JP7221826B2 - スクリーン装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2において、本実施形態に係るスクリーン装置としてのロール網戸1は、建物の外壁開口部に固定される窓の窓枠に取り付けられるものである。ロール網戸1は、窓枠に固定される網戸枠11(枠体)と、網戸枠11の内部にて左右に開閉自在に設けられるスクリーンであるネット20(網材)とを備えている。
以下の説明において、ロール網戸1の左右方向をX軸方向とし、ロール網戸1の上下方向をY軸方向とし、ロール網戸1の見込み方向(屋内外方向、面外方向)をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
経糸21および緯糸22の線径は、例えば0.05mm~0.30mmの範囲で設定されてもよく、ネット20の各編目の開口幅は0.5mm~1.5mmの範囲で設定されてもよい。このようなネット20では、経糸21および緯糸22の線径が細くなるほど、捩れた場合に皺が生じやすい特性となる。
このネット20は、可動框24をX軸方向に操作することで、ロール網戸1を開放状態および閉鎖状態に切り替える。具体的には、X軸方向における開放側である図1の左側に向かって可動框24を操作し、巻取軸13Aにネット20および抜止めテープ10を巻き取らせると共に、可動框24を収納ケース13に当接させることでロール網戸1を開放状態とする。一方、X軸方向における閉鎖側である図1の右側に向かって可動框24を操作し、収納ケース13からネット20を繰り出すと共に、可動框24を当接枠14に当接させることでロール網戸1を閉鎖状態とする。
上レール枠15側のガイドレール17は、図2に示すように、上レール枠15に係合した底壁部171と、底壁部171から垂下した一対の側壁部172と、一対の側壁部172の下端からZ軸方向において互いに近接する方向に延出した一対の開口形成片部173とを有しており、底壁部171、一対の側壁部172および一対の開口形成片部173によってX軸方向に延びたガイド溝17Aが形成されている。一対の開口形成片部173の間にはガイド溝17AのX軸方向に沿った開口17Bが形成されている。
下レール枠16側のガイドレール17は、上レール枠15側のガイドレール17と同様に形成されて上下逆向きに配置されている。このため、一対の側壁部172は底壁部171から立ち上げられ、一対の開口形成片部173は底壁部171よりも下方に配置されている。
抜止めテープ10は、図5に示すように、ネット20のX軸方向に沿った側縁部20A(縁部)に沿って挟着される第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bと、第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bの長手方向(X軸方向)に沿ってそれぞれ設けられた第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bと、第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bの間に設けられた折返し部50とを有している。第一テープ部30Aおよび第一線状重ね部40Aと第二テープ部30Bおよび第二線状重ね部40BはY軸方向において互いに対向して配置されており、折返し部50は、抜止めテープ10のY軸方向における中央位置に配置されている。
第一線状重ね部40Aの複数列の鎖編糸43のうち第一テープ部30A側に位置する鎖編糸43は、第一テープ部30Aの複数列の経挿入糸31のうち第一線状重ね部40A側に位置する経挿入糸31と連結されており、これにより、第一線状重ね部40Aは第一テープ部30Aと連続している。第二線状重ね部40Bの複数列の鎖編糸43のうち第二テープ部30B側に位置する鎖編糸43は、第二テープ部30Bの複数の経挿入糸31のうち第二線状重ね部40B側に位置する経挿入糸31に連結されており、これにより、第二線状重ね部40Bは第二テープ部30Bに連続している。
第一線状重ね部40Aにおいては、連続線部62(一方の連続線部)は、複数の重ね線部61の折返し部50側における一方の端部同士を連続させており、連続線部63(他方の連続線部)は、複数の重ね線部61の第一テープ部30A側における他方の端部同士を連続させている。連続線部62と連続線部63とはX軸方向に沿って交互に配置されており、これにより、線材60の全体は蛇行形状となってX軸方向に延びている。連続線部62および互いに隣り合う二つの重ね線部61によってU字形部が構成されており、連続線部63および互いに隣り合う二つの重ね線部61によって逆U字形部が構成されている。なお、重ね線部61と連続線部62,63との連続部分は湾曲形状とされている。
第二線状重ね部40Bは、第一線状重ね部40Aと概略同様に構成されており、複数の重ね線部61の折返し部50側における一方の端部同士が連続線部62によって連続されており、複数の重ね線部61の第二テープ部30B側における他方の端部同士が連続線部63によって連続されており、連続線部62と連続線部63とはX軸方向に沿って交互に配置されることで、線材60の全体は蛇行形状となってX軸方向に延びている。
第一線状重ね部40Aにおける重ね線部61と第二線状重ね部40Bにおける重ね線部61とは、折返し部50の折返し状態で互いに重なって配置可能にY軸方向に対向して配置されている。
第一線状重ね部40Aにおける連続線部62と第二線状重ね部40Bにおける連続線部62とは、X軸方向において異なる位置であって、第一線状重ね部40Aにおける連続線部62は、第二線状重ね部40Bにおける二つの連続線部62間の位置に配置されている。このため、第一線状重ね部40Aにおける連続線部62と第二線状重ね部40Bにおける連続線部63とがY軸方向に対向して配置され、且つ、第一線状重ね部40Aにおける連続線部63と第二線状重ね部40Bにおける連続線部62とがY軸方向に対向して配置されている。
抜止め部40の両面側には蛇行形状の線材60が露出している。各線材60はX軸方向およびY軸方向に規定される仮想面に沿っている。このため、各線材60によってX軸方向およびY軸方向に沿ったフラットな仮想外面65が構成される。
ここで、第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bが、第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bの編糸(例えば鎖編糸32)よりも径寸法が大きい編糸(例えば鎖編糸43など)を編み込んで構成されることで、第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bの編組織の厚さ寸法を第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bの編組織の厚さ寸法よりも大きい寸法にできる。また、第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bを構成する編糸の種類を、第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bを構成する編糸の種類よりも多くすることで、第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bの編組織の厚さ寸法を第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bの編組織の厚さ寸法よりも大きい寸法にできる。このようにすることで、ネット20が引き抜かれようとした際におけるガイドレール17と抜止め部40との係合代を更に大きくできて抜止め性を向上できる。
第一線状重ね部40AのZ軸方向における厚さ寸法は第一テープ部30AのZ軸方向における厚さ寸法よりも大きい寸法とされており、第二線状重ね部40Bおよび第二テープ部30BのZ軸方向における各厚さ寸法は第一線状重ね部40Aおよび第一テープ部30Aの各厚さ寸法と等しい寸法とされている。抜止め部40のZ軸方向における厚さ寸法T1は第一線状重ね部40A、第二線状重ね部40Bおよびこれらの間に位置するネット20を合わせたZ軸方向における厚さ寸法である。この抜止め部40の厚さ寸法T1は、第一テープ部30A、第二テープ部30Bおよびネット20を合わせたテープ部30のZ軸方向における厚さ寸法T2よりも大きい寸法とされている。
第一線状重ね部40AのY軸方向における幅寸法W1は第一テープ部30AのY軸方向における幅寸法W2と同じ寸法とされており、第二線状重ね部40Bおよび第二テープ部30BのY軸方向における各幅寸法W1,W2は第一線状重ね部40Aおよび第一テープ部30AのY軸方向における各幅寸法W1,W2と等しい寸法である。抜止め部40のY軸方向における幅寸法W1は、テープ部30のY軸方向における幅寸法W2と同じ寸法とされている。
折返し部50のY軸方向における幅寸法W3は、第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bの幅寸法W1よりも小さい。
各線材60の径寸法(線径)は0.3mmであり、線材60に構成されたU字形部同士のピッチおよび逆U字形部同士のピッチは0.9mm(線材60の径寸法の3倍程度)である。第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bの厚さ寸法は0.3mmであり、線材60を有する第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bは0.6mmである。第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bの幅寸法W1、すなわち、抜止め部40の幅寸法W1は2mmであり、第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bの幅寸法W2、すなわちテープ部30の幅寸法W2は2mmであり、このため、折返し状態の抜止めテープ10の幅寸法Wは4mmである。抜止め部40の厚さ寸法T1は1.35mm(第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bの各厚さ寸法とネット20の厚さ寸法との合計)であり、テープ部30の厚さ寸法T2は0.75mm(第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bの各厚さ寸法とネット20の厚さ寸法との合計)である。厚さ寸法T1,T2の寸法差は0.6mmである。折返し部50の幅寸法W3は1mmである(好ましくは1mm以下)。
なお、線材60の径寸法は製造上可能であれば0.3mm以下の寸法であってもよく、線材60のU字形部同士、逆U字形部同士のピッチは0.9mm以下の寸法(線材60の径寸法の3倍以下の寸法)であってもよく、抜止め部40の厚さ寸法T1は1.35mm以下の寸法であってもよく、テープ部30の厚さ寸法T2は0.75mm以下の寸法であってもよい。
ガイド溝17AのY軸方向における溝深さ寸法GDは、抜止めテープ10の幅寸法W以上の寸法とされており、ガイド溝17AのZ軸方向における溝幅寸法GWは、抜止め部40の厚さ寸法T1以上の寸法とされており、ガイド溝17Aの開口17BのZ軸方向における開口幅寸法OWは、抜止め部40の厚さ寸法T1よりも小さい寸法であって且つテープ部30の厚さ寸法T2よりも小さい寸法とされている。このように寸法設定されたガイド溝17Aには、抜止めテープ10の全体が収められており、開口17Bにはネット20が挿通されている。
図1に示す閉鎖状態では、ネット20が風圧等の影響を受けてガイド溝17AからY軸方向に引き抜かれようとしても、抜止め部40が開口形成片部173に当たることでネット20を抜止めする。また、ネット20の巻取りや繰出しの際に抜止め部40が開口形成片部173に当たっても、実際に開口形成片部173に当たる線材60が樹脂製(本実施形態ではポリエチレンテレフタラート(PET))のモノフィラメント糸によって形成されているので、抜止め部40のガイドレール17に対する摺動抵抗を小さく抑えることができ、ネット20を円滑にスライド移動させることができる。更に、本実施形態ではガイドレール17も樹脂製であるので前述した摺動抵抗を更に小さく抑え得る。
また、閉鎖状態から開口状態にするために可動框24を左側に操作すると、巻取軸13Aが軸心を中心として巻取方向に回転し、ネット20および抜止めテープ10が巻取軸13Aによって巻き取られて収納ケース13内に収納される。ネット20が巻取軸13Aに断面渦巻き状に巻き取られた巻取状態では、抜止めテープ10の仮想外面65は、図9に示すように、軸方向Aに直交する直交方向Bにおいて隣接する仮想外面65と重なり、これにより、抜止め部40は直交方向Bに重ね合わされる。ここで、仮想外面65は線材60によってフラットに形成されているので、抜止め部40同士が重ね合わされても軸方向Aへの位置ズレの発生を抑えることができる。このため、当該位置ズレに起因してネット20に皺などが発生するおそれをなくし得る。
本実施形態では、抜止め部40の厚さ寸法T1を小さくできてガイドレール17の小型化を図り得る。そのうえ、前述したように抜止めテープ10の幅寸法Wを小さくできるので、抜止めテープ10の全体をガイド溝17Aに収めても、ガイドレール17の見付け寸法の大型化を抑えることが容易となり、ガイドレール17が目立たないロール網戸1を構成できて外観の向上を図り得る。また、抜止め部40の厚さ寸法T1を小さくできるので、ネット20および抜止めテープ10を巻取軸13Aに巻き取った際の巻き径を小さくできる。
本実施形態では、線材60を蛇行形状として幅寸法W1をある程度大きくしているので、Y軸方向の巻きズレをより効果的に抑制できる。
本実施形態では、第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bをネット20に縫製接合しているので、熱溶着工程が不要であり、製造工程の簡略化によるコスト削減を図れると共に、熱溶着による熱収縮が生じてガイドレール17と抜止めテープ10とが干渉するおそれをなくすことができ、抜止めテープ10をガイドレール17に沿って円滑にスライド移動できる。
また、例えばネット20の側縁部20Aに固定したテープ部に対してゴムシートを設置することで抜止め部を構成することが挙げられるが、この場合、ゴムシートとガイドレール17との摺動抵抗が大きくなってしまい、ネット20の円滑に開閉移動させることが困難となるおそれがある。また、ゴムシートを熱溶着する場合には前述したように熱収縮が生じてガイドレール17と干渉しやすくなるおそれがあり、ゴムシートをテープ部およびネット20とともに縫製接合する場合には、縫製時に縫い縮み(パッカリング)が生じるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、ゴムシートを採用せずに前述したように樹脂製のモノフィラメント糸によって形成された線材60を有して抜止め部40を構成するので、抜止め部40およびガイドレール17の摺動抵抗を小さく抑えることができてネット20を円滑に開閉移動できる。また、第一テープ部30Aおよび第二テープ部30Bをネット20に縫製接合するだけなので、熱溶着によって熱収縮が生じるおそれがなく、ゴムシートがないのでパッカリングが生じるおそれも低減できる。
前記実施形態では、X軸方向に蛇行形状に延びた線材60を説明したが、これに限らず、例えば図7に示すように、X軸方向に間隔を隔てて複数並設された線材70を備えていてもよい。複数の線材70は、Y軸方向に延びた一対の重ね線部61と、一対の重ね線部61を連続させた連続線部62とをそれぞれ有してU字形に形成されており、連続線部62は、折返し部50側における一対の重ね線部61の端部(一方の端部)を連続させている。第一線状重ね部40Aにおける重ね線部61と第二線状重ね部40Bにおける重ね線部61とは、互いに重なって配置可能にY軸方向に対向している。第一線状重ね部40Aにおける連続線部62と第二線状重ね部40Bにおける連続線部62とは、X軸方向において異なる位置に配置されている。
このような構成によれば、Y軸方向に対向する重ね線部61同士を、折返し部50を折り返して重ねることで抜止め部40を構成できる。複数の線材70が連続せずにX軸方向に間隔を隔てて配置されているので、X軸方向に長く連続した線材を有する場合と比べて、例えば線材70の径寸法を大きくして抜止め部を大きく形成しても、抜止めテープ10の曲げ性を維持可能な構成にできる。
更に、第一線状重ね部40Aにおける連続線部62と第二線状重ね部40Bにおける連続線部62とがX軸方向において異なる位置に配置されることで、折返し部50の幅寸法W3をより小さくしても、連続線部62同士が干渉することを抑制できる。
この場合、折返し部50側の連続線部62がないので、複数の線材70を折返し部50側に突出しない位置に縫い止めることができ、その分、第一線状重ね部40Aおよび第二線状重ね部40Bの幅寸法W1を小さくできる。これにより、抜止めテープ10全体の小型化を図り得る。
前記実施形態では、折返し部50に対して左側に一列の第一線状重ね部40Aを設置し、且つ、折返し部50に対して右側に一列の第二線状重ね部40Bを設置しているが、これに限らない。例えば、折返し部50に対して左側に二列以上の第一線状重ね部40Aを設置し、且つ、折返し部50に対して右側に二列以上の第二線状重ね部40Bを設置して、幅寸法W1の大きい抜止め部40を構成可能としてもよい。
前記実施形態では、線材60にはU字形部および逆U字形部が複数構成されているが、これに限らず、例えば、重ね線部61を直線状ではなく略S字形状に湾曲させ、且つ連続線部62,63を円弧形状に湾曲させることで、S字形部および逆S字形部が複数構成されていてもよい。
前記実施形態では、線材60,70は、PETのモノフィラメント糸によって形成されているが、これに限らず、PP、ポリアミド、PVC、PBT、ポリエチレン等緯のモノフィラメント糸によって形成されていてもよい。また、線材60,70は、金属ワイヤーやマルチフィラメント糸などのモノフィラメント糸以外のものによって形成されていてもよく、金属繊維、炭素繊維、合成繊維等が採用されていてもよい。
抜止めテープ10が用いられるものとして、可動框24を左右方向に操作可能な横スライド式のロール網戸1を説明したが、このほか、可動框24を上下方向に操作可能な上下スライド式のロール網戸であってもよい。
前記実施形態では、防虫等に用いられるネット20(網材)をスクリーンとして備えるロール網戸1をスクリーン装置として説明したが、このほか、遮光等に用いられるスクリーンを備えるロールスクリーン装置をスクリーン装置としてもよい。なお、ロールスクリーン装置は、ロール網戸1のネット20を遮光等に用いられるスクリーンに換えることで構成できる。
本発明のスクリーン装置は、巻取軸と、前記巻取軸に繰出し可能に巻き取られたスクリーンと、前記スクリーンを繰出し方向に案内するガイドレールとを備え、前記ガイドレールには、その長手方向に沿った開口を有したガイド溝が形成され、前記スクリーンの繰出し方向に沿った縁部には前記ガイド溝に配置される抜止めテープが取り付けられ、前記抜止めテープは、前記スクリーンの縁部に挟着される第一テープ部および第二テープ部と、前記第一テープ部の長手方向に沿って設けられた第一線状重ね部と、前記第二テープ部の長手方向に沿って設けられた第二線状重ね部と、前記第一線状重ね部および前記第二線状重ね部の間に設けられた折返し部とを有し、前記第一線状重ね部および前記第二線状重ね部は、前記折返し部の折返し状態で互いに重なって抜止め部を構成する線材を有し、前記スクリーンの面外方向における前記抜止め部の厚さ寸法は前記開口の開口幅寸法よりも大きいことを特徴とする。
本発明のスクリーン装置によれば、折返し部を折り返して第一、第二線状重ね部の線材を重ねて配置するので、線材をスクリーンの両面にコイル状に巻き回して配置する必要がない。このため、例えばテープ部に固定されたコイル状に連続したコイルエレメントによって抜止め部を構成する場合と比べて、抜止めとして機能する範囲内で厚さ寸法(抜止めテープの長手方向および幅方向に直交する厚さ方向における寸法)を小さくでき、このような抜止め部が係合するガイドレールの見込み寸法を小さくできる。
また、第一、第二線状重ね部の間に折返し部を設けているので、折返し部を折り返すことによって第一、第二線状重ね部同士を容易に位置合わせできる。
このような構成によれば、モノフィラメント糸を採用することで剛性および成形性の双方を兼ね備えた線材を形成できる。例えば金属ワイヤーでは、剛性はあるが成形性が低く、径寸法を大きくすれば固くなり過ぎてしまって曲げ性が低下する。また例えば、マルチフィラメント糸では、成形性はあるが剛性が低く、これを用いて抜止め部を構成しても、マルチフィラメント糸が潰れて抜止めテープが抜けてしまうおそれがある。これらに対して、本発明のようにモノフィラメント糸によって線材を形成することで、成形しやすく、抜止め部を構成しても潰れ難いので抜止めテープが抜けてしまうおそれを低減でき、また、径寸法を大きくしても金属ワイヤーほど固くなることはなく適度な曲げ性を維持できる。
このような構成によれば、スクリーンの巻回状態では前述したフラットな仮想外面を構成する線材同士が重ね合わされるので、例えば丸みのあるコイルエレメントを抜止め部として採用した場合と比べて、抜止めテープの長手方向に直交する方向の巻きズレの発生を抑制できる。
また、例えばスクリーンの縁部にフラットな当接面を有したゴムシートを設け、スクリーンの巻取状態でゴムシートの当接面同士を当接させることで、前述したコイルエレメント等に構成される抜止め部同士が押し付けあうことをなくすことで、前記巻きズレの発生を抑制することが考えられる。しかし、この場合には、ゴムシートの厚さ寸法(スクリーンの面外方向における寸法)は、係合用小突起同士が互いに押し付けあわない程度に大きい寸法とする必要がある。このため、スクリーンの巻取状態では、巻取軸の径方向にゴムシートが重なり合うことで巻取径が大きくなってしまう。これに対し、本発明では、スクリーンの巻取状態で抜止め部同士を重ね合わせても巻きズレが抑制できるので前述したゴムシートが不要であり、このため、スクリーンの巻取径を小さくできる。
このような構成によれば、第一テープ部および第二テープ部の編組織に対して、第一線状重ね部および第二線状重ね部の編組織の厚さ寸法を大きくできて、抜止め部を大きく構成できる。
このような構成によれば、第一テープ部および第二テープ部の編組織に対して、第一線状重ね部および第二線状重ね部の編組織の厚さ寸法を大きくできて、抜止め部を大きく構成できる。
このような構成によれば、折返し部を折り返し、幅方向に対向する重ね線部同士を重ねて配置することで抜止め部を構成できる。また、例えば抜止めテープの長手方向に沿って間隔を隔てて複数並設された線材を有する第一、第二線状重ね部と比べて、線材を容易に設置できると共に、抜止めテープの長手方向における重ね線部同士の間隔を保つ間隔保持性を向上できる。
また、連続した線材を用いるので、複数の線材を配置する場合と比べて、製造容易であり、且つ、第一線状重ね部および第二線状重ね部から外れにくい構成にできる。
このような構成によれば、抜止めテープの長手方向に沿って直線状に長く連続する直線部のない蛇行形状の線材を形成でき、前述したように長く連続する直線部を有する線材と比べて、抜止めテープを曲げ易く構成できる。
このような構成によれば、第一線状重ね部における一方の連続線部と第二線状重ね部における一方の連続線部とが抜止めテープの長手方向において異なる位置に配置されているので、これら連続線部同士が干渉することを抑制できる。このため、例えば第一線状重ね部における一方の連続線部と第二線状重ね部における一方の連続線部とが幅方向に対向する位置にある場合と比べて、折返し部の幅寸法をより小さくでき、抜止めテープを固定するスクリーンの厚さ寸法に幅広く対応可能な寸法設定にできる。
このような構成によれば、折返し部を折り返し、幅方向に対向する重ね線部同士を重ねて配置することで抜止め部を構成できる。また、例えば抜止めテープの長手方向に沿って連続した線材を有する第一、第二線状重ね部と比べて、複数の線材同士が連続していない分、抜止めテープを曲げ易く構成できる。このため、例えば線材の径寸法を大きくして抜止め部を大きく形成しても、抜止めテープの曲げ性を維持可能な構成にできる。
このような構成によれば、折返し部側の連続線部がないので、複数の線材を折返し部側に突出しない位置に固定でき、その分、第一線状重ね部および第二線状重ね部の幅寸法を小さくできる。これにより、抜止めテープ全体の小型化を図り得る。
このような構成によれば、第一線状重ね部における連続線部と第二線状重ね部における連続線部とが抜止めテープの長手方向において異なる位置に配置されているので、これら連続線部同士が干渉することを抑制できる。このため、例えば第一線状重ね部における連続線部と第二線状重ね部における連続線部とが幅方向に対向する位置にある場合と比べて、折返し部の幅寸法をより小さくでき、抜止めテープを固定するスクリーンの厚さ寸法に幅広く対応可能な寸法設定にできる。
このような構成によれば、折返し部を折り返すことで第一、第二線状重ね部同士が重ねて配置されることとなるので、これらを容易に位置合わせできる。また、折返し状態で第一、第二線状重ね部が重ねて配置されても、折返し部が第一、第二線状重ね部から突出する寸法を小さくでき、これにより、抜止めテープの折返し状態における幅寸法を小さくできて、ガイドレールの見付け寸法を小さくできる。更に、このようにガイドレールの見付け寸法を小さくした場合であっても、折返し部と当該ガイドレールとの間にクリアランスを設けることができて、抜止めテープとガイドレールとの干渉を抑えることができる。
Claims (12)
- 巻取軸と、前記巻取軸に繰出し可能に巻き取られたスクリーンと、前記スクリーンを繰出し方向に案内するガイドレールとを備え、
前記ガイドレールには、その長手方向に沿った開口を有したガイド溝が形成され、
前記スクリーンの繰出し方向に沿った縁部には前記ガイド溝に配置される抜止めテープが取り付けられ、
前記抜止めテープは、前記スクリーンの縁部に挟着される第一テープ部および第二テープ部と、前記第一テープ部の長手方向に沿って設けられた第一線状重ね部と、前記第二テープ部の長手方向に沿って設けられた第二線状重ね部と、前記第一線状重ね部および前記第二線状重ね部の間に設けられた折返し部とを有し、
前記第一線状重ね部および前記第二線状重ね部は、前記折返し部の折返し状態で互いに重なって抜止め部を構成する線材を有し、
前記スクリーンの面外方向における前記抜止め部の厚さ寸法は前記開口の開口幅寸法よりも大きい
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項1に記載のスクリーン装置において、
前記線材はモノフィラメント糸によって形成される
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項1または請求項2に記載のスクリーン装置において、
前記線材の径寸法は均一であり、
前記抜止め部には、前記抜止めテープの長手方向およびこの長手方向に直交する幅方向に沿ったフラットな仮想外面が前記線材によって構成される
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスクリーン装置において、
前記第一テープ部および前記第二テープ部は、編糸が編み込まれた編組織によって構成され、
前記第一線状重ね部および前記第二線状重ね部は、前記編糸よりも径寸法が大きい編糸が編み込まれた編組織によって構成される
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスクリーン装置において、
前記第一テープ部および前記第二テープ部は、複数種類の編糸が編み込まれた編組織によって構成され、
前記第一線状重ね部および前記第二線状重ね部は、前記第一テープ部および前記第二テープ部を構成する前記編糸の種類よりも多い種類の編糸が編み込まれた編組織によって構成される
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスクリーン装置において、
前記線材は、前記抜止めテープの長手方向に直交する幅方向に延びた複数の重ね線部と、前記複数の重ね線部を連続させた複数の連続線部とをそれぞれ有し、
前記第一線状重ね部における前記重ね線部と前記第二線状重ね部における前記重ね線部とは、互いに重なって配置可能に幅方向に対向する
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項6に記載のスクリーン装置において、
前記複数の連続線部には、前記抜止めテープの長手方向において前記複数の重ね線部のうち互いに隣り合う重ね線部の一方の端部同士を連続させる一方の連続線部と、前記抜止めテープの長手方向において前記複数の重ね線部のうち互いに隣り合う重ね線部の他方の端部同士を連続させる他方の連続線部とがあり、
前記一方の連続線部および前記他方の連続線部は、前記抜止めテープの長手方向に沿って交互に配置される
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項7に記載のスクリーン装置において、
前記第一線状重ね部における前記一方の連続線部と前記第二線状重ね部における前記一方の連続線部とは、前記折返し部側にそれぞれ配置されていると共に、前記抜止めテープの長手方向において異なる位置に配置される
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスクリーン装置において、
前記線材は、前記抜止めテープの長手方向に間隔を隔てて複数並設され、
前記複数の線材は、前記抜止めテープの長手方向に直交する幅方向に延びた一対の重ね線部と、前記一対の重ね線部を連続させた連続線部とをそれぞれ有し、
前記第一線状重ね部における前記重ね線部と前記第二線状重ね部における前記重ね線部とは、互いに重なって配置可能に前記幅方向に対向する
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項9に記載のスクリーン装置において、
前記連続線部は、前記折返し部とは反対側における前記一対の重ね線部の端部を連続させる
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項10に記載のスクリーン装置において、
前記第一線状重ね部における前記連続線部と前記第二線状重ね部における前記連続線部とは、前記抜止めテープの長手方向において異なる位置に配置される
ことを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のスクリーン装置において、
前記折返し部の長手方向に直交する幅方向における幅寸法は、前記第一線状重ね部および前記第二線状重ね部の前記幅方向における幅寸法よりも小さい
ことを特徴とするスクリーン装置。
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