JP7227021B2 - 吸音構造 - Google Patents

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Description

本発明は、吸音構造に関する。
従来、例えば高速鉄道車両による騒音を低減することを目的として、当該高速鉄道車両の側スカート部、前後フサギ部及び底フサギ部の少なくとも一部に発泡樹脂や繊維系吸音材を配設した高速鉄道車両の低騒音車体構造が提案されている(特許文献1参照)。
特開2006-290054号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている高速鉄道車両の低騒音車体構造では、高い吸音性能を得るためには、発泡樹脂や繊維系吸音材を厚くする必要があり、各種の構造物(例えば、電線トイ、配管、ダクト等)が複雑に配設された限られたスペースにおいては、当該発泡樹脂や当該繊維系吸音材の設置面積や厚さに限界があるため、吸音効果を発揮することができないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、限られたスペースにおいても吸音効果を発揮することができる吸音構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の吸音構造は、
壁面から離間して配置される微細多孔吸音板と、
前記壁面と前記微細多孔吸音板との間の空間内に配置される構造物と、
を備え
前記微細多孔吸音板は、孔径の異なる複数の多孔板を空気層を介して積層してなり、
鉄道車両の床下台車上部のカバーとして、前記微細多孔吸音板が配置され、
前記複数の多孔板のうちの最下方の多孔板は、前記鉄道車両の走行中に発生する飛び石等から他の多孔板を保護し得る厚さに設計されていることを特徴としている。
この構成によれば、壁面と微細多孔吸音板との間の空間内に侵入した音が共鳴することとなり、このときに起こる微細多孔吸音板の孔部壁面での空気との摩擦により、音のエネルギーの一部が熱エネルギーとして消費され、上記空間内に侵入した音を効果的に減少させることができる。また、上記空間内には構造物が配設されているので、当該空間内に侵入した音が反響し、特定の周波数のみでの共鳴だけではなく、広範囲な周波数での吸音率を向上することができる。また、例えば、図9に示すように、鉄道車両の下部(車体の下方)に配設される従来の吸音材(発泡樹脂や繊維系吸音材)SAにあっては、各種の構造物(例えば、電線トイG、配管P、ダクトD等)を避けるために当該各種の構造物が配置されていないスペースを選んで吸音材SAを配置する必要があったが、上記構成によれば、当該各種の構造物を避ける必要がなく、微細多孔吸音板を広範囲に設置することが可能な吸音構造とすることができるので、当該各種の構造物が配設された限られたスペースであっても吸音効果を発揮することができる。また、この構成によれば、微細多孔吸音板の強度を保持しつつ、吸音効果を好適に発揮することができる。また、鉄道車両の転動音等を好適に低下させることができる。
好ましくは、前記最下方の多孔板が、アルミニウム製の板、鋼板、ステンレス板のいずれかであって、前記厚さが2.0mm以上となるように構成されるとよい。また、好ましくは、前記最下方の多孔板の開口率が30%以上となるよう設計されているとよい。また、好ましくは、前記複数の多孔板のうちの最上方の多孔板の板厚は、前記微細多孔吸音板の設置時に他部品等と接触した場合でも変形しない程度の厚さに設計されているとよい。また、好ましくは、前記最下方の多孔板が、アルミニウム製の板であって、前記厚さが0.3mm以上となるように構成されるとよい。
また、好ましくは、前記構造物は、曲面形状を有するものを含むように構成されるとよい。
この構成によれば、壁面と微細多孔吸音板との間の空間内に侵入した音が曲面形状を有する構造物に当たって反射する際に反射方向が分散されるため、多様な共鳴が生じ、効率良く吸音性能を向上させることができる。
また、好ましくは、前記構造物は、円筒状のものを含むように構成されるとよい。
この構成によれば、壁面と微細多孔吸音板との間の空間内に侵入した音が円筒状の構造物に当たって反射する際に反射方向が分散されるため、多様な共鳴が生じ、効率良く吸音性能を向上させることができる。
また、好ましくは、前記構造物は、配管を含むように構成されるとよい。
この構成によれば、壁面と微細多孔吸音板との間の空間内に侵入した音が構造物である配管に当たって反射する際に反射方向が分散されるため、多様な共鳴が生じ、効率良く吸音性能を向上させることができる。
また、好ましくは、前記微細多孔吸音板は、上側多孔板と中間多孔板と下側多孔板の3つの多孔板からなるとよい。
この構成によれば、外部からの衝撃によって中間多孔板が破損してしまうことを抑制することができる。
また、好ましくは、前記微細多孔吸音板の板厚は、5mm~25mmであるとよい。
この構成によれば、構造物が配設された限られたスペースであっても微細多孔吸音板を配設しやすくなるので、吸音面積を増大させることができる。
また、上記課題を解決するため、本発明の他の吸音構造は、
壁面から離間して配置される微細多孔吸音板と、
前記壁面と前記微細多孔吸音板との間の空間内に配置される構造物と、
を備え、
鉄道車両の屋根ふさぎ板として、前記微細多孔吸音板が配置される
ことを特徴としている。
この構成によれば、パンタグラフの周辺から発生する騒音を好適に低下させることができる。
本発明によれば、限られたスペースにおいても吸音効果を発揮することができる。
本実施の形態に係る吸音構造の一例を示す概略図である。 残響室法吸音率試験の結果である1/3オクターブバンド中心周波数(Hz)と残響室法吸音力との関係を示すグラフである。 残響室法吸音率試験の結果である1/3オクターブバンド中心周波数(Hz)と残響室法吸音力との関係を示すグラフである。 (a)~(c)は、背後空気層の構造物の投影面積(%)を6.25%、25%、56.25%のそれぞれに設定した場合における当該構造物の深さ(mm)に応じた垂直入射吸音率を示すグラフである。 (a)~(c)は、背後空気層の構造物の深さ(mm)を5mm、20mm、35mmのそれぞれに設定した場合における当該構造物の径(構造物径d)に応じた垂直入射吸音率を示すグラフである。 (a)~(c)は、本実施の形態に係る吸音構造の2次元形状モデルを用いて計算した全周波数域のオーバーオール値を示すグラフである。 本実施の形態に係る吸音構造のその他の適用例を示す概略図である。 本実施の形態に係る吸音構造のその他の適用例を示す概略図である。 鉄道車両の車体下方における従来の吸音構造を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
[鉄道車両の下部の構造]
まず、本実施の形態の吸音構造100の説明の前に、鉄道車両20の下部の構造について、図1を用いて説明する。なお、吸音構造100は、鉄道車両20の台車22の上部に適用されて鉄道車両20が外部に発する騒音(例えば、転動音等)を吸音するものである。
図1に示すように、鉄道車両20は、車体21と、台車22と、構造物としての電線トイ23、配管24及びダクト(主電動機風道)25と、を備えている。
台車22は、車体21の床板21aの下側に配設されている。
電線トイ23、配管24及びダクト25のそれぞれは、車体21の床板21aと台車22との間に配設されている。
ここで、本実施の形態の吸音構造100は、車体21の床板21aと台車22との間に適用されている。
[吸音構造]
次に、本実施の形態の吸音構造100について説明する。
図1に示すように、吸音構造100は、鉄道車両20の車体21の床板(壁面)21aから離間して配置される微細多孔吸音板10と、床板21aと微細多孔吸音板10との間の空間(背後空気層)内に配置された電線トイ23、配管24及びダクト25と、を備えている。なお、床板21aと微細多孔吸音板10との間の空間内には上述した電線トイ23、配管24、ダクト25のうちの少なくともいずれか一の構造物が配設されていればよいが、好ましくは、曲面形状を有する円筒状の配管24が配設されているとよい。
微細多孔吸音板10は、床板21aの側に配設される上側多孔板11と、中間多孔板12と、下側多孔板13とを備えている。
上側多孔板11は、中間多孔板12の上面を保護するとともに、騒音を吸音するために配設された多孔板であり、例えば、板厚が0.3mmであり、孔径が0.5mmのアルミニウム製の多孔板が用いられる。上側多孔板11の板厚は、設置時に他部品等と接触した場合でも変形しない程度の厚さ(0.3mm)に設計されている。
中間多孔板12は、吸音性能を有する微細多孔板であり、例えば、板厚が0.1mmであり、孔径が0.1mmのアルミニウム製の微細多孔板が用いられる。
下側多孔板13は、中間多孔板12の下面を保護するために配設された保護用の多孔板であり、例えば、板厚が2.0mmであり、孔径が5.0mmの多孔板が用いられる。なお、この下側多孔板13には好ましくは上側多孔板11や中間多孔板12と同様にアルミニウム製の板が用いられるが、鋼板、ステンレス板を用いることもできる。下側多孔板13の孔径は、中間多孔板12の吸音性能を生かすため、例えば、開口率が30%以上となるように設計されている。また、下側多孔板13の板厚は、鉄道車両20の走行中に発生する飛び石等から中間多孔板12を保護し得る厚さ(2.0mm)に設計されている。
また、微細多孔吸音板10は、例えば、下側多孔板13と中間多孔板12との間の距離d1が10mm、中間多孔板12と上側多孔板11との間の距離d2が10mm、上側多孔板11と床板21aとの間の距離d3が202mmとなるように各多孔板11~13がそれぞれ空気層を介して配設されている。すなわち、微細多孔吸音板10の最も上に位置する上側多孔板11の上面と、最も下に位置する下側多孔板13の下面との距離は22.4mmとなる。このように、複数の多孔板が空気層を介して配設されて微細多孔吸音板10を構成している場合には、最も上に位置する多孔板の上面と、最も下に位置する多孔板の下面との距離を、その微細多孔吸音板10の板厚と定義する。
[吸音のしくみ]
次に、吸音構造100による吸音のしくみについて説明する。
鉄道車両20の下部より発生する音(騒音)は、微細多孔吸音板10を介して、背後空気層(微細多孔吸音板10と床板21aとの間の空間)へ侵入する。この背後空気層へ侵入した音は共鳴し、このときに起こる微細多孔吸音板10の孔部壁面での空気との摩擦により、音のエネルギーの一部が熱エネルギーとして消費される。換言すると、上記の共鳴により微細多孔吸音板10の孔部で振動する空気とその孔部の周縁部との間での粘性減衰により摩擦が生じ、吸音性能が発揮される。このため、鉄道車両20の下部より発生する音が効果的に減少することとなる。また、背後空気層には、上述のように構造物としての電線トイ23、配管24及びダクト25が配設されているので、この背後空気層へ侵入した音が構造物に反射するため多様な共鳴状態となる。このため、鉄道車両20の下部より発生する音がより効果的に減少することとなる。
[吸音性能の評価]
次に、吸音構造100を対象とした残響室法吸音率試験の結果について、図2及び図3を用いて説明する。
図2及び図3は、残響室法吸音率試験の結果である1/3オクターブバンド中心周波数(Hz)と残響室法吸音力との関係を示すグラフである。
図2において、吸音構造内に構造物ありのデータは、電線トイ23、配管24、ダクト25を全て設置した本実施の形態の吸音構造100を模擬的に再現した試験体に対する試験結果を示している。一方、吸音構造内に構造物なしのデータは、本実施の形態の吸音構造100とは異なり構造物(電線トイ23、配管24、ダクト25)が床板21aと微細多孔吸音板10との間の空間内に設置されていない状態の吸音構造を模擬的に再現した試験体に対する試験結果を示している。また、繊維系吸音材のデータは、従来の繊維系吸音材による吸音構造を模擬的に再現した試験体に対する試験結果を示している。なお、従来の繊維系吸音材による吸音構造に係る試験体は、構造物のある部分には設置できないことを考慮し(図9参照)、微細多孔板吸音板を設置した面積の20%の面積に50mm厚の繊維系吸音材(ペット繊維)を設置する構造とした。
図2に示すように、本実施の形態の吸音構造100は、従来の繊維系吸音材による吸音構造と比較して、全体的に吸音力が大きいという結果が得られた。
また、吸音構造内に構造物なしのデータと吸音構造内に構造物ありのデータとを比較すると、構造物がある方が800Hz以上で吸音力が大きくなるという結果が得られた。
図3において、ダクトのデータは、床板21aと微細多孔吸音板10との間の空間内にダクト25のみを設置した吸音構造100を模擬的に再現した試験体に対する試験結果を示している。また、電線トイ(開口率10%)のデータは、上記空間内に電線トイ23のみを設置した吸音構造100を模擬的に再現した試験体に対する試験結果を示している。ここで、電線トイ(開口率10%)の“開口率10%”とは、パンチングメタルからなる電線トイ23の開口率を示している。また、配管のデータは、上記空間内に配管24のみを設置した吸音構造100を模擬的に再現した試験体に対する試験結果を示している。一方、構造物なしのデータは、上述のように、本実施の形態の吸音構造100とは異なり構造物(電線トイ23、配管24、ダクト25)が上記空間内に配設されていない状態の吸音構造を模擬的に再現した試験体に対する試験結果を示している。
図3に示すように、構造物のうち配管を設置した吸音構造100の吸音力が最も大きいという結果が得られた。
次に、本実施の形態の吸音構造100を対象とした垂直入射吸音率試験の結果について、図4及び図5を用いて説明する。
なお、この垂直入射吸音率試験では音響管を用いた2点マイクロホン法にて垂直入射吸音率を測定した。具体的には、音響管内において吸音構造100を模擬した構造を再現し、構造物(電線トイ23、配管24、ダクト25)の位置・寸法のパラメータを変化させて垂直入射吸音率を測定した。
図4(a)~(c)並びに図5(a)~(c)の各グラフには、吸音構造100を模擬した構造による吸音の対象周波数(1000~2000Hz)のデータが示されている。この垂直入射吸音率試験では、上記構造の背後空気層の厚さを50mmとし、実際の吸音構造100の背後空気層の厚さ(202mm;段落0030参照)の約1/4のスケールで試験を行ったため、図中に示す周波数の約1/4の値が実際の吸音構造100による吸音の対象周波数に相当(例えば、図中の1000Hzは250Hz、1500Hzは375Hz、2000Hzは500Hzに相当)するものとする。
図4(a)~(c)は、背後空気層内のダクトを模擬した構造物の投影面積(%)を6.25%、25%、56.25%のそれぞれに設定した場合における当該構造物の深さ(mm)に応じた垂直入射吸音率を示すグラフである。
また、図5(a)~(c)は、背後空気層内のダクトを模擬した構造物の深さ(mm)を5mm、20mm、35mmのそれぞれに設定した場合における当該構造物の径(構造物径d)に応じた垂直入射吸音率を示すグラフである。
ここで、投影面積(率)は、次式に基づき算出したものである。また、深さ(mm)とは、上側多孔板11と構造物との間の距離を示すものである。
投影面積(率)=(d/D)×100
d;構造物径、D;音響管の内径(Φ88mm)
図4(a)~(c)に示すように、投影面積(率)が25%以下の場合、背後空気層内の構造物の設置位置の深さに関わらず垂直入射吸音率が向上するという結果が得られた。
また、図5(a)~(c)に示すように、投影面積(率)が56.25%以下の場合、背後空気層内の構造物の設置位置の深さが35mm以上であるときに垂直入射吸音率が向上するという結果が得られた。
次に、本実施の形態の吸音構造100の2次元形状モデルを用いて計算した結果について、図6を用いて説明する。縦軸は単位面積あたりの騒音のエネルギーの相対値を表し、小さい方が吸音効果が大きい。
図6(a)のグラフには、幅1000mm、奥行き180mmの背後空気層内の深さ10mm、50mm、90mmの位置に幅240mm、厚さ80mmのダクト25が設置された各吸音構造100、並びに、ダクト25を設置しない状態(構造物なし)での吸音構造のそれぞれを対象とした単位面積当たりのエネルギーの相対値(dB)が示されている。ここで、上記相対値は、ダクト25を設置しない状態(構造物なし)での吸音構造を対象とした単位面積当たりのエネルギーを基準(0)とした値である。なお、幅240mmのダクト25は、計算する領域幅の中央に設置されているものとして計算を行った。
図6(a)に示すように、ダクト25の幅が240mmの場合、深い位置にダクト25がある方が吸音効果は大きいが、深さによる吸音効果の大きな差異は無いという結果が得られた。
図6(b)のグラフには、幅1000mm、奥行き180mmの背後空気層内に深さ10mm、50mm、90mmの位置に下面開口率40%の電線トイ23が設置された各吸音構造100、並びに、下面開口率40%の電線トイ23を設置しない状態(構造物なし)での吸音構造のそれぞれを対象とした単位面積当たりのエネルギーの相対値(dB)が示されている。ここで、上記相対値は、下面開口率40%の電線トイ23を設置しない状態(構造物なし)での吸音構造を対象とした単位面積当たりのエネルギーを基準(0)とした値である。なお、下面開口率40%の電線トイ23は、計算する領域幅の中央に設置されているものとして計算を行った。
図6(b)に示すように、電線トイ23の下面開口率が40%の場合、深さによる吸音効果の変化はほとんど無いという結果が得られた。
図6(c)のグラフには、深さ50mmの位置に配管径15mmの配管24が1本設置された吸音構造100、深さ50mmの位置に当該配管24が2本横並びで設置された吸音構造100及び深さ50mmと100mmの位置に当該配管24が2本縦並びで設置された吸音構造100、並びに、当該配管24を設置しない状態(構造物なし)での吸音構造のそれぞれを対象とした単位面積当たりのエネルギーの相対値(dB)が示されている。ここで、上記相対値は、上記配管24を設置しない状態(構造物なし)での吸音構造を対象とした単位面積当たりのエネルギーを基準(0)とした値である。なお、配管24は、幅が50mm、奥行き180mmである背後空気層に設置されているものとして計算を行った。
図6(c)に示すように、配管24が設置されたことで吸音効果が大きく向上するという結果が得られた。また、配管24を1本設置するよりも2本設置する方が吸音効果が大きいという結果が得られた。
図6(a)~(c)に示すように、ダクト25や電線トイ23を背後空気層内に設置した場合と比較して、配管24を背後空気層内に設置した場合、吸音効果がより向上するという結果が得られた。
以上のように、本実施の形態の吸音構造100によれば、床板21aと微細多孔吸音板10との間の空間内に侵入した音が共鳴することとなり、このときに起こる微細多孔吸音板10の孔部壁面での空気との摩擦により、音のエネルギーの一部が熱エネルギーとして消費され、上記空間内に侵入した音を効果的に減少させることができる。また、上記空間内には電線トイ23、配管24及びダクト25が配設されているので、当該空間内に侵入した音が反響し、特定の周波数のみでの共鳴だけではなく、広範囲な周波数での吸音率を向上することができる。また、従来の吸音材(発泡樹脂や繊維系吸音材)SAにあっては、図9に示すように、各種の構造物(例えば、電線トイG、配管P、ダクトD等)を避けるために当該各種の構造物が配置されていないスペースを選んで吸音材SAを配置する必要があったが、本実施の形態の吸音構造100によれば、電線トイ23、配管24及びダクト25を避ける必要がなく、微細多孔吸音板10を広範囲に設置することができるので、電線トイ23、配管24及びダクト25が配設された限られたスペースであっても吸音効果を発揮することができる。
また、本実施の形態の吸音構造100によれば、床板21aと微細多孔吸音板10との間の空間内に侵入した音が構造物である配管24に当たって反射する際に反射方向が分散されるため、多様な共鳴が生じ、効率良く吸音性能を向上させることができる。
また、本実施の形態の吸音構造100によれば、微細多孔吸音板10は、孔径の異なる複数の多孔板11~13を空気層を介して積層してなるので、微細多孔吸音板10の強度を保持しつつ、吸音効果を好適に発揮することができる。
また、本実施の形態の吸音構造100によれば、微細多孔吸音板10は、上側多孔板11と中間多孔板12と下側多孔板13の3つの多孔板からなるので、外部からの衝撃によって中間多孔板12が破損してしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態の吸音構造100によれば、微細多孔吸音板10の板厚を5mm~25mmの範囲内とすることで、構造物が配設された限られたスペースであっても微細多孔吸音板10を配設しやすくなるので、吸音面積を増大させることができる。なお、上述のように、複数の多孔板が空気層を介して配設されて微細多孔吸音板10を構成している場合には、最も上に位置する多孔板の上面と、最も下に位置する多孔板の下面との距離を、その微細多孔吸音板10の板厚と定義する。
また、本実施の形態の吸音構造100によれば、鉄道車両20の台車22の上部のカバーとして、微細多孔吸音板10が配置されるようにしたので、鉄道車両20の転動音等を好適に低下させることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記実施形態では、鉄道車両20の所定部位として、台車22の上部に吸音構造100を適用した場合について説明したが、本発明に係る吸音構造を適用する所定部位は、台車22の上部に限定されるものではなく、例えば、鉄道車両20の屋根部に吸音構造100Aを適用するようにしてもよい。具体的には、図7に示すように、吸音構造100Aは、鉄道車両20の屋根構体(壁面)21bから離間して配置される微細多孔吸音板10と、屋根構体21bと微細多孔吸音板10との間の空間内に配置された空気配管27及び特高圧電線28と、を備えるようにする。なお、吸音構造100Aにおいて用いられる微細多孔吸音板10は、上から下側多孔板13、中間多孔板12、上側多孔板11の順に各多孔板が配設されるようにする。つまり、上記実施形態における微細多孔吸音板10を天地逆にして配設されるようにする。また、吸音構造100Aにおいて用いられる微細多孔吸音板10にあっては、飛び石等が当たるおそれがないため、下側多孔板13の厚さを少なくとも0.6mm以上とすればよい。
この吸音構造100Aによれば、パンタグラフ26の周辺から発生する騒音を好適に低下させることができる。
また、鉄道車両20の所定部位について上述の吸音構造100や100Aを適用する以外にも、例えば、汎用圧縮機ユニット30に吸音構造100Bを適用するようにしてもよい。具体的には、図8(a)に示すように、吸音構造100Bは、汎用圧縮機ユニット30の筐体(壁面)31から離間して配置される微細多孔吸音板10と、筐体31と微細多孔吸音板10との間の空間内に配置された配管32と、を備えるようにする。なお、吸音構造100Bにおいて用いられる微細多孔吸音板10は、左側から、すなわち圧縮機33に近い方向から下側多孔板13、中間多孔板12、上側多孔板11の順に各多孔板が配設されるようにする。また、吸音構造100Bにおいて用いられる微細多孔吸音板10にあっては、飛び石等が当たるおそれがないため、下側多孔板13の厚さを少なくとも0.6mm以上とすればよい。
この吸音構造100Bによれば、圧縮機33の周辺から発生する騒音を好適に低下させることができる。
なお、図8(b)に示すように、吸音構造100Bにあっては、汎用圧縮機ユニット30の筐体(壁面)31の内側に従来の繊維系吸音材34を配設するようにしてもよい。
100,100A,100B 吸音構造
10 微細多孔吸音板
11 上側多孔板
12 中間多孔板
13 下側多孔板
20 鉄道車両
21a 床板(壁面)
21b 屋根構体(壁面)
22 台車
23 電線トイ(構造物)
24 配管(構造物)
25 ダクト(構造物)
26 パンタグラフ
27 空気配管(構造物)
28 特高圧電線(構造物)
30 汎用圧縮機ユニット
31 筐体(壁面)
32 配管(構造物)
33 圧縮機
34 繊維系吸音材

Claims (13)

  1. 壁面から離間して配置される微細多孔吸音板と、
    前記壁面と前記微細多孔吸音板との間の空間内に配置される構造物と、
    を備え
    前記微細多孔吸音板は、孔径の異なる複数の多孔板を空気層を介して積層してなり、
    鉄道車両の床下台車上部のカバーとして、前記微細多孔吸音板が配置され、
    前記複数の多孔板のうちの最下方の多孔板は、前記鉄道車両の走行中に発生する飛び石等から他の多孔板を保護し得る厚さに設計されていることを特徴とする吸音構造。
  2. 前記最下方の多孔板が、アルミニウム製の板、鋼板、ステンレス板のいずれかであって、前記厚さが2.0mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造。
  3. 前記最下方の多孔板の開口率が30%以上となるよう設計されていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造。
  4. 前記複数の多孔板のうちの最上方の多孔板の板厚は、前記微細多孔吸音板の設置時に他部品等と接触した場合でも変形しない程度の厚さに設計されていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造。
  5. 前記最下方の多孔板が、アルミニウム製の板であって、前記厚さが0.3mm以上であることを特徴とする請求項4に記載の吸音構造。
  6. 壁面から離間して配置される微細多孔吸音板と、
    前記壁面と前記微細多孔吸音板との間の空間内に配置される構造物と、
    を備え、
    前記微細多孔吸音板は、孔径の異なる複数の多孔板を空気層を介して積層してなり、
    鉄道車両の床下台車上部のカバーとして、前記微細多孔吸音板が配置され、
    音響管を用いた2点マイクロホン法にて垂直入射吸音率を測定される場合の、前記構造物の径たる構造物径dと、所定の音響管の内径Dと、下記式にて求められる投影面積(率)が25%以下であることを特徴とする吸音構造。
    (式)投影面積(率)=(d/D) ×100
  7. 壁面から離間して配置される微細多孔吸音板と、
    前記壁面と前記微細多孔吸音板との間の空間内に配置される構造物と、
    を備え、
    前記微細多孔吸音板は、孔径の異なる複数の多孔板を空気層を介して積層してなり、
    鉄道車両の床下台車上部のカバーとして、前記微細多孔吸音板が配置され、
    音響管を用いた2点マイクロホン法にて垂直入射吸音率を測定される場合の、前記構造物の径たる構造物径dと、所定の音響管の内径Dと、下記式にて求められる投影面積(率)が56.25%以下であって、前記空間内の前記構造物の設置位置の深さが35mm以上であることを特徴とする吸音構造。
    (式)投影面積(率)=(d/D) ×100
  8. 前記構造物は、曲面形状を有するものを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸音構造。
  9. 前記構造物は、円筒状のものを含む、
    ことを特徴とする請求項に記載の吸音構造。
  10. 前記構造物は、配管を含む、
    ことを特徴とする請求項に記載の吸音構造。
  11. 前記微細多孔吸音板は、上側多孔板と中間多孔板と下側多孔板の3つの多孔板からなる、
    ことを特徴とする請求項に記載の吸音構造。
  12. 前記微細多孔吸音板の板厚は、5mm~25mmである、
    ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の吸音構造。
  13. 壁面から離間して配置される微細多孔吸音板と、
    前記壁面と前記微細多孔吸音板との間の空間内に配置される構造物と、
    を備え、
    鉄道車両の屋根ふさぎ板として、前記微細多孔吸音板が配置される、
    ことを特徴とする吸音構造。
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