JP2006159938A - 車両用集電装置の遮音板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車体断面積を大きく増加させることなく遮音効果を高めることのできる、車両用集電装置の遮音板を提供する。
【解決手段】 パンタグラフの側方の車体屋根Trに取り付けられ、車体Tの長手方向に所定長さ延在してパンタグラフから発生する騒音を遮蔽するパンタグラフ遮音板2の構成として、車体Tの長手方向と直交する断面における、車体屋根Trとの取付部分の近傍位置に、内側から外側に向けて窪む下側窪み部2H1を、長手方向に延在するように形成するとともに、上端部の近傍位置に、外側から内側に向けて窪む上側窪み部2H2を長手方向に延在するように形成するような構成とした。
【選択図】 図6
【解決手段】 パンタグラフの側方の車体屋根Trに取り付けられ、車体Tの長手方向に所定長さ延在してパンタグラフから発生する騒音を遮蔽するパンタグラフ遮音板2の構成として、車体Tの長手方向と直交する断面における、車体屋根Trとの取付部分の近傍位置に、内側から外側に向けて窪む下側窪み部2H1を、長手方向に延在するように形成するとともに、上端部の近傍位置に、外側から内側に向けて窪む上側窪み部2H2を長手方向に延在するように形成するような構成とした。
【選択図】 図6
Description
本発明は、車両用集電装置から発生する騒音を低減するために、車両用集電装置の側方の車体屋根に取り付けられる、遮音板に関する。
鉄道の高速化への需要は近年ますます高まってきており、特に新幹線鉄道に対しては、300km/hを超える速度域での営業運転が望まれてきている。このような高速度域においては、車両用集電装置(パンタグラフ)周辺から発生する騒音(集電系騒音)が、現状より大幅に増大することは明らかであり、そのための対策が必要となる。集電系騒音を低減あるいは遮音するためには、パンタグラフへの走行風の低減によって空力音を低減させるパンタグラフカバー(例えば特許文献1)や、パンタグラフの左右両側に設置される板状のパンタグラフ遮音板(遮音板)が、主に採用されている。
特開平5−77729号公報
特許文献1に記載されているような、パンタグラフの周りを全て覆うパンタグラフカバーは、沿線の騒音低減に対しては有効であるといえる。しかしその反面、車体断面積の増加を招くこととなり、それに伴って、走行抵抗の増大、あるいはトンネル突入時の圧縮波によるトンネル微気圧波の増大等を招いてしまうといった問題があった。一方、パンタグラフ遮音板は、構造が簡易であるとともに、車体断面積に与える影響が少ないことから、こうしたパンタグラフ遮音板によって高い遮音効果が得られれば、営業運転上はより有効であるといえる。
従前のパンタグラフ遮音板は、図4及び図21(a)に示すように、側面視台形をなす平板体からなり、パンタグラフの左右両側の車体屋根にほぼ垂直に取り付けられるものである。こうしたパンタグラフ遮音板においては、その高さを高くするほど遮音効果を高めることができるが、車両限界との関係等から車体に取り付け可能な寸法には自ずと限界があり、所定の高さを超えて設置することはできない。また、このような従前のパンタグラフ遮音板においては、数百Hzの低周波数の一部において、左右の遮音板間の定在波による影響と思われる遮音効果の低い部分があることがわかっており、このような特定周波数の音圧レベル(騒音レベル)を低減させることも必要とされていた。
こうしたことから、従前のパンタグラフ遮音板のように平板体としていたのでは、更なる遮音性能の向上を図ることは極めて困難であるといえる。すなわち、パンタグラフ遮音板の断面形状等を工夫する必要があることは、明白である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車体断面積を大きく増加させることなく遮音効果を高めることのできる、車両用集電装置の遮音板を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、車両用集電装置の側方の車体屋根に取り付けられ、前記車体の長手方向に所定長さ延在して前記車両用集電装置から発生する騒音を遮蔽する遮音板であって、前記車体の長手方向と直交する断面における、前記車体屋根との取付部分の近傍位置に、内側から外側に向けて窪む第1の窪み部が長手方向に延在するように形成されているとともに、上端部の近傍位置に、外側から内側に向けて窪む第2の窪み部が長手方向に延在するように形成されていることを特徴とする。
このように、内側から外側に向けて窪む第1の窪み部を、取付部分の近傍位置に形成しているので、左右両側の遮音板間の定在波による影響と考えられる、特定周波数での遮音効果の低下を防止することができる。
そして、外側から内側に向けて窪む第2の窪み部を、上端部の近傍位置に形成しているので、上端部を回折した音と第2の窪み部で反射した音とが互いにうち消し合って、騒音レベルを更に低下させることができる。
そして、外側から内側に向けて窪む第2の窪み部を、上端部の近傍位置に形成しているので、上端部を回折した音と第2の窪み部で反射した音とが互いにうち消し合って、騒音レベルを更に低下させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用集電装置の遮音板であって、前記遮音板は、前記車体屋根から略垂直方向へと延びる垂直板部と、該垂直板部から折曲し前記車体の内側へと傾斜して延びる傾斜板部と、該傾斜板部から折曲し前記車体の外側に向けて略水平に突出する水平突出板部と、から構成され、前記第1の窪み部は、前記垂直板部と前記傾斜板部との内側に形成されているとともに、前記第2の窪み部は、前記傾斜板部の外側であって前記水平突出板部の下側に形成されていることを特徴とする。
このように、複数の板部の組み合わせによって、第1及び第2の窪み部を形成するようにしているので、車体断面積をより小さくすることができるとともに、簡易な構成として軽量化を図りながら、遮音板の剛性を高めることができる。
また、遮音板を垂直な平板状とはしていないので、左右両側の遮音板間の定在波による影響と考えられる、特定周波数での遮音効果の低下を、より的確に防止することができる。
また、遮音板を垂直な平板状とはしていないので、左右両側の遮音板間の定在波による影響と考えられる、特定周波数での遮音効果の低下を、より的確に防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両用集電装置の遮音板であって、前記遮音板は、前記車体屋根から略垂直方向へと延びる第1の垂直板部と、該垂直板部から折曲し前記車体の内側へと傾斜して延びる傾斜板部と、該傾斜板部から折曲し略垂直方向へと延びる第2の垂直板部と、該第2の垂直板部から折曲し前記車体の外側に向けて略水平に突出する水平突出板部と、から構成され、前記第1の窪み部は、前記第1の垂直板部と前記傾斜板部との内側に形成されているとともに、前記第2の窪み部は、前記傾斜板部と前記第2の垂直板部との外側であって前記水平突出板部の下側に形成されていることを特徴とする。
このように、傾斜板部と水平突出板部との間に第2の垂直板部を介在させて、その外側に第2の窪み部を形成するようにしているので、第2の窪み部をより深く掘った形状として大きくとることができ、遮音効果をより高めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の車両用集電装置の遮音板であって、前記水平突出板部は、その外側端部が、前記車体の車両限界の内側であって該車体の側面の延長面上まで至るように形成されていることを特徴とする。
水平突出板部の外側端部をこのように形成しているので、遮音板上部における集電系騒音の回折点を、より高くより外側の位置に来させることができ、遮音効果を更に高めることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の車両用集電装置の遮音板であって、前記遮音板の取り付け長さが6m以上に設定されていることを特徴とする。
取り付け長さをこのように設定することによって、車両用集電装置からの直接音と、奥に位置する遮音板からの反射音とが、重なることによる影響を低減することができるので、より遮音性能を向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の車両用集電装置の遮音板であって、前記遮音板の長手方向両端部は、側面視略垂直方向に延びるように形成されていることを特徴とする。
このように、長手方向両端部を側面視略垂直方向に延びるように形成しているので、遮音板自体から発生する空力騒音を低減することができる。
本発明に係る車両用集電装置の遮音板においては、車体屋根との取付部分の近傍位置に、内側から外側に向けて窪む第1の窪み部を形成するとともに、上端部の近傍位置に、外側から内側に向けて窪む第2の窪み部を形成しているので、車体断面積を大きく増加させることなく遮音効果を高めることができる。
以下、本発明に係る車両用集電装置の遮音板の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明者等は、先ず、遮音効果を高めるために、断面形状を各々異ならせた複数種類のパンタグラフ遮音板(遮音板、車両用集電装置の遮音板)について、その断面形状を最適化するように検討を行った。次いで、車体への取り付け長さと遮音効果との関係について検討するとともに、パンタグラフ遮音板自体から発生する空力騒音の測定・評価を行って、集電系騒音の低減効果を総合的に検討した。以下、この順序に従って説明する。
本発明者等は、先ず、遮音効果を高めるために、断面形状を各々異ならせた複数種類のパンタグラフ遮音板(遮音板、車両用集電装置の遮音板)について、その断面形状を最適化するように検討を行った。次いで、車体への取り付け長さと遮音効果との関係について検討するとともに、パンタグラフ遮音板自体から発生する空力騒音の測定・評価を行って、集電系騒音の低減効果を総合的に検討した。以下、この順序に従って説明する。
(1)パンタグラフ遮音板の断面形状最適化についての検討
先ず、本実施形態に係るパンタグラフ遮音板が取り付けられる車体Tの断面(車体Tの長手方向と直交する断面)の一例を、図1に示す。パンタグラフ遮音板は、パンタグラフ(車両用集電装置)Gの左右両側方の車体屋根Trに取り付けられ、前記車体の長手方向に所定長さ延在して、集電系騒音を遮蔽する。
先ず、本実施形態に係るパンタグラフ遮音板が取り付けられる車体Tの断面(車体Tの長手方向と直交する断面)の一例を、図1に示す。パンタグラフ遮音板は、パンタグラフ(車両用集電装置)Gの左右両側方の車体屋根Trに取り付けられ、前記車体の長手方向に所定長さ延在して、集電系騒音を遮蔽する。
パンタグラフ遮音板の外側の限界は、車両限界の内側であって且つ車体側面Tsの延長面Ts’とした。また、パンタグラフ遮音板の内側の限界は、パンタグラフGのホーン及び碍子上部から絶縁離隔である300mmを常に確保できる範囲とした。ここでのパンタグラフGとしては、図2に示すように、実車にて使用されているシングルアーム式の低騒音型パンタグラフを想定している。
こうしたことから、図1中における網掛け部分(符号L)を、パンタグラフ遮音板の設置可能範囲に設定した。
断面形状の検討においては、高速走行中にパンタグラフから発生する騒音を、図2に示すように高さの異なる3つの無指向性点音源(符号S1,S2,S3)と仮定し、これら3つの点音源の合成値が高速走行時の集電系騒音のパワーレベルと等しくなるように、補正を行った。
そして、パンタグラフ遮音板の断面形状を最適化するために、従前型、及び遮音効果の向上が期待される改良型のパンタグラフ遮音板(後述する5種類)の各断面形状を、2次元の境界要素法を用いた音響シミュレーションにより検討した。なお、高速走行によるドップラー効果等は考慮しないものとした。
シミュレーションの対象範囲(音圧分布解析範囲)は、図3に示すように、標準的な高架区間として、地上(GL)からレールレベルまで7mの高架橋(符号E)であって高さ2mの直壁防音壁(符号W)が有ることを想定して、軌道中心から30m、地上12mまでの範囲とした。なお、地上からの反射による影響は、周波数によって直接音と反射音との干渉による影響が考えられるため、地面反射はないものとした。また、高架橋Eの奥から高架橋Eの下を回り込む音については、充分に減衰すると考えられることから、回り込みの影響がない条件で解析を実施した。
なお、評価は、軌道中心より実車換算で25m離れた位置における地上1.2mの点を評価点Vとして、パンタグラフ遮音板の形状の違いによる周波数特性(周波数分布)を解析し(図10及び図11に図示)、騒音低減の効果の違いを比較した。
なお、評価は、軌道中心より実車換算で25m離れた位置における地上1.2mの点を評価点Vとして、パンタグラフ遮音板の形状の違いによる周波数特性(周波数分布)を解析し(図10及び図11に図示)、騒音低減の効果の違いを比較した。
先ず、パンタグラフ遮音板無しのケース(以下、case[00]という)と、図4に示すような従前型のパンタグラフ遮音板101を取り付けたケース(以下、case[01]という)とを比較した。図10に示すように、case[01]の場合においては、case[00]の場合と比較して、500Hz以上の周波数域での音圧レベル(騒音レベル)が大きく低減しているものの、315Hz付近の音圧レベルが高くなっている。これは、平板状のパンタグラフ遮音板101が直立した形状であるために生じる影響、つまり左右のパンタグラフ遮音板101−101間の定在波による影響と考えられる。
こうしたことから、遮音効果を高めるための断面形状等について検討した。具体的には、図5〜図9に示すように、断面形状を各々異ならせた5種類のパンタグラフ遮音板を案出し、シミュレーションを行った。なお、上記したように、左右2枚が各々ほぼ垂直に立った状態となっている従前型のパンタグラフ遮音板101においては、左右のパンタグラフ遮音板101−101間の定在波によると考えられる影響が確認されたため、極力、垂直な平板状とはならないような形状を案出した。具体的には、案出した5種類のパンタグラス遮音板の全ての断面において、車体屋根Trとの取付部分の近傍位置に、内側から外側に向けて窪む下側窪み部(第1の窪み部)を、長手方向に延在するように形成するとともに、上端部の近傍位置に、外側から内側に向けて窪む上側窪み部(第2の窪み部)を、長手方向に延在するように形成した。なお、このように下側窪み部を形成したのは、パンタグラフ遮音板101を内側に湾曲させた断面形状とすれば、低周波数域(例えば500Hz以下)での音圧レベルの低減量が大きくなる傾向がある、つまり遮音効果が大きくなる傾向があることを、本発明者等が事前に検討して見出したためである。
各々のパンタグラフ遮音板(符号1〜5)を車体屋根Trに取り付けた状態を、各々case[11]〜case[15]として、以下に説明する。
図5(a)及び(b)に示す、case[11]のパンタグラフ遮音板1は、根元部11bで車体屋根Trに取り付けられ車体屋根Trから略垂直方向へと延びる垂直板部11と、垂直板部11から折曲し車体Tの内側へと傾斜して延びる傾斜板部12と、傾斜板部12から折曲し車体Tの外側に向けて略水平に突出する水平突出板部13と、から構成されている。水平突出板部13の外側端部13tは、車体側面Tsの延長面Ts’上まで至るように形成されている。そして、垂直板部11と傾斜板部12との内側の領域には、下側窪み部(第1の窪み部)1H1が形成されているとともに、傾斜板部12の外側であって水平突出板部13の下側の領域には、上側窪み部(第2の窪み部)1H2が形成されている。
図5(a)及び(b)に示す、case[11]のパンタグラフ遮音板1は、根元部11bで車体屋根Trに取り付けられ車体屋根Trから略垂直方向へと延びる垂直板部11と、垂直板部11から折曲し車体Tの内側へと傾斜して延びる傾斜板部12と、傾斜板部12から折曲し車体Tの外側に向けて略水平に突出する水平突出板部13と、から構成されている。水平突出板部13の外側端部13tは、車体側面Tsの延長面Ts’上まで至るように形成されている。そして、垂直板部11と傾斜板部12との内側の領域には、下側窪み部(第1の窪み部)1H1が形成されているとともに、傾斜板部12の外側であって水平突出板部13の下側の領域には、上側窪み部(第2の窪み部)1H2が形成されている。
図6(a)及び(b)に示す、case[12]のパンタグラフ遮音板2は、根元部21bで車体屋根Trに取り付けられ車体屋根Trから略垂直方向へと延びる第1垂直板部(第1の垂直板部)21と、第1垂直板部21から折曲し車体Tの内側へと傾斜して延びる傾斜板部22と、傾斜板部22から折曲し略垂直方向へと延びる第2垂直板部(第2の垂直板部)23と、第2垂直板部23から折曲し車体Tの外側に向けて略水平に突出する水平突出板部24と、から構成されている。水平突出板部24の外側端部24tは、車体側面Tsの延長面Ts’上まで至るように形成されている。そして、第1垂直板部21と傾斜板部22との内側の領域には、下側窪み部(第1の窪み部)2H1が形成されているとともに、傾斜板部22と第2垂直板部23との外側であって水平突出板部24の下側の領域には、上側窪み部(第2の窪み部)2H2が形成されている。
このパンタグラフ遮音板2においては、傾斜板部22と水平突出部24との間に第2垂直板部23が介在しているので、上側窪み部2H2を、上記上側窪み部1H2と比較してより深く掘った形状となっている。
このパンタグラフ遮音板2においては、傾斜板部22と水平突出部24との間に第2垂直板部23が介在しているので、上側窪み部2H2を、上記上側窪み部1H2と比較してより深く掘った形状となっている。
図7(a)及び(b)に示す、case[13]のパンタグラフ遮音板3も、上記パンタグラフ遮音板2と同様に、根元部31bで車体屋根Trに取り付けられた第1垂直板部(第1の垂直板部)31と、傾斜板部32と、第2垂直板部(第2の垂直板部)33と、水平突出板部34とから構成されている。水平突出板部34の外側端部34tは、車体側面Tsの延長面Ts’上まで至るように形成されている。そして、第1垂直板部31と傾斜板部32との内側の領域には、下側窪み部(第1の窪み部)3H1が形成されているとともに、傾斜板部32と第2垂直板部33との外側であって水平突出板部34の下側の領域には、上側窪み部(第2の窪み部)3H2が形成されている。
このパンタグラフ遮音板3においては、傾斜板部32及び第2垂直板部33の厚さを、上記パンタグラフ遮音板2における傾斜板部32及び第2垂直板部33の各々よりも若干肉厚としている。これにより、上側窪み部3H2を、上記上側窪み部2H2と比較して若干浅く掘った形状となっている。
このパンタグラフ遮音板3においては、傾斜板部32及び第2垂直板部33の厚さを、上記パンタグラフ遮音板2における傾斜板部32及び第2垂直板部33の各々よりも若干肉厚としている。これにより、上側窪み部3H2を、上記上側窪み部2H2と比較して若干浅く掘った形状となっている。
図8(a)及び(b)に示す、case[14]のパンタグラフ遮音板4も、上記パンタグラフ遮音板2と同様に、根元部41bで車体屋根Trに取り付けられた第1垂直板部(第1の垂直板部)41と、傾斜板部42と、第2垂直板部(第2の垂直板部)43と、水平突出板部44とから構成されている。水平突出板部44の外側端部44tは、車体側面Tsの延長面Ts’上まで至るように形成されている。そして、第1垂直板部41と傾斜板部42との内側の領域には、下側窪み部(第1の窪み部)4H1が形成されているとともに、傾斜板部42と第2垂直板部43との外側であって水平突出板部44の下側の領域には、上側窪み部(第2の窪み部)4H2が形成されている。
このパンタグラフ遮音板4においては、根元部41bの大きさを、上記パンタグラフ遮音板2における根元部21bよりも大きくし、より内側へと張り出させるようにしている。
このパンタグラフ遮音板4においては、根元部41bの大きさを、上記パンタグラフ遮音板2における根元部21bよりも大きくし、より内側へと張り出させるようにしている。
図9(a)及び(b)に示す、case[15]のパンタグラフ遮音板5は、根元部51bで車体屋根Trに取り付けられ車体屋根Trから略垂直方向へと延びる第1垂直板部(第1の垂直板部)51と、第1垂直板部51から折曲し車体Tの内側へと傾斜して延びる傾斜板部52と、傾斜板部52から折曲し略垂直方向へと延びる第2垂直板部(第2の垂直板部)53と、第2垂直板部53の上端部より若干下がった位置から車体Tの外側に向けて略水平に突出する水平突出板部54と、水平突出板部54から折曲し斜め上方に突出する上方折曲板部55と、から構成されている。上方折曲板部55の外側端部55tは、車体側面Tsの延長面Ts’上まで至るように形成されている。そして、第1垂直板部51と傾斜板部52との内側の領域には、下側窪み部(第1の窪み部)5H1が形成されているとともに、傾斜板部52と第2垂直板部53との外側であって水平突出板部54と上方折曲板部55の下側の領域には、上側窪み部5H2が形成されている。さらに、水平突出板部54の上側であって第2垂直板部53と上方折曲板部55とに挟まれた領域には、上端窪み部5H3が形成されている。
このパンタグラフ遮音板5においては、上記パンタグラフ遮音板2の上端部を湾曲させて二股に分けた形状、つまり軽いダブルエッジ型の形状としており、二重回折による効果を狙ったものとなっている。
このパンタグラフ遮音板5においては、上記パンタグラフ遮音板2の上端部を湾曲させて二股に分けた形状、つまり軽いダブルエッジ型の形状としており、二重回折による効果を狙ったものとなっている。
これらcace[11]〜cace[15]の比較を、図10及び図11に示す。
cace[11]においては、図10からわかるように、評価点VにおけるOA(オーバーオール)値がcace[01]よりも大幅に低減されている。そして、250Hz以上での改善が見られ、cace[01]におけるような315Hz付近のピークが無くなっている。これは、左右のパンタグラフ遮音板を直立した平板状とはしないことによる効果、すなわち、左右両側のパンタグラフ遮音板間に発生していると考えられる定在波による影響が減少したことによる効果であると考えられる。
cace[11]においては、図10からわかるように、評価点VにおけるOA(オーバーオール)値がcace[01]よりも大幅に低減されている。そして、250Hz以上での改善が見られ、cace[01]におけるような315Hz付近のピークが無くなっている。これは、左右のパンタグラフ遮音板を直立した平板状とはしないことによる効果、すなわち、左右両側のパンタグラフ遮音板間に発生していると考えられる定在波による影響が減少したことによる効果であると考えられる。
図10からわかるように、case[12]の評価点VにおけるOA値は、case[11]に対してもわずかに低減されている。そして、周波数特性は、250Hz付近で改善された代わりに800Hz付近でやや悪化し、卓越周波数が移行していることがわかる。なお、評価点Vにおけるcase[12]のOA値は、遮音板無しのcase[00]よりも10.5dB程度、従前型のcase[01]よりも3.7dB程度、各々低減されている。
case[13]及びcase[14]においては、図11からわかるように、OA値は何れもcase[12]とほぼ同じであり、周波数特性も大差がない。すなわち、これらcase[13]及びcase[14]では、case[12]と比較して、更なる騒音低減効果は得られなかった。
case[15]においては、図11からわかるように、評価点VにおけるOA値では0.1dB程度の改善が見られ、また周波数特性では2000kHz以上の高域で改善が見られた。
このような結果から、遮音効果が最も高いのはcase[15]であり、次いでcase[12]であるといえる。但し、その差は評価点VにおけるOA値で0.1dB程度であり、工学的には殆ど差がないとみなして差し支えないと考えられる。そして、施工性やコストの点からは、パンタグラフ遮音板2の方がパンタグラフ遮音板5よりも有利であることから、パンタグラフ遮音板2つまりcase[12]を、実質的な最適断面形状とした。
このcase[12]と上記case[01]とのシミュレーションによる音圧レベル分布の比較を、図12及び図13に示す。これらの図には、軌道中心から30mまでの領域(図3を参照)における音圧レベルの分布を、case[01]、case[12]の順に各々示している。これらの図から明らかなように、case[01]では、高架防音壁Wの上端部近傍から90dBのラインが発生しているのに対し、case[12]では、高架防音壁Wの上端部から約1m上を通過している。すなわち、case[12]では、高架防音壁Wの側方領域において音圧レベルが低下していることがわかる。
以下、このパンタグラフ遮音板2の取り付け長さの違いによる遮音効果の違い、及びパンタグラフ遮音板2自体から発生する空力騒音の低減に関しての、検討結果を示す。なお、以下において、パンタグラフ遮音板101を「従前型」と、パンタグラフ遮音板2を「改良型」と、適宜称することとする。
(2)取り付け長さの検討
上記(1)における断面形状の検討結果から高い遮音性能が得られた、case[12]の断面形状を持つパンタグラフ遮音板2について、車体に取り付ける長さ(取り付け長さ)によって騒音レベルが如何なる影響を受けるかを、1/5スケールの模型を作成して実験室内にて検討した。
上記(1)における断面形状の検討結果から高い遮音性能が得られた、case[12]の断面形状を持つパンタグラフ遮音板2について、車体に取り付ける長さ(取り付け長さ)によって騒音レベルが如何なる影響を受けるかを、1/5スケールの模型を作成して実験室内にて検討した。
実験に使用した模型は、図14に示すように、全長5m(実車換算で長さ25mの1車両に相当)の車体Tm、及び全長6m(実車換算で30m)の高架部Emから構成され、レールレベルが地上7m(実車換算)に相当するように作成した。また高架部模型Emには、図4において示した防音壁Wと同様、実車換算で高さ2mの防音壁Wmを設けた。
また、集電系騒音の発生源として、車体屋根中央の上部に音源プローブGmを設け、図2に示した3点(S1,S2,S3)の位置に各々相当する3点から、音を発することができるようにした。
パンタグラフ遮音板2は、取り付け長さが0.6m、1.2m、1.8m、2.4m(実車換算で各々3m、6m、9m、12m)に設定された4種類を、各々取り付け可能な形状とした。なお、パンタグラフ遮音板2の前後両端部については、垂直(略90°)に延びる形状とした。
なお、後述する図17〜図20においては、取り付け長さが3m(実車換算)のものを符号2A、6m(実車換算)のものを符号2B、9m(実車換算)のものを符号2C、12m(実車換算)のものを符号2Dとして、各々図示することとする。
なお、後述する図17〜図20においては、取り付け長さが3m(実車換算)のものを符号2A、6m(実車換算)のものを符号2B、9m(実車換算)のものを符号2C、12m(実車換算)のものを符号2Dとして、各々図示することとする。
9つの測定点P1〜P9の各々の位置を、図15に示す。
測定点P1〜P4は、軌道中心より実車換算で25m離れた位置に軌道と平行となるよう仮想的に設定された測定面F1における、地上1.2mの高さに各々位置させている。また、測定点P5〜P9は、実験室内の大きさによる制約上から、軌道と垂直で音源位置から実車換算で37.5m離れた測定面F2に位置させている。これら測定点P5〜P9の配置は、測定面F1の延長面(仮想面F1’)上における、地上1.2mの高さでの音圧レベルを算定することを想定して設定されている。具体的には、図15に示すように、音源とP5〜P9とを各々結ぶ直線の延長線が測定面F1’と交わる点を各々P5’〜P9’とおくと、P1からの水平距離が、P5’まで50m、P6’まで62.5m、P7’まで75m、P8’まで100m、P9’まで150mとなるように、各々設定されている。
測定点P1〜P4は、軌道中心より実車換算で25m離れた位置に軌道と平行となるよう仮想的に設定された測定面F1における、地上1.2mの高さに各々位置させている。また、測定点P5〜P9は、実験室内の大きさによる制約上から、軌道と垂直で音源位置から実車換算で37.5m離れた測定面F2に位置させている。これら測定点P5〜P9の配置は、測定面F1の延長面(仮想面F1’)上における、地上1.2mの高さでの音圧レベルを算定することを想定して設定されている。具体的には、図15に示すように、音源とP5〜P9とを各々結ぶ直線の延長線が測定面F1’と交わる点を各々P5’〜P9’とおくと、P1からの水平距離が、P5’まで50m、P6’まで62.5m、P7’まで75m、P8’まで100m、P9’まで150mとなるように、各々設定されている。
従前型のパンタグラフ遮音板(下部長さ(取り付け長さ)4m、上部長さ2m)101と、改良型つまりパンタグラフ遮音板2(取り付け長さは3m,6m,9m,12mの4種類)との、各測定点における測定値を、図16に示す。測定値は、各測定点の直線補間により求め、特に点P5’〜点P9’における測定値については、各評価点と音源とを結ぶ直線が測定面F2と交わる点における騒音レベルを補間により求めた後、距離減衰補正を施して求めた。
この図より、測定点の位置によらず、パンタグラフ遮音板2の取り付け長さが長くなるに従い、騒音レベルが低下する傾向が確認できる。
この図より、測定点の位置によらず、パンタグラフ遮音板2の取り付け長さが長くなるに従い、騒音レベルが低下する傾向が確認できる。
音源プローブGmの正面に位置する測定点P1においては、取り付け長さ3mのパンタグラフ遮音板2の場合には、パンタグラフ遮音板101(従前型)に対して、上記(1)で述べた断面形状の検討結果と同様に騒音低減の効果が確認できる。しかし、測定点P2以遠(P2〜P9’)においては、従前型と殆ど差がないことがわかる。これは、パンタグラフ遮音板2の長手方向(前後)における両端部から回折した音による影響であると考えられる。加えて、この取り付け長さ3mの場合には、取り付け長さが6m以上の場合と比較しても、全体的にレベルが高くなっている。
こうした結果から、3mの取り付け長さでは不十分であるといえる。
こうした結果から、3mの取り付け長さでは不十分であるといえる。
なお、パンタグラフ遮音板2のうちで取り付け長さが3m及び6m(改良型3m及び改良型6m)の場合には、レールの長手方向に少しずれた場所に、騒音レベルが高い場所(P3,P4,P7’,P8’等)があることがわかる。取り付け長さ3mの場合においては、図17に示すように、音源がパンタグラフ遮音板2A(2)から外れ直接音が到達する位置(図中における「上方回折無し」の範囲)と、奥に位置するパンタグラフ遮音板2の反射による音(反射音)が到達する位置(図中における「対面遮音板反射音有り」の範囲)とが重複する部分が、P3とP4との間にあるため、これらの点における騒音レベルが局所的に上昇したものと考えられる。
そして、取り付け長さ6mの場合においては、図18に示すように、パンタグラフ遮音板2B(2)からの直接音と反射音とが重複する部分が、P6(P6’)とP7(P7’)との間にあるため、これらの点における騒音レベルが局所的に上昇したものと考えられる。しかし、このパンタグラフ遮音板2Bの場合には、パンタグラフ遮音板2Aの場合よりも全体の騒音レベルは低減されており、直接音と反射音との重複による騒音レベルの上昇も、パンタグラフ遮音板2Aの場合に比べて僅かである。
そして、図19に示す取り付け長さ9m(パンタグラフ遮音板2C(2))の場合、及び図20に示す取り付け長さ12m(パンタグラフ遮音板2D(2))の場合においては、全体の騒音レベルはさらに低減されているとともに、直接音と反射音とが重複する部分がP8(P8’)よりも遠方となっているので、重複による騒音レベルの上昇もさらに小さくなっている。
こうしたことから、パンタグラフ遮音板2の取り付け長さを6m以上に設定することによって、遮音性能をより向上させることができると考えられる。
(3)空力騒音の検討
集電系騒音を低減する上で、パンタグラフ遮音板による遮音性能の向上と共に、パンタグラフ遮音板自体から発生する空力騒音を低減しなければ、全体として騒音の低減を図ることはできない。そこで、パンタグラフ遮音板自体から発生する空力騒音について、1/5スケールの模型を用い、小型低騒音風洞試験装置にて空力騒音の測定・検討を行った。
集電系騒音を低減する上で、パンタグラフ遮音板による遮音性能の向上と共に、パンタグラフ遮音板自体から発生する空力騒音を低減しなければ、全体として騒音の低減を図ることはできない。そこで、パンタグラフ遮音板自体から発生する空力騒音について、1/5スケールの模型を用い、小型低騒音風洞試験装置にて空力騒音の測定・検討を行った。
測定においては、図21(a)〜(c)に示すように、車体屋根Trm及びパンタグラフ遮音板からなる1/5スケールの模型を用いて、風速240km/h、275km/h、300km/hでの音圧レベル(騒音レベル)の測定を行った。具体的には、パンタグラフ遮音板の側面から1200mm離れた位置にマイクを設置し、1/3オクターブバンドで315Hz〜20kHz(実車換算で63Hz〜4kHz)の周波数範囲で、図21(a)〜(c)に各々示す3種類のパンタグラフ遮音板から発生する空力騒音を、各々について測定した。
ここで用いた3種類のパンタグラフ遮音板とは、図21(a)に示すパンタグラフ遮音板101(従前型)と、図21(b)及び(c)に示す、前後両端部の傾斜角度を互いに変えている2種類のパンタグラフ遮音板2(改良型)である。
従前型のパンタグラフ遮音板101は、図21(a)に示すように、長手方向における前後両側の端部101e,101eをほぼ45°傾斜させた形状とした。また、パンタグラフ遮音板2については、従前型とほぼ同じ面積となるように取り付け長さ3m相当(実車換算)とした。そして、図21(b)に示すパンタグラフ遮音板2(図中の符号2A1)は、前後両側の端部2e1をほぼ60°傾斜させた形状とし、図21(c)に示すパンタグラフ遮音板2(図中の符号2A2)は、前後両側の端部2e2をほぼ垂直(90°)方向に延びるような形状とした。なお、パンタグラフ遮音板2A1,2A2については、空力騒音を低減するために、両側の端部2e1,2e2を面取りし翼型形状とする等の、端部加工を施した。
従前型のパンタグラフ遮音板101は、図21(a)に示すように、長手方向における前後両側の端部101e,101eをほぼ45°傾斜させた形状とした。また、パンタグラフ遮音板2については、従前型とほぼ同じ面積となるように取り付け長さ3m相当(実車換算)とした。そして、図21(b)に示すパンタグラフ遮音板2(図中の符号2A1)は、前後両側の端部2e1をほぼ60°傾斜させた形状とし、図21(c)に示すパンタグラフ遮音板2(図中の符号2A2)は、前後両側の端部2e2をほぼ垂直(90°)方向に延びるような形状とした。なお、パンタグラフ遮音板2A1,2A2については、空力騒音を低減するために、両側の端部2e1,2e2を面取りし翼型形状とする等の、端部加工を施した。
パンタグラフ遮音板無しの場合(暗騒音)と、3種類のパンタグラフ遮音板101,2A1,2A2自体から発生する空力騒音とを各々測定した結果を、図22に示す。
パンタグラフ遮音板2A1の場合においては、実車換算で160Hz付近に大きなピークが発生して騒音レベルが高くなっているが、パンタグラフ遮音板2A2においては、こうしたピークは発生せず、従前型よりも空力騒音が低減している。このように、パンタグラフ遮音板2A1の方がパンタグラフ遮音板2A2よりも騒音レベルが高くなっているのは、傾斜した端部2e1に沿って上昇した気流が、張り出した部分(傾斜板部22や水平突出板部24等)で大きく乱れたことによって、大きな空力騒音が発生したためと考えられる。
パンタグラフ遮音板2A1の場合においては、実車換算で160Hz付近に大きなピークが発生して騒音レベルが高くなっているが、パンタグラフ遮音板2A2においては、こうしたピークは発生せず、従前型よりも空力騒音が低減している。このように、パンタグラフ遮音板2A1の方がパンタグラフ遮音板2A2よりも騒音レベルが高くなっているのは、傾斜した端部2e1に沿って上昇した気流が、張り出した部分(傾斜板部22や水平突出板部24等)で大きく乱れたことによって、大きな空力騒音が発生したためと考えられる。
このような結果から、パンタグラフ遮音板2については、端部を垂直とすることで空力騒音を低減できることがわかる。そしてこの場合、端部2e2を翼型形状とする等といった端部加工を施すことが好ましく、こうすることで空力騒音をより効果的に低減できるといえる。
本実施形態に係るパンタグラフ遮音板1〜5においては、車体Tの長手方向と直交する断面における、車体屋根Trとの取付部分の近傍位置に、内側から外側に向けて下側窪み部1H1〜5H1を、長手方向に延在するように形成しているとともに、上端部の近傍位置に、外側から内側に向けて窪む上側窪み部1H2〜5H2を、長手方向に延在するように形成している。このように、内側から外側に向けて窪む下側窪み部1H1〜5H1を、取付部分の近傍位置に形成しているので、左右両側のパンタグラフ遮音板間の定在波による影響と考えられる、特定周波数での遮音効果の低下を防止することができる。そして、外側から内側に向けて窪む上側窪み部1H2〜5H2を、上端部の近傍位置に形成しているので、上端部を回折した音と第2の窪み部で反射した音とが互いにうち消し合って、騒音レベルを更に低下させることができる。
また、パンタグラフ遮音板1においては、車体屋根Trから略垂直方向へと延びる垂直板部11と、垂直板部11から折曲し車体Tの内側へと傾斜して延びる傾斜板部12と、傾斜板部12から折曲し車体Tの外側に向けて略水平に突出する水平突出板部13と、から構成し、下側窪み部1H1を、垂直板部11と傾斜板部12との内側の領域に形成するとともに、上側窪み部1H2を、傾斜板部12の外側であって水平突出板部13の下側の領域に形成するようにしている。このように、複数の板部の組み合わせによって、下側窪み部1H1及び上側窪み部1H2を形成するようにしているので、車体断面積をより小さくすることができるとともに、簡易な構成として軽量化を図りながら、パンタグラフ遮音板1の剛性を高めることができる。
また、パンタグラフ遮音板1を、従来型のように垂直な平板状とはしていないので、左右両側の遮音板間の定在波による影響と考えられる、特定周波数での遮音効果の低下を、より的確に防止することができる。
また、パンタグラフ遮音板1を、従来型のように垂直な平板状とはしていないので、左右両側の遮音板間の定在波による影響と考えられる、特定周波数での遮音効果の低下を、より的確に防止することができる。
更に、水平突出板部13の外側端部13tを、車体Tの車両限界の内側であって車体側面Tsの延長面Ts’上まで至るように形成しているので、パンタグラフ遮音板1上部における騒音の回折点を、より高くより外側の位置に来させることができ、遮音効果を更に高めることができる。
また、パンタグラフ遮音板2においては、車体屋根Trから略垂直方向へと延びる第1垂直板部21と、第1垂直板部21から折曲し車体Tの内側へと傾斜して延びる傾斜板部22と、傾斜板部22から折曲し略垂直方向へと延びる第2垂直板部23と、第2の垂直板部23から折曲し車体Tの外側に向けて略水平に突出する水平突出板部24と、から構成し、下側窪み部2H1を、第1垂直板部21と傾斜板部22との内側の領域に形成するとともに、上側窪み部2H2を、傾斜板部22と第2垂直板部23との外側であって水平突出板部24の下側の領域に形成するようにしている。このように、傾斜板部22と水平突出板部24との間に第2垂直板部23を介在させているので、上側窪み部2H2をより深く掘った形状として大きくとることができ、遮音効果をより高めることができる。
更に、パンタグラフ遮音板2の取り付け長さを6m以上に設定することによって、パンタグラフからの直接音と、奥に位置するパンタグラフ遮音板2からの反射音とが、重なることによる影響を低減することができるので、より遮音性能を向上させることができる。
更に、パンタグラフ遮音板2の長手方向両端部を、側面視略垂直方向に延びるように形成しているので、パンタグラフ遮音板2自体から発生する空力騒音を低減することができる。
1,2,3,4,5 パンタグラフ遮音板(遮音板、車両用集電装置の遮音板)
1H1,2H1,3H1,4H1,5H1 下側窪み部(第1の窪み部)
1H2,2H2,3H2,4H2,5H2 上側窪み部(第2の窪み部)
11 垂直板部
21,31,41,51 第1垂直板部(第1の垂直板部)
12,22,32,42,52 傾斜板部
23,33,43,53 第2垂直板部(第2の垂直板部)
13,24,34,44,54 水平突出板部
13t,24t,34t,44t,54t 外側端部
2e2 端部
T 車体
Tr 車体屋根
Ts 車体側面
Ts’ 延長面
G パンタグラフ(車両用集電装置)
1H1,2H1,3H1,4H1,5H1 下側窪み部(第1の窪み部)
1H2,2H2,3H2,4H2,5H2 上側窪み部(第2の窪み部)
11 垂直板部
21,31,41,51 第1垂直板部(第1の垂直板部)
12,22,32,42,52 傾斜板部
23,33,43,53 第2垂直板部(第2の垂直板部)
13,24,34,44,54 水平突出板部
13t,24t,34t,44t,54t 外側端部
2e2 端部
T 車体
Tr 車体屋根
Ts 車体側面
Ts’ 延長面
G パンタグラフ(車両用集電装置)
Claims (6)
- 車両用集電装置の側方の車体屋根に取り付けられ、前記車体の長手方向に所定長さ延在して前記車両用集電装置から発生する騒音を遮蔽する遮音板であって、
前記車体の長手方向と直交する断面における、前記車体屋根との取付部分の近傍位置に、内側から外側に向けて窪む第1の窪み部が長手方向に延在するように形成されているとともに、上端部の近傍位置に、外側から内側に向けて窪む第2の窪み部が長手方向に延在するように形成されていることを特徴とする車両用集電装置の遮音板。 - 前記遮音板は、
前記車体屋根から略垂直方向へと延びる垂直板部と、
該垂直板部から折曲し前記車体の内側へと傾斜して延びる傾斜板部と、
該傾斜板部から折曲し前記車体の外側に向けて略水平に突出する水平突出板部と、
から構成され、
前記第1の窪み部は、前記垂直板部と前記傾斜板部との内側に形成されているとともに、前記第2の窪み部は、前記傾斜板部の外側であって前記水平突出板部の下側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用集電装置の遮音板。 - 前記遮音板は、
前記車体屋根から略垂直方向へと延びる第1の垂直板部と、
該垂直板部から折曲し前記車体の内側へと傾斜して延びる傾斜板部と、
該傾斜板部から折曲し略垂直方向へと延びる第2の垂直板部と、
該第2の垂直板部から折曲し前記車体の外側に向けて略水平に突出する水平突出板部と、
から構成され、
前記第1の窪み部は、前記第1の垂直板部と前記傾斜板部との内側に形成されているとともに、前記第2の窪み部は、前記傾斜板部と前記第2の垂直板部との外側であって前記水平突出板部の下側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用集電装置の遮音板。 - 前記水平突出板部は、その外側端部が、前記車体の車両限界の内側であって該車体の側面の延長面上まで至るように形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用集電装置の遮音板。
- 前記遮音板の取り付け長さが6m以上に設定されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車両用集電装置の遮音板。
- 前記遮音板の長手方向両端部は、側面視略垂直方向に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の車両用集電装置の遮音板。
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2004
- 2004-12-02 JP JP2004349939A patent/JP2006159938A/ja not_active Withdrawn
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