JP7230649B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、スチールコードを含むカーカス層が各ビード部のビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有する空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ビード部の耐久性を改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向外側に張り出したカーカス層のライン(所謂、平衡カーカスライン)は、空気圧充填による形状変化の少ないプロファイルである。この平衡カーカスラインは、カーカス層の巻き上げ端部における歪振幅が抑制されるため、ビード部の耐久性の向上に優れているが、特にビード部の廻りで平衡カーカスラインを実現するには至っていない。
トラックやバス等に使用される重荷重用の空気入りタイヤにおいて、一対のビード部間には引き揃えられた複数本のスチールコードを含むカーカス層が装架され、該カーカス層が各ビード部のビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有するものがある。各ビード部においてビードフィラーの幅方向外側には、ビード部の耐久性の向上を目的として、引き揃えられた複数本のスチールコードを含む1層のスチール補強層が配置されることがある。しかしながら、ビード部にスチール補強層を埋設した場合、加硫時においてビードコアの側方のゴムがカーカス層の端部の側方に流入し、ビードフィラーがタイヤ幅方向の両側から押し潰される傾向がある。これにより、ビードフィラーにおいてビードフィラートップ側へのゴム流れが生じて薄肉化し、ビード部の耐久性が低下するという問題がある。
また、各ビード部においてビードフィラーの幅方向外側には、ビード部の耐久性の向上を目的として、引き揃えられた複数本の有機繊維コードを含む少なくとも1層の有機繊維補強層が配置されることがある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ビード部に有機繊維補強層を埋設した場合、加硫時において有機繊維補強層の剛性によってビードフィラーがタイヤ幅方向の両側から押し潰される傾向がある。これにより、ビードフィラーにおいてビードフィラートップ側へのゴム流れが生じて薄肉化し、ビード部の耐久性が低下するという問題がある。
特開昭63-110006号公報
本発明の目的は、ビード部の耐久性を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間に複数本のスチールコードを含むカーカス層が装架され、該カーカス層が各ビード部のビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有する空気入りタイヤにおいて、各ビード部のビードコアの外周上にビードフィラーが配置され、各ビード部に複数本のスチールコードを含むスチール補強層が前記カーカス層、前記ビードコア及び前記ビードフィラーを包み込むように配置され、前記スチール補強層のタイヤ幅方向外側に第一の非金属補強層が配置され、前記カーカス層と前記スチール補強層のうち巻き上げ端部が高い方の巻上高さPLYh[mm]と、前記第一の非金属補強層におけるタイヤ径方向外側の端部の高さCHFh1[mm]とがPLYh-15≦CHFh1≦PLYhの関係を満たし、前記ビードコアの底面を構成する複数本の素線のうちタイヤ幅方向最外側に位置する素線Fの中心と、前記ビード部のビードヒールの頂点とを結ぶ線分を線分Gとしたとき、前記第一の非金属補強層のタイヤ径方向内側の端部が前記線分Gよりもタイヤ幅方向内側の領域に位置し、前記第一の非金属補強層が前記ビード部の外表面から1.5mm以上離間して配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、各ビード部のビードコアの外周上にビードフィラーが配置され、各ビード部に複数本のスチールコードを含むスチール補強層がカーカス層、ビードコア及びビードフィラーを包み込むように配置され、スチール補強層のタイヤ幅方向外側に第一の非金属補強層が配置され、カーカス層とスチール補強層のうち巻き上げ端部が高い方の巻上高さPLYh[mm]と、第一の非金属補強層におけるタイヤ径方向外側の端部の高さCHFh1[mm]とはPLYh-15≦CHFh1≦PLYhの関係を満たすことにより、第一の非金属補強層に基づいてビードコアの側方でのゴム流れを抑制するので、カーカス層の巻き上げ端部からビード部の外表面までのゴム厚さを薄くすることができ、更には、第一の非金属補強層の追加に起因するビードフィラーの薄肉化及びビードフィラートップ側へのゴム流れを抑制することができる。これにより、ビード部の廻りにおいて平衡カーカスラインに近づくので、ビード部の耐久性を改善することができる。上述のように加硫時のビードフィラーにおけるゴム流れが抑制されるので、非金属補強層を有しない空気入りタイヤと同等のコストに抑えることができる。
また、第一の非金属補強層のタイヤ径方向内側の端部が線分Gよりもタイヤ幅方向内側の領域に位置しているので、加硫時に激しいゴム流れが生じるビードコアの側方において第一の非金属補強層が配置されるため、ビードコアの側方に配置されたリムクッションゴム層のゴム流れを大幅に抑制することができる。これにより、ビードコアの側方からカーカス層の巻き上げ端部へのゴム流れを抑制することができるので、平衡カーカスラインに近づき、ビード部の耐久性の改善に寄与する。更には、第一の非金属補強層はビード部の外表面から1.5mm以上離間して配置されているので、第一の非金属補強層がリムと直接接触しないため、ビード部とリムフランジとの接触に起因する張力が緩和され、第一の非金属補強層の端部からのセパレーションを抑制することができる。
本発明において、カーカス層とスチール補強層のうち巻き上げ端部が高い方の巻上高さPLYhは25mm~45mmであることが好ましい。これにより、カーカス層、スチール補強層又は第一の非金属補強層の端部からのセパレーションを効果的に抑制することができる。
カーカス層の巻き上げ端部はスチール補強層の巻き上げ端部よりも高く、第一の非金属補強層のタイヤ径方向外側の端部とカーカス層の巻き上げ端部との最短距離Lは2mm以上であることが好ましい。これにより、第一の非金属補強層の端部での応力を分散させることができ、第一の非金属補強層の端部からのセパレーションを効果的に抑制することができる。
ビードコアを構成する複数本の素線のうちタイヤ径方向最内側に位置する素線の中心とビード部のビードトウとを結ぶ線分Jに垂直な方向に対して、線分Jからの最短距離が-8mm~8mmである領域を領域Xとしたとき、第一の非金属補強層のタイヤ径方向内側の端部は領域Xに配置されていることが好ましい。これにより、ビードコア下部に第一の非金属補強層が配置されるので、加硫時においてビードコア下部のゴムの圧縮歪が増加し、ビードコアの位置をビードトウ側に寄せることができる。その結果、ビード部の廻りにおける平衡カーカスラインの実現に寄与し、ビード部の耐久性の向上に繋がる。
サイドウォール部からビード部にかけてタイヤ外表面に露出するサイドウォールゴム層とビードフィラーとの間に位置するクラック抑制層はカーカス層の巻き上げ端部、スチール補強層の巻き上げ端部及び第一の非金属補強層のタイヤ径方向外側の端部を覆うように配置され、クラック抑制層の100%モジュラスKcM100は4.5MPa~10.0MPaであり、クラック抑制層の破断伸びKcEBは300%以上であることが好ましい。これにより、カーカス層又は第一の非金属補強層の端部からのセパレーションを効果的に抑制することができる。
第一の非金属補強層は経糸及び緯糸の繊維構造が200/1[dtex/本]~1000/1[dtex/本]である平織物からなることが好ましい。これにより、第一の非金属補強層の繊維方向によらず、ゴム流れを抑制することができる。また、第一の非金属補強層の厚さを薄くすることができる。
第一の非金属補強層は繊維コードの繊維構造が800/2[dtex/本]~1500/2[dtex/本]である簾織物からなることが好ましい。これにより、平織物の場合と比べて、第一の非金属補強層の端部におけるゴムとの剛性段差を低減することができるため、第一の非金属補強層の端部からのセパレーションを効果的に抑制することができる。
簾織物の繊維コードの打ち込み密度は10本/50mm~40本/50mmであることが好ましい。これにより、第一の非金属補強層の端部からのセパレーションを効果的に抑制することができる。
簾織物をなす繊維コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が15°~70°であり、簾織物の繊維コードの配向方向はスチール補強層のスチールコードとは逆方向であることが好ましい。これにより、ゴム流れを効果的に抑制することができる。
スチール補強層の巻き上げ端部の側方において第一の非金属補強層のタイヤ幅方向外側に第二の非金属補強層が隣接して配置され、カーカス層の巻き上げ端部はスチール補強層の巻き上げ端部よりも高く、カーカス層の巻き上げ端部の巻上高さPLYhと第二の非金属補強層におけるタイヤ径方向外側の端部の高さCHFh2とはPLYh-23≦CHFh2≦PLYh-8の関係を満たし、第二の非金属補強層におけるタイヤ径方向内側の端部は第一の非金属補強層におけるタイヤ径方向内側の端部から4mm以上離間すると共に、第二の非金属補強層はビード部の外表面から1.5mm以上離間して配置されていることが好ましい。これにより、ビード部の耐久性を効果的に改善することができる。
本発明において、100%モジュラス及び破断伸びはJIS-K6251に準拠して測定されるものである。
本発明の実施形態からなる重荷重用の空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤのビード部を示す断面図である。 図1の空気入りタイヤのビード部を示す他の断面図である。 ビード部に埋設された非金属補強層及びスチール補強層を抽出して示す側面図である。 ビード部の変形例を示す断面図である。 ビード部の他の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる重荷重用の空気入りタイヤを示し、図2~図4はその要部を示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本のスチールコードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有している。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外径側には4層のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本のベルトコード(スチールコード)を含んでいる。これらベルト層7は、ベルトコードが互いに交差する中央2層の主ベルト層72,73と、これら主ベルト層72,73の内径側及び外径側に配置された補助ベルト層71,74とを有している。主ベルト層72,73を構成するベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば15°~35°の範囲に設定され、補助ベルト層71,74を構成するベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば15°~75°の範囲に設定されている。
上記空気入りタイヤにおいて、図2に示すように、カーカス層4の巻き上げ端部4eがビードフィラー6の外径側端部6eよりも内径側に配置され、即ち、カーカス層4の巻き上げ端部4eはビードフィラー6の中腹部分で終端している。各ビード部3には複数本のスチールコードを含むスチール補強層11がカーカス層4、ビードコア5及びビードフィラー6を包み込むように配置されている。また、各ビード部3には、スチール補強層11のタイヤ幅方向外側に少なくとも1層(図2では1層)の非金属補強層12(第一の非金属補強層12A)が配置されている。更に、サイドウォール部2からビード部3にわたる領域には、タイヤ外表面に露出するサイドウォールゴム層13が配置されている。
ビードフィラー6とサイドウォールゴム層13との間にはリムクッションゴム層14が配置されている。リムクッションゴム層14は、ビードフィラー6の側方位置から内径側に向かって延在している。即ち、ビードフィラー6の外径側端部6eより内径側の位置からビードコア5の内径側の位置にわたる領域に配置されている。リムクッションゴム層14は、カーカス層4の巻き上げ端部4e、スチール補強層11の巻き上げ端部11e及び非金属補強層12を覆うように配置されている。
スチール補強層11はカーカス層4に隣接して配置され、非金属補強層12はスチール補強層11に隣接して配置されている。ここで、「隣接」とは、スチール補強層11とカーカス層4との層間ゲージ及びスチール補強層11と非金属補強層12との層間ゲージが0.2mm~2.0mmであることを意味する。「層間ゲージ」とは補強体間の距離を意味し、具体的には、カーカス層4を構成するカーカスコードとスチール補強層11を構成するスチールコードとの間の距離、或いは、スチール補強層11を構成するスチールコードと非金属補強層12を構成する樹脂フィルム、有機繊維コード及び有機繊維織物のいずれかとの間の距離である。
非金属補強層12は非金属材料からなり、例えば樹脂や有機繊維を用いることができる。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂とエラストマーとの混合物を含む熱可塑性エラストマー組成物を例示することができる。有機繊維としては、ナイロン、ポリエステル、レーヨンを例示することができる。このような材料はゴムに対して表面上の滑りを抑えることができるため、加硫時のゴム流れを抑制するものとして好適である。
カーカス層4の巻き上げ端部4e及びスチール補強層11の巻き上げ端部11eをそれぞれゴム製のエッジテープで被覆してもよい。エッジテープは必ずしも必要ではないが、セパレーション防止の観点から有効である。
図3に示すように、ビード部3のビードヒールの頂点3hから、カーカス層4の巻き上げ端部4eまでの高さとスチール補強層11の巻き上げ端部11eまでの高さのうち高い方を巻上高さPLYh[mm]とし、ビード部3のビードヒールの頂点3hから第一の非金属補強層12Aにおけるタイヤ径方向外側の端部12eまでの高さを高さCHFh1[mm]とする。このとき、カーカス層4又はスチール補強層11の巻上高さPLYhと第一の非金属補強層12Aの高さCHFh1とはPLYh-15≦CHFh1≦PLYhの関係を満たす。図示の例では、カーカス層4の巻き上げ端部4eがスチール補強層11の巻き上げ端部11eより高いので、巻上高さPLYhはカーカス層4の巻き上げ端部4eの高さである。本発明では、スチール補強層11の巻き上げ端部11eをカーカス層4の巻き上げ端部4eよりも高くすることもできるが、特に、図示のようにカーカス層4の巻き上げ端部4e、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向外側の端部12e、スチール補強層11の巻き上げ端部11eの順で高くすることが好ましい。
また、ビードコア5の底面を構成する複数本の素線のうちタイヤ幅方向最外側に位置する素線Fの中心と、ビード部3のビードヒールの頂点3hとを結ぶ線分を線分Gとする。このとき、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向内側の端部12eは、線分Gよりもタイヤ幅方向内側の領域に位置している。なお、ビード部3のビードヒールの頂点が明確に定まらない場合、ビード部3のビードヒールを形成する2つの曲線を延長し、その延長線の交点をビードヒールの頂点として用いる。
更には、第一の非金属補強層12Aはビード部3の外表面から1.5mm以上離間して配置されている。なお、ビード部3の外表面とは、リムと接触するビード部3の表面である。即ち、ビード部3において、ビードヒールの頂点3hよりタイヤ径方向外側に延在する表面とタイヤ幅方向内側に延在する表面である。
上述した空気入りタイヤでは、各ビード部3のビードコア5の外周上にビードフィラー6が配置され、各ビード部3に複数本のスチールコードを含むスチール補強層11がカーカス層4、ビードコア5及びビードフィラー6を包み込むように配置され、スチール補強層11のタイヤ幅方向外側に第一の非金属補強層12Aが配置され、カーカス層4とスチール補強層11のうち巻き上げ端部4e,11eが高い方の巻上高さPLYh[mm]と、第一の非金属補強層12Aにおけるタイヤ径方向外側の端部12eの高さCHFh1[mm]とはPLYh-15≦CHFh1≦PLYhの関係を満たすことにより、第一の非金属補強層12Aに基づいてビードコア5の側方でのゴム流れを抑制するので、カーカス層4の巻き上げ端部4eからビード部3の外表面までのゴム厚さを薄くすることができ、更には、第一の非金属補強層12Aの追加に起因するビードフィラー6の薄肉化及びビードフィラートップ側へのゴム流れを抑制することができる。これにより、ビード部3の廻りにおいて平衡カーカスラインに近づくので、ビード部3の耐久性を改善することができる。上述のように加硫時のビードフィラー6におけるゴム流れが抑制されるので、非金属補強層12を有しない空気入りタイヤと同等のコストに抑えることができる。
また、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向内側の端部12eが線分Gよりもタイヤ幅方向内側の領域に位置しているので、加硫時に激しいゴム流れが生じるビードコア5の側方において第一の非金属補強層12Aが配置されるため、ビードコア5の側方に配置されたリムクッションゴム層14のゴム流れを大幅に抑制することができる。これにより、ビードコア5の側方からカーカス層4の巻き上げ端部4eへのゴム流れを抑制することができるので、平衡カーカスラインに近づき、ビード部3の耐久性の改善に寄与する。更には、第一の非金属補強層12Aはビード部3の外表面から1.5mm以上離間して配置されているので、第一の非金属補強層12Aがリムと直接接触しないため、ビード部3とリムフランジとの接触に起因する張力が緩和され、第一の非金属補強層12Aの端部12eからのセパレーションを抑制することができる。
これに対して、ビード部に有機繊維補強層を埋設し、その有機繊維補強層のタイヤ径方向外側の端部をカーカス層の巻き上げ端部よりも高くした従来の構造では、ビードフィラーの側方位置におけるゴム厚さが厚くなると共に、加硫時において、ビードフィラーにおけるカーカス層の巻き上げ端部からタイヤ径方向外側の領域でビードフィラーが有機繊維補強層の剛性によりタイヤ幅方向に押し潰される傾向がある。本発明によれば、このようなビード部への悪影響を防ぐことができるのである。
本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカス層4の巻き上げ端部4eとスチール補強層11の巻き上げ端部11eの高い方の巻上高さPLYhは25mm~45mmであることが好ましく、28mm~38mmであることがより好ましい。このように巻上高さPLYhを設定することで、カーカス層4、スチール補強層11又は第一の非金属補強層12Aの端部4e,11e,12eからのセパレーションを効果的に抑制することができる。
ここで、巻上高さPLYhが25mm未満である場合、第一の非金属補強層12Aの端部12eがリムフランジに過度に近接するため、応力が分散されずセパレーションの発生が懸念される。一方、巻上高さPLYhが45mmを超える場合、カーカス層4又はスチール補強層11の巻き上げ端部4e,11eが加硫時に変形が大きな領域に位置することになるため、カーカス層4又はスチール補強層11の端部4e,11eからのセパレーションの発生が懸念される。
また、カーカス層4の巻き上げ端部4eはスチール補強層11の巻き上げ端部11eよりも高く、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向外側の端部12eとカーカス層4の巻き上げ端部4eとの最短距離L(図2参照)は2mm以上であることが好ましい。これにより、第一の非金属補強層12Aの端部12eでの応力を分散させることができ、第一の非金属補強層12Aの端部12eからのセパレーションを効果的に抑制することができる。最短距離Lの上限は、第一の非金属補強層12Aがビード部3の外表面から1.5mm以上離間して配置されている構成との関係で決定される。ここで、最短距離Lが2mm未満である場合、第一の非金属補強層12Aの端部12eでの応力が分散されず、セパレーションの発生が懸念される。
更に、第一の非金属補強層12Aを以下のように構成することができる。第一の非金属補強層12Aを経糸及び緯糸の繊維構造が200/1[dtex/本]~1000/1[dtex/本]である平織物から構成するとよい。平織りされた第一の非金属補強層12Aは、経糸及び緯糸を1本ずつ交差させて織ったもので、繊維の方向性を有しない。このように第一の非金属補強層12Aを構成することで、平織物の繊維方向によらず、ゴム流れを抑制することができる。また、第一の非金属補強層12Aの厚さを薄くすることができる。
ここで、経糸及び緯糸の繊維構造が200/1[dtex/本]未満である場合にはゴム流れを効果的に抑制することができず、経糸及び緯糸の繊維構造が1000/1[dtex/本]を超える場合には過度なコストの増加を招くため好ましくない。
或いは、第一の非金属補強層12Aを繊維コードの繊維構造が800/2[dtex/本]~1500/2[dtex/本]である簾織物から構成するとよい。簾織りされた第一の非金属補強層12Aは、一方向の繊維コードを並べて編み連ねたもので、繊維コードの方向性を有し、タイヤ製造時における伸び変形に追従する。このように第一の非金属補強層12Aを構成することで、平織物の場合と比べて、第一の非金属補強層12Aの端部12eにおいてゴムとの剛性段差を低減することができるため、第一の非金属補強層12Aの端部12eからのセパレーションを効果的に抑制することができる。
ここで、繊維コードの繊維構造が800/2[dtex/本]未満である場合にはゴム流れを効果的に抑制することができず、繊維コードの繊維構造が1500/2[dtex/本]を超える場合には過度なコストの増加を招くため好ましくない。
上述したように第一の非金属補強層12Aを簾織物から構成する場合、その簾織物の繊維コードの打ち込み密度を10本/50mm~40本/50mmとするとよい。これにより、第一の非金属補強層12Aの端部12eからのセパレーションを効果的に抑制することができる。
ここで、繊維コードの打ち込み密度が10本/50mm未満である場合にはゴム流れを効果的に抑制することができず、繊維コードの打ち込み密度が40本/50mmを超える場合には過度なコストの増加を招くため好ましくない。
更に、簾織物をなす繊維コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ(図4参照)を15°~70°とし、簾織物の繊維コードの配向方向をスチール補強層11のスチールコードとは逆方向とするとよい。図4に示すように、第一の非金属補強層12Aの繊維コードとスチール補強層11のスチールコードは、配向方向が逆方向になっており、互いに交差している。このように簾織物を構成することで、ゴム流れを効果的に抑制することができる。
ここで、傾斜角度が15°未満である場合にはゴム流れを効果的に抑制することができず、傾斜角度が70°を超える場合には簾織物の繊維コードが過度な張力を分担することになり、第一の非金属補強層12Aの端部12eからのセパレーションの発生が懸念される。
図5はビード部の変形例を示すものである。図5において、第一の非金属補強層12Aは延在方向の中腹部分でタイヤ幅方向外側に屈曲し、そのタイヤ径方向外側の端部12eはサイドウォールゴム層13に当接している。図示の例では、第一の非金属補強層12Aは、スチール補強層11の巻き上げ端部11eよりもタイヤ径方向内側の部分で屈曲しているが、これに限定されるものではない。
図5において、リムクッションゴム層14は、ビードコア5の側方位置から内径側に向かって延在している。即ち、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向外側の端部12eからビードコア5の内径側の位置にわたる領域に配置されている。ビードフィラー6とサイドウォールゴム層13との間には、クラック抑制層15がカーカス層4の巻き上げ端部4e、スチール補強層11の巻き上げ端部11e及び第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向外側の端部12eを覆うように配置されている。クラック抑制層15は、ビードフィラー6よりも内径側の位置からスチール補強層11の端部11eより内径側の位置にわたる領域に配置されている。
クラック抑制層15を構成するゴムの物性として、100%モジュラスKcM100は4.5MPa~10.0MPaであり、破断伸びKcEBは300%以上であることが好ましい。このような物性を有するゴムをクラック抑制層15に用いることで、カーカス層4又は第一の非金属補強層12Aの端部4e,12eからのセパレーションを効果的に抑制することができる。
ここで、100%モジュラスKcM100が4.5MPaである場合、第一の非金属補強層12Aの端部12eでの応力集中が助長され、その端部12eでのセパレーションの発生が懸念される。100%モジュラスKcM100が10.0MPaを超える場合、破断伸びKcEBを300%以上に設定することが困難であるため、好ましくない。また、破断伸びKcEBが300%未満である場合、カーカス層4又は第一の非金属補強層12Aの端部4e,12eからのセパレーションを抑制することが難しくなる。
図5において、ビードコア5を構成する複数本の素線のうちタイヤ径方向最内側に位置する素線Iの中心とビード部3のビードトウ3tとを結ぶ線分を線分Jとし、この線分Jに垂直な方向に対して線分Jからの最短距離が-8mm~8mmである領域(図示の一点鎖線で囲まれる領域)を領域Xとする。このとき、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向内側の端部12eは領域X内に配置されている。なお、領域Xは、最短距離が正値の場合、線分Jよりタイヤ幅方向内側(図の左側)の領域であり、最短距離が負値の場合、線分Jよりタイヤ幅方向外側(図の右側)の領域である。
上述した空気入りタイヤでは、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向内側の端部12eは領域X内に配置され、即ち、ビードコア5の下部に第一の非金属補強層12Aが配置されるので、加硫時においてビードコア5の下部のゴムの圧縮歪が増加し、ビードコア5の位置をビードトウ3t側に寄せることができる。その結果、ビード部3の廻りにおける平衡カーカスラインの実現に寄与し、ビード部3の耐久性の向上に繋がる。
ここで、線分Jからの最短距離が-8mm未満である場合、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向内側の端部12eはリムとの接触が過酷な領域に配置されるため、その端部12eからのセパレーションの発生が懸念される。一方、線分Jからの最短距離が8mmを超える場合、第一の非金属補強層12Aのタイヤ径方向内側の端部12eはゴム流れの抑制に対して効果が期待できない領域に配置されるので、過度なコストの増加を招くため好ましくない。
図6はビード部の他の変形例を示すものである。図6に示すように、非金属補強層12は、スチール補強層11の巻き上げ端部11eの側方位置においてタイヤ幅方向内側に位置する第一の非金属補強層12Aと、タイヤ幅方向外側に位置する第二の非金属補強層12Bからなる2層構造を有している。また、カーカス層4の巻き上げ端部4eはスチール補強層11の巻き上げ端部11eよりも高くなっている。即ち、巻上高さPLYhは、カーカス層4の巻き上げ端部4eの高さである。カーカス層4の巻き上げ端部4eの巻上高さPLYh[mm]と、第二の非金属補強層12Bにおけるタイヤ径方向外側の端部12eの高さCHFh2[mm]とは、PLYh-23≦CHFh2≦PLYh-8の関係を満たしている。なお、カーカス層4の巻上高さPLYhと第一の非金属補強層12Aの高さCHFh1とはPLYh-15≦CHFh1≦PLYhの関係を満たしている。
また、図6において、第二の非金属補強層12Bにおけるタイヤ径方向内側の端部12eは、第一の非金属補強層12Aにおけるタイヤ径方向内側の端部12eから4mm以上離間している。特に、第一の非金属補強層12A及び第二の非金属補強層12Bのタイヤ径方向内側の端部12eを互いに離間させるにあたって、図示のように第二の非金属補強層12Bの端部12eを第一の非金属補強層12Aの端部12eからタイヤ幅方向内側に離間させることが好ましい。更に、第二の非金属補強層12Bは、第一の非金属補強層12Aと同様に、ビード部3の外表面から1.5mm以上離間して配置されている。
上述した空気入りタイヤでは、第一の非金属補強層12Aと第二の非金属補強層12Bからなる2層の非金属補強層12を採用し、カーカス層4の巻き上げ端部4eの巻上高さPLYhと第二の非金属補強層12Bにおけるタイヤ径方向外側の端部12eの高さCHFh2とはPLYh-23≦CHFh2≦PLYh-8の関係を満たし、第二の非金属補強層12Bにおけるタイヤ径方向内側の端部12eは第一の非金属補強層12Aにおけるタイヤ径方向内側の端部12eから4mm以上離間すると共に、第二の非金属補強層12Bはビード部3の外表面から1.5mm以上離間して配置されているので、ビード部3の耐久性を効果的に改善することができる。
また、第一の非金属補強層12A及び第二の非金属補強層12Bのタイヤ径方向内側の各端部12eを上述した領域X内に配置することが好ましい。第二の非金属補強層12Bは、第一の非金属補強層12Aと同様の繊維コードの繊維構造で構成することが望ましい。
タイヤサイズ275/70R22.5で、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備え、該一対のビード部間に複数本のスチールコードを含むカーカス層が装架され、該カーカス層が各ビード部のビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有する空気入りタイヤにおいて、ビード部の構造だけを異ならせた従来例1,2、比較例1~3及び実施例1~21のタイヤを製作した。
これら従来例1,2、比較例1~3及び実施例1~21のタイヤにおいて、カーカス層の巻き上げ端部の高さ、スチール補強層の巻き上げ端部の高さ、巻き上げ端部の高さの大小関係(巻上高さPLYh)、非金属補強層の層数、第一の非金属補強層の高さCHFh1、第一の非金属補強層の径方向内端の位置、第一の非金属補強層の線分Gに対する位置、第一の非金属補強層のビード部の外表面までの距離、最短距離L、第一の非金属補強層の径方向内端の線分Jからの距離、クラック抑制層のモジュラスKcM100、クラック抑制層の破断伸びKcEB、第一の非金属補強層をなす織物の種類、平織物の経糸及び緯糸の繊維構造、簾織物の繊維コードの繊維構造、簾織物の繊維コードの打ち込み密度、簾織物の繊維コードの傾斜角度、簾織物の繊維コードの配向方向、第二の非金属補強層の高さCHFh2、第一と第二の非金属補強層の離間距離、第二の非金属補強層のビード部の外表面までの距離を表1及び表2のように設定した。
なお、表1及び表2において、巻き上げ端部の高さの大小関係が「カーカス」の場合、カーカス層の巻き上げ端部がスチール補強層の巻き上げ端部よりも高く、該カーカス層の巻き上げ端部の高さが巻上高さPLYhとなり、「スチール」の場合、スチール補強層の巻き上げ端部がカーカス層の巻き上げ端部よりも高く、該カーカス層の巻き上げ端部の高さが巻上高さPLYhとなる。「第一の非金属補強層の径方向内端の位置」は、タイヤ径方向内側の端部とビード部のビードヒールの頂点との間の距離を示す。第一の非金属補強層の線分Gに対する位置が「内側」の場合、第一の非金属補強層のタイヤ径方向内側の端部が線分Gよりもタイヤ幅方向内側の領域に位置し、「外側」の場合、当該端部が線分Gよりもタイヤ幅方向外側の領域に位置することを意味する。簾織物の繊維コードの配向方向は、スチール補強層のスチールコードに対する方向を示す。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、ビード部の耐久性及びコストを評価し、その結果を表1及び表2に併せて示した。
ビード部の耐久性:
各試験タイヤをそれぞれJATMAの規定リムに装着して、JATMAの規定空気圧の75%とし、JATMAの規定荷重の1.4倍を負荷し、走行速度49km/h、走行距離の条件でドラム試験にて走行試験を実施した。40,000km走行後、試験タイヤをタイヤ周方向に等間隔となる8箇所でタイヤ子午線に沿って切断し、両ビード部の8箇所の切断面(合計16箇所)においてカーカス層の巻き上げ端部及び非金属補強層の端部のそれぞれを起点とするクラックの断面方向長さを測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例2を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、ビード部の耐久性が優れていることを意味する。
コスト:
各試験タイヤのビード部における補強部材の生産コストについて試算した。評価結果は、試算値の逆数を用い、従来例2を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどコストが低く、優れていることを意味する。
Figure 0007230649000001
Figure 0007230649000002
表1及び表2から判るように、実施例1~21のタイヤは、従来例2に比べて、ビード部の耐久性及びコストが改善されていた。
一方、比較例1,2のタイヤは、いずれも非金属補強層のタイヤ径方向内側の端部が線分Gよりもタイヤ幅方向外側に位置しているため、ビード部の耐久性及びコストにおいて十分な改善効果を得ることができなかった。また、比較例3のタイヤは、非金属補強層のタイヤ径方向外側の端部とカーカス層との最短距離Lが大きく設定されていたため、ビード部の耐久性が悪化した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
11 スチール補強層
12 非金属補強層
12A 第一の非金属補強層
12B 第二の非金属補強層
13 サイドウォールゴム層
14 リムクッションゴム層
15 クラック抑制層

Claims (10)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間に複数本のスチールコードを含むカーカス層が装架され、該カーカス層が各ビード部のビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有する空気入りタイヤにおいて、
    各ビード部のビードコアの外周上にビードフィラーが配置され、各ビード部に複数本のスチールコードを含むスチール補強層が前記カーカス層、前記ビードコア及び前記ビードフィラーを包み込むように配置され、前記スチール補強層のタイヤ幅方向外側に第一の非金属補強層が配置され、
    前記カーカス層と前記スチール補強層のうち巻き上げ端部が高い方の巻上高さPLYh[mm]と、前記第一の非金属補強層におけるタイヤ径方向外側の端部の高さCHFh1[mm]とがPLYh-15≦CHFh1≦PLYhの関係を満たし、
    前記ビードコアの底面を構成する複数本の素線のうちタイヤ幅方向最外側に位置する素線Fの中心と、前記ビード部のビードヒールの頂点とを結ぶ線分を線分Gとしたとき、前記第一の非金属補強層のタイヤ径方向内側の端部が前記線分Gよりもタイヤ幅方向内側の領域に位置し、
    前記第一の非金属補強層が前記ビード部の外表面から1.5mm以上離間して配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカス層と前記スチール補強層のうち巻き上げ端部が高い方の巻上高さPLYhが25mm~45mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカス層の巻き上げ端部が前記スチール補強層の巻き上げ端部よりも高く、前記第一の非金属補強層のタイヤ径方向外側の端部と前記カーカス層の巻き上げ端部との最短距離Lが2mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビードコアを構成する複数本の素線のうちタイヤ径方向最内側に位置する素線の中心と前記ビード部のビードトウとを結ぶ線分Jに垂直な方向に対して、該線分Jからの最短距離が-8mm~8mmである領域を領域Xとしたとき、前記第一の非金属補強層のタイヤ径方向内側の端部が前記領域Xに配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイドウォール部から前記ビード部にかけてタイヤ外表面に露出するサイドウォールゴム層と前記ビードフィラーとの間に位置するクラック抑制層が前記カーカス層の巻き上げ端部、前記スチール補強層の巻き上げ端部及び前記第一の非金属補強層のタイヤ径方向外側の端部を覆うように配置され、前記クラック抑制層の100%モジュラスKcM100が4.5MPa~10.0MPaであり、前記クラック抑制層の破断伸びKcEBが300%以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第一の非金属補強層は経糸及び緯糸の繊維構造が200/1[dtex/本]~1000/1[dtex/本]である平織物からなることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第一の非金属補強層は繊維コードの繊維構造が800/2[dtex/本]~1500/2[dtex/本]である簾織物からなることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記簾織物の繊維コードの打ち込み密度が10本/50mm~40本/50mmであることを特徴とする請求項7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記簾織物をなす繊維コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が15°~70°であり、前記簾織物の繊維コードの配向方向は前記スチール補強層のスチールコードとは逆方向であることを特徴とする請求項7又は8に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記スチール補強層の巻き上げ端部の側方において前記第一の非金属補強層のタイヤ幅方向外側に第二の非金属補強層が隣接して配置され、前記カーカス層の巻き上げ端部が前記スチール補強層の巻き上げ端部よりも高く、前記カーカス層の巻き上げ端部の巻上高さPLYhと前記第二の非金属補強層におけるタイヤ径方向外側の端部の高さCHFh2とがPLYh-23≦CHFh2≦PLYh-8の関係を満たし、前記第二の非金属補強層におけるタイヤ径方向内側の端部が前記第一の非金属補強層におけるタイヤ径方向内側の端部から4mm以上離間すると共に、前記第二の非金属補強層が前記ビード部の外表面から1.5mm以上離間して配置されていることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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