JP7228833B2 - ジョイントテープロール及びそれを用いた塗膜防水工法 - Google Patents
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Description
その際、上から塗布した塗膜形成材(塗料)を、該ジョイントテープの一部を通過させて構造体表面にまで達するようにし、該ジョイントテープの構造体への接着性を強固にする方法が知られている。例えば、特許文献1では、該テープの素材として網目シートが使用され、特許文献2では、開口体が使用されている。
上記した通り、複数枚の通気(緩衝)シートを併設し、突き合わせ部分にジョイントテープを使用した場合、網目シート等の網目を通過した塗膜形成材(塗膜防水工法の場合は防水塗料)が、該突き合わせ部分の隙間を埋めてしまったのでは、通気(緩衝)シートの接合部分で気体の流通が遮断され、防水塗膜に該気体による膨れ等が生じる場合がある。
また、ジョイントテープ全面の下面にも、塗膜形成材(塗料)が塗布されるまでの仮止めとして粘着層Aが必要である。該粘着層Aがないと、塗膜形成材(塗料)を塗布する前に、ジョイントテープが風等で剥がれたり(飛ばされたり)、両脇の網目シートが波打ったりして、その後の塗膜形成材(塗料)の塗布に支障をきたす。
すなわち、該巻回接触面は、施工時に該ジョイントテープを構造体の突き合わせ部分に貼り付けたときに最上面になるが、そこに離型層を形成しておいても、液体の塗膜形成材(塗料)が、意外にも該離型層によってはじかれずに塗布ができ、しかも網目を通過して構造体まで達した塗膜形成材(塗料)によって、ジョイントテープの構造体への貼付性は、意外にも強固に保たれる(該離型層がない場合に比較して弱くならない)ことを見出して、本発明を完成するに至った。
該ジョイントテープは、少なくとも上から順に、
下記網目状シートを構成する糸の上面に該網目を塞がないように形成されている離型層、
幅2cm以上20cm以下の網目状シート、
該網目状シートの下面全体であって、該網目状シートを構成する糸の下面に該網目を塞がないように形成されている粘着層A、
幅が該網目状シートの1/10以上1/2以下であって、該網目シートの幅方向の略中央に該網目状シートの中心線を跨ぐように積層されたフィルム、及び、
該フィルムの下面にのみ形成された粘着力が3N/25mm以上の粘着層B
を有することを特徴とするジョイントテープロールを提供するものである。
網目状シートの上面に該網目を塞がないように離型層を形成する工程
網目状シートの下面に該網目を塞がないように粘着層Aを形成する工程
下面に粘着層Bが設けられたフィルムの上面を、上記網目状シートの中心線を跨ぐように、上記網目状シートの下面に積層する工程
上記工程で得られたジョイントテープを、離型シートを介さずに巻く工程
を少なくとも有することを特徴とするジョイントテープロールの製造方法を提供するものである。
また、本発明のジョイントテープには離型シートがないので、現場で作業者がジョイントテープロールの巻きを解くだけで、ジョイントテープを容易に構造体の突き合わせ部分の上に貼り付けることができる。
すなわち、本発明のジョイントテープによれば、離型シートを排除することで、巻き解き性を良好にでき施工を容易にできる。
ここで、「離型シート」とは、少なくとも一方の面が離型性を有するシートを言い、その基材は、フィルム、紙、シート、布等、シート状であれば限定されない。
しかしながら、本発明によれば、このような塗布不良が生じず、しかも離型層による密着性低下がたとえ若干あったとしても、網目を正常に通過した塗膜形成材(塗料)による埋め込み効果(アンカー効果)によって、ジョイントテープの構造体への密着性は全く低下しない。
該粘着層Bはフィルム全面に形成されるので、網状に形成された粘着層Aより接着性が強い。また、構造体の突き合わせ部分に貼り付けて該構造体同士を接合する必要があるので、塗膜形成材(塗料)の塗布前の「構造体への仮止め」に過ぎない網目部分の粘着層Aより接着性が強い。
また、該フィルムの構造体への接着は、該フィルムは網目ではないので塗膜形成材(塗料)の埋め込み効果(アンカー効果)が期待できず、また、塗膜形成材(塗料)のフィルムの脇からの侵入を阻止しなくてはならないので、その分、粘着層Bの接着性は強い必要がある。
また、本発明によれば、該粘着層Bの粘着力(JIS Z 0237:180℃ピール法による粘着力)が、構造体同士の接合に十分な値以上であっても、粘着層Bが巻回接触面に貼り付かない。
また、変性されていることによって、回巻してロールとしたときに、シリコーン(粒子)が、巻回接触面である粘着層Aや粘着層Bに転写(裏移り)することがない。
本発明のジョイントテープによれば、離型シートが風で飛ぶことがあり得ないので、該離型シートの離型処理されてない方の面が、ジョイントテープ中央のフィルム上の粘着層Bに貼り付くと言った従来の問題点が発生しない。また、離型シートが風で飛んで、「防水塗料等の塗膜形成材(塗料)」が乾燥する前(硬化する前)の面に貼り付くと言った問題点も発生しない。
本発明のジョイントテープロールは、「0.3mm以上の厚さを有する構造体の端部面同士の突き合わせ部分の上部に貼り付けて該構造体同士を接合するためのジョイントテープ」が、離型シートを介さずに巻かれてなるものである。
接合(ジョイント)の対象となる構造体としては、特に限定はされないが、例えば、建築用ボード、防水シート、通気(緩衝)シート、金属板(折半屋根)、窯業系サイディング、内装パネル、断熱板等の「0.3mm以上の厚さを有し、隣接するもの同士を接合・固定する必要があるもの」が挙げられる。
中でも、ジョイントテープ貼り付け後に、その上から塗料等の液体を塗布する必要のある構造体が好適なものとして挙げられる。更には、隣接するもの同士を突き合せたときに生じる隙間に、塗料等の液体が流入(侵入)して該隙間を埋めてしまってはいけないような構造体が、特に適したものとして挙げられる。
構造体の厚さが上記範囲であれば、構造体同士の突き合わせ部分の「接合面の面積や隙間の体積」を勘案して、本発明の前記効果を奏し易い。
ここで、上記「防水シート」とは、屋上等の下地31の防水施工に用いられるもので、通気性と共に防水性を有し、防水第1層としての機能を有するものを言う。所謂「防水シート」でも、通気性を有していれば「通気シート」と定義する。
通気緩衝シート41は、塗膜防水工法等で用いられ、外力や下地コンクリート等の乾燥や収縮により発生したクラックが、外気温の変化によって生じる応力等を緩衝する機能を有すると共に、下地コンクリート等から発生する水蒸気等の気体を横方向に通気させる機能を有し、塗膜防水層51に局部的なフクレが発生することを防止するものである。
図6(a)は不織布等を材質とする通気層44と通気路47を有する通気シート41の概略断面図であり、図6(b)は通気層44と通気路47を有する通気シート41の概略斜視図であり、図6(c)は緩衝層46と通気路47を有する通気シート41の概略断面図である。本発明のジョイントテープ11は、何れの形態の通気シート41にも好適に使用可能である。補強層43は必須ではない。
また、防水シートは、特に限定はされないが、例えば、図6の通気シート41の通気シート基材42に防水性を持たせたもの、特許文献1に防水シートとして記載されたもの等が挙げられる。
<<ジョイントテープの使用方法>>
図5に、本発明のジョイントテープ11の使用態様を、塗膜防水工法に使用したときを例にして示す。図5(a)は、ジョイントテープ11を層構成に分けずに全体を一体で示した超概略断面図であり、図5(b)は、ジョイントテープ11の層構成をも示した概略断面図である。なお、図5(a)(b)では、分かり易いように、縦方向(厚さ方向)の拡大倍率が、横方向の倍率より大きく描かれている。また、図5では、突き合わせ部分48を隙間で示しているが、隣接する通気シート41同士はぴったり突き合わされることもある(ぴったり突き合わされている部分もある)。
図5に示したように、該ジョイントテープ11は、構造体の端部面同士の突き合わせ部分48の上部に貼り付けて該構造体同士を接合するために使用される。
その後、塗膜形成材(図5では、塗膜防水層51を形成するための防水塗料)を塗布すると、液体の塗膜形成材は、網目状シート12の網目を通過して構造体にまで達し、得られた塗膜防水層51は、より強く該ジョントテープを構造体に固定して、そのことによって、構造体同士がより強く接合(ジョイント)する。
なお、図5(b)は、網目状シート12が一層で描かれているが、実際は、網目に塗膜形成材(防水塗料)が入り込んで、塗膜防水層51は、該網目状シート12を内包して構造体表面にまで達するように形成されている。
本発明のジョイントテープ11は、少なくとも上から順に、
下記網目状シート12を構成する糸の上面に該網目を塞がないように形成されている離型層13
幅2cm以上20cm以下の網目状シート12、
該網目状シート12の下面全体であって、該網目状シート12を構成する糸の下面に該網目を塞がないように形成されている粘着層A(14)、
幅が該網目状シート12の1/10以上1/2以下であって、該網目シートの幅方向の略中央に該網目状シート12の中心線を跨ぐように積層されたフィルム15、及び、
該フィルム15の下面にのみ形成された粘着層B(16)
を有することを特徴とする(図1、図3、図5(b))。
なお、上記した「上(下)」は施工時や施工後に上(下)になる方の意味で、ジョイントテープ製造時や取り扱い時の上(下)の意味ではない(図1、図5(b))。
また、図3(a)に、本発明のジョイントテープ11を斜め上から見た写真を、図3(b)に、斜め下から見た写真を示す。
該幅が短過ぎると、そこから通過する塗膜形成材の量が減り、構造体同士を強固に固定できない場合があり、隣接する構造体同士のずれが、ジョイントテープ11の剥がれ、ひいては塗膜(塗膜防水層51やトップコート層52)にクラックを生じさせる場合があり、塗膜形成材が突き合わせ部分48に流れ込む場合があり、ジョイントテープ11の機能が低下する場合等がある。
一方、ジョイントテープ11の幅は、広過ぎると、無駄になったり、取り扱い難くなったりする場合がある。
網目状シート12は、織物又は編物が好ましく、平織又はからみ織の織物であることが、柔軟性があって伸び縮みするために、隣接する構造体同士の相互のずれにも好適に対応できる;製造コスト的に有利である;薄葉化(扁平に)することによって、塗膜形成材の塗布前に構造体の上に仮止めさせ易い;塗膜に対する補強布としての機能を発揮して該塗膜の強度を向上させる;等の点から好ましい。
ただし、上記「縦糸」、「横糸」とも、2本以上の単位糸が引き揃えられて構成されているものでもよい。その場合、上記「1本の縦糸又は横糸」とは、2本以上の単位糸が隙間なく引き揃えられた1本の縦糸列又は横糸列のことを言う。
密度も開口率も、上記範囲であれば、塗膜形成材の通過性、ジョイントテープ自体の強度、構造体への固定強度、柔軟性(伸び縮み性)、後述するヘナヘナ性、その他前記した特性を発揮し易い。
また、コットン(綿)、麻、ウール(毛)、絹等の天然繊維;上記したような合成繊維;上記したような再生繊維;ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維;金属繊維(スチール繊維);等の繊維等が挙げられる。
縦糸12bや横糸12aは、短繊維から成る紡績糸(スパンヤーン)であってもよいし、長繊維から成るフィラメント糸(フィラメントヤーン)であってもよく、この場合、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸の何れでもよい。
更に、薄葉化する利点として、網目状シートを構成する糸の重なり部(縦糸と横糸の交点12c)と非重なり部の厚み差が小さくなることにより、塗膜形成材(塗料)を塗布して得られる塗膜表面から網目状シート12の網目が消え易い。また、引き揃えた糸を偏平状にすることにより、微細な隙間が埋まる効果も有り、塗膜形成材(塗料)を塗布したときに発生する気泡が絡み難く、その結果、気泡の滞留が発生し難く、ピンホールの低減となる。
カレンダー加工に使用されるカレンダー機については、特に限定はなく、一対のカレンダーロールのみを使用してその間に通過させてもよいし、多連式若しくは多段式のカレンダーロールを使用してもよい。カレンダーロールの材質は、特に限定はないが、幅方向のプレス圧力を均一にし易い、入手や取扱いが容易である等の点から金属製が好ましい。
厚過ぎると、柔軟性がなくなったり、ジョイントテープ11の縁に段差ができてしまい、塗膜性能(防水性等)に悪影響を与えたり、美観を損ねたりする場合等がある。一方、薄過ぎると、ジョイントテープ11の強度が確保できない場合等がある。
従って、上記を同時に行って得られたようなものであることが、工程の簡略化等のために特に好ましい。本発明のジョイントテープ(ロール)としては、上記網目状シート12を構成する糸の交点12cが目止め剤で目止めされており、該目止め剤の成分と上記離型層13の成分とが同一であることが特に好ましい。
本発明における離型層13には、後述するように、有機重合体変性シリコーンを含有させることが特に好ましいが、その場合、該有機重合体変性シリコーンのシリコーン部分が離型効果を発揮し、該有機重合体変性シリコーンの有機重合体部分や上記した接着剤成分が目止め効果を発揮しているものと考えられる。
本発明のジョイントテープ11における網目状シート12を構成する糸の上面には、図1、図2、図5(b)に示したように、該網目を塞がないように離型層13が形成されている。
なお、「離型層」とは言っても、網目状シートの面積全体に層が形成されてはおらず、糸の上のみに形成されている。図2(a)は、網目状シート12を構成する横糸12aがない箇所での断面図(図1のX-X矢視断面図)であり、図2(b)は、横糸12aがある箇所での断面図(横糸12aの縦断面図、図1のY-Y矢視断面図)である。
なお、上記単位面積(m2)は、糸の上だけの面積ではなく、網目状シート全体の面積である。
該離型層13の存在によって離型シートが不要となる。該離型層13の成分は、特に限定はなく、(該離型層13の巻回接触面にあたる)粘着層B(16)ですら該網目状シート12にくっついてしまうことがない。
なお、「非くっつき性」に関して、実施例で定義された粘着力(粘着層Bの粘着力と同様の測定方法による粘着力[cN/25mm])で表すと、実施例に示したような相関がある。該粘着力[cN/25mm]の数値を用いると、12月間保管(経時)させなくても「非くっつき性」の判定が可能である。
また、塗膜形成材(塗料)の濡れ性、塗布性、密着性等を悪化させない程度に(弱い)離型性を有する離型層13でも、粘着層B(16)を含む巻回接触面にくっついてしまうことがない。
網目状シート12を有するジョイントテープロールは、意外にも、離型シートがなくても離型層13があれば、「塗膜形成材(塗料)の塗布適性や構造体への密着性」と「巻回接触面非くっつき性」との両立が実現された。
また、粘着層B(16)の粘着力は、大きければ大きい程、構造体同士の接合性の点では良好であるため、上限については特に限定はないが、粘着層Bの実現性の点から、30N/25mm以下が好ましく、25N/25mm以下がより好ましく、20N/25mm以下が更に好ましく、15N/25mm以下が特に好ましい。
ここで、「粘着力」は、JIS Z 0237(2009年12月21日改訂)で定義される。測定条件は、実施例に記載したものとする。
一方、粘着層B(16)の粘着力が上記上限より大きいと、そのように大きな粘着力を有する粘着層が入手困難だったり、ジョイントテープの貼り直しができ難かったり、大き過ぎる粘着力が無駄であったりする場合がある。また、粘着層Bの巻回接触面が離型層13を有する網目であっても、くっついてしまう場合がある。
更にその中でも、離型剤粒子を水系エマルジョン(分散媒体が水系)の形で、離型層13の(バインダー或いは接着剤としての機能を有する)ポリマーに混合して、塗布・乾燥してなる離型層13が挙げられる。この場合、離型剤粒子が水系エマルジョンであるので、該ポリマーも水系エマルジョンの形であることが特に好ましい。
ここで、該離型剤粒子としては、具体的には、例えば、シリコーン粒子、フッ素含有ポリマー粒子、下記する有機重合体変性シリコーン粒子等が挙げられる。
シリコーン部分に結合して変性をする上記「有機重合体」の重合度には限定がなく、すなわち繰り返し単位を有していればよく、高分子量ないし低分子量ポリマー、オリゴマー、数量体(2~5量体)等が含まれる。
従って、本発明は、有機重合体変性シリコーンの水系エマルジョンと、上記「離型層を構成するポリマー」の水系エマルジョンとを混合して離型層形成液を調製し、上記網目状シート12の上面に該網目を塞がないように該離型層形成液を塗布してなる離型層13を有するジョイントテープ11又はジョイントテープロールでもある。
該有機重合体基としては、ポリ(メタ)アクリル基、ポリウレタン基、ポリエステル基、ポリカーボネート基、ポリ酢酸ビニル基、ポリエーテル基、ポリフロロアルキル基等の非反応性基;「アミノ基、エポキシ基、アルコール性水酸基、メルカプト基、カルボキシ基等の反応性基」を含む有機重合体基;等が挙げられる。
具体的には、例えば、(メタ)アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、特殊変性シリコーン等の有機重合体変性シリコーンが特に好ましいものとして挙げられる。
上記網目状シート12を構成する糸の交点12cが目止め剤で目止めされており、該目止め剤の成分と上記離型層13の成分とが同一であることが特に好ましい。
この場合、両者のエマルジョンのイオン性は、同一である必要があり、限定はされないが、両者ともアニオン系エマルジョンであることが好ましい。
上記両者を何れも(水系)エマルジョンの形で使用する場合は、該エマルジョン中の粒子濃度を勘案して、2種の(水系)エマルジョンを上記固形分範囲になるように混合して用いられる。もし粒子濃度が両者何れも50質量%であったときは、例えば、「特に好ましい混合比」は、[離型剤水系エマルジョン]:[離型層を構成するポリマー]=7:93~15:85(エマルジョン質量比)となる。
また、目止め樹脂に対する含有率は4質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。なお、上記単位面積(m2)は、糸の上だけの面積ではなく、網目状シート全体の面積である。
本発明のジョイントテープ11は、網目状シート12の下面全体であって、該網目状シート12を構成する糸の下面に該網目を塞がないように粘着層A(14)が形成されている(図1、図2、図5(b))。
粘着層A(14)は、網目シートの部分を構造体に仮止めするのに必要であり、網目シートが塗膜内に内包されることで塗膜の構造体への密着性アップを助長する。
上記下限以上であると、塗膜形成材(塗料)を塗布する前の仮止めの効果が得られ、ジョイントテープ11が風等で剥がれたり波打ったりしない。一方、上記上限以下であると、網目を塞いでしまうことがなく、貼着性が上がり過ぎて無駄になることがない。
本発明のジョイントテープ(ロール)においては、幅が前記網目状シートの1/10以上1/2以下であって、該網目シートの幅方向の略中央に該網目状シート12の中心線を跨ぐように積層されたフィルム15が存在する(図1、図3、図4、図5(b))。
該フィルム15は、塗膜形成材(塗料)が、構造体同士の突き合わせ部分48の隙間に入り込んで気体の流通を遮断してしまわないために設けられる。通常、ジョイントテープ11の幅方向の略中央部が突き合わせ部分48のほぼ真上に来るように貼り付けるので、上記効果が得られるために、該フィルム15は該網目状シート12の幅方向の中心線を跨ぐように設けられる。
該フィルム15の幅としては、1cm以上5cm以下が好ましく、1.8cm以上4.4cm以下が好ましく、2.5cm以上3.8cm以下が特に好ましい。
一方、該フィルム15の幅が大き過ぎると、その分、網目部分の幅が小さくなるので、構造体表面に達する塗膜形成材(塗料)の量(面積)が少なくなり、ジョイントテープ11の塗膜形成材(塗料)による密着性向上(一体化)効果が得られ難い場合がある。
薄過ぎると、物理的強度が落ちたり、粘着層B(16)の塗工が難しくなったり、塗膜形成材(塗料)に侵される場合等がある。一方、厚過ぎると、塗膜の上に段差ができて美観を損ねる場合等がある。
上記フィルム15の下面にのみ粘着層B(16)が形成されている(存在する)(図1、図5(b))。該粘着層B(16)は網目状シート12の上には存在せず、該粘着層B(16)は、接着性を上げるために、上記フィルム15の下面全体に形成されていることが好ましい。
粘着層B(16)は、構造体の表面に接着させ、構造体同士を接合するためにある。
上記下限以上であると、粘着層B(16)のあるフィルム15が、ひいてはジョイントテープ11が、構造体表面に接着し易い。上記上限以下であると、粘着層B(16)が無駄にならず、段差も生じ難い。
本発明は、上記したジョイントテープ11が回巻されてなるジョイントテープロールであり、また本発明は、上記したジョイントテープロールに巻かれているもの(ロール状に巻かれる前のもの)であって、離型シートを有していないことを特徴とするジョイントテープである。
本発明のジョイントテープロールの概略斜視図を図4に示す。ジョイントテープロールは、前記「上」(施工したときの上)が外側になるように回巻されていても、内側になるように回巻されていてもよいが、「上」(粘着剤Bがない方)が内側になるように回巻されていることが好ましい。
本発明は、上記のジョイントテープロールを製造する方法であって、
網目状シート12の上面に該網目を塞がないように離型層13を形成する工程
網目状シート12の下面に該網目を塞がないように粘着層A(14)を形成する工程
下面に粘着層B(16)が設けられたフィルム15の上面を、上記網目状シート12の中心線を跨ぐように、上記網目状シート12の下面に積層する工程
上記工程で得られたジョイントテープ11を、離型シートを介さずに巻く工程
を少なくとも有することを特徴とするジョイントテープロールの製造方法でもある。
離型剤を含有する目止め剤を用いて目止めをする工程
網目状シート12の下面に該網目を塞がないように粘着層A(14)を形成する工程
下面に粘着層B(16)が設けられたフィルム15の上面を、上記網目状シート12の中心線を跨ぐように、上記網目状シート12の下面に積層する工程
上記工程で得られたジョイントテープ11を、離型シートを介さずに巻く工程
を少なくとも有することを特徴とするジョイントテープロールの製造方法でもある。
離型剤としては、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、有機重合体変性シリコーン、無変性シリコーン等、前記したものが挙げられる。また、粒子状のものも挙げられる。
かかる直接塗布の方法としては、特に限定はないが、ロールコーター、カーテンコーター、刷毛塗り、スプレーコーター、浸漬等を用いた塗布方法が好ましい。溶液若しくは分散液を適当な粘度に調整することによって、網目(開口部)を塞がないようにしつつ、網目状シート12の片面に離型層13又は粘着層A(14)を形成することが可能である。
すなわち、かかる積層は、網目状シート12の上面にある粘着層A自体が有する接着性によって行ってもよし、フィルム15の粘着層B(16)の対面に別途設けた接着層(図示せず)によって行ってもよい。
本発明は、防水をする下地31上に、上記構造体である横方向に通気性を有する通気シート41同士を互いに突き合せて設置し、該通気シート41同士の突き合せ部分に、前記したジョイントテープロールの巻きを解きつつ、上記ジョイントテープ11の幅方向の略中心が該突き合せ部分に対応するように、該通気シート41の上から該ジョイントテープ11を接着し、次いで、塗膜防水材を塗布することを特徴とする塗膜防水工法でもある(図4、図5、図6)。すなわち、前記「塗膜形成材(塗料)」が、塗膜防水材(防水塗料)である塗膜防水工法が好ましい。
次いで、塗膜形成材である防水塗料を、ジョイントテープ11の上から塗布するが、通気(緩衝)シート41の端部面同士の突き合わせ部分48の隙間には防水塗料が流れ込まず、その両側の網目からは防水塗料が構造体の上面にまで達して、ジョイントテープ11の強固な固着が達成される(図5)。
また、防水塗料の溶剤や希釈剤としての溶剤は、公知の任意の溶剤が使用可能である。
防水塗料は、1層塗りでも2層塗り(中塗り層あり)でもそれ以上でもよい。更に、最上層として、トップコート層52を設けることが好ましい。
以下「表面層」とは、本願発明の場合は「離型層」を意味し、「表面層」には離型性はあってもなくてもよい。「表面層」とは、本願発明の「離型層」の位置に存在し、「離型層」をも包含するものである。
<ジョイントテープ1の作製>
縦糸としてポリエステルフィラメント糸(200デニール)、横糸としてポリエステルフィラメント糸(200デニール)を使用して網目状シートを作製した。3本の単位糸を引き揃えて1本の縦糸とし、1インチ当たり8本の縦糸とし、2本の単位糸を引き揃えて1本の横糸とし、1インチ当たり8本の横糸とした。
縦糸は3mm間隔、横糸は3mm間隔で設置し、最終的な開口率を44%とした。
(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系ポリマー(表1では「アクリルEVA系」)である「ポリゾール(登録商標)EF265(固形分48~52質量%の水系エマルジョン)、昭和電工(株)製」を離型層形成液とし、網目状シートに付着量(乾燥質量)15g/m2となるように付与して、表面層の形成と目止めとを同時に行った。
回転するカレンダーロールの間を通過させて加熱及び加圧を行い(カレンダー加工を行い)、網目状シート部分の厚さを0.16mmとした。
(メタ)アクリル酸エステル系(表1では「アクリル系」)の水系エマルジョンである「オリバイン(登録商標)BPW6111A、東洋インキ製造(株)製」を、網目状シートに付着量(乾燥質量)20g/m2となるように付与して粘着層Aを形成させた。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、(メタ)アクリル酸エステル系の粘着剤(表1では「アクリル系」と記載)の水系エマルジョンを、膜厚(乾燥質量)25g/m2となるように付与して粘着層Bを形成させた。フィルムと粘着層Bとの合計の厚さを50μmとした。
次いで、図1に示したように、上記「粘着層Bを形成させたフィルム」を幅35mmに切断し、スリット工程において幅100mmとした網目状シートの幅方向の中央に積層した。
なお、前記「粘着層Bを形成させたフィルム」や、上記「フィルムの表面に粘着層Bが既に形成されている粘着テープ」は、粘着層Bが形成されていない方の面を、それぞれ網目状シートに積層した。該積層は網目状シートに形成された粘着層Aの接着性に依った。
また、ジョイントテープ1を、粘着剤Bがない方が内側になるように紙管に巻き取って(回巻して)、ジョイントテープロール1を作製し、以下の評価に供した。
<ジョイントテープ4の作製>
作製例1の<<表面層(離型層)の形成>>において、(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系ポリマー(アクリルEVA系)である「ポリゾールEF265」の単独使用に代えて、“同じ(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系ポリマーである「ポリゾールEF265」と、有機重合体変性シリコーン(表1では「シリコーン系」)である「シャリーヌ(登録商標)E-790(固形分42~45質量%の特殊変性シリコーンの水系エマルジョン)、日信化学工業(株)製」とを、水系エマルジョン状態での質量比で9:1となるように混合してなる水系エマルジョン”を離型層形成液とした以外は、作製例1と同様の網目状シートに付着量(乾燥質量)15g/m2となるように付与して、表面層の形成と目止めとを同時に行った。
また、ジョイントテープ1を、粘着剤Bがない方が内側になるように紙管に巻き取って(回巻して)、ジョイントテープロール4を作製し、以下の評価に供した。
<ジョイントテープ12の作製>
作製例4において、糸種を表1に記載したものに代えた以外は、作製例4と同様にして、図1に示したような幅100mmのジョイントテープ12を製作し、以下の評価に供した。
また、ジョイントテープ12を、粘着剤Bがない方が内側になるように紙管に巻き取って(回巻して)、ジョイントテープロール12を作製し、以下の評価に供した。
<ジョイントテープ13の作製>
作製例4及び作製例12の<<表面層(離型層)の形成>>において、(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系ポリマー(表1では「アクリルEVA系」)である「ポリゾールEF265」と、有機重合体変性シリコーン(表1では「シリコーン系」)である「シャリーヌE-790(登録商標)、日信化学工業(株)製」とを、質量比で9:1に混合したことに代えて、水系エマルジョン状態での質量比で8:2に混合した以外は、作製例12と同様にして、図1に示したような幅100mmのジョイントテープ13を製作し、以下の評価に供した。
また、ジョイントテープ13を、粘着剤Bがない方が内側になるように紙管に巻き取って(回巻して)、ジョイントテープロール13を作製し、以下の評価に供した。
<ジョイントテープ14の作製>
作製例4及び作製例12の<<表面層(離型層)の形成>>において、「ポリゾールEF265」と、「シャリーヌE-790」とを、質量比で9:1に混合したことに代えて、水系エマルジョン状態での質量比で7:3に混合した以外は、作製例12と同様にして、図1に示したような幅100mmのジョイントテープ14を製作し、以下の評価に供した。
また、ジョイントテープ14を、粘着剤Bがない方が内側になるように紙管に巻き取って(回巻して)、ジョイントテープロール14を作製し、以下の評価に供した。
<ジョイントテープ2、3、5~8、9~11の作製>
上記作製例1、4、12~14に代えて、表1に記載したように変更した以外は、同様にしてジョイントテープ2、3、5~8、9~11を作製して、以下の評価に供した。
また、それぞれのジョイントテープを、同様に巻き取って(回巻して)、それぞれのジョイントテープロールを作製し、以下の評価に供した。
<構造体への粘着層A及び粘着層Bの接着性>
構造体として、通気緩衝シート(「マットSB」、ダイフレックス(株)製)を用いた。通気緩衝シートは、全体の厚さ約1.2mm、通気路の幅3mm、通気路の高さ(粘着層の厚さ)0.5mm、通気層の厚さ0.3mmであった。
図3に示した形態の本発明のジョイントテープを、上記通気緩衝シートの端部面同士の突き合わせ部分の上部に、図5に示すように貼り付けた。
該粘着層Aの評価は、後述する「ボールタック」と相関があり、「ボールタック」が4以上のとき(好ましくは5以上のとき)、粘着層Aの接着性は「良好」である。
該粘着層Bの評価は、後述する「粘着力」と相関があり、後述する「粘着剤Bの粘着力[N/25mm]」が、3N/25mm以上の場合、ジョイントテープとして使用可能であった(粘着層Bの接着性「可」であった)。6N/25mm以上を「良好」、8N/25mm以上を「更に良好」、10N/25mm以上を「特に良好」とした。
<粘着剤Bの粘着力[N/25mm]>
JIS Z 0237:2009に準拠して行った。
試験片(測定試料)の幅、(測定時の)温度・湿度、(貼り付けられる側の)試験板(の種類)等は、JIS Z 0237:2009に記載の標準的なもので行い、2kgの圧着ローラーで2往復させて試験板に貼り付け、5分以上経過させた後、引張試験機にて、300mm/分の速度で、引きはがし角度180°で引きはがした。
単位は、JIS Z 0237:2009では、[N/10mm]であるが、[N/25mm]に換算した。
<回巻接触面からの剥離強度[cN/25mm]>
試験板として、JIS Z 0237:2009で規定のSUS304鋼板に代えて、実際のジョイントテープの回巻接触面とした以外は、JIS Z 0237:2009に準拠して行った。単位は、JIS Z 0237:2009では、[N/10mm]であるが、[cN/25mm]に換算した。
<回巻接触面からの「巻き解き性(非くっつき性)」の評価方法>
ジョイントテープを、図4に示したようにジョイントテープロールとし、12月間、室温(25℃)に保管した(経時させた)。その後、巻き解きの容易さを評価して以下の基準で判定した。
○:作業に殆ど支障がない程度に巻きが容易に解ける。
△:作業にほぼ支障がない程度に巻きが解ける。
×:作業に支障がでる程度に巻きが容易に解けない。
なお、以下は、粘着層Bの回巻接触面からの剥離強度であるが、粘着層Aの回巻接触面からの剥離強度は、全て良好であるので問題にならない。
120cN以下/25mm ○
120~160cN/25mm △
160cN以上/25mm ×
<ボールタック>
傾斜角30°で、助走面10cm、粘着層面10cmの試料(測定層)に、スチールボール32種類(1/32インチ~32/32インチ)を転がし、粘着層面の中央付近に停止するボールの径の番号(1~32)を「ボールタック」とする。測定温度は23℃、測定湿度は50%RHとする。
<糸解れ(ほつれ)>
網目状シートの縦糸と横糸との交点付近において、糸の解れを目視で観察評価し、以下の基準で判定した。「△」以上を合格とした。
◎:スリット時に端部の糸解れが見られない。
○:スリット時に端部の糸解れが僅かに見られる。
△:スリット時に端部の糸解れが見られる。
×:スリット時に端部の糸解れが著しく見られる。
ジョイントテープ(ロール)1~14について、評価結果を表1にまとめた。
また、離型層を有さないジョイントテープ1、2、5、6、9、10では、粘着層Bの実際の回巻接触面からの剥離強度が、全て160cN/25mm以上であり、実際の巻き解き性(非くっつき性)の判定が「×」であることを支持した。
また、離型層を有するジョイントテープロール3、4、7、8、11~14では、粘着層Bの実際の回巻接触面からの剥離強度が、全て120cN/25mm以下であり、実際の巻き解き性(非くっつき性)の判定が「○」であることを支持した。
更にシリコーン系樹脂を含有する、特に有機重合体変性シリコーンを含有する離型層であれば、粘着層Bの粘着力が高くても、巻き解き性(非くっつき性)が極めて良好であることが分かった。
一方、離型層のないジョイントテープ(ロール)では、粘着層Bに回巻接触面がくっついてしまい、巻き解き性(非くっつき性)が不良であった。
<ジョイントテープ(ロール)21の作製>
(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系ポリマーである「ポリゾール(登録商標)EF265(固形分48~52質量%の水系エマルジョン)、昭和電工(株)製」で目止めを行い、次いで、作製例14のジョイントテープ14の作製と同様にして離型層を形成させる等してジョイントテープ21を作製した。
<ジョイントテープ(ロール)22の作製>
(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系ポリマーである「ポリゾール(登録商標)EF265(固形分48~52質量%の水系エマルジョン)、昭和電工(株)製」で目止めを行った。
次いで、作製例4のジョイントテープ4の作製において、(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系ポリマーである「ポリゾールEF265」を除いて、有機重合体変性シリコーンである「シャリーヌ(登録商標)E-790(固形分42~45質量%の水系エマルジョン)、日信化学工業(株)製」のみを用いて離型層を形成させ、他は作製例4と同様にしてジョイントテープ22を作製した。
なお、作製例4に合わせるべく、目止めと離型層の合計の付着量(乾燥質量)を15g/m2となるようにした。
<ジョイントテープ(ロール)23の作製>
作製例4のジョイントテープ4の作製において、有機重合体変性シリコーンである「シャリーヌ(登録商標)E-790」に代えて、無変性シリコーン(ジメチルシロキサンポリマー)の水系エマルジョンである「KM-9736A、信越化学工業(株)製」を用いた以外は作製例4と同様にして離型層を形成させた。混合比率(質量)も作製例4と同様に9:1とし、次いで、作製例4と同様にしてジョイントテープ23を作製した。
<ジョイントテープ(ロール)24の作製>
(メタ)アクリルエチレン酢酸ビニル系ポリマーである「ポリゾール(登録商標)EF265(固形分48~52質量%の水系エマルジョン)、昭和電工(株)製」で目止めを行い、離型層の形成をせず、その後、作製例1、3と同様にして粘着層Aを形成させ、他も作製例1、3と同様にしてジョイントテープ24を作製した。
ジョイントテープロール1~14、21~24において、巻き解き性(非くっつき性)が良好(「○」判定)であったもの(No.3、4、7、8、11~14、21~23)は、何れも離型シートが不要であった。なお、粘着層Bの2種の形成方法(作製例1に記載)については何れも評価結果は同様であった。
その結果、No.3、4、7、8、11~14、21~23)については、離型シートが存在しないジョイントテープロールを製造できたので、製造コストや現場での作業性に優れ、不要となった離型シートの散乱・飛散や離型シート剥離時の静電気によるトラブル等が起こり得なかった。
そのため、屋上を始め多くの場所の塗膜防水加工の分野を始め、ある程度の厚さを有する構造体の端部面同士の接合が必要な建築分野等に広く利用されるものである。
12 網目状シート
12a 横糸
12b 縦糸
12c 交点
13 離型層
14 粘着層A
15 フィルム
16 粘着層B
31 下地
41 通気シート
42 通気シート基材
43 補強層
44 通気層
45 接着層
46 緩衝層
47 通気路
48 突き合わせ部分
51 塗膜防水層
52 トップコート層
Claims (11)
- 0.3mm以上の厚さを有する構造体の端部面同士の突き合わせ部分の上部に貼り付けて該構造体同士を接合するためのジョイントテープが離型シートを介さずに巻かれてなるジョイントテープロールであって、
該ジョイントテープは、少なくとも上から順に、
下記網目状シートを構成する糸の上面に該網目を塞がないように形成されている離型層、
幅2cm以上20cm以下の網目状シート、
該網目状シートの下面全体であって、該網目状シートを構成する糸の下面に該網目を塞がないように形成されている粘着層A、
幅が該網目状シートの1/10以上1/2以下であって、該網目状シートの幅方向の略中央に該網目状シートの中心線を跨ぐように積層されたフィルム、及び、
該フィルムの下面にのみ形成された粘着力が3N/25mm以上の粘着層B
を有することを特徴とするジョイントテープロール。 - 上記離型層が、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂を含有する請求項1に記載のジョイントテープロール。
- 上記離型層が、有機重合体変性シリコーンを含有する請求項1又は請求項2に記載のジョイントテープロール。
- 上記網目状シートを構成する糸の交点が目止め剤で目止めされており、該目止め剤の成分と上記離型層の成分とが同一である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載のジョイントテープロール。
- 上記構造体が、塗膜防水工法に用いられる横方向に通気性を有する通気シートである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載のジョイントテープロール。
- 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載のジョイントテープロールに巻かれているものであって、離型シートを有していないことを特徴とするジョイントテープ。
- 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載のジョイントテープロールを製造する方法であって、
網目状シートの上面に該網目を塞がないように離型層を形成する工程
網目状シートの下面に該網目を塞がないように粘着層Aを形成する工程
下面に粘着層Bが設けられたフィルムの上面を、上記網目状シートの中心線を跨ぐように、上記網目状シートの下面に積層する工程
上記工程で得られたジョイントテープを、離型シートを介さずに巻く工程
を少なくとも有することを特徴とするジョイントテープロールの製造方法。 - 塗布することによって上記離型層を形成するための離型層形成液が、有機重合体変性シリコーンの水系エマルジョンを含有する請求項7に記載のジョイントテープロールの製造方法。
- 有機重合体変性シリコーンの水系エマルジョンと、上記離型層を構成するポリマーの水系エマルジョンとを混合して離型層形成液を調製し、上記網目状シートの上面に該網目を塞がないように該離型層形成液を塗布して離型層を形成する請求項7又は請求項8に記載のジョイントテープロールの製造方法。
- 上記離型層の形成と、上記網目状シートの目止めとを、同一液を用いて同時に行う請求項7ないし請求項9の何れかの請求項に記載のジョイントテープロールの製造方法。
- 防水をする下地上に、上記構造体である横方向に通気性を有する通気シート同士を互いに突き合せて設置し、該通気シート同士の突き合せ部分に、請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載のジョイントテープロールの巻きを解きつつ、上記ジョイントテープの幅方向の略中心が該突き合せ部分に対応するように、該通気シートの上から該ジョイントテープを接着し、次いで、塗膜防水材を塗布することを特徴とする塗膜防水工法。
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