つのベース孔2301とを有している。4つのベース孔2201と4つのベース孔2301とは、前後方向から見たときに、基板4の左右両縁に設けられている4つのJ字状の凹所42と4つのJ字状の凹所43とに、それぞれ一対一で対応するように、形成されている。言い換えると、4つのベース孔2201及び4つのベース孔2301は、前後方向から見たときに、基板4の周囲の領域に配置されている。
ベース2Bは、その前面において、4つのベース孔2201と4つのベース孔2301の周縁をそれぞれ補強するように前方に突出するへん平な4つの筒状体256と4つの筒状体257(図7参照)とを有している。各ベース孔2201は、対応する筒状体256を貫くように形成されている。各ベース孔2301は、対応する筒状体257を貫くように形成されている。
各ベース孔2201の開口形状は、前後方向から見たときに、対向するカバー孔2200と略同形(レーストラック形)、同寸法を有している。また、各ベース孔2301の開口形状は、前後方向から見たときに、対向するカバー孔2300と略同形(レーストラック形)、同寸法を有している。
各ベース孔2201の長軸は、前後方向から見たときに、対向するカバー孔2200の長軸と一致する。各筒状体256は、前後方向から見たときに、ベース孔2201の周縁に沿うように、レーストラック形状の外縁を有している。また、各ベース孔2301の長軸は、前後方向から見たときに、対向するカバー孔2300の長軸と一致する。各筒状体257は、前後方向から見たときに、ベース孔2301の周縁に沿うように、レーストラック形状の外縁を有している。
ここで、筒状体256、257は、図7に示すように、その前端面において、後方に凹んだ嵌合溝256A、257Aを、それぞれ有している。嵌合溝256A、257Aは、前後方向から見たときに、それぞれ、レーストラック形状の筒状体256、257の開口縁の全周にわたって形成されている。
一方、カバー2Aの4つの筒状体220は、図5に示すように、その後端面(開口縁の端面)から後方に突出する凸状の嵌合突起220Aをそれぞれ有している。同様に、カバー2Aの4つの筒状体230は、その後端面(開口縁の端面)から後方に突出する凸状の嵌合突起230Aをそれぞれ有している。嵌合突起220A、230Aの各々は、筒状体220、230の開口縁の全周にわたって形成されている。
そして、筒状体220の嵌合突起220Aが、筒状体256の嵌合溝256Aに嵌合することで、カバー孔2200とベース孔2201とが前後方向において1つに繋がり第2貫通孔22が構成される。前後方向から見たときに、基板4のJ字状の各凹所42内に、対応する筒状体220及び筒状体256が収まる。また、筒状体230の嵌合突起230Aが、筒状体257の嵌合溝257Aに嵌合することで、カバー孔2300とベース孔2301とが前後方向において1つに繋がり第3貫通孔23が構成される。前後方向から見たときに、基板4のJ字状の各凹所43内に、対応する筒状体230及び筒状体257が収まる。筒状体220及び筒状体256、並びに筒状体230及び筒状体257は、上記の嵌合によって概ね隙間なく結合するため、防水パッキン等を用いなくても、筐体2内への水の浸入が抑制される。
ベース2Bは、図7に示すように、その前面において、4つの筒状体256及び4つの筒状体257を連結して補強するための、略U字枠状のリブ258を有している。リブ258は、その前端面において、後方に凹んだ嵌合溝258Aを有している。嵌合溝258Aは、リブ258の全周にわたって形成されている。嵌合溝258Aは、4つの筒状体256の嵌合溝256A、及び4つの筒状体257の嵌合溝257Aと連通している。一方、カバー2AのU字枠状のリブ292は、嵌合溝258Aに嵌合するための嵌合突起292A(図5参照)を有している。嵌合突起292Aは、4つの筒状体220の嵌合突起220A、及び4つの筒状体230の嵌合突起230Aと一体となって形成されている。
リブ292の嵌合突起292Aが、リブ258の嵌合溝258Aに嵌合することで、これらのリブ同士が互いに結合される。したがって、基板4は、リブ292及びリブ258によって囲まれた(概ね隙間のない)空間内に収容されることになり、防水パッキン等を用いなくても筐体2内、特に基板4が収容されている空間内への水の浸入が抑制される。
ベース2Bは、図7に示すように、リブ258の左右両側の下端部同士を一体的に繋ぐ突出壁259を有している。突出壁259は、左右方向に長く延びた矩形板状に形成されている。突出壁259は、カバー2Aの下側壁202にある4つの水抜き孔206を通じて筐体2内へ進入した湿った空気(湯気等)が、基板4が収容されている空間内へ入り込むことを防ぐために設けられている。
ここで、ベース2Bは、図6に示すように、その背面において、凹部250を有している。つまり、筐体2は、構造体(例えば構造体200A)と対向する側の背面において、凹部250を有している。凹部250は、一対の第1貫通孔21の周囲に配置されており、凹部250は、構造体(例えば構造体200A)から離れる向き(前方)に凹んでいる。凹部250は、前後方向から見て、略矩形状の開口を有しており、ベース2Bの背面の約半分の領域を占めている。
凹部250には、図6に示すように、複数の端子を有した端子ブロック6と、配線(接続線L1)を収容するための配線収容部251とが、設けられている。言い換えると、基板4の背面に実装されている端子ブロック6は、凹部250の内底面に形成されているブロック挿通孔260(図6参照)に挿通されていて、凹部250から露出している。なお、ブロック挿通孔260の周縁と端子ブロック6との間には防水パッキン(不図示)が設けられている。配線収容部251は、概ね、凹部250内における端子ブロック6が露出している領域以外の領域に相当する。
凹部250が設けられていることで、接続線L1の端子ブロック6への配線接続の作業性が向上され、また、接続線L1が構造体と筐体2との間に挟まれてしまうといった事態の発生を低減できる。特に、本実施形態では、一対の第1貫通孔21の開口領域の全体が、凹部250内に配置されている。そのため、配線接続の作業性が更に向上され、また、筐体2の背面側における第1貫通孔21の周縁と、構造体200Aのねじ孔H1の周縁との間に、接続線L1が挟まるといった事態の発生を低減できる。なお、本実施形態では、一例として、第1貫通孔21の開口領域の全体が凹部250内に配置されているが、その一部だけが凹部250内に配置されていてもよい。要するに、第1貫通孔21は、その孔の中心が例えば凹部250の開口縁(境目)に概ね位置するように貫通していて、第1貫通孔21の開口領域の一部が凹部250内に、残りが凹部250外に配置されてもよい。
ところで、本実施形態の一対の第1貫通孔21のうち第1貫通孔21Aは、ダルマ形状の貫通孔である。つまり、第1貫通孔21Aは、第1の径を有した第1孔部21C(図8参照)と、第1孔部21Cとつながって形成されていて第1の径よりも小さい第2の径を有した第2孔部21D(図8参照)と、を有している。第1孔部21C及び第2孔部21Dは、第1孔部21Cが下側に、第2孔部21Dが上側にそれぞれ位置するように、上下方向に並んでいる。そのため、例えば、構造体に対して先にねじを取り付けて、それから、配線接続等の作業を行いながらそのねじを径の大きい第1孔部21Cに通すことで、インターホン装置1を引っ掛けることができる。また、配線接続等の作業後には、第2孔部21Dを通じて、筐体2を構造体に固定(本締め)することができる。したがって、施工性の向上を更に図ることができる。
(2.5)化粧パネル
化粧パネル5は、図2A、図4及び図5に示すように、全体として上下方向に長尺となっている。また、化粧パネル5は、図5に示すように、背面が開放された、へん平な矩形箱状である。化粧パネル5は、例えば合成樹脂等の材料によって形成されている。
化粧パネル5は、図4に示すように、その前面において、それぞれ、化粧パネル5をその厚み方向に貫通する第1窓51及び第2窓52を有している。第1窓51は、カバー2Aの第1突出台210を化粧パネル5の外部に露出するように構成されている。また、第2窓52は、カバー2Aの露出孔215から露出している操作部33の操作部材330を、更に化粧パネル5の外部に露出するように構成されている。インターホン装置1を前後方向から見たときに、第1窓51は、基板4の第1領域451の投影領域内に配置され、第2窓52は、基板4の第3領域453の投影領域内に配置されている。
また、化粧パネル5は、図4に示すように、その前面において、それぞれ、化粧パネル5をその厚み方向に貫通する複数のスリット53(図示例では9つ)を有している。複数のスリット53は、各々の長手方向が上下方向に沿うように、左右方向に沿って並んでいる。複数のスリット53は、カバー2Aの通音口216の前方に配置されており、通音口216から出るスピーカ90の音声を、化粧パネル5の外部に通す。複数のスリット53は、インターホン装置1を前後方向から見たときに、基板4の第2領域452の投影領域内に配置されている。
上の「(2.4.2)カバー」の欄で説明したように、化粧パネル5は、その背面において、6つの係止爪55(図5参照)を有しており、カバー2Aの6つの係止溝240(図1及び図4参照)に対してそれぞれ一対一に係止する。また、化粧パネル5は、その背面の下部において、爪片56(図2B及び図5参照)を有している。各係止爪55がカバー2Aの対応する係止溝240に係止し、爪片56がカバー2Aの窪み部205内に差し込まれた状態で、ねじ2Dを、爪片56の切り欠き溝57に通し、窪み部205内のねじ孔にねじ込むことで化粧パネル5がカバー2Aに組み付けられる。
(2.6)マイク部
本実施形態のマイク部8は、図10及び図11に示すように、薄型のマイクロホン80と、筒状部材81と、保護フィルム82と、を有している。マイクロホン80は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクロホンであり、表面実装型のパッケージを有しており、そのパッケージの背面側に電極が設けられている。つまり、マイクロホン80は、リード部品ではなくチップ部品である。マイクロホン80は、基板4の前面45(実装面)の第1領域451(図7参照)における右端に、表面実装されている。このように、マイクロホン80が表面実装型であるため、特許文献1の玄関子機のようにコンデンサ型のマイクロホンが基板に実装されている場合に比べて、筐体2の小型化(例えば低背化)を図ることができる。
筒状部材81は、例えば前後両端が開口した略円筒形状を有している。筒状部材81は、図13に示すように、前後方向から見たときに、マイクロホン80を囲むように配置される。筒状部材81は、比較的可撓性の大きい部材であり、例えばゴム製の部材である。
保護フィルム82は、薄膜状に形成されていて、少なくとも筒状部材81の前面の全てを覆う。本実施形態では、保護フィルム82は、筒状部材81の前面よりも十分に大きい面積を有していて、筒状部材81の前面だけでなく周面の一部も包んでいる。保護フィルム82は、筐体2内への水(雨水等)や異物の進入を防ぎつつ、筐体2の外部の(来訪者の)音声(音波)をマイクロホン80に向けて減衰を抑えて効率良く伝搬する。
ここで、本実施形態の筐体2は、図10~12に示すように、筒状部材81を支持する支持部27を有している。支持部27は、筒状部材81がその後方からその内部に挿入されることで筒状部材81を支持する。
支持部27は、マイクロホン80が表面実装された基板4の前面45と対向する筐体2の内面26に設けられている。具体的には、カバー2Aは、図11に示すように、マイクロホン80と対向する対向壁28を有しており、支持部27は、その対向壁28の背面から基板4に近づく向き(後方)に円筒形状に突出している。つまり、支持部27の中心軸は、前後方向に沿っている。支持部27は、例えば合成樹脂製の筐体2と一体となって形成されている。
対向壁28は、図11~図12に示すように、凹部28Aと、環状凸部28Bと、を有している。凹部28Aは、対向壁28の前面(外面)において、マイクロホン80に近づく向きに凹んで形成されている。環状凸部28Bは、対向壁28を後方から見たときに、支持部27よりも内側の領域の位置にあり、後方へ略環状に僅かに突出している(図12参照)。環状凸部28Bは、筒状部材81が支持部27内に収められたときに、筒状部材81の前端部(開口縁)が保護フィルム82越しに当たる部位である(図11参照)。
凹部28Aは、図10に示すように、その下縁が後方に行くほど、マイクロホン80に近づくように傾斜した傾斜面28Dを有している。凹部28Aは、その上縁において、カバー2Aの前面に対して一段後退した位置に、平坦面28Eを有している。傾斜面28Dが設けられていることで、凹部28A内に入り込んだ水滴(雨水等)が、自重により傾斜面28Dを伝って下方に流れ落ち易くなっている。
凹部28Aの底面には、対向壁28を前後方向に貫通する矩形状の孔28Cが設けられている。孔28Cは、対向壁28を前方から見たとき、その長手方向が上下方向に沿うように、傾斜面28Dと平坦面28Eとの間に配置されている。一方、孔28Cは、対向壁28を後方から見たとき、環状凸部28Bよりも内側の領域の位置にある。なお、凹部28A、孔28C、傾斜面28D、及び平坦面28Eが、上の「(2.4.2)カバー」の欄で説明したスリット213を構成する。
支持部27の後面の開口形状は、図12に示すように、前後方向から見て円形であり、筒状部材81と同形である。支持部27の内径は、筒状部材81の外径と略等しく、僅かに小さくても又は僅かに大きくてもよい。筒状部材81は、その前面及びその周面の一部を保護フィルム82で包まれた状態で、支持部27内に対向壁28の背面側から挿入可能であり、かつ、筒状部材81が支持部27から抜け落ちない程度に、筒状部材81及び支持部27の寸法関係が規定されている。支持部27が設けられていることで、インターホン装置1の製造時に、筐体2や基板4側のマイクロホン80に対する筒状部材81の位置決めが容易となり、また、筐体2への筒状部材81の組み付けが容易となる。
本実施形態では、筒状部材81が一例としてゴム製であるため、筒状部材81の外径が支持部27の内径よりも僅かに大きくても、筒状部材81の外径が小さくなるように弾性変形させた状態で支持部27内に挿入可能である。筒状部材81は、ゴム以外の材料により形成されていてもよい。ただし、筒状部材81は、支持部27よりも可撓性が大きいことが好ましい。
ここで、筒状部材81は、図10及び図11に示すように、基板4の前面45と対向しかつ前面45と接触する端部(後端部)81Aを有している。また、支持部27は、基板4の前面45と対向しかつ前面45から離間する端部(後端部)27Aを有している。
本実施形態では、筒状部材81が支持部27内に収容されて、基板4がカバー2Aの一対の爪部208によって保持された状態のとき、筒状部材81の端部81Aが基板4に接触するように寸法関係が規定されている。また、この状態のとき、支持部27の端部27Aが基板4に接触しないように寸法関係が規定されている。言い換えると、筒状部材81が支持部27内に収められたときに、筒状部材81の端部81Aが、支持部27の後側の開口縁よりも突出する程度に、筒状部材81及び支持部27の前後方向における寸法関係が規定されている。そのため、筒状部材81と基板4との密着性の向上を図ることができる。したがって、マイクロホン80への集音性能の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、基板4がカバー2Aの一対の爪部208によって仮保持されるため、インターホン装置1の製造時において、支持部27に収容された筒状部材81と、基板4上のマイクロホン80との位置合わせが容易である。
本実施形態では、基板4におけるマイクロホン80が表面実装された前面45と筐体2の内面26との間に設けられた別体の筒状部材81によって、導波構造W1が構成されている。ここで言う導波構造W1とは、孔28Cからマイクロホン80までの直線路の周囲を閉じて、音響導波路を形成する構造である。特に、本実施形態のように、マイクロホン80が表面実装型である場合、コンデンサ型のマイクロホンに比べて、孔28Cからマイクロホン80までの直線路が比較的長くなる可能性がある。しかし、導波構造W1を構成する筒状部材81が設けられることで、マイクロホン80への集音性能、特に導波性能の向上を図ることができる。
筒状部材81は、インターホン装置1の必須の構成要素ではない。別体の筒状部材81を設ける代わりに、導波構造W1を構成するように、筐体2と一体となっている支持部27の端部(後端部)27Aを、基板4と接触する程度まで延長させてもよい。ただし、本実施形態のように、支持部27よりも可撓性が大きい(ゴム製の)別体の筒状部材81を設ける方が、支持部27のみの場合に比べて、筒状部材81内を通る音波をマイクロホン80へ効率良く伝えることができ、導波性能の面で優れていると言える。
ところで、通話装置10から伝送されてスピーカ90を通じて出力される音声は、その全てがカバー2Aの通音口216から外部に出ていくのではなく、その一部は、基板4の前面45及び筐体2の内面26の間を横方向に伝搬する(図7の点線矢印参照)。すなわち、筐体2内における基板4の前面45と、筐体2の内面26との間には、スピーカ90の音響空間SP1(図7及び図13参照)が存在する。音響空間SP1中を伝播する当該一部の音声は、マイクロホン80に入り込み、その結果、エコーが生じる可能性がある。
そこで、本実施形態のインターホン装置1は、隔壁部T1を備えている。隔壁部T1は、筐体2内におけるスピーカ90の音響空間SP1とマイクロホン80とを仕切るように構成されている。隔壁部T1は、基板4の前面45(実装面)と筐体2の内面26との間に設けられている。ただし、本実施形態では、図13に示すように、上述した筒状部材81がこの隔壁部T1の機能を有している。
隔壁部T1は、筒状部材81とは別に設けられていてもよい。隔壁部T1は、音響空間SP1とマイクロホン80とを仕切るものであれば、特に限定されず、例えば筐体2の内面26から一体となって突出した矩形板状の壁であってもよい。
このような隔壁部T1が設けられることで、エコーの防止機能を提供することができる。特に、本実施形態のように筒状部材81が設けられていることで、マイクロホン80が表面実装型でありながらも、マイクロホン80への導波性能の向上と、スピーカ90に起因するエコーの防止との両方を図ることができる。
(3)変形例
以下に、いくつかの変形例について列記する。以下では上述した実施形態を「基本例」と呼ぶ。
基本例では、筒状部材81の開口する前面が、薄膜状の保護フィルム82で塞がれていたが、保護フィルム82は必須の構成要素ではない。インターホン装置1が、例えば住戸内専用のインターホン親機として適用される場合(防水構造が不要である場合)、保護フィルム82の代わりに、前面に小さい孔のある樹脂製のキャップが、筒状部材81の開口する前面を包むように設けられていてもよい。
基本例では、筒状部材81は、その内径が均一の円筒形状であった。しかし、例えば、図14Aに示すように、筒状部材81は、内径が小さい第1部位810と、内径が大きい第2部位820とから構成されてもよい。第1部位810は、孔28Cと対向する側に位置し、第2部位820は、基板4の前面45と接触する側に位置する。この場合、基本例に比べて、マイクロホン80への集音性能が更に向上される。
基本例では、対向壁28の凹部28Aは、図10に示すように、真っ直ぐ傾斜した傾斜面28Dと、平坦面28Eとを有していた。しかし、対向壁28の凹部28Aは、例えば、図14Bに示すように、傾斜面28D及び平坦面28Eの代わりに、孔28Cに向かって円弧状に凹んだ曲面28Fを有していてもよい。この場合、基本例に比べて、マイクロホン80への集音性能が更に向上される。
基本例では、筒状部材81は、支持部27内に収まる前も収まった後も円筒形状であった。しかし、筒状部材81は、例えば支持部27内に収まる前までは、前後方向から見たときに略C字形状となるように、前後両端の開口縁間にわたって形成されたスリット(又は切り込み)が形成されていてもよい。そして、筒状部材81は、支持部27内に収まることで径が小さくなるように弾性変形してそのスリットが塞がり、円筒形状となるように構成されていてもよい。
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係るインターホン装置(1)は、基板(4)と、通話部(3)と、筐体(2)と、を備えている。通話部(3)は、基板(4)に表面実装されたマイクロホン(80)を有している。通話部(3)は、他の通話装置(10)と通話を行う。筐体(2)は、基板(4)及びマイクロホン(80)を覆う。第1の態様によれば、通話部(3)が基板(4)に表面実装されたマイクロホン(80)を有しているため、特許文献1のようにコンデンサ型のマイクロホンが基板に実装されている場合に比べて、筐体(2)の小型化(例えば低背化)を図ることができる。
第2の態様に係るインターホン装置(1)に関して、第1の態様において、通話部(3)は、筐体(2)内に収容されるスピーカ(90)を、更に有することが好ましい。インターホン装置(1)は、筐体(2)内におけるスピーカ(90)の音響空間(SP1)とマイクロホン(80)とを仕切る隔壁部(T1)を、更に備えることが好ましい。隔壁部(T1)は、基板(4)におけるマイクロホン(80)が表面実装された実装面(前面45)と、当該実装面と対向する筐体(2)の内面(26)との間に設けられていることが好ましい。第2の態様によれば、マイクロホン(80)が表面実装型でありながらも、スピーカ(90)から出力される音声がマイクロホン(80)に入り込むことを抑制することができる。すなわち、隔壁部(T1)によってエコーの防止機能を提供することができる。
第3の態様に係るインターホン装置(1)は、第1の態様又は第2の態様において、導波構造(W1)を、更に備えることが好ましい。導波構造(W1)は、基板(4)におけるマイクロホン(80)が表面実装された実装面(前面45)と、当該実装面と対向する筐体(2)の内面(26)との間にあることが好ましい。第3の態様によれば、マイクロホン(80)が表面実装型でありながらも、マイクロホン(80)への集音性能(特に導波性能)の向上を図ることができる。
第4の態様に係るインターホン装置(1)に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、基板(4)には、マイクロホン(80)に加えて、通話部(3)を構成するマイクロホン(80)以外の回路部品(40)が実装されることが好ましい。第4の態様によれば、実装基板の数を減らすことができ、部品点数の削減を図ることができる。
第5の態様に係るインターホン装置(1)は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、マイクロホン(80)を囲むように配置される筒状部材(81)を、更に備えることが好ましい。第5の態様によれば、マイクロホン(80)が表面実装型でありながらも、マイクロホン(80)への集音性能(特に導波性能)の向上と(例えばスピーカ90に起因する)エコーの防止との両方を図ることができる。
第6の態様に係るインターホン装置(1)に関して、第5の態様において、筐体(2)は、筒状部材(81)を支持する支持部(27)を有していることが好ましい。支持部(27)は、マイクロホン(80)が表面実装された基板(4)の実装面(前面45)と対向する筐体(2)の内面(26)に設けられていることが好ましい。第6の態様によれば、インターホン装置(1)の製造時に、筐体(2)への筒状部材(81)の組み付けが容易となる。
第7の態様に係るインターホン装置(1)に関して、第6の態様において、筒状部材(81)は、支持部(27)よりも可撓性が大きいことが好ましい。また、筒状部材(81)は、実装面(前面45)と対向しかつ当該実装面と接触する端部(81A)を有していることが好ましい。支持部(27)は、実装面(前面45)と対向しかつ当該実装面から離間する端部(27A)を有していることが好ましい。第7の態様によれば、筒状部材(81)と基板(4)との密着性の向上を図ることができる。したがって、マイクロホン(80)への集音性能の向上を更に図ることができる。
第8の態様に係るインターホン装置(1)に関して、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、筐体(2)は、マイクロホン(80)と対向する対向壁(28)を有していることが好ましい。対向壁(28)は、マイクロホン(80)に近づく向きに凹んだ凹部(28A)を有していることが好ましい。第8の態様によれば、マイクロホン(80)に対する筐体(2)の集音性能の向上を図ることができる。
第9の態様に係るインターホン装置(1)に関して、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、筐体(2)は、カバー(2A)と、ベース(2B)と、を有していることが好ましい。カバー(2A)は、基板(4)におけるマイクロホン(80)が表面実装された実装面(前面45)と対向する。ベース(2B)は、実装面(前面45)とは反対側の面(背面46)と対向する。基板(4)は、カバー(2A)とベース(2B)との間に挟まれるように保持される。第9の態様によれば、インターホン装置(1)の製造時に、筐体(2)への基板(4)の組み付けが容易となる。
第10の態様に係るインターホン装置(1)に関して、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、筐体(2)は、基板(4)を保持する爪部(208)を有していることが好ましい。第10の態様によれば、インターホン装置(1)の製造時に、筐体(2)への基板(4)の組み付けが容易となる。
第11の態様に係るインターホンシステム(100)は、第1~第10の態様のいずれか1つのインターホン装置(1)と、インターホン装置(1)と通話可能な通話装置(10)と、を備える。第11の態様によれば、筐体(2)の小型化を図ることができるインターホン装置(1)を備えたインターホンシステム(100)を提供できる。